JP2002357813A - 液晶ディスプレー用プラスチックフィルム - Google Patents

液晶ディスプレー用プラスチックフィルム

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JP2002357813A
JP2002357813A JP2001164068A JP2001164068A JP2002357813A JP 2002357813 A JP2002357813 A JP 2002357813A JP 2001164068 A JP2001164068 A JP 2001164068A JP 2001164068 A JP2001164068 A JP 2001164068A JP 2002357813 A JP2002357813 A JP 2002357813A
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crystal display
film
plastic film
aromatic polysulfone
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JP2001164068A
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Yoshiki Matsuoka
祥樹 松岡
Manabu Hirakawa
学 平川
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光学的な透明性や等方性に優れた液晶ディスプ
レー用プラスチックフィルムを提供する。 【解決手段】還元粘度が0.60〜1.0dl/gであ
り、一分子あたり下記構造で表される繰り返し構造単位
を80モル%以上含有する芳香族ポリサルホン樹脂を含
み、400nmでの光線透過率が84%以上であり、イ
エローインデックスが2.5以下であり、フィルム面内
で遅相軸方向の屈折率(ns)と進相軸方向の屈折率
(nf)の差(Δn)が1.0X10-4以下であること
を特徴とする液晶ディスプレー用プラスチックフィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレー
用プラスチックフィルムおよびそれを用いた液晶ディス
プレー用プラスチック基板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示装置の軽薄化を目的とし
てガラス基板に替わる材料として高分子電極基板(以
下、プラスチック基板と記載)が検討されている。プラ
スチック基板には、透過する偏光を液晶層に正確に伝達
するための、高い光学的な透明性や等方性、均質性、透
明電極や配向膜などへの加工時の熱に対する耐熱性が要
求される。そのため、プラスチック基板としては、高い
耐熱性を有する芳香族ポリサルホン樹脂フィルムが注目
されている。一般に芳香族ポリサルホン樹脂フィルムは
溶融押出し法、特にTダイ法(フラットフィルムダイ)
により製造されるが、高粘度の溶融体を高温で押出すた
め、高分子鎖がフィルム内で配向し易すい、フィルム内
に応力歪が残りやすい、着色するなどの問題があり、光
学的な透明性や等方性、均質性を有したフィルムを得る
ことは難しい。このような問題点を解決する方法とし
て、特開平8−325388には、還元粘度が0.5d
l/g(1、3−ジオキソラン中で測定)の芳香族ポリ
サルホン樹脂を、1、3−ジオキソランを含有する溶媒
を用いて溶解し、得られた溶液を支持体上に流延し、溶
媒を蒸発せしめて得られた芳香族ポリサルホン樹脂フィ
ルムが開示されている。しかしながら、このようにして
得られたフィルムは、光学的な透明性や等方性が、なお
十分ではないという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光学
的な透明性や等方性に優れた液晶ディスプレー用プラス
チックフィルムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
ような問題がない液晶ディスプレー用プラスチックフィ
ルムを見出すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の還元粘
度を有する芳香族ポリサルホン樹脂を必須成分とした含
有してなるプラスチックフィルムが、光学的な透明性や
等方性に優れており、液晶ディスプレー用途に好適であ
ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0005】すなわち、本発明は、還元粘度が0.60
〜1.0dl/gであり、一分子あたり下記構造で表さ
れる繰り返し構造単位を80モル%以上含有する芳香族
ポリサルホン樹脂を含み、400nmでの光線透過率が
84%以上であり、イエローインデックスが2.5以下
