JPH08183045A - ポリサルホン樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

ポリサルホン樹脂フィルムの製造方法

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JPH08183045A
JPH08183045A JP28967794A JP28967794A JPH08183045A JP H08183045 A JPH08183045 A JP H08183045A JP 28967794 A JP28967794 A JP 28967794A JP 28967794 A JP28967794 A JP 28967794A JP H08183045 A JPH08183045 A JP H08183045A
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film
polysulfone resin
solution
resin
weight
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JP28967794A
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Hitoshi Kobayashi
仁 小林
Takahisa Saito
隆央 斉藤
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶液流延法により、外観、表面平滑性、透明
性、厚み精度等の品質に優れたポリサルホン樹脂フィル
ムを、生産性良く製造する方法を提供する。 【構成】 溶液流延法によりポリサルホン樹脂フィルム
を製造する方法において、流延用樹脂溶液として、ポリ
サルホン樹脂のアニソール溶液、ジオキサン溶液又はテ
トラヒドロピラン溶液を用いる。この場合、乾燥時間を
より一層短縮するために、ポリサルホン樹脂のアニソー
ル溶液、ジオキサン溶液又はテトラヒドロピラン溶液中
に、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トル
エン及びフェノールからなる群のうち少なくとも一種類
以上の溶媒を混合してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性に優れる等、高
品質のポリサルホン樹脂フィルムを生産性良く、溶液流
延法により製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリサルホン樹脂フィルムは、一般に溶
融押出法及び溶液流延法により製造される。そして、こ
のフィルムは、光学的性質、機械的強度性、電気的性
質、透明性、耐熱性、耐薬品性、難燃性等の諸性質にお
いて優れていることが知られている。これらの優れた性
質により、例えば、このフィルムを延伸加工したもの
は、液晶表示装置の位相差板等の光学的フィルターとし
て利用されている。
【0003】なお、溶液流延法により得られるフィルム
については、その製造時に、溶液粘度が比較的低いた
め、目開きの細かいフィルターにより異物を除去するこ
とが可能である。その結果として、当該フィルムはフィ
ッシュアイ(フィルム又はシートのような透明又は半透
明プラスチックの欠点で、小さい球形の塊として見える
ものをいう。この発生原因の一つはその塊と周囲の樹脂
がよく混ざっていないことにある。)の発生が極めて少
なく、外観、表面平滑性、透明性及び厚み精度が優れる
傾向にある。
【0004】かかる溶液流延法によってポリサルホン樹
脂フィルムを製造する場合、流延用樹脂溶液として、ポ
リサルホン樹脂の塩化メチレン溶液が広く使用されてい
る。例えば、この樹脂の塩化メチレン溶液を適当なコー
ターにより支持体上に流延し、その後溶媒を蒸発させ、
このようにして形成した膜状物を支持体から剥離させ
て、ポリサルホン樹脂フィルムを得ている(例えば、特
開平2−111511号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この製造方法の場合、
