JP4997816B2 - 紫外線遮断性樹脂組成物及びその利用 - Google Patents
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Description
また、本発明は、透明性に優れる粘着剤層を構成層とする粘着シートであって、被着体に貼着後、高温下もしくは高温高湿下に曝されても粘着シートが被着体から浮いたり、剥がれたりせず、しかも、高温もしくは高温高湿下に曝されても紫外線遮蔽性能が低下しない紫外線遮断性粘着シートの形成に好適な紫外線遮断性粘着剤及び粘着シートにも関する。
EL素子の一般的構造及び発光原理を簡単に説明する。EL素子は、発光層および該層をはさんだ一対の対向電極から構成されている。両電極間に電界が印加されると、陰極側から電子が注入され、陽極側から正孔が注入される。そして、この電子が発光層において正孔と再結合し、エネルギー準位が伝導帯から価電子帯に戻る際に放出されるエネルギーが光に変換される。
このうち、有機EL素子は、印加電圧を大幅に低くし得ることから、固体発光型の安価な大面積フルカラー表示素子としての用途が有望視され、単色のみでなく、赤,緑,青の3原色や白色を揃えるなど、多くの実用化研究が積極的に行われている。
発光する光の色は、使用される材料によってほぼ決定される。使用される発光材料として、青色ではInGaNやZnCdSe、緑色ではZnTeSeやGaP、黄色ではInGaN、赤色AlGaAsやGaPZn、赤外ではGaAsSiやInGaAsP等があり、それぞれ用途に応じて使用される。
LEDは、屋外で使用されることが多く、日光に曝されることが多い。日光に含まれる290nm〜420nmの波長の不可視の紫外線によって、LEDを構成する材料が劣化し易く、輝度が低下し易いという問題があった。
種々の文献に様々な紫外線吸収剤や様々な組み合わせが提案されてきた。
特許文献9〜10には、トリアジン系紫外線吸収剤が開示されている。
特許文献11には、ベンゾオキサジン系紫外線吸収剤が開示されている。
特許文献12〜16には、ハロゲン化銀写真感光材に用いられる含窒素五員環構造を有する化合物が紫外線吸収機能を有する旨記載されている。
紫外線遮断能を有する粘着剤や塗料には、着色も少なく、透明性に優れることが要求される。
例えば、紫外線遮断能を有する粘着剤の場合は、粘着剤層が設けられたプラスチックフィルム等を被着体に貼着後、高温下(例えば、120℃の環境下)に長時間(例えば1000時間)放置したり、あるいは高温高湿度下(例えば、80℃、相対湿度90%の環境下)に長時間(例えば1000時間)放置したりしても、プラスチックフィルム等が有機EL用ガラス部材やLED用ガラス部材から浮いたり、剥がれたりしないことが要求される(貼着性能の対熱耐久性、対湿熱耐久性)。
紫外線遮断能を有する塗料の場合は、上記のような環境下に曝されても、塗膜にヒビ、シワ等が発生しないこと、塗膜が被着体に十分密着していること等が要求される(塗膜表面状態及び密着性の対熱耐久性、対湿熱耐久性)。
しかし、これらの化合物は、熱に弱く、上記のような環境下に曝されると分解し易い。従って、これらの化合物を含有する粘着剤や塗料から形成される粘着剤層や塗膜は、対熱耐久性及び対湿熱耐久性の点で難がある。しかも、紫外線吸収剤が分解すれば、紫外線遮断性能も低下する。
または、第11の発明に記載の紫外線遮断性粘着シートから剥離処理されてなるシートのうち一方を剥がし、露出した紫外線遮断性粘着剤層にプラスチック基材フィルムを積層し、次いで残っている剥離処理されてなるシートを剥がし、露出した紫外線遮断性粘着剤層を介して、プラスチック基材フィルムを有機エレクトロルミネッセンス用ガラス部材に貼着するか、
あるいは第11の発明に記載の紫外線遮断性粘着シートから剥離処理されてなるシートのうち一方を剥がし、露出した紫外線遮断性粘着剤層に有機エレクトロルミネッセンス用ガラス部材を積層し、次いで残っている剥離処理されてなるシートを剥がし、露出した紫外線遮断性粘着剤層にプラスチック基材フィルムを積層することを特徴とする、
有機エレクトロルミネッセンスセル用部材の製造方法に関する。
本発明の紫外線遮断性樹脂組成物の態様の1つである紫外線遮断性粘着剤を用いてなる紫外線遮断性粘着シートを、有機EL用のガラス部材の表面に貼着することによって、有機EL素子を紫外線から効果的に保護することができる。
本発明の紫外線遮断性樹脂組成物は、紫外線遮断性粘着剤、紫外線遮断性塗料として用いることができる。アクリル系共重合体(A)は、後述する反応性化合物(B)と共に粘着剤層や塗膜の大部分を形成するための成分であり、いずれの場合も後述する紫外線吸収剤(c1)〜(c3)等が粘着剤層や塗膜から脱落しないようにするための成分でもある。
本発明の紫外線遮断性樹脂組成物を紫外線遮断性粘着剤として用いる場合には、バランスの良い粘着特性を発揮することが必要である。特に、タックと凝集力を両立させることが重要である。そこで、アクリル系共重合体(A)としてガラス転移温度(Tg)が−80〜0℃であるアクリル系共重合体(A1)を用いることが好ましい。
アクリル系共重合体(A)のTgが−80℃未満である紫外線遮断性樹脂組成物を粘着剤として用いた場合、形成される粘着剤層の凝集力が低下し、被着体から浮き・剥がれが生じやすくなる。一方、アクリル系共重合体(A)のTgが0℃を超える紫外線遮断性樹脂組成物を粘着剤として用いた場合、十分な接着力を得ることができない可能性がある。
即ち、水酸基も(無水)カルボン酸基も有しないアクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステル(アクリル系単量体という)を主成分とし、ラジカル重合性エチレン性不飽和二重結合を有し、且つ水酸基及び/又は(無水)カルボン酸基を有する単量体を必須成分とする、アクリル系単量体混合物から形成されるものである。アクリル系単量体以外にも、ビニル基含有化合物も使用し得る。
アクリル酸、メタクリル酸;
イタコン酸、マレイン酸等の二塩基酸類及びそれらのモノアルキルエステル;
無水イタコン酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸無水物類;
等が挙げられる。
