JP6092116B2 - 延伸光学補償フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、延伸光学補償フィルムに関し、詳しくは、セルロース系樹脂に特定のレターデーション上昇剤を配合することによりこれまでになく大きなレターデーションが付与され、光学特性が改善された延伸光学補償フィルムに関する。
これまで、セルロースアシレート、ポリカーボネート、ポリオレフィン等の樹脂フィルムが主に液晶表示装置用光学補償フィルムに用いられてきている。その中でも、セルロースアシレートフィルムは偏光子に用いられるポリビニルアルコールへの貼合性が優れていることから広く用いられている。
しかし、セルロースエステルフィルムはそのままでは光学補償フィルムに必須なレターデーション(複屈折性)が十分ではないため、セルロースエステルフィルムにレターデーションを付与するさまざまな検討がなされてきている。更に、近年は液晶テレビのさらなる視野角拡大や薄膜化のために、より大きなレターデーションが求められている。
樹脂フィルムのレターデーションを増加させるため、レターデーション上昇剤を添加する方法が知られているが、これまでのレターデーション上昇剤では多量添加が必要となりブリードアウトなどの問題が発生するため、これまで実用化が困難であった。また、セルロースの総アシル基置換度を低下させる方法なども提案されているが、吸湿性が増加したりするなどの問題があって、やはり実用化は困難であった。
そのような状況下、近年、実用化に向けて特定のレターデーション上昇剤を添加する方法が提案されている。例えば、特許文献1では、特定の芳香族化合物からなるレターデーション向上剤を含有するセルロースエステルフィルムからなる位相差板が提案されている。また、特許文献2では、フェノール性水酸基を有する多環芳香族化合物をレターデーション上昇剤として使用してなるセルロースエステルフィルムが提案されている。一方、特許文献3では、ジベンゾイルメタンをレターデーション上昇剤としてではなく紫外線吸収剤として使用してなるUVフィルター素子が提案されている。
特許第4605908号公報 特開2010−222433号公報 特開2003−177235号公報
しかしながら、特許文献1における特定の芳香族化合物からなるレターデーション向上剤を含有するセルロースエステルフィルムは相溶性が不十分なため光学特性向上効果が不十分であり、また、特許文献2におけるフェノール性水酸基を有する多環芳香族化合物をレターデーション上昇剤として使用してなるセルロースエステルフィルムも、やはり相溶性が不十分なため、光学特性向上効果が不十分であった。
一方、特許文献3記載のUVフィルター素子においては、あくまでUV吸収に関する技術であって、ジベンゾイルメタン添加による光学特性の向上効果については全く記載されておらず、ましてこれを延伸光学補償フィルムに転用することは示唆すらない。
そこで本発明の目的は、光学特性に優れたセルロース系樹脂からなる位相差フィルムである延伸光学補償フィルムを提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、セルロース系樹脂にβ−ジケトン化合物を配合して得られるフィルムが上記の目的を達成しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の延伸光学補償フィルムは、セルロース系樹脂100質量部に対し、下記一般式(I)で表されるβ−ジケトン化合物0.5〜30質量部を配合してなることを特徴とするものである。
Figure 0006092116
(式中、R及びRはそれぞれ独立して、置換基を有することのできる炭素原子数1〜20のアルキル基、置換基を有することのできる炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、または置換基を有することのできる炭素原子数6〜20のアリール基を表し、Rは水素原子を表す。)
本発明において光学特性に優れているとは、大きなレターデーションが付与されていることを意味し、このレターデーションは一般にはフィルムの面内のレターデーション値(Ro)、及び厚み方向のレターデーション値(Rth)によって把握することが可能である。
なお、Ro、Rthはそれぞれ下記式で定義される値である。
Ro=(nx−ny)×d
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
[式中,nxはフィルム面内の屈折率が最も大きい方向の屈折率、nyはnxに直角な方向でのフィルム面内の屈折率、nzはフィルムの厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚み(μm)を表す。]
これらレターデーション値Ro、Rthは、例えば、KOBRA−WR(王子計測機器(株)製)やRETS−100(大塚電子(株)製)などの自動複屈折率計を用いて測定することができる。
本発明の延伸光学補償フィルムは、光学特性に優れ、即ち大きなレターデーションが付与され、液晶表示装置、特にVAモードの液晶セルを用いるVA型液晶表示装置用の位相差フィルムとして好適に使用される。
以下、本発明の延伸光学フィルムについて詳細に説明する。
本発明に用いられるセルロース系樹脂は、いずれの種類のものであってもよいが、セルロースの低級脂肪酸エステルであることが好ましい。セルロースの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味し、セルロースの低級脂肪酸エステルとしては、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等や、特開平10−45804号公報、特開平8−231761号公報、米国特許第2,319,052号明細書等に記載されているようなセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸エステルを挙げることができる。
