JPH08185697A - 強誘電体メモリ装置およびその動作制御方法 - Google Patents

強誘電体メモリ装置およびその動作制御方法

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JPH08185697A
JPH08185697A JP7000065A JP6595A JPH08185697A JP H08185697 A JPH08185697 A JP H08185697A JP 7000065 A JP7000065 A JP 7000065A JP 6595 A JP6595 A JP 6595A JP H08185697 A JPH08185697 A JP H08185697A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強誘電体を用いた不揮発性メモリ装置におい
て従来問題となっていた、メモリセルからデータ読み出
す際の、強誘電体の分極反転電荷以外のノイズ電荷によ
って、強誘電体キャパシタ両電極間に十分な電圧がかか
らなくなる問題を解決する。 【構成】 メモリセル101からデータを読み出す際
に、データ信号線12,/12の電圧変動を抑制し、強
誘電体キャパシタ104の両電極間に確実に抗電圧以上
の電圧をかける手段として、データ信号線1本あたりに
接続されるメモリセル数を調節することにより、強誘電
体メモリ装置を安定に動作させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強誘電体を用いたメモ
リ装置およびその動作制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ジルコンチタン酸鉛(PZT)な
どのヒステリシス特性を有する強誘電体材料をメモリセ
ルに用い、電源を切断しても記憶を保持する機能を持つ
不揮発性メモリが実現されている。このようなメモリ装
置の例をして、特開昭63−201998号公報、19
88年2月の固体素子回路国際会議(Internat
ional Solid−State Circuit
s Conference,ISSCC)予稿集130
ページから131ページ、1994年2月の固体素子回
路国際会議予稿集268ページから269ページに報告
されているものなどがある。
【0003】これらの報告をもとに、従来の不揮発性強
誘電体メモリ装置の回路構成およびその動作について説
明する。
【0004】図5に、特開昭63−201998号公報
に記載されている、2つのトランジスタおよび2つのキ
ャパシタから1つのメモリセルを構成する型(以下、2
T/2C型と呼ぶことにする)の、強誘電体メモリセル
の回路を示す。図5において、11はメモリセルの選択
信号線(以下、単に選択信号線と呼ぶ)、13はプレー
ト線、12,/12はデータ信号線、101はメモリセ
ル、102,103はメモリセルのスイッチングトラン
ジスタ、104,105は強誘電体キャパシタである。
【0005】このような2T/2C型メモリセルにおい
ては、強誘電体キャパシタ104と105に、つねに反
対向きの分極方向を持つようにデータが書き込まれる。
この反対向きの分極を持つキャパシタからの電荷を、そ
れぞれデータ信号線12,/12上に読み出すことによ
り、データ信号線対に差電圧を生じさせ、それを差動型
増幅回路であるセンスアンプで増幅する。
【0006】図6には、強誘電体キャパシタ104,1
05のヒステリシス特性モデルを示す。強誘電体キャパ
シタの両電極間の電圧Vに対する、自発分極電荷Qの関
係を示している。特に電圧0のときの分極電荷を、残留
分極電荷Qrと呼ぶ。例えば強誘電体キャパシタ10
4,105の分極が、それぞれA,Bの状態にあるとき
をデータ“1”、逆の場合をデータ“0”に、というよ
うに対応させる。このとき、強誘電体キャパシタの両電
極間にVeの電圧をかけると、データ“1”の場合、キ
ャパシタ104からはQ1 の電荷が、キャパシタ105
からはQ0 の電荷が、それぞれ対応するデータ信号線1
2,/12上に出力され、この電荷が上に述べたような
データ信号線対の差電圧を生じさせるのである。なお、
電荷Qrと電荷Q0 ,Q1 との間には、理想的に、 2×Qr=|Q1 −Q0 | …(1) の関係がある。
【0007】このような、強誘電体キャパシタを用いた
メモリ装置では、強誘電体キャパシタの両電極間にかか
る外部電圧が0になっても、強誘電体の内部に生じてい
る自発分極が、データを保持しているため、電源が切断
されても記憶を保つ、いわゆる不揮発性記憶動作が実現
される。
【0008】図7に、図5の型のメモリセルを用いた強
誘電体メモリ装置の、メモリセルアレイの部分回路例を
示す。図7において、11a〜cは選択信号線、12
a,b,/12a,bはデータ信号線、13a〜cはプ
レート線、14はデータ信号線プリチャージ制御信号
線、15はデータ信号線プリチャージ電源線、16はセ
ンスアンプ制御信号線である。101a〜fはメモリセ
ル、102a,103aはメモリセルのスイッチングト
ランジスタ、104a,105aは強誘電体キャパシ
タ、106a,bはデータ信号線プリチャージ回路、1
07a,bはセンスアンプである。
【0009】図8に、図7のメモリ装置の動作タイミン
グチャート例を示す。以下、図7と図8を参照しつつ、
メモリセル101aに注目した場合の、強誘電体メモリ
装置の読み出し動作および書き込み動作について説明す
る。なお、図8以下、本明細書記載の動作タイミングチ
ャートにおいて、特にことわりのない限り、ハイレベル
“H”に相当するレベルは、メモリ装置外部から供給さ
れる電源電圧、またはメモリ装置内部に設けた電圧発生
回路で発生される電圧のいずれかであり、ロウレベル
“L”に相当するレベルは接地電圧であるとする。これ
らの電圧の値は、場合に応じて、5Vや3Vなど、いろ
