JP3486686B2 - ポリサルホン樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

ポリサルホン樹脂フィルムの製造方法

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康男 松本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリサルホン樹脂フィル
ムの製造方法に関し、さらに詳しくは、加工性、透明
性、表面平滑性、厚み精度に優れたキャストフィルムを
生産性良く、安定的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリサルホン樹脂は、耐熱性、電気絶縁
性、機械的強度に優れており、それらの特性を要求され
る各種分野に利用されている。このポリマーからなるフ
ィルムを製造するには、溶融押出法または溶液キャスト
法が考えられるが、前者の方法により得られたフィルム
には溶融残渣や異物が多く、透明性、厚み精度について
も十分な品質のものが得られない。後者の方法により得
られるフィルムは異物が少なく、厚み精度、表面平滑性
に優れ、光学的に等方的なフィルムを得ることができ
る。特に近年、位相差フィルム用原反や、偏光膜保護フ
ィルムなどの液晶表示用フィルムに、この溶液キャスト
法により製造されたフィルムが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
市販のポリサルホン(例えば、AMOCO社製 商品
名:ユーデル、BASF社製 商品名:ウルトラソー
ン)樹脂の溶液は、3〜4日放置すると、樹脂中の不純
物である環化物の結晶化により、析出物が経時的に発生
し、溶液が白濁するため、そのままキャスティングして
得られるフィルムは透明性が悪く、特に、延伸加工して
位相差フィルムとする場合には環化物の結晶を核とする
微小発泡が生じ、色抜け欠陥になるといった問題があ
る。
【0004】この環化物が結晶化しないように、樹脂固
形分の濃度を15重量%以下と低くした場合、溶液粘度
が数ポイズと低くなり、得られたフィルムの厚み精度、
表面平滑性などについては満足のいく品質のものは得ら
れない。
【0005】この溶液中の環化物の結晶を取り除く方法
として、溶液中の環化物が完全に結晶化するまで4カ月
以上放置し、加圧濾過をして取り除く方法が知られてい
る(特開平5−329857号)が、長期間放置する必
要があり、生産管理上好ましくない。また、特開平5−
329858号には、貧溶媒としてケトン系化合物を添
加する方法が示されているが、可燃性であるため防爆上
好ましくない。
【0006】本発明の目的は、ポリサルホン溶液の長期
安定化を図り、溶液キャスト法により加工性、透明性、
表面平滑性、厚み精度に優れたフィルムを生産性良く、
安定的に製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決するために鋭意検討した結果、ポリサルホン樹
脂含有量の高い溶液を調製し、環化物の結晶化による析
出を促進させて濾過することにより、ポリサルホン溶液
の長期安定化をはかることができることを見出し、本発
明に至った。
【0008】本発明は次のとおりである。 (1)ポリサルホン樹脂を塩化メチレンに溶解したポリ
サルホン溶液を、金属基材上に流延し、乾燥後、金属基
材から剥離するポリサルホン樹脂フィルムの製造方法に
おいて、ポリサルホン溶液のポリサルホン樹脂濃度を3
0〜40重量%とし、3日間以上放置し、その後塩化メ
チレンを加えて希釈し、析出物を濾別して得られる溶液
を流延することを特徴とするポリサルホン樹脂フィルム
の製造方法。
【0009】本発明においては、ポリサルホン樹脂含有
量の高い溶液を調製し、環化物の結晶化による析出を促
進させること、または、溶剤により希釈し、未析出成分
の溶解量を上げることによって、析出期間をさらに短く
しても濾過溶液中の結晶の再析出を防止でき、長期保存
性に優れた溶液を得る。
【0010】
【0011】リサルホン樹脂濃度が約30〜40重量
%の溶液を調製後、約3日以上、好ましくは5日以上放
置し、その後塩化メチレンを加えて希釈し、次いで析出
