JPH0819033B2 - メナジオンの製造方法 - Google Patents
メナジオンの製造方法Info
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- JPH0819033B2 JPH0819033B2 JP62246363A JP24636387A JPH0819033B2 JP H0819033 B2 JPH0819033 B2 JP H0819033B2 JP 62246363 A JP62246363 A JP 62246363A JP 24636387 A JP24636387 A JP 24636387A JP H0819033 B2 JPH0819033 B2 JP H0819033B2
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- reaction
- menadione
- catalyst
- solvent
- naphthol
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ビタミンK1,K2など医薬品の合成中間体と
して有用であり、かつそれ自体がビタミンK3として極め
て有用であるメナジオンの製造方法に関する。
して有用であり、かつそれ自体がビタミンK3として極め
て有用であるメナジオンの製造方法に関する。
〔発明の背景および従来技術〕 従来、メナジオンは2−メチルナフタレンをクロム酸
で酸化することによって合成されていた。しかし、近
年、6価クロム公害問題による生産停止、および公害対
策費、廃棄物処理費などによるコストアップの問題があ
るため、より安全で経済的なメナジオン合成の代替法開
発が望まれている。
で酸化することによって合成されていた。しかし、近
年、6価クロム公害問題による生産停止、および公害対
策費、廃棄物処理費などによるコストアップの問題があ
るため、より安全で経済的なメナジオン合成の代替法開
発が望まれている。
本発明者らは、前述した従来技術の欠点を解決すべ
く、より安全で経済的な方法について鋭意検討した。即
ち、具体的には、公害のもとになるクロム酸などによ
る化学酸化をさけ、空気又は酸素ガスによる接触酸化反
応を用いること、接触酸化に用いる触媒は公害予防と
コスト低減のために、高活性であって活性の劣化がな
く、触媒として反復使用が可能なこと、触媒は高価な
特殊試薬を用いず、一般試薬の組合わせによる高活性触
媒を選択すること、生成物が好収率、高純度で得られ
ることの4項目を満足する方法について研究を重ねて来
た。
く、より安全で経済的な方法について鋭意検討した。即
ち、具体的には、公害のもとになるクロム酸などによ
る化学酸化をさけ、空気又は酸素ガスによる接触酸化反
応を用いること、接触酸化に用いる触媒は公害予防と
コスト低減のために、高活性であって活性の劣化がな
く、触媒として反復使用が可能なこと、触媒は高価な
特殊試薬を用いず、一般試薬の組合わせによる高活性触
媒を選択すること、生成物が好収率、高純度で得られ
ることの4項目を満足する方法について研究を重ねて来
た。
その結果、本発明者らは、次の方法により所期の目的
を達することができることを見い出し、本発明を完成し
た。
を達することができることを見い出し、本発明を完成し
た。
即ち、本発明は、2−メチル−1−ナフトールを、触
媒として塩化第二銅及び塩化リチウムを用い、反応溶媒
として炭素数1〜4の低級脂肪族アルコールと芳香族炭
化水素よりなる適度なる親水性と親油性を併せ持つ混合
液を用いるか、炭素数5〜10の長鎖脂肪族アルコールを
単独または組合わせて用いて分子状酸素と接触させるこ
とにより酸化してメナジオンを得ることを特徴とするメ
ナジオンの製造方法に係るものである。
媒として塩化第二銅及び塩化リチウムを用い、反応溶媒
として炭素数1〜4の低級脂肪族アルコールと芳香族炭
化水素よりなる適度なる親水性と親油性を併せ持つ混合
液を用いるか、炭素数5〜10の長鎖脂肪族アルコールを
単独または組合わせて用いて分子状酸素と接触させるこ
とにより酸化してメナジオンを得ることを特徴とするメ
ナジオンの製造方法に係るものである。
更に詳しく述べれば、本発明は市販の安価な一般試薬