上記塩化メチレンは、不燃性で沸点(約40℃) が低
く、かつ乾燥効率の良い極性溶媒であり、この点におい
ては優れている。しかし、ポリサルホン樹脂を塩化メチ
レンに溶解させると、ポリサルホン樹脂に含まれてい
る、その合成の際に副生する環化物や低分子量体が、溶
液中で経時的に次第に塊合及び結晶化して塩化メチレン
に対して不溶となり、結果として樹脂溶液中に当該結晶
が析出する。
【0006】その結果、支持体上に流延される前の工程
で結晶が析出する場合は、フィルターが目詰まりを起こ
す。また、支持体上に流延された後の工程で結晶が析出
する場合は、フィルムの透明性が低下し、さらに結晶を
核とする発泡が生じて外観不良等の問題が発生する。
【0007】また、塩化メチレンは樹脂中の移動速度が
遅く、しかも樹脂溶液の表面での蒸発速度が速いため
に、乾燥の初期段階でいわゆる膜張り現象が発生し、特
に厚さ50μ以上のポリサルホン樹脂フィルムを製造す
る場合には、膜状物あるいは膜状物と支持体との間に塩
化メチレンが閉じ込められて、膜状物が発泡するおそれ
がある。そこで、この発泡を防ぎながら当該樹脂フィル
ムを十分に乾燥するには、当該乾燥時間が長くなり、そ
の結果として当該樹脂フィルムの生産性が低下するとい
う問題もある。
【0008】かかる乾燥時間が長時間にわたる他の理由
として、同じ塩化メチレン溶液で溶液流延法にて製膜さ
れる、ポリカーボネート樹脂、アリレート樹脂や三酢酸
セルロース樹脂と異なり、ポリサルホン樹脂は塩化メチ
レンとの疑似結合を有することが挙げられる。すなわ
ち、当該疑似結合により、ポリサルホンと塩化メチレン
との複合体が生じることにより、塩化メチレンは本来沸
点が低い溶媒であるにも関わらず、これを十分に乾燥す
るためには、高温もしくは長時間の乾燥が必要となり非
生産的である。
【0009】そこで、本発明が解決すべき課題は、溶液
流延法により、外観、表面平滑性、透明性、厚み精度等
の品質に優れたポリサルホン樹脂フィルムを、生産性良
く製造する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題の
解決のために鋭意検討した結果、以下の発明により当該
課題を解決し得ることを見出した。 (1) 溶液流延法によりポリサルホン樹脂フィルムを製造
する方法において、流延用樹脂溶液としてポリサルホン
樹脂のアニソール溶液、ジオキサン溶液又はテトラヒド
ロピラン溶液を用いることを特徴とするポリサルホン樹
脂フィルムの製造方法。 (2) ポリサルホン樹脂のアニソール溶液、ジオキサン溶
液又はテトラヒドロピラン溶液中に、アセトン、メチル
エチルケトン、酢酸エチル、トルエン及びフェノールか
らなる群のうち少なくとも一種類以上の溶媒を混合して
なることを特徴とする、前記(1) に記載されたポリサル
ホン樹脂フィルムの製造方法。
【0011】以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明において「溶液流延法」とは、樹脂を溶媒に溶解
した樹脂溶液を、支持体の上に所望の厚さに流延した
後、乾燥により溶媒を除去し、最後に支持体より樹脂フ
ィルムを剥離してフィルムを得る樹脂フィルムの製造方
法である(例えば、特開平2−111511号公報)。
【0012】また「ポリサルホン樹脂」とは、例えば下
記式(1) に示す重合体分子を有するビスフェノールAと
ジクロロジフェニルスルホンやクロロフェニルヒドロキ
シビフェニルスルホンとの縮合によって得られる熱可塑
性樹脂で、フェニレン単位(ベンゼン環)がスルホン
基、エーテル結合及びイソプロピリデン基によって結合
されていて、この3つの結合成分が内部安定剤として働
くことが知られている。
【0013】
【化1】
【0014】具体的には、重合体分子が、スルホン、エ
ーテル及びイソプロピリデンにより連結されたパラフェ
ニレンによって構成されたユーデル・ポリサルホン樹
脂、スルホン及びエーテルにより連結されたパラフェニ
レンによって構成されたポリエーテルサルホン樹脂等を
挙げることが可能であり、GPC測定法による重量平均
