JP2005331572A - 有機el装置の製造方法、有機el装置および電子機器 - Google Patents

有機el装置の製造方法、有機el装置および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 硬化した接着剤15bが素子基板20の能動面21から突出して配置されることのない、有機EL装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 タイリングにより大型の有機EL装置を製造する方法であって、(a)嫌気性を有する光硬化型の接着剤15を塗布する工程と、(b)その接着剤15を介して、複数の素子基板20を大型の支持基板10上に整列配置する工程と、(c)透明な支持基板10の裏側から光18を照射して、接着剤15を硬化させる工程と、(d)各素子基板20を洗浄して、各素子基板20の能動面21に溢れ出した未硬化の接着剤を除去する工程と、を有する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、有機EL装置の製造方法、有機EL装置および電子機器に関するものである。
近年、軽量、薄型で、自発光タイプで明瞭な表示の可能な表示装置として、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と表記する)を用いた表示パネルが有望視されている。しかし、有機EL素子の駆動には比較的大きな電流が必要であり、その駆動には低温ポリシリコンプロセスによる薄膜トランジスタ等、高性能の素子を用いる必要がある。低温ポリシリコンプロセスには、レーザーによる結晶化工程等、基板の大型化に対応することが難しい工程があり、大型パネルを得ることが難しいと言う問題がある。そこで、複数の小型パネルを並列に配置して大型パネルを製造する方法(タイリング)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図8は、タイリングによって製造された有機EL装置の断面構成図である。まず、有機EL素子200の駆動用TFTおよび画素電極(いずれも不図示)を備えた複数の素子基板20を形成する。次に、大型の支持基板10の表面に光硬化型接着剤15を塗布し、その表面に各素子基板20を整列配置する。そして、支持基板10の裏側から光を照射して、光硬化型接着剤15を硬化させることにより、各素子基板20を支持基板10に接着するとともに、隣接する素子基板20r、20sの側面同士を相互に接着する。
その後、各素子基板20における画素電極(不図示)の表面に、正孔注入/輸送層70や有機発光層60、陰極50等を成膜して、複数の有機EL素子200を形成する。また、各素子基板20の上方に封止基板(不図示)を配置して、すべての有機EL素子200を密閉封止する。以上により、大型の有機EL装置1が完成する。
特開2001−100668号公報
図7は、各素子基板を支持基板に接着する工程の説明図である。図7(a)に示すように、各素子基板20の接着工程では、隣接する素子基板20r、20sの隙間からその能動面21に接着剤15cが溢れ出してしまう。そこで、図7(b)に示すように、各素子基板20の能動面21に保護シート(マスキングテープ)24を貼り付けた状態で、各素子基板20を接着している。この場合、保護シート24上に接着剤15cが溢れ出して硬化するが、保護シート24を除去することにより、各素子基板20の能動面21を露出させることができる。
しかしながら、保護シート24を除去しても、図7(c)に示すように、素子基板20の能動面から接着剤15bの上端面が突出した状態となり、段差51が出現するという問題がある。そして、図8に示すように、各素子基板20の能動面21に陰極50を形成すると、接着剤15bの段差51において陰極50の段切れが発生する。これにより、隣接する素子基板20r、20sに形成された陰極50r、50sを導電接続することが不可能になる。
ところで、正孔注入/輸送層70や有機発光層60等の機能層は、液滴吐出法によって形成することが望ましい。液滴吐出法は、機能層の形成材料を含む液状体を液滴吐出ヘッドから吐出して機能層を形成する方法であり、所定厚さの機能層を所定位置に正確に形成することができる。しかしながら、吐出する液体の着弾の精度を高めるためには、液滴吐出ヘッドと素子基板との間隔を非常に狭くする必要がある。素子基板20の能動面21から硬化した接着剤15bが突出していると、その接着剤15bに対して移動中の液滴吐出ヘッドが衝突し、この方法を用いての形成が適用出来なくなる。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、硬化した接着剤が素子基板の能動面から突出して配置されることのない有機EL装置の製造方法の提供を目的とする。
