JPH11282354A - 偽造防止性記録シート - Google Patents

偽造防止性記録シート

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JPH11282354A
JPH11282354A JP10084814A JP8481498A JPH11282354A JP H11282354 A JPH11282354 A JP H11282354A JP 10084814 A JP10084814 A JP 10084814A JP 8481498 A JP8481498 A JP 8481498A JP H11282354 A JPH11282354 A JP H11282354A
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JP
Japan
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pressure
sensitive
recording sheet
forgery
coloring
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Pending
Application number
JP10084814A
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English (en)
Inventor
Takaaki Komatsu
孝章 小松
Yuji Iguchi
裕二 井口
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11282354A publication Critical patent/JPH11282354A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】感圧発色性を利用して真贋判定ができる偽造防
止性を有し、且つ高度な耐擦性、耐衝撃性を併せ持つ、
中・長期にわたる過酷な使用に耐え得る偽造防止性記録
シート及び偽造防止用紙を提供する。 【解決手段】支持体1の片面に、厚みが12μm以上
の熱可塑性樹脂層2、自己発色性感圧記録層3、被
覆用紙4、を順次積層してなり、チルドロールにて30
kg/cmの線圧を加えた際の感圧発色光学濃度がマク
ベス反射濃度で0.15〜0.25の範囲にあることを
特徴とする偽造防止性記録シート5。及びこれを1回以
上折り畳んでなる偽造防止用紙。これにより、偽造防止
性と高度の耐擦性を兼ね備えた特性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偽造防止性を備え
た記録シートに関するものであり、基本的な偽造防止性
は感圧発色性によって与えられるものである。このよう
な記録シートは、伝票、帳票、記録紙、玩具、通信、証
券、金券、チケット、乗車券、書類、シール、くじ、ラ
ベル、ポイントカード、領収証などに用いることが可能
で、簡単に真偽の判別ができる偽造防止性を有する記録
シートである。
【0002】
【従来の技術】近年の社会生活において、偽造方法の進
展(特に、カラーコピーに負う所が大きい)により、入
場券や乗車券、切手、印紙、手形、小切手、証書などの
金券のみならず、ラベル、商品の値札、あらゆる種類の
くじや投票券(馬券など)、領収証、ポイントカード、
書類など多くの表示媒体が偽造のターゲットとされてい
る。
【0003】偽造防止の目的からは、このようないわゆ
る金券の記録用紙には偽造防止用の地紋印刷がなされて
いたり、マイクロ文字による偽造防止用の印刷がなされ
ているが、近年のカラーコピーの発達により、印刷に関
しては素人でも簡単に複製が作れるという状況になって
いる。このような状況は単に金券のみならず、値札ある
いは商品詳細を記入したラベルや、スピードくじなどに
おいても複製を作り易いという状況は同じである。
【0004】偽造防止の手段あるいは情報処理の機械化
の手段として、よく用いられる方法に磁気記録方式があ
る。磁気記録方式は、磁気記録単体で用いられることは
少なく、磁気記録とインクジェット記録、磁気記録と印
刷(あるいは偽造防止印刷)、磁気記録と熱転写記録な
ど組み合わせて用いるのが普通である。一般的には、磁
気切符、磁気入場券、馬券などの投票券、プリペイドカ
ード、クレジットカード、磁気回数券などの多くの分野
に用いられているが、磁気記録は機械処理であり、かつ
その情報は基本的には解読可能であるため、全く同じ磁
気特性の磁気記録用紙を作れば偽造が可能であった。こ
のことは、磁気記録シートの1種類であるテレホンカー
ドの偽造の多さを見ても判るとおりである。切符などは
磁気情報と感熱記録情報、あるいは磁気情報と溶融熱転
写記録情報が併用されるが、一般に解読は磁気情報のみ
によるため、磁気情報が解読されれば偽造防止性は極め
て低いものになる。解読が磁気情報のみによるのは、感
熱記録、あるいは溶融熱転写記録が文字情報であるた
め、自動改札などの極めて短時間での処理には向かない
ためである。
【0005】本発明の偽造防止技術の根幹をなす自己発
色性感圧記録のシステムは、いわゆるノーカーボン複写
紙から発展したものであり、製品形態としては自己発色
性感圧記録シートまたはセルフコンティンドペーパーと
も呼ばれている。その構成は、無色染料(以下、発色剤
と称する)を内包するマイクロカプセルを支持体に設け
る工程と、さらにその塗層上に酸性白土、フェノール樹
脂、有機酸性物質などの電子受容性物質(以下、顕色剤
と称する)を設ける工程との都合2工程からなる2層塗
工による製造方法(塗工順序を逆にしたものも含む)
や、上記2成分の少なくとも1成分をマイクロカプセル
化し、均一に混合して一層塗工による製造方法(特公昭
47−16096号公報)が知られている。
【0006】当然ながら、自己発色性感圧記録シート
は、支持体表面に発色剤と顕色剤の両方が近接して存在
し、少しの摩擦や圧力により発色してしまうため、耐擦
性の付与が必要である。簡単な耐擦性の付与方法とし
て、マイクロカプセルよりも粒径の大きい小麦でんぷん
粒子などを自己発色性感圧記録層内に分散させ、多少の
圧力では不用意に発色しないようにしたものもある。し
かしながら、このようなクッション材(スチルト材)の
併用では、その耐擦性効果は限られるものであった。す
なわち、非常に耐擦性を向上させた自己発色性感圧記録
シートにおいても、その印字は感圧紙用に設計されたプ
リンターでなければ、紙送りロールなどで自己発色性感
圧記録層が発色してしまうという問題があった。
【0007】これまでに、例えば、自己発色感圧記録シ
ートの記録層上に、真空密着法によるラミネート層を設
ける方法(特公昭49−10857号公報)や、溶融ラ
ミネート法によるプラスチック層を有する記録シート
(実開昭52−149709号公報)、及びこれらの保
護層上に剥離層を設ける等の例、あるいは自己発色性感
圧記録層上に、可溶性ポリマー溶液を塗布し、乾燥して
被膜を設ける方法等が知られている。しかし、これらの
方法では、マイクロカプセルの破壊により著しい発色カ
ブリを生じるか、樹脂によってマイクロカプセルが覆わ
れてしまい、本来の自己発色感圧記録性をほとんど失
い、発色濃度、発色速度とも低下してしまったり、記録
の保存性が低下してしまう等の問題の他に、表面がプラ
スチック化されてしまうために印刷性に劣るという問題
や、紙の風合いが失われるという問題もあった。
【0008】又、自己発色性感圧記録シートの記録層上
にポリオレフィン樹脂被覆層を設け、その上に裏面にヒ
ートシール性接着剤を塗工した不透明被覆シート(宛先
