JPH0819081B2 - ベンゾイルウレア系化合物、それらを含有する有害動物防除剤及びそれらの製造方法 - Google Patents

ベンゾイルウレア系化合物、それらを含有する有害動物防除剤及びそれらの製造方法

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JPH0819081B2
JPH0819081B2 JP62244162A JP24416287A JPH0819081B2 JP H0819081 B2 JPH0819081 B2 JP H0819081B2 JP 62244162 A JP62244162 A JP 62244162A JP 24416287 A JP24416287 A JP 24416287A JP H0819081 B2 JPH0819081 B2 JP H0819081B2
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忠昭 土岐
徹 小柳
康弘 藤井
潔充 吉田
今井  修
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、新規なベンゾイルウレア系化合物、それら
を含有する有害動物防除剤及びそれらの製造方法に関す
る。
(先行技術) ベンゾイルウレア系化合物は例えば特開昭46−6550、
同53−56670、同54−125677及び同56−39069、米国特許
第4,005,223号などによって殺虫剤として有効であるこ
とは知られている。また前記ベンゾイルウレア系化合物
の尿素部分の芳香環に結合する窒素原子がアルキル基で
置換された化合物は特開昭46−6550、米国特許第4,607,
044号及び同第4,659,736号、特開昭59−184151及び同62
−106069並びに特表昭62−501418の各明細書、J.Agr.Fo
od chem.vo1.21,No.3,348−354(1973)などにより公知
であり、更に前記窒素原子がアルキル基で置換され、か
つ前記芳香環が置換基として芳香環を含む特定のベンゾ
イルウレア系化合物も前記各明細書に於いて一般式で広
く化合物を示すことにより概念的には公知であるが、こ
の特定のベンゾイルウレア系化合物は具体的には開示さ
れていない。
(本発明の開示) 本発明は、前記特定のベンゾイルウレア系化合物の
中、尿素部分の芳香環に結合する窒素原子がメチル基で
置換され、ベンゾイル基に結合する他の窒素原子が水素
原子を有し、かつ前記芳香環が置換基として芳香環を含
むものが、窒素原子がメチル基で置換されず水素原子を
有するものに比し、同程度乃至より優れた殺虫活性を示
し、有益な水棲甲穀類に対し安全性が高く、土壌中で速
かに分解されることの知見に基づく。
本発明は下記一般式(I)で表わされることを特徴と
するベンゾイルウレア系化合物又はその塩: {式中X1及びX2は水素原子、ハロゲン原子又はメチル基
であり(但しX1及びX2が共に水素原子でない)、Yは互
いに独立して水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で
置換されていてもよいアルキル基、−CO2R1基又は−OR1
基(R1は互いに独立して水素原子、カチオン又はアルキ
ル基である)であり、A1は=N−又は (Yは前述の通り)であり、Wは酸素原子、硫黄原子又
(R1は前述の通り)であり、kは1〜3の整数であり、
lは0又は1であり、Arは 〔Zは互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、ハロゲ
ン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原
子で置換されていてもよいアルコキシ基、ニトロ基、シ
アノ基又は−S(O)nR2(R2はハロゲン原子で置換されて
いてもよいアルキル基であり、nは0、1又は2であ
る)であり、A2は−S−、 又は (Zは前述の通り)であり、mは1〜3の整数であ
る〕}、それらを含有する有害動物防除剤、それらの製
造方法並びにそれらの製造用中間体に関する。
前記一般式(I)に関連し、ハロゲン原子で置換され
たアルキル基並びにハロゲン原子で置換されたアルコキ
シ基を構成するアルキル部分としてはまたアルキル基そ
のものとしてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−
ブチル基などの炭素数1〜6、望ましくはメチル基又は
エチル基、より望ましくはメチル基である。ハロゲン原
子で置換されたアルキル基並びにハロゲン原子で置換さ
れたアルコキシ基に含まれるハロゲン原子としては又ハ
ロゲン原子そのものとしては弗素原子、塩素原子、臭素
原子及び沃素原子であり、望ましくは弗素原子、塩素原
子及び臭素原子である。ハロゲン原子で置換されたアル
キル基及びハロゲン原子で置換されたアルコキシ基とし
ては1ケ又は2ケ以上のハロゲン原子を含み、またそれ
らが2ケ以上のハロゲン原子を含む場合ハロゲン原子は
同種又は異種のいずれであってもよい。
又前記ベンゾイルウレア系化合物の塩としては、尿素
部分の窒素原子に係るものであって、例えばアルカリ金
属原子との塩が挙げられる。
前記一般式(I)中望ましい化合物は以下の通り。
(1)(W)lが、尿素部分の結合位置に対しm又はp位、
より望ましくはp位に導入され、かつA2に隣接する位置
に導入されることにより両方の芳香環を接続する。
(2)X1及びX2が水素原子又はハロゲン原子であり、但
し少なくとも一方はハロゲン原子であり、Yが互いに独
立して水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換さ
れていてもよいアルキル基又はCO2R1基であり、A1であり、Zが互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、
トリフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリフ
ルオロメトキシ基又は−S(O)nCF3であり、A2又は である。
(3)N−〔3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−
トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェニル〕
−N′−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−N−メチル
ウレア、N−〔4−(3−クロロ−5−トリフルオロメ
チル−2−ピリジルオキシ)−2,3−ジフルオロフェニ
ル〕−N′−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−N−メ
チルウレア、N−〔3−クロロ−4−(3−クロロ−5
−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェニ
