JPH08176745A - 耐熱鋳鋼 - Google Patents
耐熱鋳鋼Info
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- JPH08176745A JPH08176745A JP31970694A JP31970694A JPH08176745A JP H08176745 A JPH08176745 A JP H08176745A JP 31970694 A JP31970694 A JP 31970694A JP 31970694 A JP31970694 A JP 31970694A JP H08176745 A JPH08176745 A JP H08176745A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐熱性の優れた材料でありながら、材料コス
トが安価で生産性が良好な耐熱鋳鋼を提供する。 【構成】 重量比率で、C:0.10〜0.30%,S
i:0.70〜2.00%,Mn:≦1.00%,C
r:15.00〜25.00%,W:≦1.00%,N
b:≦1.00%の各元素を含有し、残部はFeおよび
不可避不純物からなる組成を有する。
トが安価で生産性が良好な耐熱鋳鋼を提供する。 【構成】 重量比率で、C:0.10〜0.30%,S
i:0.70〜2.00%,Mn:≦1.00%,C
r:15.00〜25.00%,W:≦1.00%,N
b:≦1.00%の各元素を含有し、残部はFeおよび
不可避不純物からなる組成を有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば自動車用エン
ジンのエキゾーストマニホールドやターボチャージャの
タービンハウジング等の排気系部品に適した耐熱鋳鋼に
関するものである。
ジンのエキゾーストマニホールドやターボチャージャの
タービンハウジング等の排気系部品に適した耐熱鋳鋼に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用エンジンのエキゾースト
マニホールド等の排気系部品は、一般に高Si球状黒鉛鋳
鉄,ニレジスト球状黒鉛鋳鉄等により形成されている。
マニホールド等の排気系部品は、一般に高Si球状黒鉛鋳
鉄,ニレジスト球状黒鉛鋳鉄等により形成されている。
【0003】しかし、近時の自動車用エンジンの高出力
化,低燃費化の中で、より耐熱性の優れた材料の使用が
望まれている。
化,低燃費化の中で、より耐熱性の優れた材料の使用が
望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、耐熱性の優
れた材料としては、高Ni高Cr系のオーステナイト系耐熱
鋳鋼やNi基Co基の超合金が知られているが、前者は熱膨
張率が大きく,かつ機械加工性等の生産性が良くなく材
料コストが高価である。また、後者においても、鋳造性
等の生産性が良くないうえ、材料コストが著しく高価で
あるため、実用性の点で問題がある。
れた材料としては、高Ni高Cr系のオーステナイト系耐熱
鋳鋼やNi基Co基の超合金が知られているが、前者は熱膨
張率が大きく,かつ機械加工性等の生産性が良くなく材
料コストが高価である。また、後者においても、鋳造性
等の生産性が良くないうえ、材料コストが著しく高価で
あるため、実用性の点で問題がある。
【0005】この発明は、このような事情に基づいてな
されたもので、耐熱性の優れた材料でありながら、材料
コストが安価で生産性が良好な耐熱鋳鋼を提供すること
を目的とするものである。
されたもので、耐熱性の優れた材料でありながら、材料
コストが安価で生産性が良好な耐熱鋳鋼を提供すること
を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、重量比率で、C:0.10
〜0.30%,Si:0.70〜2.00%,Mn:≦
1.00%,Cr:15.00〜25.00%,W:≦
1.00%,Nb:≦1.00%の各元素を含有し、残
部はFeおよび不可避不純物からなる組成を有すること
を特徴とする耐熱鋳鋼である。
に、請求項1記載の発明は、重量比率で、C:0.10
〜0.30%,Si:0.70〜2.00%,Mn:≦
1.00%,Cr:15.00〜25.00%,W:≦
1.00%,Nb:≦1.00%の各元素を含有し、残
部はFeおよび不可避不純物からなる組成を有すること
を特徴とする耐熱鋳鋼である。
【0007】また、請求項2記載の発明は、重量比率
で、C:0.10〜0.30%,Si:0.70〜2.
00%,Mn:≦1.00%,Cr:15.00〜2
5.00%,W:≦1.00%,Nb:≦1.00%の
各元素およびCo:≦0.10%のCoを含有し、残部
はFeおよび不可避不純物からなる組成を有することを
特徴とする耐熱鋳鋼である。
で、C:0.10〜0.30%,Si:0.70〜2.