表示シート)を重ね合わせ、熱圧着することにより一体
化する方法(実開平2−2173号公報、実開平3−1
16974号公報)等が公開されている。また、自己発
色性感圧記録シートと不透明被覆シートを熱可塑性樹脂
により一体化する方法(特開平5−278175号公
報)及び同じく自己発色性感圧記録シートと不透明被覆
シートとを実質的に2層の熱可塑性樹脂層により一体化
する方法(特開平5−307362号公報)が開示され
ている。しかしながら、これらの方法では、表面の印刷
性や紙の風合いが保たれるにしろ、これはむしろ自己発
色性感圧記録層を剥離可能に覆い隠すことが目的で、自
己発色性感圧記録層上の発色は、不透明被覆シートを剥
離しなければ読めないという点で自己発色性感圧記録シ
ートの本来の使い方とは異なるものであった。
【0009】自己発色性感圧記録シートの発色性を損な
わずに、良好な耐擦性を付与する方法として、自己発色
性感圧記録層を設けた不透明支持体と透明紙とを、ポリ
オレフィン樹脂層を介して一体化する方法(特開平8−
52938号公報、特開平9−71043号公報)が開
示されている。しかしながら、これらの場合、偽造防止
機能と耐擦性(ここでいう耐擦性とは、感圧発色の耐擦
れ汚れ性という意味)は有するものの、中・長期間持ち
歩くような過酷な使用状況での高度の耐擦性を有するに
は至らず、このような使用状況では自己発色性感圧記録
層で発色汚れが生じてしまい、美観を損ねたり、被覆用
紙上の印刷文字などが読み取り難くなる場合があり、高
度の耐擦性に欠けるものであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、自己発色性感圧記録方式を採用することに
よって、容易に真贋判定を行うことが可能な、偽造防止
性を付与した記録シートを提供することにあり、その
際、高度な耐擦性を有し、中・長期にわたって持ち歩い
たりする過酷な使用状況でさえ感圧発色汚れが発生せ
ず、なおかつ自己発色性感圧発色の十分な視認性を有す
る偽造防止性記録シート並びに偽造防止用紙を提供する
ことである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、簡便な真
贋判定性を付与する手段として、自己発色性感圧記録方
式の応用を考えた。即ち、自己感圧発色するシートを金
券等の印刷用シートとして用いれば、加圧時の発色の有
無で簡単に真贋を判定することができると考えた。
【0012】但し、自己発色性感圧記録方式を採用する
にあたり、記録シートとしての印刷性、感圧発色の視認
性を損なってはならず、無用な発色汚れは避けなければ
ならない。
【0013】以上のことを鑑みて鋭意研究の結果、以下
の様な発明に至った。
【0014】第一に、支持体の片面に、厚みが12μ
m以上の熱可塑性樹脂層、自己発色性感圧記録層、
被覆用紙、を順次積層してなり、チルドロールにて30
kg/cmの線圧を加えた際の感圧発色光学濃度がマク
ベス反射濃度で0.15〜0.25の範囲にあることを
特徴とする偽造防止性記録シート。
【0015】第二に、支持体の片面に、厚みが12μ
m以上の熱可塑性樹脂層、自己発色性感圧記録層、
被覆用紙、を順次積層し、さらに被覆用紙側に画像を形
成してなるシートであり、チルドロールにて30kg/
cmの線圧を加えて感圧発色させる前後の画像部の光学
濃度比(加圧発色前のマクベス反射濃度/加圧発色後の
マクベス反射濃度)の値が0.40〜0.80の範囲に
あることを特徴とする偽造防止性記録シート。
【0016】第三に、該被覆用紙の不透明度が70〜8
5%の範囲にあることを特徴とする上記第一又は第二の
偽造防止性記録シート。
【0017】第四に、熱可塑性樹脂層の厚みが12〜4
0μmの範囲にある第一、第二、又は第三の偽造防止性
記録シートを1回以上折り畳んでなる偽造防止用紙。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明の詳細を説明する。
本発明の偽造防止性記録シートの構成を図面を引用して
説明する。図1は本発明の偽造防止性記録シートの断面
図である。本発明の偽造防止性記録シート5は、支持体
1に、熱可塑性樹脂層2、自己発色性感圧記録層3、被
覆用紙4を積層してなる。支持体1の熱可塑性樹脂層2
と接しない面、及び被覆用紙4の自己発色性感圧記録層
3と接しない面は、印刷性を有する。熱可塑性樹脂層2
は支持体1と、自己発色性感圧記録層3の接着層として
働く。自己発色性感圧記録層3は、感圧発色性により偽
造防止機能あるいは偽造検知機能を有する層として働
く。自己発色性感圧記録層3が、構成において最外層に
位置しないことは、優れた耐擦性を付与する上で重要で
ある。感圧発色の視認性を保ちつつさらに高度な耐擦性
を付与するには、被覆用紙4の不透明度は70〜85%
の範囲にあるのが好ましい。本発明の偽造防止性記録シ
ート5にチルドロールにて3kg/cmの線圧を加えた
際の感圧発色光学濃度はマクベス反射濃度で0.15〜
0.25の範囲にある。
【0019】図2は本発明の1回折り畳んだ形状の偽造
防止用紙の側面図である。例えば第一の本発明である偽
造防止性記録シート5を、折り線部8において支持体側
6を外側にし、被覆用紙側7を内側にして折り畳むこと
により第四の本発明である偽造防止用紙9が得られる。
図2は1回折り畳んだ形状であるが、必要に応じて2回
以上折り畳んでも差し支えない。被覆用紙側を内側にし
て折り畳むことにより、頻繁に持ち歩くような過酷な使
用状況の場合において、耐擦性は格段に有利となり、有
効期限が中・長期にわたる一部の入場券や乗車券、或い
はポイントカード等の、中・長期使用の用途に、より適
した偽造防止用紙となる。
【0020】本発明に用いられる支持体及び被覆用紙
は、一般的に印刷用紙又は印刷用シートとして使用され
るものであれば特に限定されることはなく、上質紙、ア
ート紙、キャスト紙、コーテッド紙などの通常の天然パ
ルプ紙を用いることができ、木材パルプ、合成パルプ、
填料、サイズ剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料、紙
力増強剤、染料など、通常抄紙で用いられる原材料を必
要に応じて使用することが可能である。又、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、エチレン
/ビニルアルコール共重合体、エチレン/酢酸ビニル共
重合体、脂肪族又は芳香族ポリアミド(ナイロンやアラ
ミド)、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリウレタ
ン、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル系、TPX、ポ
リブテン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエ
ーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェ
ニレンエーテル、ポリアセタール、セロファン、アイオ
ノマー、或いはこれらを共重合、共押出し、コーティン
グ、ブレンド等の手法で複合化した合成樹脂フィルム、
或いは合成繊維、天然繊維、パルプ繊維、ガラス繊維等
からなる不織布や織布、合成紙、合成樹脂を紙に片面、
又は両面にラミネートしたラミネート紙、金属箔、ある
いはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて用
いることができる。合成樹脂については、無機あるいは
有機顔料により不透明化することができる。これらの素
