JPH0818980B2 - ニキビ治療用皮膚外用剤 - Google Patents

ニキビ治療用皮膚外用剤

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JPH0818980B2
JPH0818980B2 JP1268153A JP26815389A JPH0818980B2 JP H0818980 B2 JPH0818980 B2 JP H0818980B2 JP 1268153 A JP1268153 A JP 1268153A JP 26815389 A JP26815389 A JP 26815389A JP H0818980 B2 JPH0818980 B2 JP H0818980B2
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健次 下村
義夫 小泉
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Mikimoto Pharmaceutical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明のアビエチン酸を含むニキビ治療に有効な皮膚
外用剤に関する。
〔従来の技術〕
ニキビは皮膚疾患の1つで、その原因については、完
全には解明されてないが、一般的には皮脂分泌過剰、
毛嚢角化、毛嚢内細胞が関係しているといわれ、こ
れらを解決する目的に適合した薬剤が配合されたクリー
ムや軟膏が利用されているが、それぞれになんらかの欠
点を有している。
先づ硫黄或いはその化合物が有効であるとされている
が、経時的に異臭を発生したり、結晶析出したり、安定
性に問題があり、また皮膚刺激、皮膚のカサツキ等の安
全性に関しても問題があった。
皮脂分泌抑制剤には女性ホルモンがあるが、これはホ
ルモン剤であるので、その副作用が心配され、ニキビ治
療剤のような連用する製剤に用いることは好ましいこと
ではない。
このように現在数多くのニキビ用皮膚外用剤が市販さ
れているが、安全性や安定性に欠ける製剤が多い。
一方、アビエチン酸やこれを含有するロジンは、すで
に化粧品や医薬品に利用されているが、その利用形態は
ネイルラッカー、ヘアースプレー等の接着剤、石鹸(ロ
ジン石鹸)、絆創膏等の基剤、最新では抗アレルギー剤
に用いられている。
特開昭63−183512号公報では、デヒドロアビエチン酸
及び/又はジヒドロアビエチン酸とアルコールとのエス
テルを含有する皮膚外用剤が開示されている。しかし、
その効果は、皮膚に対して感作性がなく、かつ安定性が
良好で、つやがあり、皮膚に塗布した場合、つき、も
ち、なじみ等の使用感触に優れていることを利用したも
ので、また部分エステルとして乳化剤や可溶化剤等の界
面活性剤としても使用できるとしているが、抗菌剤とし
ての使用ではない。
特開昭54−11239号公報、特開昭54−117037号公報で
はロジンを有効成分とするフケ防止剤が開示されている
が、これらのシャンプー類、整髪料はフケおよびこれに
伴う掻痒感を防止することにある。
特開昭60−1112号公報では、第4級アンモニウム塩と
アビエチン酸もしくはロジン又はこれらの誘導体を含む
毛髪化粧料組成物が開示されている。目的は毛髪の腰の
強さを劣化させることなく、毛髪の優れた櫛通り性、な
めらかさ、柔軟性、しっとり感を付与することである。
特開昭60−1114号公報では、アビエチン酸又はロジン
又はこれらの塩もしくは誘導体を含む、チオグリコール
酸液又はシスティンを主要有効成分として含有するパー
マネントウェーブ用液が開示されている。
この目的は、毛髪の損傷が少なく、かつウェーブ形成
力及びウェーブ保持力が強いパーマネントウェーブ用液
を提供することである。
特開昭61−40208号公報では、ロジン酸の金属塩及び
アビエチン酸の金属塩を含むネールエナメルが開示され
ている。この目的はロジン酸の金属塩あるいはアビエチ
ン酸の金属塩を配合することにより、経時安定性に優
れ、長期にわたって美観を保つ効果に優れ、しかも塗り
易さ、光沢、はがれにくさ等の諸特性を備えたネールエ
ナメルである。
このように主に頭髪関係に用いられた文献が多く、皮
膚外用剤とされているものも、安全で使用感触が良いこ
とがある。
皮膚外用剤として、実際に使用された例を聞かない。
ましてその特異な抗菌性を利用して皮膚外用剤として用
いられた例を聞かない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、従来のニキビ治療用皮膚外用剤が有
する安全性や安定性に問題があったり、異臭を発した
