JPH0818065A - 絶縁ゲイト型半導体装置の作製方法 - Google Patents
絶縁ゲイト型半導体装置の作製方法Info
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- JPH0818065A JPH0818065A JP19127595A JP19127595A JPH0818065A JP H0818065 A JPH0818065 A JP H0818065A JP 19127595 A JP19127595 A JP 19127595A JP 19127595 A JP19127595 A JP 19127595A JP H0818065 A JPH0818065 A JP H0818065A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 OFF電流を低減するための構造を有する薄
膜状絶縁ゲイト型半導体装置を作製する。 【構成】 絶縁基板上の絶縁被膜中にリンまたはホウ素
の不純物を含ませ、熱処理により、絶縁被膜上のチャネ
ルとなる半導体層中へリンまたはホウ素の不純物を拡散
させる方法。
膜状絶縁ゲイト型半導体装置を作製する。 【構成】 絶縁基板上の絶縁被膜中にリンまたはホウ素
の不純物を含ませ、熱処理により、絶縁被膜上のチャネ
ルとなる半導体層中へリンまたはホウ素の不純物を拡散
させる方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ON電流とOFF電流
の比率(ON/OFF比)が大きく、特にOFF電流が
少ない薄膜状絶縁ゲイト半導体装置、特に薄膜トランジ
スタ(TFT)に関する。
の比率(ON/OFF比)が大きく、特にOFF電流が
少ない薄膜状絶縁ゲイト半導体装置、特に薄膜トランジ
スタ(TFT)に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、絶縁基板上に、薄膜状のチャネル
領域を有する絶縁ゲイト型の半導体装置の研究がなされ
ている。特に、薄膜状の絶縁ゲイトトランジスタ、いわ
ゆる薄膜トランジスタ(TFT)が熱心に研究されてい
る。これらは、液晶等の表示装置において、マトリクス
構造を有するものの各画素の制御用に利用することが目
的であり、利用する半導体の材料・結晶状態によって、
アモルファスシリコンTFTや多結晶シリコンTFTと
いうように区別されている。もっとも、最近では多結晶
シリコンとアモルファスの中間的な状態を呈する材料も
利用する研究がなされている。これは、セミアモルファ
スといわれ、アモルファス状の組織に小さな結晶が浮か
んだ状態であると考えられている。
領域を有する絶縁ゲイト型の半導体装置の研究がなされ
ている。特に、薄膜状の絶縁ゲイトトランジスタ、いわ
ゆる薄膜トランジスタ(TFT)が熱心に研究されてい
る。これらは、液晶等の表示装置において、マトリクス
構造を有するものの各画素の制御用に利用することが目
的であり、利用する半導体の材料・結晶状態によって、
アモルファスシリコンTFTや多結晶シリコンTFTと
いうように区別されている。もっとも、最近では多結晶
シリコンとアモルファスの中間的な状態を呈する材料も
利用する研究がなされている。これは、セミアモルファ
スといわれ、アモルファス状の組織に小さな結晶が浮か
んだ状態であると考えられている。
【0003】また、単結晶シリコン集積回路において
も、いわゆるSOI技術として多結晶シリコンTFTが
用いられており、これは、例えば高集積度SRAMにお
いて、負荷トランジスタとして使用される。この場合に
は、アモルファスシリコンTFTを用いることはほとん
どない。
も、いわゆるSOI技術として多結晶シリコンTFTが
用いられており、これは、例えば高集積度SRAMにお
いて、負荷トランジスタとして使用される。この場合に
は、アモルファスシリコンTFTを用いることはほとん
どない。
【0004】一般にアモルファス状態の半導体の電界移
動度は小さく、したがって、高速動作が要求されるTF
Tには利用できない。また、アモルファスシリコンで
は、P型の電界移動度は著しく小さいので、Pチャネル
型のTFT(PTFT)を作製することができず、した
がって、Nチャネル型TFT(NTFT)と組み合わせ
て、相補型のMOS回路(CMOS)を形成することが
できない。
動度は小さく、したがって、高速動作が要求されるTF
Tには利用できない。また、アモルファスシリコンで
は、P型の電界移動度は著しく小さいので、Pチャネル
型のTFT(PTFT)を作製することができず、した
がって、Nチャネル型TFT(NTFT)と組み合わせ
て、相補型のMOS回路(CMOS)を形成することが
できない。
【0005】しかしながら、アモルファス半導体によっ
て形成したTFTはOFF電流が小さいという特徴を持
つ。そこで、液晶のアクティブマトリクスのトランジス
タのように、それほどの高速動作が要求されず、一方の
導電型だけで十分であり、かつ、電荷保持能力の高いT
FTが必要とされる用途に利用されている。
て形成したTFTはOFF電流が小さいという特徴を持
つ。そこで、液晶のアクティブマトリクスのトランジス
タのように、それほどの高速動作が要求されず、一方の
導電型だけで十分であり、かつ、電荷保持能力の高いT
FTが必要とされる用途に利用されている。
【0006】一方、多結晶半導体は、アモルファス半導
体よりも電界移動度が大きく、したがって、高速動作が
可能である。例えば、レーザーアニールによって再結晶
化させたシリコン膜を用いたTFTでは、電界移動度と
して300cm2 /Vsもの値が得られている。通常の
単結晶シリコン基板上に形成されたMOSトランジスタ
の電界移動度が500cm2 /Vs程度であることから
すると、極めて大きな値であり、単結晶シリコン上のM
OS回路が基板と配線間の寄生容量によって、動作速度
が制限されるのに対して、絶縁基板上であるのでそのよ
うな制約は何ら無く、著しい高速動作が期待されてい
る。
体よりも電界移動度が大きく、したがって、高速動作が
可能である。例えば、レーザーアニールによって再結晶
化させたシリコン膜を用いたTFTでは、電界移動度と
して300cm2 /Vsもの値が得られている。通常の
単結晶シリコン基板上に形成されたMOSトランジスタ
の電界移動度が500cm2 /Vs程度であることから
すると、極めて大きな値であり、単結晶シリコン上のM
OS回路が基板と配線間の寄生容量によって、動作速度
が制限されるのに対して、絶縁基板上であるのでそのよ
うな制約は何ら無く、著しい高速動作が期待されてい
る。
【0007】また、多結晶シリコンでは、NTFTだけ
でなく、PTFTも同様に得られるのでCMOS回路を
形成することが可能で、例えば、アクティブマトリクス
方式の液晶表示装置においては、アクティブマトリクス
部分のみならず、周辺回路(ドライバー等)をもCMO
Sの多結晶TFTで構成する、いわゆるモノリシック構
造を有するものが知られている。
でなく、PTFTも同様に得られるのでCMOS回路を
形成することが可能で、例えば、アクティブマトリクス
方式の液晶表示装置においては、アクティブマトリクス
部分のみならず、周辺回路(ドライバー等)をもCMO
Sの多結晶TFTで構成する、いわゆるモノリシック構
造を有するものが知られている。
【0008】前述のSRAMに使用されるTFTもこの
点に注目したものであり、PMOSをTFTで構成し、
これを負荷トランジスタとして用いている。
点に注目したものであり、PMOSをTFTで構成し、
これを負荷トランジスタとして用いている。
【0009】しかしながら、一般に多結晶TFTはアモ
ルファスTFTに比べて、電界移動度が大きな分だけ、
OFF電流が大きく、アクティブマトリクスの画素の電
荷を保持する能力には劣っていた。従来は画素の大きさ
が数100μm角で、画素容量が大きかったために特に
問題となることはなかったが、最近では、高精細化とと
もに画素の微細化が進み、画素容量が小さくなり、安定
なスタティック表示をおこなうのに不十分となってい
る。また、SRAMに用いる場合においても、OFF電
流が大きい場合には消費電力が大きくなった。
ルファスTFTに比べて、電界移動度が大きな分だけ、
OFF電流が大きく、アクティブマトリクスの画素の電
荷を保持する能力には劣っていた。従来は画素の大きさ
が数100μm角で、画素容量が大きかったために特に
問題となることはなかったが、最近では、高精細化とと
もに画素の微細化が進み、画素容量が小さくなり、安定
なスタティック表示をおこなうのに不十分となってい
る。また、SRAMに用いる場合においても、OFF電
流が大きい場合には消費電力が大きくなった。
【0010】また、通常のアモルファスTFTにおいて
は、単結晶IC技術で使用されるようなセルフアライン
プロセスによってソース/ドレイン領域を形成すること
は困難であり、ゲイト電極とソース/ドレイン領域の幾
何学的な重なりによる寄生容量が問題となるのに対し、
多結晶TFTはセルフアラインプロセスが採用できるた
め、寄生容量が著しく抑えられるという特徴を持つ。
は、単結晶IC技術で使用されるようなセルフアライン
プロセスによってソース/ドレイン領域を形成すること
は困難であり、ゲイト電極とソース/ドレイン領域の幾
何学的な重なりによる寄生容量が問題となるのに対し、
多結晶TFTはセルフアラインプロセスが採用できるた
め、寄生容量が著しく抑えられるという特徴を持つ。
【0011】すなわち、従来の多結晶TFTは図2に示
すように、ほぼ同じ厚さのソース領域204とドレイン
領域202、チャネル領域203が基板201上に形成
され、セルフアラインプロセスを採用して作製されたT
FTでは、チャネル領域(活性層)203はゲイト電極
205とほぼ同じ形状に形成された。図において、20
6は層間絶縁物であり、207、208はそれぞれドレ
イン電極、ソース電極である。
すように、ほぼ同じ厚さのソース領域204とドレイン
領域202、チャネル領域203が基板201上に形成
され、セルフアラインプロセスを採用して作製されたT
FTでは、チャネル領域(活性層)203はゲイト電極
205とほぼ同じ形状に形成された。図において、20
6は層間絶縁物であり、207、208はそれぞれドレ
イン電極、ソース電極である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このような多結晶TF
Tの利点に対して、いくつかの問題点も指摘されてい
る。そのうちの一つである、OFF電流の問題に対して
は、いくつかの解決法が提案されている。その一つは、
活性化領域を薄くする方法である。こうすることによっ
て、OFF電流が小さくなることが報告されている。例
えば、チャネル領域の厚さを25nmとすることによっ
て、OFF電流が10-13 A以下にできることが知られ
