JP4697008B2 - 有機エレクトロルミネッセンスセル用紫外線遮蔽性感圧式接着剤組成物および該組成物を用いた有機エレクトロルミネッセンスセル用部材 - Google Patents
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Description
この問題を解決し、紫外(UV)線曝露環境下での繰り返し使用時の安定性や耐久性に優れた有機EL用部材を開発するためには、有機EL素子に悪影響を与えると考えられる波長290〜420nmの紫外線遮蔽能を付与することが必須であり、様々な構成が提案されてきた。
本発明はこうした知見に基づき、新たな組成物、積層体、および有機エレクトロルミネッセンスセル用部材を提供することを課題とするものである。
また、金属ナノ粒子(C)が、表面処理剤で処理された金属ナノ粒子である上記の紫外線遮蔽性感圧式接着剤組成物が好ましい。さらに、金属ナノ粒子(C)が銀ナノ粒子である上記の紫外線感圧式接着剤組成物が好ましい。また、表面処理剤が、顔料分散剤、界面活性剤および有機脂肪酸から選ばれる1種以上である上記の紫外線遮蔽性感圧式接着剤組成物も好ましい。
また、本発明の感圧式接着剤組成物は、紫外線を遮蔽する機能を有し、有機エレクトロルミネッセンスセルに好適である。
金属ナノ粒子(C)を構成する金属原子は280〜500nmに吸収を有するものであれば限定されず、用途に応じた粒子径、吸収を持つ金属を選択することができるが、特に銀原子であることが好ましい。銀原子を構成成分とする銀ナノ粒子は安定性に優れ、また、銀ナノ粒子は主に400〜450nmで鋭い吸収ピークを有しているため、紫外線遮蔽用の素材として特に好適だからである。
表面処理剤の総処理量は、金属原子100重量部に対して、表面処理剤1〜10000重量部であることが好ましい。さらに好ましくは、10〜600重量部であり、さらに好ましくは40〜400重量部であるとよい。表面処理剤が10000重量部を超えると、安定性は向上するものの、固形分中に占める割合が高くなりすぎて金属ナノ粒子(C)やその他の成分の濃度を上げられなくなるため、十分な紫外線遮蔽効果が得られなくなる恐れがある上、レベリング性等の塗膜物性を低下させる恐れがあるため好ましくない。
本発明では、一般に界面活性剤として知られている化合物を用いることができ、例えば、高級脂肪酸塩、アルファスルホ脂肪酸メチルエステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、モノアルキルリン酸エステル塩、アルファオレインスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩等の陰イオン系活性剤、グリセリン脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン系界面活性剤、アルキルアミノ脂肪酸塩、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシド等の両性イオン系界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、N−メチルビスヒドロキシエチルアミン脂肪酸エステル塩酸塩等の陽イオン系界面活性剤等が挙げられる。
また、フッ素系界面活性剤、アリル系反応性界面活性剤等の反応性活性剤、カチオン性セルロース誘導体、ポリカルボン酸、ポリスチレンスルホン酸等の高分子界面活性剤も用いることができる。これらは湿潤分散剤としても市販されており、例えば、エフカアディティブズ社製のEFKA5010、EFKA5044、EFKA5244、EFKA5054、EFKA5055、EFKA5063、EFKA5064、EFKA5065、EFKA5066、EFKA5070、EFKA5071、EFKA5207、ビッグケミー・ジャパン株式会社製のDisperbyk−101、Disperbyk−108、Disperbyk−130等があげられる。これらの界面活性剤は、一種類でも複数種を組み合わせて用いても良い。
上記の脂肪酸としては公知の化合物を用いてよい。直鎖飽和脂肪酸としては、例えば、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等が挙げられる。
直鎖不飽和脂肪酸としては、例えば、アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、プロピオール酸、ステアロール酸等が挙げられる。