材は白色でも、着色されていても良い。
【0021】本発明の偽造防止性記録シートに用いる支
持体の不透明度は70%以上であることが好ましい。ま
た、被覆用紙の不透明度は70%〜85%の範囲にある
ことが好ましい。ここでいう不透明度値とは、JIS
P8138にて測定した不透明度(%)である。支持体
及び被覆用紙の不透明度が70%未満の場合は、長期使
用の際の耐擦性に不利となり、被覆用紙の不透明度が8
5%を越える場合は感圧発色部の視認性が著しく低下す
る。通常、感圧発色の視認は被覆用紙側から行うため、
支持体側から視認できないことは何ら問題ない。
【0022】本発明の記録シートを得るには、代表的に
は被覆用紙の片面に自己発色性感圧記録層を設ける工
程、該自己発色性感圧記録層を設けた被覆用紙と支持体
を熱可塑性樹脂層により一体化する工程、を組み合わせ
ることにより製造することができるが、特にこれらの工
程の詳細や組み合わせ順序を限定するものではない。
【0023】本発明の記録シートに用いる熱可塑性樹脂
としては、一般に、熱可塑性樹脂コーティングあるいは
熱可塑性樹脂ラミネートに用いられる熱可塑性樹脂なら
制限なく使用可能であり、例えば、ポリエチレン(低密
度、中密度、高密度、線状低密度ポリエチレン)、ポリ
プロピレン、ポリトリメチルペンテン、ポリブテン、ポ
リエステル、ポリスチレン、ポリアミド、エチレン酢酸
ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合
体、エチレンアクリル酸共重合体、エチレンアクリル酸
メチル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体、
エチレンメタアクリル酸共重合体およびその塩、塩化ビ
ニル、塩化ビニリデンなどの汎用溶融押し出し樹脂を単
独で、あるいは混合して用いることができる。
【0024】熱可塑性樹脂の混合方法には特に制限はな
く、任意の方法を用いることができる。例えば、混練機
用押し出し機、加熱練りロール、バンバリーミキサー、
ニーダーなどを用いて所定量の熱可塑性樹脂、そして必
要に応じて各種の添加剤(剥離剤、滑り剤、顔料、酸化
防止剤、中和剤、紫外線吸収剤など)を加えて溶融混合
したのち、その混合物を粉砕、ペレット化する方法、ま
たは押し出し機にいわゆる単純ブレンドのままの状態で
直接投入して押し出しコーティングする方法、あるいは
片方の熱可塑性樹脂の重合時に他の成分を共重合させて
得られた混合樹脂を使用する方法などを利用することが
できる。熱可塑性樹脂は直接自己発色性感圧記録層と接
触するため、樹脂中の可塑剤や分散剤、酸化防止剤など
の影響を考慮して使用する必要がある。
【0025】熱可塑性樹脂層により支持体と自己発色性
感圧記録層を有する被覆用紙を一体化するには、一般の
溶融押し出しダイ、Tダイ、あるいは多層同時押し出し
ダイを用いることができる。溶融押し出しの前処理とし
て、被覆用紙、あるいは自己発色性感圧記録層を有する
支持体にコロナ処理、フレーム処理など公知の接着性改
良のための処理を行うことは何ら差し支えない。また、
本発明の記録シートの裏面には、カール防止、帯電防
止、顔料コート層あるいは耐水性層などのバックコート
層を設けることが出来、バックコート層には帯電防止
剤、親水性バインダー、ラテックス、硬膜剤、顔料、界
面活性剤、粘着剤などを適宜組み合わせて含有すること
ができる。
【0026】熱可塑性樹脂の塗布量(ラミネート量)
は、自己発色性感圧記録層の発色性、および透明紙との
接着性に関与するため一定の範囲にあることが好まし
い。透明紙と支持体との接着強度を充分に保つ目的か
ら、12g/m2以上が好ましく、12〜40g/m2の塗布量
がより好ましい。熱可塑性樹脂層が12g/m2より少ない
と自己発色性感圧記録層を設けた被覆用紙の接着性が不
十分となる。40μmより厚いと加工速度が低下した
り、第四の発明である偽造防止用紙においては折り適性
が悪化したりする。
【0027】本発明における自己発色性感圧記録層と
は、自己発色性感圧記録紙に等に一般的に用いられるよ
うな、通常無色で加圧時に発色する層である。自己発色
性感圧記録層には、発色剤及び顕色剤の少なくとも1方
がマイクロカプセル化されて含有され、発色剤と顕色剤
をそれぞれ単独で積層してもよいし、混合して単層とし
てもよい。
【0028】本発明に利用し得る自己発色性感圧記録層
については、特に制限されることなく、従来から公知の
ものを使用できる。例えば、マイクロカプセル化の方法
やマイクロカプセルの壁材、発色剤や発色剤を溶解する
油、あるいは顕色剤、接着樹脂(バインダー)、マイク
ロカプセル保護剤などである。
【0029】マイクロカプセル化法としては、コアセル
ベーション法(米国特許2800458号明細書な
ど)、界面重合法(特公昭47−1763号公報な
ど)、インサイチュー重合法(特開昭51−9079号
公報など)などが使用できる。
【0030】マイクロカプセルの壁材としては、ポリウ
レタン、ポリ尿素、エポキシ樹脂、尿素/ホルマリン樹
脂、メラミン/ホルマリン樹脂などが使用できる。
【0031】発色剤、顕色剤に関しては、一般に感圧記
録材料に用いられているものであれば特に制限されな
い。例えば、感圧記録用の発色剤としては、トリアリル
メタン系化合物、ジアリールメタン系化合物、キサンテ
ン系化合物、チアジン系化合物、スピロピラン系化合
物、ジフェニルメタン系染料、スピロ系染料、ラクタム
系染料、フルオラン系染料などが使用できる。
【0032】具体的には、3,3−ビス(p−ジメチル
アミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリ
スタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジ
メチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチル
アミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール
−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェ
ニル)−3−(2−メチルインド−ル−3−イル)フタ
リド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインド−ル−3
−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス
(9−エチルカルバゾ−ル−3−イル)−6−ジメチル
アミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインド−
ル−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−p
−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロ−ル
−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−p−
ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−
2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド3−(p−ジ
メチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール
−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェ
ニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フ
タリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−
3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビ
ス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジ
メチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカル
バゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、
3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−
5−ジメチルアミノフタリド、などのトリアリルメタン
系染料。
【0033】4,4’−ビス−ジメチルアミノフェニル
ベンズヒドリルベンジルエーテル、4,4’−ビス−ジ
メチルアミノベンズヒドリルベンジルエ−テル、N−ハ
ロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリク
ロロフェニルロイコオーラミンなどのジフェニルメタン
系染料。
【0034】ベンゾイルロイコメチレンブル−、p−ニ
トロベンゾイルロイコメチレンブル−などのチアジン系
染料。
【0035】3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3
−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3,3’−ジクロ
ロスピロジナフトピラン、3−フェニル−スピロ−ジナ
フトピラン、3−ベンジル−スピロ−ジナフトピラン、
3−プロピルスピロベンゾピラン、3−メチルナフト−
(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−メチル−ナ
フト(6’−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロ
ピル−スピロ−ジベンゾピランなどのスピロ系染料。
【0036】ローダミン−B−アニリノラクタム、ロー
ダミン(p−ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン
(o−クロロアニリノ)ラクタムなどのラクタム系染
料。
【0037】ローダミンBアニリノラクタム、ローダミ
ンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミ
ノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジメチルア
ミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチル
アミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチル
アミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジメチルアミノ
−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−
N−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−
7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メ
トキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−
7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロ
ロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−
メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4
−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ
−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
ジエチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフル
オラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジメチルフルオ
ラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−
N−トリル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリ
ノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピ
ル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−メチルフルオ
ラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチ
ル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−エチル
−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジ
ノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−カル
ボメトキシ−フェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−7−N−アセチル−N−メチルアミノフルオ
ラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−7−N−クロロエチル−N−メチルアミノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−メチル−N−ベンジルア
ミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−メチル
アミノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキ
シル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−エチル−N−iso−アミルアミノ)−6−メ
チル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−シク
ロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−フ
ェニルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−テト
ラヒドロフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−フェニル
アミノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−
フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−
メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3
−ジブチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)
フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−p−ブ
チルフェニルアミノフルオランなどのフルオラン系染料
などが挙げられる。
【0038】感圧記録層において発色剤を溶解する油と
しては、ジアリールアルカン系、アルキルナフタレン
系、アルキル化ビフェニル、水添ターフェニルの如き芳
香族合成油、ケロシン、ナフサ、パラフィン油、塩素化
パラフィンの如き脂肪族合成油、綿実油、ヤシ油、大豆
油、亜麻仁油の如き植物油などが使用できる。
【0039】マイクロカプセルの保護剤としては、セル
ロース粉末、デンプン粒子、タルク、焼成カオリン、炭
酸カルシウムなどが使用できる。
【0040】顕色剤としては、粘土類(例えば、活性白
土、酸性白土、アタパルジャイト、ベントナイト、コロ
イダルシルカ、硅酸アルミニウムなど)、有機酸(例え
ば、サリチル酸の如き芳香族カルボキシ化合物またはこ
れらの金属塩など)、有機酸と金属化合物の混合物、酸
性重合体(例えばフェノ−ル/ホルムアルデヒド樹脂、
サリチル酸系樹脂またはこれらの亜鉛、マグネシウム、
アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、
ニッケルなどの多価金属塩など)などが使用できる。
【0041】自己発色性感圧記録層に使用される接着樹
脂(バインダー)としては、公知の水系接着性ポリマー
(即ち、水溶性又は、エマルジョン、或いはラテックス
の形態)が使用でき、例えば以下のものを単独で或いは
混合して使用できるが、これらに限定されるものではな
い。
【0042】デンプン、酸化デンプン、エステル化デン
プン、ヒドロキシエチル化デンプン、アセチル化デンプ
ン、カチオン化デンプン、デキストリンなどのデンプン
類、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの
セルロース誘導体、カゼイン、ゼラチンなどのプロテイ
ン、寒天、ザンタンガム、プルラン、キトサン、スター
ガム、グアーガム、アラビアゴム、トラガントゴム、ア
ルギン酸誘導体などの天然高分子多糖類、ポリビニルア
ルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルメチ
ルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、
ポリアクリル酸ソーダなどのポリアクリル酸塩類、ポリ
アクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド、アクリル
アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド
/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、イ
ソブチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水
マレイン酸共重合体及びそのアルカリ塩、エチレン/無
水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、スチレン/アクリ
ル酸共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレ
ン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエ
ン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、
酢酸ビニル/アクリル酸(エステル)共重合体、アクリ
ロニトリル/ブタジエン/アクリル酸共重合体、エチレ
ン/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン、ポリクロロ
プレン、オルガノポリシロキサン、ポリエチレン、等。
【0043】自己発色性感圧記録層に使用される顔料と
しては、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリ
ン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、酸化ケイ素、
水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン
−ホルマリン樹脂などが挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0044】また、本発明の構成として、高い発色濃度
を得る上で、被覆用紙と自己発色性感圧記録層との間
に、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、クレー、硫酸バ
リウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、硫酸
鉛、鉛白、亜鉛華、硫化亜鉛、サチン白、酸化チタン、
酸化アンチモン、雲母、ベントナイト、ケイ酸カルシウ
ム、石膏、水酸化アルミニウムなどの無機顔料、または
ポリスチレン、ポリビニルトルエン、スチレン/ジビニ
ルベンゼン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、尿素/
ホルムアルデヒド重合体、ポリエチレンなどの微粉有機
顔料を含むアンカー層を設けたり、自己発色性感圧記録
層内に分散することは何ら差し支えない。
【0045】その他に、助剤として、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウムなどの高級脂肪酸金属塩、
パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリ
エチレン、ステアリン酸アミド、カスターワックスなど
のワックス類、また、ジオクチルスルホコハク酸ナトリ
ウム、スルホン酸変性ポリビニルアルコールなどの分散
剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系などの紫
外線吸収剤、更らに界面活性剤、蛍光染料、帯電防止
剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、消泡剤、離型剤、滑
剤、耐ブロッキング向上剤、粘着付与剤などが支持体、
自己発色性感圧記録層、熱可塑性樹脂層、被覆用紙中に
必要に応じて添加される。
【0046】本発明において自己発色性感圧記録層を塗
布する方法としては、グラビアコーター、グラビアオフ
セットコーター、バーコーター、ロールコーター、エア
ナイフコーター、Uコンマコーター、AKKUコータ
ー、スムージングコーター、マイクログラビアコータ
ー、リバースロールコーター、4本あるいは5本(多
段)ロールコーター、カーテンコーター、ブレードコー
ター、ディップコーター、落下カーテンコーター、スラ
イドコーター、リップコーター、ダイコーター、スクイ
ズコーター、ショートドウェルコータ、サイズプレス、
スプレーなどの各種装置をオンマシンあるいはオフマシ
ンで用いることができる。
【0047】本発明の偽造防止性記録シートへの画像形
成方法は、筆記、印刷、インパクトプリント、電子写
真、熱転写、インクリボン、インクジェット、感圧、レ
ーザープリント、ラベル貼り合わせなどその方法による
制限はない。ただし被覆用紙と一体化した後の自己発色
性感圧記録層への記録は、圧力による発色を伴う記録方
法に限られる。自己発色性感圧記録層に記録する際に
は、インパクトプリンターやタイプライターを用いるこ