分子量(ポリスチレン換算)が2万〜10万程度の当該
樹脂を用いることが好適である。当該重量平均分子量が
上記範囲より低いとフィルム強度が弱くなり、逆に高い
と樹脂溶液の粘度が過度に上昇し製品の外観品質が低下
する故に好ましくない。
【0015】そして、流延用樹脂溶液として、これらの
ポリサルホン樹脂をアニソール、ジオキサン又はテトラ
ヒドロピランに溶解させて、ポリサルホン樹脂のアニソ
ール溶液、ジオキサン溶液又はテトラヒドロピラン溶液
を調製する。この場合、溶液粘度が1×103 〜1×1
5CPSの範囲となるように、ポリサルホン樹脂の濃度を
製することが、レベリングによる塗工外観を保つため
に、特に平滑性を得るためには好ましい。例えば、重量
平均分子量(ポリスチレン換算)が約6万のポリサルホ
ン樹脂を使用する場合は、15〜40重量%程度の樹脂
濃度に調製するのが好ましい。
【0016】ポリサルホン樹脂のアニソール溶液を調製
する場合、アニソールを単独で用いてもよいが、アニソ
ールの沸点(約154℃)を下げて乾燥時間をより一層
短くして塗工性を良好にするために、またアニソール溶
液の粘度を低下せしめて塗工物の外観を良好にするため
に「貧溶媒」、すなわち、アニソールと相溶し、ポリサ
ルホン樹脂溶液の透明性や保存安定性を損なわず、アニ
ソールよりも低沸点であり、かつポリサルホン樹脂の溶
解度がアニソールよりも低い溶媒を混合することもでき
る。かかる貧溶媒としては、例えばアセトン、メチルエ
チルケトン、酢酸エチル、トルエン及びフェノールから
なる群のうち少なくとも一種類以上の溶媒又は当該混合
物を挙げることができる。
【0017】アニソールに上記した貧溶媒を混合する場
合には、全溶媒(アニソールと貧溶媒の混合物)の重量
に対して60重量%以下の範囲で使用する。貧溶媒の当
該割合が60重量%を越えると、ポリサルホン樹脂の溶
解性が悪化し、フィシュアイ等が発生する原因となる故
に好ましくない。
【0018】また、ポリサルホン樹脂のジオキサン溶液
を調製する場合、ジオキサンを単独で用いてもよいが、
ジオキサンの沸点(約102℃)を下げて乾燥時間をよ
り一層短くして塗工性を良好にするために、またジオキ
サン溶液の粘度を低下せしめて塗工物の外観を良好にす
るために「貧溶媒」、すなわち、ジオキサンと相溶し、
ポリサルホン樹脂溶液の透明性や保存安定性を損なわ
ず、比較的低沸点の溶媒であり、かつポリサルホン樹脂
を1重量%以上溶解しない溶媒を混合することもでき
る。かかる貧溶媒としては、例えばアセトン、メチルエ
チルケトン、酢酸エチル、トルエン及びフェノールから
なる群のうち少なくとも一種類以上の溶媒又は当該混合
物を挙げることができる。
【0019】ジオキサンに上記した貧溶媒を混合する場
合には、全溶媒(ジオキサンと貧溶媒との混合物)の重
量に対して60重量%以下の範囲で使用する。貧溶媒の
当該割合が60重量%を越えると、ポリサルホン樹脂の
溶解性が悪化し、フィシュアイ等が発生する原因となる
故に好ましくない。
【0020】また、ポリサルホン樹脂のテトラヒドロピ
ラン溶液を調製する場合、テトラヒドロピランを単独で
用いてもよいが、テトラヒドロピランの沸点(約88
℃)を下げて乾燥時間をより一層短くして塗工性を良好
にするために、またテトラヒドロピラン溶液の粘度を低
下せしめて塗工物の外観を良好にするために「貧溶
媒」、すなわち、テトラヒドロピランと相溶し、ポリサ
ルホン樹脂溶液の透明性や保存安定性を損なわず、比較
的低沸点の溶媒であり、かつポリサルホン樹脂を1重量
%以上溶解しない溶媒を混合することもできる。かかる
貧溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケト
ン、酢酸エチル、トルエン及びフェノールからなる群の
うち少なくとも一種類以上の溶媒又は当該混合物を挙げ
ることができる。
【0021】テトラヒドロピランに上記した貧溶媒を混
合する場合には、全溶媒(テトラヒドロピランと貧溶媒
との混合物)の重量に対して60重量%以下の範囲で使
用する。貧溶媒の当該割合が60重量%を越えると、ポ
リサルホン樹脂の溶解性が悪化し、フィシュアイ等が発