上記の直鎖の脂肪酸の中でも、安定性や低温分解性を考慮するとカプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ミリスチン酸、オレイン酸、ステアリン酸等が好ましい。
三級脂肪酸としては、例えば、ピバリン酸、ネオノナン酸、ネオデカン酸、エクアシッド9(出光石油化学製)、エクアシッド13(出光石油化学製)などが挙げられる。
これらの有機脂肪酸は一種類でも、複数種を組み合わせて用いても良い。
紫外線遮蔽剤(B)としては、紫外線吸収剤、光安定剤および蛍光増白剤から選ばれる一種以上であることが好ましい。また、上記の紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光増白剤としての複数の効能を有する化合物を使用することも可能である。
また、有機系化合物として、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾオキサジン系、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、2−シアノアクリル酸エステル系、アントラニレート系、ケイヒ酸誘導体系、カンファー誘導体系、ベンザルマロネート誘導体系、レゾルシノール系、オキザリニド系、クマリン誘導体系等が使用できる。
アントラニレート系としては、例えば、メンチルアントラニレート等が挙げられる。
ケイヒ酸誘導体系としては、例えば、エチルヘキシルメトキシシンナメート、イソプロピルメトキシシンナメート、イソアミルメトキシシンナメート、ジイソプロピルメチルシンナメート、グリセリル−エチルヘキサノエートジメトキシシンナメート、メチル−α−カルボメトキシシンナメート、メチル−α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート等が挙げられる。
レゾルシノール系としては、例えば、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイルレゾルシノール)等が挙げられる。
オキザリニド系としては、例えば、4,4′−ジ−オクチルオキシオキザニリド、2,2′−ジエトキシオキシオキザニリド、2,2′−ジ−オクチルオキシ−5,5′−ジ−tert−ブチルオキザニリド、2,2′−ジ−ドデシルオキシ−5,5′−ジ−tert−ブチルオキザニリド、2−エトキシ−2′−エチルオキザニリド、N,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキザニリド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2′−エトキシオキザニリド等が挙げられる。
クマリン誘導体系としては、例えば、7−ヒドロキシクマリン等が挙げられる。
光安定剤としては、一般に市販されているものを用いることができ、ヒンダードアミン系化合物(「HALS」と略記する。)等が使用できる。ヒンダードアミン系としては、一般的に市販されているものを使用することができるが、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)アルキルアミンニッケル、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミン・N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物等が挙げられる。
蛍光増白剤としては、ベンズオキサゾール系、トリアジン系、ピラゾリン系、クマリン系化合物等が挙げられる。
共重合体(a1)のガラス転移点が−80℃未満の場合、該共重合体(a1)を用いて得られる感圧式接着剤層の凝集力が低下し、浮き剥がれが生じやすくなる。一方、ガラス転移点が−10℃を超えると、感圧式接着剤層の十分な接着力を得ることができない可能性がある。
性がある。
そのような単量体の例としては、例えば、マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド誘導体類;
錫系化合物としては、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。
非錫系化合物としては、例えばジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライドなどのチタン系化合物、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛などの鉛系化合物、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネートなどの鉄系化合物、安息香酸コバルト、2−エチルヘキ酸コバルトなどのコバルト系化合物、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛などの亜鉛系、ナフテン酸ジルコニウムなどのジルコニウム系化合物等が挙げられる。