また本発明は、信頼性に優れた有機EL装置および電子機器の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の有機EL装置の製造方法は、有機EL素子を形成すべき複数の素子基板の側面同士を接着して、大型の有機EL装置を製造する方法であって、前記各素子基板の側面同士を、嫌気性接着剤によって接着する工程を有することを特徴とする。
この構成によれば、各素子基板の能動面に溢れ出した接着剤を除去することができる。したがって、硬化した接着剤が素子基板の能動面から突出して配置されることはない。
また、前記接着工程の後に、前記各素子基板を洗浄して未硬化の前記嫌気性接着剤を除去する工程を有することが望ましい。
この構成によれば、余剰の接着剤を基板洗浄により簡単に除去することができる。すなわち、余分な工程を付加すること無く、接合部での接着剤の段差の無い大型基板を作製することが可能となる。したがって、有機EL装置の製造コストを低減することができる。
また、前記接着剤および前記素子基板は、可視光透過性を有する材料によって構成され、前記接着剤の屈折率は、前記素子基板の屈折率と略同等であることが望ましい。
前記接着剤に、前記素子基板の屈折率に近い屈折率を有するものを用いることにより、ボトムエミッション型の有機EL装置の場合に、素子基板と接着剤との界面における光の反射及び散乱を低減することが可能になり、接合部分の表示への影響を低減することができる。
また、前記接着工程の後に、前記各素子基板の能動面に液滴吐出法により機能層を形成する工程を有することが望ましい。
液滴吐出法は、液滴吐出ヘッドを移動させながら各画素に順次機能層を吐出形成して行く方法であり、基板を大型化した場合でも液滴吐出ヘッドの移動範囲を変更するだけで対応することができる。このため、接合後の大型基板に対して、効率良く機能層を形成することが出来る。
そして、前記構成によれば、硬化した接着剤が素子基板の能動面から突出して配置されることがないので、突出した接着剤に対して移動中の液滴吐出ヘッドが衝突することもない。したがって、安全かつ正確に機能層を形成することができる。
また、前記接着工程の後に、前記各素子基板の能動面に前記有機EL素子の共通電極を形成することが望ましい。
前記構成によれば、硬化した接着剤が素子基板の能動面から突出して配置されることがないので、その能動面に前記有機EL素子の共通電極を形成することにより、共通電極の段切れを防止することができる。
一方、本発明の有機EL装置は、上述した有機EL装置の製造方法を使用して製造したことを特徴とする。
上述した有機EL装置の製造方法によれば、硬化した接着剤が素子基板の能動面から突出して配置されることがないので、素子基板の能動面に共通電極を段切れなく連続して形成することができる。したがって、信頼性に優れた有機EL装置を提供することができる。
一方、本発明の電子機器は、上述した有機EL装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、信頼性に優れ、大型の表示画面を備えた電子機器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。なお、以下で参照する各図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などを適宜異ならせて示している。
[有機EL装置]
(回路構成)
図1は、実施形態に係る有機EL装置(有機エレクトロルミネッセンス装置)の配線構造を示す回路構成図である。この有機EL装置1は、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(TFT)を用いたアクティブマトリクス方式のもので、複数の走査線101‥と、各走査線101に対して直交する方向に延びる複数の信号線102‥と、各信号線102に並列に延びる複数の電源線103‥とからなる配線構成を有し、走査線101と信号線102との各交点付近に画素領域Xを形成したものである。信号線102には、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン及びアナログスイッチ等を備えるデータ線駆動回路100が接続されている。また、走査線101には、シフトレジスタ及びレベルシフタ等を備える走査線駆動回路80が接続されている。
さらに、画素領域Xの各々には、走査線101を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用TFT112と、このスイッチング用TFT112を介して信号線102から供給される画素信号を保持する保持容量113と、保持容量113によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用TFT123と、この駆動用TFT123を介して電源線103に電気的に接続したときに電源線103から駆動電流が流れ込む画素電極23と、この画素電極23と陰極(対向電極)50との間に挟み込まれた機能層110とが設けられている。その機能層110として少なくとも有機発光層を備えることにより、有機EL素子が構成されている。