いろな値をとりうる。また、参考として、データ“1”
を読み出す場合の、図8の〜各期間終了時点での、
強誘電体キャパシタ104a,105aの分極状態を、
タイミングチャートの下に示す。
【0010】図8中、〜の期間は、メモリセルから
データを読み出す動作である。まず、期間で、データ
信号線プリチャージ制御信号14をロウレベルにするこ
とにより、データ信号線プリチャージ状態を解除する。
ここでは、データ信号線プリチャージレベルは接地電圧
としている。次に、期間において、選択信号線11a
とプレート線13aをそれぞれハイレベルに上げ、メモ
リセル101aからデータ信号線12a,/12a上に
データを出力する。このとき出力されるデータ信号は、
強誘電体キャパシタ内部の分極状態に応じて決まり、図
8では先に述べたように、データ“1”が読み出されて
いる様子を示している。その後、期間において、セン
スアンプ制御信号線16を活性化し、データ信号線対1
2aと/12aとの間の差電圧をセンス増幅する。
【0011】続く期間〜は、読み出したデータをメ
モリセルに再度書き戻す動作である。期間の時点で、
読み出されたメモリセルのデータは破壊されているの
で、このように再書き込み動作が必要となる。なお、メ
モリ装置外部から入力されるデータをメモリセルに書き
込む場合には、の期間に、データ信号線対12a,/
12a上に、所望のデータに対応する電圧を設定してか
ら、次の期間以降の動作を行う。
【0012】期間において、プレート線13aをロウ
レベルにする。次の期間において、センスアンプ制御
信号線16をロウレベルとすることによりセンスアンプ
を非活性とし、さらにプリチャージ制御信号線14をハ
イレベルとして、データ信号線レベルを接地電圧とす
る。こうすることにより、メモリキャパシタの分極を、
データ読み出し前のの状態に戻すことができる。最後
に期間において、選択信号線11aをロウレベルに下
げ、メモリセルトランジスタを非導通にして、メモリセ
ルへのアクセス動作を完了する。
【0013】データ“0”がメモリセル101aに記憶
されている場合には、キャパシタ104aと105aの
分極状態が、図8の場合と逆になる。
【0014】ここで、上記の回路動作と、強誘電体キャ
パシタの特性との関係について説明する。例えば、図8
のの期間で、選択信号線11aをハイレベルとしてス
イッチングトランジスタ102a,103aを導通さ
せ、プレート線13aをハイレベルに立ち上げた状態
は、図6において、強誘電体キャパシタに−Veの電圧
をかけた状態に相当する(プレート線からデータ信号線
への方向を電圧の正の向きとしている)。このとき、Q
1 またはQ0 の電荷がデータ信号線12a上に出力され
る。ところで、このままの状態では、“1”,“0”い
ずれが記憶されていた場合でも、強誘電体キャパシタの
分極状態は、図6に示すh点にあって、“1”または
“0”の区別ができない。そこで、読み出された
“1”,“0”データに応じて、強誘電体キャパシタに
+Ve,0の電圧をかけて、データを書き戻す動作が必
要である。これが、図8の〜の動作に相当する。
【0015】このように、強誘電体メモリセルを用い
て、不揮発性記憶動作を実現するためには、強誘電体キ
ャパシタの両電極間に、正負両方向の電圧をかける必要
があることに注意する。
【0016】さらにメモリ記憶容量の高密度化をねら
い、1つのトランジスタと1つの強誘電体キャパシタで
メモリセルを構成するもの(以下、1T/1C型と呼
ぶ)もあり、このような強誘電体メモリ装置の例として
は、1994年2月の固体素子回路国際会議予稿集26
8ページから269ページに報告されているものがあ
る。
【0017】図9に1T/1C型の強誘電体メモリセル
回路を示す。11は選択信号線、12はデータ信号線、
13はプレート線、101は強誘電体メモリセル、10
2はメモリセルスイッチングトランジスタ、104は強
誘電体キャパシタである。以後、すでに説明した図面で
用いられた回路要素に対応するものは、同じ記号を用い
て説明を省略する。
【0018】図10には、図9の強誘電体キャパシタ1
04のヒステリシス特性モデルを示す。1T/1C型メ
モリセルでは、2T/2C型メモリセルと異なり、強誘
電体の2つの安定状態“A”/“B”を、それぞれデー
タ“1”/“0”に対応させる。
【0019】図9に示す1T/1C型のメモリセルを用
いたメモリセルアレイの部分回路例を図11に示す。こ
の場合は、メモリセルからの信号電圧は、例えばメモリ
セル101aが選択された場合には、データ信号線12
a上のみに現れる。このように、1T/1C型メモリセ
ルを用いるときには、2T/2C型の場合と異なり、セ
ンス増幅動作を行う際のリファレンスレベルを、特別に
手段を設けて、対となるデータ信号線/12a上に発生
させる必要がある。図11では、そのリファレンスレベ
ルを発生する回路108a〜dと、その制御信号線17
a〜bが付加されている。リファレンスレベルの具体的
な発生方法は、例えば、前述の文献、1994年2月の
固体素子回路国際会議予原稿集268ページ記載のもの
がある。リファレンスレベル発生方法の要点は、メモリ
セルから“1”に対応する信号を読み出したときのデー
タ信号線電圧と、“0”に対応する信号を読み出したと
きのデータ信号線電圧との中間の電圧を発生することに
ある。
【0020】図12に、図11の回路においてメモリセ
ル101aに注目したときの動作タイミングチャート例
を示す。また、データ“1”を読み出す場合の、図12
における〜の各期間終了時点での、強誘電体キャパ
シタ104aの分極状態を、タイミングチャートの下に
示す。
【0021】データ信号線12aに信号を読み出す場
合、対となるデータ信号線/12a上にリファレンスレ
ベルを発生させるため、リファレンスレベル発生回路1
08bの制御動作が加わり、回路108bから発生され
るリファレンスレベルが、データ信号線/12a上に読
み出されている。この点を除くと、動作は図8に示した