例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル〔「アクリル酸2−ヒドロキシエチル」と「メタクリル酸2−ヒドロキシエチル」とを併せて「(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル」と表記する。以下同様。〕、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物等の水酸基含有の(メタ)アクリル酸エステル類;
等が挙げられる。
例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;
が挙げられる。
不飽和カルボン酸類のエステル類;
エチレン、プロピレン、ブテンなどのアルケン類;、
ブタジエン、イソプレン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1、3−ブタジエンなどのジエン類等を挙げることができる。
水酸基及び/又は(無水)カルボン酸基を有する単量体は、共重合に使用する全単量体100重量%のうち、0.01〜20重量%であることが好ましく、0.05〜10重量%の範囲がより好ましい。0.01重量%未満では充分な架橋構造が得られないため、粘着層の凝集力が低く、繰り返し使用時での安定性や耐久性に劣り、好ましくない。また、20重量%を超えた場合、粘着層の凝集力が高くなりすぎるため、積層されたガラス面との間で、環境変化により剥離し易くなるため、好ましくない。
本発明における反応性化合物(B)は、前記したアクリル系共重合体(A)中の官能基である水酸基及び/又は(無水)カルボン酸基と反応し得る官能基を分子内に有する化合物である。このような化合物としては、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、アミン化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、メラミン化合物及び金属キレート化合物などが挙げられる。これらの中でも、架橋剤として作用するために、共重合体(A)中の水酸基及び/又は(無水)カルボン酸基と反応し得る官能基を分子内に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。
特にポリイソシアネート化合物は、架橋反応後の粘着剤組成物の被着体への接着性や基材フィルムへの密着性に優れていることから広く使用されている。
また、カルボジイミド化合物としては、カルボジイミド化触媒の存在下でジイソシアネートを脱炭酸縮合反応することによって生成した高分子量ポリカルボジイミドも使用できる。ジイソシアネートとしては、前述と同様のものを例示することができる。
このような高分子量ポリカルボジイミドとしては日清紡績株式会社のカルボジライトシリーズが挙げられる。その中でもカルボジライトV−01,03,05,07,09は有機溶剤との相溶性に優れており好ましい。
本発明においては、紫外線吸収剤として、ピロリジン−アミド系紫外線吸収剤(c1)もしくはキサントン系紫外線吸収剤(c2)の少なくとも一方を必須とし、これら以外の紫外線吸収剤であって、380nm以下の波長の紫外線を吸収し得る紫外線吸収剤(c3)をさらに含有することが重要である。
ピロリジン−アミド系紫外線吸収剤(c1)は、波長370nm以上、具体的には390nm以上の紫外線遮断性能の点で優れ、特に400nm近傍の紫外線遮断性能の点で優れる。
しかし、ピロリジン−アミド系紫外線吸収剤(c1)は、熱分解し、揮発成分を生じる可能性がある。故に、これを含有する粘着剤層は、熱分解の結果生じる揮発性成分の影響を受けて被着体から浮いたり、剥がれたりする可能性がある。また、この紫外線吸収剤(c1)を含有する塗膜は、熱分解の結果生じる揮発性成分の影響を受けてヒビが発生したり、密着性が低下したりする可能性がある。
紫外線吸収剤(c1)が分解すれば、当然これを含有する粘着剤層や塗膜の紫外線遮断性能も熱の影響を受けて低下する。
さらに、ピロリジン−アミド系紫外線吸収剤(c1)の熱分解の際には、酸素ラジカルが生じる可能性が有り、生じた酸素ラジカルは、アクリル系共重合体(A)を酸化劣化させる。アクリル系共重合体(A)が酸化劣化すると、これを含有する粘着剤層や塗膜の貼着性能や塗膜としての性能は低下する。
そして、湿度は、熱による影響を促進する。
そこで、これらの現象を予防するために、後述するように酸化防止剤(d1)や光安定剤(d2)を併用することが重要である。ピロリジン−アミド系紫外線吸収剤(c1)の含有量は、紫外線遮断性能、その対熱及び対湿熱耐久性、及び貼着性能や塗膜性能の対熱及び対湿熱耐久性のバランスを考慮して、適宜決定することができる。
2−シアノ−N−ドデシル−4−(1−エチル−2−ピロリジニリデン)−2−ブテンアミド《R1=C2H5、R2=C12H25》、
2−シアノ−N−ドデシル−4−(1−メチル−2−ピロリジニリデン)−2−ブテンアミド《R1=CH3、R2=C12H25》、
2−シアノ−N−ドデシル−4−(1−プロピル−2−ピロリジニリデン)−2−ブテンアミド《R1=C3H7、R2=C12H25》、
2−シアノ−N−ドデシル−4−(1−ブチル−2−ピロリジニリデン)−2−ブテンアミド《R1=C4H9、R2=C12H25》、
2−シアノ−N−ウンデシル−4−(1−エチル−2−ピロリジニリデン)−2−ブテンアミド《R1=C2H5、R2=C11H23》、
2−シアノ−N−デシル−4−(1−エチル−2−ピロリジニリデン)−2−ブテンアミド《R1=C2H5、R2=C10H21》、
2−シアノ−N−トリデシル−4−(1−エチル−2−ピロリジニリデン)−2−ブテンアミド《R1=C2H5、R2=C13H27》、
2−シアノ−N−テトラデシル−4−(1−エチル−2−ピロリジニリデン)−2−ブテンアミド《R1=C2H5、R2=C14H29》、
2−シアノ−N−シクロヘキシル−4−(1−エチル−2−ピロリジニリデン)−2−ブテンアミド《R1=C2H5、R2=C6H11》、
2−シアノ−N−ドデシル−4−(1−ベンジル−2−ピロリジニリデン)−2−ブテンアミド《R1=C6H5、R2=C12H25》、
2−シアノ−N−ヒドロキシ−4−(1−エチル−2−ピロリジニリデン)−2−ブテンアミド《R1=C2H5、R2=OH》、