上記触媒の中で、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、2−エチルヘキサン酸錫等が反応性や衛生性の点で好ましい。
脂肪族系ポリアミンとしては、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メンセンジアミン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、分子両末端のプロピレン分岐炭素にアミノ基が結合したポリプロピレングリコール(プロピレン骨格のジアミン、例えば、サンテクノケミカル社製「ジェファーミンD230」)、「ジェファーミンD400」等、プロピレン骨格のトリアミン、例えば、「ジェファーミンT403」等。)、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、1,2−ジアミノプロパン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、H2N(CH2CH2O)2(CH2)2NH2[サンテクノケミカル社製「ジェファーミンEDR148」(エチレングリコール骨格のジアミン)]等のアミン窒素にメチレン基が結合したポリエーテル骨格のジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン(デュポン・ジャパン社製「MPMD」)、メタキシリレンジアミン(MXDA)、ポリアミドアミン(三和化学社製「X2000」)、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(三菱ガス化学社製「1,3BAC」)、1−シクロヘキシルアミノ−3−アミノプロパン、3−アミノメチル−3,3,5−トリメチル−シクロヘキシルアミン、ノルボルナン骨格のジメチレンアミン(三井化学社製「NBDA」)等を挙げることができる。
これらの中でも、特に硬化速度が大きいことから、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ノルボルナン骨格のジメチレンアミン、メタキシリレンジアミン、H2N(CH2CH2O)2(CH2)2NH2(エチレングリコール骨格のジアミン)、プロピレン骨格のジアミン、プロピレン骨格のトリアミン、ポリアミドアミン(商品名:X2000)が有用に使用される。
このような化合物としては、以下のジイソシアネートを脱炭酸縮合反応したものが挙げられる。
ジイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1−メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートの内の一種、またはこれらの混合物を使用することができる。
共重合体(a1)中の官能基と架橋剤中の官能基との反応により、樹脂組成物が三次元架橋することにより、外界の熱や力の変化による金属ナノ粒子(C)被覆層の離脱が少なくなる。その結果、各種被着体との密着性を確保するだけでなく、含有している金属ナノ粒子(C)の局在化による分散性低下を抑制し、従来よりも過酷な条件下における耐熱性及び耐湿熱性をも向上することができる。このため、本発明の紫外線遮蔽性組成物は有機エレクトロルミネッセンスセル用部材として好ましく使用することができる。
例えば、種々のシート状基材に本発明の紫外線樹脂組成物を塗加工、印字、乾燥あるいは硬化することによって樹脂シートを得ることができる。また、押出成形によって樹脂シートを得ることもできる。
樹脂組成物を塗加工する際には上記のような水や溶剤等の液状媒体を添加したり、樹脂組成物を加熱して粘度を低下させたりすることにより、粘度を調整して用いるとよい。
感圧式接着剤組成物を塗加工した後、感圧式接着剤組成物が有機溶媒や水等の液状媒体を含有する場合には、加熱等の方法により液状媒体を除去し、シート状基材の上に感圧式接着剤樹脂層を形成することができる。
乾燥方法には特に制限はないが、例えば、熱風乾燥、赤外線、減圧法等の一般的な方法で乾燥させることができる。加熱乾燥の温度条件は、感圧式接着剤組成物の硬化状態や膜厚、使用した溶剤やシート状基材によって選択するが、通常は60〜180℃程度でよい。
