JP2007162012A - 光学フィルム用樹脂組成物及びその積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】α,β−不飽和化合物を重合させてなる共重合体であって、プロペン酸、2−メチルプロペン酸、プロペン酸誘導体、2−メチルプロペン酸誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物及び/またはアルケニル基含有化合物を含んでなる共重合体(A)、特定の構造を有するβジケトン化合物(B)及び共重合体(A)中の官能基と反応し得る反応性化合物(C)を含むことを特徴とする樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
この方法では、金属キレート錯体を蛍光体層、アミン系化合物を正孔注入層に使用して、高輝度の緑色発光を得ており、6〜7Vの直流電圧で輝度は100cd/m2 、最大発光効率は1.5lm/Wを達成して、実用領域に近い性能を持っている。このような有機EL素子を実用に供する場合、単色のみでなく、赤,緑,青の3原色や白色などの各色を揃えることが望ましく、従来、各色ごとに発光材料の研究がなされてきた。
即ち、本発明は、α,β−不飽和化合物を重合させてなる共重合体であって、プロペン酸、2−メチルプロペン酸、プロペン酸誘導体、2−メチルプロペン酸誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物及び/またはアルケニル基含有化合物を含んでなる共重合体(A)、一般式(I)で示される化合物(B)及び共重合体(A)中の官能基と反応し得る反応性化合物(C)を含むことを特徴とする樹脂組成物に関する。
[一般式(I)中、R1〜R10はH、OH、COOH、CH2CH2CH2−DMSi(DMSi:ジメチルポリシロキシ基)、アミン系官能基、炭素数1〜26である直鎖もしくは分岐鎖状あるいは脂環状炭化水素基、炭素数1〜26であるアルコキシ基及び炭素数2ないし3であるポリオキシアルキレン基から選ばれるいずれかであり、更に、R1、R6はヘテロ原子を含んでいても良い環状炭化水素基または環状炭化水素のアルコキシ基であっても良い。]
プロペン酸誘導体あるいは2−メチルプロペン酸誘導体としては、例えば、(2−メチル)プロペン酸メチル〔プロペン酸メチルと2−メチルプロペン酸メチルとを併せて「(2−メチル)プロペン酸メチル」と表記する。以下同様。〕、(2−メチル)プロペン酸エチル、(2−メチル)プロペン酸1−プロピル、(2−メチル)プロペン酸2−プロピル、(2−メチル)プロペン酸n−ブチル、(2−メチル)プロペン酸sec−ブチル、(2−メチル)プロペン酸iso−ブチル、(2−メチル)プロペン酸tert−ブチル、(2−メチル)プロペン酸n−アミル、(2−メチル)プロペン酸iso−アミル、(2−メチル)プロペン酸n−ヘキシル、(2−メチル)プロペン酸2−エチルヘキシル、(2−メチル)プロペン酸n−オクチル、(2−メチル)プロペン酸iso−オクチル、(2−メチル)プロペン酸n−ノニル、(2−メチル)プロペン酸iso−ノニル、(2−メチル)プロペン酸デシル、(2−メチル)プロペン酸ドデシル、(2−メチル)プロペン酸オクタデシル、(2−メチル)プロペン酸ラウリル、(2−メチル)プロペン酸ステアリルなどの(2−メチル)プロペン酸アルキルエステル類;
2−ヒドロキシ−4−{2−((2−メチル)プロパン−2−エノイルオキシ}ブトキシジフェニルメタノン、2, 2'−ジヒドロキシ−4−{2−(2−メチル)プロパン−2−エノイルオキシ}エトキシジフェニルメタノン、2−ヒドロキシ−4−{2−(2−メチル)プロパン−2−エノイルオキシ}エトキシ−4'−(2−ヒドロキシエトキシ)ジフェニルメタノン等のジフェニルメタノン系の(2−メチル)プロペン酸誘導体類;
共重合体のガラス転移点が−80℃未満の場合、該共重合体を用いて得られる樹脂層の凝集力が低下し、浮き剥がれが生じやすくなる。 一方、ガラス転移点が−20℃を超えると、樹脂層の十分な接着力を得ることができない可能性がある。
上記のα,β−不飽和化合物と共重合に供する他の化合物としては、凝集力の制御や耐熱性の向上のために、ガラス転移点(Tg)が−20〜100℃の範囲のホモポリマーを形成し得る、アルケニル基含有化合物やα,β−不飽和カルボン酸エステルであって、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、マレイミド基、ニトリル基、エポキシ基、アルコキシシリル基、アリル基などの官能基を有するものが好ましい。更に反応性化合物(C)との間に、疎密分布を明確に表さないような均質な架橋構造を形成するためには、前記官能基がカルボキシル基及び/またはヒドロキシル基であることがより好ましい。
さらに、前記官能基がカルボキシル基である場合には、カルボキシル基を有する化合物として、プロペン酸及び/または2−メチルプロペン酸を使用することが好ましい。
また、20重量%を超えた場合、樹脂層の凝集力が高くなりすぎるため、積層されたガラス面との間で、環境変化により剥離し易くなるため、好ましくない。
1−(o−メチルフェニル)−3−フェニル−1,3−プロパンジオン《R1=CH3、R2=R3=R4=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
ジ−(o−メチルフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=R6=CH3、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H》、
1−(p−iso−プロピルフェニル)−3−フェニル−1,3−プロパンジオン《R1=CH(CH3)2、R2=R3=R4=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
1−(p−iso−プロピルフェニル)−3−(p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=CH(CH3)2、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH3》、