00%,Mn:≦1.00%,Cr:15.00〜2
5.00%,W:≦1.00%,Nb:≦1.00%の
各元素およびCo:≦0.10%のCoを含有し、残部
はFeおよび不可避不純物からなる組成を有することを
特徴とする耐熱鋳鋼である。
【0008】
【作用】請求項1あるいは請求項2に記載した耐熱鋳鋼
は、いずれもフェライト系の金属組織を形成するので、
従来の高合金鋼を上回る耐熱疲労性および耐酸化性を有
し、良好な耐熱性を発揮することができるとともに、比
較的安価で生産性も良好である。
は、いずれもフェライト系の金属組織を形成するので、
従来の高合金鋼を上回る耐熱疲労性および耐酸化性を有
し、良好な耐熱性を発揮することができるとともに、比
較的安価で生産性も良好である。
【0009】以下、各元素についての組成範囲の限定理
由について説明する。
由について説明する。
【0010】(1)C:0.10〜0.30% Cは高温強度を高めるためにある程度高めることは有効
であるが、一方酸化減量を抑えるため,および常温強度
を低めず常温での伸びを小さくして鋳造品の割れ防止の
ためにもCを0.30%以下とした。
であるが、一方酸化減量を抑えるため,および常温強度
を低めず常温での伸びを小さくして鋳造品の割れ防止の
ためにもCを0.30%以下とした。
【0011】また、Cを低めると溶湯の流動性を悪くす
るので、C量を0.10%以上とした。
るので、C量を0.10%以上とした。
【0012】(2)Si:0.70〜2.00% SiはSiO2被膜を作り、耐酸化性を向上させ、鋳造性も
改善する効果があるが、高温での強度を低下させるの
で、2.00%以下とした。
改善する効果があるが、高温での強度を低下させるの
で、2.00%以下とした。
【0013】また、Siの下限値を0.70%としたの
は、溶湯の流動性が悪くなること,および常温における
靭性を低下させるからである。
は、溶湯の流動性が悪くなること,および常温における
靭性を低下させるからである。
【0014】(3)Mn:≦1.00% Mnは適量の添加で脱酸効果およびSの害を抑える効果
を有するが、高温における強度低下を来すので1.0%
以下とした。
を有するが、高温における強度低下を来すので1.0%
以下とした。
【0015】なお、本願において、Mnの添加されない
ものは包含しない。
ものは包含しない。
【0016】(4)Cr:15.00〜25.00% Crは本願の発明の最重要構成元素であり、フェライト
組織生成のためには、15.00%以上を添加すること
が必要である。また、Cr量が増加するに従い,耐酸化
性は向上するが、溶湯の流動性が低下し,凝固収縮率が
増加するため鋳造性が悪くなる。Cr量が25%を越え
ると常温の強度,靭性を害するようになるため25.0
0%以下とした。
組織生成のためには、15.00%以上を添加すること
が必要である。また、Cr量が増加するに従い,耐酸化
性は向上するが、溶湯の流動性が低下し,凝固収縮率が
増加するため鋳造性が悪くなる。Cr量が25%を越え
ると常温の強度,靭性を害するようになるため25.0
0%以下とした。
【0017】(5)W:≦1.00% Wは耐熱疲労性,高温強度を向上させる最重要元素であ
るが、常温強度を損なうとともに高価な材料であるので
1.00%以下とした。
るが、常温強度を損なうとともに高価な材料であるので
1.00%以下とした。
【0018】なお、本願において、Wの添加されないも
のは包含しない。
のは包含しない。
【0019】(6)Nb:≦1.00% Nbは、Crに優先して炭化物を形成し、しかも高温に
おける二次炭化物の析出を抑制し、耐酸化性を向上さ
せ、かつ高温強度を向上させる効果を有するが、1.0
0%を越えると多量の炭化物の析出により常温の強度を
著しく害する。
おける二次炭化物の析出を抑制し、耐酸化性を向上さ
せ、かつ高温強度を向上させる効果を有するが、1.0
0%を越えると多量の炭化物の析出により常温の強度を
著しく害する。
【0020】また、Nbは高価な材料であるので1.0
0%以下とした。
0%以下とした。
【0021】なお、本願においてNbの添加されないも
のは包含しない。
のは包含しない。
【0022】(7)Co:≦0.10% CoはCと結合して微細な炭化物を形成して常温,高温
の引張強度を向上させる効果があり、さらに熱疲労性を
著しく改善する効果が認められる。
の引張強度を向上させる効果があり、さらに熱疲労性を