である塩化第二銅を触媒として、塩化リチウム存在下の
触媒水溶液中で、2−メチル−1−ナフトールを分子状
酸素またはそれを含有するガスと接触させることによっ
て酸化を行いメナジオンを製造する方法であって、触媒
水溶液に適度の親水性と親油性を併せもつ特性を有する
前述の反応溶媒を添加することにより、2−メチル−1
−ナフトールを円滑に酸化させることを特徴とするメナ
ジオンの製造法である。
である塩化第二銅を触媒として、塩化リチウム存在下の
触媒水溶液中で、2−メチル−1−ナフトールを分子状
酸素またはそれを含有するガスと接触させることによっ
て酸化を行いメナジオンを製造する方法であって、触媒
水溶液に適度の親水性と親油性を併せもつ特性を有する
前述の反応溶媒を添加することにより、2−メチル−1
−ナフトールを円滑に酸化させることを特徴とするメナ
ジオンの製造法である。
本発明において用いる触媒は、塩化第二銅と塩化リチ
ウムの両者の混合物であり、通常水溶液として用いる。
ウムの両者の混合物であり、通常水溶液として用いる。
塩化第二銅と塩化リチウムよりなる触媒混合物の組成
比は、塩化第二銅1モルに対する塩化リチウムの使用量
が多いほど、触媒効果は向上する傾向にあるが、通常1
〜5倍モル添加するなかから選ばれる。しかし、塩化第
二銅と塩化リチウムが同重量である4倍モル程度が特に
好ましい。
比は、塩化第二銅1モルに対する塩化リチウムの使用量
が多いほど、触媒効果は向上する傾向にあるが、通常1
〜5倍モル添加するなかから選ばれる。しかし、塩化第
二銅と塩化リチウムが同重量である4倍モル程度が特に
好ましい。
塩化第二銅と塩化リチウムよりなる触媒系の水溶液濃
度は酸化反応の効率面からすれば、その濃度が高いほど
良好な結果を与えるが、触媒の水への溶解度や攪拌効率
を考慮すると30〜50%が好ましく、特に好ましくは40%
程度である。
度は酸化反応の効率面からすれば、その濃度が高いほど
良好な結果を与えるが、触媒の水への溶解度や攪拌効率
を考慮すると30〜50%が好ましく、特に好ましくは40%
程度である。
酸化方法は、通常の方法によるが、代表的な方法につ
いて述べれば、分子状酸素としては、純酸素、酸素富化
空気、または空気などの分子状酸素を含有するガスを用
いる方法を挙げることができる。
いて述べれば、分子状酸素としては、純酸素、酸素富化
空気、または空気などの分子状酸素を含有するガスを用
いる方法を挙げることができる。
これらの酸素源ガスを反応液に通気するに際しては、
常圧下または加圧下に行うが、操作性、経済性の面から
常圧下における通気が有利である。
常圧下または加圧下に行うが、操作性、経済性の面から
常圧下における通気が有利である。
通気速度は反応容器の形態、攪拌効率、反応スケー
ル、反応温度、使用する酸素源ガスの種類および通気方
法など様々な反応条件によって異なるため、一概に数値
化できないが、2−メチル−1−ナフトールの酸化で消
費される酸素量を上まわる酸素の供給は必須であり、そ
の量は実験的に求め得る。
ル、反応温度、使用する酸素源ガスの種類および通気方
法など様々な反応条件によって異なるため、一概に数値
化できないが、2−メチル−1−ナフトールの酸化で消
費される酸素量を上まわる酸素の供給は必須であり、そ
の量は実験的に求め得る。
純酸素を用いる反応系においては、供給酸素量と排出
酸素量を継続的に測定して、常に供給量の5〜10%の排
出量が観察されるよう流速を調節することがメナジオン
の収率を高めるうえで、また、酸素使用量の経済性から
も好ましい。
酸素量を継続的に測定して、常に供給量の5〜10%の排
出量が観察されるよう流速を調節することがメナジオン
の収率を高めるうえで、また、酸素使用量の経済性から
も好ましい。
更に、ガス循環法を用い、消費された酸素を補給しつ
つ反応を行い、常に一定圧力下での効率的な酸化反応を
進行させることも可能である。
つ反応を行い、常に一定圧力下での効率的な酸化反応を
進行させることも可能である。
本発明の特徴は、2−メチル−1−ナフトールを、塩
化第二銅および塩化リチウムを触媒として酸化せしめ
て、メナジオンを製造する方法であって、溶媒としては
炭素数1〜4の低級脂肪族アルコールと芳香族炭化水素
の混合液、または炭素数5〜10の長鎖脂肪族アルコール
のなかから選ばれる。
