JPH08183397A - 両開き可能なルーフボックス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、左右両側を開閉できるルー
フボックスを得るにある。 【構成】 ボディの両端上部とカバーの両端下部を夫々
一方及び他方の係合部材を介して連結し、一方の係合部
材の係合を解除し、他方の係合部材を中心にカバーの両
開きを可能ならしめたルーフボックス。上記係合部材は
ボディとカバーの一方に設けた鍵杆と、他方に設けた掛
止ロッドと、上記鍵杆の操作ハンドルと、上記掛止ロッ
ドの回動支点となる受けとよりなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は両開き可能なルーフボッ
クス、特に、車輛の屋根上に載置される両開き可能なル
ーフボックスに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】自動車の屋根上に載置せしめるようにし
た開閉可能なルーフボックスとしては例えば特開平２−
１８９２４８号公報に示されたものや、図１２に示すも
のが知られている。

【０００３】図１２において、１はルーフボックスのボ
ディ、２はカバー、３はダンパーを示し、このダンパー
３の基部４は上記ボディ１の左側に回動自在に枢支さ
れ、可動ロッド５の先端が上記カバー２の右側に枢支さ
れ、上記ダンパー３の押圧力によって上記カバー２がボ
ディ１の一端を基点として上方に傾動し、開かれるよう
にされている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】然しながら、上記従来
の例えば図１２に示すルーフボックスにおいては、カバ
ー２を閉じている状態では常時ダンパー３の可動ロッド
５によってカバー２には図１３に示すように略横方向で
あるＡ方向に力が作用しており、従ってダンパー３の基
部４周りに上記力が加わり、この部分に疲労による破損
を生ずるおそれがあった。

【０００５】また、カバー２が開いている状態では図１
２に示すように略上方向であるＢ方向に常時力が作用し
ており、カバー２を閉じる場合にはこの力に打ち勝って
カバー２を押し下げなければならず、使い勝手の悪いも
のであった。

【０００６】また、このような従来のルーフボックスで
は、開閉方向（開閉部）が１つしかなく、例えば、助手
席側に開閉部があるルーフボックスを駐車場屋根の高さ
などの制限により、これを運転席側に取り付けた場合、
運転席側からは開閉できないという不便がある。

【０００７】従って、図１３の閉状態からカバー２を図
１２とは反対側に、即ち左側を開くようにした場合には
右側の場合とカバー２の回動支点が異なるようになり、
図１４に示すようにダンパー３による力は斜め上方に向
かうＣに示す方向となる。このＣ方向の力によりカバー
２はその上昇の際右方向にずれるようになり、従ってそ
の後上記カバー２を閉じたときボディ１に合致しないよ
うになる欠点があった。

【０００８】本発明は上記の欠点を除くようにしたもの
である。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の両開き可能なル
ーフボックスは、ボディの両端上部とカバーの両端下部
間を夫々一方及び他方の係合部材によって連結せしめ、
カバーの一方の側を開く場合には一方の係合部材の係合
を解除し、他方の係合部材を中心にカバーを回動して開
閉できるようにした。

【００１０】上記係合部材は、ボディ及びカバーの何れ
か一方の一端上部に回動自在に枢支したその上面を弧状
に湾曲せしめた鍵杆と、この鍵杆に連結した操作ハンド
ルと、上記鍵杆を常時垂立した鍵止め位置に抑制するた
めのばねと、上記鍵杆の上端鍵部に係合するよう上記カ
バーの一端下部に設けた掛止ロッドと、このロッドが上
記鍵杆の上端鍵部に係合した状態でこれを下方から支承
する受けを形成するため上記ボディに設けた側壁とより
成る。

【００１１】

【実施例】以下図面によって本発明の実施例を説明す
る。

【００１２】本発明においては図１に示すように、ボデ
ィ１の両端上部とカバー２の両端下部間を夫々一方及び
他方の係合部材６によって連結せしめ、カバー２の一方
の側を開く場合には一方の係合部材６の係合を解除し、
他方の係合部材６を支点としてカバー２を回動して開閉
できるようにする。