とも可能であるし、同じ情報を多量に記録する必要があ
る場合には、活版印刷により記録することも可能であ
る。また、ボールペン、鉄筆などでの記録も可能であ
る。偽造確認の目的で自己発色性感圧記録層を発色させ
る場合にはエンボッサー等の加圧治具を用いることも可
能である。
【0048】本発明の偽造防止性記録シートの表面又は
裏面には、筆記性・印刷性等を改良するための顔料塗工
層、熱転写受像層、インクジェットインク受理層、感熱
記録層、可逆感熱記録層、感光記録層、磁気記録層、等
の各種の記録用の層を設けることができる。
【0049】本発明の偽造防止性記録シート・偽造防止
用紙は、加圧により、自己発色性感圧記録層を発色させ
ることが可能であり、その発色は上層の被覆用紙や、必
要に応じて設けられた被覆用紙上の記録層あるいは印刷
層を通して読みとることが可能である。自己発色性感圧
記録層の発色の有無の確認は、真贋確認を目的とした偽
造防止性に有効である。
【0050】本発明の偽造防止性記録シート・偽造防止
用紙においては、自己発色性感圧記録層が被覆用紙の内
側に保護された形になるため、一般の取扱時や、他の記
録方式での記録時において不用意な摩擦や、多少の折れ
や曲げによる発色汚れの心配がなく、耐擦性が高いばか
りでなく、記録の耐候性、耐水性、耐油性などが良好
で、印刷性、取扱性に優れ、ラミネート紙特有の帯電に
よる重送が起こらず、取り扱いやすい。
【0051】また、地紋印刷、マイクロ文字印刷、磁気
記録、ホログラムを利用する方法、紫外線発光インキを
利用する方法等、他の様々な公知の偽造防止手段と組み
合わせて用いることは何ら差し支えなく、他の偽造防止
手段と組み合わせることによって、より高度な偽造防止
を図ることも可能である。
【0052】第一の本発明の偽造防止性記録シートはチ
ルドロールにて30kg/cmの線圧を加えた際の感圧
発色光学濃度がマクベス反射濃度で0.15〜0.25
の範囲にあることを特徴とする。0.15未満の場合は
感圧発色の視認性が劣るため偽造品か否かの真贋判定が
行いにくくなり、0.25を越える場合は無用な発色汚
れが目立ち易くなり、中・長期使用時の高度な耐擦性に
欠けるようになる。
【0053】第二の本発明の偽造防止性記録シートは被
覆用紙側に画像を形成してなるシートであり、チルドロ
ールにて30kg/cmの線圧を加えて感圧発色させる
前後の画像部の光学濃度比(加圧発色前のマクベス反射
濃度/加圧発色後のマクベス反射濃度)の値が0.4〜
0.8の範囲にあることを特徴とする。画像部の光学濃
度比が0.4を下回る場合は、無用な発色汚れが目立ち
易くなり、0.8を越える場合は、感圧発色が画像部の
色と混然となって真贋判定が行いにくく、或いは行えな
くなる。ここで言う画像とは、印刷、インクジェット記
録、サーモグラフ、電子写真等の手段によりで設けたも
のであり、光学濃度は、感圧発色による真贋判定を行う
のに現実的な画像濃度の低い(マクベス反射濃度で言え
ば0.10〜0.20程度)部位にて測定する。従っ
て、画像濃度が全面的に濃い印刷を施した場合は当然真
贋判定が行いにくいものとなる。
【0054】第一〜第三の本発明の偽造防止性記録シー
トを1回以上折り畳むことにより、第四の本発明である
偽造防止用紙が得られる。偽造防止用紙への印字や印刷
は、折り畳み加工を施す前でも後でも差し支えないが、
通常は必要な印字や印刷を施した後に折り畳み加工を施
して偽造防止用紙を得る方法の方が合理的である。
【0055】折り部の加工方法は特に限定されるもので
はないが、例えば、雄刃と雌型を組み合わせての筋押し
加工等が挙げられる。
【0056】折りの向きは、被覆用紙を外側とするより
は、支持体を外側とし、被覆用紙を内側とする方が、長
期の耐擦性に関して遥かに有利となる。
【0057】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。尚、以下に示す部および%のいずれも重量基
準である。また、塗抹量を示す値は断わりのない限り乾
燥後の塗抹量である。
【0058】<調製例1:自己発色性感圧塗液>感圧記
録用に用いる発色剤内包マイクロカプセルは、次のとお
り作製した。まず、クリスタルバイオレットラクトン6
部をハイゾールSAS N−296(日本石油化学
(株)製)114部に加熱溶解して内相油とした。メラ
ミン12部と37%ホルマリン28部を水70部ととも
に加温し、メラミン−ホルマリン初期重縮合物を得た。
次いで、内相油を6%のスチレン/無水マレイン酸共重
合体水溶液150部に乳化し、この乳化液に、上記のメ
ラミン−ホルマリン重縮合物を添加して、液温を70℃
に3時間保持して、メラミン−ホルマリン樹脂膜を持つ
発色剤内包のマイクロカプセル分散液を得た。得られた
マイクロカプセルの平均粒子径は、約6μmであった。
【0059】自己発色性感圧記録層用の塗液は、以下の
処方により作製した。 発色剤内包のマイクロカプセル 100部 顕色剤(住友デュレズ(株)製PR26298) 50部 デンプン粒子 230部 焼成カオリン 20部 ポリビニルアルコール 53部 炭酸カルシウム 40部 固形分濃度 24%
【0060】実施例1 被覆用紙として、上質紙(45g/m2)を用い、調製
例1の配合の自己発色性感圧塗液を、乾燥塗工量が7g
/m2になるように塗工・乾燥して自己発色性感圧記録
層を有する被覆用紙を得た。次に、支持体としてキャス
ト紙(157g/m2)を用い、該支持体と、前記の自
己発色性感圧記録層を有する被覆用紙とをコロナ処理を
施した後、自己発色性感圧記録層が熱可塑性樹脂層に接
するように熱可塑性樹脂(低密度ポリエチレン、密度
0.924)を溶融押し出しすることによって一体化
し、目的とする偽造防止性記録シートを得た。チルドロ
ールにて30kg/cmの線圧を加えた際の感圧発色光
学濃度(以下、単に「感圧発色濃度」と記す)は0.1
9、被覆用紙の不透明度は72%、熱可塑性樹脂層の厚
みは20μmであった。
【0061】実施例2 被覆用紙として、上質紙(81g/m2)を用い、支持
体としてA2コート紙(157g/m2)を用いた以外
は実施例1と同様にして目的とする偽造防止性記録シー
トを得た。感圧発色濃度は0.15、被覆用紙の不透明
度は83%、熱可塑性樹脂層の厚みは20μmであっ
た。
【0062】実施例3 支持体として、中質コート紙(60g/m2)を用い、
熱可塑性樹脂層の厚みを変更した以外は実施例1と同様
にして目的とする偽造防止性記録シートを得た。感圧発
色濃度は0.17、被覆用紙の不透明度は79%、熱可
塑性樹脂層の厚みは12μmであった。
【0063】実施例4 熱可塑性樹脂層の厚みを変更した以外は実施例1と同様
にして目的とする偽造防止性記録シートを得た。感圧発
色濃度は0.20、被覆用紙の不透明度は72%、熱可
塑性樹脂層の厚みは40μmであった。
【0064】実施例5 熱可塑性樹脂層の厚みを変更した以外は実施例1と同様
にして目的とする偽造防止性記録シートを得た。感圧発
色濃度は0.21、被覆用紙の不透明度は72%、熱可
塑性樹脂層の厚みは44μmであった。
【0065】実施例6 自己発色性感圧塗液の乾燥塗工量を10g/m2とした
以外は実施例1と同様にして目的とする偽造防止性記録
シートを得た。感圧発色濃度は0.25、被覆用紙の不
透明度は72%、熱可塑性樹脂層の厚みは20μmであ
った。
【0066】実施例7 被覆用紙として、上質紙(40g/m2)を用いた以外
は実施例1と同様にして目的とする偽造防止性記録シー
トを得た。感圧発色濃度は0.22、被覆用紙の不透明
度は68%、熱可塑性樹脂層の厚みは18μmであっ
た。
【0067】実施例8 実施例1で得た偽造防止性記録シートの被覆用紙面に、