物を濾過する。放置期間は長いほど好ましいが、通常、
約10日迄で十分である。これ以上放置してもそれに見
合った効果は得られない。この場合は希釈しない時に比
べて短期間の放置でよい。希釈後は特に放置期間は不要
である。希釈後のポリサルホン樹脂濃度約20〜30
重量%が好ましい。約20重量%より低いと粘度が低く
なり、乾燥時に風紋やさざ波状の欠陥が生じるので好ま
しくない。
【0012】析出物の濾別はステンレスフィルター、ガ
ラスフィルター等を用いて加圧濾過して行われる。
【0013】析出物を除去したポリサルホン溶液を、金
属基材上に流延し、乾燥後、金属基材から剥離してポリ
サルホン樹脂フィルムの製造は公知の方法で行われる。
例えば、回転するステンレスベルト上にポリサルホン溶
液を流延し、温風で徐々に乾燥し、次いでステンレスベ
ルトからポリサルホン樹脂フィルムを剥離して行われ
る。
【0014】
【発明の効果】本発明により、ポリサルホン樹脂を塩化
メチレンに溶解したポリサルホン溶液に生じる環化物の
結晶を短期間で効率的に除去し、長期保存性に優れたド
ープを作製することが可能となり、異物が無く、透明性
に優れ、厚み精度、表面平滑性の優れたフィルムを溶液
キャスト法で製造することが可能となった。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0016】参考例1 スチレン換算での重量平均分子量が52000のポリサ
ルホン樹脂(アモコ社製ユ−デルP1700)を塩化メ
チレンに溶解して30重量%溶液とした。この溶液を常
温で2週間放置後、保留粒径10ミクロンのステンレス
フィルターを用いて、析出物を加圧濾過により濾別し
た。フィルター上に保留した析出物の重量から溶液中の
析出物濃度を求めた。さらに、濾過後の溶液を5日、1
0日、15日、および20日放置し、それぞれの溶液を
乾燥後の厚みが140ミクロンとなるようにステンレス
ベルト上に流延、乾燥して得られたフィルム中の析出物
の大きさ、及び平方ミリメートルあたりの個数を光学顕
微鏡で観察した。結果を表1に示す。
【0017】実施例1 参考例1 と同じポリサルホン樹脂を塩化メチレンに溶解
して30重量%溶液とした。この溶液を常温で5日間放
置後、塩化メチレンで25重量%に希釈後、参考例1
同様にして析出物を濾別後、フィルム化して評価した。
結果を表1に示す。
【0018】比較例1〜2 ポリサルホン溶液中の樹脂量が、比較例1では20重量
%、比較例2では25重量%であること以外は、参考例
と同様に行った。結果を表1に示す。
【0019】比較例3〜4 溶液の放置日数が、比較例3では7日間、比較例4では
10日間放置した以外は、参考例1と同様に行った。結
果を表1に示す。
【0020】
【表1】 ○ : 溶液が透明で、フィルム中の析出物の大きさは
検出感度以下。 △ : 溶液はわずかに白濁し、フィルム中に約5ミク
ロンの析出物が1平方ミリメートルあたり約500個含
まれる。 × : 溶液は白濁し、フィルム中に10ミクロン以上
の析出物が1平方ミリメートルあたり1000個以上含
まれる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリサルホン樹脂を塩化メチレンに溶解
    したポリサルホン溶液を、金属基材上に流延し、乾燥
    後、金属基材から剥離するポリサルホン樹脂フィルムの
    製造方法において、ポリサルホン溶液のポリサルホン樹
    脂濃度を30〜40重量%とし、3日間以上放置し、そ
    の後塩化メチレンを加えて希釈し、析出物を濾別して得
    られる溶液を流延することを特徴とするポリサルホン樹
    脂フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリサルホン溶液の放置期間が5日間以
    上である請求項1に記載のポリサルホン樹脂フィルムの
    製造方法。
  3. 【請求項3】希釈後のポリサルホン溶液のポリサルホン
    樹脂濃度が20〜30重量%である請求項1に記載のポ
    リサルホン樹脂フィルムの製造方法。
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