【００１３】上記係合部材６は図２及び図３に示すよう
にボディ１及びカバー２の何れか一方、例えばボディ１
の一端上部に枢支ピン７を介して回動自在に枢支したそ
の上面を弧状に湾曲せしめた鍵杆８と、この鍵杆８に連
結した上記ボディ１の外方に水平に延びる操作ハンドル
９と、上記鍵杆８を常時垂立した鍵止め位置に抑制する
ためのばね１０と、上記鍵杆８の上端鍵部に係合するよ
う上記カバー２の一端下部に突出して設けた水平に延び
る掛止ロッド１１と、このロッド１１が上記鍵杆８の上
端鍵部に係合した状態でこれを下方から支承する受けを
形成するため上記ボディ１に突設した側壁１２とにより
構成する。

【００１４】本発明の両開き可能なルーフボックスは上
記のような構成であるから、例えば図１に示すようにカ
バー２の右側を開く場合には図３に示すように右側の係
合部材６の操作ハンドル９をばね１０に抗して持ち上げ
て鍵杆８を枢支ピン７を中心に図３において反時計方向
に回動せしめて掛止ロッド１１との係合を解除し、カバ
ー２の右端を持ち上げれば、カバー２はその左端下部に
設けた他方の係合部材６の掛止ロッド１１が側壁１２の
受けによって支承されているのでこの掛止ロッド１１を
中心に回動するようになる。

【００１５】同様にしてカバー２の左側を開く場合には
左側の係合部材６の操作ハンドル９を操作して行えば上
記と同様にして左側を開くことができる。

【００１６】なお、開いたカバー２を閉じるためその開
放端を下方に押した場合には、始めカバー２に取り付け
られた掛止ロッド１１が鍵杆８の上面に突き当たるが、
鍵杆８の上面が弧状に湾曲しているので鍵杆８は掛止ロ
ッド１１の下降に応じてばね１０に抗して図３に示すよ
うに反時計方向に回動し、掛止ロッド１１が鍵杆８の鍵
溝８´に係合した状態で鍵杆８がばね１０の作用により
復帰し、掛止ロッド１１が掛止されるようになる。

【００１７】また、この状態で上記掛止ロッド１１は側
壁１２の受けによって支承されるようになる。

【００１８】本発明の他の実施例においては、図４に示
すようにボディ１の中央上部と、カバーの中央下部間を
トッグル機構１３によって連結せしめる。

【００１９】上記トッグル機構１３は、Ｌ字状レバー１
４と、このＬ字状レバー１４の折れ曲がり基部に一端を
枢支ピン１５を介して回動自在に枢支した、上記Ｌ字状
レバー１４の外方に延びるリンク１６と、このリンク１
６の略中間部に一端を連結し、他端を上記Ｌ字状レバー
１４の一端に連結した引張ばね１７と、上記Ｌ字状レバ
ー１４の他端に枢支ピン１８を介して一端を回動自在に
枢支した下側連結杆１９と、上記リンク１６の他端に枢
支ピン２０を介して一端を回動自在に枢支した上側連結
杆２１と、上記リンク１６が図４に示す位置から更に上
記引張ばね１７によって引張される方向、即ち反時計方
向に回動するのを阻止するため上記Ｌ字状レバー１４に
設けたストッパー２２とにより構成し、上記下側連結杆
１９の他端を上記ボディ１の中央上部に固定し、上記上
側連結杆２１の他端を上記カバー２の中央下部に固定せ
しめる。

【００２０】上記実施例では、引張ばね１７はＬ字状レ
バー１４の折れ曲がり基部の枢支ピン１５の位置（死
点）より上記Ｌ字状レバー１４の外側にある状態では、
リンク１６はストッパー２２によって停止される迄常時
カバー２を開く方向、即ち反時計方向に回動するよう抑
制されカバー２が開くようになる。然しながらカバー２
の右側が開いている図４の状態ではリンク１６はストッ
パー２２に係合し、その結果リンク１６は引張ばね１７
に引張されていてもこれ以上反時計方向に回動すること
はない。

【００２１】この開状態からカバー２の開口側を引張ば
ね１７による開き方向の力に抗して押し下げればＬ字状
レバー１４とリンク１６の関係位置は図５に示すように
引張ばね１７が上記枢支ピン１５の位置（死点）と重な
るようになり、この状態では引張ばね１７によるカバー
２を開く方向の力は零となる。

【００２２】更にカバー２を押し下げれば、図６に示す
ように引張ばね１７は上記枢支ピン１５の位置（死点）
を越えてＬ字状レバー１４の内側に位置されるようにな
り、この状態では引張ばね１７により上記カバー２にこ
れを閉じる方向の下向きの力が加わり、カバー２はボデ
ィ１上に重なるようになる。

