JPH08192572A - 自己発色性感圧記録シートおよびその製造方法 - Google Patents

自己発色性感圧記録シートおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH08192572A
JPH08192572A JP7005892A JP589295A JPH08192572A JP H08192572 A JPH08192572 A JP H08192572A JP 7005892 A JP7005892 A JP 7005892A JP 589295 A JP589295 A JP 589295A JP H08192572 A JPH08192572 A JP H08192572A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensitive recording
self
paper
pressure
color
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7005892A
Other languages
English (en)
Inventor
Junji Harada
純二 原田
Takaaki Komatsu
孝章 小松
Sukeji Wakaura
資治 若浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP7005892A priority Critical patent/JPH08192572A/ja
Publication of JPH08192572A publication Critical patent/JPH08192572A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Color Printing (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】擦れ発色を防止した自己発色性感圧記録シート
を提供する。 【構成】支持体1の片面に、熱可塑性樹脂層2、発色剤
又は顕色剤の少なくとも1方がマイクロカプセル化さ
れ、それぞれ単独で積層或は混合して単層の自己発色性
感圧記録層3、セルロース繊維を用いて製造した透明度
70%以上の透明紙4を積層してなる擦れ発色を防止し
た自己発色性感圧記録シート。 【効果】インパクトプリンター等で容易に印字でき、通
常の一般紙並の印刷性を有するばかりでなく、十分な擦
れ発色防止性を有する自己発色性感圧記録シートが得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感圧記録シートに関す
るものであり、その中でもフォーム印刷機、インパクト
プリンター等で容易に印字でき、通常の一般紙並の印刷
性を有するばかりでなく、十分な擦れ発色を防止した性
能を有する自己発色性感圧記録シートに関するものであ
り、伝票、帳票、無塵紙、記録紙、玩具、通信用等に用
いることができる。
【0002】
【従来の技術】本発明に用いられる自己発色性感圧記録
層は、いわゆるノーカーボン複写紙から発展したもので
あり、製品形態としては自己発色感圧記録シート又はセ
ルフコンティンドペーパーとも呼ばれている。その構成
は、無色染料(以下、発色剤と称する)を内包するマイ
クロカプセルを支持体に設ける工程と、更にその塗層上
に酸性白土、フェノール樹脂、有機酸性物質等の電子受
容性物質(以下、顕色剤と称する)を設ける工程との都
合2工程からなる2層塗工による製造方法(塗工順序を
逆にしたものも含む)や、上記2成分の少なくとも1成
分をマイクロカプセル化し、均一に混合して一層塗工に
よる製造方法(特公昭47−16096号公報)が知ら
れている。
【0003】当然ながら、自己発色性感圧記録シート
は、支持体表面に発色剤と顕色剤の両方が近接して存在
するため、少しの摩擦や圧力により発色してしまうた
め、擦れ発色防止性の付与が必要であった。簡単な擦れ
発色防止性の付与方法として、マイクロカプセルよりも
粒径の大きい小麦でんぷん粒子等を自己発色性感圧記録
層内に分散させ、多少の圧力では不用意に発色しないよ
うにしたものもある。しかしながら、このようなクッシ
ョン材の併用では、その擦れ発色防止性効果は限られる
ものであった。
【0004】これまでに、例えば、自己発色感圧記録シ
ートの記録層上に、真空密着法によるラミネート層を設
ける方法(特公昭49−10857号公報)や、溶融ラ
ミネート法によるプラスチック層を有する記録シート
(実開昭52−149709号公報)、及びこれらの保
護層上に剥離層を設ける等の例、あるいは自己発色性感
圧記録層上に、可溶性ポリマー溶液を塗布し、乾燥して
被膜を設ける方法等が知られている。しかし、これらの
方法では、マイクロカプセルの破壊により著しい発色カ
ブリを生じるか、樹脂によってマイクロカプセルが覆わ
れてしまい、本来の自己発色感圧記録性をほとんど失
い、発色濃度、発色速度とも低下してしまったり、記録
の保存性が低下してしまう等の問題の他に、表面がプラ
スチック化されてしまうために印刷性に劣るという問題
や、紙の風合いが失われるという問題もあった。
【0005】又、自己発色性感圧記録シートの記録層上
にポリオレフィン樹脂被覆層を設け、その上に裏面にヒ
ートシール性接着剤を塗工した不透明被覆シート(宛先
表示シート)を重ね合わせ、熱圧着することにより一体
化する方法(実開平2−2173号公報、実開平3−1
16974号公報)等が公開されている。また、自己発
色性感圧記録シートと不透明被覆シートを熱可塑性樹脂
により一体化する方法(特開平5−278175号公
報)及び同じく自己発色性感圧記録シートと不透明被覆
シートとを実質的に2層の熱可塑性樹脂層により一体化
する方法(特開平5−307362号公報)が開示され
ている。しかしながら、これらの方法では、表面の印刷
性や紙の風合いが保たれるにしろ、これはむしろ自己発
色性感圧記録層を剥離可能に覆い隠すことが目的で、自
己発色性感圧記録層上の発色は、不透明被覆シートを剥
離しなければ読めないという点で自己発色性感圧記録シ
ートの本来の使い方とは異なるものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明が解決
しようとする課題は、自己発色性感圧記録シートの記録
性、保存性を有し、フォーム印刷機、インパクトプリン
ター等で容易に印字でき、通常の一般紙並の印刷性、紙
の風合いを有するばかりでなく、十分な擦れ発色防止性
を有した自己発色性感圧記録シートを提供するものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