ている。しかしながら、薄い半導体膜を結晶化させるこ
とは非常に難しく、容易に結晶化しないことが知られて
いる。すなわち、十分な結晶度を得て、実用に耐える電
界移動度を有する活性化領域(チャネル領域)を形成す
るには高温でアニールするか、長時間のアニールをおこ
なうかという方法が必要とされる。高温アニールを採用
する場合には、基板としては石英のような耐熱性のある
材料が求められる。しかしながら、石英基板は、特に大
面積のものは非常に高価であり、コスト的に問題があ
る。また、長時間のアニールをおこなうこともスループ
ットの低下をもたらし、やはりコスト的に難がある。
Tの利点に対して、いくつかの問題点も指摘されてい
る。そのうちの一つである、OFF電流の問題に対して
は、いくつかの解決法が提案されている。その一つは、
活性化領域を薄くする方法である。こうすることによっ
て、OFF電流が小さくなることが報告されている。例
えば、チャネル領域の厚さを25nmとすることによっ
て、OFF電流が10-13 A以下にできることが知られ
ている。しかしながら、薄い半導体膜を結晶化させるこ
とは非常に難しく、容易に結晶化しないことが知られて
いる。すなわち、十分な結晶度を得て、実用に耐える電
界移動度を有する活性化領域(チャネル領域)を形成す
るには高温でアニールするか、長時間のアニールをおこ
なうかという方法が必要とされる。高温アニールを採用
する場合には、基板としては石英のような耐熱性のある
材料が求められる。しかしながら、石英基板は、特に大
面積のものは非常に高価であり、コスト的に問題があ
る。また、長時間のアニールをおこなうこともスループ
ットの低下をもたらし、やはりコスト的に難がある。
【0013】一方、活性層を薄くすることはソース/ド
レイン領域も薄くすることにつながる。すなわち、通常
の作製方法ではソース/ドレインも活性領域も同時に作
製された半導体膜から形成され、同じ厚さを有するから
である。このことはソース/ドレイン領域の抵抗が大き
くなることにつながる。
レイン領域も薄くすることにつながる。すなわち、通常
の作製方法ではソース/ドレインも活性領域も同時に作
製された半導体膜から形成され、同じ厚さを有するから
である。このことはソース/ドレイン領域の抵抗が大き
くなることにつながる。
【0014】そのためには、ソース/ドレイン領域の大
部分を厚くなるように別に形成する方法が採用される
が、そのことはマスクプロセスを余分に追加することで
あり、歩留りの点から好ましくない。
部分を厚くなるように別に形成する方法が採用される
が、そのことはマスクプロセスを余分に追加することで
あり、歩留りの点から好ましくない。
【0015】また、本発明人等の知見によると、活性層
が50nm以下のTFTでは、MOSしきい値電圧の絶
対値が小さく、したがって、このようなTFTでCMO
Sを作製すると、動作が極めて不安定となる。
が50nm以下のTFTでは、MOSしきい値電圧の絶
対値が小さく、したがって、このようなTFTでCMO
Sを作製すると、動作が極めて不安定となる。
【0016】一方、活性化層を厚くするとOFF電流が
大きくなるが、その大きさは活性層の厚さに比例するも
のでなく、したがって、何らかの要因によってOFF電
流が非線型的に大きくなるものと考えられる。活性層の
厚さが100nmであるTFTの特性の例を図3(A)
に示す。これは、ゲイト酸化膜の厚さが150nmであ
り、活性層は減圧CVD(LPCVD)法によって形成
され、600℃で24時間アニールされたものである。
ソース/ドレイン間の電圧は1Vである。図に示すよう
にON電流は大きいが、OFF電流も大きい。しかも、
ゲイト電極に逆バイアスを印加するとコブ状の異常な特
性を示す。
大きくなるが、その大きさは活性層の厚さに比例するも
のでなく、したがって、何らかの要因によってOFF電
流が非線型的に大きくなるものと考えられる。活性層の
厚さが100nmであるTFTの特性の例を図3(A)
に示す。これは、ゲイト酸化膜の厚さが150nmであ
り、活性層は減圧CVD(LPCVD)法によって形成
され、600℃で24時間アニールされたものである。
ソース/ドレイン間の電圧は1Vである。図に示すよう
にON電流は大きいが、OFF電流も大きい。しかも、
ゲイト電極に逆バイアスを印加するとコブ状の異常な特
性を示す。
【0017】活性層が厚い場合には、活性層の結晶性は
良く、電界移動度の大きなTFTが得られる。特別な高
温や長時間のアニールが必要とされることはない。本発
明人等の研究の結果、活性層の厚いTFTのOFF電流
の大部分は、図2に矢印209で示されるように活性層
の基板側の部分を経由してバイパス的に流れることが明
らかにされた。理想的なOFF電流をIOFF 、ON電流
をIONとした場合には、TFTのON/OFF比はION
/IOFF で表される。しかしながら、もし、ゲイト電圧
にほとんど反応しないバイパス的なリーク電流ILKが流
れていた場合には、ON/OFF比は、(ION+ILK)
/(IOFF +ILK)で表される。実際にはILKはIOFF
に比べると非常に大きく、しかし、IONよりかは小さい
ものと推定されるので、みかけのON/OFF比は、I
ON/ILKで表される。このため、TFTの特性の重要な
指標であるON/OFF比が著しく小さくなっているよ
うに見えるものと考えられる。
良く、電界移動度の大きなTFTが得られる。特別な高
温や長時間のアニールが必要とされることはない。本発
明人等の研究の結果、活性層の厚いTFTのOFF電流
の大部分は、図2に矢印209で示されるように活性層
の基板側の部分を経由してバイパス的に流れることが明
らかにされた。理想的なOFF電流をIOFF 、ON電流
をIONとした場合には、TFTのON/OFF比はION
/IOFF で表される。しかしながら、もし、ゲイト電圧
にほとんど反応しないバイパス的なリーク電流ILKが流
れていた場合には、ON/OFF比は、(ION+ILK)
/(IOFF +ILK)で表される。実際にはILKはIOFF
に比べると非常に大きく、しかし、IONよりかは小さい
ものと推定されるので、みかけのON/OFF比は、I
ON/ILKで表される。このため、TFTの特性の重要な
指標であるON/OFF比が著しく小さくなっているよ
うに見えるものと考えられる。
【0018】このようなリーク電流の原因としては2つ
のことが考えられる。1つは、活性層の基板側の結晶度
が良くないためである。すなわち、あまりに粒界が多い
ため、そこに多くのトラップ準位ができ、このトラップ
準位をホッピングして電荷が移動するためである。この
トラップ準位はゲイトの電圧にかかわらず存在するた
め、常にオフセット的な電流の源となる。この場合には
結晶成長の条件の最適化によって克服できるはずである
が、それは非常に困難であることが予想される。
のことが考えられる。1つは、活性層の基板側の結晶度
が良くないためである。すなわち、あまりに粒界が多い
ため、そこに多くのトラップ準位ができ、このトラップ
準位をホッピングして電荷が移動するためである。この
トラップ準位はゲイトの電圧にかかわらず存在するた
め、常にオフセット的な電流の源となる。この場合には
結晶成長の条件の最適化によって克服できるはずである
が、それは非常に困難であることが予想される。
【0019】もう一つは、基板側からナトリウム等の可
動イオンが活性層に侵入し、基板側の部分を導通化する
ためである。これはプロセスの清浄度を高めることによ
って克服される。
動イオンが活性層に侵入し、基板側の部分を導通化する
ためである。これはプロセスの清浄度を高めることによ
って克服される。
【0020】しかしながら、いずれの方法によって解決
するにしても、チャネル層(活性層)が厚い場合にはオ
ーム的にOFF電流が大きくなる。一方、ソース/ドレ
インの厚さは十分であるので、その部分の抵抗は十分に
小さい。
するにしても、チャネル層(活性層)が厚い場合にはオ
ーム的にOFF電流が大きくなる。一方、ソース/ドレ
インの厚さは十分であるので、その部分の抵抗は十分に
小さい。
【0021】理想的なTFTとしては電界移動度は大き
いことが望まれる。また、ソース/ドレインの抵抗も小
さいことが望まれる。一方、OFF電流は小さいことが
望まれる。もちろん、作製に複雑なプロセスを導入する
ことは避けるべきである。このような現状を踏まえ、本
発明は、以上のような問題点の一部、もしくは全部を解
決し、理想的なTFTに近いTFTを提供せんとして成
されたものである。
いことが望まれる。また、ソース/ドレインの抵抗も小
さいことが望まれる。一方、OFF電流は小さいことが
望まれる。もちろん、作製に複雑なプロセスを導入する
ことは避けるべきである。このような現状を踏まえ、本
発明は、以上のような問題点の一部、もしくは全部を解
決し、理想的なTFTに近いTFTを提供せんとして成
されたものである。
【0022】
【問題を解決する方法】以上の問題点を解決する方法と
して、本発明では、活性層のうち、結晶性がよくない、
あるいは可動イオンが残存している等の理由のため、特
性のよくない基板側の部分をチャネルとして使用しない
TFTを提案する。そのためには、本発明では基板側の
活性層の部分に不純物を添加し、ソース/ドレイン領域
とは逆の導電性をもたせることによって、該部分を実質
的にチャネルとして機能させないようにする。
して、本発明では、活性層のうち、結晶性がよくない、
あるいは可動イオンが残存している等の理由のため、特
性のよくない基板側の部分をチャネルとして使用しない
TFTを提案する。そのためには、本発明では基板側の
活性層の部分に不純物を添加し、ソース/ドレイン領域
とは逆の導電性をもたせることによって、該部分を実質
的にチャネルとして機能させないようにする。
【0023】本発明によるTFTの概念図を図1に示
す。図1はゲイト電極105下の活性層領域の下部領域
109にソース領域104、ドレイン領域102とは逆
の導電型の不純物半導体領域を形成したものである。活
性層の上部領域103は従来どおり、チャネルとして機
能するが、基板101側の特性の劣る下部領域109
は、添加された不純物のためにチャネルとしては機能し
ない。このような領域109に添加する不純物の濃度と
しては、ソース/ドレインに添加される不純物の濃度の
10分の1〜100分の1であっても十分である。なぜ
ならば、このとき必要とされる領域109の導電型はチ
ャネル領域103に比べて十分に異なる導電型を有して
いる、あるいはチャネル103と領域109の界面にお
ける伝導帯(価電子帯)のギャップが十分に大きければ
よいからである。伝導(価電子)帯の準位は、不純物が
少ない半導体においては、非常にわずかの不純物添加に
よって劇的に変化することが知られている。仮に、ソー
ス/ドレインに添加される不純物の濃度が1020cm-3
で、チャネル領域103の実効的な不純物濃度が1016