【００２３】カバー２の左側を開く場合には、図６に示
す閉状態から引張ばね１７に抗してカバー２の左側を持
ち上げれば図７に示すように引張ばね１７が上記死点を
過ぎた後カバー２を開く方向に作用し、カバー２が左側
から開くようになる。

【００２４】カバー２を閉じるときも上記と同様の過程
でなされる。

【００２５】本発明の更に他の実施例においは図８に示
すように操作ハンドル９に代えてボディ１に垂立された
フレーム２３によって水平方向に摺動自在に保持され、
その先端によって鍵杆８を押圧傾動せしめるようにした
押杆２４を用いる。

【００２６】なお、この押杆２４には図９に示すように
係合突起２５を設け、この係合突起２５に係合する位置
と非係合位置に変位可能な鍵杆２６を有する鍵２７を上
記フレーム２３に固定し、押杆２４をロックできるよう
にすれば盗難防止となる。

【００２７】本発明の更に他の実施例においては図１０
及び図１１に示すようにカバー２の開閉にダンパー３を
用いることができる。

【００２８】

【発明の効果】上記のように本発明の両開き可能なルー
フボックスによれば、極めて簡単な構成によってカバー
を確実に両開きできるようになる大きな利益がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の両開き可能なルーフボックスの右側開
蓋状態を示す側面図である。

【図２】本発明の両開き可能なルーフボックスにおける
係合部材の拡大正面図である。

【図３】本発明の両開き可能なルーフボックスにおける
係合部材の拡大側面図である。

【図４】本発明の他の実施例における両開き可能なルー
フボックスの右側開蓋状態を示す側面図である。

【図５】本発明の他の実施例における両開き可能なルー
フボックスの一部の動作説明図である。

【図６】本発明の他の実施例における両開き可能なルー
フボックスの閉蓋状態を示す側面図である。

【図７】本発明の他の実施例における両開き可能なルー
フボックスの左側開蓋状態を示す側面図である。

【図８】本発明の更に他の実施例における係合部材の拡
大側面図である。

【図９】本発明の更に他の実施例における係合部材の拡
大側面図である。

【図１０】本発明の更に他の実施例におけるルーフボッ
クスの右側開蓋状態を示す側面図である。

【図１１】本発明の更に他の実施例におけるルーフボッ
クスの右側開蓋状態を示す側面図である。

【図１２】従来のルーフボックスの右側開蓋状態を示す
側面図である。

【図１３】従来のルーフボックスの閉蓋状態を示す側面
図である。

【図１４】従来のルーフボックスの左側開蓋状態を示す
側面図である。

【符号の説明】

１ ボディ ２ カバー ３ ダンパー ４ 基部 ５ 可動ロッド ６ 係合部材 ７ 枢支ピン ８ 鍵杆 ９ 操作ハンドル １０ ばね １１ 掛止ロッド １２ 側壁 １３ トッグル機構 １４ Ｌ字状レバー １５ 枢支ピン １６ リンク １７ 引張ばね １８ 枢支ピン １９ 下側連結杆 ２０ 枢支ピン ２１ 上側連結杆 ２２ ストッパー ２３ フレーム ２４ 押杆 ２５ 係合突起 ２６ 鍵杆 ２７ 鍵

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボディの両端上部とカバーの両端下部間
   を夫々一方及び他方の係合部材によって連結せしめ、カ
   バーの一方の側を開く場合には一方の係合部材の係合を
   解除し、他方の係合部材を中心にカバーを回動して開閉
   できるようにしたことを特徴とする両開き可能なルーフ
   ボックス。
2. 【請求項２】 上記係合部材がボディ及びカバーの何れ
   か一方の一端上部に回動自在に枢支したその上面を弧状
   に湾曲せしめた鍵杆と、この鍵杆に連結した操作ハンド
   ルと、上記鍵杆を常時垂立した鍵止め位置に抑制するた
   めのばねと、上記鍵杆の上端鍵部に係合するよう上記カ
   バーの一端下部に設けた掛止ロッドと、このロッドが上
   記鍵杆の上端鍵部に係合した状態でこれを下方から支承
   する受けを形成するため上記ボディに設けた側壁とより
   成ることを特徴とする請求項１記載の両開き可能なルー
   フボックス。