JP3594313B2 - 転用可能な小児用安全ブリスター容器 - Google Patents

Description

発明の背景
近年、包装薬剤に接近するに十分な障害を含み、容器を子供が容易に開封するの防ぐ医薬生成物用包装を提供することに膨大な努力が向けられている。また、これらの「小児用安全」容器は、容器開封の指示に従うことができる成人に対しては包装薬剤に容易な接近を供するものでなければならない。
現在市販されているポピュラーなタイプの小児用安全容器は、錠剤が熱可塑性材料の個々の柔軟なブリスター中に含まれ、ついで保護層によってカバーされた破裂性箔材料によって密閉された、いわゆる「ピール−プッシュ（peel−push）」容器である。錠剤への接近は、保護層を剥離して破裂性箔材料を露出させ、ブリスターを押すことによって破裂性材料を通して錠剤を押し出すことによって選択的に得られる。このタイプの容器の例は、図７および米国特許第3,912,082号、第4,011,949号、第4,125,190号、第5,088,603号、第5,172,812号および米国再発行特許第29,705号に説明されている。
他のポピュラーなタイプの小児用安全容器を、図５および６に図示する。この容器10は、その中に配されたブリスター114、薄箔層120、ポリエステル支持層122および紙底層124を有するポリ塩化ビニル・ブリスター層116よりなる。穿孔線104、106および108は、個々の容器10を互いに分離し、引裂スリット110および112が容器に配されていて容器内容物への接近を許容する。容器10は、一般的に、２または３以上の容器10よりなる列102に形成される。
小児用安全包装は包装薬剤への子供の接近を防ぐのに有効な期間にわたって首尾よいことが証明されているが、子供が存在しない環境においては、該容器の子供に安全な特徴は望ましくないこともあり得る。すなわち、高齢の人々のみがいる病院および家庭においては、包装医薬への接近の容易性は、恐らく、包装に関する最も重要な考慮すべき事項である。したがって、薬剤への接近を得るためにはある種の規定工程を行わなければならない小児用安全から、包装薬剤への接近が容易に得られる非小児用安全に転用し得る薬剤包装の要望が存在する。
発明の概要
したがって、本発明の重要な目的は、使用者による最小限量の労力で小児用安全から非小児用安全に容器を転用し得る薬剤容器構造を提供することである。
本発明のさらなる目的は、個々の用量の医薬への接近を得るためには特別の操作工程を行うことを要し、薬剤容器の内容物への容易な接近が得られるように使用者によって薬剤容器を修飾し得る特徴も含む、小児用安全特性を有する薬剤包装を提供することである。
本発明の前記および他の目的は、固形薬物を含有するための新規ブリスター箔容器を提供することによって達成される。この容器は、第一、第二および第三のシートを含む。第一および第二シートは一緒に積層され、その間に形成された薬物を含有する複数のブリスターを有し、２または３以上のブリスターを含む列に整列されている。第三シートは、第一シートに対して反対側で第二シートに積層される。第一接近手段は、個々のブリスターのみに接近できる第一、第二および第三シートに配され、第二接近手段はブリスター列への接近を供する第三シートに配されている。
【図面の簡単な説明】
図１は、本発明の転用可能な小児用安全容器の第一の具体例を示す斜視図である。
図２は、非小児用安全に転用した図１の容器を示す斜視図である。
図３は、図１の線３−３に沿って採取した断面図である。
図４は、図２の線４−４に沿って採取した断面図である。
図５は、従来技術の小児用安全容器の斜視図である。
図６は、図５の線６−６に沿って採取した斜視図である。
図７は、従来技術の容器から錠剤を取り出す工程を示す斜視図である。
図８は、容器の小児用安全および非小児用安全特性を示す本発明の小児用安全容器の第二の具体例を示す斜視図である。
図９は、図８の線９−９に沿って採取した断面図である。
発明の詳細な説明