cm-3であれば、領域109の不純物濃度は1018cm
-3もあれば十分である。もちろん、領域109に添加さ
れる不純物の導電型はソース/ドレインと逆になるよう
に選ばれなければならない。
す。図1はゲイト電極105下の活性層領域の下部領域
109にソース領域104、ドレイン領域102とは逆
の導電型の不純物半導体領域を形成したものである。活
性層の上部領域103は従来どおり、チャネルとして機
能するが、基板101側の特性の劣る下部領域109
は、添加された不純物のためにチャネルとしては機能し
ない。このような領域109に添加する不純物の濃度と
しては、ソース/ドレインに添加される不純物の濃度の
10分の1〜100分の1であっても十分である。なぜ
ならば、このとき必要とされる領域109の導電型はチ
ャネル領域103に比べて十分に異なる導電型を有して
いる、あるいはチャネル103と領域109の界面にお
ける伝導帯(価電子帯)のギャップが十分に大きければ
よいからである。伝導(価電子)帯の準位は、不純物が
少ない半導体においては、非常にわずかの不純物添加に
よって劇的に変化することが知られている。仮に、ソー
ス/ドレインに添加される不純物の濃度が1020cm-3
で、チャネル領域103の実効的な不純物濃度が1016
cm-3であれば、領域109の不純物濃度は1018cm
-3もあれば十分である。もちろん、領域109に添加さ
れる不純物の導電型はソース/ドレインと逆になるよう
に選ばれなければならない。
【0024】このような領域109を形成しようとすれ
ば、不純物濃度の異なる2層の半導体膜を形成する必要
がある。そのためには、2層の不純物濃度の異なる半導
体膜を多層に形成する方法や、基板にあらかじめ不純物
を添加しておいて、半導体膜を形成したのち、基板から
不純物を拡散させてもよい。例えば、領域109の不純
物濃度がソース/ドレインの不純物濃度の10分の1で
あるとすれば、のちにセルフアラインプロセスによっ
て、ソース/ドレインが形成された場合に、先に形成さ
れた被膜のうち、領域109とはならない部分はのちの
不純物導入によって、簡単にソース/ドレインと同じ導
電型に変換されてしまう。それは不純物濃度が小さいか
らである。したがって、チャネル領域は薄く、ソース/
ドレイン領域は厚いという本発明の理想とするTFTが
得られる。
ば、不純物濃度の異なる2層の半導体膜を形成する必要
がある。そのためには、2層の不純物濃度の異なる半導
体膜を多層に形成する方法や、基板にあらかじめ不純物
を添加しておいて、半導体膜を形成したのち、基板から
不純物を拡散させてもよい。例えば、領域109の不純
物濃度がソース/ドレインの不純物濃度の10分の1で
あるとすれば、のちにセルフアラインプロセスによっ
て、ソース/ドレインが形成された場合に、先に形成さ
れた被膜のうち、領域109とはならない部分はのちの
不純物導入によって、簡単にソース/ドレインと同じ導
電型に変換されてしまう。それは不純物濃度が小さいか
らである。したがって、チャネル領域は薄く、ソース/
ドレイン領域は厚いという本発明の理想とするTFTが
得られる。
【0025】もし、領域109の不純物濃度がソース/
ドレインの不純物濃度と同程度あるいはそれ以上であれ
ば、のちのソース/ドレイン形成の際にもその導電型を
換えることができず、結局、チャネルも薄いがソース/
ドレインも薄いという形状になってしまう。もちろん、
このような形状であっても、特性のよくない基板側の活
性層をチャネルとして使用しないという本発明の技術思
想に反するものではない。
ドレインの不純物濃度と同程度あるいはそれ以上であれ
ば、のちのソース/ドレイン形成の際にもその導電型を
換えることができず、結局、チャネルも薄いがソース/
ドレインも薄いという形状になってしまう。もちろん、
このような形状であっても、特性のよくない基板側の活
性層をチャネルとして使用しないという本発明の技術思
想に反するものではない。
【0026】図1では、チャネル領域103とその下の
領域109の間には明確な境界があるように記述されて
いるが、本発明の趣旨からして、そのような明確な境界
が存在しなければならない必要は全く無く、なだらかに
不純物や組成元素が変化しているような材料であっても
構わないことは明らかであろう。
領域109の間には明確な境界があるように記述されて
いるが、本発明の趣旨からして、そのような明確な境界
が存在しなければならない必要は全く無く、なだらかに
不純物や組成元素が変化しているような材料であっても
構わないことは明らかであろう。
【0027】また、本発明ではソース/ドレイン領域が
厚さ方向にわたって、抵抗率等の電気特性が均一である
場合には、実質的なソース/ドレインの厚さがチャネル
の厚さよりも小さく、チャネルは薄く、なおかつソース
/ドレインの抵抗(シート抵抗)は大きいという理想的
なTFTとなる。
厚さ方向にわたって、抵抗率等の電気特性が均一である
場合には、実質的なソース/ドレインの厚さがチャネル
の厚さよりも小さく、チャネルは薄く、なおかつソース
/ドレインの抵抗(シート抵抗)は大きいという理想的
なTFTとなる。
【0028】本発明では、図3(B)に示すようなバン
ドギャップが形成されていると推測される。すなわち、
図3(B)は、図1で記述された構造を有するTFTの
ソース/ドレインとチャネル、およびその下の部分のバ
ンド図である。この図では、PTFTを示しているが、
NTFTであっても同様である。このようなバンド図か
ら明らかなように、価電子帯のホール(NTFTでは伝
導帯の電子)は、チャネルの下の導電型の異なる領域1
09には入り込むことが困難であり、結果として、その
部分を介して電流がリークすることが少ない。
ドギャップが形成されていると推測される。すなわち、
図3(B)は、図1で記述された構造を有するTFTの
ソース/ドレインとチャネル、およびその下の部分のバ
ンド図である。この図では、PTFTを示しているが、
NTFTであっても同様である。このようなバンド図か
ら明らかなように、価電子帯のホール(NTFTでは伝
導帯の電子)は、チャネルの下の導電型の異なる領域1
09には入り込むことが困難であり、結果として、その
部分を介して電流がリークすることが少ない。
【0029】本発明は、そのまま従来のTFTに適用し
ても構わないが、本発明人らの発明である特願平3−2
31188、あるいは特願平3−238713に記述さ
れるようなオフセット領域を有するTFTに対して適用
すると、より一層の効果がもたらされる。いずれの発明
もOFF電流を低下させ、特にゲイト電極に逆電圧を印
加した場合の逆方向リークを改善することには効果があ
ったが、OFF電流の絶対値を減らすうえでは効果が薄
かった。しかしながら、本発明とこれらの発明を併用す
ることにより、逆方向リークを抑えるとともに、OFF
電流の絶対値を小さくし、よってON/OFF比を大き
くすることができた。
ても構わないが、本発明人らの発明である特願平3−2
31188、あるいは特願平3−238713に記述さ
れるようなオフセット領域を有するTFTに対して適用
すると、より一層の効果がもたらされる。いずれの発明
もOFF電流を低下させ、特にゲイト電極に逆電圧を印
加した場合の逆方向リークを改善することには効果があ
ったが、OFF電流の絶対値を減らすうえでは効果が薄
かった。しかしながら、本発明とこれらの発明を併用す
ることにより、逆方向リークを抑えるとともに、OFF
電流の絶対値を小さくし、よってON/OFF比を大き
くすることができた。
【0030】その効果の例を図3(A)に示す。図にお
いて、(c)は従来のTFT(NTFT)の特性を示し
ている。(b)は、従来のTFTに本発明を適用したも
のであり、具体的には、チャネル領域をI型多結晶シリ
コン、その下の部分を不純物として2×1019cm-3の
ボロンが添加された弱いP型多結晶シリコンで形成した
ものである。ソース/ドレインには、不純物としてリン
を1.1×1020cm-3だけ添加して強いN型とした。
すなわち、NTFTである。ゲイトはシリコンゲイトで
ある。この場合には、ゲイト電圧が0のときのOFF電
流は、従来例に比べて著しく削減されるが、逆方向リー
ク電流は依然大きい。これは負のゲイト電圧によってチ
ャネルがP型となり、ソース/ドレイン(N型)とチャ
ネル(P型)のバンド構造がブロークン(Broke
n)状態となり、多結晶半導体のような結晶性のよくな
い半導体では、この境界に存在する準位を経由してホッ
ピング電流が流れるためであると考えられる。
いて、(c)は従来のTFT(NTFT)の特性を示し
ている。(b)は、従来のTFTに本発明を適用したも
のであり、具体的には、チャネル領域をI型多結晶シリ
コン、その下の部分を不純物として2×1019cm-3の
ボロンが添加された弱いP型多結晶シリコンで形成した
ものである。ソース/ドレインには、不純物としてリン
を1.1×1020cm-3だけ添加して強いN型とした。
すなわち、NTFTである。ゲイトはシリコンゲイトで
ある。この場合には、ゲイト電圧が0のときのOFF電
流は、従来例に比べて著しく削減されるが、逆方向リー
ク電流は依然大きい。これは負のゲイト電圧によってチ
ャネルがP型となり、ソース/ドレイン(N型)とチャ
ネル(P型)のバンド構造がブロークン(Broke
n)状態となり、多結晶半導体のような結晶性のよくな
い半導体では、この境界に存在する準位を経由してホッ
ピング電流が流れるためであると考えられる。
【0031】そこで、例えば特願平3−231188に
記述されるようなオフセット領域を有するTFT(アル
ミニウムゲイト)に本発明を適用すれば、このような逆
方向リークは抑えられ、(a)に示すような良好な特性
が得られる。この図において、ゲイト電極以外は、先に
示した(b)のものと同じである。特に、特願平3−2
31188、あるいは特願平3−238713に記述さ
れるようなオフセット領域をTFTに設ける場合におい
ても、結晶間の特性(粒界等)が良くないものには効果
が薄い。これは、逆方向リークの原因が先に説明したよ
うに粒界に存在する準位によるためであるから、粒界の
性質のよくない半導体にいくらオフセット領域を設けて
もあまり意味を成さないのである。
記述されるようなオフセット領域を有するTFT(アル
ミニウムゲイト)に本発明を適用すれば、このような逆
方向リークは抑えられ、(a)に示すような良好な特性
が得られる。この図において、ゲイト電極以外は、先に
示した(b)のものと同じである。特に、特願平3−2
31188、あるいは特願平3−238713に記述さ
れるようなオフセット領域をTFTに設ける場合におい
ても、結晶間の特性(粒界等)が良くないものには効果
が薄い。これは、逆方向リークの原因が先に説明したよ
うに粒界に存在する準位によるためであるから、粒界の
性質のよくない半導体にいくらオフセット領域を設けて