シート基材が感圧式接着剤に対して十分な濡れ性を有しない場合には、シート基材の塗布すべき面をコロナ放電処理、オゾン処理、短波長紫外線照射処理、火焔処理等に賦して濡れ性を向上させるのが良い。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス(EL)セル用部材は、上記のガラス部材またはフィルム部材、本発明の紫外線遮蔽性組成物から形成される樹脂層、および光学部材が積層されてなることを特徴とする。
光学部材は、有機EL素子の陽極側に積層される反射防止フィルム、輝度向上フィルムおよび表面保護フィルム等の各種光学特性を有する部材であり、特にシート状の部材が好ましい。
例えば、感圧式接着剤から得られた樹脂積層体は、(ア)剥離処理されたシート状基材の剥離処理面に樹脂組成物を塗加工し、必要に応じて液状媒体を除去して樹脂層を設け、シート状の光学部材を樹脂層の表面に積層したり、(イ)シート状の光学部材に樹脂組成物を塗加工し、必要に応じて液状媒体を除去して樹脂層を設け、樹脂層の表面に剥離処理されたシート状基材の剥離処理面を積層したりすることにより得ることができる。
シート状の光学部材/樹脂層/有機ELガラス部材 ・・・構成(I)
また、上記のガラス部材またはフィルム部材、本発明の紫外線遮蔽性組成物から形成される樹脂層、および光学部材を任意に組み合わせて積層することで、所望の有機エレクトロルミネッセンス(EL)セル用部材を得ることができる。特に、上記のガラス部材またはフィルム部材、本発明の紫外線遮蔽性組成物から形成される樹脂層、および光学部材が順次積層されてなる有機エレクトロルミネッセンス(EL)セル用部材が好ましい。
(製造例1)
重合槽、攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた重合反応装置の重合槽及び滴下装置に、分子内に重合性のエチレン性不飽和二重結合を保有する単量体をそれぞれ下記の比率で仕込んだ。
アクリル酸n−ブチル 28部
メタクリル酸メチル 20部
アクリル酸 1部
酢酸エチル 30部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
[滴下装置]
アクリル酸n−ブチル 50部
アクリル酸 1部
酢酸エチル 36部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
製造例1で使用した分子内に重合性のエチレン性不飽和二重結合を保有する単量体の組成を下記の如く変更した以外は製造例1と同様にして重合し、共重合体(a)を含む溶液を得た。
アクリル酸n−ブチル 29.5部
アクリル酸メチル 10部
メタクリル酸メチル 10部
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 0.3部
酢酸エチル 30部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
[滴下装置]
アクリル酸n−ブチル 50部
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 0.2部
酢酸エチル 36部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
製造例1で使用した分子内に重合性のエチレン性不飽和二重結合を保有する単量体の組成を下記の如く変更した以外は製造例1と同様にして重合し、共重合体(a)を含む溶液を得た。
アクリル酸2−エチルヘキシル 18.5部
アクリル酸n−ブチル 10部
アクリル酸メチル 20部
アクリル酸 1部
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 0.3部
酢酸エチル 30部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
[滴下装置]
アクリル酸2−エチルヘキシル 20部
アクリル酸n−ブチル 30部
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 0.2部
酢酸エチル 36部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
製造例1で使用した分子内に重合性のエチレン性不飽和二重結合を保有する単量体の組成を下記の如く変更した以外は製造例1と同様にして重合し、共重合体(a)を含む溶液を得た。
アクリル酸n−ブチル 27部
アクリル酸メチル 20部
アクリル酸 1部