著しく改善する効果が認められる。
【0023】Coの上限値を0.10%としたのは、C
oが高価な材料であり、材料費が過度に高価となるのを
防止するためである。
oが高価な材料であり、材料費が過度に高価となるのを
防止するためである。
【0024】なお、本願においてCoが添加されないも
のは請求項1の対象であり、請求項2においてはCoが
添加されないものは包含されない。
のは請求項1の対象であり、請求項2においてはCoが
添加されないものは包含されない。
【0025】
【実施例】以下、この発明を実施例に基づき説明する。
【0026】まず、表.1および表.2において、この
発明の実施例の耐熱ステンレス鋳鋼の化学組成を重量%
で示す。
発明の実施例の耐熱ステンレス鋳鋼の化学組成を重量%
で示す。
【0027】なお、これらの表.1および2において、
例えば実1とは実施例1を意味するものであり、各実施
例において残部は実質的にFeである。
例えば実1とは実施例1を意味するものであり、各実施
例において残部は実質的にFeである。
【0028】 これらの実施例1から実施例12の耐熱ステンレス鋳鋼
は、いずれも鋳造によりフェライト系の金属組織を形成
するものであり、これらの各実施例はいずれもフェライ
ト系耐熱ステンレス鋳鋼である。
は、いずれも鋳造によりフェライト系の金属組織を形成
するものであり、これらの各実施例はいずれもフェライ
ト系耐熱ステンレス鋳鋼である。
【0029】これらの各実施例の添加元素の選択等につ
いては、次のような事柄を考慮したものである。
いては、次のような事柄を考慮したものである。
【0030】すなわち、例えば、自動車用エンジンのエ
キゾーストマニホールドやターボチャージャのタービン
ハウジング等の排気系部品に適した耐熱鋳鋼において
は、高温において熱疲労に耐えること,および高温下で
の耐酸化性に優れていることが必要である。
キゾーストマニホールドやターボチャージャのタービン
ハウジング等の排気系部品に適した耐熱鋳鋼において
は、高温において熱疲労に耐えること,および高温下で
の耐酸化性に優れていることが必要である。
【0031】自動車用エンジンにおいては、起動・停止
の繰り返しや,急速起動により過酷な熱サイクルを受け
るため、熱応力や熱歪みを発生し、熱疲労となって亀裂
を生じ破損に至る。
の繰り返しや,急速起動により過酷な熱サイクルを受け
るため、熱応力や熱歪みを発生し、熱疲労となって亀裂
を生じ破損に至る。
【0032】したがって、熱疲労の寿命を長期化するた
めには、熱膨張係数が小さく,熱サイクルによる歪み
量が小さいこと、変形抵抗が小さいこと、破壊抵抗
が高いことが好ましいものである。
めには、熱膨張係数が小さく,熱サイクルによる歪み
量が小さいこと、変形抵抗が小さいこと、破壊抵抗
が高いことが好ましいものである。
【0033】これらの条件を念頭において耐熱性ステン
レス鋼の物性を調査してみると、フェライト系耐熱ステ
ンレス鋼がオーステナイト系耐熱ステンレス鋼より熱疲
労の寿命が長期化すると考えられる。
レス鋼の物性を調査してみると、フェライト系耐熱ステ
ンレス鋼がオーステナイト系耐熱ステンレス鋼より熱疲
労の寿命が長期化すると考えられる。
【0034】また、高温下での耐酸化性については、耐
熱性ステンレス鋼の耐酸化性は主にCrの作用によるも
のであり、Crが高くなると,微細な酸化スケール(Fe
O,Cr2O3)と母地(マトリックス)との境界面にCr2O3層
が現れ、内部からの金属イオンの外部への拡散を妨げて
耐酸化性に寄与することとなる。
熱性ステンレス鋼の耐酸化性は主にCrの作用によるも
のであり、Crが高くなると,微細な酸化スケール(Fe
O,Cr2O3)と母地(マトリックス)との境界面にCr2O3層
が現れ、内部からの金属イオンの外部への拡散を妨げて
耐酸化性に寄与することとなる。
【0035】逆に、このスケールに割れや剥がれを生じ
ると、酸化が促進されるので材質の熱膨張率は耐酸化性
に大きく影響する。
ると、酸化が促進されるので材質の熱膨張率は耐酸化性
に大きく影響する。
【0036】とくに、断続加熱の場合には、スケールの
割れや剥がれが生じやすいので、フェライト系の方がオ
ーステナイト系に比べてスケールが剥がれにくく耐酸化
性が優れたものとなりうる。
割れや剥がれが生じやすいので、フェライト系の方がオ
ーステナイト系に比べてスケールが剥がれにくく耐酸化