2−シアノ−N−エチル−4−(1−ヒドロキシ−2−ピロリジニリデン)−2−ブテンアミド《R1=OH、R2=C2H5》等が挙げられる。
2−シアノ−N−ドデシル−4−(1−エチル−2−ピロリジニリデン)−2−スルホンアミド《R1=C2H5、R2=C12H25》、
2−シアノ−N−ドデシル−4−[1−(4−ピリジニル)−2−ピロリジニリデン]−2−スルホンアミド《R1=C5H4N、R2=C12H25》、
2−シアノ−N−ヒドロキシ−4−(1−エチル−2−ピロリジニリデン)−2−スルホンアミド《R1=C2H5、R2=OH》、
2−シアノ−N−ドデシル−4−(1−ヒドロキシ−2−ピロリジニリデン)−2−スルホンアミド《R1=OH、R2=C12H25》、
2−シアノ−N−ドデシル−4−(1−シクロヘキシル−2−ピロリジニリデン)−2−スルホンアミド《R1=OH、R2=C6H11》等が挙げられる。
特にこれらに限定されるものではない。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
キサントン系紫外線吸収剤(c2)は、波長380nm以上、具体的には390nm以上の紫外線遮断性能の点で優れ、特に410nm近傍の紫外線遮断性能の点で優れる。
キサントン系紫外線吸収剤(c2)は、紫外線硬化性インキや紫外線硬化性塗料等の紫外線硬化性組成物に、光ラジカル重合開始剤として広く用いられている。つまり、キサントン系紫外線吸収剤(c2)は、紫外線を吸収して、ラジカルを発生する性質を有する。ラジカルが発生すると、アクリル系共重合体(A)にダメージを与え、貼着性能や塗膜状態に影響を与える可能性がある。
そこで、これらの現象を予防するために、後述するように酸化防止剤(d1)や光安定剤(d2)を併用することが重要である。キサントン系紫外線吸収剤(c2)の含有量は、紫外線遮断性能と、アクリル系共重合体(A)に与え得るダメージを考慮して、適宜決定することができる。
アクリドン《R3=R4=R5=R6=R7=R8=R9=R10=R11=H》、
10−エチル−アクリドン《R11=C2H5、R3=R4=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
10−エチル−2−クロロアクリドン《R11=C2H5、R4=Cl、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
10−プロピル−2−クロロアクリドン《R11=C3H7、R4=Cl、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
10−ブチル−2−クロロアクリドン《R11=C4H9、R4=Cl、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
10−エチル−2−クロロアクリドン《R11=C2H5、R4=Cl、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
10−エチル−2−ブロモアクリドン《R11=C2H5、R4=Br、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
10−プロピル−2−ブロモアクリドン《R11=C3H7、R4=Br、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
10−ブチル−2−ブロモアクリドン《R11=C4H9、R4=Br、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
10−ヘプシル−2−クロロアクリドン《R11=C5H11、R4=Cl、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
10−ヘキシル−2−クロロアクリドン《R11=C6H13、R4=Cl、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
10−エチル−2−ヨードアクリドン《R11=C2H5、R4=I、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
10−プロピル−2−ヨードアクリドン《R11=C3H7、R4=I、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
10−ブチル2ヨードアクリドン《R11=C4H9、R4=I、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
10−エチル−2−シアノアクリドン《R11=C2H5、R4=CN、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
10−プロピル−2−シアノアクリドン《R11=C3H7、R4=CN、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
10−ブチル−2−シアノアクリドン《R11=C4H9、R4=CN、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
10−ブチル−2−エチルアクリドン《R11=C4H9、R4=C2H5、R3=R5=R6=R7=R9=R10=H》、
10−エチル−2,5−ジクロロアクリドン《R11=C2H5、R4=R8=Cl、R3=R5=R6=R7=R9=R10=H》、
10−ブチル−2,5−ジヒドロキシアクリドン《R11=C4H9、R4=R8=OH、R3=R5=R6=R7=R9=R10=H》、
10−シクロヘキシル−2,5−ジヒドロキシアクリドン《R11=C6H11、R4=R8=OH、R3=R5=R6=R7=R9=R10=H》、
10−エチル−2−クロロ−5−シアノアクリドン《R11=C2H5、R4=Cl、R8=CN、R3=R5=R6=R7=R9=R10=H》、
10−ブチル−2,4,5,8−テトラクロロアクリドン《R11=C4H9、R4=R5=R8=R9=Cl、R3=R5=R6=R7=R10=H》等が挙げられる。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
キサントン《R3=R4=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