ここに、図１−４を参照して、本発明の転用可能な小児用安全ブリスター容器10は、破裂性材料よりなる第二層12に結合した第一熱成形性層11よりなる。該第二層12は、ヒートシールコーティングでコートして、第二層12へ第一層11をヒートシールすることができる。複数の変形またはブリスター15は、第一層11に配され、２または３以上のブリスター15よりなる列に整列される。ブリスター15は、固形医薬薬剤16をその中に受け含むように適合する。第三層17は第二層12の下に配され、その支持体として作用する。第三層17は、第二層12と接触してその側上に離型剥離コーティングでコートして、これらの層の間の恒久的結合を防止することができ、所望により第四層20によって裏打ちすることもできる。
第一層11は、好ましくは、ポリ塩化ビニル、または（少量の共重合酸を含むか、または含まない）塩化ビニル／酢酸ビニルコポリマーのごときポリ塩化ビニルコポリマー、ならびに、修飾ポリ塩化ビニルおよび／または積層ポリ塩化ビニル材料よりなる。また、ポリ塩化ビニルに、ポリ塩化ビニリデンコーティングを噴霧または積層してその水分耐性を改善することができる。第一層11の他の適当な材料は、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクラー（Aclar）^Ｒ、PETG/PP、PETG/HDPEおよびそれらのブレンドである。第一層11は、典型的には、7.5〜約15ミルの厚みを有する。
第二層12は、好ましくは、アルミニウム箔よりなり、0.8〜1.0ミルの厚みを有し得る。前記に論じたごとく、ビニル樹脂のごときヒートシール性材料を、アルミニウム箔上にコートして、ポリ塩化ビニル層11への箔層12のヒートシールを援助することができる。Hueck＆Cie社によるLX4のごときPVC/PVACコポリマーラッカーは、ヒートシールコーティングに特に適している。
第三層17は、好ましくは、約48〜100ゲージのポリエステルよりなる。DuPont社によるマイラー（Mylar）^Ｒのごときポリエチレンテレフタレートは、ポリエステルとして特に好ましい。第三層17を第二層12から剥離し得るように、第三層17は第二層12に粘着している。第二層12への第三層17の粘着は、ヒートシーリングまたは恒久的に結合しない適当な粘着剤を用いることによって達成することができる。離型剥離コーティングは、好ましくは、第二層12および第三層17の間に配される。Hueck＆Cie社によるNST7のごとき１−成分ポリウレタンは、離型剥離コーティングとして適当である。第四層20は、第三層17の裏打ち層として配され、好ましくは、15〜30ポンドの重量を有する紙よりなる。紙層20が存在する場合、それは、それらがユニットとして除去され得るように、ポリエステル層17と一体的に形成する。
本発明の好ましい具体例において、第二層12、第三層17および第四層20は、単一積層に形成する。離型剥離コーティングは第二層12および第三層17の間に配され、該第二層が該第三層に恒久的に結合することを防いでいる。第二層12に適用したヒートシールコーティングは、第二、第三および第四層の単一積層への第一層の結合を援助する。所望により、第二層12のいずれかの側上に印刷を配することもでき、容器10のダンパーエビダンスにこれを用いることもできる。製品情報および／または開封指示は、第四層上に配し得る。
図１−３に示すごとく、引裂スリット21が容器10に配されている。引裂スリット21は、第一、第二、第三および第四層を通して伸長し、個々のブリスター15への接近を得る手段として作用する。引裂スリット21は、好ましくは、直線スリットで、ブリスター15の列に対してそれが垂直になるように方向付けられ、引裂スリット21の長さに沿って引かれた直線が個々のブリスター15を横切るように個々のブリスター15に指向される。引裂スリット21の長さは重要ではなく、ブリスター15への接近を得る困難さの所望の程度によって決定される。好ましくは、該引裂スリットは、容器端と長軸方向に伸長する穿孔ストリップ27の端との間のほぼ半分の位置で、容器10面に配される。