次に、本発明に用いられるβ−ジケトン化合物において、上記一般式(I)中、R及びRで表される、置換基を有することのできる炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、イソアミル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシルなどが挙げられる。また、R及びRで表される、置換基を有することのできる炭素原子数7〜20のアリールアルキル基としては、ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロパン−2−イル、スチリル、シンナミル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチルなどが挙げられる。更に、R及びRで表される、置換基を有することのできるアリール基としては、フェニル、ナフチル、フェナントレル、アントラセニルなどが挙げられる。上記置換基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、イソアミル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル等の炭素原子数1〜10のアルキル基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ等の炭素原子数1〜10のアルコキシ基;メタノイルオキシ、エタノイルオキシ、プロパノイルオキシ等の炭素原子数1〜10のアルカノイルオキシ基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル等の炭素原子数1〜10のアルコキシカルボニル基;メトキシメチレンオキシ、エトキシメチレンオキシ、メトキシエチレンオキシ等の炭素原子数2〜20のアルコキシアルキレンオキシ基;メトキシカルボニルメチレンオキシ、エトキシカルボニルメチレンオキシ、メトキシカルボニルエチレンオキシ等の炭素原子数3〜21のアルコキシカルボニルアルキレンオキシ基;クロロ、ブロモ等のハロゲン原子;ヒドロキシ基;−NR基(ここでR及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、または炭素原子数1〜10のアシル基を表す);などが挙げられる。尚、上記アルコキシアルキレンオキシ基は、具体的には、次式、
Figure 0006092116
で表わされ、また上記アルコキシカルボニルアルキレンオキシ基は、具体的には、次式、
Figure 0006092116
で表わされる。
これらのβ−ジケトン化合物の中でも、上記一般式(I)中、R及びRの少なくとも一方が置換基を有することのできるアリール基である化合物、とりわけ下記一般式(I−1)で表される化合物がセルロースアシレートへの相溶性に優れ、レターデーションを良好に付与できるため、好ましい。
Figure 0006092116
(式中、X〜X10は、それぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜10のアルカノイルオキシ基、炭素原子数1〜10のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜20のアルコキシアルキレンオキシ基、炭素原子数3〜21のアルコキシカルボニルアルキレンオキシ基、フェニル基、または、−NR基(ここでR及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、または炭素原子数1〜10のアシル基を表す)を表し、また、X及びX、X及びX、X及びX、X及びX、X及びX、X及びX、並びにX及びX10のうち少なくとも1組が一緒になってベンゼン環を形成することもできる。)
上記一般式(I−1)中、X〜X10で表される炭素原子数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、イソアミル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシルなどが挙げられ、炭素原子数1〜10のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシなどが挙げられる。また、炭素原子数1〜10のアルカノイルオキシ基としては、例えば、メタノイルオキシ、エタノイルオキシ、プロパノイルオキシ等が挙げられ、炭素原子数1〜10のアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル等が挙げられる。更に、炭素原子数2〜20のアルコキシアルキレンオキシ基としては、例えば、メトキシメチレンオキシ、エトキシメチレンオキシ、メトキシエチレンオキシ等が挙げられ、炭素原子数3〜21のアルコキシカルボニルアルキレンオキシ基としては、例えば、メトキシカルボニルメチレンオキシ、エトキシカルボニルメチレンオキシ、メトキシカルボニルエチレンオキシ等が挙げられる。
上記RおよびRがとりうる炭素原子数1〜10のアルキル基としては、上記したものと同様のものを挙げることができる。また、上記RおよびRがとりうる炭素原子数1〜10のアシル基としては、メタノイル(ホルミル)、エタノイル(アセチル)、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、ノナノイル基等が挙げられる。
以下に本発明に使用されるβ−ジケトン化合物を例示するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
Figure 0006092116
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これらβ−ジケトン化合物の使用量は、セルロース系樹脂100質量部に対し、0.5〜30質量部、好ましくは1〜20質量部である。この使用量が0.5質量部未満ではその効果が十分発揮されず、一方、30質量部を超えて使用した場合には、ブリードを生じたり、延伸光学補償フィルムの物性を低下させるため、好ましくない。
本発明の延伸光学補償フィルムには、可塑剤を任意に使用することができる。可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ブチルヘキシルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジオクチルテレフタレートなどのフタレート系可塑剤;ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジ(ブチルジグリコール)アジペートなどのアジペート系可塑剤;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリ(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリ(ブトキシエチル)ホスフェート、オクチルジフェニルホスフェートなどのホスフェート系可塑剤;多価アルコールとして、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどと、二塩基酸として、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などとを用い、必要により一価アルコール、モノカルボン酸(酢酸、芳香族酸など)をストッパーに使用したポリエステル系可塑剤;その他、テトラヒドロフタル酸系可塑剤、アゼライン酸系可塑剤、セバチン酸系可塑剤、ステアリン酸系可塑剤、クエン酸系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、ビフェニレンポリカルボン酸系可塑剤、多価アルコールの芳香族酸エステル系可塑剤(トリメチロールプロパンのトリベンゾエート等)などが挙げられる。