性が優れたものとなりうる。
【0037】これらの観点の下で各実施例に添加すべき
成分元素,および添加量については次のような方針に基
づいて決定したものである。
成分元素,および添加量については次のような方針に基
づいて決定したものである。
【0038】すなわち、添加すべき成分元素として、W
は耐熱疲労性,高温強度を向上させるものであり、Nb
は、Crに優先して炭化物を形成し、しかも高温におけ
る二次炭化物の析出を抑制し、耐酸化性を向上させ、か
つ高温強度を向上させるものであるので採用することと
した。
は耐熱疲労性,高温強度を向上させるものであり、Nb
は、Crに優先して炭化物を形成し、しかも高温におけ
る二次炭化物の析出を抑制し、耐酸化性を向上させ、か
つ高温強度を向上させるものであるので採用することと
した。
【0039】さらに、CoはCと結合して微細な炭化物
を形成して常温,高温の引張強度を向上させるととも
に、熱疲労性を著しく改善するので追加的に添加すべき
成分元素として採用することとした。
を形成して常温,高温の引張強度を向上させるととも
に、熱疲労性を著しく改善するので追加的に添加すべき
成分元素として採用することとした。
【0040】その一方、成分元素の添加量については、
一般に成分元素の添加量が多いと鋳造時に割れ,ひけ等
の鋳造欠陥が多発するおそれがあるので、各実施例にお
いては成分元素の添加量はできるだけ少なく設定するこ
ととして、前記鋳造欠陥の防止を図ることとした。
一般に成分元素の添加量が多いと鋳造時に割れ,ひけ等
の鋳造欠陥が多発するおそれがあるので、各実施例にお
いては成分元素の添加量はできるだけ少なく設定するこ
ととして、前記鋳造欠陥の防止を図ることとした。
【0041】そして、成分元素としてのWやNbはとく
に高価な材料であるので、材料費を安価に維持する意味
からもこれらのWやNbの添加量を少なくし、このよう
にWやNbの添加量が少ないものであっても高温強度等
の物理的性質を十分に維持するようその他の成分元素を
調整することとしたものである。
に高価な材料であるので、材料費を安価に維持する意味
からもこれらのWやNbの添加量を少なくし、このよう
にWやNbの添加量が少ないものであっても高温強度等
の物理的性質を十分に維持するようその他の成分元素を
調整することとしたものである。
【0042】なお、各実施例による鋳造品は、使用温度
範囲内に金属組織上の変態点が存在せず、また熱膨張の
大きいオーステナイト組織およびマルテンサイト組織が
存在せず、フェライト相およびフェライト相と炭化物相
との混在組織により構成されるものである。
範囲内に金属組織上の変態点が存在せず、また熱膨張の
大きいオーステナイト組織およびマルテンサイト組織が
存在せず、フェライト相およびフェライト相と炭化物相
との混在組織により構成されるものである。
【0043】一方、表.3には、自動車用エンジンの排
気系部品等に用いられる,公知の比較例についての化学
成分を重量%で示す。表.3において、例えば比1は比
較例1を意味するものであり、各比較例において残部が
実質的にFeであることは前記表.1および2と同様で
ある。
気系部品等に用いられる,公知の比較例についての化学
成分を重量%で示す。表.3において、例えば比1は比
較例1を意味するものであり、各比較例において残部が
実質的にFeであることは前記表.1および2と同様で
ある。
【0044】 これらの比較例はいずれも自動車用排気系部品に使用さ
れるもので、比較例1は高Si球状黒鉛鋳鉄の例であり、
比較例2はニレジスト球状黒鉛鋳鉄の例である。
れるもので、比較例1は高Si球状黒鉛鋳鉄の例であり、
比較例2はニレジスト球状黒鉛鋳鉄の例である。
【0045】比較例3はフェライト系ステンレスJIS,SU
S430相当の鋳鋼である。
S430相当の鋳鋼である。
【0046】前記の各実施例と比較例とを用いて鋳造に
より、JIS規格のY型供試材を作成することとし、鋳造
にあたっては50kg用高周波誘導炉を用いて大気溶解し、
Y型供試材用鋳型に鋳込んで作成した。
より、JIS規格のY型供試材を作成することとし、鋳造
にあたっては50kg用高周波誘導炉を用いて大気溶解し、
Y型供試材用鋳型に鋳込んで作成した。
【0047】このようにして得られた各実施例と各比較
例とについて、必要な処理等を行なったうえで、次のよ
うな試験を行なった。
例とについて、必要な処理等を行なったうえで、次のよ