であり、フィルム面内で遅相軸方向の屈折率(ns)と
進相軸方向の屈折率(nf)の差(△n)が1.0X1
-4以下であることを特徴とする液晶ディスプレー用プ
ラスチックフィルムを提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明で用いる芳香族ポリサルホン樹脂は、下記一
般式(I)で示される繰り返し構造単位を80モル%以
上含有する樹脂である。また、該芳香族ポリサルホン樹
脂は、下記一般式(II)で示される構造または下記一般
式(III)で示される構造のうち少なくとも1種を含む
ものであってもよく、下記一般式(II)および下記一般
式(III)で示される繰返し構造単位を含むランダム共
重合体や交互共重合体であってもよい。
【0007】 ……(I) (式(I)中、R1は炭素数1〜6のアルキル基、炭素
数2〜10のアルケニル基、フェニル基またはハロゲン
原子を表し、pは0〜4の整数である。同一または異な
る核上の各R1は互いに異なっていてもよい。各pは互
いに異なっていてもよい。)
【0008】 ……(II) (式中、R1は前記と同じものを表し、pは0〜4の整
数である。 m、nは平均繰り返し構造単位数を示し、
m、nは0.1から100までの正数である。同一また
は異なる核上の各R1は互いに異なっていてもよい。各
pは互いに異なっていてもよい。 Xは炭素数1〜20
の有機基、カルボニル基、2価の硫黄原子または2価の
酸素原子を表す。)
【0009】 ……(III) (式中、R1は前記と同じものを表し、pは0〜4の整
数である。 qは1〜5の整数である。m、nは平均繰り
返し構造単位数を示し、m、nは0.1から100まで
の正数である。同一または異なる核上の各R1は互いに
異なっていてもよい。各pは互いに異なっていてもよ
い。各qは相互に異なっていてよい。)
【0010】ここで、炭素数1〜6のアルキル基として
は、例えば、メチル基、エチル基、t−ブチル基、シク
ロヘキシル基などが挙げられる。また、炭素数2〜10
のアルケニル基としては、例えば、エチニル基、iso
−プロペニル基などが挙げられる。ハロゲン原子として
は、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素
原子が挙げられる。炭素数1〜20の有機基としては、
例えば、イソプロピリデン基、エチリデン基、メチレン
基などの飽和脂肪族アルキレン基、エチニレン基などの
不飽和脂肪族アルキレン基、キシリレン基、フェニルメ
チレン基などの芳香族アルキレン基などが挙げられる。
【0011】本発明で用いられる芳香族ポリサルホン樹
脂が、(II)または(III)で表される構造を含む場合
は、(m/m+n)は0.8以上である。また、(II
I)の構造中のqは1または2であることが好ましく、
2であることがより好ましい。
【0012】本発明においては、(I)で示される繰り
返し構造単位からなる構造を含む樹脂、(II)で示され
る構造を含む樹脂が好ましく使用され、さらに好ましく
は(I)で示される繰り返し構造単位からなる構造を含
む樹脂が使用される。中でも、全てのpが0であるも
の、即ち、下式で示される繰り返し構造単位からなる構
造を含む樹脂がより好ましく、一分子鎖あたり下式で示
される繰り返し構造単位を80モル%以上含有する樹脂
が特に好ましい。
【0013】本発明において用いられる芳香族ポリサル
ホン樹脂の還元粘度は、0.6〜1.0dl/gであ
り、好ましくは0.60〜0.90dl/gであり、よ
り好ましくは0.70〜0.80dl/gである。0.
6dl/g未満の該樹脂を用いると、流延に適した安定
な芳香族ポリサルホン樹脂溶液組成物を得るのが難しい
傾向があり、1.0dl/gを超えると均一な溶液を調
製することが困難である上に、ろ過や脱泡が困難とな
り、フィルムの外観に問題が生じる傾向がある。ここ
に、還元粘度は100cm3のN,N−ジメチルホルム
アミド中に芳香族ポリサルホンを1g溶解させた後、こ
の溶液の粘度を、オストワルド粘度管を使用して、25
℃で測定したものである。
【0014】本発明で用いる芳香族ポリサルホン樹脂の
製造する方法としては、公知の方法を採用することがで
きる。また、市販の芳香族ポリサルホン樹脂をそのまま
使用してもよい。市販の芳香族ポリサルホン樹脂として
は、例えば、住友化学工業株式会社の商品名スミカエク
セルPES7600Pなどの上記構造単位(I)からな
るもの、AMOCO社の商品名UDELP−1700な
どの上記構造単位(I)および(II)からなるものが
挙げられる。また、その末端構造は、各々の樹脂の製法
に従って決まるものであり、特に限定されないが、例え
ば、−Cl、−OH、−OR(Rはアルキル基)などが
挙げられる。
【0015】次に本発明で使用する芳香族ポリサルホン
樹脂の溶液組成物について説明する。芳香族ポリサルホ
ン樹脂溶液組成物に用いる溶媒としては、例えば、N−
メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジ
メチルスルホキシドなどのスルホキシド類;クレゾール
などのフェノール類;塩化メチレンなどのハロゲン化炭
素類;γ−ブチロラクトンなどの環状エステル類;など
の芳香族ポリサルホン樹脂の良溶媒があげられる。これ
らの溶媒は単独で使用しても、複数種類を混合して使用
してもよい。
【0016】また、炭化水素類、ケトン類、エステル
類、エーテル・アセタール類などの芳香族ポリスルホン
樹脂の貧溶媒もしくは非溶媒を添加してもよい。炭化水
素類としては、シクロヘキサン、トルエン、ケトン類と
しては、アセトン、シクロペンタノン、エステル類とし
ては、酢酸エチル、エーテル・アセタール類としては、
メチラールが好ましく使用される。これらの貧溶媒もし
くは非溶媒を添加することによって、芳香族ポリサルホ
ン樹脂の溶液組成物の保存安定性をさらに向上させるこ
とができ、良溶媒を単独で用いた場合と比較して、同一
濃度における溶液粘度が低下するため、高固形分化が達
成でき、実用上大変有利となる。
【0017】溶液組成物中の芳香族ポリサルホン樹脂の
濃度は、10重量%から50重量%であることが好まし
く、20重量%から40重量%であることがより好まし
い。10重量%未満の濃度では、実効濃度が低く、特に
厚膜において乾燥の初期段階でフィルムに対流が原因と
なるオレンジピールが発生し、表面平滑性が低下する傾
向がある。また、50重量%を超える濃度では、溶液保
存時に芳香族ポリサルホン樹脂の結晶化などによりゲル
化が起こるなど安定性に劣り、さらにこの領域では溶液
が高粘度であるため、ろ過性や脱泡性に劣る傾向があ
る。
【0018】該溶液組成物の製造方法は特に限定される
ことはなく、樹脂に溶媒を添加しても、溶媒に樹脂を添
加してもかまわない。溶解速度を上げるためには樹脂の
形態として粉末を用いることが好ましいが、特に限定さ
れるものではない。
【0019】また、本発明の溶液組成物には必要に応じ
て、レベリング剤、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤
などの各種添加剤を配合することもできる。レベリング
剤としては、アクリル系、シリコーン系、フッ素系のも
のが使用できる。可塑剤としては、芳香族ポリサルホン
樹脂との相溶性が良く、相分離やブリードアウトを生じ
ないもので、かつ着色の生じないものが好ましい。例え
ば、フタル酸系、リン酸系、アジピン酸系、クエン酸
系、グリコール酸系などの可塑剤が挙げられ、フタル酸
ブチルベンジル、リン酸トリクレジル、メチルフタリル
エチルグリコレートなどが好ましく用いられる。
【0020】帯電防止剤としては、表面塗布用帯電防止
剤、内部練り込み用帯電防止剤のいずれのタイプも使用
することができる。表面塗布用帯電防止剤としては、ア
クリル酸やメタクリル酸の第4級アンモニウム塩エステ
ルを含有するポリマー、ポリエチレングリコール(メ
タ)アクリル酸エステルを成分とする共重合物、ポリエ
チレングリコールとテレフタル酸によるポリエーテル・
ポリエステル、ポリエチレングリコールジグリシジルエ
ーテルとアミン化合物によるエポキシ樹脂、ポリエチレ
ングリコールとジイソシアネートによるウレタン、界面
活性剤(4級アンモミウム塩、ベタイン型、イミダゾリ
ン型、アラニン型、スルホン酸、硫酸エステル、リン酸
エステル)などが挙げられる。内部練り込み用帯電防止
剤としては、脂肪酸モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレン化物などの窒素を含まな
い非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0021】次に、本発明の液晶ディスプレー用プラス
チックフィルム及びその製造方法について説明する。該
プラスチックフィルムは、上記の芳香族ポリサルホン樹
脂溶液組成物を用いて得ることができる。即ち、上記の
芳香族ポリサルホン樹脂溶液組成物を支持体上に流延し
て溶媒を含む流延フィルムを形成させ(以下、流延工程
ということがある)、次いで該流延フィルムから溶媒を
蒸発せしめる(以下、乾燥工程ということがある)こと
により、容易に製造することができる。
【0022】流延工程は、溶媒を含む流延フィルムを支
持体上に形成させる工程である。この工程では、芳香族
ポリサルホン樹脂組成物溶液をコンマコーター、リップ
コーター、ドクターブレードコーター、バーコーター、
ロールコーター等を用いて、エンドレスバンドまたはド
ラムなどの支持体上に流延する。尚、支持体には鏡面処
理を施したステンレスなどの金属、ポリエチレンテレフ
タレートなどの樹脂フィルム、ガラスなどを用いること
が好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0023】乾燥工程は、該流延フィルムより溶媒を蒸
発せしめて、液晶ディスプレー用プラスチックフィルム