2−メチルキサントン《R4=CH3、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
2−エチルキサントン《R4=C2H5、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
2−イソプロピルキサントン《R4=C3H7、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
2−ブチルキサントン《R4=C4H9、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
2−シクロヘキシルキサントン《R4=C6H11、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
2,4−ジメチルキサントン《R4=R6=CH3、R3=R5=R7=R9=R8=R10=H》、
2,5−ジメチルキサントン《R4=R8=CH3、R3=R5=R6=R7=R9=R10=H》、
2,4−ジエチルキサントン《R4=R6=C2H5、R3=R5=R7=R9=R8=R10=H》、
2,4−ジイソプロピルキサントン《R4=R6=C3H7、R3=R5=R7=R9=R8=R10=H》、
2−クロロキサントン《R4=Cl、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
4−クロロキサントン《R5=Cl、R3=R4=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
2−ブロモキサントン《R4=Br、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
2−ヨードキサントン《R4=I、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
2−シアノキサントン《R4=CN、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
2,4−ジクロロキサントン《R4=R6=Cl、R3=R5=R7=R9=R8=R10=H》、
2,5−ジクロロキサントン《R4=R8=Cl、R3=R5=R6=R7=R9=R10=H》、
2−ヒドロキシキサントン《R4=OH、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
2,5−ジヒドロキシキサントン《R4=R8=OH、R3=R5=R6=R7=R9=R10=H》、
2−クロロ−5−シアノキサントン《R4=Cl、R8=CN、R3=R5=R6=R7=R9=R10=H》、
2,4,5,8−テトラクロロキサントン《R4=R5=R8=R9=Cl、R3=R6=R7=R10=H》等が挙げられる。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
チオキサントン《R3=R4=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
2−メチルチオキサントン《R4=CH3、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
2−エチルチオキサントン《R4=C2H5、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
2−イソプロピルチオキサントン《R4=C3H7、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
2−ブチルチオキサントン《R4=C4H9、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
2−シクロヘキシルチオキサントン《R4=C6H11、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
2,4−ジメチルチオキサントン《R4=R6=CH3、R3=R5=R7=R9=R8=R10=H》、
2,5−ジメチルチオキサントン《R4=R8=CH3、R3=R5=R6=R7=R9=R10=H》、
2,4−ジエチルチオキサントン《R4=R6=C2H5、R3=R5=R7=R9=R8=R10=H》、
2,4−ジイソプロピルチオキサントン《R4=R6=C3H7、R3=R5=R7=R9=R8=R10=H》、
2−クロロチオキサントン《R4=Cl、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
4−クロロチオキサントン《R5=Cl、R3=R4=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
2−ブロモチオキサントン《R4=Br、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
2−ヨードチオキサントン《R4=I、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
2−シアノチオキサントン《R4=CN、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
2,4−ジクロロチオキサントン《R4=R6=Cl、R3=R5=R7=R9=R8=R10=H》、
2,5−ジクロロチオキサントン《R4=R8=Cl、R3=R5=R6=R7=R9=R10=H》、
2−ヒドロキシチオキサントン《R4=OH、R3=R5=R6=R7=R8=R9=R10=H》、
2,5−ジヒドロキシチオキサントン《R4=R8=OH、R3=R5=R6=R7=R9=R10=H》、
2−クロロ−5−シアノチオキサントン《R4=Cl、R8=CN、R3=R5=R6=R7=R9=R10=H》、
2,4,5,8−テトラクロロチオキサントン《R4=R5=R8=R9=Cl、R3=R6=R7=R10=H》等が挙げられる。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
