JP4501041B2 - ブリスター包装用フィルム台紙及びブリスターケース - Google Patents

ブリスター包装用フィルム台紙及びブリスターケース Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯ブラシ、各種電器用部品その他の店頭販売用の外装ケースとして好適なブリスターケース用台紙およびブリスターケースに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、歯ブラシ、電器用コード、乾電池、化粧品その他の店頭販売用ケースとして、ブリスターケースが広く普及している。このブリスターケースはポリ塩化ビニル(以下PVCと称する)、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと称する)などのシートから成形されたブリスタードームと、ブリスタードームの開口部側に熱融着されたブリスター台紙とから構成されている。
【0003】
従来、一般的なブリスターケースとして、ブリスタードームにPVCを用い、ブリスター台紙には厚紙を基材として用いられたものが使用されてきた。
しかし近年、PVCは燃焼時の有害ガスや、ダイオキシン問題などの観点から敬遠され、安全性の高いPET基材への移行が急激に進みつつある。
加えて、台紙に紙が用いられていたため、台紙をドームから剥がし内容物を取りだそうとする場合、下記に示すような多くの課題を抱えていた。
(1)紙が層状に破れ(以下劈壊と称する)取り出しにくい場合がある。
(2)展示中の環境湿度により紙が寸法変化しブリスターケースが変形したり、カールし易い。
(3)内容物が水分を嫌う場合、紙層の透湿により変化し易い。
(4)ブリスターケースがゴミとして処分される場合、プラスチックと紙の分別がし難い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これらの課題に対し、台紙の紙の表面にプラスチックフィルムをラミネートする方法が適用されているが、これとてもカール等の問題が完全に解決するには至らず、また紙の両面にフィルムをラミネートする工程が増えること等からコストアップの要因となっている。更に、台紙をフィルム素材に変更しようとする試みも数多くなされている。
しかし、通常の透明なプラスチックフィルム等の場合には、台紙としての説明書きなど、表裏の印刷が見にくいこと、TiO2などの隠蔽材を含有するタイプの場合は、比重が高く大幅なコストアップになることなどから実用上使用されるに至っていない。
【0005】
そこで、一般的に合成紙と呼ばれる、外観が紙質に近く内部に空洞を含有するタイプの白色ポリオレフィン系フィルム素材なども適用されている、この場合には前述した紙の水分による問題点は解消されるが、基材中に空洞を含有することから、ドームから台紙を剥がそうとする場合に表層付近に破れを生じ劈壊を起こすため、そのままの単体では実用上の使用に耐えない。そのため、更に空洞を含まない透明なプラスチックフィルム、例えば2軸延伸PETフィルムを表面にラミネートすることにより表層を強化して用いられているのが実態である。しかし、この場合には、貼り合わすべきフィルム及びラミネート加工に要する費用が必要となるため、コストが大幅に増大することになり好ましくない。また、このようなオレフィン、例えばポリプロピレン系空洞含有フィルム素材を用いる場合は、耐熱性に乏しい為、印刷やヒートシールのためのホットメルト樹脂を加工する際に寸法変化が大きくなり、収率低下や生産性悪化の原因となる。そのため、更にコストアップとなるばかりでなく、ラミネート時のカール等の問題も抱えている。更に、リサイクルという観点からは、廃棄する場合にドームの材料であるPETと区別して廃棄することが困難である、等の問題も有している。
【0006】
これに対し、上記空洞含有ポリオレフィン系フィルムの代わりに、空洞含有ポリエステルフィルムを用いることが検討されている。この場合、ポリオレフィン系に比べ耐熱性に優れること、ドームと同一素材のPETが主体であること等から、収率や廃棄上の問題に対しては有利である。しかし、空洞含有タイプのためドームから台紙を剥がそうとする場合、表層付近に破れを生じる劈壊の問題は残る。 このため表層に空洞を含有していない別のPETフィルムを貼り合わせざるを得ずコストアップとなっている。