上記構成を備えた有機EL装置1において、走査線101が駆動されてスイッチング用TFT112がオン状態になると、そのときの信号線102の電位が保持容量113に保持され、該保持容量113の状態に応じて、駆動用TFT123のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用TFT123のチャネルを介して電源線103から画素電極23に電流が流れ、さらに機能層110を介して陰極50に電流が流れる。すると、機能層110は、自身に流れる電流量に応じて発光するようになっている。
(平面構成)
次に、本実施形態の有機EL装置1の具体的な構造につき、図2及び図3を参照して説明する。
図2は、実施形態に係る有機EL装置の平面構成を模式的に示す図である。本実施形態の有機EL装置1は、大型の支持基板10の表面に、複数の小型の素子基板20を整列配置したものである。図2では4枚の素子基板20を2行×2列に配置しているが、素子基板20の枚数はこれに限られず、少なくとも2枚以上であればよい。有機EL装置1の中央部には、素子形成領域4が設けられている。この素子形成領域4には、有機EL素子200が平面視マトリクス状に規則的に配置されている。また、素子形成領域4の周縁部には後述する離間部材35が形成され、その離間部材35の外側には複数の外部接続用端子22が設けられている。
(断面構成)
図3は、実施形態に係る有機EL装置の断面構成を模式的に示す図であり、図2のA−A線に沿う側面断面図である。図3に示すように、本実施形態の有機EL装置1では、大型の支持基板10の表面に、複数の小型の素子基板20が接着剤15により固着されている。各素子基板20は、基板本体20Aと、その基板本体20Aの表面に配置された回路部11とを主として構成されている。その回路部11の表面には、複数の有機EL素子200が形成されている。その有機EL素子を覆うように接着層33が形成され、さらに封止基板30により密閉封止されて、有機EL装置1が構成されている。
いわゆるトップエミッション型の有機EL装置の場合、封止基板30側から表示光を取り出すので、基板本体20Aとして透明基板及び不透明基板のいずれを用いてもよい。不透明基板として、例えばアルミナ等のセラミックス、ステンレススチール等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したものが利用可能であり、また耐衝撃性や軽量化を考慮して熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂、さらにはそのフィルム(プラスチックフィルム)などを用いることも可能である。一方、ボトムエミッション型の有機EL装置の場合、基板本体20A側から表示光を取り出すので、基板本体20Aとして透明基板を用いる必要がある。その透明基板として、例えばガラスや石英等を利用することが可能である。
その基板本体20A上には、駆動用TFT123等を含む回路部11が形成されている。この駆動用TFT123等は、図1に示すデータ線駆動回路100及び走査線駆動回路80等に接続されている。一方、図2に示す回路部11の表面には、複数の画素電極23がマトリクス状に配列形成されている。この画素電極23への通電は、前記駆動用TFT123等によって制御されるようになっている。また、回路部11の表面における画素電極23の周囲には、隔壁構造体(バンク)221が配設されている。この隔壁構造体221は、有機材料(例えば、ポリイミド)等の電気絶縁性材料からなり、画素電極23の形成領域に開口部221aを有している。
そして、その開口部221aの内側であって、陽極として機能する画素電極23の表面に、この画素電極23からの正孔を注入/輸送する正孔注入/輸送層70と、電気光学物質の一つである有機EL物質を備える有機発光層60と、陰極50とが順に積層形成されて、有機EL素子200が構成されている。このような構成のもと、正孔注入/輸送層70から注入された正孔と、陰極50からの供給された電子とが、有機発光層60において結合することにより、有機EL素子200が発光するようになっている。なお有機EL素子200は、上述した各層の他に、電子注入/輸送層、正孔阻止層(ホールブロック層)、電子阻止層(エレクトロンブロック層)等を備えるものであってもよい。
トップエミッション型の有機EL装置の場合、画素電極23は透明である必要がなく、金属材料等の適宜な導電性材料によって形成される。また、ボトムエミッション型の有機EL装置の場合、画素電極23はITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電性材料によって形成される。