酢酸エチル 30部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
[滴下装置]
アクリル酸n−ブチル 50部
アクリル酸 1部
2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタアクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール 1部
酢酸エチル 36部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.05部
製造例で得られた共重合体(a)溶液の外観を目視にて評価した。
製造例で得られた共重合体(a)の各溶液、約1gを金属容器に秤量し、150℃オーブンにて20分間乾燥して、残分を秤量して残率計算をし、不揮発分濃度(%)とした。
製造例で得られた共重合体(a)の各溶液を23℃中でB型粘度計(東京計器社製)にて、#3あるいは4のローターを使用して12rpm、1分間回転の条件で測定し、溶液粘度(mPa・s)とした。
Mwの測定は昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「ShodexGPC System−21」を用いた。GPCは溶媒に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、重量平均分子量(Mw)の決定はポリスチレン換算で行った。
ロボットDSC(示差走査熱量計)「RDC220」(セイコーインスツルメンツ社製)に「SSC5200ディスクステーション」(セイコーインスツルメンツ社製)を接続して測定した。試料約10mgを秤量し、アルミニウムパンに調整後、DSC装置にセットした(リファレンス:試料を入れていない同タイプのアルミニウムパン)。窒素気流下、この試料を10℃/分で昇温し、そのDSCチャートの吸熱、発熱ピークからガラス転移点(Tg:℃)を測定した。
(製造例5)
セパラブル4口フラスコに冷却管、温度計、窒素ガス導入管、攪拌装置を取り付け、窒素ガスを導入しながらトルエン91.1部、および顔料分散剤としてソルスパース32000(アビシア株式会社製、重量平均分子量約50,000)1.9部を仕込み溶解させた。35%ジメチルアミノエタノール水溶液54.3部を室温で攪拌しながら滴下し、均一な液滴を生成させた後、1M硝酸銀水溶液100部を滴下し、50℃に昇温して反応を進行させた。水相を取り出し、数回蒸留水で洗浄・分離を繰返すことで過剰の還元剤と不純物の洗浄を行い、20%濃度の銀ナノ粒子分散体溶液を得た。得られた銀ナノ粒子分散体溶液は、流動性があり、420nmに強い吸収を持ち、銀ナノ粒子の平均粒子径が7nm±3nmと均一であり、また、不揮発分中、銀濃度は65%であった。この銀ナノ粒子分散体溶液は、40℃で1ヶ月保存した後でも、吸収、粒子径ともに安定であった。
製造例5で使用したソルスパース32000の添加量を0.8部とし、35%ジメチルアミノエタノールの添加量を108.6部に変更した以外は製造例5と同様にして銀ナノ粒子分散体溶液を作成した。得られた銀ナノ粒子分散体溶液は、流動性はあるが、吸収ピークが580nmであるため420nmの吸収が低く、平均粒子径が100nm±10nmと非常に大きく、また、不揮発分中、銀濃度は65%であった。この銀ナノ粒子分散体溶液は、40℃で1ヶ月保存したところ、吸収低下が認められ、また沈殿物も認められた。
製造例で得られた分散体の各溶液、約1gを金属容器に秤量し、150℃オーブンにて20分間乾燥して、残分を秤量して残率計算をし、不揮発分濃度(%)とした。
得られた分散体溶液にトルエンを加えて調整し、粒度分布計(「マイクロトラックUPA」日機装社製)を用いて平均粒子径(D50)を測定した。
得られた分散体溶液にトルエンを加えて0.01%に希釈し、幅1cmの石英ガラスセルに充填し、23℃相対湿度50%の条件下で「Ubest V−570」(日本分光社製)を用いて、420nmの吸光度(L/mol・cm)を測定した。
得られた分散体溶液を40℃で1ヶ月保存し、上記同様に420nmの吸光度(L/mol・cm)を測定し、次の3段階で評価した。
○:「吸光度変化率が1%未満であり、保存安定性は問題なし。」
△:「吸光度変化率が1%以上5%未満であり、実用上問題なし。」
×:「吸光度変化率が5%以上あり、保存安定性は不良。」
(実施例1)