2T/2C型メモリセルの動作と同様である。
【0022】以上の例においては、全てプレート線13
をロウレベルからハイレベルへと駆動することによっ
て、強誘電体キャパシタの両電極間に正負両方向の電圧
をかけ、データを読み出す方式をとっている。一方で、
プレート線をある中間電圧に設定することで強誘電体キ
ャパシタの両電極間に正負両方向の電圧をかけ、データ
を読み出す方式をとることもできる。図13にそのよう
なメモリ装置のメモリセルアレイ部分回路例を示す。図
13において、116a,bはデータ信号線プリチャー
ジ・バランス制御回路、22はデータ信号線バランス制
御信号線、その他は図11と同様である。
【0023】図14は、図13の動作タイミングチャー
ト例である。プレート線13がハイレベル電圧とロウレ
ベル電圧との中間の電圧に固定されていることに注意す
る。図13と図14を参照しつつ、メモリセル101a
に注目した場合の、読み出し動作および書き込み動作に
ついて説明する。参考として、〜の各期間終了時点
での、強誘電体キャパシタ104aの分極状態も動作タ
イミングチャートの下に示しておく。
【0024】まず、期間で、データ信号線プリチャー
ジ制御信号14をロウレベルにすることにより、データ
信号線プリチャージ状態を解除する。ここでも、データ
信号線プリチャージレベルは接地電圧としている。次
に、期間において、選択信号線11aをハイレベルに
上げ、メモリセル101aからデータ信号線12a上に
データを出力する。ここで、図12の動作と異なるとこ
ろは、プレート線13を駆動しないことである。データ
信号線プリチャージレベルが接地電圧、プレート線が中
間電圧(Vmとする)であるため、期間でメモリセル
トランジスタ102aが導通状態となったときに、強誘
電体キャパシタ104aの両電極間には、プレート線か
らデータ信号線への方向を電圧の正の向きとして、ほぼ
−Vmの電圧がかかる。すると、強誘電体キャパシタ1
04aから分極の状態に応じた信号電圧が、データ信号
線12a上に読み出される。同時に、対となるデータ信
号線/12a上には、回路108bによってリファレン
スレベルを発生させる。続く期間において、センスア
ンプ制御信号線16を活性化し、データ信号線対12a
と/12aとの間の差電圧をセンス増幅する。
【0025】メモリ装置外部から入力したデータをメモ
リセルに書き込む場合には、期間において、所望のデ
ータに対応する電圧をデータ信号線対12a,/12a
に設定しておく。
【0026】期間において、センスアンプ制御信号線
16をロウレベルとすることによりセンスアンプを非活
性とし、さらにデータ信号線バランス制御信号線22を
ハイレベルとして、データ信号線レベルをプレート線と
同じ中間電圧Vmとする。こうすることにより、メモリ
セルキャパシタの分極を、データ読み出し前の状態に
戻すことができる。
【0027】期間で選択信号線11aをロウレベルに
下げ、メモリセルトランジスタを非導通とした後、期間
でデータ信号線対12a,/12aを接地電圧にプリ
チャージした状態にして、メモリセルへのアクセス動作
の1サイクルを完了する。
【0028】強誘電体キャパシタから読み出される信号
電圧は、強誘電体キャパシタの両電極間にかけられる電
圧値に依存し、一般に、両電極間にかけられる電圧値が
大きいほど信号電圧も大きい。上に述べた例のような強
誘電体メモリ装置の動作では、強誘電体キャパシタの両
電極間にかけられる電圧は、プレート線設定電圧とデー
タ信号線の電圧振幅とに関係する。したがって、プレー
ト線設定電圧およびデータ信号線の電圧振幅は、強誘電
体から読み出される信号電圧を、センスアンプが正常に
データをセンス増幅できる値であるならば、どのように
設定してもよい。例えば、プレート線の設定電圧を、電
源電圧の1/2に、データ信号線の振幅を接地電圧と電
源電圧の間とする方法がある。電源電圧は、メモリ装置
外部から供給されるものでもよいし、メモリ装置内部の
電圧発生回路で発生された電圧でもよい。
【0029】図15に、データ信号線プリチャージ・バ
ランス制御回路116a,bの具体的回路を示す。デー
タ信号線プリチャージ用トランジスタ117,118は
図7や図11と同様であり、それに加えて、データ信号
線バランス用トランジスタ119が設けられている。デ
ータ信号線対12,/12がそれぞれ電源電圧と接地電
圧とになっている状態から、トランジスタ119を導通
させると、データ信号線対12,/12はほぼ等しい寄
生容量値を持つため、データ信号線電圧は電源電圧の1
/2となる。プレート線設定電圧が電源電圧の1/2の
場合には、このような回路が有効である。
【0030】図13,図14では、1T/1C型のメモ
リセルを用いて説明したが、プレート線を駆動せずに動
作させる強誘電体メモリ装置は、メモリセルの型によら
ない。
【0031】図7の2T/2C型などのメモリセルで
も、各々対応する信号線を図14と同様に駆動制御する
ことで、同様の動作が可能である。
【0032】上記の図8,図12,図14の例では、デ
ータ信号線のプリチャージレベルを接地電圧としたが、
この電圧は、選択信号線11aをハイレベルとしたとき
に、強誘電体キャパシタの両電極間にゼロでない電圧が
かかるような値であればよく、接地電圧に限ることはな
い。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
強誘電体メモリ装置では、メモリセルからデータを読み
出す場合に、次に記すような事情により、強誘電体キャ
パシタの両電極間に十分な電圧がかからないという問題
点があった。
【0034】図8,図12で説明したような、プレート
線を駆動して動作させる型(以下、プレート駆動型とよ
ぶ)の強誘電体メモリ装置において、メモリセルからデ
ータを読み出す時には、ビット線がフローテイングであ
る。したがって、プレート線をロウレベルからハイレベ