ル〕−N′−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−N−メ
チルウレア、N−〔4−(3−クロロ−5−トリフルオ
ロメチル−2−ピリジルオキシ)−2,5−ジメチルフェ
ニル〕−N′−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−N−
メチルウレア、N−〔3−クロロ−4−(3−クロロ−
5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)−2−
フルオロフェニル〕−N′−(2,6−ジフルオロベンゾ
イル)−N−メチルウレア、N−〔4−(3−クロロ−
5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェニ
ル〕−N′−(2−クロロベンゾイル−N−メチルウレ
ア、N−〔4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチル
フェノキシ)−2,3−ジフルオロフェニル〕−N′−
(2,6−ジフルオロベンゾイル)−N−メチルウレア、
N−〔3−クロロ−4−(2−クロロ−4−トリフルオ
ロメチルフェノキシ)フェニル〕−N′−(2,6−ジフ
ルオロベンゾイル)−N−メチルウレア、N−〔3−ク
ロロ−4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェ
ノキシ)−2−フルオロフェニル〕−N′−(2,6−ジ
フルオロベンゾイル)−N−メチルウレア、N−〔4−
(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)フ
ェニル〕−N′−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−N
−メチルウレア、N−〔3−クロロ−4−(2−クロロ
−4−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル〕−
N′−(2−クロロベンゾイル)−N−メチルウレア、
N−〔4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2
−ピリジルオキシ)−2−メチルフェニル〕−N′−
(2,6−ジフルオロベンゾイル)−N−メチルウレア、
N−{4−〔クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピ
リジルオキシ〕−3−フルオロフェニル}−N′−(2,
6−ジフルオロベンゾイル)−N−メチルウレア、N−
{4−〔2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノキ
シ〕−3−フルオロフェニル}−N′−(2,6−ジフル
オロベンゾイル)−N−メチルウレア、N−{4−〔2
−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−3,5
−ジフルオロフェニル}−N′−(2,6−ジフルオロベ
ンゾイル)−N−メチルウレア、N−{4−〔2−クロ
ロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ〕−3−メチル
フェニル}−N′−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−
N−メチルウレア、N−{4−〔3−クロロ−5−トリ
フルオロメチル−2−ピリジルオキシ〕−3−メチルフ
ェニル}−N′−(2−クロロベンゾイル)−N−メチ
ルウレア、N−(4′−クロロ−2−フルオロ−4−ビ
フェニリル)−N′−(2,6−ジフルオロベンゾイル)
−N−メチルウレア、N−(4′−ブロモ−4−ビフェ
ニリル)−N′−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−N
−メチルウレア、N−(2,5−ジフルオロ−4′−クロ
ロ−4−ビフェニリル)−N′−(2,6−ジフルオロベ
ンゾイル)−N−メチルウレア、N−(2−トリフルオ
ロメチル−4′−クロロ−4−ビフェニリル)−N′−
(2,6−ジフルオロベンゾイル)−N−メチルウレア及
びN−(2,5−ジフルオロ−3′−トリフルオロメチル
チオ−4−ビフェニリル)−N′−(2,6−ジフルオロ
ベンゾイル)−N−メチルウレア。
前記一般式(I)で表わされる本発明のベンゾイルウ
レア系化合物は、例えば次のような方法で製造すること
ができる。
(式中、X1,X2,Y,k,A1,W,l及びArは前述の通りであ
る) 前記反応は、必要に応じて溶媒の存在下で行なわれ
る。溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ク
ロロベンゼンなどの芳香族炭素水素類:ヘキサン、シク
ロヘキサンなどの環状又は非環状脂肪族炭化水素類:ジ
エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなど
のエーテル類:アセトニトリル、プロピオニトリルなど
のニトリル類:ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド、スルホラン、ヘキサメチル燐酸トリアミドなど
の非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。
前記一般式(III)で表わされる原料化合物は例えば
次のような方法で製造することができる。
(式中Y,k,A1,W,l及びArは前述の通りである) 前記一般式(III)で表わされる化合物中、lが1で
表わされる化合物は例えば次のような方法によっても製
造することができる。
(式中、Halはハロゲン原子であり、Y,k,A1,W,l及びAr
は前述の通りである)。
原料化合物(III)及び(III′)の製造法における各
反応の反応温度、反応時間、必要に応じて使用される溶
媒、塩基などの反応条件は、この種反応で通常使用され
る反応条件から適宜選択することができる。
なお、前記工程〔A〕工程の原料である は下記の方法によって製造することができる。
(式中Y,k,A1,W,及びArは前述の通りである) 本発明化合物の具体的な中間体の合成例を下記する。
中間体合成例1. 4′−ブロモ−4−メチルアミノビフェニルの合成 〔I〕 4−アミノ−4′−ブロモビフェニル0.75gを
ピリジン10mlに溶解した溶液を氷冷し、これに塩化アセ
チル1.0gを滴下し30分間に亘り攪拌を続けた。
反応終了後、反応液を酢酸エチルと水とで抽出し、有
機層を希塩酸で洗浄し、さらに飽和食塩水で洗浄した。
次いで無水硫酸ナトリウム上で乾燥を行ない、溶媒を減
圧留去し、無色結晶として、N−(4′−ブロモ−4−
ビフェニリル)アセトアミド0.80gを得た。
〔II〕 水素化ナトリウム(60%ヌジョール混合物)0.