生する原因となる故に好ましくない。
【0022】なお、ポリサルホン樹脂の溶液には、フィ
ルムの柔軟性を向上させるために、さらに必要に応じて
可塑剤を配合することも可能である。当該可塑剤として
は、フタル酸系、リン酸系、アジピン酸系、クエン酸
系、グリコール酸系等の可塑剤を挙げることが可能であ
り、具体的には、特にフタル酸ブチルベンジル、リン酸
トリクレジル、メチルフタリルエチルグリコレートがポ
リサルホン樹脂との相溶性が良好であり、失透等の外観
不良を発生せしめない故に好適である。
【0023】当該可塑剤は、ポリサルホン樹脂に対して
30重量%程度まで添加することが可能であるが、当該
樹脂に対して10重量%以下であることが好ましい。ポ
リサルホン樹脂の溶媒への溶解は常温に限らない。例え
ば、アニソール溶液の調製にはアニソールの沸点である
154℃以下である限りにおいては、加熱をして当該樹
脂の溶解速度の向上を企図することも可能である。な
お、かかる場合には気化する溶媒の量に注意することが
必要である。また、ジオキサン溶液の調製にはジオキサ
ンの沸点である102℃以下である限りにおいては、加
熱をして当該樹脂の溶解速度の向上を企図することも可
能である。また、テトラヒドロピラン溶液の調製にはテ
トラヒドロピランの沸点である88℃以下である限りに
おいては、加熱をして当該樹脂の溶解速度の向上を企図
することも可能である。
【0024】このようにして調製されたポリサルホン樹
脂のアニソール溶液、ジオキサン溶液又はテトラヒドロ
ピラン溶液は、通常公知の溶液流延法により、コンマコ
ーター、リップコーター、ダイコーター、ドクターブレ
ードコーター、バーコーター、ロールコーター等でエン
ドレスのベルト又はドラム状の支持体上に流延され、加
熱乾燥によって溶媒を蒸発させ、形成された膜状物を支
持体から剥ぎ取って、連続的に長尺のポリサルホン樹脂
フィルムを得ることができる。また、シート状の支持体
を用いて、バッチ法で短尺のポリサルホン樹脂フィルム
を得ることもできる。
【0025】上記支持体の材質としては、銅やステンレ
ス等の金属、合成樹脂、これらの金属や合成樹脂の表面
にガラスやセラミックを被覆したもの、あるいは当該支
持体の表面をシリコン樹脂やフッ素樹脂等で離型処理し
たものを使用することが可能である。支持体上に流延さ
れた樹脂溶液の乾燥加熱は、膜状物が発泡しないような
昇温速度で、ポリサルホン樹脂のアニソール溶液からポ
リサルホン樹脂のフィルムを製造する場合は、アニソー
ルの沸点以上の温度、例えば190〜220℃まで加熱
することにより、またポリサルホン樹脂のジオキサン溶
液からポリサルホン樹脂のフィルムを製造する場合は、
ジオキサンの沸点以上の温度、例えば150〜200℃
まで加熱することにより行われる。またポリサルホン樹
脂のテトラヒドロピラン溶液からポリサルホン樹脂のフ
ィルムを製造する場合は、テトラヒドロピランの沸点以
上の温度、例えば100〜150℃まで加熱することに
より行われる。
【0026】このようにして、所望のポリサルホン樹脂
フィルムが製造される。フィルムの厚さは用途により異
なるが、一般に10〜250μm 程度である。このフィ
ルムはそのまま無延伸の状態で使用されてもよいし、ま
た、このフィルムに延伸加工やコーティング等による積
層等の処理を施して使用されてもよい。
【0027】
【作用】溶液流延法において、ポリサルホン樹脂のアニ
ソール溶液、ジオキサン溶液又はテトラヒドロピラン溶
液を用いると、かかるアニソール、ジオキサン又はテト
ラヒドロピランの作用により、当該樹脂中に存在する環
化物や低分子量物の樹脂溶液中での結晶化が抑制され、
樹脂溶液への結晶の析出が生ぜず、その結果膜状物の発
泡や透明性の低下が防止される。
【0028】また、アニソール、ジオキサン又はテトラ
ヒドロピランはポリサルホン樹脂中の移動速度が速く、
しかも樹脂溶液の表面での蒸発乾燥も遅いので、乾燥初
期でのいわゆる膜張り現象が生じにくく、さらにはポリ
サルホンとの複合体も形成しないために、特に厚さ50
μm 以上のフィルムを製造する場合であっても膜状物中
の発泡が抑制され、そのため加熱昇温速度を高め急速に