ルへと駆動した際に、メモリセルの強誘電体キャパシタ
を介したカップリングによってデータ信号線電圧が変動
し、強誘電体キャパシタの両電極間に抗電界ECに強誘
電体の膜厚を乗じて電圧に換算した抗電圧VC以上の電
圧がかからなくなってしまい、強誘電体の分極反転が起
こらなくなってしまう場合が起こりうる。
【0035】このことを図16を用いてさらに詳しく説
明する。
【0036】データ信号線の寄生容量値をCD、強誘電
体キャパシタの常誘電体成分の容量値をCSとする。
【0037】選択信号線11を、メモリセルスイッチン
グトランジスタ102が非導通、すなわちメモリセル1
01が非選択となっている状態から、トランジスタ10
2が導通する電圧VBOOTを選択信号線11に与えた
状態とする。そして、プレート線13を初期状態の電圧
VPL0から、最終状態の電圧VPLに駆動したとき、
データ信号線12の初期電圧をVDL0、最終電圧をV
DL、トランジスタ102と強誘電体キャパシタ104
とが接続されている節点23の初期電圧をVS0、最終
電圧はトランジスタ102が導通しているためVDLと
なる、とすると、初期状態の図16の系の全電荷Qi
は、 Qi=CS×(VS0−VPL0)+CD×VDL0 …(2) 最終状態の系の全電荷Qfは、 Qf=CS×(VDL−VPL)+CD×VDL …(3) Qi=Qfでなければならないという条件から、最終状
態における、強誘電体キャパシタの両電極間にかかる電
圧の絶対値|VPL−VDL|を求めると、
【0038】
【数5】
【0039】となる。一方、この|VPL−VDL|
は、強誘電体キャパシタの抗電圧より大きくなければな
らないから、 |VPL−VDL|≧VC …(5) ここで、データ信号線を接地電圧GNDプリチャージ、
すなわちVDL0=0、また、VS0,VPL0いずれ
もGNDであったとすると、(4),(5)式は次のよ
うになる。
【0040】
【数6】
【0041】仮に、VC=1.5V、VPL=3.3V
とすると、(6)式は CD ≧ 0.833…×CS …(7) となる。
【0042】(7)式は、データ信号線の寄生容量値C
Dに下限があり、CDがその下限値以上でないと、強誘
電体キャパシタの両電極間にVC以上の電圧がかからな
いことを示している。このように、プレート線を駆動す
ることによって、強誘電体キャパシタを介したカップリ
ングによってデータ信号線の電圧が変動するため、一般
的に、(4),(5)式に示す条件を満たさないと、メ
モリセルから十分な読み出し信号電圧が得られない。
【0043】一方、図14で説明したような、プレート
線を駆動せずに動作させる型(以下、プレート非駆動型
とよぶ)の強誘電体メモリ装置においても、メカニズム
は上記のプレート駆動型と異なるが、その場合と同様の
問題が生じる。
【0044】プレート非駆動型の強誘電体メモリ装置に
おいては、メモリセルにアクセスしていない状態では、
記憶データを破壊しないために、強誘電体キャパシタの
両電極間にかかる電圧をゼロにしておく必要がある。す
なわち、プレート線を中間電圧に設定してあると、強誘
電体キャパシタの対極の節点、つまりメモリセルスイッ
チングトランジスタと強誘電体キャパシタとを接続した
節点も同じ中間電圧になっている。この状態から、メモ
リセルよりデータを読み出すために、選択信号線をハイ
レベルに上げると、まず、データ信号線上に、強誘電体
キャパシタとメモリセルのスイッチングトランジスタと
の接続節点に蓄えられている電荷が、データ信号線上に
出力されるために、データ信号線電圧がそのプリチャー
ジレベルから変動する。このため、強誘電体キャパシタ
の両電極間に抗電圧VC以上の電圧がかからなくなって
しまい、強誘電体の分極反転が起こらなくなってしまう
場合が起こりうる。
【0045】図16と同様に、図17を用いてこの問題
について詳しく説明する。図17が図16と異なる点
は、プレート線13の電圧が一定値VPLCであること
である。
【0046】ここで、選択信号線11を、メモリセルス
イッチングトランジスタ102が非導通、すなわちメモ
リセル101が非選択となっている初期状態から、トラ
ンジスタ102が導通する電圧VBOOTを選択信号線
11に与えた最終状態へ移る場合について考える。
【0047】プレート線の電圧VPLCを除き、図16
と同様の記号を用いると、初期状態の図34の系の全電
荷Qiは、 Qi=CS×(VS0−VPLC)+CD×VDL0 …(8) 最終状態の系の全電荷Qfは、 Qf=CS×(VDL−VPLC)+CD×VDL …(9) Qi=Qfでなければならないという条件から、最終状
態における、強誘電体キャパシタの両電極間にかかる電
圧の絶対値|VPLC−VDL|を求めると、
【0048】
【数7】
【0049】となる。プレート駆動型の場合と同様、こ
の|VPLC−VDL|は、強誘電体キャパシタの抗電
圧より大きくなければならないから、 |VPLC−VDL|≧VC …(11) ここでまた、データ信号線を接地電圧GNDプリチャー
ジ、すなわちVDL0=0、また、VS0,VPLCい
ずれも電源電圧VCCの1/2であったとすると、(1
0),(11)式は次のようになる。
【0050】
【数8】
【0051】仮に、VC=1.5V、VCC=3.3V
とすると、(12)式は CD ≧ 10×CS …(13) となる。
【0052】(13)式も(7)式と同様、データ信号
線の寄生容量値CDに下限値があることを示している。
このように、プレート線非駆動型の強誘電体メモリ装置
においても、一般的に(10),(11)式に示す条件
を満たさないと、メモリセルから十分な読み出し信号電
圧が得られないことがわかる。
【0053】以上のことは、データ信号線の寄生容量値
CDの下限値についての議論であった。ところで、メモ
リセルから読み出される信号電荷をデータ信号線上に出
力して信号電圧とする読み出し方式の場合には、まず、
2T/2C型メモリセルを用いた場合、信号電圧VSI