すなわち、本発明の目的は、印刷効果及び加工時の張力及び熱に対する安定性に優れたブリスター包装用フィルム台紙、及びブリスター包装開封時の開封性に優れたブリスターケースを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような状況に鑑み、なされたものであって、上記の課題を解決することができたブリスター包装用フィルム台紙及びブリスターケースとは、以下のとおりである。即ち、本発明の第1の発明は、共押出法により積層された少なくともA,B2種以上の層からなる複合ポリエステルフィルムであって、微細な空洞を含有するB層とこれに隣接する最外層には実質的に空洞を含有しないA層とを有し、A層の厚みが3μm以上10μm未満であり、不透明度が0.3以上、見掛け密度が1.2g/cm 以下0.8g/cm 以上、厚みが25μm以上250μm以下であることを特徴とするブリスター包装用フィルム台紙である。第2の発明は、少なくとも片面に印刷層、更にA層側表面に熱接着性樹脂層からなるヒートシール層を設けたことを特徴とする第1の発明に記載のブリスター包装用フィルム台紙である。第3の発明は、プラスチック基材からなるブリスタードームの開口部が第2の発明に記載のブリスター包装用フィルム台紙により閉鎖されていることを特徴とするブリスターケースである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のブリスター包装用フィルム台紙に用いられる積層ポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂と前記ポリエステル樹脂に非相溶な熱可塑性樹脂が混合された重合体混合物からなる未延伸ポリエステルフィルムを少なくとも1軸に配向することにより製造される微細な空洞を含有するポリエステル層(B)の少なくとも片面に、非相溶成分を実質的に含まない熱可塑性樹脂からなる層を同時に設ける、所謂共押出し法によって得られる実質的に空洞を含有しない層(A)を設けることによって得られる。特に、表面から3μmまでに含まれる空洞含有率が8体積%以下であり、かつフィルム全体の平均空洞含有率が10〜50体積%である空洞含有ポリエステルフィルム積層体である場合が好ましい。
【0009】
さらに、実質的に空洞を含有しない熱可塑性樹脂からなる層(A)は、ポリエステル樹脂から構成されていることが好ましく、ポリエチレンテレフタレート樹脂から構成されていることが特に好ましい。前記層(A)の厚みは3μm以上が好ましく、5μm以上である場合が特に好ましい。A層の厚みが3μm未満の場合には台紙を剥がす場合に生じる劈壊を十分に防止することが出来ない。厚い方の上限は特にないが空洞含有フィルムB層による紙質的効果や印刷等の2次加工適性、風合い等に影響するクッション性が阻害されることやフィルム全体の密度が高くなり易いため10μm以上は実用的でない。
また、表面から3μmまでに含まれる空洞含有率が8体積%を超える場合は、台紙を剥がした際に表層で劈壊が生じ易くなるため好ましくない。
【0010】
本発明のB層を構成するポリエステルと該ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂を混合させた重合体混合物は、例えば各樹脂のチップを混合し押出機内で溶融混練後押出して固化する方法や、予め混練機によって両樹脂を混練したものを更に押出機より溶融押出して固化する方法や、ポリエステルの重合工程においてポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂を添加し、攪拌分散して得たチップを溶融押出して固化する方法などによっても得られる。
【0011】
前記重合体混合物には、用途に応じて着色剤、耐光剤、蛍光剤、帯電防止剤などを添加することも可能である。得られた重合体混合物は、更に速度差をもったロール間での延伸(ロール延伸)やクリップに把持して拡げていくことによる延伸(テンター延伸)や空気圧によって拡げることによる延伸(インフレーション延伸)などによって少なくとも1軸に配向処理する。配向処理することにより、ポリエステルと該ポリエステルと非相溶性の空洞発現剤の界面で剥離が起こり空洞が発現する。
【0012】
したがって、ポリエステルに混合させる該ポリエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の量は、目的とする空洞の量によって異なってくるが、重合体混合物全体に対して3重量%〜35重量%が好ましい。3重量%未満では、空洞の生成量を多くすることに限界があり、目的の柔軟性や軽量性や描画性が得られない。逆に、40重量%以上では、ポリエステルフィルムの持つ耐熱性や強度が著しく損なわれる。
【0013】