を形成させる工程である。溶媒の蒸発は、蒸発の効率を
向上させるため、加熱により行うことが好ましい。加熱
は一定温度で行ってもよいが、数段以上にわたって変化
させることが経済性やフィルムの表面の平滑性の観点か
ら好ましい。乾燥が終了した液晶ディスプレー用プラス
チックフィルム中の残存溶媒量は、好ましくは5重量%
以下、より好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは
0.5重量%以下である。残存溶媒量が多いと、液晶デ
ィスプレー用プラスチックフィルムのガラス転移温度
(Tg)が著しく低下するばかりか、後加工で熱が加わ
った場合に寸法変化やカールを引き起こしたり、吸湿を
引き起こす傾向がある。さらに、残留溶媒が実用段階で
のフィルムの周辺部品に悪影響を与える傾向もある。
【0024】また、原料の芳香族ポリサルホン樹脂のT
gと実質的に同等のTgを有する液晶ディスプレー用プ
ラスチックフィルムを効率よく製造するためには、乾燥
工程の後に、芳香族ポリサルホン樹脂のTg以上の温度
で加熱することが好ましい。
【0025】形成された液晶ディスプレー用プラスチッ
クフィルムは、通常、支持体から剥離して使用される。
剥離の方法には特に制限はないが、膜状物を支持体から
連続的に剥離しすることにより長尺の芳香族ポリサルホ
ン樹脂フィルムを得ることができる。また、シート状の
支持体を用いてバッチ法で短尺の芳香族ポリサルホン樹
脂フィルムを得ることもできる。
【0026】このようにして得られるプラスチックフィ
ルムは、押出し法により作製したものと比較して、ダイ
ラインなどのスジが発生することなく、かつ厚み精度に
優れており、さらにMD方向とTD方向の異方性がない
ため、液晶ディスプレー用途に適している。
【0027】本発明の液晶ディスプレー用プラスチック
フィルムは、光学的な透明性と等方性、さらには均質性
に優れている。波長400nmにおける可視光の光線透
過率は、84%以上であることが必要であり、好ましく
は85%以上である。光線透過率が84%未満である
と、偏光が基板を透過する際の光損失が大きく、画面が
暗くなるなどの問題が生じる。黄変度の目安となるイエ
ローインデックスは、2.7以下であることが必要であ
り、好ましくは2.5以下である。イエローインデック
スが2.7を超えると、表示画面が黄色味を帯び、精彩
性に欠ける。ヘイズ値は、1%以下が好ましく、より好
ましくは0.5%以下である。ヘイズ値が1%を超える
と、光の散乱のため画像コントラストが低下する傾向が
ある。
【0028】本発明の液晶ディスプレー用プラスチック
フィルムは、光学的な透明性に優れるとともに、さらに
等方性と均質性を合わせ持つことが必要である。ここ
で、光学的等方性と均質性とは、複屈折が小さくかつそ
のバラツキが極めて小さいことを意味する。すなわち、
本発明のプラスチックフィルムは、フィルム面内の遅相
軸方向の屈折率(nS)と進相軸方向の屈折率(nf)の
差(△n)が1.0X10-4以下であることが必要であ
る。△nが1.0X10-4を超えると、偏光の歪が生
じ、液晶ディスプレーフィルムとして実用に耐えない。
【0029】本発明の液晶ディスプレー用プラスチック
フィルムは、平均厚みが30〜400μmであることが
好ましく、より好ましくは50〜200μmである。膜
厚が400μmを超えると溶媒を除去することが困難と
なる傾向があり、30μm未満では厚みむらを抑制する
ことが困難となる傾向がある。
【0030】このようにして得られた液晶ディスプレー
用プラスチックフィルムを用い、ハードコート層、ガス
バリアー層、透明電極などを積層することにより、容易
に液晶ディスプレー用プラスチック基板を製造すること
ができる。また、該プラスチック基板に種々の加工・組
み立てなどを行うことにより液晶ディスプレーを製造す
ることができる。具体的には、まず、該プラスチックプ
ラスチック基板の透明電極上にポリイミド配向膜を形成
し、続いて、配向膜が形成された2枚のプラスチック基
板で液晶を挟むことにより液晶セルを形成し、該液晶セ
ルの前後に偏光板を配置し、さらに上下のプラスチック
基板のラビング方向を直行させることにより液晶ディス
プレーを製造することができる。
【0031】
【実施例】次に、本発明を実施例に基いて説明するが、
本発明が実施例により限定されるものではないことは言
うまでもない。なお、実施例で用いた芳香族ポリサルホ
ン樹脂である、スミカエクセルPES4100G、スミ
カエクセルPES5200P、スミカエクセルPES7
600Pはいずれも、実質的に以下の繰り返し構造単位
からなるものである。
【0032】〔膜厚測定〕エリクセン社製フォイルシッ
クネスゲージ モデル497を用いて膜厚を測定した。 〔ガラス転移点の測定〕セイコー電子工業製熱分析シス
テムSSC/5200を用い、フィルムを10(℃/m
in)で25℃から300℃まで昇温することによりガ