正孔注入/輸送層70の形成材料としては、例えばポリチオフェン誘導体、ポリピロール誘導体など、またはそれらのドーピング体などが用いられる。具体的には、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)等が好適に用いられる。
有機発光層60の形成材料としては、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料を用いることができる。具体的には、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などが好適に用いられる。
また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることもできる。
なお、上述した高分子材料に代えて、従来公知の低分子材料を用いることもできる。
また、必要に応じて、このような有機発光層60の上にカルシウムやマグネシウム、リチウム、ナトリウム、ストロンチウム、バリウム、セシウムを主成分とした金属又は金属化合物からなる電子注入層を形成してもよい。
陰極50は、有機発光層60および隔壁構造体221の表面を覆うように配設されている。トップエミッション型の有機EL装置の場合、陰極50の形成材料として、ITO等の透明導電性材料が用いられる。また、ボトムエミッション型の有機EL装置の場合、陰極50の形成材料として、金属材料等の適宜の導電性材料が用いられる。この場合、仕事関数の小さいカルシウム(Ca)等の金属材料により陰極50を構成することが望ましい。さらに、陰極50のキャップ層として、導電性の高いアルミニウム(Al)等の被膜を形成することが望ましい。
その陰極50は、素子基板20の周縁部に形成された陰極用配線202に接続されている。この陰極用配線202は、他の配線とともに外部接続用端子22に導電接続されている。これにより、陰極50は、図示しない駆動IC(駆動回路)に接続可能となっている。
(タイリング)
図3に示すように、本実施形態の有機EL装置1は、大型の支持基板10の表面に、複数の小型の素子基板20を整列配置したものである。支持基板10の表面と素子基板20の裏面との間(例えば、隙間30μm程度)、および隣接する素子基板20r、20sの間(例えば、隙間160μm程度)には、接着剤15が配設されて固着されている。この接着剤15として、空気との接触により硬化速度が低下する嫌気性接着剤が採用されている。例えば、株式会社アーデル製のベネフィックスS105(製品名)は、嫌気性を備えた光硬化型接着剤であり、空気界面から厚さ約0.2mmの範囲がほとんど硬化しない性質を有する。なお、嫌気性接着剤として光硬化型接着剤を採用する場合には、支持基板10として光透過性基板を採用することが望ましい。
隣接する素子基板20r、20sの隙間に配設された接着剤15bは、各素子基板20r、20sの能動面21と同等の高さまで充填されている。したがって、その接着剤15bの上端面および各素子基板20r、20sの能動面21に配設された陰極50は、段切れなく連続して形成されている。これにより、各素子基板20r、20sに形成された陰極50r、50sは相互に導通可能とされている。
このように整列配置された素子基板群の周縁部には、アクリル樹脂等の有機材料やシリコン酸化物等の無機材料等からなる離間部材35が立設されている。またその離間部材35の上端面には、封止基板30が配置されている。そして、離間部材35および封止基板30によって囲まれた空間に、接着層33が充填されている。この接着層33は、例えばウレタン系、アクリル系、エポキシ系、ポリオレフィン系などの樹脂材料からなり、封止基板30を接着する機能に加え、有機EL素子200への酸素や水分等の浸入を防止する機能を有している。
なお、トップエミッション型の有機EL装置の場合、接着層33および封止基板30は光透過性を有する必要がある。そのため封止基板30は、ガラスや石英等の透明材料によって構成されている。また接着層33は、樹脂材料の材質や膜厚を適宜に調整することにより、可視光領域における光透過率を80%以上とすることが望ましい。
また、ボトムエミッション型の有機EL装置の場合、硬化後の接着剤15は光透過性を有する必要がある。ここで、接着剤15の構成材料の屈折率は、支持基板10および/または素子基板20の構成材料の屈折率と同等であることが望ましい。この構成によれば、支持基板10および/または素子基板20と接着剤15との界面における光の反射及び散乱を低減することが可能になり、接合部分の表示への影響を低減することができる。
[有機EL装置の製造方法]
次に、本実施形態に係る有機EL装置の製造方法につき、図4および図5を用いて説明する。図4および図5は、実施形態に係る有機EL装置の製造方法の工程図である。なお、図4および図5では、図面を簡略化して理解を容易にするため、素子基板20における回路部の記載を省略している。