化第二銅および塩化リチウムを触媒として酸化せしめ
て、メナジオンを製造する方法であって、溶媒としては
炭素数1〜4の低級脂肪族アルコールと芳香族炭化水素
の混合液、または炭素数5〜10の長鎖脂肪族アルコール
のなかから選ばれる。
以下に反応溶媒について詳述する。
(1) 炭素数1〜4の低級脂肪族アルコールと芳香族
炭化水素の混合液を反応溶媒として用いる場合 芳香族炭化水素は、例えばベンゼン、トルエン、キシ
レン、クロルベンゼンなど比較的低沸点で酸化に対して
安定であるものが好ましい。また炭素数1〜4の低級脂
肪族アルコールとは、例えばメタノール、エタノール、
n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、2−ブタノールなどをあげることができる。
炭化水素の混合液を反応溶媒として用いる場合 芳香族炭化水素は、例えばベンゼン、トルエン、キシ
レン、クロルベンゼンなど比較的低沸点で酸化に対して
安定であるものが好ましい。また炭素数1〜4の低級脂
肪族アルコールとは、例えばメタノール、エタノール、
n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、2−ブタノールなどをあげることができる。
本発明は、上記の芳香族炭化水素1種以上と、低級脂
肪族アルコール1種以上を組み合わせて混合液として用
いる。
肪族アルコール1種以上を組み合わせて混合液として用
いる。
その組成比は芳香族炭化水素と低級脂肪族アルコール
の組み合わせにより異なるため一概には決められない
が、芳香族炭化水素に対する低級脂肪族アルコールの容
量比が好ましくは0.2〜1であり、特に好ましくは0.25
〜0.5である。
の組み合わせにより異なるため一概には決められない
が、芳香族炭化水素に対する低級脂肪族アルコールの容
量比が好ましくは0.2〜1であり、特に好ましくは0.25
〜0.5である。
本発明の酸化反応を前記低級脂肪族アルコール溶媒中
で実施すると、重合体と憶しき副生成物の産生が多く、
メナジオンの高収率は得れなかった。また、後処理に際
しても、反応液を多量の水に注加して後に、有機溶媒で
抽出せねばならないという欠点を有し、更に触媒回収に
あたっては、希釈された水溶液中からの塩化第二銅と塩
化リチウム回収操作は事実上不可能であり、またその廃
棄は公害面からも極めて不都合であるなどの欠陥を有し
ていた。
で実施すると、重合体と憶しき副生成物の産生が多く、
メナジオンの高収率は得れなかった。また、後処理に際
しても、反応液を多量の水に注加して後に、有機溶媒で
抽出せねばならないという欠点を有し、更に触媒回収に
あたっては、希釈された水溶液中からの塩化第二銅と塩
化リチウム回収操作は事実上不可能であり、またその廃
棄は公害面からも極めて不都合であるなどの欠陥を有し
ていた。
一方、芳香族炭化水素溶媒中での酸化反応を実施した
ところ、下記の比較例に示す如く、2−メチル−1−ナ
フトール溶存の有機溶媒相と触媒混合物の水相はいかに
激しく攪拌しても、二層に分離したままの状態であるた
め、有機相−水相−気相の接触効率が極めて悪く、酸化
反応は進行せず、殆ど原料回収に終わった。
ところ、下記の比較例に示す如く、2−メチル−1−ナ
フトール溶存の有機溶媒相と触媒混合物の水相はいかに
激しく攪拌しても、二層に分離したままの状態であるた
め、有機相−水相−気相の接触効率が極めて悪く、酸化
反応は進行せず、殆ど原料回収に終わった。
ところが、芳香族炭化水素と低級脂肪族アルコールを
好ましい割合に調整した溶液においては、2−メチル−
1−ナフトールを溶解する有機相と触媒を含む水相は攪
拌時にほぼ懸濁状態になるまで細かく分散するため、2
−メチル−1−ナフトール、触媒および分子状酸素の接
触効率が飛躍的に向上し、酸化反応が円滑に進行し、極
めて好収率でメナジオンを生成する事が判った。この驚
くべき事実は、芳香族炭化水素のもつ親油性と低級脂肪
族アルコールがもつ親水性が、両者の好ましい比率によ
る混合溶液において発揮され、親水性と親油性を併せ持
つ反応溶媒として、有機相、水相および気相の接触効率
を高める事に到ったものと考えられる。
好ましい割合に調整した溶液においては、2−メチル−
1−ナフトールを溶解する有機相と触媒を含む水相は攪
