JPH1135705A - ポリエーテルスルホン系樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

ポリエーテルスルホン系樹脂フィルムの製造方法

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JPH1135705A
JPH1135705A JP19994197A JP19994197A JPH1135705A JP H1135705 A JPH1135705 A JP H1135705A JP 19994197 A JP19994197 A JP 19994197A JP 19994197 A JP19994197 A JP 19994197A JP H1135705 A JPH1135705 A JP H1135705A
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JP
Japan
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film
polyethersulfone resin
solvent
soln
resin
Prior art date
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Application number
JP19994197A
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English (en)
Inventor
Akiyoshi Kanemitsu
昭佳 金光
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い色調を要求される液晶素子用基板や位相
差フィルムなどの光学フィルムに適した黄変度が低いポ
リエーテルスルホン系樹脂フィルムの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 ポリエーテルスルホン系樹脂を溶媒に溶
解した樹脂溶液を支持体上に流延し、乾燥後、支持体か
ら剥離してポリエーテルスルホン系樹脂フィルムを製造
する方法において、樹脂溶液に次亜燐酸および/または
亜燐酸を添加して行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエーテルスルホ
ン系樹脂(PES)フィルムを製造する方法に関する。
詳しくはフィルム色調に優れたPESフィルムを安定的
に製造する方法に関する。液晶素子用基板や位相差フィ
ルムなどの光学フィルムに要求される色調に優れたフィ
ルムの製造に適した方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、フィルムは種々の方法で製造
されている。中でも、光学用途のフィルムは、溶融押出
法と溶剤キャスト法で製造される場合が多い。溶融押出
法は溶剤キャスト法に比べて製造工程が簡単であるが、
未溶融物や異物除去が困難であるため、得られるフィル
ムには、ダイラインなどによる表面平滑性の低下や熱に
よる着色が起きやすく、また異物等を核とする表面欠陥
を生じ易く、光学フィルムの製造には必ずしも向いてい
ない。一方、溶剤キャスト法は、溶剤を使うこと、乾燥
工程が必要であることなど工程上の問題はあるものの、
表面平滑性、厚み精度が良好であり、樹脂溶液をろ過す
ることによって容易に異物除去ができ、また熱による着
色がないため、光学フィルムの製造には適した方法であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、液晶素
子用セル基板や、位相差フィルムとしてPESフィルム
を用いた場合、PES樹脂そのものの着色に起因する着
色により、必ずしも満足できる品質のPESフィルムは
得られていない。本発明者はかかる事情に鑑み、PES
フィルムの着色を低減させ、透明性を向上させるべく鋭
意検討した結果、樹脂溶液に次亜燐酸および/または亜
燐酸を添加して行うことにより、得られるPESフィル
ムの色調、特に黄変度を改善できることを見出し、本発
明に至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ポリ
エーテルスルホン系樹脂を溶媒に溶解した樹脂溶液を支
持体上に流延し、乾燥後、支持体から剥離してポリエー
テルスルホン系樹脂フィルムを製造する方法において、
樹脂溶液に次亜燐酸および/または亜燐酸を添加して行
うことを特徴とするポリエーテルスルホン系樹脂フィル
ムの製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるPESは、通
常、下式 化1
【0006】
【化1】[−ph−SO2−ph−O−] (式中、phはフェニル基を表す。)で示される繰り返
し構造単位からなる樹脂であるが、強度、耐久性、樹脂
溶液の安定性など、種々の物性改善のために、他の繰り
返し構造単位を含む共重合体であってもよい。このよう
な繰り返し構造単位としては、下式 化2
【0007】
【化2】[−ph−SO2−ph−O−A−O−] (式中、phはフェニル基を、Aは次式 化3または化
4を表す。)
【0008】
【化3】[−(ph)n−] (式中、phはフェニル基を、nは1〜4の整数を表
す。)
【0009】
【化4】[−ph−(B−ph)m−] (式中、phはフェニル基を、Bは炭素数1〜3のアル
キレン基、酸素原子または硫黄原子を、mは1〜3の整
数を表す。)
【0010】本発明で用いられる溶媒は、PESを溶解