乾燥させることが可能になり、乾燥時間が短縮される。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を示すが、
本発明のポリサルホン樹脂フィルムの製造方法は、これ
らの実施例等に限定されるものではない。 〔実施例1〕重量平均分子量(ポリスチレン換算)が約
6万のユーデル・ポリサルホン樹脂(P−3500:ア
モコ社製)をアニソールに溶解し、固形分濃度が35重
量%のポリサルホン樹脂のアニソール溶液を調製した。
【0030】この溶液をロールコーターによりポリエス
テルフィルム上に塗布し、これを140℃の加熱オーブ
ンに入れ、塗布された膜状物に発泡が生じないように、
可能な限り速い昇温速度で210℃まで昇温し、フィル
ム中の残留溶媒量が1重量%以下になるまで乾燥した。
その後フィルムを剥ぎ取って、厚さ50μm のポリサル
ホン樹脂フィルムを得た。上記の乾燥時間は1分で、短
時間で乾燥できた。また、得られたフィルムの曇り度
(ヘーズ)は0.14%であり、表面平滑で透明性の優
れたものであり、厚み精度も優れていた。
【0031】〔実施例2〕実施例1で用いたポリサルホ
ン樹脂を、アニソールとメチルエチルケトンの混合溶液
(重量比が8:2)に溶解し、固形分濃度が20重量%
のポリサルホン樹脂のアニソール、メチルエチルケトン
混合溶液を調製した。
【0032】この溶液をロールコーターにより、ポリエ
ステルフィルム上に塗布し、これを140℃の加熱オー
ブンに入れ、塗布された膜状物に発泡が生じないよう
に、可能な限り速い速度で210℃まで昇温し、フィル
ム中の残留溶媒量が1重量%以下になるまで乾燥した。
その後、フィルムを剥ぎ取って、厚さ50μm のポリサ
ルホン樹脂フィルムを得た。上記の乾燥時間は1分と短
く、得られたフィルムの曇り度(ヘーズ)は、0.15
%であり、表面平滑で透明性の優れたものであり、厚み
精度も優れていた。
【0033】〔実施例3〕実施例1で用いたポリサルホ
ン樹脂のアニソール溶液を、リップコーターによりステ
ンレス板上に塗布し、これを140℃の加熱オーブンに
入れ、塗布された膜状物に発泡が生じないように可能な
限り速い昇温温度で210℃まで昇温し、フィルム中の
残留溶媒量が1重量%以下になるまで乾燥し、その後フ
ィルムを剥ぎ取って、厚さ100μm のポリサルホン樹
脂フィルムを得た。上記の乾燥時間は3分と短く、得ら
れたフィルムの曇り度(ヘーズ)は、0.19%であ
り、表面平滑で透明性の優れたものであり、厚み精度も
優れていた。
【0034】〔実施例4〕実施例1で用いたポリサルホ
ン樹脂のアニソール溶液を、リップコーターによりガラ
スコーティングしたステンレス板上に塗布し、これを1
40℃の加熱オーブンに入れ、塗布された膜状物に発泡
が生じないように可能な限り速い昇温速度で210℃ま
で昇温し、残存溶媒量が1重量%以下になるまで乾燥
し、その後フィルムを剥ぎ取って、厚さ100μm のポ
リサルホン樹脂フィルムを得た。上記の乾燥時間は3分
と短く、得られたフィルムの曇り度(ヘーズ)は0.1
8%であり、表面平滑で透明性の優れたものであり、厚
み精度においても優れていた。
【0035】〔実施例5〕重量平均分子量(ポリスチレ
ン換算)が約6万のユーデル・ポリサルホン樹脂(P−
3500:アモコ社製)をジオキサンに溶解し、固形分
濃度が25重量%のポリサルホン樹脂のジオキサン溶液
を調製した。
【0036】この溶液をロールコーターによりポリエス
テルフィルム上に塗布し、これを100℃の加熱オーブ
ンに入れ、塗布された膜状物に発泡が生じないように、
可能な限り速い昇温速度で170℃まで昇温し、フィル
ム中の残留溶媒量が1重量%以下になるまで乾燥した。
その後フィルムを剥ぎ取って、厚さ50μm のポリサル
ホン樹脂フィルムを得た。上記の乾燥時間は1分で、短
時間で乾燥できた。また、得られたフィルムの曇り度
(ヘーズ)は0.12%であり、表面平滑で透明性の優
れたものであり、厚み精度も優れていた。
【0037】〔実施例6〕実施例5で用いたポリサルホ
ン樹脂を、ジオキサンとメチルエチルケトンの混合溶液