拌時にほぼ懸濁状態になるまで細かく分散するため、2
−メチル−1−ナフトール、触媒および分子状酸素の接
触効率が飛躍的に向上し、酸化反応が円滑に進行し、極
めて好収率でメナジオンを生成する事が判った。この驚
くべき事実は、芳香族炭化水素のもつ親油性と低級脂肪
族アルコールがもつ親水性が、両者の好ましい比率によ
る混合溶液において発揮され、親水性と親油性を併せ持
つ反応溶媒として、有機相、水相および気相の接触効率
を高める事に到ったものと考えられる。
更に、有利なことに本溶媒系においては、反応終了時
に攪拌およびガスの導入を停止すると、反応液は速やか
に有機相と水相に完全分離する。従って、触媒相である
水層とメナジオンを溶解している有機相は容易に分離で
きるため、触媒水溶液の再使用ならびに、生成したメナ
ジオンを取り出す為の有機溶媒層の処理が極めて容易で
ある利点を有する。
に攪拌およびガスの導入を停止すると、反応液は速やか
に有機相と水相に完全分離する。従って、触媒相である
水層とメナジオンを溶解している有機相は容易に分離で
きるため、触媒水溶液の再使用ならびに、生成したメナ
ジオンを取り出す為の有機溶媒層の処理が極めて容易で
ある利点を有する。
(2) 長鎖脂肪族アルコールを反応溶媒として用いる
場合 炭素数5〜10の長鎖脂肪族アルコール類は水とは混和
せず、かつ適度な親水性と親油性を併せ有している。そ
のため、これら長鎖脂肪族アルコール類から選ばれる一
種類または二種類以上の混合液は前述の低級脂肪族アル
コールと芳香族炭化水素の混合液の場合と同様に、本酸
化反応の溶媒としてすぐれた効果を発揮する。
場合 炭素数5〜10の長鎖脂肪族アルコール類は水とは混和
せず、かつ適度な親水性と親油性を併せ有している。そ
のため、これら長鎖脂肪族アルコール類から選ばれる一
種類または二種類以上の混合液は前述の低級脂肪族アル
コールと芳香族炭化水素の混合液の場合と同様に、本酸
化反応の溶媒としてすぐれた効果を発揮する。
これまで述べてきた様に、本反応に用いる溶媒として
は、低級脂肪族アルコールと芳香族炭化水素(例えばn
−プロパノールとトルエン)の混液又は長鎖脂肪族アル
コール(例えばn−ヘキサノール,n−オクタノール)が
挙げられるが、前者の沸点(n−プロパノール:bp97〜9
8℃,トルエン:bp110.6℃)は後者(n−ヘキサノール:
bp157℃,n−オクタノール:bp195℃)に比べてかなり低
いため、反応後処理での減圧濃縮に際して有利であるた
め、前者の使用が好ましい。
は、低級脂肪族アルコールと芳香族炭化水素(例えばn
−プロパノールとトルエン)の混液又は長鎖脂肪族アル
コール(例えばn−ヘキサノール,n−オクタノール)が
挙げられるが、前者の沸点(n−プロパノール:bp97〜9
8℃,トルエン:bp110.6℃)は後者(n−ヘキサノール:
bp157℃,n−オクタノール:bp195℃)に比べてかなり低
いため、反応後処理での減圧濃縮に際して有利であるた
め、前者の使用が好ましい。
回収される有機溶媒はその濃厚な触媒水溶液の塩析効
果により損失が殆どないため、多少の損失分を補うのみ
で、再使用できる上に、回収される触媒水溶液は有機相
を殆ど含まないため、回収後はそのまま手を加えず、触
媒水溶液として再使用出来るなどの多くの経済的利点を
有している。
果により損失が殆どないため、多少の損失分を補うのみ
で、再使用できる上に、回収される触媒水溶液は有機相
を殆ど含まないため、回収後はそのまま手を加えず、触
媒水溶液として再使用出来るなどの多くの経済的利点を
有している。
本発明は、上記に示した驚くべき効果に基づき完成さ
れたものである。
れたものである。
本発明における反応温度は、使用する溶媒の組成によ
っても異なるが、一般に30〜80℃が好ましく、反応速度
および副生成物抑制の面から、特に50℃近辺が好まし
い。ただし、大スケールでの酸化反応時には発熱による
反応温度上昇が観察されるが、かかる場合は、添加する
2−メチル−1−ナフトールの供給量の調節と、酸素供
給量を減ずることによって反応を抑え、除熱を行うこと
が容易であって、反応温度をコントロールすることがで
きる。
っても異なるが、一般に30〜80℃が好ましく、反応速度
および副生成物抑制の面から、特に50℃近辺が好まし