オフセット印刷によって地紋印刷を施して目的とする偽
造防止性記録シートを得た。チルドロールにて加圧発色
させる前の画像の光学濃度(以下、単に「画像濃度」と
記す)は0.16、感圧発色濃度は0.20、光学濃度
比は0.80、被覆用紙の不透明度は72%、熱可塑性
樹脂層の厚みは20μmであった。
【0068】実施例9 実施例6で得た偽造防止性記録シートの被覆用紙面に、
昇華型熱転写方式で網点画像を設けて目的とする偽造防
止性記録シートを得た。画像濃度は0.10、感圧発色
濃度は0.25、光学濃度比は0.40、被覆用紙の不
透明度は72%、熱可塑性樹脂層の厚みは20μmであ
った。
【0069】実施例10 実施例7で得た偽造防止性記録シートの被覆用紙面に、
インクジェット方式で地紋様画像を設けて目的とする偽
造防止性記録シートを得た。画像濃度は0.15、感圧
発色濃度は0.22、光学濃度比は0.68、被覆用紙
の不透明度は68%、熱可塑性樹脂層の厚みは18μm
であった。
【0070】実施例11 実施例1で得られた偽造防止性記録シートに折り線用の
筋押し加工を施し、折り線部を中心にA5カット判と
し、被覆用紙が内側になるように折り線で1回折り畳ん
で目的とする偽造防止用紙を得た。
【0071】実施例12 実施例2で得られた偽造防止性記録シートを用いた以外
は実施例11と同様にして目的とする偽造防止用紙を得
た。
【0072】実施例13 実施例3で得られた偽造防止性記録シートを用いた以外
は実施例11と同様にして目的とする偽造防止用紙を得
た。
【0073】実施例14 実施例4で得られた偽造防止性記録シートを用いた以外
は実施例11と同様にして目的とする偽造防止用紙を得
た。
【0074】実施例15 実施例1で得られた偽造防止性記録シートに10cm間
隔で2本の折り線用の筋押し加工を施し、折り線部を均
等に配置するように30cm×15cmのカット判と
し、被覆用紙が内側になるように折り線で1回ずつ計2
回折り畳んで目的とする偽造防止用紙を得た。
【0075】実施例16 熱可塑性樹脂層の厚みを40μmとした以外は実施例8
と同様にして偽造防止性記録シートを得、さらに実施例
11と同様に筋押し加工を施して目的とする偽造防止用
紙を得た。
【0076】実施例17 熱可塑性樹脂層の厚みを12μmとした以外は実施例8
と同様にして偽造防止性記録シートを得、さらに実施例
11と同様に筋押し加工を施して目的とする偽造防止用
紙を得た。
【0077】比較例1 A2コート紙(157g/m2)をそのまま記録シート
として用いた。
【0078】比較例2 市販の自己発色性感圧記録紙(三菱製紙製ダイヤセルフ
スーパーN40)をそのまま記録シートとして用いた。
感圧発色濃度は0.39であった。
【0079】比較例3 比較例2の自己発色性感圧記録紙の感圧発色面にコロナ
処理を施した後、熱可塑性樹脂(低密度ポリエチレン、
密度0.924)を溶融押し出しして、熱可塑性樹脂コ
ーティング層を有する記録シートを得た。感圧発色濃度
は0.43、熱可塑性樹脂層の厚みは20μmであっ
た。
【0080】比較例4 被覆用紙として、A3コート紙(80g/m2)を用い
た以外は実施例1と同様にして記録シートを得た。感圧
発色濃度は0.14、被覆用紙の不透明度は88%、熱
可塑性樹脂層の厚みは20μmであった。
【0081】比較例5 熱可塑性樹脂層の厚みを10μmとした以外は実施例1
と同様にして記録シートを得た。感圧発色濃度は0.1
9であった。
【0082】比較例6 比較例4で得た記録シートの被覆用紙面に、インクジェ
ット方式で地紋様画像を設けて記録シートを得た。画像
濃度は0.12、感圧発色濃度は0.14、光学濃度比
は0.86、被覆用紙の不透明度は88%、熱可塑性樹
脂層の厚みは20μmであった。
【0083】比較例7 実施例7で得た記録シートの被覆用紙面に、オフセット
印刷にて地紋印刷を施して記録シートを得た。画像濃度
は0.18、感圧発色濃度は0.22、光学濃度比は
0.81、被覆用紙の不透明度は68%、熱可塑性樹脂
層の厚みは18μmであった。
【0084】比較例8 被覆用紙として、薄葉印刷用紙(コピー用紙、40g/
2)を用いた以外は実施例1と同様にして支持体と一
体化した後、オフセット印刷にて地紋印刷を施して記録
シートを得た。画像濃度は0.15、感圧発色濃度は
0.38、光学濃度比は0.39、被覆用紙の不透明度
は59%、熱可塑性樹脂層の厚みは20μmであった。
【0085】比較例9 比較例5で得られた記録シートを用いた以外は実施例1
1と同様にして偽造防止用紙を得た。
【0086】比較例10 実施例5で得られた記録シートを用いた以外は実施例1
1と同様にして偽造防止用紙を得た。
【0087】比較例11 熱可塑性樹脂層の厚みを10μmとした以外は実施例1
6と同様にして偽造防止用紙を得た。
【0088】比較例12 熱可塑性樹脂層の厚みを44μmとした以外は実施例1
6と同様にして偽造防止用紙を得た。
【0089】以上の実施例及び比較例では、チルドロー
ルにで30kg/cmの線圧を加える際の速度は3m/
分とした。また、画像濃度、感圧発色濃度の測定はマク
ベスRD918反射濃度計を使用して行った。
【0090】実施例、比較例で得られた偽造防止性記録
シートおよび偽造防止用紙は以下の方法で評価を行っ
た。結果は、実施例は表1に示し、比較例は表2に示し
た。 <偽造防止性>実施例1〜7と実施例11〜15、比較
例1〜5と比較例9〜10で得られた偽造防止性記録シ
ートおよび偽造防止用紙の被覆用紙側に、カラーコピー
機を用いてカラー画像を設けた後、インクリボンを装着
しないドットインパクトプリンターを用いて印字を行っ
た。カラー画像と感圧発色が重なっていても感圧発色が
読みとれる場合を偽造防止性の評価が優、カラー画像と
感圧発色が重なってた場合、その部分は感圧発色が読み
とれないが、カラー画像がない部分では感圧発色が明確
に読みとれる場合を良、感圧発色が若干薄いがカラー画
像のない部分で感圧発色していることが確認できる場合
を並、感圧発色が殆ど確認できない場合を劣、全く確認
できない場合を不可で判定した。また、実施例8〜10
と実施例16〜17、比較例6〜8と比較例11〜12
で得られた偽造防止性記録シートおよび偽造防止用紙に
ついては、既に画像が形成されているため、特にカラー
画像を設けることなくインクリボンを装着しないドット
インパクトプリンターを用いて印字を行った。評価の基
準は同様である。
【0091】<熱可塑性樹脂層との接着性>前述の<偽
造防止性>の試験でドットインパクトプリンターで印字
した際に、熱可塑性樹脂層と被覆用紙(或いは支持体)
の層間での剥離(浮き)の有無を判定し、無い場合を
○、有る場合を×とした。
【0092】<高度の耐擦性>実施例1〜10および比
較例1〜8で得られた記録シートの被覆用紙側を、サザ
ーランド式ラブテスターを用い、4kg重の荷重をかけ
て1000往復擦り、擦れによる発色汚れの程度を次の
基準に従って判定した。 優:発色汚れが全く認められない 良:僅かに発色しているが発色が殆ど判らず実用上全く
問題ない 並:発色していることが判る 不可:発色汚れが明白で実用的でない また、実施例11〜17および比較例9〜12で得られ
た偽造防止用紙については、実用的な使用状況を鑑み、
折り畳んだ外側(支持体側)から同様に擦った後、被覆
用紙側の擦れによる発色汚れを判定した。
【0093】<耐衝撃性>実施例および比較例で得られ
た偽造防止性記録シートおよび偽造防止用紙の被覆用紙
側について、上方から鋼球を自由落下させ、記録シート
に、衝撃による発色汚れが認められた落下開始高さを測
定した。落下開始高さは高いほど耐衝撃性が良好であ