上記したように本発明の紫外線遮断性樹脂組成物は、ピロリジン−アミド系紫外線吸収剤(c1)もしくはキサントン系紫外線吸収剤(c2)の少なくとも一方を必須とし、これら以外の紫外線吸収剤であって、380nm以下の波長の紫外線を吸収し得る紫外線吸収剤(c3)をさらに含有することが重要である。
即ち、上記紫外線吸収剤(c1)、(c2)は主として、長波長領域、具体的には波長390nm以上の紫外線遮断機能を担う。しかし、これらの紫外線吸収剤には上記したように、熱、湿熱もしくは紫外線によって影響を受ける可能性がある。また、上記紫外線吸収剤(c1)、(c2)は、波長350〜370nm付近の紫外線遮断能がやや不十分である。
そこで、380nm以下の波長の紫外線を遮断するために、熱、湿熱もしくは紫外線によって影響を受けにくい、380nm以下の紫外線を吸収して電磁波等のエネルギーに変化させて放出させる効能を有する他の紫外線吸収剤(c3)を併用することが重要である。
ベンゾオキサジン系としては、3−メチル−2−(2−(1−メチル−2、5−ジエチル−1H−ピロール−3−イル)エテニル)−ベンゾオキサゾリウムクロライド、
3−エチル−2−(2−(1−エチル−2、5−ジメチル−1H−ピロール−3−イル)エテニル)−ベンゾオキサゾリウムクロライド等が挙げられる。
ベンザルマロネート系としては、ジメチコジエチルベンザルマロネート等が挙げられる。
安息香酸誘導体としては、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル等が挙げられる。
酸化防止剤(d1)もしくは光安定剤(d2)は、熱分解し易い傾向にあるピロリジン−アミド系紫外線吸収剤(c1)の熱分解を抑制したり、紫外線照射を受けてキサントン系紫外線吸収剤(c2)から発生するラジカルによってアクリル系共重合(A)が酸化されることを抑制したりする機能を担う。
これらの酸化防止剤は、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよいが、着色し難い点で燐系酸化防止剤を用いることが好ましい。
共重合体(A)中の官能基と反応性化合物(B)中の官能基との反応により、粘着剤組成物が三次元架橋することにより、外界の熱や力の変化による後述の各紫外線吸収剤の被覆層への離脱が少なくなる。その結果、各種被着体との密着性を確保するだけでなく、含有している各紫外線吸収剤の局在化による凝集物発生を抑制し、従来よりも過酷な条件下における貼着性能の耐久性(対熱耐久性、対湿熱耐久性)をも向上することができる。従って、過酷な環境に曝される有機EL用ガラス部材の表面に、本発明の紫外線遮断性粘着剤を用いてなる紫外線遮断性粘着シートを貼着することによって、有機EL素子を長期にわたり紫外線から保護することができる。
一方、酸化防止剤(d1)と光安定剤(d2)との合計量が10重量部よりも多いと、後述する粘着シートの透明性が低下したり、(d1)(d2)自身の色による着色が問題となったりするおそれがあるため好ましくない。
蛍光増白剤とは、染料の一種であり、紫外線を吸収して、青白い光(蛍光)に変えて、白色感を増加させる効能を有する化合物である。
蛍光増白剤としては、ベンズオキサゾ−ル系、トリアジン系、ピラゾリン系、クマリン系化合物等を挙げることができる。
本発明の紫外線遮断性樹脂組成物は、紫外線遮断性粘着剤として好適であり、有機溶剤を含有することが好ましい。紫外線遮断性粘着剤の場合、上述したようにアクリル系共重合体(A)として、ガラス転移温度が−80〜0℃のアクリル系共重合体(A1)を用いることが好ましい。
用いられる有機溶剤としては、酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、その他の炭化水素系溶剤等の有機溶剤を挙げることができる。
本発明の紫外線遮断性粘着シートは、以下に示す態様を呈する。
(1)剥離処理されてなるシート/紫外線遮断性粘着剤から形成される紫外線遮断性粘着剤層/剥離処理されていないプラスチック基材フィルム
(2)剥離処理されてなるシート/紫外線遮断性粘着剤から形成される紫外線遮断性粘着剤層/剥離処理されてなるシート
このようなプラスチック基材フィルムとしては、
ポリビニルアルコールフィルムやトリアセチルセルロースフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリシクロオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂のフィルム、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂のフィルム、ポリカーボネート系樹脂のフィルム、ポリノルボルネン系樹脂のフィルム、ポリアリレート系樹脂のフィルム、アクリル系樹脂のフィルム、ポリフェニレンサルファイド樹脂のフィルム、ポリスチレン樹脂のフィルム、ビニル系樹脂のフィルム、ポリアミド系樹脂のフィルム、ポリイミド系樹脂のフィルム、エポキシ系樹脂のフィルムなどが挙げられる。
また、複数のプラスチックフィルムが積層された多層プラスチックフィルムも本発明においてプラスチック基材フィルムとして用いることができる。例えば、ヨウ素含有ポリビニルアルコールフィルムの両面をトリアセチルセルロースフィルムで挟んだ偏光フィルムや、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム等の、各種光学特性を持ついわゆる光学フィルムも使用できる。
(1−1)剥離処理されてなるシートの剥離処理面に、紫外線遮断性粘着剤を塗工し、必要に応じて液状媒体を除去して紫外線遮断性粘着剤層を形成し、形成された紫外線遮断性粘着剤層の表面にプラスチック基材フィルムを積層したり、
(1−2)プラスチック基材フィルム上に、紫外線遮断性粘着剤を塗工し、必要に応じて液状媒体を除去して紫外線遮断性粘着剤層を形成し、形成された紫外線遮断性粘着剤層の表面に、剥離処理されてなるシートの剥離処理面を積層したりすることによって得ることができる。
また、上記(2)の態様の紫外線遮断性粘着シートは、例えば、
(2−1)剥離処理されてなるシートの剥離処理面に、紫外線遮断性粘着剤を塗工し、必要に応じて液状媒体を除去して紫外線遮断性粘着剤層を形成し、形成された紫外線遮断性粘着剤層の表面に、剥離処理されてなるシートの剥離処理面を積層することによって得ることができる。