1−(p−tert−ブチルフェニル)−3−(p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=C(CH3)3、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH3》、
1−(p−iso−プロピルフェニル)−3−(p−(2’−エチルヘキシルオキシ)フェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=CH(CH3)2、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH2CH(C2H5)C4H9》、
1−(p−iso−プロピルフェニル)−3−(p−ヒドロキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=CH(CH3)2、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OH》、
1−(p−tert−ブチルフェニル)−3−(p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=C(CH3)3、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH3》、
1−(p−tert−ブチルフェニル)−3−(p−iso−プロポキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=C(CH3)3、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH(CH3)2》、
1−(p−tert−ブチルフェニル)−3−{p−(2’−エチルヘキシルオキシ)フェニル}−1,3−プロパンジオン《R1=C(CH3)3、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH2CH(C2H5)C4H9》、
1−(p−tert−ブチルフェニル)−3−(p−シクロヘキシルフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=C(CH3)3、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=C6H11》、
1−(p−tert−ブチルフェニル)−3−(p−ヒドロキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=C(CH3)3、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OH》、
1−(p−tert−ブチルフェニル)−3−(o−ヒドロキシ−p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=C(CH3)3、R2=R3=R5=R7=R8=R9=R10=H、R4=OH、R6=OCH3 》、
1−(p−tert−ブチルフェニル)−3−(p−フェノキシ−o−ジメトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=C(CH3)3、R2=R3=R5=R7=R8=R9=R10=H、R4=R6=OCH3 》、
ジ−(p−ヒドロキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=R6=OH、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H》、
1−(p−ヒドロキシフェニル)−3−フェニル−1,3−プロパンジオン《R1=OH、R2=R3=R4=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
1−(p−ヒドロキシフェニル)−3−(p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=OH、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH3》、
1−{p−(2’−ヒドロキシ)エトキシフェニル}−3−(p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=OCH2CH2OH、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH3》、
1−{p−(2’−ヒドロキシ)エトキシフェニル}−3−(p−フェノキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=OCH2CH2OH、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OC6H5》、
1−{p−(2’−ヒドロキシ)エトキシフェニル}−3−(p−フェノキシ−o−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=OCH2CH2OH、R2=R3=R5=R7=R8=R9=R10=H、R4=OCH3、R6=OC6H5》、
1−{p−(2’−ヒドロキシ)エトキシフェニル}−3−(o−ジエトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=OCH2CH2OH、R2=R3=R5=R6=R7=R9=R10=H、R4=R8=OCH2CH3》
1−{p−(2’−ヒドロキシ)エトキシフェニル}−3−(p−シクロヘキシルフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=OCH2CH2OH、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=C6H11》、
1−{p−(2’−ヒドロキシ)エトキシフェニル}−3−{p−(o−メチル)モルホリノフェニル}−1,3−プロパンジオン《R1=OCH2CH2OH、R2=R3=R4=R7=R8=R9=R10=H、R5=CH3、R6=モルホリノ基(C4H8NO)》、