い。ただし、大スケールでの酸化反応時には発熱による
反応温度上昇が観察されるが、かかる場合は、添加する
2−メチル−1−ナフトールの供給量の調節と、酸素供
給量を減ずることによって反応を抑え、除熱を行うこと
が容易であって、反応温度をコントロールすることがで
きる。
2−メチル−1−ナフトール供給速度は反応スケー
ル、触媒使用量、攪拌効率、使用する酸素源ガスの種類
と流速、反応温度など多くの要因に依存するため一概に
決められないが、2−メチル−1−ナフトールは出来る
限り緩徐に供給するのが望ましい。しかし、反応の長時
間化をさけるため、2−メチル−1−ナフトールの供給
は中規模以上の反応スケールにおいては一般に2〜7時
間、好ましくは3〜4時間で供給し終わるよう、その他
の反応条件を調整する。更に、2−メチル−1−ナフト
ール供給終了後も残存する原料および中間体を完全に酸
化させるために更に1〜3時間の反応継続が必要であ
る。
ル、触媒使用量、攪拌効率、使用する酸素源ガスの種類
と流速、反応温度など多くの要因に依存するため一概に
決められないが、2−メチル−1−ナフトールは出来る
限り緩徐に供給するのが望ましい。しかし、反応の長時
間化をさけるため、2−メチル−1−ナフトールの供給
は中規模以上の反応スケールにおいては一般に2〜7時
間、好ましくは3〜4時間で供給し終わるよう、その他
の反応条件を調整する。更に、2−メチル−1−ナフト
ール供給終了後も残存する原料および中間体を完全に酸
化させるために更に1〜3時間の反応継続が必要であ
る。
本発明によれば、安価な市販の一般試薬である塩化第
二銅および塩化リチウムを触媒として用い、芳香族炭化
水素および低級脂肪族アルコールの好ましい組成で形成
される溶媒、あるいは炭素数5〜10の長鎖脂肪族アルコ
ール類から選ばれる溶媒中において、分子状酸素または
それを含有するガスを緩和な条件下で通気する事によ
り、2−メチル−1−ナフトールを極めて良好な収率で
メナジオンに変換することが出来る。反応粗抽出物中
に、メナジオン以外の副生成物の存在は薄層クロマトグ
ラフィーでは殆ど認められず、2−メチル−1−ナフト
ールからメナジオンへの転換率はほぼ定量的である。
二銅および塩化リチウムを触媒として用い、芳香族炭化
水素および低級脂肪族アルコールの好ましい組成で形成
される溶媒、あるいは炭素数5〜10の長鎖脂肪族アルコ
ール類から選ばれる溶媒中において、分子状酸素または
それを含有するガスを緩和な条件下で通気する事によ
り、2−メチル−1−ナフトールを極めて良好な収率で
メナジオンに変換することが出来る。反応粗抽出物中
に、メナジオン以外の副生成物の存在は薄層クロマトグ
ラフィーでは殆ど認められず、2−メチル−1−ナフト
ールからメナジオンへの転換率はほぼ定量的である。
本発明によれば、生成物であるメナジオンの単離精製
操作は極めて容易である。即ち、本反応で選ばれる溶媒
系は親水性と親油性を併有するため、酸化反応時の攪拌
下においては、水相の触媒と良好な懸濁状態となり、水
相−有機相−気相の三相反応を円滑に進行させるが、反
応終了後、攪拌を停止すると有機相と水相に急速に分離
し、その後の操作に有利になる特徴を有している。
操作は極めて容易である。即ち、本反応で選ばれる溶媒
系は親水性と親油性を併有するため、酸化反応時の攪拌
下においては、水相の触媒と良好な懸濁状態となり、水
相−有機相−気相の三相反応を円滑に進行させるが、反
応終了後、攪拌を停止すると有機相と水相に急速に分離
し、その後の操作に有利になる特徴を有している。
そのため、有機相は分取してのち、溶媒を留去するこ
とによって、容易にメナジオンを与える事ができ、また
触媒層である水相はその塩析効果により有機相を殆ど含
んでいないため、そのまま触媒液として再使用すること
が出来るなどの利点を有している。
とによって、容易にメナジオンを与える事ができ、また
触媒層である水相はその塩析効果により有機相を殆ど含
んでいないため、そのまま触媒液として再使用すること
が出来るなどの利点を有している。
更に、本触媒系は反復使用後も触媒としての活性劣化
が見られないところから、繰り返し使用後は、反応時に
生成した水で希釈された分の水を濃縮するだけで、再び
触媒液として使用することも可能であり、コスト面か