もあまり意味を成さないのである。
【0032】すなわち、前記特願平3−231188、
あるいは特願平3−238713に記述されるようなオ
フセット領域を設けるという発明を実施するには半導体
の特性については充分に注意を払わなければならない。
その意味で、本発明のように、特性の良くない部分(基
板側の活性層部分)を実質的にチャネルとして機能しな
いようにする方法を併せて実施することは相乗効果をも
たらす。
あるいは特願平3−238713に記述されるようなオ
フセット領域を設けるという発明を実施するには半導体
の特性については充分に注意を払わなければならない。
その意味で、本発明のように、特性の良くない部分(基
板側の活性層部分)を実質的にチャネルとして機能しな
いようにする方法を併せて実施することは相乗効果をも
たらす。
【0033】以上の記述では、TFTとしては単純なソ
ース/ドレインを有するもの、あるいはオフセット領域
を有するもののみが扱われたが、公知の低濃度ドレイン
(LDD)構造を有するものであってもよい。さらに、
このLDD構造も、通常の方法で作製される以外に、例
えば、本発明人等の発明である、特願平3−23871
0乃至3−238712で記述される方法によって形成
されるものであってもよい。以下に実施例を示し、さら
に本発明を説明する。
ース/ドレインを有するもの、あるいはオフセット領域
を有するもののみが扱われたが、公知の低濃度ドレイン
(LDD)構造を有するものであってもよい。さらに、
このLDD構造も、通常の方法で作製される以外に、例
えば、本発明人等の発明である、特願平3−23871
0乃至3−238712で記述される方法によって形成
されるものであってもよい。以下に実施例を示し、さら
に本発明を説明する。
【0034】
〔実施例1〕 図4に本発明を用いたCMOSの作製実
施例を説明する。本実施例では基板401としてコーニ
ング社の7059番ガラス基板を使用した。基板401
上には基板からの可動イオンの侵入を阻止する目的で、
厚さ20〜100nm、例えば50nmの窒化珪素膜4
02をRFプラズマCVD法で形成した。さらに、窒化
珪素膜上に、RFプラズマCVD法によって、厚さ20
〜100nm、例えば50nmの酸化珪素膜403を形
成した。これらの皮膜の膜厚は、可動イオンの侵入の程
度、あるいは活性層への影響にに応じて設計される。
施例を説明する。本実施例では基板401としてコーニ
ング社の7059番ガラス基板を使用した。基板401
上には基板からの可動イオンの侵入を阻止する目的で、
厚さ20〜100nm、例えば50nmの窒化珪素膜4
02をRFプラズマCVD法で形成した。さらに、窒化
珪素膜上に、RFプラズマCVD法によって、厚さ20
〜100nm、例えば50nmの酸化珪素膜403を形
成した。これらの皮膜の膜厚は、可動イオンの侵入の程
度、あるいは活性層への影響にに応じて設計される。
【0035】例えば、窒化珪素被膜402の質が良くな
く、電荷のトラップが多いと、酸化珪素膜を通して、上
の半導体層に影響を及ぼすので、その場合には酸化珪素
膜を厚くする必要がある。
く、電荷のトラップが多いと、酸化珪素膜を通して、上
の半導体層に影響を及ぼすので、その場合には酸化珪素
膜を厚くする必要がある。
【0036】これらの被膜の形成には、上記のようなプ
ラズマCVD法だけでなく、減圧CVD法やスパッタ法
等の方法によって形成してもよい。それらの手段の選択
は投資規模や量産性等を考慮して決定すればよい。これ
らの被膜は連続的に成膜されてもよいことはいうまでも
ない。
ラズマCVD法だけでなく、減圧CVD法やスパッタ法
等の方法によって形成してもよい。それらの手段の選択
は投資規模や量産性等を考慮して決定すればよい。これ
らの被膜は連続的に成膜されてもよいことはいうまでも
ない。
【0037】さらにフォトレジスト404を塗布し、こ
れをマスクとしてP型領域406とN型領域405を形
成した。P型不純物としては、ボロンを用い、5×10
12〜1×1014cm-2、例えば2×1013cm-2だけ、
イオンドープ法によって注入した。加速電圧は10ke
Vとした。また、N型不純物としては、リンを用い、5
×1012〜1×1014cm-2、例えば5×1013cm-2
だけ、イオンドープ法によって注入した。加速電圧は1
0keVとした。これらの加速電圧、ドーズ量は、酸化
珪素膜403の膜厚やその後の熱処理による各不純物の
拡散係数等を考慮して決定される。本実施例では、いわ
ゆるスルーインプラではないので、加速電圧は低くても
よかった。こうして図4(A)の状態を得た。
れをマスクとしてP型領域406とN型領域405を形
成した。P型不純物としては、ボロンを用い、5×10
12〜1×1014cm-2、例えば2×1013cm-2だけ、
イオンドープ法によって注入した。加速電圧は10ke
Vとした。また、N型不純物としては、リンを用い、5
×1012〜1×1014cm-2、例えば5×1013cm-2
だけ、イオンドープ法によって注入した。加速電圧は1
0keVとした。これらの加速電圧、ドーズ量は、酸化
珪素膜403の膜厚やその後の熱処理による各不純物の
拡散係数等を考慮して決定される。本実施例では、いわ
ゆるスルーインプラではないので、加速電圧は低くても
よかった。こうして図4(A)の状態を得た。
【0038】その後、減圧CVD法によって、厚さ20
〜200nm、例えば100nmのアモルファスシリコ
ン膜を形成した。原料はモノシランを使用し、基板温度
は550℃とした。基板温度は後の結晶化の際に重要な
影響を与えることが本発明人等の研究の結果、明らかに
された。例えば、モノシランを原料とし、480℃以下
で成膜したものは結晶化させることが難しかった。一
方、ジシランを原料として成膜したものは基板温度48
0℃で成膜したものでも、600℃のアニールで十分に
結晶化した。このようにして得られたアモルファスシリ
コン膜は、600℃で24時間熱アニールして、結晶化
させ、いわゆるセミアモルファスシリコンと言われる結
晶性シリコンを得た。このとき、酸化珪素膜403に注
入された各不純物(ボロン、リン)は、熱的にシリコン
層に拡散した。本発明人等の研究では、上記のアニール
によって、結晶性シリコン層の下側の約30nmの部分
に拡散した不純物領域が形成された。
〜200nm、例えば100nmのアモルファスシリコ
ン膜を形成した。原料はモノシランを使用し、基板温度
は550℃とした。基板温度は後の結晶化の際に重要な
影響を与えることが本発明人等の研究の結果、明らかに
された。例えば、モノシランを原料とし、480℃以下
で成膜したものは結晶化させることが難しかった。一
方、ジシランを原料として成膜したものは基板温度48
0℃で成膜したものでも、600℃のアニールで十分に
結晶化した。このようにして得られたアモルファスシリ
コン膜は、600℃で24時間熱アニールして、結晶化
させ、いわゆるセミアモルファスシリコンと言われる結
晶性シリコンを得た。このとき、酸化珪素膜403に注
入された各不純物(ボロン、リン)は、熱的にシリコン
層に拡散した。本発明人等の研究では、上記のアニール
によって、結晶性シリコン層の下側の約30nmの部分
に拡散した不純物領域が形成された。
【0039】また、結晶化を促進するために、シリコン
膜中の炭素、窒素、酸素の濃度は7×1019cm-3以下
が望ましい。本実施例では、SIMS分析によって1×
1017cm-3以下であることを確認した。
膜中の炭素、窒素、酸素の濃度は7×1019cm-3以下
が望ましい。本実施例では、SIMS分析によって1×
1017cm-3以下であることを確認した。
【0040】従来のTFTにおいては、酸化珪素膜40
3の上には半導体皮膜の活性層が形成されるため、その
作製には細心の注意が必要であった。例えば、酸化珪素
膜403に可動イオンが存在することは絶対にあっては
ならないことであったが、それにもまして、トラップ準
位が存在することは致命的であった。可動イオンの侵入
はプロセスの清浄化によってある程度は解決できるもの
であったが、トラップ準位の問題はプロセスの制約から
ある一定以上の改善は不可能であった。特に酸化珪素膜
とその上の半導体活性層間の界面準位密度はそのTFT
の特性を左右する重要なファクターであった。通常の単
結晶半導体のMOSICで使用される熱酸化のゲイト酸
化膜(酸化珪素)と単結晶半導体の界面の準位密度は1
010cm-2程度であったが、例えば本実施例のようなプ
ラズマCVD法あるいは大気圧CVD法(APCVD
法)や減圧CVD法(LPCVD法)によって作製した
酸化珪素膜とその上の多結晶シリコン膜との界面準位密
度は1012cm-2以上であり、とても実用に耐えるもの
ではなかった。
3の上には半導体皮膜の活性層が形成されるため、その
作製には細心の注意が必要であった。例えば、酸化珪素
膜403に可動イオンが存在することは絶対にあっては
ならないことであったが、それにもまして、トラップ準
位が存在することは致命的であった。可動イオンの侵入
はプロセスの清浄化によってある程度は解決できるもの
であったが、トラップ準位の問題はプロセスの制約から
ある一定以上の改善は不可能であった。特に酸化珪素膜
とその上の半導体活性層間の界面準位密度はそのTFT
の特性を左右する重要なファクターであった。通常の単
結晶半導体のMOSICで使用される熱酸化のゲイト酸
化膜(酸化珪素)と単結晶半導体の界面の準位密度は1
010cm-2程度であったが、例えば本実施例のようなプ
ラズマCVD法あるいは大気圧CVD法(APCVD
法)や減圧CVD法(LPCVD法)によって作製した
酸化珪素膜とその上の多結晶シリコン膜との界面準位密
度は1012cm-2以上であり、とても実用に耐えるもの
ではなかった。
【0041】すなわち、このように界面準位密度が大き
いと、様々な電荷がトラップされ、これらの電荷によっ
て活性層の導電型が、ゲイト電圧に依存しないで決定さ
れてしまい、リーク電流の増加を招いた。このため、従
来はこのような下地の酸化膜であってもゲイト酸化膜と
同じだけの高い品位が要求された。熱酸化方式が採用で
きない低温プロセスや中温プロセスにあっては、スパッ
タ法やECRプラズマCVD法が採用されたが、これら
の方法によって得られる界面での準位密度は、熱酸化法
よりも1桁程度大きなものであった。
いと、様々な電荷がトラップされ、これらの電荷によっ
て活性層の導電型が、ゲイト電圧に依存しないで決定さ
れてしまい、リーク電流の増加を招いた。このため、従
来はこのような下地の酸化膜であってもゲイト酸化膜と
同じだけの高い品位が要求された。熱酸化方式が採用で
きない低温プロセスや中温プロセスにあっては、スパッ
タ法やECRプラズマCVD法が採用されたが、これら
の方法によって得られる界面での準位密度は、熱酸化法
よりも1桁程度大きなものであった。