1−{p−(2’−ヒドロキシ)エトキシフェニル}−3−フェニル−1,3−プロパンジオン《R1=OCH2CH2OH、R2=R3=R4=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
1−(p−ヒドロキシフェニル)−3−{p−(2’−エチルヘキシルオキシ)フェニル}−1,3−プロパンジオン《R1=OH、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH2CH(C2H5)C4H9》、
1−(p−ベンジルオキシフェニル)−3−(p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=CH2OC6H5、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH3》、
1−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−フェニル−1,3−プロパンジオン《R1=N(CH3)2、R2=R3=R4=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
1−(p−トルイルフェニル)−3−(p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=C6H4CH3、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH3》、
1−{p−(2’−イル−ピリジン)−フェニル}−3−(p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=NC5H4、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH3》、
1−(p−tert−ブチルフェニル)−3−(p−フェノキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=C(CH3)3、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OC6H5》、
1−(p−ポリオキシエチレンフェニル)−3−(p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=(OCH2CH2)nOH(n=1〜6)、R2=R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH3》、
1−(m−ジメチルポリシロキシブチル−p−ヒドロキシフェニル)−3−(p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R1=OH、R2=CH2CH2CH2−DMSi、R3=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH3》、
1−(o−カルボキシフェニル)−3−(p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン《R3=COOH、R1=R2=R4=R5=R7=R8=R9=R10=H、R6=OCH3》、
その他、1−(o−カルボキシフェニル)−3−(p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオンのトリエチルアミン、トリエタノールアミン等のアミン塩やナトリウム、カリウムあるいはアルミニウム等の金属塩などが挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
例えば、
Ann.Chim.(Rone),48,762(1958)、J.Chem.Soc.,2063(1952)、J.Org.Chem.,36,1447(1971)、
Peatic Sei.,4,473(1973)、アメリカ特許出願USP-4381360号公報、フランス特許出願FR-A-2326405号公報及びFR-A-2440933号公報、欧州特許出願EP-A-0114607号公報等が代表的であり、主に、2つの製造方法が知られており、(1)芳香族カルボン酸ビニルエステルをフリーデルクラフト条件下で塩化アルミニウムと反応させることで製造する手法、(2)芳香族カルボン酸やそのエステル化合物と置換型アセトフェノン等の芳香族ケトン化合物とのクライゼン縮合で製造する手法、という製造方法であり、(2)が一般的な手法である。
共重合体(A)中の官能基がヒドロキシル基の場合は、反応性化合物(C)の官能基としてはイソシアネート基、N−メチロール基が挙げられる。
特にポリイソシアネート化合物は、架橋反応後の樹脂組成物の接着性や被覆層への密着性に優れていることから好ましく用いられる。
錫系化合物としては、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。
非錫系化合物としては、例えばジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライドなどのチタン系、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛などの鉛系、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネートなどの鉄系、安息香酸コバルト、2−エチルヘキ酸コバルトなどのコバルト系、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛などの亜鉛系、ナフテン酸ジルコニウムなどが挙げられる。
上記触媒の中で、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、2−エチルヘキサン酸錫等が反応性や衛生性の点で好ましい。