その「未使用」状態においては、該容器は、容器10の内容物への接近が、引裂スリット21の使用によってのみ得ることができる点で「小児用安全」である。この様式においては、容器10の内容物への侵入は、引裂スリットの反対側に直接近接した位置で容器を使用者がつかみ、容器面に対して反対の垂直方向に引くことによって得られる。ついで、引裂スリット21を通して容器の端からブリスター15への引裂が起こり、それによってブリスターの内容物への接近が可能となる。
図８および９は、横方向に伸長する穿孔ストリップ30が個々のブリスター15への接近を得るための手段として作用する場合の本発明の他の具体例を図示している。穿孔ストリップ30は、容器の端31から長寸方向穿孔ストリップ27の外側引裂線32まで横方向に伸長する。また、横方向穿孔ストリップ30は、第三および第四層17、20のみに配される。容器端31に近接する横方向穿孔ストリップ30の末端35は、第二層12にシールされておらず，使用者は容易に穿孔ストリップ末端35をつかみ、第三および第四層17、20を第二層12から剥離し始めることができる。横方向穿孔ストリップ30は、外側引裂線32に向けて内側に剥離し、その場合に、引裂が内側引裂線33で終結して個々のブリスター15の下側の破裂性第二層12を露出させる。ブリスター15に含まれる薬物16は、ブリスター15の一部を薬物へと押すか、または潰し、これがついで薬物が破裂性第二層12に対して力をかけて第二層12を破裂することによって得られ、使用者が薬物16に接近することが供される。図８に示すごとく、本発明のこの具体例は、第一具体例と同様にして非小児用安全とすることができる。
本発明の別の特徴は、容器10を非小児用安全とし得ることである。図１に図示するごとく、本発明の容器10は、その末端に配された着脱可能な区画22を有する。着脱可能な区画22は、ブリスター15の列に対して垂直に方向付けられ、境界線25によって容器10の残部から分離されている。境界線25は、容器の全ての層を通して伸長する穿孔線、または、単純に容器10の前および／または裏側に印刷された線とすることができ、どこで、着脱可能な区画22を容器から除去すべきかを指示している。図２においては、容器10をこの裏側から見ており、境界線25は穿孔線である。
図２に示すごとく、容器10および穿孔線25の反対側の着脱可能な区画22をつかみ、容器面に対して反対の垂直方向に引くことによって、着脱可能な区画22を容器10の残部から除去する。ついで、着脱可能な区画22が容器10の残部から分離する引裂が起こる。別法として、境界線25に沿って容器を切断することによっても、着脱可能な区画22を容器10の残部から除去し得る。
容器10からの着脱可能な区画22の除去は、第三および第四層17、20に配された長寸方向に伸長する穿孔ストリップ27の末端26を露出させる。穿孔ストリップ27はブリスター15の列の下側に直接、かつ、それを完全に包含して配され、ブリスター列の長さを通して伸長する。穿孔ストリップの末端26は第二層12にシールされておらず、これによって使用者が容易に穿孔ストリップ末端26をつかみ、容器10の裏側から穿孔ストリップ27の除去を開始することが可能となる。
図２および４に示すごとく、穿孔ストリップ末端26をブリスター列の長さに沿って引くことにより、穿孔ストリップ27が容器10の残部から離れ、破裂性第二層12が露出される。穿孔ストリップ27を容器10の裏側から完全に除去した場合、それによって、使用者はブリスターの全列に容易に接近することができる。
穿孔ストリップ27が除去されると、薬物16へとブリスター15の一部を押すか、または潰し、ついでこのことが薬物を破裂性第二層12へと押しやって第二層12を破裂させ、使用者が薬物16に接近することができることによって、ブリスター15に含まれる薬物16が得られる。穿孔ストリップ27の除去は容器10は非小児用安全とすると記載したが、この記載が容器の非使用状態との比較にすぎないことは容易に明らかである。ストリップ27を除去した後、使用者は、薬物16へとブリスター15を押し、それによって薬物16を押しやって第二層12を破裂させ、薬物に接近できるという知識をなお有していなければならない。このように、ストリップ27を除去した後でさえ、容器10は子供が容易に接近することに対しての保護を提供する。