ラス転移点を測定した。 〔光線透過率の測定〕(株)日立製作所製分光光度計U
V3500を用いて、400nmにおけるフィルムの光
線透過率を測定した。 〔イエローインデックスの測定〕(株)ニコン製顕微測
光システムを用いて、フィルムのX値、Y値、Z値を測
定した。この値をもとにJIS K7105記載の計算
式を用いてイエローインデックス(YI)を算出した。 〔リタデーションの測定〕偏光顕微鏡を用いたセナルモ
ン法にて、フィルム面内のリタデーションを測定した。
この値をもとに遅相軸方向の屈折率(nS)と進相軸方
向の屈折率(nf)の差(△n)を計算した。
【0033】実施例1 東レ・ダウコーニング社製シランカップリング剤AY4
3−021で処理したガラス板上にスミカエクセルPE
S7600Pの20%DMF溶液を流延し、下記条件で
乾燥を行い、Tgが220℃で膜厚が53μmのPES
フィルムを得た。 乾燥条件:100℃×45分(ホットプレート)+10
0℃×30分+130℃×1時間+150℃×1時間+
180℃×1時間+200℃×2時間+230℃×2時
間(以上通風オーブン) 得られたフィルムの光線透過率、イエローインデック
ス、レタデーションを測定した。結果を表1に示す。
【0034】比較例1 商品名スミカエクセル5200P(住友化学工業(株)
製、ポリエーテルスルホン、還元粘度0.52dl/
g)をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、固形分
が25重量%の溶液を調整した。この溶液をバーコータ
ー(クリアランス500μm)を用いてガラス板上に流
延し、100℃の加熱オーブンに入れ10分間放置し
た。その後、フィルムの表面状態を観察したところ、全
面にオレンジピールが発生し、評価に適さないことが判
明した。
【0035】比較例2 池貝(株)製GS65−25(単軸、L/D=25)を
用いて、スクリュー回転数15rpm、吐出量10.9
kg/h、引き取り速度6.67m/minで商品名ス
ミカエクセル4100G(住友化学工業(株)製、ポリ
エーテルスルホン、還元粘度0.41dl/g)の押出
しフィルムを作製した。このフィルムの光線透過率、イ
エローインデックス、レタデーションを測定した。結果
を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、光学的な透明性や等方
性に優れた液晶ディスプレー用プラスチックフィルムお
よびそれを用いた液晶ディスプレー用プラスチック基板
を提供することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 B29L 7:00 C08L 81:06 C08L 81:06 Fターム(参考) 2H090 JB03 JC06 JD04 4F071 AA64 AF27 AF30Y AF31Y AH16 BA02 BB02 BC01 BC02 4F205 AA34D AC05 AH33 GA07 GB01 GC06 5C094 AA60 BA43 EB01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】還元粘度が0.60〜1.0dl/gであ
    り、一分子あたり下記構造で表される繰り返し構造単位
    を80モル%以上含有する芳香族ポリサルホン樹脂を含
    み、400nmでの光線透過率が84%以上であり、イ
    エローインデックスが2.5以下であり、フィルム面内
    で遅相軸方向の屈折率(ns)と進相軸方向の屈折率
    (nf)の差(△n)が1.0X10-4以下であること
    を特徴とする液晶ディスプレー用プラスチックフィル
    ム。
  2. 【請求項2】芳香族ポリサルホン樹脂を、アミド類、ス
    ルホキシド類、フェノール類、ハロゲン化炭素類および
    環状エステル類からなる群から選ばれる少なくとも1つ
    の溶媒に溶解して得られる溶液組成物を流延し、溶媒を
    蒸発せしめて得られる請求項1記載の液晶ディスプレー
    用プラスチックフィルム。
  3. 【請求項3】請求項1記載の芳香族ポリサルホン樹脂
    を、アミド類、スルホキシド類、フェノール類、ハロゲ
    ン化炭素類および環状エステル類からなる群から選ばれ
    る少なくとも1つの溶媒に溶解して溶液組成物を得、該
    溶液組成物を流延し、溶媒を蒸発せしめることを特徴と
    する液晶ディスプレー用プラスチックフィルムの製造方
    法。
  4. 【請求項4】請求項1または2記載のプラスチックフィ
    ルムを用いて得られる液晶ディスプレー用プラスチック
    基板。
  5. 【請求項5】請求項4記載の液晶ディスプレー用プラス
    チック基板を用いて得られる液晶ディスプレー。
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