り、副作用があって連用できない等の問題を解決し、安
全性が高く、安定であると共に副作用がなくニキビの治
療、或いは予防に有効な抗菌作用を有する皮膚外用剤を
提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、前記の課題を解決するため鋭意研究を
行った結果、松ヤニの成分であるロジン等に含まれてい
るアビエチン酸にニキビの治療、或いは予防に有効な作
用であることを見い出し本発明に到達した。
即ち本発明はアビエチン酸を含むニキビ治療用皮膚外
用剤である。更にアビエチン酸を0.005〜5重量%含ん
でなるニキビ治療用皮膚外用剤である。
アビエチン酸は、他の抗菌剤に比較して、その抗菌力
に比して、安全性が高い。このことは後で述べる安全性
に関する実験で実証される。他の抗菌剤については厚生
省告示の化粧品品質基準によって配合量が限定されてい
る。
例べばヘキサクロロフェンは0.1%、トリクロロカル
バニドは0.3%というように、その安全性より考えて配
合限界を定めているのに対して、ロジンの場合、全く配
合限界はなく、過去ロジン等が他の目的で化粧品等に高
濃度で使用されていることもその証明になる。
アビエチン酸は、松ヤニの主成分であるロジン中に含
まれ、入手することが容易であることも利用の一つとし
て挙げられる。
製剤として利用する場合、アビエチン酸として単離す
る必要はない。ロジンは淡黄色ないし黄褐色の塊状で、
松に含まれる樹脂酸を精製したものである、製造方法の
違いによりガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン
に分けられる。ガムロジンは松の樹幹に傷をつけ、採っ
た生松ヤニを水蒸気蒸留し、テレビン油を除いて得られ
るロジンである。ウッドロジンは伐採後10数年経過した
松の根株をチップ状にして溶剤抽出し、更に蒸留してテ
レビン油などを除いたロジンである。トール油ロジンは
松材をクラフト法によってパルプ化する工程で、副生す
る粗トール油を精密蒸留塔で減圧水蒸気蒸留して得られ
るロジンである。いずれのロジンでもよく、またロジン
そのままでも製剤として使用し得る。
これを製剤にするとき、形態について特に限定はない
が、クリーム、軟膏、ローション、乳液、パック等任意
の形状が選択できる。
しかしながらロジン、アビエチン酸共に水に対する溶
解度は低く殆んど不溶と云ってよいので、他の配合原料
で溶解性を上げるか、エタノール等のアルコールで溶解
したのち、他の油性原料等と混合しておく必要がある。
加える他の原料については特に限定はないが、各種ビ
タミン、他の抗菌剤、硫黄化合物等と併用しても問題な
いが、前記のように、他の原料については夫々欠点を有
しているので、他の原料の配合量を余り多くすることは
問題があり、注意を要する。
アビエチン酸の配合量としては、剤形によって若干の
変化はあるが、0.005〜5重量%であり、0.01〜2.0重量
%が好ましい。
〔実施例〕
以下に実施例によって、本発明を更に具体的に説明す
るが、本発明はこの実施例によって限定されるものでは
ない。実施例に記載した配合量は特に記載しない限り、
重量基準である。
(実施例1) クリーム A スクワラン 5.0 ミリスチン酸イソプロピル 2.0 オリーブ油 3.0 ステアリン酸 4.0 パルチミン酸 4.0 グリセリンモノステアレート 3.0 ポリオキシエチレン(20モル)セチルエーテル 1.0 酸化防止剤 0.2 ロジン 0.5 B 精製水 52.1 トリエタノールアミン 1.0 1,3ブチレングリコール 7.0 防腐剤 0.2 C 香 料 0.5 AとBそれぞれ計量し、約80℃に加温し、Bを撹拌し
つつ、Aを徐々に加えて約60℃になったらCを加えて室
温まで冷却する。
(実施例2) 乳 液 A スクワラン 10.0 トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 5.0 ステアリン酸モノグリセライド 2.0 B ソルビタンモノステアレート 3.0 ステアリルアルコール(C18) 2.0 ベヘニルアルコール(C22) 2.0 アビエチン酸 0.5 精製水 50.0 パラオキシ安息香酸メチル 0.2 P.O.E.ソルビタンモノステアレート(60E.O.) 2.0 P.O.E.硬化ヒマシ油 3.0 1,3ブチレングリコール 7.0 カルボキシビニルポリマー1%NaOH中和液 12.0 AとBそれぞれ計量し、約80℃に加温し、Bを撹拌し
つつ、Aを徐々に加えて、室温まで冷却する。
(実施例3) ローション A ロジン 0.2 ポリオキシエチレン(25モル)オレイルエーテル3.