17gを懸濁させたジメチルスルホキシド溶液10mlに前記
工程〔I〕で得られたN−(4′−ブロモ−4−ビフェ
ニリル)アセトアミド0.80gをジメチルホルムアミド10m
lに溶解した溶液を、15〜20℃で滴下した。滴下後室温
で30分間攪拌した後、ヨウ化メチル0.78gを15〜20℃で
滴下し、さらに3時間室温で攪拌を続けた。
反応終了後、反応液を酢酸エチルと水とで抽出し、さ
らに有機層を飽和食塩水で洗浄した。次いで無水硫酸ナ
トリウム上で乾燥を行ない、溶媒を減圧留去し、無色結
晶として、N−(4′−ブロモ−4−ビフェニリル)−
N−メチルアセトアミド0.76gを得た。
〔III〕 前記工程〔II〕で得られたN−(4′−ブロ
モ−4−ビフェニリル)−N−メチルアセトアミド0.74
gをメタノール20mlに溶解した溶液に濃塩酸10mlを加
え、18時間に亘り還流させた。
反応終了後、反応液を冷却し、10%水酸化カリウム水
溶液100ml中に投入し、次いで塩化メチレンで抽出を行
なった。有機層を水洗し、さらに飽和食塩水で洗浄した
後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。乾燥後溶媒を減
圧留去し、ヘキサンと酢酸エチルとの4:1の混合溶媒を
用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶
媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製を行ない、
融点127〜129℃の4′−ブロモ−4−メチルアミノビフ
ェニル0.30gを得た。
中間体合成例2. 4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピ
リジルオキシ)−3−フルオロ(N−メチル)アニリン
の合成 4−アミノ−2−フルオロアニソールを用い、前記中
間体合成例1の工程〔I〕,〔II〕及び〔III〕と同様
の方法で得た4−(N−メチル)アミノ−2−フルオロ
フェノール0.8g、2,3−ジクロロ−5−トリフルオロメ
チルピリジン1.2g及び0.9gの無水炭酸カリウムを20mlの
ジメチルスルホキシドに溶解した後、窒素気流中、100
℃で1.5時間反応させた。
反応終了後、反応溶液を氷水中へ注水した後、エーテ
ルを加えて抽出を行ない、有機層を水及び食塩水で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。次いでエーテルを
減圧下留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー
(展開溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=3:2)で精製す
ることにより、0.5gの4−(3−クロロ−5−トリフル
オロメチル−2−ピリジルオキシ)−3−フルオロ(N
−メチル)アニリンを0.5g得た。
中間体合成例3. 4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノキ
シ)−3−フルオロ(N−メチル)アニリンの合成 〔I〕 10gの4−ニトロ−2−フェニルアニソールを1
50mlの1,4−ジオキサンに溶解した溶液に、5%パラジ
ウム炭素2gを加えた後、4kg/cm2の水素ガス圧力で、接
触還元反応を30分間室温で行なった。反応終了後、パラ
ジウム炭素を濾別し、溶媒を減圧下留去することにより
8.6gの4−アミノ−2−フルオロアニソールを得た。
〔II〕 前記工程〔I〕で得られた8.5gの4−アミノ−
2−フルオロアニソールと100mlの臭化水素酸(47%)
を混合した後、90℃で8時間加熱攪拌した。
反応終了後、過剰の臭化水素酸を減圧留去して得た残
渣に、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和した後、
酢酸エチルを加えて抽出を行なった。有機層を飽和食塩
水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、酢酸エチル
を減圧下で留去することにより、7.3gの4−アミノ−2
−フルオロフェノールを得た。
〔III〕 前記工程〔II〕で得られた7.3gの4−アミノ
−2−フルオロフェノールを100mlのヘキサメチルリン
酸トリアミドに溶解した溶液に、2.8gの水素ナトリウム
(60%ヌジョール混合物)を氷冷下に徐々に加えた。加
え終った後、液温を室温に戻して、さらに20分間攪拌を
続けた。次にこの溶液に、13.6gの3,4−ジクロルベンゾ
トリフルオライドを加えた後、溶液を70℃に加熱して40
分間反応させた。
反応終了後、反応混合物を氷水中へ投入し、酢酸エチ
ルを加えて抽出を行ない、有機層を水及び飽和食塩水で
洗浄した後無水硫酸ナトリウムで乾燥した。次いで、酢
酸エチルを減圧下留去して得た残渣を、シリカゲルクロ
マトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン:酢酸エチル=
3:1)で精製することにより、融点50〜51℃の4−(2
−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−3−
フルオロアニリン10.4gを得た。
〔IV〕 前記工程〔III〕で得られた4−(2−クロロ
−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−3−フルオロ
アニリンを用い、前記中間体合成例1の工程〔I〕、
〔II〕及び〔III〕と同様の方法で屈折率nD 27.6=1.542
4の4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノ
キシ)−3−フルオロ(N−メチル)アニリンを得た。
前記中間体合成例と同様の方法で合成される前記一般