脂肪族系ポリアミンとしては、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メンセンジアミン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、分子両末端のプロピレン分岐炭素にアミノ基が結合したポリプロピレングリコール(プロピレン骨格のジアミン、例えば、サンテクノケミカル社製「ジェファーミンD230」、「ジェファーミンD400」等、プロピレン骨格のトリアミン、例えば、「ジェファーミンT403」等。)、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、1,2−ジアミノプロパン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、H2N(CH2CH2O)2(CH2 )2NH2[サンテクノケミカル社製「ジェファーミンEDR148」(エチレングリコール骨格のジアミン)]等のアミン窒素にメチレン基が結合したポリエーテル骨格のジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン(デュポン・ジャパン社製「MPMD」)、メタキシリレンジアミン(MXDA)、ポリアミドアミン(三和化学社製「X2000」)、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(三菱ガス化学社製「1,3BAC」)、1−シクロヘキシルアミノ−3−アミノプロパン、3−アミノメチル−3,3,5−トリメチル−シクロヘキシルアミン、ノルボルナン骨格のジメチレンアミン(三井化学社製「NBDA」)等を挙げることができる。
これらの中でも、特に硬化速度が高いことから、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ノルボルナン骨格のジメチレンアミン、メタキシリレンジアミン、H2N(CH2CH2O)2(CH2 )2NH2(エチレングリコール骨格のジアミン)、プロピレン骨格のジアミン、プロピレン骨格のトリアミン、ポリアミドアミン(商品名:X2000)が有用に使用される。
このような化合物としては、以下のジイソシアネートを脱炭酸縮合反応させたものが挙げられる。
ジイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1−メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートの内の一種、またはこれらの混合物を使用することができる。
共重合体(A)中の官能基と反応性化合物(C)中の官能基との反応により、樹脂組成物が三次元架橋し、各種被着体との密着性を確保するだけでなく、含有している化合物(B)の局在化による遮蔽性能変化を防止し、従来よりも過酷な条件下における耐熱性及び耐湿熱性をも向上することができるため、光学部材用として好ましく使用することができる。
なお、上記の紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光増白剤としての複数の効能を有する化合物も使用可能である。
紫外線吸収剤としては、例えば、無機系化合物として、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウム、酸化タリウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム等の金属酸化物微粒子を用いることができる。なかでも酸化亜鉛が無色、透明性の点から好ましい。
また有機系化合物として、例えば、ベンゾトリアゾール系,トリアジン系,ベンゾオキサジン系、サリチル酸エステル系,ジフェニルメタノン系,2−シアノプロペン酸エステル系、アントラニレート系、ケイヒ酸誘導体系、カンファー誘導体系、ベンザルマロネート誘導体系、レゾルシノール系、オキザリニド系、クマリン誘導体系等が使用できる。
アントラニレート系としては、例えば、メンチルアントラニレート等が挙げられる。
ケイヒ酸誘導体系としては、例えば、エチルヘキシルメトキシシンナメート、イソプロピルメトキシシンナメート、イソアミルメトキシシンナメート、ジイソプロピルメチルシンナメート、グリセリル−エチルヘキサノエートジメトキシシンナメート、メチル−α−カルボメトキシシンナメート、メチル−α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート等が挙げられる。
レゾルシノール系としては、例えば、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイルレゾルシノール)等が挙げられる。
オキザリニド系としては、例えば、4,4′−ジ−オクチルオキシオキザニリド、2,2′−ジエトキシオキシオキザニリド、2,2′−ジ−オクチルオキシ−5,5′−ジ−tert−ブチルオキザニリド、2,2′−ジ−ドデシルオキシ−5,5′−ジ−tert−ブチルオキザニリド、2−エトキシ−2′−エチルオキザニリド、N,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキザニリド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2′−エトキシオキザニリド等が挙げられる。
クマリン誘導体系としては、例えば、7−ヒドロキシクマリン等が挙げられる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系化合物(「HALS」と略記する。)等が使用できる。ヒンダードアミン系としては、例えばビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)アルキルアミンニッケル、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミン・N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物等を挙げることができる。
蛍光増白剤としては、ベンズオキサゾ−ル系、トリアジン系、ピラゾリン系、クマリン系化合物等を挙げることができる。
また、本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で有れば、各種樹脂、シランカップリング剤、軟化剤、染料、顔料、酸化防止剤、タッキファイヤ、可塑剤、充填剤および老化防止剤等を配合しても良い。
例えば、種々のシート状基材に本発明の樹脂組成物を塗工、乾燥・硬化することによって接着シートを得ることができる。