まず、図4(a)に示すように、支持基板10の表面に光硬化性の接着剤15を塗布する。なお、素子基板の裏面から側面にかけて接着剤を塗布してもよい。
次に、図4(b)に示すように、支持基板10の表面の所定の位置に各素子基板20を整列配置する。各素子基板20は、あらかじめ基板本体上に画素電極を含む回路部及び隔壁構造体(バンク)が形成されているものである。支持基板10に対して各素子基板20との間が所定の間隔となる様に指示基板10を押圧すると、支持基板10上に塗布されていた接着剤15は粘度が低いため、隣接する素子基板20r、20sの隙間に押し出されこの隙間を充填する。さらに余剰となった接着剤15bは、素子基板20r、20sの能動面21に溢れ出る。
次に、図4(c)に示すように、透明な支持基板10の裏面から光18を照射して、接着剤15を硬化させる。その光18として、例えば可視光を照射すればよい。本実施形態では、接着剤15として嫌気性接着剤を採用している。素子基板20r、20sの能動面に溢れ出した接着剤15cは、空気と接触しているので、光を照射しても硬化しない。一方、支持基板10と素子基板20との隙間に配置された接着剤15a、および隣接する素子基板20r、20sの隙間に充填された接着剤15bは、空気と接触していないので、光の照射により硬化する。
ここで、光18の強度や照射時間等の照射条件、および接着剤15の配合を調整することにより、隣接する素子基板20r、20sの隙間に充填された接着剤15b、および支持基板10と素子基板20との間に充填された接着剤15aのみを硬化させることが望ましい。すなわち、素子基板20の能動面21より低い位置に充填された接着剤15bを硬化させるとともに、能動面21より高い位置に溢れ出した接着剤15cを未硬化のまま残すようにする。
次に、図4(d)に示すように、素子基板20の能動面21を洗浄して、未硬化の接着剤15cを除去する。この洗浄には、一般にパネル洗浄に使用される有機溶剤やアルカリ洗剤等の洗浄液を利用することができる。これにより、素子基板20の能動面に溢れ出た未硬化の接着剤15cが除去され、隣接する素子基板20r、20sの隙間に充填され硬化した接着剤が残る。以上により、支持基板10上に各素子基板20が固着される。
一方、図5(a)に示すように、素子基板20の能動面21において画素電極(不図示)を取り囲むように、あらかじめ隔壁構造体(バンク)221が形成されている。なお、支持基板10上に各素子基板20を固着した後に、素子基板20の能動面21に隔壁構造体221を形成してもよい。特に、隣接する素子基板20r、20sの接合部における接着剤15bの上端面が、素子基板20の能動面21より低くなって凹部が形成された場合に、隔壁構造体221の形成と同時にその形成材料を凹部に充填すれば、余分な工程を付加することなく接合部を平坦化することができる。
この隔壁構造体221の開口部221aの内側における画素電極の表面に、正孔注入/輸送層70および有機発光層60を順次形成する。各層の形成には、液滴吐出法を利用することが望ましい。液滴吐出法では、機能層の形成材料を含む微少量の液滴を、液滴吐出ヘッドから隔壁構造体221の開口部221aに対して選択的に吐出し、乾燥・焼成することにより機能層を成膜する。このように、液滴吐出ヘッドを移動させながら各画素に順次機能層を吐出形成して行くので、基板を大型化した場合でも液滴吐出ヘッドの移動範囲を変更するだけで対応することができる。このため、接合後の大型基板に対して、効率良く機能層を形成することが出来る。
ところで、液滴吐出法において、吐出する液体の着弾の精度を高めるためには、液滴吐出ヘッドと素子基板との間隔を非常に狭くする必要がある。ここで、素子基板20の能動面21から硬化した接着剤15bが突出していると、その接着剤15bに対して移動中の液滴吐出ヘッドが衝突し、液滴吐出法を用いた機能層の形成が採用出来なくなる。
しかしながら、本実施形態では、硬化後の接着剤15bが素子基板20の能動面21から突出していないので、移動中の液滴吐出ヘッドが接着剤15bと衝突することはない。これにより、液滴吐出法を用いて各層を正確に形成することができる。この場合、硬化後の接着剤15bの上端面は、素子基板20の能動面21の高さ以下に配置されていればよい。
さらに、整列配置された素子基板群の能動面全体に陰極50を形成する。陰極50の形成には、真空蒸着法、スパッタ法等を用いることが可能である。この陰極50は、隣接する素子基板20r、20sの隙間に配設された接着剤15bの上端面にも形成され、有機EL装置全体の共通電極として機能する。ここで、接着剤15bの上端面は、各素子基板20の能動面21と略同一平面となるので、両者の間に段差が形成されることはない。したがって、陰極50を段切れなく連続して形成することができる。これにより、隣接する素子基板20r、20sに形成された陰極50r、50sを相互に導通させることが可能になり、有機EL装置の共通電極として機能させることができる。