【0042】しかしながら、本発明では後のプロセスに
おいて、酸化珪素膜403上の半導体膜のうち、酸化珪
素膜に接する部分は不純物添加によってソース/ドレイ
ン領域と異なった導電型とするので、従来に問題とされ
たようなことはほとんど生じない。すなわち、酸化珪素
膜403にどのようなトラップ準位が存在して、どのよ
うな電荷がトラップされたとしても、半導体皮膜には不
純物が導入され、予め導電型が決定されてしまっている
ので、電荷のトラップによって、半導体膜の導電型が依
存することはない。本発明人等の研究によると、熱アニ
ールの際の拡散によって形成された不純物領域の不純物
濃度が1018cm-3であれば、酸化珪素膜403とその
上の結晶性シリコン膜との界面準位密度は5×1012c
m-2程度まで問題がないことがわかった。酸化珪素膜4
03上に形成する結晶性シリコン膜の不純物濃度は、後
に形成するソース/ドレイン領域の不純物濃度との兼ね
合いで決まるが、本発明人等の研究では、酸化珪素膜4
03上の該半導体領域の不純物濃度は大きければ大きい
ほど、界面準位密度に対する条件もゆるやかなものとな
る。ソース/ドレイン領域の不純物濃度としては1020
cm-3まで可能であるので、該半導体濃度の不純物濃度
としては、1019cm-3程度まで可能である。この場合
には、計算上は1013cm-3の界面密度まで許される。
おいて、酸化珪素膜403上の半導体膜のうち、酸化珪
素膜に接する部分は不純物添加によってソース/ドレイ
ン領域と異なった導電型とするので、従来に問題とされ
たようなことはほとんど生じない。すなわち、酸化珪素
膜403にどのようなトラップ準位が存在して、どのよ
うな電荷がトラップされたとしても、半導体皮膜には不
純物が導入され、予め導電型が決定されてしまっている
ので、電荷のトラップによって、半導体膜の導電型が依
存することはない。本発明人等の研究によると、熱アニ
ールの際の拡散によって形成された不純物領域の不純物
濃度が1018cm-3であれば、酸化珪素膜403とその
上の結晶性シリコン膜との界面準位密度は5×1012c
m-2程度まで問題がないことがわかった。酸化珪素膜4
03上に形成する結晶性シリコン膜の不純物濃度は、後
に形成するソース/ドレイン領域の不純物濃度との兼ね
合いで決まるが、本発明人等の研究では、酸化珪素膜4
03上の該半導体領域の不純物濃度は大きければ大きい
ほど、界面準位密度に対する条件もゆるやかなものとな
る。ソース/ドレイン領域の不純物濃度としては1020
cm-3まで可能であるので、該半導体濃度の不純物濃度
としては、1019cm-3程度まで可能である。この場合
には、計算上は1013cm-3の界面密度まで許される。
【0043】したがって、先のようなRFプラズマCV
D法やその他の簡便なCVD法によって酸化珪素膜を形
成することができる。RFプラズマCVD法やLPCV
D法、APCVD法は、スパッタ法やECRプラズマC
VD法に比べて量産性に優れた方法である。すなわち、
スパッタ法ではバッチ方式が採用できず、量産性に欠け
る上、ターゲットに可動イオンが付着しないように細心
の注意を払わなくてはならない。また、ターゲットのサ
イズをむやみに大きくできないので大面積化には不適当
である。ECRプラズマCVD法は、装置に対する投資
が巨額となり、また、一度に処理できる基板の枚数や大
きさも大きな制約を受ける。
D法やその他の簡便なCVD法によって酸化珪素膜を形
成することができる。RFプラズマCVD法やLPCV
D法、APCVD法は、スパッタ法やECRプラズマC
VD法に比べて量産性に優れた方法である。すなわち、
スパッタ法ではバッチ方式が採用できず、量産性に欠け
る上、ターゲットに可動イオンが付着しないように細心
の注意を払わなくてはならない。また、ターゲットのサ
イズをむやみに大きくできないので大面積化には不適当
である。ECRプラズマCVD法は、装置に対する投資
が巨額となり、また、一度に処理できる基板の枚数や大
きさも大きな制約を受ける。
【0044】さて、アモルファスシリコン膜を熱アニー
ルによって、結晶性シリコン膜としたのち、これを適当
なパターンにエッチングして、NTFT用の島状半導体
領域408とPTFT用の島状半導体領域407とを形
成する。このときには、すでに熱アニールの際の不純物
の拡散によって、各半導体領域の下部にはP型領域41
0とN型領域409が形成されている。各島状半導体領
域の上部は実質的に真性であった。
ルによって、結晶性シリコン膜としたのち、これを適当
なパターンにエッチングして、NTFT用の島状半導体
領域408とPTFT用の島状半導体領域407とを形
成する。このときには、すでに熱アニールの際の不純物
の拡散によって、各半導体領域の下部にはP型領域41
0とN型領域409が形成されている。各島状半導体領
域の上部は実質的に真性であった。
【0045】その後、酸素雰囲気中での酸化珪素をター
ゲットとするスパッタ法によって、ゲイト絶縁膜(酸化
珪素)411を厚さ100〜200nm、例えば150
nmだけ形成した。この厚さは、TFTの動作条件等に
よって決定される。
ゲットとするスパッタ法によって、ゲイト絶縁膜(酸化
珪素)411を厚さ100〜200nm、例えば150
nmだけ形成した。この厚さは、TFTの動作条件等に
よって決定される。
【0046】次にスパッタ法によって、アルミニウム皮
膜を厚さ500nmだけ形成し、これを混酸(5%の硝
酸を添加した燐酸溶液)によってパターニングし、ゲイ
ト電極・配線413および412を形成した。エッチン
グレートは、エッチングの温度を40℃としたときに2
25nm/分であった。このようにして、TFTの外形
を整えた。このときのチャネルの大きさは、いずれも長
さ8μm、幅20μmとした。チャネルの大きさも素子
の動作特性に応じて設計すれなよい。このときの状態を
図4(B)に示す。
膜を厚さ500nmだけ形成し、これを混酸(5%の硝
酸を添加した燐酸溶液)によってパターニングし、ゲイ
ト電極・配線413および412を形成した。エッチン
グレートは、エッチングの温度を40℃としたときに2
25nm/分であった。このようにして、TFTの外形
を整えた。このときのチャネルの大きさは、いずれも長
さ8μm、幅20μmとした。チャネルの大きさも素子
の動作特性に応じて設計すれなよい。このときの状態を
図4(B)に示す。
【0047】さらに、陽極酸化法によってアルミニウム
配線の表面に酸化アルミニウムを形成した。陽極酸化の
方法としては、本発明人等の発明である特願平3−23
1188もしくは特願平3−238713に記述される
方法を用いた。詳細な実施の様態については、目的とす
る素子の特性やプロセス条件、投資規模等によって変更
を加えればよい。本実施例では、陽極酸化によって、厚
さ350nmの酸化アルミニウム皮膜415および41
4を形成した。
配線の表面に酸化アルミニウムを形成した。陽極酸化の
方法としては、本発明人等の発明である特願平3−23
1188もしくは特願平3−238713に記述される
方法を用いた。詳細な実施の様態については、目的とす
る素子の特性やプロセス条件、投資規模等によって変更
を加えればよい。本実施例では、陽極酸化によって、厚
さ350nmの酸化アルミニウム皮膜415および41
4を形成した。
【0048】その後、ゲイト酸化膜を通したイオン注入
法によって、公知のCMOS作製技術を援用し、N型ソ
ース/ドレイン領域417とP型ソース/ドレイン領域
416を形成した。いずれも不純物濃度は8×1019c
m-3となるようにした。イオン源としては、P型はフッ
化ホウ素イオンを、N型はリンイオンを用い、前者は加
速電圧80keVで、後者は加速電圧110keVで注
入した。加速電圧はゲイト酸化膜の厚さや半導体領域4
07、408の厚さを考慮して設定される。イオン注入
法のかわりに、イオンドーピング法を用いてもよい。イ
オン注入法では注入されるイオンは質量によって分離さ
れるので、不必要なイオンは注入されることがないが、
イオン注入装置で処理できる基板の大きさは限定され
る。一方、イオンドーピング法では、比較的大きな基板
(例えば対角30インチ角以上)も処理する能力を有す
るが、水素イオンやその他不必要なイオンまで同時に加
速されて注入されるので、基板が加熱されやすい。この
場合にはイオン注入法で使用するようなフォトレジスト
をマスクとした選択的な不純物注入は難しい。
法によって、公知のCMOS作製技術を援用し、N型ソ
ース/ドレイン領域417とP型ソース/ドレイン領域
416を形成した。いずれも不純物濃度は8×1019c
m-3となるようにした。イオン源としては、P型はフッ
化ホウ素イオンを、N型はリンイオンを用い、前者は加
速電圧80keVで、後者は加速電圧110keVで注
入した。加速電圧はゲイト酸化膜の厚さや半導体領域4
07、408の厚さを考慮して設定される。イオン注入
法のかわりに、イオンドーピング法を用いてもよい。イ
オン注入法では注入されるイオンは質量によって分離さ
れるので、不必要なイオンは注入されることがないが、
イオン注入装置で処理できる基板の大きさは限定され
る。一方、イオンドーピング法では、比較的大きな基板
(例えば対角30インチ角以上)も処理する能力を有す
るが、水素イオンやその他不必要なイオンまで同時に加
速されて注入されるので、基板が加熱されやすい。この
場合にはイオン注入法で使用するようなフォトレジスト
をマスクとした選択的な不純物注入は難しい。
【0049】このようにして、オフセット領域を有する
TFTが作製された。その様子を図4(C)に示す。最
後に、レーザーアニール法によって、ゲイト電極部をマ
スクとしてソース/ドレイン領域の再結晶化をおこなっ
た。レーアーアニールの条件は、例えば特願平3−23
1188や同3−238713に記述されている方法を
使用した。そして層間絶縁物420として、酸化珪素を
RFプラズマCVD法で形成し、これに電極形成用の穴
を開け、アルミニウム配線421〜423を形成して、
素子を完成させた。
TFTが作製された。その様子を図4(C)に示す。最
後に、レーザーアニール法によって、ゲイト電極部をマ
スクとしてソース/ドレイン領域の再結晶化をおこなっ
た。レーアーアニールの条件は、例えば特願平3−23
1188や同3−238713に記述されている方法を
使用した。そして層間絶縁物420として、酸化珪素を
RFプラズマCVD法で形成し、これに電極形成用の穴
を開け、アルミニウム配線421〜423を形成して、
素子を完成させた。
【0050】本実施例では最初に酸化珪素膜403から
拡散した不純物によって形成された不純物領域409、
410の不純物濃度が1018cm-3程度であるが、その
後、ソース/ドレインの形成のために注入された不純物
の濃度はその80倍であったので、図に示すように初期
の不純物領域409、410はチャネルの下の部分、す