樹脂組成物を塗工するに際し、適当な液状媒体、例えば、酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、その他の炭化水素系溶媒等の有機溶媒や、水をさらに添加して、粘度を調整することもできるし、樹脂組成物を加熱して粘度を低下させることもできる。
樹脂層の厚さは、0.1μm〜200μmであることが好ましく、0.1μm〜100μmであることがより好ましい。0.1μm未満では十分な接着力が得られないことがあり、200μmを超えても接着力等の特性はそれ以上向上しない場合が多い。
乾燥方法には特に制限はなく、熱風乾燥、赤外線や減圧法を利用したものが挙げられる。乾燥条件としては樹脂組成物の硬化形態、膜厚や選択した溶剤にもよるが、通常60〜180℃程度の熱風加熱でよい。
本発明の樹脂積層体は、有機EL素子の陽極側に積層される反射防止フィルム、輝度向上フィルム等の光学特性を持つ、いわゆるシート(前述の通りフィルムともいう)状の光学部材に、上記本発明の樹脂組成物から形成される樹脂層が積層されてなるものである。樹脂層の他の面には、剥離処理されたシート状基材を積層することもできる。
(ア)剥離処理されたシート状基材の剥離処理面に樹脂組成物を塗工し、必要に応じて液状媒体を除去して樹脂層を設け、シート状の光学部材を樹脂層の表面に積層したり、
(イ)シート状の光学部材に樹脂組成物を塗工し、必要に応じて液状媒体を除去して樹脂層を設け、樹脂層の表面に剥離処理されたシート状基材の剥離処理面を積層したりすることによって得ることができる。
官能基を有する共重合体(A)と、該官能基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(C)との架橋反応は、樹脂組成物の乾燥時、及び形成された樹脂層表面にシート状の光学部材や剥離処理されたシート状基材を積層する際さらには積層した後に進行する。
樹脂層の120℃における剪断貯蔵弾性率が、1×104dyn/cm2より小さい場合には、樹脂積層体を有機EL用ガラス部材に貼着した後、高温暴露した場合、樹脂層が軟化して、発泡や膨れやハガレが起こり易くなる。一方、樹脂層の120℃における剪断貯蔵弾性率が、1×106dyn/cm2より大きい場合には、耐熱性は十分に高くなるものの、室温では樹脂層が硬く、樹脂積層体を有機EL用ガラス部材に貼着する際に、樹脂層が有機EL用ガラス部材の表面に十分なじまず、その結果、接着力が低下する。
つまり、本発明の樹脂組成物は、120℃における剪断貯蔵弾性率が1×104〜1×106dyn/cm2の接着層を形成し得るので、この接着層を介して反射防止フィルムや輝度向上フィルム等とガラス板とを積層してなる積層物を120℃の環境下で1000時間放置した後の浮きハガレ(耐熱性能)、80℃、相対湿度90%の環境下で1000時間放置した後の浮きハガレ(耐湿熱性)、およびこの80℃相対湿度90%の環境下で1000時間放置した後の反射防止フィルムや輝度向上フィルム等とガラス板の構成物に光を透過させたときのヘイズが抑制されるので、光学部材用の樹脂組成物として好適である。
<共重合体(A)の製造>
(合成例1)
重合槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた重合反応装置の重合槽及び滴下装置に、下記α、β−不飽和化合物をそれぞれ下記の比率で仕込んだ。
プロペン酸n−ブチル 29部
プロペン酸メチル 15部
2−ヒドロキシ−4−[2−(2−メチルプロパン)−2−エノイル
オキシ]エトキシジフェニルメタノン 5部
プロペン酸 0.5部
プロペン酸4−ヒドロキシエチル 0.5部
酢酸エチル 30部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
[滴下装置]
プロペン酸n−ブチル 49部
プロペン酸 0.5部
プロペン酸4−ヒドロキシエチル 0.5部
酢酸エチル 36部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
合成例1において用いたα、β−不飽和化合物の組成を変更して、重合槽及び滴下装置にそれぞれ下記の比率で仕込み、それ以外は合成例1と同様にして重合し、α、β−不飽和化合物の共重合体を含む透明な溶液を得た。
[重合槽]
プロペン酸2−エチルヘキシル 30部
プロペン酸n−ブチル 14部
2−メチルプロペン酸メチル 10部
2−(2’−ヒドロキシ−5’−プロパン−2−エノイルオキシ
プロピルフェニル−2−H−ベンゾトリアゾール 5部
プロペン酸 1部
酢酸エチル 30部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
[滴下装置]
プロペン酸2−エチルヘキシル 45部
プロペン酸n−ブチル 4部
プロペン酸 1部
酢酸エチル 36部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
合成例1において用いたα、β−不飽和化合物の組成を変更して、重合槽及び滴下装置にそれぞれ下記の比率で仕込み、それ以外は合成例1と同様にして重合し、α、β−不飽和化合物の共重合体を含む透明な溶液を得た。
[重合槽]
2−メチルプロペン酸ラウリル 25部
プロペン酸エチル 4部
エタン酸ビニル 10部
2,4−ジフェニル−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−プロパン−2−
エノイルオキシエトキシ)]−s−トリアジン 5部
プロペン酸2−ヒドロキシエチル 1部
酢酸エチル 30部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
[滴下装置]
2−メチルプロペン酸ラウリル 45部
プロペン酸エチル 4部
プロペン酸2−ヒドロキシエチル 1部
酢酸エチル 36部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
α,β−不飽和化合物に加えて更に紫外線吸収剤を加えて、重合槽及び滴下装置にそれぞれ下記の比率で仕込み、それ以外は合成例1と同様にして重合し、α、β−不飽和化合物の共重合体を含む透明な液体を得た。