(重量比が5:5)に溶解し、固形分濃度が20重量%
のポリサルホン樹脂のジオキサン、メチルエチルケトン
混合溶液を調製した。
【0038】この溶液をロールコーターにより、ポリエ
ステルフィルム上に塗布し、これを100℃の加熱オー
ブンに入れ、塗布された膜状物に発泡が生じないよう
に、可能な限り速い速度で170℃まで昇温し、フィル
ム中の残留溶媒量が1重量%以下になるまで乾燥した。
その後、フィルムを剥ぎ取って、厚さ50μm のポリサ
ルホン樹脂フィルムを得た。上記の乾燥時間は1分と短
く、得られたフィルムの曇り度(ヘーズ)は、0.14
%であり、表面平滑で透明性の優れたものであり、厚み
精度も優れていた。
【0039】〔実施例7〕実施例5で用いたポリサルホ
ン樹脂のジオキサン溶液を、リップコーターによりステ
ンレス板上に塗布し、これを100℃の加熱オーブンに
入れ、塗布された膜状物に発泡が生じないように可能な
限り速い昇温温度で170℃まで昇温し、フィルム中の
残留溶媒量が1重量%以下になるまで乾燥し、その後フ
ィルムを剥ぎ取って、厚さ100μm のポリサルホン樹
脂フィルムを得た。上記の乾燥時間は3分と短く、得ら
れたフィルムの曇り度(ヘーズ)は、0.18%であ
り、表面平滑で透明性の優れたものであり、厚み精度も
優れていた。
【0040】〔実施例8〕実施例5で用いたポリサルホ
ン樹脂のジオキサン溶液を、リップコーターによりガラ
スコーティングしたステンレス板上に塗布し、これを1
00℃の加熱オーブンに入れ、塗布された膜状物に発泡
が生じないように可能な限り速い昇温速度で170℃ま
で昇温し、残存溶媒量が1重量%以下になるまで乾燥
し、その後フィルムを剥ぎ取って、厚さ100μm のポ
リサルホン樹脂フィルムを得た。上記の乾燥時間は3分
と短く、得られたフィルムの曇り度(ヘーズ)は0.1
6%であり、表面平滑で透明性の優れたものであり、厚
み精度においても優れていた。
【0041】〔実施例9〕重量平均分子量(ポリスチレ
ン換算)が約6万のユーデル・ポリサルホン樹脂(P−
3500:アモコ社製)をテトラヒドロピランに溶解
し、固形分濃度が25重量%のポリサルホン樹脂のテト
ラヒドロピラン溶液を調製した。
【0042】この溶液をロールコーターによりポリエス
テルフィルム上に塗布し、これを100℃の加熱オーブ
ンに入れ、塗布された膜状物に発泡が生じないように、
可能な限り速い昇温速度で150℃まで昇温し、フィル
ム中の残留溶媒量が1重量%以下になるまで乾燥した。
その後フィルムを剥ぎ取って、厚さ50μm のポリサル
ホン樹脂フィルムを得た。上記の乾燥時間は1分で、短
時間で乾燥できた。また、得られたフィルムの曇り度
(ヘーズ)は0.13%であり、表面平滑で透明性の優
れたものであり、厚み精度も優れていた。
【0043】〔実施例10〕実施例9で用いたポリサル
ホン樹脂を、テトラヒドロピランとメチルエチルケトン
の混合溶液(重量比が5:5)に溶解し、固形分濃度が
20重量%のポリサルホン樹脂のテトラヒドロピラン、
メチルエチルケトン混合溶液を調製した。
【0044】この溶液をロールコーターにより、ポリエ
ステルフィルム上に塗布し、これを100℃の加熱オー
ブンに入れ、塗布された膜状物に発泡が生じないよう
に、可能な限り速い速度で150℃まで昇温し、フィル
ム中の残留溶媒量が1重量%以下になるまで乾燥した。
その後、フィルムを剥ぎ取って、厚さ50μm のポリサ
ルホン樹脂フィルムを得た。上記の乾燥時間は1分と短
く、得られたフィルムの曇り度(ヘーズ)は、0.16
%であり、表面平滑で透明性の優れたものであり、厚み
精度も優れていた。
【0045】〔実施例11〕実施例9で用いたポリサル
ホン樹脂のテトラヒドロピラン溶液を、リップコーター
によりステンレス板上に塗布し、これを100℃の加熱
オーブンに入れ、塗布された膜状物に発泡が生じないよ
うに可能な限り速い昇温温度で150℃まで昇温し、フ
ィルム中の残留溶媒量が1重量%以下になるまで乾燥
し、その後フィルムを剥ぎ取って、厚さ100μm のポ
リサルホン樹脂フィルムを得た。上記の乾燥時間は3分
と短く、得られたフィルムの曇り度(ヘーズ)は、0.