製造例1で得られた共重合体(a)の溶液100部に架橋剤として、TAT(トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1、3、5−トリアジン)0.06部を加えたバインダー(A)の溶液を調整し、更に、紫外線遮蔽剤(B)としてベンゾトリアゾール系化合物{2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]〕}2部と、金属ナノ粒子(C)として製造例5で得られた銀ナノ粒子分散体溶液10部とを加えて、更にトルエンを加えて不揮発分25%濃度に調整して、よく撹拌して樹脂組成物溶液を得た。これを剥離処理されたポリエステルフィルム(以下、「剥離フィルム」という。)上に乾燥後の厚みが25μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させ、樹脂層を形成した。
形成された樹脂層に、表面保護フィルムの片面を接触させ、剥離フィルム/樹脂層/表面保護フィルムという構成の積層体を得た。
次いで、得られた積層体を温度23℃、相対湿度50%の条件で1週間熟成(暗反応)させて、樹脂層の架橋反応を進行させ、感圧式接着加工した表面保護板(積層体)を得た。
実施例1で使用した製造例5の銀ナノ粒子の代わりに、製造例6で得られた銀ナノ粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、感圧式接着加工した表面保護板(積層体)を得た。
実施例1で使用した製造例5の銀ナノ粒子を用いないこと以外は実施例1と同様にして、感圧式接着加工した表面保護板(積層体)を得た。
実施例1で使用したバインダー(A)を製造例2で得られた共重合体(a)および架橋剤TDI/TMP(トルレンジイソシネートのトリメチローププロパンアダクト体)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、感圧式接着加工した表面保護板(積層体)を得た。
実施例2で使用した製造例5の銀ナノ粒子の代わりに、製造例6で得られた銀ナノ粒子を用いたこと以外は実施例2と同様にして、感圧式接着加工した表面保護板(積層体)を得た。
実施例2で使用した製造例5の銀ナノ粒子を用いないこと以外は実施例2と同様にして、感圧式接着加工した表面保護板(積層体)を得た。
実施例1で使用したバインダー(A)を、架橋剤TATおよび製造例3または4で得られた共重合体(a)に各々変更したこと以外は、実施例1と同様にして、感圧式接着加工した表面保護板(積層体)を得た。
実施例1で使用した紫外線遮蔽剤(B)を、トリアジン系化合物{2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール}に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、感圧式接着加工した表面保護板(積層体)を得た。
感圧式接着加工した表面保護板(積層体)を150mm×80mmの大きさにカットし、剥離フィルムを剥がし、厚さ2mmの光学ガラス板の両面にラミネーターを用いてそれぞれ貼着した。続いて、この表面保護板が貼り付けられたガラス板を50℃、5気圧の条件のオートクレーブ内に20分保持させて表面保護板を光学ガラス板に密着させた。更に、この反射防止板とガラス板の積層物を120℃の環境下で1000時間放置した後の浮きハガレ(耐熱性能)、80℃、相対湿度90%の環境下で1000時間放置した後の浮きハガレ(耐湿熱性)を目視で観察し、3段階で評価した。
○:「浮きハガレ・フィルム白化が全く認められない。」
△:「若干浮きハガレ・フィルム白化が認められるが、実用上問題がない。」
×:「全面的に浮きハガレ・フィルム白化があり、実用不可である。」
実施例1〜5および比較例1〜4で得られた樹脂組成物を、剥離処理されたポリエステルフィルムに塗工して乾燥させ、厚さ25μmの樹脂層を設けた後に、更に剥離処理されたポリエステルフィルムを被せた。この剥離処理ポリエステルフィルムに挟まれた樹脂層を温度23℃相対湿度50%の条件で1週間熟成させた後、剥離処理ポリエステルフィルムを取り除き、樹脂層単体の外観を目視で判定するとともに、ヘイズを「NDH−300A」[日本電色工業社製]で測定し、3段階で評価した。
○:「目視上、実用上の問題がない。かつ、ヘイズが1未満である。」
△:「目視上、曇り等は認められない。かつ、ヘイズが1以上3未満である。」
×:「目視上、若干曇りが認められ、実用上の問題がある。かつ、ヘイズが3以上である。」
