JPH08184267A - ドア用ガラスの額縁及びガラスの止着構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドアに嵌め込むガラスを止着する額縁であっ
て、ガラスの厚みが変化しても対応することが出来、し
かも取付け作業が楽で能率的なガラス額縁の提供。 【構成】 本発明のガラス額縁は硬質樹脂から成る額縁
本体１と軟質樹脂から成る押え片２を有し、押え片２は
ガラス枠に嵌められて止着するガラス面に面した押え面
４の上縁から突出し、ガラス面に直接接してガラス７を
止め付けする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は室内用ドアに嵌め込まれ
るガラスの額縁、及びガラスの止着構造に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】ガラスを嵌めている建具類は非常に多
く、それぞれの建具に適した嵌め込み方法が採用されて
いる。例えばアルミ製の窓、引き戸、間仕切りに使用す
るガラスパネル等に用いるガラスは一般にガスケットを
介して嵌め込んでいる。ガスケットはガラス枠の内側に
形成している溝に嵌着していて、ガラス枠の内周よりも
一回り小さなガラスが安定して取付けられる。

【０００３】ところが、屋内で使用する建具であって、
木製や樹脂製のドアに嵌め込むガラスは、該ドアの構造
及び外観を考慮してガスケットは用いられず、額縁が使
用されている。図３は従来から使用している室内用ドア
を示す一般的な形態である。該ドアは縦長の長方形を成
し、片側端部には持ち手(イ) が取付けられている。又、
該ドアには縦細長の２枚のガラス(ロ) 、(ロ) が嵌め込ま
れている。

【０００４】勿論、このガラスはその形状・大きさ等色
々であり、１枚の大きなガラスが嵌められることもあ
り、又は上下方向に四角形のガラスが嵌められる場合も
ある。図４（ａ）は上記図３におけるＡ−Ａ断面拡大図
であるが、ガラス(ロ) は左右の額縁(ハ) 、（ニ)に挟み込
まれて取り付けされている。額縁(ハ) をガラス枠内に固
定しておき、その後ガラス(ロ) を嵌入し、更に嵌入した
ガラス(ロ) が外れないように他方の額縁（ニ)を取り付け
固定することになる。

【０００５】上記額縁(ハ) 、（ニ)はその下縁に当たり片
(ホ) 、(ホ) が形成され、ガラス枠に嵌めた場合にはドア
の表面(ヘ) 、(ヘ) に当接して位置決めされる。従って、
ガラス枠に嵌められるガラス(ロ) の厚さによっては額縁
とガラス面との間に隙間が生じ、この隙間を埋める為に
樹脂を流し込んでコーキングがなされている。しかし該
コーキング処理は作業者によって一定せず、額縁上面
(ト) に大きく盛り上がったりして、額縁(ハ) 、（ニ)とガ
ラス(ロ) との境界部の外観が損なわれる。

【０００６】一方、図４（ｂ）は押え面(チ) にスポンジ
テープ(リ) を貼着した場合である。該スポンジテープは
弾力性があって嵌め込まれたガラス(ロ) の厚さが変化し
てもある程度対応することは出来るが、該ドアのコスト
高を招いている。すなわち、上記スポンジテープ(リ) は
コストが高いのみならず、額縁(ハ) 、（ニ)の押え面(チ)
には両面テープを介して貼着している為に、その作業性
が悪くなってしまう。更に、該スポンジテープ(リ) を押
え面(チ) に貼着するに際して、上面(ト) に揃えて貼着す
ることが容易でなく、例えば同図のように上面(ト) との
間に隙間を残してしまうことが多い。従って、この隙間
にはゴミが溜るとともに、溜ったゴミは除去しにくいと
いった問題も発生する。

【０００７】

【本発明が解決しようとする課題】このように、従来の
ガラス額縁には上記のような問題がある。本発明が解決
しようとする課題はこの問題点であって、製作コストは
安くて外観を損なうことのないガラス額縁及びガラスの
止着構造を提供する。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明のガラス額縁は従
来のようなコーキング処理をすることなく、又スポンジ
テープを貼着することなしに取付けすることが出来るよ
うにしている。従って、額縁本体にはその押え面の上縁
に押え片を一体化して形成している。押え片は軟質樹脂
から成り、ガラス面に当たって変形し、その為にガラス
厚さの変化に対してある程度対応することが出来る。