なわち図4(D)の領域418、419以外は全てソー
ス/ドレインとおなじ導電型に変換されてしまった。そ
の結果、ソース/ドレインの厚さは島状半導体領域40
8、408と実質的に同じとなった。しかしながら、実
質的なチャネルの厚さは図から明らかなように、約70
nmというようにソース/ドレイン領域よりも薄かっ
た。その結果、ソース/ドレインのシート抵抗は小さ
く、また、チャネルが薄い分だけOFF電流が少ないと
いう優れた特性を示すことができた。
拡散した不純物によって形成された不純物領域409、
410の不純物濃度が1018cm-3程度であるが、その
後、ソース/ドレインの形成のために注入された不純物
の濃度はその80倍であったので、図に示すように初期
の不純物領域409、410はチャネルの下の部分、す
なわち図4(D)の領域418、419以外は全てソー
ス/ドレインとおなじ導電型に変換されてしまった。そ
の結果、ソース/ドレインの厚さは島状半導体領域40
8、408と実質的に同じとなった。しかしながら、実
質的なチャネルの厚さは図から明らかなように、約70
nmというようにソース/ドレイン領域よりも薄かっ
た。その結果、ソース/ドレインのシート抵抗は小さ
く、また、チャネルが薄い分だけOFF電流が少ないと
いう優れた特性を示すことができた。
【0051】〔実施例2〕 図5に本発明を用いたNT
FTとPTFTの作製実施例を示す。本実施例では基板
501として日本電気硝子社のN−0ガラス基板を使用
した。N−0ガラス基板は、実施例1で使用したコーニ
ング7059にくらべて、ガラス転移点が150℃程度
高く、650℃〜750℃のアニールに対しても有効で
ある。しかし、基板中に含まれる可動イオンの量が多い
ので、それに対する対策を十分に講じなければならな
い。基板501上には基板からの可動イオンの侵入を阻
止する目的で、厚さ50nmの窒化珪素膜502をRF
プラズマCVD法で形成した。さらに、窒化珪素膜上
に、RFプラズマCVD法によって、厚さ100nmの
酸化珪素膜503を形成した。
FTとPTFTの作製実施例を示す。本実施例では基板
501として日本電気硝子社のN−0ガラス基板を使用
した。N−0ガラス基板は、実施例1で使用したコーニ
ング7059にくらべて、ガラス転移点が150℃程度
高く、650℃〜750℃のアニールに対しても有効で
ある。しかし、基板中に含まれる可動イオンの量が多い
ので、それに対する対策を十分に講じなければならな
い。基板501上には基板からの可動イオンの侵入を阻
止する目的で、厚さ50nmの窒化珪素膜502をRF
プラズマCVD法で形成した。さらに、窒化珪素膜上
に、RFプラズマCVD法によって、厚さ100nmの
酸化珪素膜503を形成した。
【0052】さらに、減圧CVD法によってボロンを2
×1018cm-3だけ含有するアモルファスシリコン膜5
04を厚さ10〜50nm、例えば30nmだけ形成し
た。そして、フォトレジスト506を塗布し、これをマ
スクとしてリンを、例えば5×1018cm-2だけイオン
ドープ法で注入し、N型領域505を形成した。すなわ
ち、最初はボロンが2×1018cm-3だけ含まれていた
が、リンのドープによって、その効果は打ち消され、領
域505はN型に転換する。なお、このときの加速電圧
は10keVとした。こうして図5(A)の状態を得
た。
×1018cm-3だけ含有するアモルファスシリコン膜5
04を厚さ10〜50nm、例えば30nmだけ形成し
た。そして、フォトレジスト506を塗布し、これをマ
スクとしてリンを、例えば5×1018cm-2だけイオン
ドープ法で注入し、N型領域505を形成した。すなわ
ち、最初はボロンが2×1018cm-3だけ含まれていた
が、リンのドープによって、その効果は打ち消され、領
域505はN型に転換する。なお、このときの加速電圧
は10keVとした。こうして図5(A)の状態を得
た。
【0053】その後、減圧CVD法によって、厚さ10
〜150nm、例えば10nmの不純物を含まないアモ
ルファスシリコン膜を形成した。基板温度は550℃と
した。先のアモルファスシリコン膜504のときのそう
であったが、不純物の侵入には十分な注意が必要であ
る。いずれのアモルファスシリコン膜においても、膜中
の炭素、窒素、酸素の濃度は7×1019cm-3以下であ
ることが望ましく、本実施例では1×1017cm-3以下
であることを確認した。このようにして得られた2層の
アモルファスシリコン膜は、600℃で24時間熱アニ
ールして、結晶化させ、いわゆるセミアモルファスシリ
コンと言われる結晶性シリコンを得た。
〜150nm、例えば10nmの不純物を含まないアモ
ルファスシリコン膜を形成した。基板温度は550℃と
した。先のアモルファスシリコン膜504のときのそう
であったが、不純物の侵入には十分な注意が必要であ
る。いずれのアモルファスシリコン膜においても、膜中
の炭素、窒素、酸素の濃度は7×1019cm-3以下であ
ることが望ましく、本実施例では1×1017cm-3以下
であることを確認した。このようにして得られた2層の
アモルファスシリコン膜は、600℃で24時間熱アニ
ールして、結晶化させ、いわゆるセミアモルファスシリ
コンと言われる結晶性シリコンを得た。
【0054】さて、アモルファスシリコン膜を熱アニー
ルによって、結晶性シリコン膜としたのち、これを適当
なパターンにエッチングして、NTFT用の島状半導体
領域507とPTFT用の島状半導体領域508とを形
成する。各島状半導体領域の上部は実質的に真性であっ
た。
ルによって、結晶性シリコン膜としたのち、これを適当
なパターンにエッチングして、NTFT用の島状半導体
領域507とPTFT用の島状半導体領域508とを形
成する。各島状半導体領域の上部は実質的に真性であっ
た。
【0055】その後、酸素雰囲気中での酸化珪素をター
ゲットとするスパッタ法によって、ゲイト絶縁膜(酸化
珪素)509を厚さ150nmだけ形成した。この厚さ
は、TFTの動作条件等によって決定される。
ゲットとするスパッタ法によって、ゲイト絶縁膜(酸化
珪素)509を厚さ150nmだけ形成した。この厚さ
は、TFTの動作条件等によって決定される。
【0056】次に減圧CVD法によって、リンを1.2
×1020cm-3含有するシリコン膜を厚さ500nmだ
け形成し、これをパターニングし、ゲイト電極・配線5
10および511を形成した。このようにして、TFT
の外形を整えた。このときのチャネルの大きさは、いず
れも長さ8μm、幅20μmとした。このときの状態を
図5(B)に示す。
×1020cm-3含有するシリコン膜を厚さ500nmだ
け形成し、これをパターニングし、ゲイト電極・配線5
10および511を形成した。このようにして、TFT
の外形を整えた。このときのチャネルの大きさは、いず
れも長さ8μm、幅20μmとした。このときの状態を
図5(B)に示す。
【0057】その後、図5(C)に示すようにゲイト酸
化膜を通したイオン注入法によって、ボロンを注入し
た。このときの加速電圧は、100keVとし、ボロン
の濃度は5×1019cm-2とした。このようにして、図
の左側のPTFTのソース/ドレイン領域512を形成
した。このとき、同時に、チャネル領域514とその下
のN型領域515も形成される。一方、図の右側のNT
FTにもソース/ドレインにはボロンがドープされる。
しかし、この段階ではTFTとして機能するような不純
物領域は形成されない。
化膜を通したイオン注入法によって、ボロンを注入し
た。このときの加速電圧は、100keVとし、ボロン
の濃度は5×1019cm-2とした。このようにして、図
の左側のPTFTのソース/ドレイン領域512を形成
した。このとき、同時に、チャネル領域514とその下
のN型領域515も形成される。一方、図の右側のNT
FTにもソース/ドレインにはボロンがドープされる。
しかし、この段階ではTFTとして機能するような不純
物領域は形成されない。
【0058】さらに、フォトレジスト513を塗布し、
これによって、PTFTだけを選択的に被覆し(図5
(D))、この状態で今度はリンをイオン注入した。加
速電圧は100keVであった。このようにしてNTF
Tのソース/ドレイン領域516が形成された。リンの
濃度は1.1×1020cm-3となるようにした。同時
に、チャネル領域517とその下のP型領域518も形
成される。
これによって、PTFTだけを選択的に被覆し(図5
(D))、この状態で今度はリンをイオン注入した。加
速電圧は100keVであった。このようにしてNTF
Tのソース/ドレイン領域516が形成された。リンの
濃度は1.1×1020cm-3となるようにした。同時
に、チャネル領域517とその下のP型領域518も形
成される。
【0059】その後、600℃で24時間アニールをお
こない、イオン注入によって与えられたダメージを回復
させた。このようにして得られたTFTにおいては、例
えばPTFTの領域505がその後、どのように変化し
たかに注目すると、最初は5×1018cm-3のリンが含
まれてN型であったが、その後、それよりも1桁多い、
ボロンが注入されたのでP型に転換した。一方、NTF
Tのチャネルの下の領域に注目すると、最初は2×10
18cm-3のボロンを含有するP型であった。その後、さ
らに図5(C)のボロン注入によって、ボロンの濃度は
5×1019cm-3と増加した。しかしながら、図5
(D)のリン注入によって、ボロンの濃度の倍以上のリ
ンが注入され、N型に転換した。本実施例では、図から
明らかなように、ソース/ドレインの厚さは40nmで
あるのに対し、チャネル部分の厚さは10nmであっ
た。また、不純物領域515と518はチャネルとして
は機能しない。したがって、理想的なTFTを形成する
ことができた。
こない、イオン注入によって与えられたダメージを回復
させた。このようにして得られたTFTにおいては、例
えばPTFTの領域505がその後、どのように変化し
たかに注目すると、最初は5×1018cm-3のリンが含
まれてN型であったが、その後、それよりも1桁多い、
ボロンが注入されたのでP型に転換した。一方、NTF
Tのチャネルの下の領域に注目すると、最初は2×10
18cm-3のボロンを含有するP型であった。その後、さ
らに図5(C)のボロン注入によって、ボロンの濃度は
5×1019cm-3と増加した。しかしながら、図5
(D)のリン注入によって、ボロンの濃度の倍以上のリ
ンが注入され、N型に転換した。本実施例では、図から
明らかなように、ソース/ドレインの厚さは40nmで
あるのに対し、チャネル部分の厚さは10nmであっ
た。また、不純物領域515と518はチャネルとして
は機能しない。したがって、理想的なTFTを形成する
ことができた。
【0060】また、本実施例では、用いたマスクの枚数
は、領域505形成、島状領域507、508の形