また、本発明の延伸光学補償フィルムには、さらに各種の添加剤、例えば、リン系、フェノール系または硫黄系抗酸化剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤などを配合することもできる。
上記リン系抗酸化剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、ビス(2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェニル)・エチルホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッドホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)・1,4−シクロヘキサンジメチルジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、フェニル−4,4’−イソプロピリデンジフェノール・ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12−15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルホスファイト、ビス[2,2’−メチレンビス(4,6−ジアミルフェニル)]・イソプロピリデンジフェニルホスファイト、水素化−4,4’−イソプロピリデンジフェノールポリホスファイト、ビス(オクチルフェニル)・ビス[4,4’−n―ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)]・1,6−ヘキサンジオール・ジホスファイト、テトラトリデシル・4,4’−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)・1,1,3−トリス(2−メチル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン・トリホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール・2,4,6−トリ第三ブチルフェノールモノホスファイトなどが挙げられる。
上記フェノール系抗酸化剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、トリデシル・3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオアセテート、チオジエチレンビス[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス[2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス[2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルヒドロシンナモイルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン]、トリエチレングリコールビス[β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]などが挙げられる。
上記硫黄系抗酸化剤としては、例えば、チオジプロピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、ミリスチルステアリル、ジステアリルエステルなどのジアルキルチオジプロピオネート類およびペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)などのポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類などが挙げられる。
上記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−第三ブチル−4’−(2−メタクリロイルオキシエトキシエトキシ)ベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)などの2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−ドデシル−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−C7〜9混合アルコキシカルボニルエチルフェニル)トリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3、5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステルなどの2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシロキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−アクリロイルオキシエトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンなどの2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどのベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリドなどの置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレートなどのシアノアクリレート類などが挙げられる。
