JPH08184340A - ディスクロータ - Google Patents

ディスクロータ

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JPH08184340A
JPH08184340A JP34101394A JP34101394A JPH08184340A JP H08184340 A JPH08184340 A JP H08184340A JP 34101394 A JP34101394 A JP 34101394A JP 34101394 A JP34101394 A JP 34101394A JP H08184340 A JPH08184340 A JP H08184340A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cast iron
flake graphite
graphite cast
pearlite
disk
Prior art date
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Pending
Application number
JP34101394A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Satou
高浩 佐藤
Tsutomu Kurikuma
勉 栗熊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Takaoka Co Ltd
Original Assignee
Aisin Takaoka Co Ltd
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Publication date
Application filed by Aisin Takaoka Co Ltd filed Critical Aisin Takaoka Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ディスク部の耐磨耗性が良好であり、かつ、
ハット部が薄肉のディスクロータを得る。 【構成】 ディスクロータは、環状ディスク部と有底円
筒状ハット部とが一体に鋳造されている。該ディスク部
は、パーライト単独組織を有するため良好な耐磨耗性を
有し、該ハット部は、図3の顕微鏡写真に示すように体
積比率で75%のベイナイトと25%の残留オーステナ
イトとの混合組織を有するため高い強度を有する。本デ
ィスクロータは、重量比でC:3.7%、Si:2.0
%、Mn:0.6%、S:0.1%、P:0.05%、
残部実質的に鉄からなる成分組成を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディスクロータの改良
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のディスクロータとして、C:3.
7〜4.2wt%、Si:2.3〜3.0wt%、M
n:0.7〜3.0wt%、およびCr:0.2〜1.
0wt%を含み、残部Feと不可避的不純物からなる合
金を800〜950℃に0.5〜2時間保持した後、2
〜30℃/secの冷却速度で強制空冷してなる鋳鉄材
から形成されたものがある(特開平2−134425号
公報記載)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記鋳鉄製ディスクロ
ータは、上記組成を有する合金を800〜950℃に
0.5〜2時間保持することにより、合金内に析出した
片状黒鉛の尖端を固溶させて丸みをつけ、塊状化し、さ
らに、上記加熱処理後に2〜30℃/secの冷却速度
で強制空冷することにより基地のパーライトを緻密化さ
せて材料の強度向上を図ったものであるが、上記鋳鉄製
ディスクロータの有底円筒状ハット部を薄肉化した場
合、材料の強度不足が生じるという問題点がある。そこ
で、本発明は、上記問題点を解消するためになされたも
のであり、有底円筒状ハット部の薄肉化が可能なディス
クロータを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のディスク
ロータは、環状ディスク部が体積比で95%以上のパー
ライトと残部フェライトとの混合組織を有する片状黒鉛
鋳鉄又はパーライト単独組織を有する片状黒鉛鋳鉄から
なり、かつ、有底円筒状ハット部が体積比で40%以上
のベイナイトと残留オーステナイトとの混合組織を有す
る片状黒鉛鋳鉄からなることを特徴とする。請求項2記
載のディスクロータは、重量比で、C:3.5〜4.2
%、Si:1.4〜2.6%,Mn:0.4〜1.0
%,S:0.05〜0.15%,P:0.2%以下、残
部Feおよび不純物からなり、環状ディスク部が体積比
で95%以上のパーライトと残部フェライトとの混合組
織を有する片状黒鉛鋳鉄又はパーライト単独組織を有す
る片状黒鉛鋳鉄からなり、かつ、有底円筒状ハット部が
体積比で40%以上のベイナイトと残留オーステナイト
との混合組織を有する片状黒鉛鋳鉄からなることを特徴
とする。
【0005】請求項2記載のディスクロータを形成する
鋳鉄材は、重量比で、C:3.5〜4.2%、Si:
1.4〜2.6%,Mn:0.4〜1.0%、S:0.
05〜0.15%、P:0.2%以下、残部Feおよび
不純物からなるが、耐磨耗性の向上を目的として、C
r:0.05〜0.4%、Cu:0.1〜0.5%、S
n:0.01〜0.05%、Sb:0.01〜0.05
%、Ni:0.1〜2.0%、Mo:0.1〜1.0%
を適宜添加することも可能である。
【0006】ディスクロータを形成する鋳鉄材の成分組
成および基地組織の限定理由について説明する。 (成分組成) (1)C:3.5〜4.2% Cは3.5%より少ないと熱伝導性が不十分であり、
4.2%を超えると粗大な黒鉛が晶出して強度が低下す
るため、3.5〜4.2%とした。 (2)Si:1.4〜2.6% Siは1.4%より少ないとチル化が生じ、2.6%を
超えるとフェライトが析出するため、1.4〜2.6%
とした。 (3)Mn:0.4〜1.0% Mnは0.4%より小さいとパーライトが生じず、1.