成、ゲイト電極・配線510、511の形成、フォ
トレジスト513のパターニングの4枚であり、その
後、金属配線を形成するためにさらにマスクが使用され
る。
は、領域505形成、島状領域507、508の形
成、ゲイト電極・配線510、511の形成、フォ
トレジスト513のパターニングの4枚であり、その
後、金属配線を形成するためにさらにマスクが使用され
る。
【0061】一方、実施例1の方法では、本実施例と同
じ段階、すなわち、ソース/ドレイン領域の形成までに
使用されるマスクの枚数は、領域405の形成、領
域406の形成、島状領域407、408の形成、
ゲイト電極・配線412、413の形成、ソース/ド
レイン416(あるいは417)の形成、ソース/ド
レイン417(あるいは416)の形成の6枚のマスク
が必要である。このように、本実施例はプロセスの簡略
化と、それによる歩留りの向上に有効である。
じ段階、すなわち、ソース/ドレイン領域の形成までに
使用されるマスクの枚数は、領域405の形成、領
域406の形成、島状領域407、408の形成、
ゲイト電極・配線412、413の形成、ソース/ド
レイン416(あるいは417)の形成、ソース/ド
レイン417(あるいは416)の形成の6枚のマスク
が必要である。このように、本実施例はプロセスの簡略
化と、それによる歩留りの向上に有効である。
【0062】〔実施例3〕 本実施例では、本発明を単
結晶半導体基板に形成された半導体集積回路上に形成さ
れるTFTに対して適用した例を示す。半導体集積回路
の高集積化とともに、従来のような半導体基板の平面に
回路を展開するだけでなく、垂直方向にも回路を展開し
た立体集積回路(3次元集積回路)が要求されるように
なった。現在、実用化されているものは、例えば、完全
CMOS型のSRAMのように、フリップ・フロップ回
路のトランジスタのうち、PMOSのみをTFTとした
2層トランジスタ構造に限定されているが、今後、半導
体集積回路の高集積化が進展するにつれ、より多層な構
造が利用される。それとともに、TFTも特性の改善が
求められる。
結晶半導体基板に形成された半導体集積回路上に形成さ
れるTFTに対して適用した例を示す。半導体集積回路
の高集積化とともに、従来のような半導体基板の平面に
回路を展開するだけでなく、垂直方向にも回路を展開し
た立体集積回路(3次元集積回路)が要求されるように
なった。現在、実用化されているものは、例えば、完全
CMOS型のSRAMのように、フリップ・フロップ回
路のトランジスタのうち、PMOSのみをTFTとした
2層トランジスタ構造に限定されているが、今後、半導
体集積回路の高集積化が進展するにつれ、より多層な構
造が利用される。それとともに、TFTも特性の改善が
求められる。
【0063】本実施例では、単結晶シリコン基板上に第
1のトランジスタ(NMOS)を形成して、その上に第
2のトランジスタ(PMOS)をTFTによって形成し
た場合について説明する。
1のトランジスタ(NMOS)を形成して、その上に第
2のトランジスタ(PMOS)をTFTによって形成し
た場合について説明する。
【0064】図6(A)は、そのような構造を有する半
導体回路である。簡略のために、金属配線は図中には記
述されていない。図において、基板601上にソース領
域602、ドレイン領域603(ともにN型)が設けら
れ、さらに、第1のトランジスタのゲイト電極604が
形成されている。また、これらを覆って層間絶縁物60
5が形成されている。従来は、この層間絶縁物としては
リンガラスやリンボロンガラスのような比較的融点の低
いガラス材料が使用され、リフローすることによって、
配線の形成によって生じた凹凸を減らすことがおこなわ
れていた。
導体回路である。簡略のために、金属配線は図中には記
述されていない。図において、基板601上にソース領
域602、ドレイン領域603(ともにN型)が設けら
れ、さらに、第1のトランジスタのゲイト電極604が
形成されている。また、これらを覆って層間絶縁物60
5が形成されている。従来は、この層間絶縁物としては
リンガラスやリンボロンガラスのような比較的融点の低
いガラス材料が使用され、リフローすることによって、
配線の形成によって生じた凹凸を減らすことがおこなわ
れていた。
【0065】TFTはこのような層間絶縁物の上に形成
される。すなわち、層間絶縁物605上にソース領域
(P型)606、ドレイン領域(P型)607、チャネ
ル領域608を有する多結晶シリコン被膜を形成する。
さらにこの多結晶シリコン膜の上にゲイト絶縁膜を形成
し、第2のトランジスタのゲイト電極609を形成す
る。最後に素子全体を絶縁膜610で被覆する。
される。すなわち、層間絶縁物605上にソース領域
(P型)606、ドレイン領域(P型)607、チャネ
ル領域608を有する多結晶シリコン被膜を形成する。
さらにこの多結晶シリコン膜の上にゲイト絶縁膜を形成
し、第2のトランジスタのゲイト電極609を形成す
る。最後に素子全体を絶縁膜610で被覆する。
【0066】このような構造のTFTにおいて、もし、
層間絶縁物を従来のようなリンガラスやリンボロンガラ
スのような材料で構成すると、第1のトランジスタのゲ
イト電極604に印加された電圧によって層間絶縁物6
05に電荷がトラップされたり、層間絶縁物が分極を起
こす可能性がある。例えば、このような効果によって電
荷612が、第1のゲイト電極604の上面、チャネル
領域608の下面にトラップされたものとすると、チャ
ネル領域608の下部にP型の反転層611が形成さ
れ、その部分を経由して、ソースからドレインにリーク
電流が流れることとなる。
層間絶縁物を従来のようなリンガラスやリンボロンガラ
スのような材料で構成すると、第1のトランジスタのゲ
イト電極604に印加された電圧によって層間絶縁物6
05に電荷がトラップされたり、層間絶縁物が分極を起
こす可能性がある。例えば、このような効果によって電
荷612が、第1のゲイト電極604の上面、チャネル
領域608の下面にトラップされたものとすると、チャ
ネル領域608の下部にP型の反転層611が形成さ
れ、その部分を経由して、ソースからドレインにリーク
電流が流れることとなる。
【0067】このためリンガラスやリンボロンガラスの
ような材料の上に直接、チャネル領域を形成することは
避けなければならなかった。理想的には純粋な酸化珪素
被膜で層間絶縁物を形成し、さらにその上に熱酸化によ
って高品位な酸化珪素膜を形成することが要求された。
しかしながら、その場合には、高融点材料である酸化珪
素を層間絶縁物とするのでリフローは困難であった。そ
こで、リフローをおこなうに適したガラス材料を用いて
層間絶縁物を形成し、その上に、スパッタ法やECRプ
ラズマCVD法のような低温成膜技術によって酸化膜を
形成することが要求される。いずれの方式を採用する場
合においても、成膜工程が2倍になることでスループッ
トの低下につながる。特に、低品位な酸化珪素やリンガ
ラス等は量産性のよい減圧CVD法によって形成される
のであるが、スパッタ法やECRプラズマCVD法は量
産性に劣る。特に、下部の絶縁物の電荷の影響を十分小
さくするには、高品位な酸化珪素の膜の厚さは300n
m以上は必要である。これだけの厚さの酸化珪素膜をス
パッタ法やECRプラズマCVD法によって形成するに
は非常に長い時間がかかる。
ような材料の上に直接、チャネル領域を形成することは
避けなければならなかった。理想的には純粋な酸化珪素
被膜で層間絶縁物を形成し、さらにその上に熱酸化によ
って高品位な酸化珪素膜を形成することが要求された。
しかしながら、その場合には、高融点材料である酸化珪
素を層間絶縁物とするのでリフローは困難であった。そ
こで、リフローをおこなうに適したガラス材料を用いて
層間絶縁物を形成し、その上に、スパッタ法やECRプ
ラズマCVD法のような低温成膜技術によって酸化膜を
形成することが要求される。いずれの方式を採用する場
合においても、成膜工程が2倍になることでスループッ
トの低下につながる。特に、低品位な酸化珪素やリンガ
ラス等は量産性のよい減圧CVD法によって形成される
のであるが、スパッタ法やECRプラズマCVD法は量
産性に劣る。特に、下部の絶縁物の電荷の影響を十分小
さくするには、高品位な酸化珪素の膜の厚さは300n
m以上は必要である。これだけの厚さの酸化珪素膜をス
パッタ法やECRプラズマCVD法によって形成するに
は非常に長い時間がかかる。
【0068】本発明を適用することによってこの問題は
解決される。本発明の実施例は図6(B)に示される。
図において、基板651上にソース領域652、ドレイ
ン領域653(ともにN型)が設けられ、さらに、第1
のトランジスタのゲイト電極654が形成されている。
また、これらを覆って層間絶縁物655が形成されてい
る。これは、低品位な酸化珪素でも、あるいはリンガラ
スやリンボロンガラスのような材料であってもよい。
解決される。本発明の実施例は図6(B)に示される。
図において、基板651上にソース領域652、ドレイ
ン領域653(ともにN型)が設けられ、さらに、第1
のトランジスタのゲイト電極654が形成されている。
また、これらを覆って層間絶縁物655が形成されてい
る。これは、低品位な酸化珪素でも、あるいはリンガラ
スやリンボロンガラスのような材料であってもよい。
【0069】TFTはこのような層間絶縁物の上に形成
される。すなわち、層間絶縁物655上にソース領域
(P型)656、ドレイン領域(P型)657が形成さ
れる。このソース/ドレイン間には従来はチャネル領域
が形成されていたのであるが、本発明では、下側にN型
の領域661が形成され、その上にチャネル領域658
が形成される。これらはいずれも多結晶シリコン被膜で
ある。さらにこの多結晶シリコン膜の上にゲイト絶縁膜
を形成し、第2のトランジスタのゲイト電極659を形
成する。最後に素子全体を絶縁膜660で被覆する。
される。すなわち、層間絶縁物655上にソース領域
(P型)656、ドレイン領域(P型)657が形成さ
れる。このソース/ドレイン間には従来はチャネル領域
が形成されていたのであるが、本発明では、下側にN型
の領域661が形成され、その上にチャネル領域658
が形成される。これらはいずれも多結晶シリコン被膜で
ある。さらにこの多結晶シリコン膜の上にゲイト絶縁膜
を形成し、第2のトランジスタのゲイト電極659を形
成する。最後に素子全体を絶縁膜660で被覆する。
【0070】層間絶縁物655の材料を耐熱性に優れた
酸化珪素とするか、あるいはリフローが可能なガラス系
の材料とするかは、素子の特性に応じて選択しなければ
ならない。すなわち、ガラス系材料を採用した場合に
は、第2のトランジスタのゲイト酸化膜を熱酸化によっ
て形成することは困難である。したがって、特性はあま
りよくない。
酸化珪素とするか、あるいはリフローが可能なガラス系