上記ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−s−トリアジン−6−イルアミノ]ウンデカン、1,6,11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ−s−トリアジン−6−イルアミノ]ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンなどが挙げられる。
その他、本発明の延伸光学補償フィルムには、さらに必要に応じてその他添加剤、例えば、充填剤、着色剤、架橋剤、帯電防止剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、滑剤、難燃剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌剤、金属不活性化剤、離型剤、顔料、加工助剤、酸化防止剤、光安定剤、発泡剤等を配合することができる。
次に、本発明の延伸光学補償フィルムの製造方法について説明するが、以下の方法により限定されるものではない。
本発明の延伸光学補償フィルムの製造は、セルロースエステルを溶剤に溶解させたドープ液を塗布、乾燥して行われる。ドープ液には必要に応じて各種添加剤を混合することができる。ドープ液中のセルロースエステルの濃度は、濃い方が支持体に流延した後の乾燥負荷が低減できて好ましいが、セルロースエステルの濃度が濃過ぎると濾過時の負荷が増えて、濾過精度が悪くなる。これ等を両立する濃度としては、10〜30質量%が好ましく、更に好ましくは15〜25質量%である。
本発明に係るドープ液の調製に用いる溶剤は、単独でも併用でもよいが、セルロースエステルの良溶剤と貧溶剤とを混合して用いることが生産効率の点で好ましい。良溶剤と貧溶剤の混合比率の好ましい範囲は、良溶剤が70〜98質量%であり、貧溶剤が30〜2質量%である。本発明に用いられる良溶剤、貧溶剤とは、使用するセルロースエステルを単独で溶解するものを良溶剤、単独では膨潤するのみかあるいは溶解し得ないものを貧溶剤と定義する。そのため、セルロースの平均酢化度によっては、良溶剤、貧溶剤が変わり、例えば、アセトンは、平均酢化度55%のセルロースエステルでは良溶剤になり、平均酢化度60%のセルロースエステルでは貧溶剤となってしまう。このように、良溶剤、貧溶剤はすべての場合に一義的に決まるものではない。本発明において好ましいセルロースエステルであるセルローストリアセテートの場合には、良溶剤としては、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物やジオキソラン類が挙げられ、また、セルロースアセテートプロピオネートの場合にはメチレンクロライド、アセトン、酢酸メチル等が挙げられる。一方、これらの場合、貧溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロヘキサン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
上記ドープ液を調製するときのセルロースエステルの溶解方法としては、一般的な方法を用いることができるが、加圧下で、溶剤の常圧での沸点以上でかつ溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱し、撹拌しながら溶解する方法が、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止することができるため、好ましい。また、セルロースエステルを貧溶剤と混合し、湿潤あるいは膨潤させた後、さらに良溶剤と混合して溶解する方法も好ましく用いられる。さらに、公知の冷却溶解法を用いてもよい。冷却溶解法を用いる場合には、良溶剤として酢酸メチル、アセトンを用いることができる。加圧は、窒素ガス等の不活性気体を圧入する方法や、加熱による溶剤の蒸気圧の上昇によって行ってもよい。加熱は、外部から行うことが好ましく、例えば、ジャケットタイプのものは温度コントロールが容易であるため、好ましい。
溶剤を添加した後の加熱温度は、使用溶剤の常圧での沸点以上で、かつ溶剤が沸騰しない範囲の温度が、セルロースエステルの溶解度の観点から好ましい。加熱温度が高過ぎると必要とされる圧力が大きくなり、生産性が悪くなる。好ましい加熱温度の範囲は45〜120℃であり、60〜110℃がより好ましく、70〜105℃が更に好ましい。また、圧力は、設定温度で溶剤が沸騰しないように調整する。加熱後は、得られたセルロースエステル溶液を濾紙等の適当な濾材を用いて濾過する。濾材としては、不要物等を除去するために絶対濾過精度が小さい方が好ましいが、絶対濾過精度が小さ過ぎると濾材の目詰まりが発生しやすいという問題点が生じる。このため、絶対濾過精度0.008mm以下の濾材が好ましく、0.001〜0.008mmの範囲の濾材がより好ましく、0.003〜0.006mmの範囲の濾材が更に好ましい。濾材の材質は特に制限はなく、通常の濾材を使用することができるが、例えば、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)等のプラスチック製の濾材やステンレス等の金属製の濾材が繊維の脱落等がなく、好ましい。
ドープ液の濾過は通常の方法で行うことができるが、加圧下で、溶剤の常圧での沸点以上でかつ溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら濾過する方法が、濾材前後の差圧(以下、濾圧ということがある)の上昇が小さく、好ましい。好ましい濾過の温度は45〜120℃であり、45〜70℃がより好ましく、45〜55℃が更に好ましい。濾圧は小さい方が好ましい。濾圧は1.6×10Pa以下であることが好ましく、1.2×10Pa以下であることがより好ましく、1.0×10Pa以下であることが更に好ましい。
流延(キャスト)工程に用いる支持体は、無端ベルト状もしくはドラム状のステンレスを鏡面仕上げした支持体が好ましい。キャスト工程の支持体の温度は0℃から溶剤の沸点未満の温度までが好ましい。温度が高い方が乾燥速度を速くできるが、あまり高過ぎると発泡したり、平面性が劣化する場合がある。好ましい支持体温度は0〜50℃であり、5〜30℃が更に好ましい。支持体の温度を制御する方法は特に制限されないが、温風または冷風を吹きかける方法や、温水バットを支持体に接触させる方法がある。これらの方法のうち、温水バットを用いる方法が、熱の伝達が効率的に行われ、支持体の温度が一定になる時間が短くなるため、好ましい。温風を用いる場合は、目的の温度よりも高い温度の風を使う必要がある。セルロースエステルフィルムが良好な平面性を示すためには、支持体から剥離する際の残存溶剤量は、10〜120質量%が好ましく、更に好ましくは20〜40質量%または60〜120質量%であり、特に好ましくは20〜30質量%または70〜115質量%である。