Gは、図6における電荷Q0 およびQ1 、または電荷Q
rを用いて、
【0054】
【数9】
【0055】となる。ここで、関係式(1)を用いてい
る。
【0056】また、1T/1C型メモリセルを用い、リ
ファレンスレベル発生回路によってリファレンスレベル
を発生する読み出し方式の場合には、図10における電
荷Q0 およびQ1 、または電荷Qrを用い、かつここで
も(1)式を使って、
【0057】
【数10】
【0058】となる。このときの因子1/2は、リファ
レンスレベルが、データ“0”読み出し時のデータ信号
線の電圧と、データ“1”読み出し時のデータ信号線の
電圧の、ちょうど中間の電圧に設定された場合を意味し
ている。リファレンスレベル発生回路の方式により、前
記リファレンスレベルがその中間の値からずれるときに
は、因子1/2でなく、0より大きく1より小さい、あ
る値になる。
【0059】(14)または(15)のVSIGは、セ
ンスアンプが正常にデータ増幅できる最小電圧値VSE
を上回らなければならないから、 VSIG ≧ VSE …(16) すなわち、(16)式は、寄生容量値CDがある程度以
上になると、VSIGが小さくなりすぎ、センスアンプ
が正常にデータを増幅可能な最小電圧値を下回ってしま
い、動作不可能になることを意味している。このことか
ら、寄生容量値CDには上限値もあることがわかる。
【0060】ここまで述べてきたことから、一般に、強
誘電体メモリ装置においては、寄生容量値CDと容量値
CSとの関係について、図18に示すような関係があ
る。図18で、一点鎖線がプレート駆動型強誘電体メモ
リ装置における寄生容量値CDの下限値を、点線がプレ
ート非駆動型強誘電体メモリ装置における寄生容量値C
Dの下限値を、それぞれ示し、また、実線は、センスア
ンプが正常にデータ増幅可能となる読み出し信号電圧を
メモリセルから得るために必要な寄生容量値CD上限値
を示している。ハッチングのかかった部分が、プレート
駆動型および非駆動型それぞれの動作モードにおける、
動作可能範囲となる。
【0061】以上述べたように、強誘電体メモリ装置に
おいては、メモリセルからデータを読み出す際に、その
動作方式によってメカニズムの違いはあるにせよ、デー
タ信号線の電圧変動が起こるために、ある条件のもとで
は、強誘電体キャパシタの両電極間に、分極が反転する
電圧である抗電圧がかからず、正常なデータ読み出し動
作が行われないという問題点があった。
【0062】本発明の目的は、上記問題点を解決し、安
定した動作が可能な強誘電体メモリ装置およびその動作
制御方法を提供することにある。
【0063】
【課題を解決するための手段】本発明の強誘電体メモリ
装置は、強誘電体材料を用いた強誘電体キャパシタ、デ
ータの入出力を行うデータ信号線、アドレス信号に対応
して選択される選択信号線、前記強誘電体キャパシタと
前記データ信号線との間に設けられ、かつ前記選択信号
線により選択制御されるスイッチ手段とからなり、前記
強誘電体キャパシタの分極状態を記憶データに対応さ
せ、前記強誘電体キャパシタの両電極間にゼロでない第
1の電圧をかけたときに、前記強誘電体キャパシタと前
記データ信号線との間に流れる電流が前記強誘電体キャ
パシタの分極の状態により異なることを利用し、前記電
流の前記記憶データによる差異を検知する、ないしは前
記電流の差異により前記データ信号線上に現れる電圧の
違いを検知することで、記憶されていたデータの読み出
しを行うメモリセル、前記複数のメモリセルが接続され
た前記データ信号線を、前記記憶されていたデータによ
る電流の差異を検知する回路である電流型センスアンプ
または前記電圧の差異を検知する回路である電圧型セン
スアンプに入力した単位メモリセルアレイ、前記単位メ
モリセルアレイを複数配列したメモリセルアレイを有
し、前記選択信号線を、前記メモリセルが選択状態とな
る第2の電圧に設定し、前記メモリセルからデータをデ
ータ信号線上に読み出す際に、前記強誘電体キャパシタ
の分極による電流以外の要因により前記データ信号線電
圧が変動することを抑制するために、前記データ読み出
し動作時に、一時的に前記データ信号線の寄生容量値を
制御する手段を具備することを特徴とする。
【0064】また本発明は、前記強誘電体メモリ装置の
動作制御方法において、前記強誘電体キャパシタに記憶
されているデータを読み出す際に、データ信号線の電圧
を第3の電圧に設定し、プレート線の電圧を、データ読
み出し動作前の電圧である第4の電圧から、第3の電圧
と異なる第5の電圧に駆動し、選択信号線の電圧を前記
メモリセルが選択状態となる第2の電圧に設定して、前
記強誘電体キャパシタの第1と第2の端子間に電圧差を
生じさせることにより、前記データ信号線上に、前記メ
モリセルが記憶しているデータに対応する信号を出力さ
せることを特徴とする。
【0065】
【作用】本発明では、メモリセルからデータを読み出す
際に、データ信号線の電圧変動を抑制し、強誘電体キャ
パシタの両電極間に確実に抗電圧以上の電圧をかける手
段として、データ線1本あたりに接続されるメモリセル
数を調節することにより、強誘電体メモリを安定に動作
させる。
【0066】
【実施例】本発明の実施例について、図面を用いて説明
する。
【0067】まず、第1の実施例について、図1を用い
て説明する。図1は、図11,図12で説明した、1T
/1C型メモリセルを用いたプレート駆動型の強誘電体
メモリ装置に、本発明を適用した例である。
【0068】ここでは、前記の(4),(5)式に表さ
れる関係を満たすように、データ信号線の寄生容量値C
Dを設定する。具体的には、データ信号線1本あたりに
接続されるメモリセルの数(nとする)によって、容量
値CDを調節することができる。
【0069】メモリセルに対するデータの読み出しおよ
び書き込み動作のタイミングチャートを図2に示すが、
これは、図12と同様にして行うことができるため、説