ら、また公害面からも工業的に極めて有利である。
が見られないところから、繰り返し使用後は、反応時に
生成した水で希釈された分の水を濃縮するだけで、再び
触媒液として使用することも可能であり、コスト面か
ら、また公害面からも工業的に極めて有利である。
また、メナジオンを単離してのち、回収される混合溶
媒は回収後も、その成分組成が殆ど変わらないため、多
少の損失分を補うだけで反応溶媒として再使用しうると
いう利点を有している。
媒は回収後も、その成分組成が殆ど変わらないため、多
少の損失分を補うだけで反応溶媒として再使用しうると
いう利点を有している。
次に本発明の実施例を示す。
尚、本発明の実施例は本発明の理解をより容易ならし
めるために代表的なものを掲げたものであり、本発明が
これらに限定されることがないことはいうまでもない。
めるために代表的なものを掲げたものであり、本発明が
これらに限定されることがないことはいうまでもない。
実施例1〜5 200ml四頚フラスコ中に塩化第二銅2水和物8.4g(0.0
5モル)、塩化リチウム8.4g(0.2モル)および水20mlを
入れて溶かし、触媒水溶液を調製する。
5モル)、塩化リチウム8.4g(0.2モル)および水20mlを
入れて溶かし、触媒水溶液を調製する。
次いでこれに芳香族炭化水素と低級脂肪族アルコール
の組み合わせおよびその組成比を表1に示す如く、種々
変化させた混合液40mlを加え、機械攪拌機を用いて約90
0rpmで攪拌しながら、酸素ガスを流速200ml/minで液面
下に通気し、外部より50℃に加温する。
の組み合わせおよびその組成比を表1に示す如く、種々
変化させた混合液40mlを加え、機械攪拌機を用いて約90
0rpmで攪拌しながら、酸素ガスを流速200ml/minで液面
下に通気し、外部より50℃に加温する。
次いで2−メチル−1−ナフトール7.9g(0.05モル)
を上記で用いたと同じ混合溶液40mlに溶かした溶液を2
時間を要して滴下し、滴下終了後、更に1時間反応を継
続する。反応後、有機相と水相に分離している有機相を
分取し、更に水相を反応液と同組成の混合溶媒で抽出
し、抽出液を合わせ、水洗、乾燥後、溶媒留去する。得
られた黄橙色固体残渣をエタノールから再結晶すること
により、メナジオンの黄色針状晶を得る。その結果を表
1に示す。
を上記で用いたと同じ混合溶液40mlに溶かした溶液を2
時間を要して滴下し、滴下終了後、更に1時間反応を継
続する。反応後、有機相と水相に分離している有機相を
分取し、更に水相を反応液と同組成の混合溶媒で抽出
し、抽出液を合わせ、水洗、乾燥後、溶媒留去する。得
られた黄橙色固体残渣をエタノールから再結晶すること
により、メナジオンの黄色針状晶を得る。その結果を表
1に示す。
実施例6,7 200ml四頚フラスコ中に塩化第二銅2水和物8.4g(0.0
5モル)、塩化リチウム8.4g(0.2モル)および蒸溜水20
mlを入れて、溶かし、触媒水溶液を調製する。
5モル)、塩化リチウム8.4g(0.2モル)および蒸溜水20
mlを入れて、溶かし、触媒水溶液を調製する。
次いでこれに表2に示す溶媒40mlを添加し、機械攪拌
機を用いて約1000rpmで激しく攪拌しながら、酸素ガス
を流速200ml/minで液面下に通気し、外部より加温して5
0℃に保つ。次に、2−メチル−1−ナフトール7.9g
(0.05モル)を前記溶媒40mlに溶解した溶液を約2時間
を要して滴下し、滴下終了後ひき続いて1時間同じ条件
で反応を継続する。反応終了後、反応液を水中に注ぎ、
反応溶媒と同じ溶媒で、それぞれ2回抽出し、水洗、乾
燥後、真空ポンプ減圧下で溶媒留去して黄橙色の固形粗
生成物を得る。
機を用いて約1000rpmで激しく攪拌しながら、酸素ガス
を流速200ml/minで液面下に通気し、外部より加温して5
0℃に保つ。次に、2−メチル−1−ナフトール7.9g
(0.05モル)を前記溶媒40mlに溶解した溶液を約2時間
を要して滴下し、滴下終了後ひき続いて1時間同じ条件
で反応を継続する。反応終了後、反応液を水中に注ぎ、
反応溶媒と同じ溶媒で、それぞれ2回抽出し、水洗、乾
燥後、真空ポンプ減圧下で溶媒留去して黄橙色の固形粗
生成物を得る。
本品をエタノールから再結晶精製する事によってメナ