問題点を解決するため鋭意研究の結果、以下の様な方法
を見い出した。すなわち、支持体の片面に、(1)熱可
塑性樹脂層、(2)発色剤又は顕色剤の少なくとも1方
がマイクロカプセル化され、それぞれ単独で積層或は混
合して単層の自己発色性感圧記録層、(3)セルロース
繊維を用いて製造した透明度70%以上の透明紙を積層
してなる擦れ発色防止性自己発色性感圧記録シートの発
明、およびその製造方法の発明である。
【0008】以下に本発明の詳細を説明する。
【0009】本発明で言う透明度とは、100から不透
明度値を差引いた値として表した。不透明度値とは、J
IS P8138にて測定した不透明度(%)である。
厚みは、JIS P8118で規定される紙及び板紙の
厚さと密度の試験方法により測定した値である。
【0010】本発明において、70%以上の透明度を有
する透明紙が自己発色性感圧記録層の記録を読むために
必要であり、透明度が70%より低いと記録の読み取り
が困難になり不適当である。
【0011】このため、本発明においては、透明度が7
0%以上の紙を透明紙と呼ぶ。本発明に用いられる透明
紙は、透明度が70%以上のものであれば、グラシン
紙、樹脂含浸紙、タイプライター用紙、コンデンサーペ
ーパー、トレーシングペーパー、含浸トレーシングペー
パー、和紙等、特に制限するものではないが、中でもト
レーシングペーパー、含浸トレーシングペーパー、ある
いはコンデンサーペーパーが適している。印刷性に問題
がある場合があるが、透明度が本発明の範囲内であれば
不織布を使用することもできる。なお、本発明で称する
トレーシングペーパーとは、ナチュラルトレペあるいは
天然トレペとも称される透明紙のことである。
【0012】ここでいうトレーシングペーパー、あるい
は含浸トレーシングペーパーとは、最新紙加工便覧(テ
ックタイムス編 昭和63年8月20日発行)によると
次のように説明されている。『ナチュラルトレペとは、
製図における原図用紙といえば、トレース作業とジアゾ
コピー作業を考慮したトレーシングペーパーであった。
トレーシングペーパーは透明紙である。なぜ紙は不透明
で白いかというと、一般の上質紙は体積中に50%前後
の空気を含んでいる。微細な空隙の分布とセルロース繊
維と空気の屈折率の違いにより紙は白く見え、不透明に
なる。トレーシングペーパーには、ナチュラルトレペと
含侵トレペの2種類のトレーシングペーパーがある。ナ
チュラルトレペは、パルプ繊維を高度に叩解させて15
〜25%と空隙が少なくなる様に抄造した紙である。そ
れに対して、含浸トレペは一般の上質紙にセルロースと
屈折率の同じ透明化樹脂を含浸させた透明紙であ
る。』、『トレーシングペーパーにおいて事務用には4
0〜60g/m2の薄物品が使用され、設計製図、第二原図
用には55g/m2以上のものが使用されている。』。
【0013】さらに、新版印刷事典(日本印刷学会編
大蔵省印刷局)の透明紙の項には、『薄くて透明な筆記
用紙の一種。原図を透き写し、バンダイク法・青写真等
の原稿用に用いる。2種類あって、1)は原料を高度の
粘状に叩解し透明になるようにすいたもの、または薄紙
にカナダバルサム・テレビン油・植物油等の混合物を塗
って透明にした加工紙。2)はコウゾ・ミツマタ等を用
いて流しずき法によって抄造した薄葉和紙。図引き用紙
ともいう。』との記載がある。
【0014】紙パルプ技術便覧(1982年 紙パルプ
技術協会)によれば、『薄葉の総称で、辞典用紙、ライ
スペーパー、タイプ用紙、印刷用紙等用途により種類多
く、坪量は40g/m2以下で、薄葉和紙は20g/m2以下で
ある。』との記載がある。
【0015】以上の記載を踏まえた上で、便宜上本発明
においては、自己発色性感圧記録層の印字の読み取りに
適当な透明度が70%以上の紙を透明紙と呼ぶ。中で
も、本発明の透明紙は、自己発色性感圧記録層の発色性
を考慮すると坪量が45g/m2以下であることが好まし
い。坪量が45g/m2より大きいと、貼合わせ後の厚みが
厚くなり、最も重要な自己発色性感圧記録層の発色性お
よび読み取り性が阻害されるため好ましくない。
【0016】本発明の透明紙には、木材パルプ、合成パ
ルプ、填料、サイズ剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、紙
力増強剤、染料等、通常抄紙で用いられる原材料を必要
に応じて使用することが可能である。
【0017】本発明の透明紙には、少なくとも自己発色
性感圧記録層と接する側に浸透防止高分子層を設けるこ
とができる。これは自己発色性感圧記録層を構成する成
分が透明紙の繊維中に入り込んで透明度を低下させるト
ラブルを防ぎ、透明紙のシワの発生を抑制し、かつ、透
明紙の透明度向上の役割をするものである。本発明では
透明度70%以上の透明紙が必須であるが、浸透防止高
分子層を有する場合は、その透明度が70%を越えてい
れば本発明の透明紙として扱うことができる。
【0018】本発明でいう浸透防止高分子層としては、
被膜形成が可能な水溶性あるいは水分散性、有機溶剤可
溶性、若しくは無溶媒性の高分子(樹脂)、溶融押し出
し可能な熱可塑性樹脂が挙げられ、例えば以下のような
樹脂を例示できる。水溶性高分子の中で天然高分子又は
半合成高分子としては、デンプン、酸化デンプン、エー
テル化デンプン、ジアルデヒド化デンプン、エステル化
デンプン等の変性デンプン化合物;アルギン酸ソーダ、
アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン
酸化合物;カゼイン、ゼラチン、プルラン、デキストラ
ン、キチン、キトサン、アラビアゴム、フノリ、天然ガ
ム、デキストリン、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、ヒドロキシセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス等の変性セルロース化合物;等が挙げられる。
【0019】合成高分子としては、完全ケン化或は部分
ケン化ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルアルコールと多価カルボン
酸とのエステル化物、カルボキシ変性化ポリビニルアル
コール、スルホン酸変性化ポリビニルアルコール、オレ
フィン変性化ポリビニルアルコール、ニトリル変性化ポ
リビニルアルコール、アミド変性化ポリビニルアルコー
ル、ピロリドン変性化ポリビニルアルコール等の変性化
ポリビニルアルコール化合物;ポリエチレングリコー
ル、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸、ポリアク