17%であり、表面平滑で透明性の優れたものであり、
厚み精度も優れていた。
【0046】〔実施例12〕実施例9で用いたポリサル
ホン樹脂のテトラヒドロピラン溶液を、リップコーター
によりガラスコーティングしたステンレス板上に塗布
し、これを100℃の加熱オーブンに入れ、塗布された
膜状物に発泡が生じないように可能な限り速い昇温速度
で150℃まで昇温し、残存溶媒量が1重量%以下にな
るまで乾燥し、その後フィルムを剥ぎ取って、厚さ10
0μm のポリサルホン樹脂フィルムを得た。上記の乾燥
時間は3分と短く、得られたフィルムの曇り度(ヘー
ズ)は0.16%であり、表面平滑で透明性の優れたも
のであり、厚み精度においても優れていた。
【0047】〔比較例1〕実施例1で用いたポリサルホ
ン樹脂を塩化メチレンに溶解し、固形分濃度が35重量
%のポリサルホン樹脂の塩化メチレン溶液を調製した。
この溶液をロールコーターによりポリエステルフィルム
上に塗布し、これを30℃の加熱オーブンに入れ、塗布
された膜状物に発泡が生じないように可能な限り速い昇
温速度で210℃まで昇温し、フィルム中の残留溶媒量
が1重量%以下になるまで乾燥した。その後、フィルム
を剥ぎ取って、厚さ50μm のポリサルホン樹脂フィル
ムを得た。上記の乾燥時間は5分で実施例1に比べて長
く、得られたフィルムの曇り度(ヘーズ)は、0.58
%で実施例1よりも高いものであった。
【0048】〔比較例2〕実施例5で用いたポリサルホ
ン樹脂を塩化メチレンに溶解し、固形分濃度が25重量
%のポリサルホン樹脂の塩化メチレン溶液を調製した。
この溶液をロールコーターによりポリエステルフィルム
上に塗布し、これを30℃の加熱オーブンに入れ、塗布
された膜状物に発泡が生じないように可能な限り速い昇
温速度で170℃まで昇温し、フィルム中の残留溶媒量
が1重量%以下になるまで乾燥した。その後、フィルム
を剥ぎ取って、厚さ50μm のポリサルホン樹脂フィル
ムを得た。上記の乾燥時間は5分で実施例5に比べて長
く、得られたフィルムの曇り度(ヘーズ)は、0.55
%で実施例5よりも高いものであった。
【0049】〔比較例3〕比較例2において溶液の固形
分濃度を20重量%に変更したこと、またポリサルホン
樹脂フィルムの厚さを100μm に変更したことの他
は、比較例2と同様に行ってポリサルホン樹脂フィルム
を得た。上記の乾燥時間は12分で比較例2に比べて長
く、得られたフィルムの曇り度(ヘーズ)は、0.58
%で比較例2よりもやや高いものであった。
【0050】
【発明の効果】本発明により、透明性に優れる等、高品
質のポリサルホン樹脂フィルムを生産性良く、溶液流延
法により製造する方法が提供される。そして、この発明
により得られるポリサルホン樹脂フィルムは、上記のよ
うな品質に優れ、しかも機械的強度、電気的性質、光学
的性質、耐熱性、耐薬品性、難燃性等の諸性質において
優れるので、広汎な用途に使用することができる。特
に、このフィルムに延伸加工等の処理を施して、例えば
液晶表示装置における位相差板等の光学的フィルターと
して好適に使用することができる。また、この発明のポ
リサルホン樹脂フィルムの製造方法は、溶液流延法によ
り樹脂フィルムを製造する方法において、流延用樹脂溶
液として、ポリサルホン樹脂に限らず、ポリカーボネー
ト樹脂やポリアリレート樹脂においても使用することが
可能である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶液流延法によりポリサルホン樹脂フィ
    ルムを製造する方法において、流延用樹脂溶液としてポ
    リサルホン樹脂のアニソール溶液、ジオキサン溶液又は
    テトラヒドロピラン溶液を用いることを特徴とするポリ
    サルホン樹脂フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリサルホン樹脂のアニソール溶液、ジ
    オキサン溶液又はテトラヒドロピラン溶液中に、アセト
    ン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン及びフ
    ェノールからなる群のうち少なくとも一種類以上の溶媒
    を混合してなることを特徴とする、請求項1に記載され
    たポリサルホン樹脂フィルムの製造方法。
JP28967794A 1993-12-08 1994-11-24 ポリサルホン樹脂フィルムの製造方法 Pending JPH08183045A (ja)

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JP26873894 1994-11-01
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200077455A (ko) * 2018-12-20 2020-06-30 주식회사 엘지화학 폴리알킬렌카보네이트-폴리락트산 복합체, 이의 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 성형품

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KR20200077455A (ko) * 2018-12-20 2020-06-30 주식회사 엘지화학 폴리알킬렌카보네이트-폴리락트산 복합체, 이의 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 성형품

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