するものであれば特に制限されるものではなく、例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−
ピロリドン、塩化メチレン、クロロホルムなどが挙げら
れる。これらの溶媒は2種以上を混合して用いることが
できる。また、添加される次亜燐酸、亜燐酸の樹脂溶液
への溶解性を上げるため、上記のようなPESを溶解し
やすい溶媒と、アセトン、メタノールのような、単独で
はPESを溶解しにくい溶媒との混合溶媒を用いること
もできる。
【0011】樹脂溶液中のPES濃度は、均一で安定な
溶液が得られ、安定した流延が得られる粘度が確保され
れば特に限定されるものではないが、ダイ、ドクターナ
イフなどを用いる場合は、乾燥時に風紋やさざ波状の欠
陥が生じないようにするために樹脂溶液の粘度が約15
ポイズ以上になるような濃度が好ましい。また、樹脂溶
液をシャーレなどの容器に流延する場合、あるいはスピ
ンコート法などで行う場合は、樹脂溶液の広がり易さを
考え、比較的低粘度(約15ポイズより低め)になるよ
うな濃度が好ましい。
【0012】本発明で用いられる支持体としては、通常
の溶剤キャスト法で用いられるものが用いられ、ガラス
板、離型処理を施したPETフィルム、金属ベルト、回
転ドラムなどの種々の材質、形態のものが挙げられる。
【0013】PES溶液の流延方法は、通常の溶剤キャ
スト法で用いられる方法が用いられ、スピンコート法、
ドクターナイフ法を用いる方法、ダイを用いる方法、回
転ロールを用いる方法、コンマロールを用いる方法など
が挙げられる。
【0014】PESフィルムの製造は、上記の粘度にな
るよう樹脂濃度を調整した樹脂溶液を支持体上に流延
し、乾燥した後、フィルムを剥離して行われる。乾燥方
法は、特に制限されるものではないが、樹脂の耐熱温
度、溶媒の揮発性を考慮して設定された温度の熱風によ
って行うのが好ましい。
【0015】本発明において樹脂溶液に添加する次亜燐
酸および/または亜燐酸の量は、通常、50〜2000
ppm程度である。少なすぎると効果が小さく、多すぎ
ると得られるフィルムが脆くなるなど他の物性に影響が
でるので好ましくない。
【0016】次亜燐酸および/または亜燐酸の樹脂溶液
への添加方法は、特に制限されるものではない。一般に
極性の低い有機系溶媒には溶解されにくいので、樹脂の
溶解性を損なわない範囲で、水、メタノールなどの比較
的極性の高い溶剤を用い、混合溶媒としてから、次亜燐
酸および/または亜燐酸を添加、溶解させるか、あるい
は比較的極性の高い溶剤に添加、溶解し、これを主溶媒
と混合させる方法で通常行われる。
【0017】
【発明の効果】本発明の方法により、黄変度が低いPE
Sフィルムを製造することができ、特に高い色調を要求
される液晶素子用基板や位相差フィルムなどの光学フィ
ルムを製造する方法として適している。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例で詳細に説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。な
お、フィルムの厚みはミツトヨ社製マイクロメータを用
いて、全光線透過率およびヘイズは日本精密光学(株)
社製ポイック積分球式ヘイズメーターを用いて、黄変度
(YI)は日本電飾社製色彩色差計を用いて測定した。
【0019】実施例1 次亜燐酸0.08重量部をメタノール2重量部に溶解さ
せ、これを塩化メチレン98重両部と混合し、次亜燐酸
の塩化メチレン溶液(A)を得た。下式 化5で示され
る繰り返し構造単位を82.4モル%、および化6で示
される繰り返し構造単位17.6モル%を有するPES
15重量部に、PESに対して次亜燐酸が100ppm
になるように溶液(A)を加え、さらに溶液(A)との
合計量が85重量部になるように塩化メチレンを加え、
樹脂溶液を得た。
【0020】
【化5】[−ph−SO2−ph−O−]
【0021】
【化6】[−ph−SO2−ph−O−ph−ph−O
−]
【0022】この樹脂溶液をガラスシャーレに注液、流
延させた後、室温にて一昼夜静置し、溶剤を揮発さた。
ガラスシャーレから取り出した後、90℃で8時間、1
20℃で8時間乾燥させ、PESフィルムを得た。得ら
れたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0023】実施例2〜4、比較例1〜8 表1に示す添加剤およびその量を用いた以外は実施例1
と同様に行いPESフィルムを得た。得られたフィルム
の評価結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 71:00 B29L 7:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエーテルスルホン系樹脂を溶媒に溶解
    した樹脂溶液を支持体上に流延し、乾燥後、支持体から
    剥離してポリエーテルスルホン系樹脂フィルムを製造す
    る方法において、樹脂溶液に次亜燐酸および/または亜
    燐酸を添加して行うことを特徴とするポリエーテルスル
    ホン系樹脂フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】次亜燐酸および/または亜燐酸の添加量が
    ポリエーテルスルホン系樹脂に対して50〜2000p
    pmである請求項1記載の製造方法。
JP19994197A 1997-07-25 1997-07-25 ポリエーテルスルホン系樹脂フィルムの製造方法 Pending JPH1135705A (ja)

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