明を省略する。
【0070】nの決定方法の例について述べる。一般
に、条件式(4),(5)、そして、それらから導かれ
る(6),(7)式はCDの下限値を決めるため、それ
は、データ信号線1本あたりに接続されるメモリセル数
の下限値を決定する。例えば、寄生容量値CSが200
fF、メモリセル1つあたりのデータ信号線部分の寄生
容量が5fF、センスアンプやプリチャージ回路等のメ
モリセル部を除いた部分のデータ信号線の寄生容量が5
0fFであるような強誘電体メモリ装置を仮定して
(7)式を適用して(したがって動作電圧等の条件は
(7)式の仮定に従う)、プレート駆動型の動作が可能
となるためのデータ信号線1本あたりに接続されるメモ
リセル数の下限値を求めると、 50fF+5fF×n ≧ 0.833…×200fF …(17) これから、 n ≧ 23 …(18) が得られる。
【0071】図13,図14に示したプレート非駆動型
の強誘電体メモリ装置にも、本発明を適用できる。図3
にその回路を、図4にその動作タイミングチャートを示
す。
【0072】この場合には、前記の(10),(11)
式に表される関係を満たすように、第1の実施例と同様
にデータ信号線あたりに接続されるメモリセル数を設定
する。
【0073】メモリセルに対するデータの読み出しおよ
び書き込み動作は、図14と同様にして行うことができ
るため、説明を省略する。
【0074】nの決定方法は、容量値CSなどの条件と
して、プレート駆動型の場合と同じ場合を例にとると、
条件式(10),(11)、そして、それらから導かれ
る(12),(13)式を満たすように、nを決定す
る。上記条件に対して(13)式を適用して(したがっ
て動作電圧等の条件は(13)式の仮定に従う)、 50fF+5fF×n ≧ 10×200fF …(19) これから、 n ≧ 390 …(20) が得られる。
【0075】一方、第1の実施例および第2の実施例い
ずれに対しても、データ信号線1本あたりに接続される
メモリセル数の上限値は、「発明が解決しようとする課
題」の項で述べたように、センスアンプが正常にデータ
増幅動作が可能となる信号電圧をメモリセルから得るこ
とができるための条件から決定される。
【0076】まず、2T/2C型のメモリセルに対して
考える。例えば、センスアンプ部およびメモリセル1つ
あたりのデータ信号線寄生容量値、CS値が上記の仮定
の通りで、かつ、センスアンプが正常にデータ増幅でき
る最小電圧値が100mV、図6の(Q1 −Q0 )が1
000fCであるような強誘電体メモリ装置について、
(14),(16)式を適用すると、 1000fC/(50fF+5fF×n+200fF) ≧100mV …(21) これから、 1950 ≧ n …(22) が得られる。
【0077】次に、1T/1C型のメモリセルについて
考える。上記2T/2C型メモリセルの場合と同様の仮
定を行い、今度は(15),(16)式を適用すると、 (1/2)×1000fC/(50fF+5fF×n+200fF) ≧100mV …(23) これから、 950 ≧ n …(24) が得られる。
【0078】以上のようにして、nに対する制限を調
べ、その条件を満たすようにメモリセルアレイ構成、具
体的にはデータ信号線あたりのメモリセル数を決定する
ことにより、本発明は適用される。
【0079】以上説明してきた本発明の実施例では、メ
モリセルとして1T/1C型と2T/2C型のものを例
にとってきたが、本発明の適用はそれらのメモリセルに
限ることはない。データを読み出す時に強誘電体キャパ
シタの両電極間に電圧をかける際、強誘電体キャパシタ
の両電極に接続される節点の電圧変動が問題となるよう
な動作方式をとる強誘電体メモリ装置全てに、本発明は
上記の実施例と同様にして適用可能である。また、以上
に述べた各々の実施例同士を組み合わせて本発明のメモ
リ装置を実現することも可能である。
【0080】また、本発明は、メモリセルからデータを
読み出す際、メモリセル選択信号線を活性化したとき
に、メモリセルの強誘電体キャパシタの両電極間に、強
誘電体に分極反転を行わせるのに十分な電圧をかける方
法として、データ信号線あたりに接続されるメモリセル
数に制限を加えているが、メモリ装置としてのその他の
動作、例えば、メモリセルの選択制御方法、データ信号
線プリチャージ方式、センス増幅の具体的方法、リファ
レンスレベルの発生方式などには依存せずに適用され
る。
【0081】
【発明の効果】本発明の強誘電体メモリ装置を用いるこ
とにより、データ読み出し時のデータ信号線の電圧変動
によって、強誘電体キャパシタの両電極間に抗電圧以上
の電圧がかからずに、十分な読み出し信号電圧を得るこ
とができない、という事態を回避でき、安定した強誘電
体メモリ装置動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である、データ信号線の
寄生容量値を、データ信号線1本あたりに接続されるメ
モリセル数で調節した強誘電体メモリ装置の回路図であ
る。
【図2】図1の動作タイミングチャートである。
【図3】本発明の第2の実施例である、データ信号線の
寄生容量値を、データ信号線1本あたりに接続されるメ
モリセル数で調節した強誘電体メモリ装置の回路図であ
る。
【図4】図3の動作タイミングチャートである。
【図5】2つのトランジスタと2つの強誘電体キャパシ
タとからなるメモリセル回路例を示す図である。
【図6】図5の強誘電体キャパシタの両電極間にかかる
電圧Vと自発分極電荷Qとの関係を示す図である。
【図7】図5のメモリセルを用いた強誘電体メモリ装置
のメモリセルアレイ回路例を示す図である。
【図8】図7の動作タイミングチャートである。
【図9】1つのトランジスタと1つの強誘電体キャパシ
タとからなるメモリセル回路例を示す図である。
【図10】図9の強誘電体キャパシタの両電極間にかか
る電圧Vと自発分極電荷Qとの関係を示す図である。