乾燥方法には特に制限はなく、熱風乾燥、赤外線や減圧法を利用したものが挙げられる。乾燥条件としては樹脂組成物の硬化形態、膜厚や選択した溶剤にもよるが、通常60〜180℃程度の熱風加熱でよい。
紫外線遮断性粘着剤層の厚さは、0.1μm〜200μmであることが好ましく、0.1μm〜100μmであることがより好ましい。0.1μm未満では十分な粘着力が得られないことがあり、200μmを超えても粘着力等の特性はそれ以上向上しない場合が多い。
本発明の有機ELセル用部材は、有機EL用ガラス部材の表面に、本発明の紫外線遮断性樹脂組成物から形成される紫外線遮断性樹脂組成物層が担持されてなるものである。紫外線遮断性樹脂組成物層によって、有機EL素子を紫外線から保護し、有機EL素子自体の劣化を抑制・防止し、視認性を向上し、明所におけるコントラストを向上することができる。
紫外線遮断性樹脂組成物が紫外線遮断性塗料の場合、有機EL用ガラス部材の表面に直に紫外線遮断性塗料を塗工し、紫外線遮断性塗膜を形成することにより、本発明の有機ELセル用部材を得ることができる。
紫外線遮断性樹脂組成物が紫外線遮断性粘着剤の場合も同様にして、有機EL用ガラス部材の表面に直に紫外線遮断性粘着剤を塗工し、形成された紫外線遮断性粘着剤層の表面にプラスチック基材フィルムを積層することにより、本発明の有機ELセル用部材を得ることができる。紫外線遮断性樹脂組成物が紫外線遮断性粘着剤の場合は、上記した紫外線遮断性粘着シートを用いることによっても本発明の有機ELセル用部材を得ることができる。
上記(1)の態様の紫外線遮断性粘着シートから剥離処理されてなるシートを剥がし、露出した紫外線遮断性粘着剤層を介して、プラスチック基材フィルムを有機EL用ガラス部材に貼着するか、
または、上記(2)の態様の紫外線遮断性粘着シートから剥離処理されてなるシートのうち一方を剥がし、露出した紫外線遮断性粘着剤層にプラスチック基材フィルムを積層し、次いで残っている剥離処理されてなるシートを剥がし、露出した紫外線遮断性粘着剤層を介して、プラスチック基材フィルムを有機EL用ガラス部材に貼着するか、
あるいは、上記(2)の態様の紫外線遮断性粘着シートから剥離処理されてなるシートのうち一方を剥がし、露出した紫外線遮断性粘着剤層に有機EL用ガラス部材を積層し、次いで残っている剥離処理されてなるシートを剥がし、露出した紫外線遮断性粘着剤層にプラスチック基材フィルムを積層することによって、本発明の有機ELセル用部材を得ることができる。
(合成例1)
重合槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた重合反応装置の重合槽及び滴下装置に、下記アクリル系単量体、有機溶剤、重合開始剤をそれぞれ下記の比率で仕込んだ。
アクリル酸n−ブチル 36.5部
アクリル酸メチル 12.5部
アクリル酸 1.0部
酢酸エチル 30部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
[滴下装置]
アクリル酸n−ブチル 36.5部
アクリル酸メチル 12.5部
アクリル酸 1.0部
酢酸エチル 36部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
合成例1において用いたアクリル系単量体の組成を変更して、重合槽及び滴下装置にそれぞれ下記の比率で仕込み、それ以外は合成例1と同様にして重合し、アクリル系共重合体を含む透明な溶液を得た。
[重合槽]
アクリル酸n−ブチル 31.5部
メタクリル酸メチル 15部
アクリル酸2−ヒドロキシエチル 2.0部
アクリル酸 1.5部
酢酸エチル 30部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
[滴下装置]
アクリル酸n−ブチル 31.5部
メタクリル酸メチル 15部
アクリル酸2−ヒドロキシエチル 2.0部
アクリル酸 1.5部
酢酸エチル 36部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
合成例1において用いたアクリル系単量体の組成を変更して、重合槽及び滴下装置にそれぞれ下記の比率で仕込み、それ以外は合成例1と同様にして重合し、アクリル系共重合体を含む透明な溶液を得た。
[重合槽]
アクリル酸n−ブチル 37.5部
アクリル酸メチル 11.5部
アクリル酸2−ヒドロキシエチル 1.0部
酢酸エチル 30部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
[滴下装置]
アクリル酸n−ブチル 37.5部
アクリル酸メチル 11.5部
アクリル酸2−ヒドロキシエチル 1.0部
酢酸エチル 36部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
各合成例で得た各共重合体の溶液の外観を目視にて評価した。
各合成例で得た各共重合体溶液、約1gを金属容器に秤量し、150℃オーブンにて20分間乾燥して、残分を秤量して残率計算をし、不揮発分濃度(%)を算出した。
各合成例で得た各共重合体溶液を23℃中でB型粘度計(東京計器社製)にて、#3のローターを使用して12rpm、1分間回転の条件で測定し、溶液粘度(mPa・s)とした。
測定は、昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「ShodexGPC System−21」を用いた。GPCは溶媒に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、重量平均分子量(Mw)の決定はポリスチレン換算で行った。
合成例1で得られた共重合体溶液100部に対して、反応性化合物(B)として、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1、3、5−トリアジン(以下、「TAT」という)を0.06部、一般式(I)で示されるピロリジン−アミド系紫外線吸収剤(c1)の一種である2−シアノ−N−ドデシル−4−1−エチル−2−ピロリジニリデンブテンアミド(以下、「CNEPA」という)を0.5部、その他の紫外線吸収剤(c3)の一種である4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(以下、「BMDBM」という)を1.5部、酸化防止剤(d1)として、トリス(2,4−ジ−tert)−ブチルフェニル)フォスファイト(以下、「TBPP」という)を0.1部加えてよく撹拌して、紫外線遮断性粘着剤を得た。