うな試験を行なった。
【0048】各実施例のフェライト系ステンレス鋳鋼に
ついては、前記のようにして得られた供試材を、900〜1
000℃の炉内雰囲気を持つ汎用性の炉内に1〜2時間保持
した後徐冷した。前記比較例1および2については鋳放
しのまま供試材とし、比較例3は800℃で2時間保持した
後、徐冷し、650℃以下の温度より空冷を行なって供試
材を得た。
ついては、前記のようにして得られた供試材を、900〜1
000℃の炉内雰囲気を持つ汎用性の炉内に1〜2時間保持
した後徐冷した。前記比較例1および2については鋳放
しのまま供試材とし、比較例3は800℃で2時間保持した
後、徐冷し、650℃以下の温度より空冷を行なって供試
材を得た。
【0049】これらの処理をした供試材を用いて、以下
の評価試験を行なった。
の評価試験を行なった。
【0050】(1)室温引張試験 標点間距離が35mm,標点間の直径を10mmとした丸棒試験
片(準JIS4号試験片)を用いて各実施例および各比較例
についての室温引張強度を測定した。
片(準JIS4号試験片)を用いて各実施例および各比較例
についての室温引張強度を測定した。
【0051】(2)高温引張試験 標点間距離が50mm,標点間の直径が10mmのつばつき試験
片を用いて、850℃の温度条件で引張強度を測定した。
なお、比較例1については800℃の温度条件で行なった
測定結果を示す。
片を用いて、850℃の温度条件で引張強度を測定した。
なお、比較例1については800℃の温度条件で行なった
測定結果を示す。
【0052】(3)熱疲労試験 標点間距離が15mm,標点間の直径が10mmの丸棒試験片を
用いて、加熱−冷却による伸び,縮みを完全に拘束した
状態で加熱−冷却サイクルを繰り返し熱疲労破壊を生じ
させ、熱疲労試験とした。
用いて、加熱−冷却による伸び,縮みを完全に拘束した
状態で加熱−冷却サイクルを繰り返し熱疲労破壊を生じ
させ、熱疲労試験とした。
【0053】なお、加熱−冷却サイクルは、下限温度を
200℃,上限温度を900℃として、各サイクルを720秒と
して、電気−油圧サ−ボ方式の熱疲労試験機を用いて行
なった。
200℃,上限温度を900℃として、各サイクルを720秒と
して、電気−油圧サ−ボ方式の熱疲労試験機を用いて行
なった。
【0054】(4)酸化試験 長さ30mm,幅20mm,厚さ3mmの板状試験片を、900℃の大気
雰囲気下で200時間保持し、試験前の重量と試験後表面
の酸化物をワイヤブラシで除去した重量とを測定し、単
位面積あたりの酸化減量を求めて耐酸化性の評価を行な
った。
雰囲気下で200時間保持し、試験前の重量と試験後表面
の酸化物をワイヤブラシで除去した重量とを測定し、単
位面積あたりの酸化減量を求めて耐酸化性の評価を行な
った。
【0055】以上の各試験の結果は表.4〜表.7に示
すとおりであり、表.4は実施例についての常温強度
を、表.5は実施例についての高温強度を、表.6は実
施例についての熱疲労試験および酸化減量試験の結果を
それぞれ示すものであり、表.7は比較例についての各
試験結果をまとめて示すものである。
すとおりであり、表.4は実施例についての常温強度
を、表.5は実施例についての高温強度を、表.6は実
施例についての熱疲労試験および酸化減量試験の結果を
それぞれ示すものであり、表.7は比較例についての各
試験結果をまとめて示すものである。
【0056】これらの表においても例えば実1や比1等
が実施例1や比較例1等を意味することは前記と同様で
ある。
が実施例1や比較例1等を意味することは前記と同様で
ある。
【0057】 以上の評価試験の結果からあきらかなように、前記各実
施例は概ね各比較例と同等の常温強度,高温強度であ
り、熱疲労および酸化減量の面から各比較例より優れた
耐熱性を有することがわかる。
施例は概ね各比較例と同等の常温強度,高温強度であ
り、熱疲労および酸化減量の面から各比較例より優れた
耐熱性を有することがわかる。
【0058】そして、これらの各実施例は、いずれもフ
ェライト系耐熱ステンレス鋳鋼であって比較的安価なC
r元素をベースとしており、W,Nb,Co等の高価な
成分元素の添加量が少ないので、そのコストは比較的安
価である。
ェライト系耐熱ステンレス鋳鋼であって比較的安価なC
r元素をベースとしており、W,Nb,Co等の高価な
成分元素の添加量が少ないので、そのコストは比較的安