式(III)で表わされる化合物につき、その代用例を第
1表に掲載する。
次に本発明化合物の具体的合成例を記載する。
合成例No.1. N−(4′−ブロモ−4−ビフェニリル)−N′−
(2,6−ジフルオロベンゾイル)−N−メチルウレア
(化合物No.29)の合成。
4′−ブロモ−4−メチルアミノビフェニル0.20gを
ジオキサン5mlに溶解した溶液に、2,6−ジフルオロベン
ゾイルイソシアナート0.27gをジオキサン5mlに溶解した
溶液を室温下で加え、室温下で15時間攪拌を行なった。
反応終了後、反応溶液を水100ml中に注ぎ、析出した
結晶を濾取し、これを減圧下で乾燥した。得られた個体
を再びエーテル50mlに懸濁させ、不溶物を濾取した後、
融点183〜185℃の結晶として、N−(4′−ブロモ−4
−ビフェニリル)−N′−(2,6−ジフルオロベンゾイ
ル)−N−メチルウレア0.26gを得た。
合成例No.2〜No.9 前記合成例1と同様の方法を行ない、第2表の結果を
得た。
本発明の代表的化合物の例を第3表に挙げる。
本発明化合物は、後記試験例にみる通り、有害動物防
除剤特に殺虫剤、殺ダニ剤及び有肺腹足類軟体動物防除
剤の有効成分として優れた活性を示す。例えばナミハダ
ニ、ニセナミハダニ、ミカンハダニ、ネダニなどの植物
寄生性ダニ類、コナガ、ヨトウムシ、ハスモンヨトウ、
コドリンガ、ボールワーム(ball worm)、タバコバッ
ドワーム(tabacco budworm)、マイマイガ、コロラド
ハムシ、ボールウィービル(ball weevil)、ウリハム
シ、アザミウマ類、バッタ類、ハナバエ類、コガネム
シ、タマナヤガ、カブラヤガなどの農業害虫類、ゴキブ
リ類、イエバエ、アカイエカなどの衛生害虫類、コク
ガ、バクガ、チャイロコメノゴミムシダマシ、コクヌス
トモドキなどの貯穀害虫類、イガ、ヒメカツオブシム
シ、シロアリ類などの衣類・家庭害虫類、その他家畜な
どに寄生するハエ類などに対しても有効である。更にジ
コホル及び有機リン剤抵抗性のハダニ類や有機リン剤や
ピレスロイド剤抵抗性のコナガやイエバエなどの薬剤抵
抗性の種々の害虫類に対しても有効である。また、更
に、ナメクジ、マイマイなどの有肺腹足類軟体動物に対
しても有効である。本発明化合物は、特にハダニ類、昆
虫類の幼虫に対して卓効を示すが、成虫が本発明化合物
を摂取した場合に産卵不能にしたり、産卵できたとして
も産下卵のふかを阻止する効果を有するので、長時間に
わたり高い防除効果を発揮する。また本発明化合物は主
に食毒として作用する為、有用植物を食蝕しない益虫を
含む有益な生物に対し、高い安全性を示す。また、本発
明化合物は土壌中で適度に分解し易く、水棲有益生物に
対して安全であるなど、有害動物防除剤として良好な性
質を有する。
このものを有害動物防除剤の有効成分として使用する
に際しては、従来の農薬の製剤の場合と同様に農薬補助
剤と共に乳剤、粉剤、水和剤、液剤、粒剤、ベースト
剤、微量散布剤、、フロアブル剤、エアロゾル剤などの
種々の形態に製剤することが出来る。これらの配合割合
は、通常有効成分0.5〜90重量部で農薬補助剤10〜99.5
重量部である。これらの製剤の実際の使用に際しては、
そのまま使用するか、また水のような希釈剤で所定濃度
に希釈して使用することができる。
ここにいう農薬補助剤としては、担体、乳化剤、懸濁
剤、分散剤、展着剤、浸透剤、湿潤剤、増粘剤、安定剤
などが挙げられ、必要により適宜添加すればよい。担体
としては、個体担体と液体担体に分けられ、個体担体と
しては、澱粉、活性炭、大豆粉、小麦粉、木粉、魚粉、
粉乳などの動植物性粉末、タルク、カオリン、ベントナ
イト、炭酸カルシウム、ゼオライト、珪藻土、ホワイト
カーボン、クレー、アルミナ、硫黄粉末などの鉱物性粉
末などが挙げられ、液体担体としては、水、メチルアル
コール、エチレングリコールなどのアルコール類、アセ
トン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジオキサ
ン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ケロシンな
どの脂肪族炭化水素類、キシレン、トリメチルベンゼ
ン、テトラメチルベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘ
キサン、ソルベントナフサなどの芳香族炭化水素類、ク
ロロホルム、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素
類、ジメチルホルムアミドなどの酸アミド類、酢酸エチ
ルエステル、脂肪酸のグリセリンエステルなどのエステ
ル類、アセトニトリルなどのニトリルなどのニトリル
類、ジメチルスルホキシドなどの含硫化合物類などが挙
げられる。
また、必要に応じて他の農薬、例えば殺虫剤、殺ダニ
剤、殺線虫剤、殺菌剤、抗ウィルス剤、誘引剤、除草
剤、植物生長調整剤などと混用、併用することができ、
この場合に一層優れた効果を示すこともある。
例えば、殺虫剤、殺ダニ剤、或いは殺線虫剤として
は、O−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)O−エチ
ル S−プロピル ホスホロチオエート、2,2−ジクロ
ロビニルジメチル ホスフェート、エチル 3−メチル
−4−(メチルチオ)フェニル イソプロピルホスホロ
アミデート、0,0−ジメチル O−4−ニトロ−m−ト
リル ホスホロチオエート、O−エチル O−4−ニト
ロフェニル フェニルホスホノチオエート、0,0−ジエ
チル O−2−イソプロピル−6−メチルピリミジン−
4−イル ホスホロチオエート、0,0−ジメチル O−
(3,5,6−トリクロロ−2−ピリジル)ホスホロチオエ
ート、0,S−ジメチル アセチルホスホロアミドチオエ
ート、O−(2,4−ジクロロフェニル) O−エチル
S−プロピル ホスホロジチオエートなどの有機リン酸
エステル系化合物;1−ナフチル メチルカーバーメー