の材料とするかは、素子の特性に応じて選択しなければ
ならない。すなわち、ガラス系材料を採用した場合に
は、第2のトランジスタのゲイト酸化膜を熱酸化によっ
て形成することは困難である。したがって、特性はあま
りよくない。
【0071】本発明の特徴であるN型領域661の不純
物濃度は、ソース/ドレインの不純物濃度とチャネル領
域の不純物濃度、および下にある層間絶縁物の特性等を
考慮して決定されるが、代表的には1×1017〜5×1
019cm-3である。例えば、チャネル領域には3×10
16cm-3のN型不純物がドープされ、ソース/ドレイン
には、6×1019cm-3のP型不純物がドープされてい
て、層間絶縁物の界面準位密度が2×1012cm-2の場
合には、1×1018〜3×1019cm-3が適当である。
物濃度は、ソース/ドレインの不純物濃度とチャネル領
域の不純物濃度、および下にある層間絶縁物の特性等を
考慮して決定されるが、代表的には1×1017〜5×1
019cm-3である。例えば、チャネル領域には3×10
16cm-3のN型不純物がドープされ、ソース/ドレイン
には、6×1019cm-3のP型不純物がドープされてい
て、層間絶縁物の界面準位密度が2×1012cm-2の場
合には、1×1018〜3×1019cm-3が適当である。
【0072】N型領域661の厚さは、その不純物濃度
と下にある層間絶縁物の特性(特に界面準位密度)とを
考慮して決定されるが、N型領域によって層間絶縁物の
表面に存在する電荷が遮蔽されるので、先に示したよう
な層間絶縁物の上にじかにチャネルを形成する場合より
薄くてもよい。典型的には10nm以上あれば問題な
い。例えば、N型領域661の不純物濃度が3×1019
cm-3で、層間絶縁物の表面に2×1012cm-2の電荷
がトラップされている場合には、厚さは7nmで十分で
ある。しかしながら、あまりに薄い場合には、膜厚の不
均質性などの他の要因によって信頼性が低下する。
と下にある層間絶縁物の特性(特に界面準位密度)とを
考慮して決定されるが、N型領域によって層間絶縁物の
表面に存在する電荷が遮蔽されるので、先に示したよう
な層間絶縁物の上にじかにチャネルを形成する場合より
薄くてもよい。典型的には10nm以上あれば問題な
い。例えば、N型領域661の不純物濃度が3×1019
cm-3で、層間絶縁物の表面に2×1012cm-2の電荷
がトラップされている場合には、厚さは7nmで十分で
ある。しかしながら、あまりに薄い場合には、膜厚の不
均質性などの他の要因によって信頼性が低下する。
【0073】一方、あまりに厚い場合には成膜に長時間
を有する。以上のことを考慮すれば、10〜100nm
が適当である。このような領域を形成するにあたって
は、実施例2で示した方法を採用することが望ましい。
を有する。以上のことを考慮すれば、10〜100nm
が適当である。このような領域を形成するにあたって
は、実施例2で示した方法を採用することが望ましい。
【0074】すなわち、層間絶縁物655の上に、N型
のシリコン膜を形成し、その後、I型あるいはN- 型の
シリコン膜を形成する。この成膜は、いわゆるマルチチ
ャンバー方式によって、連続的におこなってもよい。そ
して、ゲイト絶縁膜とゲイト電極を形成し、セルフアラ
インプロセスによってソース606、ドレイン607を
形成する。
のシリコン膜を形成し、その後、I型あるいはN- 型の
シリコン膜を形成する。この成膜は、いわゆるマルチチ
ャンバー方式によって、連続的におこなってもよい。そ
して、ゲイト絶縁膜とゲイト電極を形成し、セルフアラ
インプロセスによってソース606、ドレイン607を
形成する。
【0075】
【発明の効果】本発明によって、ゲイトに逆の電圧が印
加された場合のOFF電流の極めて少ない良好なTFT
を作製することができた。本発明は他の発明と組み合わ
せるとより一層、効果的である。例えば、実施例にも示
したように本発明人等の発明である特願平3−2311
88や特願平3−238713と組み合わせることによ
って、より一層の効果を示す。また、本発明において
は、実施例にも示した通り、ソース/ドレインの厚みを
増して、そのシート抵抗を減らすことができる。これに
よってTFT回路の高速動作を実現することができた。
加された場合のOFF電流の極めて少ない良好なTFT
を作製することができた。本発明は他の発明と組み合わ
せるとより一層、効果的である。例えば、実施例にも示
したように本発明人等の発明である特願平3−2311
88や特願平3−238713と組み合わせることによ
って、より一層の効果を示す。また、本発明において
は、実施例にも示した通り、ソース/ドレインの厚みを
増して、そのシート抵抗を減らすことができる。これに
よってTFT回路の高速動作を実現することができた。
【0076】従来、特に液晶表示装置のアクティブマト
リクスのような目的に対しては多結晶TFTはON/O
FF比が低く、実用化にはさまざまな困難があったが、
本発明によってそのような問題はほぼ解決されたと思わ
れる。また、単結晶半導体集積回路の立体化においても
本発明が利用できることは実施例3に示したとおりであ
る。このように本発明は産業上、極めて有益な発明であ
ると考えられる。
リクスのような目的に対しては多結晶TFTはON/O
FF比が低く、実用化にはさまざまな困難があったが、
本発明によってそのような問題はほぼ解決されたと思わ
れる。また、単結晶半導体集積回路の立体化においても
本発明が利用できることは実施例3に示したとおりであ
る。このように本発明は産業上、極めて有益な発明であ
ると考えられる。
【図1】本発明のTFTの概念図を示す。
【図2】従来のTFTの概念図を示す。
【図3】本発明および従来のTFTの特性の例、および
本発明のTFTの予想されるエネルギーバンド図を示
す。
本発明のTFTの予想されるエネルギーバンド図を示
す。
【図4】本発明のTFTの作製工程を示す。
【図5】本発明のTFTの作製工程を示す。
【図6】本発明の利用例を示す。
101・・・基板 102・・・ドレイン領域 103・・・チャネル領域 104・・・ソース領域 105・・・ゲイト電極 106・・・層間絶縁物 107・・・ドレイン電極・配線 108・・・ソース電極・配線 109・・・不純物領域
Claims (2)
- 【請求項1】 絶縁基板上に、リンまたはホウソを含有
する絶縁被膜を形成する工程と、該絶縁被膜上に少なく
とも500℃以上の熱処理工程を有する、半導体被膜を
形成する工程と、その後、ゲイト電極を設ける工程とを
有することを特徴とする絶縁ゲイト型半導体装置の作製
方法。 - 【請求項2】 絶縁基板上に、N型もしくはP型の第1
の半導体被膜を形成する工程と、実質的に真性な導電型
を示す第2の半導体被膜を形成する工程と、その後、ゲ
イト電極を設ける工程とを有することを特徴とする絶縁
ゲイト型半導体装置の作製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19127595A JPH0818065A (ja) | 1995-07-03 | 1995-07-03 | 絶縁ゲイト型半導体装置の作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19127595A JPH0818065A (ja) | 1995-07-03 | 1995-07-03 | 絶縁ゲイト型半導体装置の作製方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4073314A Division JP2761496B2 (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | 薄膜状絶縁ゲイト型半導体装置およびその作製方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25230598A Division JP3153515B2 (ja) | 1992-02-25 | 1998-09-07 | 絶縁ゲイト型半導体装置の作製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0818065A true JPH0818065A (ja) | 1996-01-19 |
Family
ID=16271848
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19127595A Pending JPH0818065A (ja) | 1995-07-03 | 1995-07-03 | 絶縁ゲイト型半導体装置の作製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0818065A (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5643796A (en) * | 1979-09-17 | 1981-04-22 | Fujitsu Ltd | Forming viaahole |
JPS5895814A (ja) * | 1981-11-30 | 1983-06-07 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体装置の製造方法 |
JPS60126867A (ja) * | 1983-12-13 | 1985-07-06 | Oki Electric Ind Co Ltd | 半導体装置の製造方法 |
JPS62193171A (ja) * | 1986-02-19 | 1987-08-25 | Fujitsu Ltd | 電界効果半導体装置の製造方法 |
JPS62214668A (ja) * | 1986-03-14 | 1987-09-21 | Nec Corp | 薄膜mosトランジスタの製造方法 |
-
1995
- 1995-07-03 JP JP19127595A patent/JPH0818065A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5643796A (en) * | 1979-09-17 | 1981-04-22 | Fujitsu Ltd | Forming viaahole |
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JPS62193171A (ja) * | 1986-02-19 | 1987-08-25 | Fujitsu Ltd | 電界効果半導体装置の製造方法 |
JPS62214668A (ja) * | 1986-03-14 | 1987-09-21 | Nec Corp | 薄膜mosトランジスタの製造方法 |
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