【０００９】又、上記押え片は押え面の上縁から横方向
又は斜め上方へ延び、ガラス面に当たることで撓み変形
することが出来る。一方の額縁本体の形状は特に限定せ
ず、従来のような形状であってもよいが、ガラス枠に取
り付けした場合にはドア表面に当接して位置決めがなさ
れるように当たり片を有している。以下、本発明に係る
実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

【００１０】

【実施例】図１は本発明に係る額縁を示す実施例であ
る。同図の１は額縁本体、２は押え片を表していて、上
記硬質樹脂から成る額縁本体１と軟質樹脂から成る押え
片２は一体化成形されている。同図に示す額縁本体１は
前記図４に示している額縁と同じ断面をなしていて、ガ
ラス枠の内周面に接する底面３に対して押え面４は垂直
に立ち上り、又底面３の片側には当たり片５が延びてい
る。そして上面６から当たり片５にかけては凹凸状をな
して、該額縁本体１の意匠を考慮した形状と成ってい
る。勿論、上面６から当たり片５にかけての形状は任意
であって、同図の場合に限らない。

【００１１】ところで、上記押え面４の上縁には押え片
２が形成され、該押え片２は押え面４から湾曲して上方
へ延びている。押え片２は軟質樹脂にて形成されている
為に、その先端に押圧力Ｐが作用するならば同図のよう
に湾曲して撓み変形することが出来、従ってガラス枠に
嵌められるガラスを押圧して止着することが出来る。押
圧力Ｐが作用する前の該押え片２は斜め上方へ延びてい
て、必ずしも湾曲して形成する必要はない。

【００１２】図２は本発明の額縁を用いてガラス７を止
着した場合の断面図である。ガラス７が両額縁８ａ、８
ｂによって挟み込まれて取り付けされる構造は図４
（ａ）に示した従来の場合と同じであるが、本発明では
コーキングすることなく、額縁８ａ、８ｂを取り付けす
るだけでガラス７の止着が出来る。該額縁８ａ、８ｂに
設けている押え片２、２は多少撓み変形してガラス面に
接している。

【００１３】本発明では押え面４とガラス面との間には
僅かな隙間９が残され、該押え面４は直接ガラス面に接
することはない。すなわち、押え片２、２の押圧力Ｐに
よってガラス７が固定されることになる訳であり、この
押圧力Ｐはガラス７が安定して止着することが出来るに
十分な大きさとなっている。以上述べたように、本発明
に係るガラス額縁は押え面の上縁に軟質樹脂から成る押
え片を形成したものであり、次のような効果を得ること
が出来る。

【００１４】

【発明の効果】本発明の額縁には軟質樹脂からなる押え
片を形成している為に、該額縁を取り付けするだけでガ
ラス枠に嵌められたガラスを止着することが出来る。上
記押え片は額縁本体と同時成形される為に、従来のよう
なスポンジテープの貼着作業を必要とせず、その為にガ
ラスの嵌め込み作業の作業性は高く、又押え片は撓み変
形する為にガラス厚さが変化しても対応可能である。そ
して、額縁本体と同時成形される押え片は形状や大きさ
は一定し、ガラスを押えた状態の外観は良好となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るガラス額縁を示す実施例。

【図２】本発明の額縁を用いてガラスを止着した状態。

【図３】ガラスを嵌め込んだドアの一般的な形状。

【図４】（ａ）は従来の額縁を用いたガラスの止着構造
を示し、（ｂ）は押え面にスポンジテープを貼着した額
縁。

【符号の説明】

１ 額縁本体 ２ 押え片 ３ 底面 ４ 押え面 ５ 当たり片 ６ 上面 ７ ガラス ８ 額縁 ９ 隙間

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガラスを嵌め込んだドアにおけるガラス
   額縁において、該額縁は硬質樹脂から成る額縁本体と軟
   質樹脂から成る押え片から成り、該押え片はガラス枠に
   嵌められて止着されるガラスに面した押え面の上縁から
   横方向又は斜め上方へ延ばしたことを特徴とするドア用
   ガラスの額縁。
2. 【請求項２】 ガラスを嵌め込んだドアのガラス止着構
   造において、ガラスはガラス枠に嵌められて両面側に取
   付けられた額縁にて挟持され、該額縁は硬質樹脂から成
   る額縁本体と軟質樹脂から成る押え片から成り、該押え
   片はガラスに面した押え面の上縁から横方向又は斜め上
   方へ延びた形状を成し、ガラス面は上記押え片にて押圧
   され、押え面との間には僅かな隙間を介在させたことを
   特徴とするガラスの止着構造。