ト、2−イソプロポキシフェニル メチルカーバーメー
ト、2−メチル−2−(メチルチオ)プロピオンアルデ
ヒド O−メチルカルバモイルオキシム、2,3−ジヒド
ロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イルメチルカー
バメート、ジメチル N,N′−〔チオビス〔(メチルイ
ミノ)カルボニルオキシ〕〕ビスエタンイミドチオエー
ト、S−メチルN−(メチルカルバモイルオキシ)チオ
アセトイミデート、N,N−ジメチル−2−メチルカルバ
モイルオキシイミノ−2−(メチルチオ)アセトアミ
ド、2−(エチルチオメチル)フェニル メチルカーバ
メート、2−ジメチルアミノ、5,6−ジメチルピリミジ
ン−4−イル ジメチルカーバメート、S,S′−ジメチ
ルアミノトリメチレン ビス(チオカーバメート)など
のカーバメート系化合物;2,2,2−トリクロロ−1,1−ビ
ス (4−クロロフェニル)エタノール、4−クロロフ
ェニル−2,4,5−トリクロロフェニル スルホンなどの
有機塩素系化合物;トリシクロヘキシルヂン ヒドロキ
シドのような有機金属系化合物;(RS)−α−シアノ−
3−フェノキシベンジル (RS)−2−(4−クロロフ
ェニル)−3−メチルブチレート、3−フェノキシベン
ジル (1RS)−シス,トランス−3−(2,2−ジクロロ
ビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレ
ート、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル
(1RS)−シス,トランス−3−(2,2−ジクロロビニ
ル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレー
ト、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1
R)−シス−3−(2,2−ジブロモビニル)−2,2−ジメ
チルシクロプロパンカルボキシレート、(RS)−α−シ
アノ−3−フェノキシベンジル(1RS)−シス,トラン
ス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペニ
ル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレー
ト、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−
3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペ
ン−1−イル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボ
キシレートなどのピレスロイド系化合物;1−(4−クロ
ロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウ
レア、1−〔3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−
トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェニル〕
−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア、1−
(3,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロフェニル)−3−
(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレアなどのベンゾイ
ルウレア系化合物;2−tert−ブチルイミノ−3−イソプ
ロピル−5−フェニル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−
1,3,5−チアジアジン−4−オン、トランス−(4−ク
ロロフェニル)−N−シクロヘキシル−4−メチル−2
−オキソチアゾリジノン−3−カルボキサミド、N−メ
チルビス(2,4−キシリルイミノメチル)アミン、N′
−(4−クロロ−o−トリル)−N,N−ジメチルホルム
アミジンなどの化合物;イソプロピル−(2E,4E)−11
メトキシ−3,7,11−トリメチル−2,4−ドデカジエノエ
ートのような幼若ホルモン様化合物;また、その他の化
合物として、ジニトロ系化合物、有機硫黄化合物、尿素
系化合物、トリアジン系化合物、ピリダジノン系化合物
などが挙げられる。更に、BT剤、昆虫病原ウィルス剤な
どのような微生物農薬などと、混合併用することもでき
る。
例えば、殺菌剤としては、S−ベンジル 0,0−ジイ
ソプロピル ホスホロチオエート、O−エチル S,S−
ジフェニル ホスホロジチオエート、アルミニウムエチ
ル ハイドロゲン ホスホネートなどの有機リン系化合
物;4,5,6,7−テトラクロロフタリド、テトラクロロイソ
フタロニトリルなどの有機塩素系化合物;マンガニーズ
エチレンビス(ジチオカーバメート)の重合物、ジンク
エチレンビス(ジチオカーバメート)の重合物、ジンク
とマンガニーズ エチレンビス(ジチオカーバメント)
との錯化合物、ジジンク ビス(ジメチルジチオカーバ
メート)−エチレンビス(ジチオカーバメート)、ジン
クプロピレンビス(ジチオカーバメート)の重合物など
のジチオカーバメート系化合物;3a,4,7,7a−テトラビド
ロ−N−(トリクロロメタンスルフェニル)フタルイミ
ド、3a,4,7,7a−テトラヒドロ−N−(1,1,2,2−テトラ
クロロエタンスルフェニル)フタルイミド、N−(トリ
クロロメチルスルフェニル)フタルイミドなどのN−ハ
ロゲノチオアルキル系化合物;3−(3,5−ジクロロフェ
ニル)N−イソプロピル−2,4−ジオキソイミダゾリジ
ン−1−カルボキサミド、(RS)−3−(3,5−ジクロ
ロフェニル)−5−メチル−5−ビニル−1,3−オキサ