該重合体混合物を配向処理する条件は、空洞の生成と密接に関係する。したがって、本目的を達成するための条件はたとえば、もっとも一般的に行われている逐次2軸延伸工程を例に挙げると、該重合体混合物の連続シートを長手方向にロール延伸した後に、幅方向にテンター延伸する逐次2軸延伸法の場合、以下のようになる。
【0014】
ロール延伸においては、多数の空洞を発生させるため、延伸温度をポリエステルのガラス転移温度(Tg)〜Tg+30℃とし、延伸倍率を1.2〜5倍とするのが好ましい。テンター延伸においては、破断せずに安定製膜するため温度を80〜140℃、倍率を1.2〜5倍とするのが好ましい。
【0015】
延伸配向処理した空洞含有フィルムは、130℃以上、好ましくは180℃以上で熱固定を行うと、高温での寸法安定性を向上させることができる。本発明においては、表層(A層)と中心層(B層)を積層した、いわゆる複合フィルムとしなければならない生産性を考慮すると、表層と中心層の原料は別々の押出機から押出し、1つのダイスに導き未延伸シートを得た後、少なくとも1軸に配向させる、いわゆる共押出法による積層がもっとも好ましい。
【0016】
かくして得られた空洞含有ポリエステル系フィルムは、表面から深さ3μmまでの層に含まれる空洞含有率が8体積%以下であり、かつ全体層の平均空洞率が10体積%以上であることが好ましい。表面から深さ3μmまでの表層に含まれる空洞含有率が8体積%より多い場合は、表面強度の良好なものが得られず、前述の如く層間の劈壊を生じ易くなる。表面から深さ3μmまでの表層に含まれる空洞含有率が4%以下である場合が特に好ましい。また、空洞含有率が8体積%以下である表層部の厚みが3μmよりも薄い場合も、表面強度の良好なものが得られにくい。従って本発明では、中央部より空洞の少ないA層の表層部分は、深さが3μm以上であり、そこに含まれる空洞含有率は4体積%以下である場合が最も望ましい。さらに全体層としては、空洞の平均含有率が10体積%以上であることが好ましい。全体層の平均空洞含有率が10体積%より少ない場合は、空洞含有ポリエステル系フィルム特有の柔軟性が不十分となり、また風合い、クッション性も不足する。
【0017】
かくして得られる、積層ポリエステルフィルムは不透明度が0.3以上、見掛け密度が1.2g/cm 以下0.8g/cm 以上、厚みが25μm以上250μm以下であることが必要である。不透明度が0.3未満の場合には、台紙として用いる場合、表裏の印刷内容の識別が困難であったり、ブリスター包装としての意匠効果が乏しくなるため好ましくない。特に、0.6以上である場合が好ましく用いられる。見掛け密度が1.g/cm3を超える場合には、クッション性、紙質感が乏しくなるとともに打ち抜き性など加工時の特性も好ましくない。なかでも1.2g/cm3以下0.8g/cm3以上である場合が最も好ましく用い得る。厚みが25μm未満の場合には、台紙としての腰や強度が不足するため実用に耐えない。好ましくは50μm、特に好ましくは75μm以上の場合がブリスター用台紙として実用的に用い得る取り扱い性、コスト等の観点から250μm程度までが実用的である。
【0018】
本発明のフィルム台紙は、前記微細な空洞を含有するB層の少なくとも片面に実質的に空洞を含有しないA層を有する必要があるが、その構成がA/B2層、A/B/A3層何れであってもかまわない。3層の場合、外層のA層は本発明の目的を満たす限り、必要により同種の樹脂組成であっても異種であっても構わない。また、A層は必ずしも1層である必要はなく、場合によって、A層の上に他の実質的に空洞を含まないA層樹脂を重ねて3層以上の層構成としても勿論構わない。複合される表層樹脂には本発明の目的を損なわない限り、必要により、滑り性、接着性、印刷性、隠蔽性、帯電防止性その他の機能を付与するために、種々の添加剤、例えば界面活性剤、無機・有機の種々の粒子、ワックス、第3成分としての樹脂などを添加しても勿論構わない。更に、必要によりA層表面に印刷性の向上や、熱接着性樹脂との接着性の向上、帯電防止性の付与、更には防汚性付与や艶出しなど種々の付加的機能性向上のために各種の樹脂や処理剤などをコーティングすることも出来る。
【0019】
以上の様にして得られたフィルムは、ブリスター包装用台紙として用いられる。
台紙として用いる場合にはブリスタードームの内容物を封入するためにドーム開口部と接着することにより閉鎖する必要がある。
接着する方法は、ブリスター自動包装機などでは通常、所謂ヒートシールと呼ばれる熱接着法がとられる。具体的には、台紙側に熱溶融性の樹脂を積層し容器ドームとの接触面を加熱することにより接着される。この様な熱接着性の樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂単独または共重合体、混合体等や、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニル共重合体、その他等の各種ビニル系重合体更にはウレタン系共重合体、ポリエステル系共重合体等が使用条件に応じて適宜選択される。