形成された粘着剤層に、反射防止フィルムの片面を接触させ、剥離フィルム/粘着剤層/反射防止フィルムという構成の積層体を得た。
次いで、得られた積層体を温度23℃相対湿度50%の条件で1週間熟成(暗反応)させて、粘着剤層の架橋反応を進行させ、粘着シートを得た。
実施例1で使用したピロリジン−アミド系紫外線吸収剤(c1)を加えないこと以外は、実施例1と同様にして、粘着剤及び粘着シートを得た。
実施例1で使用したその他の紫外線吸収剤(c3)を加えないこと以外は、実施例1と同様にして、粘着剤及び粘着シートを得た。
実施例1で使用した酸化防止剤(d1)を加えないこと以外は、実施例1と同様にして、粘着剤及び粘着シートを得た。
実施例1で使用した一般式(I)で示されるピロリジン−アミド系紫外線吸収剤(c1)の代わりに、一般式(II)で示されるピロリジン−アミド系紫外線吸収剤(c1)として2−シアノ−N−ヒドロキシ−4−(1−エチル−2−ピロリジニリデン)−2−スルホンアミド(以下、「CNPSA」という)を、その他の紫外線吸収剤(c3)の一種であるBMDBMの代わりに、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール(以下、「BTBCP」という)を、それぞれ用いたこと以外は、実施例1と同様にして、紫外線遮断性粘着剤及び粘着シートを得た。
実施例2で使用したピロリジン−アミド系紫外線吸収剤(c1)を加えないこと以外は、実施例2と同様にして、粘着剤及び粘着シートを得た。
実施例2で使用したその他の紫外線吸収剤(c3)を加えないこと以外は、実施例2と同様にして、粘着剤及び粘着シートを得た。
実施例2で使用した酸化防止剤(d1)を加えないこと以外は、実施例2と同様にして、粘着剤及び粘着シートを得た。
合成例1で得られた共重合体溶液100部に対して、反応性化合物(B)として、TATを0.06部、一般式(III)で示されるキサントン系紫外線吸収剤(c1)の一種である10−エチル−2−クロロアクリドン(以下、「ECNA」という)を1.5部、その他の紫外線吸収剤(c3)の一種であるBMDBMを1.5部、光安定剤(d2)として、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(以下、「TMPSE」という)を0.2部加えてよく撹拌して、紫外線遮断性粘着剤を得、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
実施例3で使用したキサントン系紫外線吸収剤(c2)を加えないこと以外は、実施例3と同様にして、粘着剤及び粘着シートを得た。
実施例3で使用したその他の紫外線吸収剤(c3)を加えないこと以外は、実施例3と同様にして、粘着剤及び粘着シートを得た。
実施例3で使用した光安定剤(d2)を加えないこと以外は、実施例3と同様にして、粘着剤及び粘着シートを得た。
実施例3で使用した一般式(III)で示されるキサントン系紫外線吸収剤(c2)の代わりに、一般式(IV)で示される2,4−ジイソプロピルキサントン(以下、「DIPS」という)(実施例4)、一般式(V)で示される2,5−ジクロロチオキサントン(以下、「DCSS」という)(実施例5)をそれぞれ用い、また、その他の紫外線吸収剤(c3)の一種であるBMDBMの代わりに、BTBCPを用いたこと以外は、実施例3と同様にして、紫外線遮断性粘着剤を得、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
実施例4で使用したキサントン系紫外線吸収剤(c2)を加えないこと以外は、実施例4と同様にして、粘着剤及び粘着シートを得た。
実施例4,5で使用したその他の紫外線吸収剤(c3)を加えないこと以外は、それぞれ実施例4,5と同様にして、粘着剤及び粘着シートを得た。
実施例4,5で使用した光安定剤(d2)を加えないこと以外は、それぞれ実施例4、5と同様にして、粘着剤及び粘着シートを得た。
実施例2で使用した合成例1で得られた共重合体溶液の代わりに、合成例2で得られた共重合体溶液を(実施例6)、合成例3で得られた共重合体溶液を(実施例8)、それぞれ用い、また、反応性化合物(B)としてTATの代わりに、トルレンジイソシネートのトリメチロールプロパンアダクト体(以下、「TDI/TMP」という)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、紫外線遮断性粘着剤及び粘着シートを得た。
実施例4で使用した合成例1で得られた共重合体溶液の代わりに、合成例2で得られた共重合体溶液を(実施例7)、合成例3で得られた共重合体溶液を(実施例9)、それぞれ用い、また、反応性化合物(B)としてTATの代わりに、TDI/TMPを用いたこと以外は、実施例4と同様にして、紫外線遮断性粘着剤及び粘着シートを得た。
合成例1で得られた共重合体溶液100部に対して、反応性化合物(B)としてTATを0.06部、一般式(I)で示されるピロリジン−アミド系紫外線吸収剤(c1)としてCNEPAを0.5部、一般式(III)で示されるキサントン系紫外線吸収剤(c2)としてECNAを2.0部、その他の紫外線吸収剤(c3)としてBMDBMを1.0部、酸化防止剤(d1)としてTBPPを0.1部、光安定剤(d2)としてTMPSEを0.3部加えてよく撹拌して、紫外線遮断性粘着剤を得、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
粘着シートを150mm×80mmの大きさにカットし、剥離フィルムを剥がし、厚さ1.1mmのフロートガラス板の両面にラミネーターを用いてそれぞれ貼着した。
続いて、この反射防止フィルムが貼り付けられたガラス板を50℃、5気圧の条件のオートクレーブ内に20分保持させて反射防止フィルムをガラス板に密着させた。
更に、この反射防止フィルムとガラス板の積層物を、120℃の環境下で1000時間、又は80℃、相対湿度90%の環境下で1000時間、それぞれ放置した後の粘着剤層の浮き、ハガレの有無を目視で観察し、3段階で評価した。
○:「浮きおよびハガレが全く認められない。」