リル酸アンモニウム、ポリアクリル酸ソーダ等のポリア
クリル酸化合物;ポリビニルピロリドン、ポリエチレン
イミン、ポリビニルエーテル、ポリマレイン酸共重合
体、水溶性アルキド樹脂等が挙げられる。
【0020】又、水分散性高分子としては、例えば、ス
チレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、ブタジエン−メタクリレート共重合体等の
合成高分子を水に分散した各種ラテックス等が挙げられ
る。
【0021】これら水溶性高分子又は水分散性高分子を
単独或は混合し、水溶液として用いることができる。
【0022】有機溶剤可溶性の樹脂としては、熱硬化性
および熱乾燥性樹脂が挙げられ、熱硬化性樹脂としては
重合が可能な不飽和結合を有する化合物であれば、いず
れも使用可能である。即ち、アクリロイル基、メタクリ
ロイル基、エポキシ基、アクリルアミド基、アリル基、
イソシアネート基、ビニルエーテル基、ビニルチオエー
テル基などを含む化合物であり、例えば、アクリル酸ア
ルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルピロリドン、
各種イソシアネートなどが挙げられるが分子内に架橋性
結合が二個以上、より好ましくは三個以上あることが架
橋性を向上させるうえで適当である。
【0023】有機溶剤可溶性樹脂としては具体的に、各
種ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルなどが挙げ
られる。硬化性の樹脂としては各種ポリオールの不飽和
エステル類、例えば、エチレンジアクリレート、ジエチ
レングリコールジアクリレート、グリセロールトリアク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、
ペンタエリスリトールテトラアクリレート等が挙げられ
る。又エポキシ環を一個もしくは二個以上有する化合
物、例えば、グリシジルアクリレート等も好ましい。更
には、これらの化合物は、高分子量体であってもよい。
特に好ましくは、高分子鎖の末端或は側鎖にアクリレー
ト基を有する化合物であり、ポリエステル骨格、ポリウ
レタン骨格、エポキシ樹脂骨格、ポリエーテル骨格、ポ
リエーテルアクリルアミド樹脂、ポリカーボネート骨格
を有するプレポリマー等が挙げられる。
【0024】無溶媒型の高分子としては電子線照射ある
いは紫外線照射により硬化する放射線硬化性樹脂が挙げ
られ、放射線照射による重合が可能な不飽和結合を有す
る化合物であれば、いずれも使用可能である。即ち、炭
素−炭素不飽和結合を一個以上有する化合物であり、ア
クリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基、
アリル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基な
どを含む化合物であり、例えばアクリル酸アルキルエス
テル、メタクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ビニルピロリドンなどが挙げ
られる。
【0025】分子内に不飽和結合が二個以上あってもよ
い。特に、ポリオールの不飽和エステル類、例えばエチ
レンジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレ
ート、グリセロールトリアクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラアクリレート等が挙げられる。
【0026】又、エポキシ環を一個もしくは二個以上有
する化合物、例えば、グリシジルアクリレートなども好
ましい。更には、これらの化合物は高分子量体であって
もよい。特に好ましくは高分子鎖の末端或は側鎖にアク
リレート基を有する化合物であり、ポリエステル骨格、
ポリウレタン骨格、エポキシ樹脂骨格、ポリエーテル骨
格、ポリカーボネート骨格を有するプレポリマーなどが
挙げられる。これら上記のモノマーとプレポリマーを単
独もしくは混合して用いてもよい。
【0027】溶融押し出し可能な熱可塑性樹脂を浸透防
止高分子としても良いが、塗工量(ラミネート量)が一
般に過大になりすぎる傾向がある。本発明に用いられる
支持体としては、上質紙、アート紙、グラシン紙、キャ
スト紙、コーテッド紙、トレーシングペーパー等の通常
の天然パルプ紙を用いることができ、木材パルプ、合成
パルプ、填料、サイズ剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、
顔料、紙力増強剤、染料等、通常抄紙で用いられる原材
料を必要に応じて使用することが可能である。又、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリメチルペンテン等のプラスッチクシート、及び
これらの合成繊維からなる合成紙や不織布、又はこれら
の合成樹脂を紙に片面、又は両面にラミネートしたラミ
ネート紙を使用しても良い。これらは白色でも、着色さ
れていても良い。当然のことながら、グラシン紙、樹脂
含浸紙、タイプライター用紙、コンデンサーペーパー、
トレーシングペーパー、含浸トレーシングペーパー、和
紙、不織布等透明紙も支持体として用いることができ
る。これらは着色されていても何等差し支えない。
【0028】本発明の擦れ発色防止性自己発色性感圧記
録シートを得るには、透明紙の片面に、少なくとも一方
がマイクロカプセル化されている発色剤又は顕色剤をそ
れぞれ単独で積層あるいは混合して単層の自己発色性感
圧記録層を設け透明自己発色性感圧記録シートを製造す
る工程、該透明自己発色性感圧記録シートと支持体を熱
可塑性樹脂により一体化する工程により製造することが
できる。
【0029】本発明で用いられる熱可塑性樹脂として
は、ポリエチレン(低密度、中密度、高密度、線状低密
度ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポリトリメチルペ
ンテン、ポリブテン、ポリエステル、ポリスチレン、ポ
リアミド、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチ
ルアクリレート共重合体、エチレンアクリル酸共重合
体、エチレンアクリル酸メチル共重合体、エチレンビニ
ルアルコール共重合体、エチレンメタアクリル酸共重合
体及びその塩、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の汎用溶
融押し出し樹脂を単独で、或は混合して用いることがで
きる。混合方法には特に制限はなく、任意の方法を用い