[重合槽]
プロペン酸n−ブチル 31部
プロペン酸メチル 15部
プロペン酸 0.5部
プロペン酸4−ヒドロキシエチル 0.5部
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テト
ラメチルブチル)フェノール 2部
酢酸エチル 30部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
[滴下装置]
プロペン酸n−ブチル 50部
プロペン酸 0.5部
プロペン酸4−ヒドロキシエチル 0.5部
酢酸エチル 36部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
合成例1において用いたα、β−不飽和化合物の組成を変更して、重合槽及び滴下装置にそれぞれ下記の比率で仕込み、それ以外は合成例1と同様にして重合し、α、β−不飽和化合物の共重合体を含む透明な溶液を得た。
プロペン酸n−ブチル 34部
プロペン酸メチル 15部
プロペン酸 0.5部
プロペン酸4−ヒドロキシエチル 0.5部
酢酸エチル 30部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
[滴下装置]
プロペン酸n−ブチル 49部
プロペン酸 0.5部
プロペン酸4−ヒドロキシエチル 0.5部
酢酸エチル 36部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
合成例1において用いたα、β−不飽和化合物の組成を変更して、重合槽及び滴下装置にそれぞれ下記の比率で仕込み、それ以外は合成例1と同様にして重合し、α、β−不飽和化合物の共重合体を含む透明な溶液を得た。
プロペン酸n−ブチル 19.5部
プロペン酸メチル 4部
2−メチルプロペン酸4−ヒドロキシエチル 1.5部
酢酸エチル 30部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
[滴下装置]
プロペン酸n−ブチル 19.5部
プロペン酸メチル 4部
2−メチルプロペン酸4−ヒドロキシエチル 1.5部
酢酸エチル 36部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
(合成例7)
(I)置換型ベンゼンカルボン酸の合成
温度計、コンデンサー、滴下ロート及び撹拌機を備えた1lの四つ口フラスコに窒素気流下で、水 250ml、イソプロピルアルコール(IPA)100ml、4−ヒドロキシ安息香酸69.1g(0.5mol)、48%水酸化ナトリウム水溶液 100.0g、ヨウ化カリウム 0.85gを仕込み、60℃に昇温し加熱撹拌した。そこに、エチレンクロロヒドリン 48.3gを1時間かけて滴下し、滴下終了後80℃に昇温し、その温度を維持しながら3時間反応を続けた。その後、水 150mlを加えてから30℃に冷却し、75%硫酸水溶液でpH3に調製して析出した結晶を濾過し、得られた結晶をメタノールで再結晶して4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸68.7gを得た。
温度計、コンデンサー、滴下ロート及び撹拌機を備えた1lの四つ口フラスコに窒素気流下で、メタノール 260g、上記(I)で得た4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸56.0g(0.5mol)、98%硫酸水溶液14.0gを仕込み、65℃で10時間反応させた。反応終了後、メタノールを除去し、5℃まで冷却した後、水 70ml、トルエン220mlを投入し、48%水酸化ナトリウム水溶液でpH6.5付近に調製した。その後、30℃で分液ロートにて下層を分液し、上層のトルエン層を50mlの水で水洗した後、5℃まで冷却し析出した結晶を濾過し、4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸メチルエステル55.3gを得た。
温度計、コンデンサー、滴下ロート及び撹拌機を備えた1lの四つ口フラスコに窒素気流下で、テトラヒドロフラン(THF) 65mlと、ナトリウムアミド12.0gを水8.0gに溶解した水溶液20.0gを仕込み、これに4′−メトキシアセトフェノン 24.0g(0.16mol)をTHF 35mlに溶解させた溶液を滴下した。40℃に昇温した後、上記(II)で得た4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸メチルエステル 31.7g(0.18mol)をTHF 80mlに溶解させた溶液を滴下し、滴下終了後60℃に昇温して10時間反応を行った。反応終了後、40℃に冷却し、水 200ml、トルエン 120mlを投入し、75%硫酸水溶液でpHを3付近に調製し、分液ロートにて下層を分液し、上層のトルエン層を50mlの水で水洗した後、このトルエン層をエバポレーターで濃縮した後、IPAで再結晶を行い、融点 120℃である白色結晶性粉末の1−[p−(2−ヒドロキシ)エトキシフェニル]−3−(p−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン 46.0g(収率:82.6%)を得た。
合成例7と同様にして、置換型芳香族カルボン酸類と置換型芳香族ケトン類から、表2に示すようにジフェニルβジケトン誘導体をそれぞれ作製した。
溶液外観、不揮発分濃度(%)、溶液粘度、重量平均分子量(Mw)を以下の方法に従って求め、結果を表1に示した。
共重合体(A)溶液の外観を目視にて評価した。
共重合体(A)の各溶液、約1gを金属容器に秤量し、150℃オーブンにて20分間乾燥して、残分を秤量して残率計算をし、不揮発分濃度(%)とした。
共重合体(A)の各溶液を23℃中でB型粘度計(東京計器社製)にて、#3のローターを使用して12rpm、1分間回転の条件で測定し、溶液粘度(mPa・s)とした。
Mwの測定は昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「ShodexGPC System−21」を用いた。GPCは溶媒に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、重量平均分子量(Mw)の決定はポリスチレン換算で行った。