△:「若干浮き又はハガレ認められるが、実用上問題がない。」
×:「全面的に浮きやハガレがあり、実用不可である。」
上記の貼着性能の耐久性評価用試料と同様の構成、即ち「反射防止フィルム/粘着剤層/フロートガラス/粘着剤層/反射防止フィルム」の試料を得、初期、120℃の環境下で1000時間放置後、または80℃、相対湿度90%の環境下で1000時間放置後、それぞれの波長420nm以下の紫外線遮蔽能を、23℃相対湿度50%の条件下で「Ubest V−570」(日本分光(株)社製)を用いて測定し、3段階で評価した。
○:「波長420nm以下の紫外線のカット率が100%であり、実用上問題なし。」
△:「波長420nm以下の紫外線のカットが率95%以上100%未満であり、実用上問題がある。」
×:「波長420nm以下の紫外線のカット率が95%未満であり、実用不可である。」
各実施例、比較例で得られた粘着剤を、剥離処理されたポリエステルフィルムに塗工して100℃で2分間乾燥させ、厚さ25μmの粘着剤層を設けた後に、更に剥離処理されたポリエステルフィルムを被せた。この剥離処理ポリエステルフィルムに挟まれた粘着剤層を温度23℃相対湿度50%の条件で1週間熟成させた後、両方の剥離処理ポリエステルフィルムを取り除き、粘着剤層自体の外観を目視判定し、さらにヘイズを「NDH−300A」[日本電色工業(株)製]で測定した。
○:「実用上全く問題がない。ヘイズ:1未満。」
△:「曇り等は認められない。ヘイズ:1以上3未満。」
×:「若干曇りが認められ、実用上問題がある。ヘイズ:3以上。」
2:ガラス層
3:紫外線遮断性粘着剤層
4:ポリエステルフィルム
5:ポリエステルフィルム保護用ハードコート層
6:発光ダイオード(LED)素子
7:アクリル樹脂層もしくはガラス層
8:アクリル樹脂層もしくはガラス層
Claims (12)
- 水酸基及び/又は(無水)カルボン酸基を有するアクリル系共重合体(A)、水酸基、(無水)カルボン酸基のうち少なくともいずれかと反応し得る反応性化合物(B)、下記一般式(I)あるいは(II)で示されるピロリジン−アミド系紫外線吸収剤(c1)もしくは下記一般式(III)〜(V)のいずれかで示されるキサントン系紫外線吸収剤(c2)の少なくともいずれか一方、及び前記紫外線吸収剤(c1)(c2)以外の紫外線吸収剤であって、380nm以下の波長の紫外線を吸収し得る紫外線吸収剤(c3)を含有し、さらに酸化防止剤(d1)もしくは光安定剤(d2)の少なくともいずれかを含むことを特徴とする紫外線遮断性樹脂組成物。
- 酸化防止剤(d1)が、フェノール系、燐系もしくは硫黄系化合物のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の紫外線遮断性樹脂組成物。
- 光安定剤(d2)が、ヒンダートアミン系化合物であること特徴とする請求項1または2記載の紫外線遮断性樹脂組成物。
- アクリル系共重合体(A)100重量部に対して、ピロリジン−アミド系紫外線吸収剤(c1)を0.001〜10重量部及び/又はキサントン系紫外線吸収剤(c2)を0.001〜10重量部含有し、その他の紫外線吸収剤(c3)を0.001〜10重量部含有することを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の紫外線遮断性樹脂組成物。
- アクリル系共重合体(A)100重量部に対して、反応性化合物(B)を0.01〜20重量部含有することを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の紫外線遮断性樹脂組成物。
- アクリル系共重合体(A)100重量部に対して、酸化防止剤(d1)もしくは光安定剤(d2)の少なくともいずれかを0.001〜10重量部含有することを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載の紫外線遮断性樹脂組成物。
- アクリル系共重合体(A)が、ガラス転移温度が−80〜0℃のアクリル系共重合体(A1)であることを特徴とする請求項1ないし6いずれか記載の紫外線遮断性樹脂組成物。
- 紫外線遮断性粘着剤であることを特徴とする請求項1ないし7いずれか記載の紫外線遮断性樹脂組成物。
- 請求項8記載の紫外線遮断性粘着剤から形成される紫外線遮断性粘着剤層の一方の面に剥離処理されてなるシートが積層され、前記紫外線遮断性粘着剤層の他方の面に、プラスチック基材フィルム、もしくは剥離処理されてなるシートが積層されてなることを特徴とする紫外線遮断性粘着シート。
- 有機エレクトロルミネッセンス用ガラス部材の表面に、請求項1ないし7いずれか記載の紫外線遮断性樹脂組成物から形成される紫外線遮断性樹脂組成物層が担持されてなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスセル用部材。
- 有機エレクトロルミネッセンス用ガラス部材、請求項8記載の紫外線遮断性粘着剤から形成される紫外線遮断性粘着剤層、及びプラスチック基材フィルムが順次積層されてなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスセル用部材。
- 請求項9記載の紫外線遮断性粘着シートから剥離処理されてなるシートを剥がし、露出した紫外線遮断性粘着剤層を介して、プラスチック基材フィルムを有機エレクトロルミネッセンス用ガラス部材に貼着するか、
または、請求項9記載の紫外線遮断性粘着シートから剥離処理されてなるシートのうち一方を剥がし、露出した紫外線遮断性粘着剤層にプラスチック基材フィルムを積層し、次いで残っている剥離処理されてなるシートを剥がし、露出した紫外線遮断性粘着剤層を介して、プラスチック基材フィルムを有機エレクトロルミネッセンス用ガラス部材に貼着するか、
あるいは請求項9記載の紫外線遮断性粘着シートから剥離処理されてなるシートのうち一方を剥がし、露出した紫外線遮断性粘着剤層に有機エレクトロルミネッセンス用ガラス部材を積層し、次いで残っている剥離処理されてなるシートを剥がし、露出した紫外線遮断性粘着剤層にプラスチック基材フィルムを積層することを特徴とする、
有機エレクトロルミネッセンスセル用部材の製造方法。
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