0%を超えるとチル化が生じるため、0.4〜1.0%
とした。 (4)S:0.05〜0.15% Sは0.05%より少ないと黒鉛の長さが短くなり、
0.15%を超えるとチル化が生じるため、0.05〜
0.15%とした。 (5)P:0.2%以下 Pは0.2%より多いとステダイトを生成して被削性が
低下するため、0.2%以下とした。
【0007】(基地組織)ディスク部が体積比で95%
以上のパーライトと残部フェライトとの混合組織を有す
るようにしたのは、パーライト組織が95%より少ない
とディスク部の耐磨耗性が低下するためである。ハット
部が体積比で40%以上のベイナイト組織を有するよう
にしたのは、ベイナイト組織が40%より少ないとハッ
ト部に十分な強度が得られないためである。
【0008】
【作用】本発明のディスクロータでは、環状ディスク部
に析出したパーライト組織が該環状ディスク部に耐磨耗
性を付与し、かつ有底円筒状ハット部に析出した体積比
で40%以上のベイナイトと残留オーステナイトとの混
合組織が該有底円筒状ハット部の強度を高める。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜3に基づい
て説明する。
【0010】(実施例)ディスクロータは、環状ディス
ク部1と有底円筒状ハット部2とが一体鋳造により形成
され、表1に示す成分組成を有している。
【0011】
【表1】
【0012】ディスクロータのディスク部1は、図2の
顕微鏡写真(3%ナイタール腐食,400倍)に示すよ
うにパーライト単独組織を有する片状黒鉛鋳鉄からな
り、かつ、該ハット部2は、図3の顕微鏡写真(3%ナ
イタール腐食,400倍)に示すように体積比で75%
のベイナイトと25%の残留オーステナイトとの混合組
織を有する片状黒鉛鋳鉄からなる。
【0013】ディスクロータのディスク部1に析出した
パーライト単独組織がディスク部1に耐磨耗性を付与
し、かつ、ハット部2に析出した体積比で75%のベイ
ナイトと25%の残留オーステナイトとの混合組織がハ
ット部2の強度を高める。
【0014】(比較例)比較例のディスクロータは、上
記実施例と同形状かつ同じ成分組成を有し、環状ディス
ク部1および有底円筒状ハット部2がパーライトの単独
組織を有する片状黒鉛鋳鉄から形成されている。
【0015】本実施例のディスクロータと比較例のディ
スクロータとの機械的性質を測定した結果を表2に示
す。なお、機械的性質として、ディスク部については引
張強度と耐磨耗性とを測定し、ハット部については引張
強度を測定した。
【0016】
【表2】
【0017】引張強度試験はJIS Z 2241「金
属材料引張試験法」に準じて行い、耐磨耗性試験は、リ
ングオンディスク磨耗試験機でディスク部の表面を磨耗
させ、その磨耗した深さを測定して行った。リングオン
ディスク磨耗試験機による磨耗試験の試験条件は、荷重
9.8N,速度3.6m/secで8時間実施とした。
【0018】表2から明らかなように、本実施例のディ
スク部の引張強度及び耐磨耗性(表2中「磨耗深さ」で
表示)は比較例のディスク部の引張強度及び耐磨耗性と
同程度であったが、本実施例のハット部の引張強度は比
較例のディスク部の引張強度に比べて6割程度大きくな
った。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、環状ディスク部が体積
比で95%以上のパーライトと残部フェライトとの混合
組織を有する片状黒鉛鋳鉄又はパーライト単独組織を有
する片状黒鉛鋳鉄からなり、かつ、有底円筒状ハット部
が体積比で40%以上のベイナイトと残留オーステナイ
トとの混合組織を有する片状黒鉛鋳鉄からなるので、環
状ディスク部の耐磨耗性が良好であり、かつ、有底円筒
状ハット部の強度が向上するため、該ハット部の薄肉化
が可能となり、ディスクロータの軽量化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すディスクロータの正面
図である。
【図2】ディスクロータのディスク部の金属組織を示す
顕微鏡写真である。
【図3】ディスクロータのハット部の金属組織を示す顕
微鏡写真である。
【符号の簡単な説明】
1 ディスク部 2 ハット部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状ディスク部が体積比で95%以上の
    パーライトと残部フェライトとの混合組織を有する片状
    黒鉛鋳鉄又はパーライト単独組織を有する片状黒鉛鋳鉄
    からなり、かつ、有底円筒状ハット部が体積比で40%
    以上のベイナイトと残留オーステナイトとの混合組織を
    有する片状黒鉛鋳鉄からなることを特徴とするディスク
    ロータ。
  2. 【請求項2】 重量比で、C:3.5〜4.2%、S
    i:1.4〜2.6%,Mn:0.4〜1.0%,S:
    0.05〜0.15%,P:0.2%以下、残部Feお
    よび不純物からなり、環状ディスク部が体積比で95%
    以上のパーライトと残部フェライトとの混合組織を有す
    る片状黒鉛鋳鉄又はパーライト単独組織を有する片状黒
    鉛鋳鉄からなり、かつ、有底円筒状ハット部が体積比で
    40%以上のベイナイトと残留オーステナイトとの混合
    組織を有する片状黒鉛鋳鉄からなることを特徴とするデ
    ィスクロータ。
JP34101394A 1994-12-28 1994-12-28 ディスクロータ Pending JPH08184340A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020018260A (ko) * 2000-09-01 2002-03-08 조옥순 자동차 제동장치용 로터의 재질개선 방법

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KR20020018260A (ko) * 2000-09-01 2002-03-08 조옥순 자동차 제동장치용 로터의 재질개선 방법

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