0 ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタンモノオレ
エート 2.0 B 精製水 62.5 エタノール 10.0 グリセリン 8.0 ジプロピレングリコール 2.0 ポリエチレングリコール1000 5.0 防腐剤 0.2 Aを計量し、約70℃に加温、撹拌しつつ、冷却する。
Bを撹拌しつつ、Aを加える。
(最少発育阻止濃度) MIC(ppm) アビエチン酸、ロジンについて、最少発育阻止濃度
(MIC)を測定した。
方法は液体培養法を用いた。(液体培養法では、検体
が分散状態のものは培養時、振盪を加えた。) この結果により、グラム陰性菌、真菌には抗菌性がな
いが、ニキビの原因の1つであるPropioni−bacterium
acnes,Staphylococcus aureus,Staphylococus eoidermi
disなどの毛嚢内細菌に有効であることがわかった。
しかしながら、人体に適用する場合、安全性が重要な
問題である。そこで安全性をチェックするために以下の
ような動物実験を行なった。
(試験方法) 感作性試験(Maximization Test) ハートレー系白色モルモット15匹を用い、10匹は感作
処理用、5匹は誘発時の対照とする。(対照群は検体を
皮膚に塗布したとき、感作性以外の反応(1次刺激)が
あるかをみて、感作群と比較するための群である) (感作1)肩甲骨上皮膚を刈毛しアジェバンド(免疫
増強剤)、検体、検体+アジュバンドはそれぞれ左
右2ケ所0.05mlづつ皮内注射する。(1週間経過) (感作2)同部位に10%ラウリル硫酸ナトリウム(SL
S)を塗布し、さらに24時間後、検体0.2mlを48時間閉塞
貼布する。(2週間経過) (誘 発)腹側部を刈毛し、検体0.2mlを閉塞貼布す
る。(24時間経過) (判 定)貼布除去後、1、24、48、72時間後に判定す
る。
(判定基準) Score 0:肉眼的に変化なし Score 1:軽度またはまばらな紅斑 Score 2:中等度の紅斑 Score 3:強度の紅斑および浮腫 10匹のScoreの平均値を表示する。
1)アレルギーテスト試験濃度=1% 2)皮膚1次刺激性試験 (試験方法) 光毒性試験 1)ハートレー系白色モルモット10匹を用い、試験前日
に背部皮膚を電気バリカンおよびクリームを用いて除毛
する。
2)正中線(背骨)を対象にして検体0.05mlづつを2×
2cmの範囲に塗布する。
3)左側をアルミホイルによって被覆し、紫外線照射
(UVA)を2時間(エネルギー量1.0×108ergs/cm)実施
する。判定は紫外線照射後24、48、72時間後に行う。
(判定基準) 紅斑 Score 0 紅斑なし Score 1 ごく軽度な紅斑(やっと認められる程度) Score 2 明らかな紅斑 3)光毒性試験 結 果 アビエチン酸 光毒性なし 毛嚢内細胞に有効であることがわかり、且つ、動物実
験で安全であることも確認されたので、実際、人に使用
してみた場合、ニキビに対して有効性があるか使用テス
トを実施した。
この方法は二重盲検法を用いて女性19名、男性13名で
実験した。
被験者No.1〜16は実施例1、被験者No.17〜32は実施
例1のロジンのかわるにヒノキチオールを配合したも
の。
判定基準としては有効性については以下のような基準
とした。
実施例2並びに3も同様なテストを行なった。
(製剤中での安定性) 実施例3を室内、40℃、室外(耐光)の各条件で放置
し、製剤中のアビエチン酸の残存率を高速液体クロマト
グラフィーで測定した。
〔発明の効果〕 アビエチン酸及びアビエチン酸を主成分とするロジン
は、ニキビ毛嚢内細菌に抗菌性があり、動物試験におい
ても安全性が認められたので、人に対してパネル試験を
行った。ヒノキチオール、レゾルシンの比較例にくらべ
て、刺激が極めて少く、ニキビ改善度においても有意に
優れている事が実証された。またこの製剤は長期にわた
って安定である事も確認された。従って優れたニキビ治
療用皮膚外用剤である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アビエチン酸を含むニキビ治療用皮膚外用
    剤。
  2. 【請求項2】アビエチン酸を0.005〜5重量%含んでな
    るニキビ治療用皮膚外用剤。
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