次に、図5(b)に示すように、接着層33を形成して封止基板30を装着する。具体的には、陰極50の表面に液状の光硬化型樹脂を塗布し、その上方に封止基板30を配置した後に、透明な封止基板30の上方から光を照射して接着層33を硬化させ、封止基板30を接着する。この封止基板30および接着層33により、外部からの水分等の浸入を防止することが可能になり、有機EL素子200を保護することができる。
以上により、本実施形態の有機EL装置1が完成する。
以上に詳述したように、本実施形態の有機EL装置の製造方法では、複数の素子基板の側面同士を嫌気性接着剤によって接着する工程を有する構成とした。この構成によれば、隣接する素子基板の隙間に配置された接着剤の硬化速度に比べて、各素子基板の能動面に溢れ出した接着剤の硬化速度が、空気との接触により遅くなる。したがって、硬化した接着剤が素子基板の能動面から突出して配置されることはない。これにより、各素子基板の能動面に機能層を段切れなく連続して形成することが可能になる。また、液滴吐出法によって機能層を形成する場合に、液滴吐出ヘッドが硬化後の接着剤と衝突するのを防止することができる。
また、本実施形態の有機EL装置の製造方法では、各素子基板の能動面を洗浄して未硬化の嫌気性接着剤を除去する工程を有する構成とした。この構成によれば、余剰の嫌気性接着剤を基板洗浄により簡単に除去することができる。これにより、各素子基板の能動面に保護シートを装着しなくても能動面を保護することが可能になる。また、余分な工程を付加すること無く、接合部において接着剤の段差がない大型基板を作製することが可能となり、有機EL装置の製造コストを低減することができる。
[電子機器]
図6は、本発明に係る電子機器の一構成例である薄型大画面テレビ1200の斜視構成図である。同図に示す薄型大画面テレビ1200は、上記実施形態の有機EL装置からなる表示部1201と、筐体1202と、スピーカ等の音声出力部1203とを主体として構成されている。そして、この薄型大画面テレビでは、上記実施形態の有機EL装置により表示部の信頼性に優れたものとなっている。
本発明に係る有機EL装置は、図6に示すテレビの表示部のみならず、種々の電子機器の表示部に適用することができ、例えば、携帯用電子機器、パーソナルコンピュータ等の表示部に好適に用いることができる。
実施形態に係る有機EL装置の回路構成図である。 実施形態に係る有機EL装置の平面構成図である。 実施形態に係る有機EL装置の断面構成図である。 実施形態に係る有機EL装置の製造方法の工程図である。 実施形態に係る有機EL装置の製造方法の工程図である。 薄型大画面テレビの斜視構成図である。 各素子基板を支持基板に接着する工程の説明図である。 タイリングによって製造された有機EL装置の断面構成図である。
符号の説明
10‥支持基板 15、15b‥接着剤 18‥光 20‥素子基板 21‥能動面

Claims (7)

  1. 有機EL素子を形成すべき複数の素子基板の側面同士を接着して、大型の有機EL装置を製造する方法であって、
    前記各素子基板の側面同士を、嫌気性接着剤によって接着する工程を有することを特徴とする有機EL装置の製造方法。
  2. 前記接着工程の後に、前記各素子基板を洗浄して未硬化の前記嫌気性接着剤を除去する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置の製造方法。
  3. 前記接着剤および前記素子基板は、可視光透過性を有する材料によって構成され、
    前記接着剤の屈折率は、前記素子基板の屈折率と略同等であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機EL装置の製造方法。
  4. 前記接着工程の後に、前記各素子基板の能動面に液滴吐出法により機能層を形成する工程を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の有機EL装置の製造方法。
  5. 前記接着工程の後に、前記各素子基板の能動面に前記有機EL素子の共通電極を形成することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の有機EL装置の製造方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の有機EL装置の製造方法を使用して製造したことを特徴とする有機EL装置。
  7. 請求項6の有機EL装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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