ゾリジン−2,4−ジオン、N−(3,5−ジクロロフェニ
ル)−1,2−ジメチルシクロプロパン−1,2−ジカルボキ
シミドなどのジカルボキシミド系化合物;メチル 1−
(ブチルカルバモイル)ベンズイミダゾール−2−イル
カーバメート、ジメチル 4,4′−(o−フェニレ
ン)ビス(3−チオアロファネート)などのベンズイミ
ダゾール系化合物;1−(4−クロロフェノキシ)−3,3
−ジメチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イ
ル)ブタノン、1−(ビフェニル−4−イルオキシ)−
3,3−ジメチル1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イ
ル)ブタン−2−オール、1−〔N−(4−クロロ−2
−トリフルオロメチルフェニル)−2−プロポキシアセ
トイミドイル〕イミダゾール、1−〔2−(2,4−ジク
ロロフェニル)−4−エチル−1,3−ジオキソラン−2
−イルメチル〕1H−1,2,4−トリアゾール、1−〔2−
(2,4−ジクロロフェニル)−4−プロピル−1,3−ジオ
キソラン−2−イルメチル〕−1H−1,2,4−トリアゾー
ル、1−〔2−(2,4−ジクロロフェニル)ペンチル〕
−1H−1,2,4−トリアゾールなどのアゾール系化合物;
(±)−2,4′−ジクロロ−α−(ピリミジン−5−イ
ル)ベンズヒドリルアルコール、2,4′−ジフルオロ−
α−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ベ
ンズヒドリルアルコールなどのカルビノール系化合物;
3′−イソプロポキシ−o−トルアニリド、α,α、α
−トリフルオロ−3′−イソプロポキシ−o−トリルア
ニリドなどのベンズアニリド系化合物;メチルN−(2
−メトキシアセチル)−N−(2,6−キシリル)−DL−
アラニネートのようなアシルアラニン系化合物;3−クロ
ロ−N−(3−クロロ−2,6−ジニトロ−4−α,α,
α−トリフルオロトリル)−5−トリフルオロメチル−
2−ピリジナミンのようなピリジナミン系化合物;また
その他の化合物としてピペラジン系化合物、モルフォリ
ン系化合物、アントラキノン系化合物、キノキサリン系
化合物、クロトン酸系化合物、スルフェン酸系化合物、
尿素系化合物、抗生物質などが挙げられる。
本発明の有害動物防除剤は種々の害虫、有害なダニ類
及びその他有害動物の防除に有効であり、施用は一般に
1〜20,000ppm、望ましくは20〜2,000ppmの有効成分濃
度で行なう。これらの有効成分濃度は、製剤の形態及び
施用する方法、目的、時期、場所及び害虫の発生状況等
によって適当に変更できる。例えば、水性有害虫の場
合、上記濃度範囲の薬液を発生場所に散布しても防除で
きることから、水中での有効成分濃度範囲は上記以下で
ある。
単位面積当たりの施用は10a当たり、有効成分化合物
としては約0.1〜5,000g、好ましくは5〜1,000gに使用
される。しかし、特別の場合にはこれらの範囲を逸脱す
ることも可能である。
本発明の化合物を含有する種々の製剤、またはその希
釈物の施用は、通常一般に行なわれている施用方法、即
ち散布(例えば散布、噴霧、ミスティング、アトマイジ
ング、水面施用等)、土壌施用(混入、灌注等)、表面
施用(塗布、粉衣、被覆等)、浸漬毒餌等により行なう
ことができる。また、家畜に対して前記有効成分を飼料
に混合して与え、その排泄物で有害虫、特に有害昆虫の
発生生育を防除することも可能である。またいわゆる超
高濃度少量散布法(ultra low−volume)により施用す
ることもできる。この方法においては、活性成分を100
%含有することが可能である。
次に本発明化合物の試験例を記載する。
試験例1 ナミハダニ殺ダニ試験 有効成分化合物のそれぞれの製剤品を水に分散させ、
800ppm及び200ppmの濃度に調整し、インゲンマメの初生
葉1枚だけを残したものをカップ(直径7cm、高さ4cm)
に移植し、これにナミハダニの幼若虫約30頭を接種し
た。このものを、前記所定濃度の薬液に約10秒間浸漬
し、風乾後26℃の照明付恒温器内に放置した。処理後5
日目に生死を判定し、下記の計算式により死虫率を求
め、第4表の結果を得た。
試験例2 コナガ殺虫試験 有効成分化合物のそれぞれの製剤品を水に分散させ、
10ppmの濃度に調整した薬液に、キャベツの葉片を約10
秒間浸漬し、風乾した。直径9cmのペトリ皿に湿った濾
紙を敷き、その上に風乾した葉片を置いた。そこへ2〜
3令のコナガ幼虫を放ち、ふたをして26℃の照明付恒温
器内に放置した。放虫後7日目に生死を判定し、下記の
計算式により死虫率を求めた。
化合物Nos.1〜10、Nos.12〜36、No.39、No.41、Nos.4
3〜47、Nos.49〜57、Nos.62〜74、Nos.76〜77、Nos.80
〜86、Nos.108〜109、Nos.111〜115、No.125及びNo.126
はいずれも死虫率100%を示し、Nos.40及び75はいずれ
も死虫率90%を示した。
試験例3 ハスモンヨトウ試験 2〜3令のコナガを2〜3令のハスモンヨトウに代え
ること及び有効成分濃度10ppmを800ppm及び1ppmに代え
ること以外は、前記試験例2の場合と同様にして試験を
行ない死虫率を求めた。800ppmの濃度において、化合物
Nos.1〜86、Nos.108〜109、Nos.111〜115、No.125及びN
o.126はいずれも死虫率100%を示した。又1ppmの濃度に
おいて化合物Nos.1〜8、Nos.11〜27、No.29、Nos.31〜
36、Nos.39〜41、Nos.43〜47、Nos.49〜60、Nos.62〜6
3、Nos.65〜66、Nos.68〜72、No.74、Nos.76〜78、No.8
0、Nos.82〜86、Nos.108〜109、Nos.111〜113、No.115N