ることができる。例えば、混練機用押し出し機、加熱練
りロール、バンバリーミキサー、ニーダー等を用いて所
定量の熱可塑性樹脂、そして必要に応じて各種の添加剤
(剥離剤、滑り剤、顔料、酸化防止剤、中和剤等)を加
えて溶融混合したのち、その混合物を粉砕、ペレット化
する方法、又は押し出し機にいわゆる単純ブレンドのま
まの状態で直接投入して押し出しコーティングする方
法、或は片方の熱可塑性樹脂の重合時に他の成分を共重
合させて得られた混合樹脂を使用する方法等を利用する
ことができる。
【0030】熱可塑性樹脂により透明自己発色性感圧記
録シートと支持体を一体化するには、一般の溶融押し出
しダイ、Tダイ、あるいは多層同時押し出しダイを用い
ることができる。溶融押し出しの前処理として、透明自
己発色性感圧記録シート、あるいは支持体にコロナ処
理、フレーム処理等公知の接着性改良のための処理を行
うことは何等差し支えない。また、本発明の擦れ発色防
止性自己発色性感圧記録シートの裏面には、カール防
止、帯電防止、顔料コート層あるいは耐水性層等のバッ
クコート層を設けることが出来、バックコート層には帯
電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬膜剤、顔
料、界面活性剤、粘着剤等を適宜組み合わせて含有する
ことができる。
【0031】熱可塑性樹脂の塗布量は自己発色性感圧記
録シートと支持体との接着性に関与するため一定の範囲
にあることが必要である。透明自己発色性感圧記録シー
トと支持体との接着強度を充分に保つ目的から、8〜4
0g/m2の塗布量が必要であり、カールの発生を避け、不
要なクッション性を排除して十分な自己発色性感圧記録
層の発色を確保するためには、多くとも50g/m2以下の
塗布量に抑えることが好ましい。
【0032】本発明に利用し得る自己発色性感圧記録層
については、特に制限されることなく、従来から公知の
ものを使用できる。例えば、マイクロカプセル化の方法
やマイクロカプセルの壁材、発色剤や発色剤を溶解する
油、あるいは顕色剤、接着樹脂、マイクロカプセル保護
剤等である。
【0033】マイクロカプセル化法としては、コアセル
ベーション法(米国特許2800458号明細書等)、
界面重合法(特公昭47−1763号公報等)、インサ
イチュー重合法(特開昭51−9079号公報等)等が
使用できる。
【0034】マイクロカプセルの壁材としては、ポリウ
レタン、ポリ尿素、エポキシ樹脂、尿素/ホルマリン樹
脂、メラミン/ホルマリン樹脂等が使用できる。
【0035】発色剤としては、トリアリルメタン系化合
物、ジアリールメタン系化合物、キサンテン系化合物、
チアジン系化合物、スピロピラン系化合物等が使用で
き、一般に感圧記録材料や感熱記録材料に用いられてい
るものであれば、特に制限されない。
【0036】例えば、発色剤としては、トリアリルメタ
ン系化合物、ジアリ−ルメタン系化合物、キサンテン系
化合物、チアジン系化合物、スピロピラン系化合物、ジ
フェニルメタン系染料、スピロ系染料、ラクタム系染
料、フルオラン系染料等が使用でき、一般に感圧記録材
料や感熱記録材料に用いられているものであれば特に制
限されない。
【0037】具体的には、3,3−ビス(p−ジメチル
アミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,
3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3
−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジ
メチルインド−ル−3−イル)フタリド、 3−(p−
ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインド−
ル−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメ
チルインド−ル−3−イル)−5−ジメチルアミノフタ
リド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾ−ル−3−イ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2
−フェニルインド−ル−3−イル)−6−ジメチルアミ
ノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−
(1−メチルピロ−ル−3−イル)−6−ジメチルアミ
ノフタリド等のトリアリルメタン系染料、4,4’−ビ
ス−ジメチルアミノベンズヒドリルベンジルエ−テル、
N−ハロフェニル、ロイコオ−ラミン、N−2,4,5
−トリクロロフェニルロイコオ−ラミン等のジフェニル
メタン系染料、ベンゾイルロイコメチレンブル−、p−
ニトロベンゾイルロイコメチレンブル−等のチアジン系
染料、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチ
ル−スピロ−ジナフトピラン、3−フェニル−スピロ−
ジナフトピラン、3−ベンジル−スピロ−ジナフトピラ
ン、3−メチル−ナフト(6’−メトキシベンゾ)スピ
ロピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン等の
スピロ系染料、ロ−ダミン−B−アニリノラクタム、ロ
−ダミン(p−ニトロアニリノ)ラクタム、ロ−ダミン
(o−クロロアニリノ)ラクタム等のラクタム系染料、
3−ジメチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジ
エチルアミノ−6−メトキシフルオラン、3−ジエチル
アミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ
−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メ
チル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−
6,7−ジメチルフルオラン、3−(N−エチル−p−
トルイジノ)−7−メチルフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−N−アセチル−N−メチルアミノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−N−メチルアミノフルオ
ラン、3−ジメチルアミノ−7−ジベンジルアミノフル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−メチル−N−ベンジ
ルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−ク
ロロエチル−N−メチルアミノフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−7−N−ジエチルアミノフルオラン、3−
(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−フ
ェニルアミノフルオラン、3−(N−エチル−p−トル
イジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−フェニル
アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−カ
ルボメトキシ−フェニルアミノ)フルオラン、3−(N
−エチル−N−iso−アミルアミ ノ)−6−メチル−7
−フェニルアミノフルオラン、3−(N−シクロヘキシ
ル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−フェニルア
ミノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−フ
ェニルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル
−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ
−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラ
ン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロフェニルア
ミノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−
p−ブチルフェニルアミノフルオラン等のフルオラン系
染料等が挙げられる。
【0038】発色剤を溶解する油としては、ジアリール
アルカン系、アルキルナフタレン系、アルキル化ビフェ
ニル、水添ターフェニルの如き芳香族合成油、ケロシ
ン、ナフサ、パラフィン油、塩素化パラフィンの如き脂
肪族合成油、綿実油、大豆油、亜麻仁油の如き植物油等
が使用できる。
【0039】マイクロカプセルの保護剤としては、セル
ロース粉末、デンプン粒子、タルク、焼成カオリン、炭
酸カルシウム等が使用できる。
【0040】顕色剤としては、粘土類(例えば、活性白
土、酸性白土、アタパルジャイト、ベントナイト、コロ
イダルシルカ、硅酸アルミニウム等)、有機酸(例え
ば、サリチル酸の如き芳香族カルボキシ化合物又はこれ
らの金属塩等)、有機酸と金属化合物の混合物、酸性重
合体(例えばフェノ−ル/ホルムアルデヒド樹脂、サリ
チル酸系樹脂又はこれらの亜鉛、マグネシウム、アルミ
ニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケ
ル等の多価金属塩等)等が使用できる。
【0041】本発明において、自己発色性感圧記録層の
形成に使用されるバインダーとしては、デンプン類、ヒ
ドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチル
セルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロー
ス誘導体、カゼイン、ゼラチン等のプロテイン、酸化デ
ンプン、エステル化合物デンプン等のサッカロースの如
き水性天然高分子化合物、ポリビニルアルコール、変性
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリア
クリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド/
アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アク
リル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン
/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ラテックス、
ポリアクリルアミド、スチレン/無水マレイン酸共重合
体等の如き水溶性合成高分子化合物やラテックス類、エ
チレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶
性接着樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアク
リル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合体、アク
リロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル
/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン
/アクリル酸共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体
等のラテックス等が挙げられる。
【0042】自己発色性感圧記録層中に使用される顔料
としては、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリ
ン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、
酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホ
ルマリン樹脂等が挙げられる。
【0043】その他に、助剤として、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パ
ラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエ
チレン、ステアリン酸アミド、カスターワックス等のワ
ックス類、又、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、
スルホン酸変性ポリビニルアルコール等の分散剤、ベン
ゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収
剤、更らに界面活性剤、蛍光染料、帯電防止剤、増粘
剤、防腐剤、酸化防止剤、消泡剤、離型剤、滑剤、耐ブ
ロッキング向上剤、粘着付与剤等が自己発色性感圧記録
層、水性高分子中間層、熱可塑性樹脂層中に必要に応じ
て添加される。
【0044】本発明において、自己発色性感圧記録層の
形成方法としては、ブレード塗工法、エアナイフ塗工