【0020】
この様な熱接着性樹脂を前記台紙用複合ポリエステルフィルムに積層する方法としては、熱接着性樹脂を溶融押出し機により該台紙用複合ポリエステルフィルム上に押出すことによる押出しコーティング法または押出しラミネート法や、高温で溶融状態にした該熱接着性樹脂をダイコーティング法、グラビアロールコーティング法等の方法により塗布する方法等公知の方法が任意に適用できる。
【0021】
前記熱接着性樹脂層の必要厚みは、ブリスター包装により包装すべき内容物の種類、形状、大きさ、重量などによりそれぞれ必要とされる接着力等の要求特性が異なるため、目的に応じて、材料、厚みが選択されるが、通常は多い場合で80μm程度から少ない場合で5μm程度である。例えば、歯ブラシ用である場合には、エチレン−酢酸ビニル系の共重合体によるホットメルト樹脂を、グラビアコーティング法により、30μm程度塗布することが出来る。
【0022】
通常はこの様な、台紙として用いる場合には、該台紙表面に内容物の説明書きや、意匠効果の目的で印刷が施される。印刷の方法は、厚み、サイズ、連続かまたは枚葉か等により、オフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷その他の中から任意の方法が採用出来るが、最も一般的には連続によるグラビア印刷が用いられる。通常、構成上は前記台紙用複合ポリエステルフィルム上に印刷が施された後その上に該熱接着性樹脂が付与される。よって、最も効率的にはグラビア印刷の後連続的に熱接着性樹脂を塗布する方法が好ましく挙げられ、コスト的にも有利である。
【0023】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を説明するが、もとより本実施例の内容にのみ限定されるものでは無い。
例中の各種評価項目は、以下の方法によって行った。
【0024】
(不透明度)
マクベス濃度計TR−972型を使用し、Gフィルター下での透過光による光学濃度を測定した。
【0025】
(見掛け密度)
フィルムを10cm×10cmの正方形に正確に切り出し、その厚みを50点測定して平均厚みt(μm)を求める。次に、サンプルの重量を0.1mgまで測定しW(g)とし、次式により算出した値を見掛け密度とした。
見掛け密度(g/cm3)=(W/t)×100
【0026】
(張力下熱寸法変化)
印刷及びホットメルト加工時の温度および張力を想定し、フィルムに対し20kg/m幅の張力下において、80℃及び120℃で30分間の熱処理を行い、処理前後のフィルム長さ方向の寸法変化率を測定した。表示は伸び(処理前に対し処理後の長さが長くなったもの)を+、縮み(処理前に対し処理後の長さが短くなったもの)を−として下記式により行った。
張力下熱寸法変化率(%)=(処理後の長さ/処理前の長さ)×100
【0027】
(開封性)
ドームに熱接着されたフィルム台紙を、手で高速で剥がした際、台紙の劈壊および破れの発生状況を以下の3段階で評価した。
○:台紙に劈壊、破れが無くきれいに剥がれる
△:台紙表面に一部劈壊が生じる
×:台紙が完全に剥離できずに破れてしまう
【0028】
(印刷効果)
台紙用フィルムの片面に、グラビアインキによる文字印刷を、更に反対面に絵柄印刷を行い、蛍光燈に透かした時の文字判別性を目視により判定した。
○:文字と絵柄が裏表はっきりと判別できる
△:判別できるが文字と絵柄が一部重なって見える
×:文字と絵柄が重なって表裏の印刷が判別し難い
【0029】
(ブリスター包装用台紙の作製)
実施例1
B層の原料として、固有粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂80重量%、メルトフローインデックスが2.0g/10分のポリスチレン15重量%、平均粒径0.3μmのアナターゼ型二酸化チタン5重量%を用いた。また、A層の原料として、ポリエチレンテレフタレート樹脂95重量%、平均粒径0.3μmのルチル型二酸化チタン5重量%を用いた。これらの原料を各々別の2軸スクリュー押出機でT−ダイスより290℃で溶融押出しし、冷却回転ロール上で静電気的に密着固化し、厚さが830μmで各層がそれぞれA/B/A=50/730/50μmの重合体混合物からなる未延伸シートを得た。この未延伸シートをロール延伸機により83℃で縦方向に3.5倍延伸を行い、引き続きテンターで130℃で横方向に3.4倍延伸した後、テンター内で235℃で4%幅方向に緩和させながら熱処理し、内部に多数の空洞を含有するポリエステルフィルムを得た。