ジフェニルβジケトン誘導体(B)の色相を目視にて評価した。
ジフェニルβジケトン誘導体(B)の性状を目視にて評価した。
原料成分の置換型芳香族カルボン酸エステルと置換型芳香族ケトンの重量及び生成したジフェニルβジケトン誘導体の重量とから算出し、収率として百分率(%)で示した。
ロボットDSC(示差走査熱量計)「RDC220」(セイコーインスツルメンツ社製)に「SSC5200ディスクステーション」(セイコーインスツルメンツ社製)を接続して測定した。試料約10mgを秤量し、アルミニウムパンに調整後、DSC装置にセットした(リファレンス:試料を入れていない同タイプのアルミニウムパン)。窒素気流下、この試料を10℃/分で昇温し、そのDSCチャートの吸熱ピークから融点を測定した。
合成例1で得られた共重合体の溶液100重量部に対して、合成例7で作製したジフェニルβジケトン誘導体を0.3重量部加え、更に反応性化合物(C)として、TAT(トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1、3、5−トリアジン)0.06重量部を加えてよく撹拌して、樹脂組成物を得た。これを剥離処理されたポリエステルフィルム(以下、「剥離フィルム」という。)上に乾燥後の厚みが25μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させ、樹脂層を形成した。
形成された樹脂層に、反射防止フィルムの片面を接触させ、剥離フィルム/樹脂層/反射防止フィルムという構成の積層体を得た。
次いで、得られた積層体を温度23℃相対湿度50%の条件で1週間熟成(暗反応)させて、樹脂層の架橋反応を進行させ、感圧式接着加工した反射防止板(積層体)を得た。
実施例1で使用したジフェニルβジケトン誘導体の代わりに、表4に従い、トリアジン系紫外線吸収剤として2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ノニルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−5−α−クミルフェニル]−s−トリアジン(比較例1)を、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]〕(比較例2)を、ジフェニルメタノン系紫外線吸収剤として、4,2′,4′−トリヒドロキシジフェニルメタノン(比較例3)を、2−シアノプロペン酸エステル系紫外線吸収剤として、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルプロペン酸エステル(比較例4)を、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤として、サリチル酸イソセチル(比較例5)を、また蛍光染料として、商品名「EZCG8006」(イージーブライト社製)(比較例6)を、それぞれ用いたこと以外は実施例1と同様にして、感圧式接着加工した反射防止板(積層体)を得た。
実施例1で使用したジフェニルβジケトン誘導体の代わりに、合成例8〜26で得られたジフェニルβジケトン誘導体をそれぞれ用いたこと以外は、実施例1と同様にして、感圧式接着加工した反射防止板(積層体)を得た。
合成例1で得られた共重合体溶液の代わりに、合成例2,3で得られた共重合体溶液をそれぞれ用いたこと以外は、実施例1と同様にして、感圧式接着加工した反射防止板(積層体)を得た。
反応性化合物(C)として、TATに代えてTDI/TMP(トルレンジイソシネートのトリメチローププロパンアダクト体)0.06部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、感圧式接着加工した反射防止板(積層体)を得た。
合成例1で得られた共重合体溶液の代わりに、合成例4で得られた共重合体溶液を用いたこと以外は、実施例23と同様にして、感圧式接着加工した反射防止板(積層体)を得た。
実施例15の樹脂組成物に、更に紫外線吸収剤として、トリアジン系紫外線吸収剤として2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ノニルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−5−α−クミルフェニル]−s−トリアジン(実施例25)を、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]〕(実施例26)を、ジフェニルメタノン系紫外線吸収剤として、4,2′,4′−トリヒドロキシジフェニルメタノン(実施例27)を、ヒンダードアミン系安定剤として、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(実施例28)を、それぞれ0.01部加えたこと以外は実施例15と同様にして、感圧式接着加工した反射防止板(積層体)を得た。
合成例1で得られた共重合体溶液の代わりに、合成例5、6で得られた共重合体溶液をそれぞれ用いたこと以外は実施例1と同様にして、感圧式接着加工した反射防止板(積層体)を得た。
実施例および比較例で得られた樹脂組成物を剥離フィルム上に塗工し、150℃のオーブンにて乾燥して、厚さ0.3mm程度の樹脂層を設けた後、この樹脂層同士を繰り返し貼り合わせて積層させ、樹脂層の厚さを2mm程度にした。これを、直径8mmの円柱状にポンチで打ち抜き、剪断貯蔵弾性率測定用の試料とした。レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製の粘弾性スペクトロメーター「RDS−II」を用いて周波数1Hz、剪断ひずみ0.1πラジアン、温度120℃の条件下で測定した。結果を表5に示す。
感圧式接着加工した反射防止板(積層体)を150mm×80mmの大きさにカットし、剥離フィルムを剥がし、厚さ1.1mmのフロートガラス板の両面にラミネーターを用いてそれぞれ貼着した。続いて、この反射防止板が貼り付けられたガラス板を50℃5気圧の条件のオートクレーブ内に20分保持させて反射防止板をガラス板に密着させた。更に、この反射防止板とガラス板の積層物を120℃の環境下で1000時間放置した後の浮きハガレ(耐熱性能)、80℃、相対湿度90%の環境下で1000時間放置した後の浮きハガレ(耐湿熱性)を目視で観察し、3段階で評価した。