法、グラビア塗工法、ロールコーティング塗工法、バー
塗工法、落下カーテン塗工法等の公知の塗工方法が利用
可能である。自己発色性感圧記録層は平滑化処理をする
ことが好ましい。
【0045】更に、カール防止のためにバックコートを
施したり、ジャミング防止のために導電処理を行った
り、透明紙と自己発色性感圧記録層の間にアンダーコー
ト層を設ける等、感圧記録材料製造分野における各種の
公知技術を必要に応じて付加することができる。
【0046】又、本発明の構成として、高い発色濃度を
得る上で、透明紙と自己発色性感圧記録層との間に、炭
酸カルシウム、タルク、シリカ、クレー、硫酸バリウ
ム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、硫酸鉛、
鉛白、亜鉛華、硫化亜鉛、サチン白、酸化チタン、酸化
アンチモン、雲母、ベントナイト、ケイ酸カルシウム、
石膏、水酸化アルミニウム等の無機顔料、又はポリスチ
レン、ポリビニルトルエン、スチレン/ジビニルベンゼ
ン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、尿素/ホルムア
ルデヒド重合体、ポリエチレン等の微粉有機顔料を含む
アンカー層を設けたり、自己発色性感圧記録層内に分散
することは何等差し支えない。
【0047】本発明の擦れ発色防止性自己発色性感圧記
録シートへの印刷や記録の方法は、鉛筆やインクによる
筆記、インパクトプリンター、電子写真、熱転写、イン
クリボン、感熱、感圧、インクジェット、フレキソ印
刷、オフセット印刷、グラビア印刷、活版印刷、凹版印
刷、レーザープリント、ラベル貼り合わせ等その方法に
よる制限はない。ただし支持体と一体化した後の自己発
色性感圧記録層への記録は、圧力による発色を伴う記録
方法に限られる。自己発色性感圧記録層に記録する際に
は、インパクトプリンターを用いることも可能である
し、同じ情報を多量に記録する必要がある場合には、活
版印刷により記録することも可能である。当然のことな
がら、ボールペン、鉄筆等での記録も可能である。又、
自己発色性感圧記録層上、透明紙上、あるいは支持体の
裏面に一般の印刷を行うことは何等差し支えない。又、
地紋印刷による不透明化を行うことも何等差し支えな
い。
【0048】擦れ発色防止性自己発色性感圧記録シート
の裏面に印字、あるいは印刷するには、なるべく自己発
色性感圧記録層の無用な発色を避ける目的で、インクジ
ェット印字、レーザープリント、電子写真方式等圧力の
かからない方法を用いることが好ましい。
【0049】又、本発明の擦れ発色防止性自己発色性感
圧記録シートは、他の感圧記録シート、裏カーボン複写
シート、粘着シート、印刷シート、透明フィルム等と組
合わせて一連の複写シートとして使用できる。本発明の
擦れ発色防止性自己発色性感圧記録シートの一部、ある
いは全部にダイカット等の加工、支持体の一部の分離、
ミシン目、プリンター用送り孔等の加工を施すことは何
等差し支えない。本発明の擦れ発色防止性自己発色性感
圧記録シートの表面あるいは裏面に剥離加工、粘着加
工、感圧紙の発色層加工、同じく顕色層加工、複写用カ
ーボン加工、磁気加工、感熱発色加工、印刷加工などす
ることができる。
【0050】
【作用】本発明の擦れ発色防止性自己発色性感圧記録シ
ートにおいては、加圧印字を行うことにより、自己発色
性感圧記録層を発色させることが可能であり、その発色
は透明紙を通して読みとることが可能である。自己発色
性感圧記録層が透明紙の内側に保護された形になるため
不用意な摩擦による発色汚れの心配がなく擦れ発色防止
性が高いばかりでなく、記録の耐候性、耐水性、耐油性
等が良好で、表面がセルロース繊維よりなる透明紙であ
るため、印刷性、取扱性に優れ、ラミネート紙特有の帯
電による重送が起こらず、取り扱いやすい。
【0051】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は、実施例に限られるものではない。
以下に示す部及び%のいずれも重量基準である。又、塗
抹量を示す値は断わりのない限り乾燥後の塗抹量であ
る。
【0052】予備操作 (自己発色性感圧記録層の作製)自己発色性感圧記録層
に用いる発色剤内包マイクロカプセルは、次のとおり作
製した。まず、クリスタルバイオレットラクトン10部
をハイゾールSAS N−296(日本石油化学株式会
社製)90部に加熱溶解して内相油とした。メラミン1
0部と37%ホルマリン25部を水100部とともにp
H8にて加温し、メラミン−ホルマリン初期重縮合物を
得た。次いで、内相油を5%のスチレン/無水マレイン
酸共重合体水溶液150部に乳化し、この乳化液に、上
記のメラミン−ホルマリン重縮合物を添加して、液温を
70℃に2時間保持して、メラミン−ホルマリン樹脂膜
を持つ発色剤内包のマイクロカプセル分散液を得た。得
られたマイクロカプセルの平均粒子径は、約6μmであ
った。
【0053】自己発色性感圧記録層用の塗料は、以下の
処方により作製した。単位は、乾燥重量部である。
【0054】 発色剤内包のマイクロカプセル 110部 顕色剤(住友デュレズ(株)製PR26298) 60部 デンプン粒子 280部 カオリンクレー 70部 酸化デンプン 100部
【0055】実施例1 透明紙として坪量21g/m2のトレーシングペーパー(透
明度84%)に浸透防止高分子層として電子線硬化性樹
脂(東亜合成化学工業製、アロニックスM210)を3
g/m2の塗布量で設け、電子線照射により硬化した後で、
その上に予備操作で得た自己発色性感圧記録層用塗液を
塗工量が8g/m2になるように塗設して、透明自己発色性
感圧記録シートを得た。支持体としてフォーム用紙(三
菱製紙製、ダイヤフォーム 70K)を用い、コロナ処
理を行った後、溶融押し出しダイより低密度ポリエチレ
ン(日本ユニカー製、NUC8008)を押し出し、支
持体と透明自己発色性感圧記録シートとを貼合せて一体
化して目的の擦れ発色防止性自己発色性感圧記録シート
を得た。ポリエチレン樹脂の塗布量は15g/m2であっ
た。
【0056】実施例2 実施例1において、ポリエチレン樹脂の塗布量を8g/m2
とした以外は実施例1と同様にして目的の擦れ発色防止
性自己発色性感圧記録シートを得た。
【0057】実施例3 実施例1において、ポリエチレン樹脂の塗布量を30g/
m2とした以外は実施例1と同様にして目的の擦れ発色防
止性自己発色性感圧記録シートを得た。
【0058】実施例4 実施例1において、透明紙を坪量25g/m2(透明度79
%)のトレーシングペーパーに有機溶剤可溶型樹脂(三
井東圧化学工業製 オレスターNL2249E)を固形
分で3g/m2の塗布量で設け、熱乾燥して浸透防止高分子