まず簡易評価方法として、感圧式接着加工した表面保護板を25mm×150mmの大きさにカットし、剥離フィルムを剥がし、厚さ2mmの光学ガラス板の一方の面にラミネータを用いて貼り付け、50℃、5気圧の条件のオートクレーブ内に20分保持させて光学ガラス板に密着させた積層物(構成物)と、さらに、積層物を120℃の環境下で1000時間放置した構成物、および80℃、相対湿度90%の環境下で1000時間放置した構成物とを準備し、それぞれの構成物の、420nm以下の紫外線遮蔽能を、23℃、相対湿度50%の条件下で「Ubest V−570」(日本分光社製)を用いて測定し、3段階で評価した。
○:「各構成物とも420nm以下の紫外線のカット率が100%であり、実用上問題なし。」
△:「各構成物とも420nm以下の紫外線のカット率95%以上100%未満であり、実用上問題がある。」
×:「いずれか1つ以上の構成物の420nm以下の紫外線のカット率が95%未満であり、実用不可である。」
その後、フッ化リチウムを蒸着速度2×10-3nm/秒で厚み5Åに製膜した後、Alq3を蒸着速度0.15nm/秒で厚み6nmに製膜して、発光層を形成した。次いで、α−NPDを蒸着速度0.15nm/秒で厚み6nmに製膜して、正孔輸送層を形成した。
その後、透明支持基板を酸化インジウム錫(ITO)のターゲットを備えたスパッタリング装置に移し、真空槽を2×10-4Paまで減圧した後、アルゴンガスを圧力が0.4Paとなるように導入した。次いで、ITOを蒸着速度0.2nm/秒で厚み10nmに製膜して、透明電極を形成した。さらに、透明支持基板を酸化珪素のターゲットを備えたスパッタリング装置に移し、真空槽を2×10-4Paまで減圧した後、アルゴンガスを圧力が0.4Paとなるように導入した。次いで、酸化珪素を蒸着速度0.2nm/秒で厚み10nmに製膜して、有機EL素子の保護層を形成した。その後、窒素ガスによりスパッタリング装置内を常圧に戻し、透明支持基板を取り出して、透明支持基板上に作製した上面発光型有機EL素子基板を得た。
次に、防湿性のガラス製背面板の中央部に接着剤として「ダイナレオVA3050」(東洋インキ製造社製)にイソシアネート系架橋剤を加えて塗布し、100℃で2分乾燥させた後、上記で得られた上面発光型有機EL素子基板と貼り合わせた後、80℃で1分間加熱して有機EL素子を作製した。
○:「各セルとも420nm以下の紫外線のカット率が100%であり、実用上問題なし。」
△:「各セルとも420nm以下の紫外線のカット率95%以上100%未満であり、実用上問題がある。」
×:「いずれか1つ以上のセルの420nm以下の紫外線のカット率が95%未満であり、実用不可である。」
Claims (8)
- 分子内に重合性エチレン性不飽和二重結合を保有する単量体を重合させてなる、ガラス転移点(Tg)が−80〜−10℃である共重合体(a1)100重量部と前記共重合体(a1)中の官能基と反応することができる架橋剤0.001〜50重量部とを含むバインダー(A)、紫外線遮蔽剤(B)、および280nm〜500nmに吸収ピークを有し、粒子径が0.5〜60nmである金属ナノ粒子(C)を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスセル用紫外線遮蔽性感圧式接着剤組成物。
- 金属ナノ粒子(C)が、表面処理剤で処理された金属ナノ粒子である請求項1記載の紫外線遮蔽性感圧式接着剤組成物。
- 金属ナノ粒子(C)が銀ナノ粒子である請求項1または2記載の紫外線遮蔽性感圧式接着剤組成物。
- 表面処理剤が、顔料分散剤、界面活性剤および有機脂肪酸から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項2または3記載の紫外線遮蔽性感圧式接着剤組成物。
- バインダー(A)100重量部に対して0.1〜10重量部の金属ナノ粒子(C)を含有することを特徴とする請求項1〜4いずれか一項に記載の紫外線遮蔽性感圧式接着剤組成物。
- 紫外線遮蔽剤(B)が、紫外線吸収剤、光安定剤および蛍光増白剤から選ばれる一種以上である請求項1〜5いずれか一項に記載の紫外線樹脂感圧式接着剤組成物。
- バインダー(A)100重量部に対して0.1〜20重量部の紫外線遮蔽剤(B)を含有することを特徴とする請求項1〜6いずれか一項に記載の紫外線遮蔽性感圧式接着剤組成物。
- 有機エレクトロルミネッセンス用ガラス部材またはフィルム部材、請求項1〜7いずれか一項に記載の感圧式接着剤組成物から形成される感圧式接着剤層、および光学部材が積層されてなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスセル用部材。
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