ジオンの微細黄色針状晶を得る。結果を表2に示す。
ジオンの微細黄色針状晶を得る。結果を表2に示す。
実施例8〜10 塩化第二銅・2水和物8.4g(0.05モル)、塩化リチウ
ム8.4g(0.2モル)、水20mlおよびトルエン−n−プロ
パノール(容量比2:1)混液40mlを加えて触媒液を調製
する。実施例1に準じた反応条件下で、酸素ガスに替え
て空気を送風ポンプから液面下に200ml/minの流速で通
気しながら2−メチル−1−ナフトール7.9g(0.05モ
ル)をトルエン−n−プロパノール(容量比2:1)混液4
0mlに溶かした溶液を3時間を要して滴下する。滴下終
了後更に1時間反応を続行する。
ム8.4g(0.2モル)、水20mlおよびトルエン−n−プロ
パノール(容量比2:1)混液40mlを加えて触媒液を調製
する。実施例1に準じた反応条件下で、酸素ガスに替え
て空気を送風ポンプから液面下に200ml/minの流速で通
気しながら2−メチル−1−ナフトール7.9g(0.05モ
ル)をトルエン−n−プロパノール(容量比2:1)混液4
0mlに溶かした溶液を3時間を要して滴下する。滴下終
了後更に1時間反応を続行する。
反応後、二層に分離する有機相を分取し、更に水相を
同混合溶液にて1回抽出して両者を合わせ、少量の水で
洗浄後、乾燥、濃縮して粗生成物を得る(実施例8)。
同混合溶液にて1回抽出して両者を合わせ、少量の水で
洗浄後、乾燥、濃縮して粗生成物を得る(実施例8)。
水相は再び反応容器中に戻し、新たに2−メチル−1
−ナフトール7.9g(0.05モル)を実施例8に準じて仕込
み、酸化反応を行った。この操作を3回繰り返して、空
気酸化における触媒液と反復使用の可能性とメナジオン
生成率を検討した(実施例9,10)。その結果を表3に示
す。
−ナフトール7.9g(0.05モル)を実施例8に準じて仕込
み、酸化反応を行った。この操作を3回繰り返して、空
気酸化における触媒液と反復使用の可能性とメナジオン
生成率を検討した(実施例9,10)。その結果を表3に示
す。
Claims (1)
- 【請求項1】2−メチル−1−ナフトールを、触媒とし
て塩化第二銅及び塩化リチウムを用い、反応溶媒として
炭素数1〜4の低級脂肪族アルコールと芳香族炭化水素
よりなる適度なる親水性と親油性を併せ持つ混合液を用
いるか、炭素数5〜10の長鎖脂肪族アルコールを単独ま
たは組合わせて用いて分子状酸素と接触させることによ
り酸化してメナジオンを得ることを特徴とするメナジオ
ンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62246363A JPH0819033B2 (ja) | 1987-09-30 | 1987-09-30 | メナジオンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62246363A JPH0819033B2 (ja) | 1987-09-30 | 1987-09-30 | メナジオンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6490151A JPS6490151A (en) | 1989-04-06 |
JPH0819033B2 true JPH0819033B2 (ja) | 1996-02-28 |
Family
ID=17147440
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62246363A Expired - Lifetime JPH0819033B2 (ja) | 1987-09-30 | 1987-09-30 | メナジオンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0819033B2 (ja) |
-
1987
- 1987-09-30 JP JP62246363A patent/JPH0819033B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6490151A (en) | 1989-04-06 |
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