層として用いた以外は実施例1と同様にして目的の擦れ
発色防止性自己発色性感圧記録シートを得た。
【0059】実施例5 実施例1において、透明紙を坪量40g/m2(透明度76
%)のトレーシングペーパーにポリビニルアルコールを
2g/m2の塗布量で設け、乾燥して浸透防止高分子層とし
て用いた以外は実施例1と同様にして目的の擦れ発色防
止性自己発色性感圧記録シートを得た。
【0060】実施例6 実施例1において、透明紙を坪量45g/m2(透明度73
%)のトレーシングペーパーとした以外は実施例1と同
様にして目的の擦れ発色防止性自己発色性感圧記録シー
トを得た。
【0061】実施例7 透明紙として坪量45g/m2の含浸トレーシングペーパー
(透明度73%)上に予備操作で得た自己発色性感圧記
録層用塗液を塗工量が8g/m2になるように塗設して、透
明自己発色性感圧記録シートを得た。支持体としてフォ
ーム用紙(三菱製紙製、ダイヤフォーム 70K)を用
い、コロナ処理を行った後、溶融押し出しダイより低密
度ポリエチレン(日本ユニカー製、NUC8008)を
押し出し、支持体と透明自己発色性感圧記録シートとを
貼合せて一体化して目的の擦れ発色防止性自己発色性感
圧記録シートを得た。ポリエチレン樹脂の塗布量は15
g/m2であった。
【0062】実施例8 実施例1において、熱可塑性樹脂として低密度ポリエチ
レン(日本ユニカー製、NUC8008)と高密度ポリ
エチレン(三菱化成製、ET010M)を8:2の重量
比で混合して用いた以外は実施例1と同様にして目的の
擦れ発色防止性自己発色性感圧記録シートを得た。
【0063】実施例9 実施例1において、熱可塑性樹脂としてポリプロピレン
(三菱化成製、1500F)を用いた以外は実施例1と
同様にして目的の擦れ発色防止性自己発色性感圧記録シ
ートを得た。
【0064】実施例10 実施例1において、支持体を坪量150g/m2の板紙(三
菱製紙製、ハイパール)とした以外は実施例1と同様に
して目的の擦れ発色防止性自己発色性感圧記録シートを
得た。
【0065】実施例11 実施例1において、支持体を坪量120g/m2のコーテッ
ド紙(三菱製紙製、パールコート)とした以外は実施例
1と同様にして目的の擦れ発色防止性自己発色性感圧記
録シートを得た。
【0066】実施例12 実施例1において、支持体を坪量40g/m2のトレーシン
グペーパー(透明度76)とした以外は実施例1と同様
にして目的の擦れ発色防止性自己発色性感圧記録シート
を得た。
【0067】実施例13 実施例1において、支持体を坪量21g/m2のトレーシン
グペーパー(透明度84)とした以外は実施例1と同様
にして目的の擦れ発色防止性自己発色性感圧記録シート
を得た。
【0068】比較例1 自己発色性感圧記録層を有するシートとして、透明紙と
して坪量45g/m2のトレーシングペーパー(透明度73
%)に予備操作で得た自己発色性感圧記録層用塗液を塗
工量が8g/m2になるように塗設して作成した透明自己発
色性感圧記録シートをそのまま用いた。
【0069】比較例2 自己発色性感圧記録層を有するシートとして、支持体と
して坪量125g/m2のコーティッド紙に予備操作で得た
自己発色性感圧記録層用塗液を塗工量が8g/m2になるよ
うに塗設して作成した自己発色性感圧記録シートをその
まま用いた。
【0070】比較例3 比較例2の自己発色性感圧記録シートにコロナ処理を施
した後、溶融押し出しダイより低密度ポリエチレン(日
本ユニカー製、NUC8008)を塗布量が15g/m2
なるように押し出し、熱可塑性樹脂によるコーティング
層を設けた。
【0071】比較例4 比較例2の自己発色性感圧記録シートの自己発色性感圧
記録層上にエマルジョン型接着剤(コニシ製、ボンドC
E753)を固形分塗布量で15g/m2となるようにグラ
ビアコーターで塗布、乾燥した後、透明紙として坪量1
5g/m2のトレーシングペーパー(透明度84%)を貼合
せて一体化し擦れ発色防止性自己発色性感圧記録シート
を得た。
【0072】比較例5 比較例2の自己発色性感圧記録シートの自己発色性感圧
記録層上に溶剤型接着剤(コニシ製、ボンドKH54、
硬化剤としてボンド硬化剤55を2%含む)を固形分塗
布量で15g/m2となるようにグラビアコーターで塗布、
乾燥した後、透明紙として坪量15g/m2のトレーシング
ペーパー(透明度84%)を貼合せて一体化し擦れ発色
防止性自己発色性感圧記録シートを得た。
【0073】比較例6 実施例1において、透明紙を坪量40g/m2(透明度65
%)のタイプライター用紙とした以外は実施例1と同様
にして擦れ発色防止性自己発色性感圧記録シートを得
た。
【0074】[印字性]実施例および比較例で得られた
自己発色性感圧記録シートにインクリボンを装着しない
ドットインパクトプリンターを用いてベタ印字を行っ
た。印字後にマクベス濃度計を用いて光学濃度を測定し
た。実用に供した場合、細かい文字でも十分に読みとれ
る光学濃度は0.50以上であり、光学濃度が0.40
を下回るようだと正確な読み取りが困難なレベルであ
る。
【0075】[擦れ発色防止性]実施例および比較例で
得られた自己発色性感圧記録シートを重量1kgの重り
に発色面が外側になるように貼付け、机上に紙をひいた
上で1mの長さだけ引き回した後で、自己発色性感圧記
録層の発色濃度をマクベス濃度計を用いて光学濃度を測
定し、落下前の値との差を求めた。実用に供した場合、
+0.02までの濃度増加(発色汚れ)は許容できるが
それを上回ると取扱いによる発色汚れが大きく、使用範
囲が記録紙等非常に限られ伝票や通信文等には使用でき
ない。
【0076】[接着性]自己発色性感圧記録層を有する
透明紙と、支持体とを剥離した場合の接着性をテンシロ
ン万能引っ張り試験機により180゜剥離した場合の剥
離強度(gf/30mm)で示す。200gf/30m
m以上の接着強度があるか、あるいは透明紙か支持体が
紙層破棄するレベルの接着強度があれば普通の取扱時に
透明紙や熱可塑性樹脂層のみが剥離してしまう事故は起
こらない。
【0077】[印刷性]RIテスターを用いて一定量の
インキ(大日本インキ化学工業製 Trans−G、
藍、0.3cc)のオイル吸着肉の試験を行った。イン
キが乾燥した後でマクベス濃度計により光学濃度を測定
して印刷性の目安とした。光学濃度が高いほど印刷しや
すく取扱いやすい。
【0078】実施例及び比較例で得た擦れ発色防止性自
己発色性感圧記録シートについて、上記の評価方法によ
り試験を行い、その結果を表1、2に示した。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】評価:実施例により得られた擦れ発色防止