本発明の範囲から逸脱することなくある種の変形を前に議論した容器でなすことができるのは、前記記載から当業者に明らかであろう。したがって、本明細書に前記した記述事項は例示的なものであって、いかなる場合にも限定するものでないと解釈されなければならないことを意図している。なぜならば、本開示の範囲内のすべての同等物を置換することができ、かかる置換は以下の請求の範囲に包含されることを意図している。
排除的な特性または特権を請求する本発明の具体例は、以下のように規定される：

Claims (9)

1. 第一シート、第二シートおよび第三シートを含み、第一および第二シートは一緒に積層され、その間に画定された薬物を含有する複数のブリスターを有し、第三シートは該第一シートに対して反対側で第二シートに積層され、該ブリスターは２または３以上のブリスターより構成される列に整列され、第一の接近手段は 個々のブリスターにのみ接近できる該第一、第二および 第三シートに配された該列に対して直角に方向付けられ たスリットを含み、第二の接近手段はブリスター列への 接近を供する該第三シートに配された穿孔ストリップ、 ならびに該第一、第二および第三シートに配された着脱 可能な区画を含み、該着脱可能な区画は該穿孔ストリッ プに対して垂直に方向付けられ、かつ、その末端に接触 し、該穿孔ストリップは該ブリスター列の下側に直接配 され、その長さ全体にわたって伸長することを特徴とす る転用可能な小児用安全容器。
2. 該第二シートがアルミニウム箔であることを特徴とする請求項１記載の容器。
3. 該第一シートがポリ塩化ビニルよりことを特徴とする請求項１記載の容器。
4. 該着脱可能な区画が、第一、第二および第三シートに配された穿孔線によって容器の残部から分離されていることを特徴とする請求項１記載の容器。
5. 該第三シートがポリエステルシートであることを特徴とする請求項１記載の容器。
6. 第一シート、第二シート、第三シートおよび第四シートよりなり、該第一および第二シートは一緒に積層され、その間に画定された薬物を含有する複数のブリスターを有し、該第三シートは該第一シートに対して反対側で第二シートに積層され、該第四シートは該第二シートに対して反対側で第三シートに積層され、該ブリスターは２または３以上のブリスターより構成される列に整列され、第一の接近手段は個々のブリスターのみへの接近を供する該第一、第二、第三および第四シートに配されたスリットを含み、第二の接近手段はブリスター列への接近を供する、該第三および第四シートに配された穿孔ストリップ、ならびに該第一、第二、第三および第四シートに配された着脱可能な区画を含み、該穿孔ストリップは該ブリスター列の下側に直接配され、その長さ全体にわたって伸長し、該着脱可能な区画は該穿孔ストリップに対して垂直に方向付けられ、かつ、その末端に接触していることを特徴とする転用可能な小児用安全容器。
7. 第一シート、第二シートおよび第三シートよりなり、該第一シートおよび第二シートは一緒に積層され、その間に画定された薬物を含有する複数のブリスターを有し、該ブリスターは２または３以上のブリスターより構成される列に整列され、第一および第二の接近手段は該第三シートに配され、該第一の接近手段が、該列に対して垂直に方向付けられた第一穿孔ストリップよりなり、該第二の接近手段が、該ブリスター列の下側に直接配され、その長さ全体にわたって伸長する第二穿孔ストリップよりなり、該第一の接近手段により個々のブリスターにのみ接近することができ、該第二の手段によりブリスター列に接近することができることを特徴とする転用可能な小児用安全容器。
8. さらに、該第二シートに対して反対側で第三シートに積層する第四シートよりなることを特徴とする請求項７記載の容器。
9. 該第一および第二の接近手段が該第四シートに配されていることを特徴とする請求項８記載の容器。

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