【図11】図9のメモリセルを用いた強誘電体メモリ装
置のメモリセルアレイ回路例を示す図である。
【図12】図11の動作タイミングチャートである。
【図13】1T/1C型メモリセルを用いたプレート非
駆動型強誘電体メモリ装置のメモリセルアレイ回路例を
示す図である。
【図14】図13の動作タイミングチャートである。
【図15】データ信号線プリチャージ・バランス制御回
路例を示す図である。
【図16】プレート駆動型強誘電体メモリ装置におい
て、メモリセルからデータを読み出す時の、データ信号
線の電圧変動を示す図である。
【図17】プレート非駆動型強誘電体メモリ装置におい
て、メモリセルからデータを読み出す時の、データ信号
線の電圧変動を示す図である。
【図18】データ信号線寄生容量値および強誘電体キャ
パシタの常誘電体成分容量値と、強誘電体メモリ装置の
動作可能範囲との関係を示す図である。
【符号の説明】
11,11a,11b,11c 選択信号線 12,12a,12b,/12,/12a,/12b
データ信号線 13,13a,13b,13c プレート線 14 データ信号線プリチャージ制御信号線 15 データ信号線プリチャージ電源線 16 センスアンプ制御信号線 17a,17b リファレンスレベル発生回路制御信号
線 22 データ信号線バランス制御信号線 23 メモリセル内部節点 101,101a,101b,101c,101d,1
01e,101f 強誘電体メモリセル 102,102a,103,103a メモリセルスイ
ッチングトランジスタ 104,104a,105,105a 強誘電体キャパ
シタ 106a,106b データ信号線プリチャージ回路 107a,107b センスアンプ回路 108a,108b,108c,108d リファレン
スレベル発生回路 116,116a,116b データ信号線プリチャー
ジ・バランス制御回路 117,118 データ信号線プリチャージ用トランジ
スタ 119 データ信号線バランス用トランジスタ Q 強誘電体分極電荷量 V 電圧 Ve 強誘電体キャパシタ電極間にかかる電圧 Q0 ,Q1 強誘電体キャパシタから出力される電荷量 Qr 強誘電体の残留分極電荷 VDL0 データ信号線電圧初期値 VDL データ信号線電圧最終値 VS0 メモリセル内部節点電圧初期値 VPL0 プレート線電圧初期値 VPL プレート線電圧最終値 Qi メモリセルアレイ系の初期総電荷量 Qf メモリセルアレイ系の最終総電荷量 EC 強誘電体の抗電界 VC 強誘電体の抗電圧 Vm プレート線中間電圧設定値 VSIG メモリセルから読み出される信号電圧値 VSE センスアンプが正常にデータ増幅可能な最小信
号電圧値 CD データ信号線寄生容量値 CS 強誘電体キャパシタの常誘電体成分容量値 VCC 電源電圧 VBOOT 電源電圧 GND 接地電圧 n データ信号線1本あたりに接続されるメモリセル数

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強誘電体材料を用いた強誘電体キャパシ
    タ、データの入出力を行うデータ信号線、アドレス信号
    に対応して選択される選択信号線、前記強誘電体キャパ
    シタと前記データ信号線との間に設けられ、かつ前記選
    択信号線により選択制御されるスイッチ手段とからな
    り、前記強誘電体キャパシタの分極状態を記憶データに
    対応させ、前記強誘電体キャパシタの両電極間にゼロで
    ない第1の電圧をかけたときに、前記強誘電体キャパシ
    タと前記データ信号線との間に流れる電流が前記強誘電
    体キャパシタの分極の状態により異なることを利用し、
    前記電流の前記記憶データによる差異を検知する、ない
    しは前記電流の差異により前記データ信号線上に現れる
    電圧の差異を検知することで、記憶されていたデータの
    読み出しを行うメモリセル、前記複数のメモリセルが接
    続された前記データ信号線を、前記記憶されていたデー
    タによる電流の差異を検知する回路である電流型センス
    アンプまたは前記電圧の差異を検知する回路である電圧
    型センスアンプに入力した単位メモリセルアレイ、前記
    単位メモリセルアレイを複数配列したメモリセルアレイ
    を有し、 前記選択信号線を、前記メモリセルが選択状態となる第
    2の電圧に設定し、前記メモリセルからデータをデータ
    信号線上に読み出す際に、前記強誘電体キャパシタの分
    極による電流以外の要因により前記データ信号線電圧が
    変動することを抑制するために、前記データ信号線の寄
    生容量値を制御する手段を具備することを特徴とする強
    誘電体メモリ装置。
  2. 【請求項2】前記メモリセルが、1つ以上の強誘電体キ
    ャパシタと1つ以上のトランジスタとからなることを特
    徴とする請求項1記載の強誘電体メモリ装置。
  3. 【請求項3】前記メモリセルが、1つの強誘電体キャパ
    シタと1つのトランジスタとからなり、前記強誘電体キ
    ャパシタの第1および第2の端子を、それぞれ前記トラ
    ンジスタのソース端子およびプレート線に接続し、前記
    トランジスタのドレイン端子をデータ信号線に接続し、
    前記トランジスタのゲート端子を選択信号線に接続した
    ことを特徴とする請求項2記載の強誘電体メモリ装置。
  4. 【請求項4】前記メモリセルが、2つの強誘電体キャパ
    シタと2つのトランジスタとからなり、第1の強誘電体
    キャパシタの第1および第2の端子を、それぞれ第1の
    トランジスタのソース端子およびプレート線に接続し、
    前記第1のトランジスタのドレイン端子を第1のデータ
    信号線に、ゲート端子を選択信号線にそれぞれ接続し、
    第2の強誘電体キャパシタの第1および第2の端子を、