性自己発色性感圧記録シートは、印字性、擦れ発色防止
性、印刷性に優れ、紙の風合いを生かしたまま優れた記
録性、取扱性を有している。取扱時において透明紙や熱
可塑性樹脂が剥離してしまうこともない。
【0082】これに対して、自己発色感圧記録層のみを
有する比較例1および2の自己発色感圧記録シートは、
十分な擦れ発色防止性がなく、熱可塑性樹脂でラミネー
トした自己発色性感圧記録シートは擦れ発色防止性はあ
るが印刷性がない。支持体を溶剤型あるいはエマルジョ
ン型接着剤で貼合せた自己発色性感圧記録シートは、十
分な発色性を有しない。透明紙あるいは熱可塑性樹脂層
がある範囲を越えると、読み取りに十分な発色性を損な
う。また熱可塑性樹脂層がある範囲より少ないと支持体
の接着性が不十分であり、透明紙の厚みがある範囲より
薄いと強度的に弱く、ペンプロッター等で破れる場合が
ある。透明紙の透明度がある範囲より低いと、自己発色
性感圧記録層の発色が透過しにくく、従って記録を読み
取りにくい。
【0083】
【発明の効果】本発明の擦れ発色防止性自己発色性感圧
記録シートにおいては、加圧印字を行うことにより、自
己発色性感圧記録層を発色させることが可能であり、そ
の発色は透明紙を通して読みとることが可能である。自
己発色性感圧記録層が透明紙の内側に保護された形にな
るため不用意な摩擦による発色汚れの心配がなく擦れ発
色防止性が高いばかりでなく、記録の耐候性、耐水性、
耐油性等が良好で、表面がセルロース繊維よりなる透明
紙であるため、印刷性、取扱性に優れ、ラミネート紙特
有の帯電による重送が起こらず、取り扱いやすく、連続
伝票用、貼り付け伝票、ラベル、記録用、無塵記録紙等
多くの用途に用いることができ、工業的意義の大きいも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の擦れ発色を防止した自己発色性感圧記
録シートの断面図。
【符号の説明】
1 支持体 2 熱可塑性樹脂層 3 自己発色性感圧記録層 4 透明紙 5 擦れ発色を防止した自己発色性感圧記録シート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片面に、(1)熱可塑性樹脂
    層、(2)発色剤又は顕色剤の少なくとも1方がマイク
    ロカプセル化され、それぞれ単独で積層或は混合して単
    層の自己発色性感圧記録層、(3)セルロース繊維を用
    いて製造した透明度70%以上の透明紙を積層してなる
    擦れ発色を防止した自己発色性感圧記録シート。
  2. 【請求項2】 該透明紙が、少なくとも自己発色性感圧
    記録層と接する側の面に浸透防止高分子層を設けた透明
    紙であることを特徴とする請求項1記載の擦れ発色を防
    止した自己発色性感圧記録シート。
  3. 【請求項3】 浸透防止高分子層を設けた/あるいは設
    けていないセルロース繊維を用いて製造した透明度70
    %以上の透明紙の片面に、双方又は一方がマイクロカプ
    セル化されている発色剤又は顕色剤をそれぞれ単独で積
    層或は混合して単層の自己発色性の感圧記録層を設けて
    透明自己発色性感圧記録シートとし、該自己発色性感圧
    記録シートの感圧記録層と支持体とが向かい合うように
    溶融押しだしした熱可塑性樹脂により一体化することを
    特徴とする擦れ発色を防止した自己発色性感圧記録シー
    トの製造方法。
JP7005892A 1995-01-18 1995-01-18 自己発色性感圧記録シートおよびその製造方法 Pending JPH08192572A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7005892A JPH08192572A (ja) 1995-01-18 1995-01-18 自己発色性感圧記録シートおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7005892A JPH08192572A (ja) 1995-01-18 1995-01-18 自己発色性感圧記録シートおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08192572A true JPH08192572A (ja) 1996-07-30

Family

ID=11623554

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7005892A Pending JPH08192572A (ja) 1995-01-18 1995-01-18 自己発色性感圧記録シートおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08192572A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3825467A (en) Pressure-sensitive record sheet material
JP3614931B2 (ja) 記録シートおよび偽造検知方法
JPH11327445A (ja) 感熱記録ラベル
JP3549072B2 (ja) 記録シート
JPH09142015A (ja) 接着性記録シート
JP2000033788A5 (ja)
JP3204803B2 (ja) 感圧記録シート
JPH08192572A (ja) 自己発色性感圧記録シートおよびその製造方法
JP2001039044A (ja) 一体型感熱複写シート
JP3204788B2 (ja) 感圧記録シートおよびその製造方法
JPH0852938A (ja) 耐擦性自己発色性感圧記録シート
JPH0899460A (ja) 接着性記録シート、両面接着性記録シート並びに圧着記録シート
JP3170050B2 (ja) 感圧記録シートおよびその製造方法
JP3170073B2 (ja) 感圧記録シート
JPH04110188A (ja) 感熱記録体
JP3204758B2 (ja) 感圧記録シート
JPS6399984A (ja) 感熱記録体
JPH08192570A (ja) 耐擦性自己発色性感圧記録シート
JP3204760B2 (ja) 感圧記録シートおよびその製造方法
JPH0872395A (ja) 接着性記録シート、両面接着性記録シート並びに圧着記録シート
JPH0958120A (ja) 記録シートおよび偽造検知方法
JPH08175001A (ja) ラベル用感圧記録シート
JPH11282354A (ja) 偽造防止性記録シート
JPH10264514A (ja) 記録シート
JPH10264516A (ja) 記録シート