り、落下開始高さが100mm以上の場合を優、70m
m以上100mm未満の場合を良、40mm以上70m
m未満の場合を並、40mm未満の場合を劣、として判
定した。
【0094】<折り適性>実施例11〜17および比較
例9〜12で得られた偽造防止用紙を、折り線部で折り
畳んでから室内に30分放置した後、次の基準に従って
判定した。 良:熱可塑性樹脂層からの被覆用紙の浮きや剥がれが認
められず、且つ折りの角度が15度以内に収まっている
場合。 可:熱可塑性樹脂層からの被覆用紙の浮きや剥がれが認
められず、且つ折りの角度が15度〜30度に収まって
いる場合。 不可:熱可塑性樹脂層からの被覆用紙の浮きや剥がれが
認められた場合、又は折りの角度が30度を越えた場
合。
【0095】
【表1】
【0096】
【表2】
【0097】評価:実施例1〜17で得られた偽造防止
性記録シート並びに偽造防止用紙は、熱可塑性樹脂層の
厚みが12μm以上であり、チルドロールにて30kg
/cmの線圧を加えた際の感圧発色光学濃度がマクベス
反射濃度で0.15〜0.25の範囲にあり、良好な偽
造防止性、熱可塑性樹脂層との接着性、高度の耐擦性、
耐衝撃性を併せ持つ。従って、感圧発色性の利用によ
り、真贋判定を容易に行うことが可能である。又、取り
扱い時に無用に発色する危険性がかなり小さいため、偽
造防止性記録シートとして取り扱いやすい。
【0098】これに対し、比較例1は自己発色性感圧記
録層を持たないため、偽造防止性を有さない。又、比較
例2は通常の自己発色性感圧記録紙そのものであるた
め、耐擦性、耐衝撃性に劣る。比較例3は通常の自己発
色性感圧記録紙の感圧記録面に熱可塑性樹脂のコーティ
ング層を設けたものであるが、高度な耐擦性や耐衝撃性
は不十分であった。
【0099】比較例4は、感圧発色光学濃度が0.15
を下回っており、感圧発色の視認性に欠けるため、偽造
防止性が劣るものであった。比較例5は熱可塑性樹脂層
の厚みが12μmを下回っており、熱可塑性樹脂層と被
覆用紙との接着性に劣るため、実用性の低いものであっ
た。
【0100】実施例8〜10及び実施例16〜17で得
られた偽造防止性記録シート並びに偽造防止用紙は、被
覆用紙側に画像を形成してなるシートであり、チルドロ
ールにて30kg/cmの線圧を加えて感圧発色させる
前後の画像部の光学濃度比(加圧発色前のマクベス反射
濃度/加圧発色後のマクベス反射濃度)の値が0.40
〜0.80の範囲にあり、地紋印刷等の画像をシート全
面に設けた場合でも感圧発色を十分に視認できるもので
あった。
【0101】これに対し比較例6〜7は光学濃度比が
0.80を越えており、感圧発色が画像に紛れて視認性
に劣るものであった。また、比較例8は光学濃度比が
0.40を下回っており、耐擦性や耐衝撃性に劣るもの
であった。
【0102】実施例11〜17で得られた偽造防止用紙
は、偽造防止性、熱可塑性樹脂層との接着性、耐衝撃性
は実施例1〜10の偽造防止性記録シートと同様に優れ
ていた。また、耐擦性においては、折り畳み時に被覆用
紙側が内側となって保護する形となるため、さらに向上
する傾向を示した。また熱可塑性樹脂層の厚みが12〜
40μmの範囲にあり、折り加工を施した際にも、折り
適性は問題なかった。
【0103】これに対し比較例9、11は、熱可塑性樹
脂層が薄いシートをベースにしているため、熱可塑性樹
脂層と被覆用紙との接着性に劣り、折り加工時にも被覆
用紙の熱可塑性樹脂層からの剥離が認められた。また比
較例10、12は、熱可塑性樹脂層の厚みが厚過ぎるた
め、折り適性に欠けるものであった。
【0104】また全ての実施例、比較例において、被覆
用紙の不透明度は70%〜85%の範囲にあることが好
ましく、実施例7、10のように70%を下回る場合
は、使用可能なレベルとはいえ耐擦性が他の実施例より
は耐擦性が見劣りするものであった。これは比較例同士
の比較でも同様であり、比較例7、8のように不透明度
が70%を下回る場合は、耐擦性にのみ着目すれば、他
の比較例より劣るものであった。比較例4、8のように
不透明度が85%を越える場合は、感圧発色光学濃度の
低さをもたらす結果、感圧発色の視認性(偽造防止性)
に欠けるものであった。
【0105】
【発明の効果】本発明の偽造防止性記録シートは、支持
体の片面に、厚みが12μm以上の熱可塑性樹脂層、
自己発色性感圧記録層、被覆用紙、を順次積層して
なり、チルドロールにて30kg/cmの線圧を加えた
際の感圧発色光学濃度がマクベス反射濃度で0.15〜
0.25の範囲にあることを特徴とする偽造防止性記録
シートであり、または、支持体の片面に、厚みが12
μm以上の熱可塑性樹脂層、自己発色性感圧記録層、
被覆用紙、を順次積層し、さらに被覆用紙側に画像を
形成してなるシートであり、チルドロールにて30kg
/cmの線圧を加えて感圧発色させる前後の画像部の光
学濃度比(加圧発色前のマクベス反射濃度/加圧発色後
のマクベス反射濃度)の値が0.40〜0.80の範囲
にあることを特徴とする偽造防止性記録シートであり、
感圧発色性を利用しての偽造防止性と高度な耐擦性、耐
衝撃性を併せ持つ。また、本発明の偽造防止用紙は、折
り畳んだ形状を有することで耐擦性がより有利となるば
かりか、広い情報記載面積を確保することが可能であ
る。本発明の偽造防止性記録シートおよび偽造防止用紙
に加圧して、自己発色性感圧記録層を発色させることが
でき、その発色は被覆用紙を通して確認することが可能
であるため、容易に真贋判定できるとともに、従来より
耐擦性が著しく向上して高度な耐擦性を有するため、中
・長期にわたって持ち運んだりする過酷な使用にも耐え
得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の偽造防止性記録シートの断面図。
【図2】本発明の1回折り畳んだ形状の偽造防止用紙の
側面図。
【符号の説明】
1 支持体 2 熱可塑性樹脂層 3 自己発色性感圧記録層 4 被覆用紙 5 偽造防止性記録シート 6 偽造防止性記録シートの支持体側 7 偽造防止性記録シートの被覆用紙側 8 折り線部 9 偽造防止用紙

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片面に、厚みが12μm以上
    の熱可塑性樹脂層、自己発色性感圧記録層、被覆用
    紙、を順次積層してなり、チルドロールにて30kg/
    cmの線圧を加えた際の感圧発色光学濃度がマクベス反
    射濃度で0.15〜0.25の範囲にあることを特徴と
    する偽造防止性記録シート。
  2. 【請求項2】 支持体の片面に、厚みが12μm以上
    の熱可塑性樹脂層、自己発色性感圧記録層、被覆用
    紙、を順次積層し、さらに被覆用紙側に画像を形成して
    なるシートであり、チルドロールにて30kg/cmの
    線圧を加えて感圧発色させる前後の画像部の光学濃度比
    (加圧発色前のマクベス反射濃度/加圧発色後のマクベ
    ス反射濃度)の値が0.40〜0.80の範囲にあるこ
    とを特徴とする偽造防止性記録シート。
  3. 【請求項3】 該被覆用紙の不透明度が70〜85%の
    範囲にあることを特徴とする請求項1又は2記載の偽造
    防止性記録シート。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂層の厚みが12〜40μm
    の範囲にある請求項1〜3のいずれか1項記載の偽造防
    止性記録シートを1回以上折り畳んでなる偽造防止用
    紙。
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