【0030】
得られたフィルムの厚みは75μm、各層の厚みは概ねB/A/B=4.5μm/66μm/4.5μmであった。得られたフィルムの全体の空洞含有率は21体積%であった。また、表層から約5μmの深さまで空洞の少ない部分が存在していた。得られた空洞含有フィルムの不透明度は0.72、見掛け密度は1.10g/cm3であった。この複合フィルムの表層両面にコロナ放電処理を行った後、グラビアインキ(東洋インキ製造(株)社製PANNカラー)を用い片面に文字及びバーコードを、反対面にベタ部を含む絵柄を40m/minの速度でグラビア印刷を行った。その後続いて該絵柄印刷面上に、加熱溶融状態のエチレン−酢酸ビニル共重合体系熱接着性樹脂をグラビアロール法により凸部の高さが50μm(35g/m2)となるように凹凸上に塗布し、熱接着性フィルム台紙サンプルを得た。
【0031】
実施例2
未延伸シートの総厚みを1100μmとし、更に縦及び横方向に延伸後の総厚みを100μm、各層の厚み構成をA/B/A=5μm/90μm/5μmとなるように各条件を調整した以外は、実施例1と同様にして熱接着性フィルム台紙サンプルを得た。印刷及び熱接着性樹脂塗布前の空洞含有複合フィルムの不透明度は0.97、見掛け密度は1.11g/cm3であった。
【0032】
比較例1
1種の押出し機からB層の原料のみをT−ダイスに押出し、単層のシートを得、延伸後の厚みが75μmの単層の空洞含有フィルムとなるように調整した以外は、実施例1と同様にして熱接着性フィルム台紙サンプルを得た。印刷及び熱接着性樹脂塗布前の空洞含有複合フィルムの空洞含有率は23%であり、不透明度は0.73、見掛け密度は1.08g/cm3であった。
【0033】
比較例2
台紙用フィルムとして、80μmの空洞含有タイプのポリオレフィン系フィルム(商品名ユポ:王子油化合成紙(株)社製)を用いた以外は実施例1と同様にして熱接着性フィルム台紙サンプルを得た。印刷及び熱接着性樹脂塗布前の空洞含有フィルムの、不透明度は0.71、見掛け密度は0.70g/cm3であった。
【0034】
比較例3
台紙用フィルムとして、75μmの空洞を含有しない透明タイプのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名E5100:東洋紡績(株)社製)を用いた以外は実施例1と同様にして熱接着性フィルム台紙サンプルを得た。印刷及び熱接着性樹脂塗布前のフィルムの、不透明度は0.04、見掛け密度は1.40g/cm3であった。
【0035】
(ブリスタードーム/台紙接着モデルの作製)
ブリスタードームと台紙用フィルムの熱接着評価のモデルとして、200μmのアモルファス(未延伸)ポリエチレンテレフタレートシート(A−PET)に実施例及び比較例で作製した台紙用各種フィルムの熱接着性樹脂層面を重ね、ヒートシーラーに供し120℃(熱板表面温度)で2秒間の熱接着を行い、開封性評価用サンプルとした。
全ての評価結果を、表1に示す。
【0036】
【表1】
Figure 0004501041
【0037】
【発明の効果】
本発明の複合ポリエステルフィルムは、従来の空洞含有タイプポリオレフィンフィルムや空洞含有ポリエステルフィルム、更には空洞を含有していないポリエステルフィルム等に比べ、不透明性に優れているため、良好な印刷効果を有し、加工時の張力及び熱に対する安定性に優れるとともに、ブリスター包装開封時にも劈壊や破れを生じないため、更に別のフィルムを貼り合わせる必要も無く、特性的にも、コスト的にもブリスター包装用台紙として好適である。

Claims (3)

  1. 共押出法により積層された少なくともA,B2種以上の層からなる複合ポリエステルフィルムであって、微細な空洞を含有するB層とこれに隣接する最外層には実質的に空洞を含有しないA層とを有し、A層の厚みが3μm以上10μm未満であり、不透明度が0.3以上、見掛け密度が1.2g/cm 以下0.8g/cm 以上、厚みが25μm以上250μm以下であることを特徴とするブリスター包装用フィルム台紙。
  2. 少なくとも片面に印刷層、更にA層側表面に熱接着性樹脂層からなるヒートシール層を設けたことを特徴とする請求項1記載のブリスター包装用フィルム台紙。
  3. プラスチック基材からなるブリスタードームの開口部が請求項2に記載のブリスター包装用フィルム台紙により閉鎖されていることを特徴とするブリスターケース。
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