    それぞれ第2のトランジスタのソース端子およびプレー
    ト線に接続し、前記第2のトランジスタのドレイン端子
    を第2のデータ信号線に、ゲート端子を選択信号線にそ
    れぞれ接続したことを特徴とする請求項2記載の強誘電
    体メモリ装置。
  5. 【請求項5】前記メモリセルが、1つの強誘電体キャパ
    シタと2つのトランジスタとからなり、前記強誘電体キ
    ャパシタの第1および第2の端子を、それぞれ第1およ
    び第2のトランジスタのソース端子に接続し、第1のト
    ランジスタのドレイン端子を第1のデータ信号線に、ゲ
    ート端子を選択信号線にそれぞれ接続し、第2のトラン
    ジスタのドレイン端子を第2のデータ信号線に、ゲート
    端子を選択信号線にそれぞれ接続したことを特徴とする
    請求項2記載の強誘電体メモリ装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の強誘電体
    メモリ装置の動作を制御する方法において、前記強誘電
    体キャパシタに記憶されているデータを読み出す際に、
    データ信号線の電圧を第3の電圧に設定し、プレート線
    の電圧を、データ読み出し動作前の電圧である第4の電
    圧から、第3の電圧と異なる第5の電圧に駆動し、選択
    信号線の電圧を前記メモリセルが選択状態となる第2の
    電圧に設定して、前記強誘電体キャパシタの第1と第2
    の端子間に電圧差を生じさせることにより、前記データ
    信号線上に、前記メモリセルが記憶しているデータに対
    応する信号を出力させることを特徴とする強誘電体メモ
    リ装置の動作制御方法。
  7. 【請求項7】前記データ信号線の寄生容量値をCD、前
    記強誘電体キャパシタの常誘電体成分の容量値をCS、
    前記強誘電体キャパシタの抗電界に前記強誘電体の膜厚
    を乗じて電圧に換算した値である抗電圧をVC、第4の
    電圧をVPL0、第5の電圧をVDL、第3の電圧をV
    DL0、メモリセル内のスイッチ手段と強誘電体キャパ
    シタとを接続した節点のデータ読み出し動作前の電圧を
    VS0とした場合、それぞれの量の間に、 【数1】 なる関係が成立するように、前記データ信号線の寄生容
    量値CDを、前記データ信号線に接続されるメモリセル
    の数により設定することで、データ読み出し時に前記プ
    レート線を駆動することによるデータ信号線電圧変動を
    抑制し、前記強誘電体キャパシタの第1と第2の電極間
    に抗電界以上の電界をかけることを特徴とする請求項6
    記載の強誘電体メモリ装置の動作制御方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜5のいずれかに記載の強誘電体
    メモリ装置の動作を制御する方法において、前記メモリ
    セルに記憶されているデータを読み出す際に、前記デー
    タ信号線の電圧を第3の電圧に設定し、前記プレート線
    の電圧を一定電圧でありかつ第3の電圧と異なる第6の
    電圧に設定し、前記選択信号線の電圧を前記メモリセル
    が選択状態となる第2の電圧に設定して、前記強誘電体
    キャパシタの第1と第2の端子間に電圧差を生じさせる
    ことにより、前記データ信号線上に、前記メモリセルが
    記憶しているデータに対応する信号を出力させる強誘電
    体メモリ装置の動作制御方法。
  9. 【請求項9】前記データ信号線の寄生容量値をCD、前
    記強誘電体キャパシタの常誘電体成分の容量値をCS、
    前記強誘電体キャパシタの抗電界に前記強誘電体の膜厚
    を乗じて電圧に換算した値である抗電界をVC、第6の
    電圧をVPLC、第3の電圧をVDL0、前記メモリセ
    ル内のスイッチ手段と前記強誘電体キャパシタとを接続
    した節点のデータ読み出し動作前の電圧をVS0とした
    場合、それぞれの量の間に、 【数2】 なる関係が成立するように、前記データ信号線の寄生容
    量値CDを、前記データ信号線に接続される前記メモリ
    セルの数により設定することで、データ読み出し時のデ
    ータ信号線電圧変動を抑制し、前記強誘電体キャパシタ
    の第1と第2の電極間に抗電界以上の電界をかけること
    を特徴とする請求項8記載の強誘電体メモリ装置の動作
    制御方法。
  10. 【請求項10】前記データ信号線の寄生容量値をCD、
    前記強誘電体キャパシタの常誘電体成分の容量値をC
    S、前記強誘電体キャパシタの残留分極電荷をQr、前
    記電圧型センスアンプが正常にデータを増幅できる最小
    の信号電圧である電圧分解能をVSEとした場合、それ
    ぞれの量の間に 【数3】 なる関係が成立するように、前記データ信号線の寄生容
    量値CDを、前記データ信号線に接続される前記メモリ
    セルの数により設定することを特徴とする請求項6また
    は8記載の強誘電体メモリ装置の動作制御方法。
  11. 【請求項11】前記データ信号線の寄生容量値をCD、
    前記強誘電体キャパシタの常誘電体成分の容量値をC
    S、前記強誘電体キャパシタの残留分極電荷をQr、前
    記電圧型センスアンプが正常にデータを増幅できる最小
    の信号電圧である電圧分解能をVSEとした場合、それ
    ぞれの量の間に 【数4】 なる関係が成立するように、前記データ信号線の寄生容
    量値CDを、前記データ信号線に接続される前記メモリ
    セルの数により設定することを特徴とする請求項6また
    は8記載の強誘電体メモリ装置および前記強誘電体メモ
    リ動作制御方法。
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