価である。
【0059】また、本願の各実施例は普通鋳鋼程度の鋳
造性であることが判明していること、押湯,湯口の除去
をネックダウンで容易に可能であることにより、生産性
が良好であって、一般的な鋳造設備により行なうことが
可能であることからも製造コストが安価である。
造性であることが判明していること、押湯,湯口の除去
をネックダウンで容易に可能であることにより、生産性
が良好であって、一般的な鋳造設備により行なうことが
可能であることからも製造コストが安価である。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1あるいは
請求項2に記載した耐熱鋳鋼は、いずれもフェライト系
の金属組織を形成するので、従来の高合金鋼を上回る耐
熱疲労性および耐酸化性を有し、良好な耐熱性を発揮す
ることができる。
請求項2に記載した耐熱鋳鋼は、いずれもフェライト系
の金属組織を形成するので、従来の高合金鋼を上回る耐
熱疲労性および耐酸化性を有し、良好な耐熱性を発揮す
ることができる。
【0061】そして、請求項1記載の発明によれば、高
価な材料である,成分元素としてのWやNbについて、
その添加量を少なくしつつ高温強度等の物理的性質を十
分に維持するようその他の成分元素を調整してあるので
比較的安価であり、鋳造欠陥も生じにくいので生産性も
良好である。
価な材料である,成分元素としてのWやNbについて、
その添加量を少なくしつつ高温強度等の物理的性質を十
分に維持するようその他の成分元素を調整してあるので
比較的安価であり、鋳造欠陥も生じにくいので生産性も
良好である。
【0062】また、請求項2記載の発明によれば、高価
な材料である,Coについても同様にその添加量が少な
く、比較的安価であり、鋳造欠陥も生じにくいので生産
性が良好である。
な材料である,Coについても同様にその添加量が少な
く、比較的安価であり、鋳造欠陥も生じにくいので生産
性が良好である。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量比率で、C:0.10〜0.30
%,Si:0.70〜2.00%,Mn:≦1.00
%,Cr:15.00〜25.00%,W:≦1.00
%,Nb:≦1.00%の各元素を含有し、残部はFe
および不可避不純物からなる組成を有することを特徴と
する耐熱鋳鋼。 - 【請求項2】 重量比率で、C:0.10〜0.30
%,Si:0.70〜2.00%,Mn:≦1.00
%,Cr:15.00〜25.00%,W:≦1.00
%,Nb:≦1.00%の各元素およびCo:≦0.1
0%のCoを含有し、残部はFeおよび不可避不純物か
らなる組成を有することを特徴とする耐熱鋳鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31970694A JPH08176745A (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | 耐熱鋳鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31970694A JPH08176745A (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | 耐熱鋳鋼 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08176745A true JPH08176745A (ja) | 1996-07-09 |
Family
ID=18113275
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31970694A Pending JPH08176745A (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | 耐熱鋳鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08176745A (ja) |
-
1994
- 1994-12-22 JP JP31970694A patent/JPH08176745A/ja active Pending
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