o.125及びNo.126はいずれも死虫率100%を示し、化合物
Nos.64及び75は、いずれも死虫率90%を示した。
試験例4 イエバエ幼虫試験 試験動物飼育用粉状飼料〔オリエンタル酵母(株)
製〕及びふすまを1:1の重量比で混合、粉砕したもの10g
をアイスクリームカップに入れ、有効成分化合物の製剤
品を水に分散させ、培地中有効成分濃度が10ppmになる
ように所定の濃度に調整した薬液10mlをカップ中に注
ぎ、よく混和した。その中に、イエバエ2令幼虫20頭を
放ち、26℃照明付恒温器内に放置した。処理後10日目に
羽化虫数を調査し、下記計算式により、死虫率を求め
た。
化合物Nos.1〜5、Nos.12〜13及びNo.24はいずれも死
虫率100%を示し、化合物No.6は死虫率90%を示した。
試験例5 チカイエカ幼虫試験 有効成分濃度が2.5ppbとなるように調整した薬液200m
lを広口ビンに入れた。この中にチカイエカ幼虫20頭を
放ち、26℃の恒温器中においた。幼虫には1日おきに1
〜2mgの粉末飼料を与え、処理9日後に死亡虫数を調査
し、試験例2の計算式により死虫率を求めた。それらの
試験結果の代表例を第5表に示す。
試験例6 イエバエ成虫処理により産下卵孵化阻止試験 直径5.5cmのペトリ皿の中に置いたスキムミルクと砂
糖を1:1の割合で混合したもの2gに、有効成分化合物の
アセトン溶液0.5mlを注ぎ、アセトン希散後、よく混和
し、有効成分濃度が100μg/gとなるようにした。飼育容
器内でイエバエの未交尾雌成虫20頭にこの毒餌を与え
た。3日後毒餌をとり出し、スキムミルク及び砂糖を餌
として与え、イエバエ未交尾雄成虫20頭を放ち交尾させ
た。更に3日後イエバエ幼虫飼育用飼料の入ったカップ
を飼育容器中に置き、7時間産卵させた。飼料中の産下
卵を集め、ペトリ皿に敷いた湿った濾紙上にならべ、1
日後に未孵化卵を調査し、下記計算式により孵化阻止率
を求めた。
化合物Nos.1及び5、Nos.12〜13並びにNos.15、20、2
4、29及び31はいずれも孵化阻止率100%を示し、化合物
No.3は、88%を示した。
試験例7 I.殺虫活性試験 前記試験例2及び3の場合と同様にして所定化合物の
ハスモンヨトウ及びコナガに対する殺虫試験を行ない、
各昆虫を90%以上死亡に致らしめる最低処理濃度(以下
C値と略す)を求めた。
II.オオミジンコ類の急性遊泳阻害試験 所定化合物のアセトン溶液を水に分散させ、薬液を調
整した。この薬液250mlを430ml容ガラス製ビーカーに入
れた。この中に生後24時間以内の初齢幼虫を1濃度区あ
たり10頭放し、水温23±1℃の条件下においた。放虫48
時間後までの遊泳阻害を、OECDテストガイドラインに従
って調査した。試験は、各濃度とも2連制試験を2〜3
回反復実施した。50%遊泳阻害濃度(EC50値,ppb)は、
プロビット法によって求めた。
III.土壌中での残留性試験 畑土壌(火山灰土壌)の生土を5mm目のふるいを通
し、乾土当り20gに相当する土壌を100ml容三角フラスコ
に入れ、水深1cmくらいの湛水状態になるように蒸留水
を加えた。アルミホイルでフラスコ上部をフタをして、
30℃の恒温恒湿槽(暗所)中で1週間静置してならし
た。
所定化合物を分散させた200ppmアセトン溶液0.5ml(1
00μg)を上記三角フラスコにピペットで添加した(5p
pm相当)。フラスコを密栓してよく振りまぜ、栓につい
た土壌は少量の水でフラスコ内に洗い込んだのち、三角
フラスコの上部をアルミホイルで覆い、人工気象室(30
℃、湿度60%、常時蛍光灯点灯、照度9000lx)中に保存
静置した。20日後、土壌20gの全量を分析に供し、化合
物の残存量を測定した。
上記試験I、II及びIIIの結果を第6表に示す。
次に本発明の製剤例を記載するが、本発明における化
合物、製剤量、剤型などは記載例のみに限定されるもの
ではない。
製剤例1 (イ)化合物No.18 20重量部 (ロ)カオリン 72重量部 (ハ)リグニンスルホン酸ソーダ 重量部 以上のものを均一に混合して水和剤とする。
製剤例2 (イ)化合物No.24 5重量部 (ロ)タルク 95重量部 以上のものを均一に混合して粉剤とする。
製剤例3 (イ)化合物No.3 20重量部 (ロ)N,N′−ジメチルホルムアミド 20重量部 (ハ)ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 10重量部 (ニ)キシレン 50重量部 以上のものを均一に混合、溶解して乳剤とする。
製剤例4 (イ)カオリン 78重量部 (ロ)リグニンスルホン酸ソーダ 2重量部 (ハ)ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェー
ト 5重量部 (ニ)微粉シリカ 15重量部 以上の各成分の混合物と、化合物No.31とを4:1の重量
割合で混合し、水和剤とする。
製剤例5 (イ)化合物No.46 40重量部 (ロ)オキシレーテッドポリアルキルフェノール フォスフェート−トリエタノールアミン 2重量部 (ハ)シリコーン 0.2重量部 (ニ)ザンサンガム 0.1重量部 (ホ)エチレングリコール 5重量部 (ヘ)水 52.7重量部 以上のものを均一に混合、粉砕してフロアブル剤とす
る。
製剤例6 (イ)化合物No.3 50重量部 (ロ)オキシレーテッドポリアルキルフェニル フォスフェート−トリエタノールアミン 2重量部 (ハ)シリコーン 0.2重量部 (ニ)水 47.8重量部 以上のものを均一に混合、粉砕した原液に更に (ホ)ポリカルボン酸ナトリウム 5重量部 (ヘ)無水硫酸ナトリウム 42.8重量部 を加え均一に混合、乾燥してドライフロアブル剤とす
る。
製剤例7 (イ)化合物No.49 5重量部 (ロ)グリセリン 20重量部 (ハ)粉乳 3重量部 (ニ)魚粉 72重量部 以上のものを均一に混練し、ペースト剤とする。