○:「浮きハガレ・フィルム白化が全く認められない。実用上全く問題ない。」
△:「若干浮きハガレ・フィルム白化が認められるが、実用上問題がない。」
×:「全面的に浮きハガレ・フィルム白化があり、実用不可である。」
各実施例、比較例で得られた樹脂組成物を、剥離処理されたポリエステルフィルムに塗工して乾燥させ、厚さ25μmの樹脂層を設けた後に、更に剥離処理されたポリエステルフィルムを被せた。この剥離処理ポリエステルフィルムに挟まれた樹脂層を温度23℃相対湿度50%の条件で1週間熟成させた後、剥離処理ポリエステルフィルムを取り除き、樹脂層単体の外観を目視判定するとともに、ヘイズを「NDH−300A」[日本電色工業(株)社製]で測定した。
○:「実用上全く問題がない。ヘイズ:1未満。」
△:「曇り等は認められない。ヘイズ:1以上3未満。実用上問題がない。」
×:「若干曇りが認められ、実用上問題がある。ヘイズ:3以上。」
各実施例、比較例で得られた感圧式接着加工した反射防止板を25mm×150mmの大きさにカットし、剥離フィルムを剥がし、厚さ1.1mmのフロートガラスの一方の面にラミネータを用いて貼り付け、50℃5気圧の条件のオートクレーブ内に20分保持させてガラス板に密着させた構成物と、更に、この積層物を120℃の環境下で1000時間放置した構成物及び80℃、相対湿度90%の環境下で1000時間放置した構成物を準備し、それぞれの構成物の、400nm以下の紫外線遮蔽能を、23℃相対湿度50%の条件下で「Ubest V−570」(日本分光(株)社製)を用いて測定し、3段階で評価した。
○:「各構成物とも400nm以下の紫外線のカット率が100%であり、実用上全く問題なし。」
△:「各構成物とも400nm以下の紫外線のカット率95%以上100%未満であり、実用上問題がある。」
×:「いずれか1つ以上の構成物の400nm以下の紫外線のカット率95%未満であり、実用不可である。」
そこで、光学部材用樹脂組成物として好適であるほか、塗料、弾性壁材、塗膜防水材、床材、タッキファイヤ、接着剤、積層構造体用接着剤、シーリング剤、成形材料、表面改質用コーティング剤、バインダー(磁気記録媒体、インキバインダー、鋳物バインダー、焼成レンガバインダー、グラフト材、マイクロカプセル、グラスファイバーサイジング等)、ウレタンフォーム(硬質、半硬質、軟質)、ウレタンRIM、UV・EB硬化樹脂、ハイソリッド塗料、熱硬化型エラストマー、マイクロセルラー、繊維加工剤、可塑剤、吸音材料、制振材料、界面活性剤、ゲルコート剤、人工大理石用樹脂、人工大理石用耐衝撃性付与剤、インキ用樹脂、フィルム(ラミネート接着剤、保護フィルム等)、合わせガラス用樹脂、反応性希釈剤、各種成形材料、弾性繊維、人工皮革、合成皮革等の原料として、また、各種樹脂添加剤およびその原料等としても非常に有用に使用できる。
Claims (10)
- α,β−不飽和化合物を重合させてなる共重合体であって、プロペン酸、2−メチルプロペン酸、プロペン酸誘導体、2−メチルプロペン酸誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物及び/またはアルケニル基含有化合物を含んでなる共重合体(A)、一般式(I)で示される化合物(B)及び共重合体(A)中の官能基と反応し得る反応性化合物(C)を含むことを特徴とする樹脂組成物。
[一般式(I)中、R1〜R10はH、OH、COOH、CH2CH2CH2−DMSi(DMSi:ジメチルポリシロキシ基)、アミン系官能基、炭素数1〜26である直鎖もしくは分岐鎖状あるいは脂環状炭化水素基、炭素数1〜26であるアルコキシ基及び炭素数2ないし3であるポリオキシアルキレン基から選ばれるいずれかであり、更に、R1、R6はヘテロ原子を含んでいても良い環状炭化水素基または環状炭化水素のアルコキシ基であっても良い。]
- 共重合体(A)100重量部に対して化合物(B)0.01〜20重量部及び反応性化合物(C)0.001〜20重量部を含むことを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
- 共重合体(A)中の官能基がカルボキシル基及び/またはヒドロキシル基であることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂組成物。
- 共重合体(A)中のカルボキシル基がプロペン酸及び/または2−メチルプロペン酸から由来することを特徴とする請求項3記載の樹脂組成物。
- 共重合体(A)を構成するα,β−不飽和化合物の合計100重量%中、反応性化合物(C)と反応し得る官能基を有する化合物を0.01〜20重量%の割合で含むことを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の樹脂組成物。
- 反応性化合物(C)が、共重合体(A)中の官能基と反応し得る官能基を1分子中に2個以上有することを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載の樹脂組成物。
- 共重合体(A)100重量部に対して、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光増白剤から選ばれるいずれかの1種以上を0.001〜20重量部含むことを特徴とする請求項1ないし6いずれか記載の樹脂組成物。
- 樹脂組成物が光学用感圧式接着剤組成物であることを特徴とする請求項1ないし7いずれか記載の樹脂組成物。
- 請求項8記載の光学用感圧式接着剤組成物から形成される樹脂層及び光学部材とからなることを特徴とする樹脂積層体。
- 有機エレクトロルミネッセンス用ガラス部材、請求項8記載の光学用感圧式接着剤組成物から形成される樹脂層及び光学部材が順次積層されてなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスセル用部材。
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