本発明においては、残留溶剤量は下記式で定義される。
残留溶剤量=〔(加熱処理前のフィルム質量−加熱処理後のフィルム質量)/(加熱処理後のフィルム質量)〕×100(%)
尚、残留溶剤量を測定する際の加熱処理とは、フィルムを115℃で1時間加熱することをいう。また、セルロースエステルフィルムの乾燥工程においては、支持体より剥離したフィルムを更に乾燥し、残留溶剤量を3質量%以下にすることが好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。フィルム乾燥工程では一般にロール懸垂方式か、テンター方式でフィルムを搬送しながら乾燥する方式を採ることができる。
支持体より剥離した直後の残留溶剤量の多い間に、テンター方式で幅保持または延伸を行うことが、寸法安定性向上効果をより発揮するため、好ましい。フィルムを乾燥させる手段は特に制限なく、熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行うことができる。簡便さの点では、熱風で行うことが好ましい。この場合、乾燥温度は40〜150℃の範囲で段階的に高くしていくことが好ましく、寸法安定性を良くするためには50〜140℃で行うことが更に好ましい。
延伸光学補償フィルムの膜厚は、薄い方が液晶ディスプレイの薄膜化が容易になるため好ましいが、薄過ぎると、透湿度が増大し、引き裂き強度等が不足する。これ等を両立するセルロースエステルフィルムの膜厚としては、10〜150μmが好ましく、20〜100μmがより好ましい。
以下、実施例を示して本発明の延伸光学補償フィルムを更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜9、比較例
セルローストリアセテートを100質量部(酢化度61.5%、重合度260)及び下記の表1記載の添加剤を同表記載の質量部で、メチレンクロライド400質量部とメチルアルコール100質量部とからなる混合溶剤に撹拌しながら均一に溶解させ、各種ドープ液を調製した。次いで、得られたドープ液をガラス板上に約0.1mmの厚さになるように流延し、室温で16時間乾燥させた後、50℃で1時間乾燥させ、さらに120℃で1時間乾燥させた。その後、延伸装置EX10−B1(東洋精機(株)製)を用いて150℃で1軸延伸を施し、各種評価フィルムを得た。得られたフィルムの膜厚はいずれも約80μmであり、延伸倍率は1.3倍であった。
(耐ブリード性の評価方法)
得られたフィルムを30mm×40mmの大きさに切り取り、温度85℃、相対湿度90%の恒温恒湿器中に120時間放置した。その後フィルム表面を目視で観察し、ブリードの有無を以下の評価基準にて確認した。
○:ブリード物が観察されなかった。
×:ブリード物が観察された。
(レターデーション測定方法)
得られたフィルムについて、下記式に従い自動複屈折率計RETS−100(大塚電子(株)製)を用いて、25℃60%RH環境下、波長590nmにおける面内のレターデーション(Ro)及び厚み方向のレターデーション(Rth)を測定した。
Ro=(nx−ny)×d
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
[式中,nxはフィルム面内の屈折率が最も大きい方向の屈折率、nyはnxに直角な方向でのフィルム面内の屈折率、nzはフィルムの厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚み(μm)を表す。]
得られた評価結果を下記の表1に示す。
Figure 0006092116
*:トリフェニルホスフェート
表1から明らかなように、本発明に係るβ−ジケトン化合物を使用したいずれの実施例も相溶性に優れ、また、汎用改質剤であるトリフェニルホスフェートを使用した比較例と比較してレターデーション(Ro,Rth)の値が共に大きく、優れた光学特性を示すことがわかる。また、実施例6および実施例7から、本発明に係るβ−ジケトン化合物とトリフェニルホスフェートとを混合した場合であっても同様の向上効果が認められることが分かる。

Claims (4)

  1. セルロース系樹脂100質量部に対し、下記一般式(I)で表されるβ−ジケトン化合物0.5〜30質量部を配合してなることを特徴とする延伸光学補償フィルム。
    Figure 0006092116
    (式中、R及びRはそれぞれ独立して、置換基を有することのできる炭素原子数1〜20のアルキル基、置換基を有することのできる炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、または置換基を有することのできる炭素原子数6〜20のアリール基を表し、Rは水素原子を表す。)
  2. 前記β−ジケトン化合物が、前記一般式(I)中、R及びRの少なくとも一方が置換基を有することのできるアリール基である化合物である請求項1に記載の延伸光学補償フィルム。
  3. 前記β−ジケトン化合物が、下記一般式(I−1)で表される化合物である請求項1に記載の延伸光学補償フィルム。
    Figure 0006092116
    (式中、X〜X10は、それぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜10のアルカノイルオキシ基、炭素原子数1〜10のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜20のアルコキシアルキレンオキシ基、炭素原子数3〜21のアルコキシカルボニルアルキレンオキシ基、フェニル基、または、−NR基(ここでR及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、または炭素原子数1〜10のアシル基を表す)を表し、また、X及びX、X及びX、X及びX、X及びX、X及びX、X及びX、並びにX及びX10のうち少なくとも1組が一緒になってベンゼン環を形成することもできる。)
  4. セルロース系樹脂が、セルロースアシレートである請求項1〜3の何れかに記載の延伸光学補償フィルム。
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