製剤例8 (イ)化合物No.57 5重量部 (ロ)フスマ 10重量部 (ハ)米ヌカ 80重量部 (ニ)糖蜜 5重量部 以上のものを均一に混合し、少量の水と共に混練し、
次いで粒状に押し出し成型し、乾燥して、粒剤とする。
製剤例9 (イ)化合物No.76 2.5重量部 (ロ)N−メチル−2−ピロリドン 2.5重量部 (ハ)大豆油 95.0重量部 以上のものを均一に混合、溶解して微粒散布剤(ultr
a low volume formulation)とする。
製剤例10 (イ)化合物No.29 5重量部 (ロ)N,N′−ジメチルホルムアミド 5重量部 (ハ)ポリオキシエチレンアルキル アリールエーテル 10重量部 (ニ)キシレン 80重量部 以上のものを均一に混合した乳剤とする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 潔充 滋賀県草津市西渋川2丁目3番1号 石原 産業株式会社中央研究所内 (72)発明者 今井 修 滋賀県草津市西渋川2丁目3番1号 石原 産業株式会社中央研究所内 審査官 今村 玲英子 (56)参考文献 特開 昭62−501418(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) {式中X1及びX2は水素原子、ハロゲン原子又はメチル基
    であり(但しX1及びX2が共に水素原子でない)、Yは互
    いに独立して水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で
    置換されていてもよいアルキル基、−CO2R1基又は−OR1
    基(R1は互いに独立して水素原子、カチオン又はアルキ
    ル基である)であり、A1は=N−又は (Yは前述の通り)であり、Wは酸素原子、硫黄原子又
    (R1は前述の通り)であり、kは1〜3の整数であり、
    lは0又は1であり、Arは 〔Zは互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、ハロゲ
    ン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原
    子で置換されていてもよいアルコキシ基、ニトロ基、シ
    アノ基又は−S(O)nR2(R2はハロゲン原子で置換されて
    いてもよいアルキル基であり、nは0、1又は2であ
    る)であり、A2は−S−、 又は (Zは前述の通り)であり、mは1〜3の整数であ
    る〕}で表わされることを特徴とするベンゾイルウレア
    系化合物又はその塩。
  2. 【請求項2】一般式(I) {式中X1及びX2は水素原子、ハロゲン原子又はメチル基
    であり(但しX1及びX2が共に水素原子でない)、Yは互
    いに独立して水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で
    置換されていてもよいアルキル基、−CO2R1基又は−OR1
    基(R1は互いに独立して水素原子、カチオン又はアルキ
    ル基である)であり、A1は=N−又は (Yは前述の通り)であり、Wは酸素原子、硫黄原子又
    (R1は前述の通り)であり、kは1〜3の整数であり、
    lは0又は1であり、Arは 〔Zは互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、ハロゲ
    ン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原
    子で置換されていてもよいアルコキシ基、ニトロ基、シ
    アノ基又は−S(O)nR2(R2はハロゲン原子で置換されて
    いてもよいアルキル基であり、nは0、1又は2であ
    る)であり、A2は−S−、 又は (Zは前述の通り)であり、mは1〜3の整数であ
    る〕}で表わされるベンゾイルウレア系化合物又はその
    塩の製造方法であって、 (式中A1,Y,W,k,l及びArは前述の通りである)で表わさ
    れるアニリン系化合物と、 (式中、X1及びX2は前述の通りである)で表わされるベ
    ンゾイルイソシアナート系化合物とを反応させることを
    特徴とするベンゾイルウレア系化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】一般式(I) {式中X1及びX2は水素原子、ハロゲン原子又はメチル基
    であり(但しX1及びX2が共に水素原子でない)、Yは互
    いに独立して水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で
    置換されていてもよいアルキル基、−CO2R1基又は−OR1
    基(R1は互いに独立して水素原子、カチオン又はアルキ
    ル基である)であり、A1は=N−又は (Yは前述の通り)であり、Wは酸素原子、硫黄原子又
    (R1は前述の通り)であり、kは1〜3の整数であり、
    lは0又は1であり、Arは 〔Zは互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、ハロゲ
    ン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原
    子で置換されていてもよいアルコキシ基、ニトロ基、シ
    アノ基又は−S(O)nR2(R2はハロゲン原子で置換されて
    いてもよいアルキル基であり、nは0、1又は2であ
    る)であり、A2は−S−、 又は (Zは前述の通り)であり、mは1〜3の整数であ
    る〕}で表わされるベンゾイルウレア系化合物又はその
    塩を有効成分として含有することを特徴とする有害動物
    防除剤。
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