JP3252658B2 - 高温特性のすぐれたフェライト系耐熱鋳鋼 - Google Patents
高温特性のすぐれたフェライト系耐熱鋳鋼Info
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- JP3252658B2 JP3252658B2 JP14948995A JP14948995A JP3252658B2 JP 3252658 B2 JP3252658 B2 JP 3252658B2 JP 14948995 A JP14948995 A JP 14948995A JP 14948995 A JP14948995 A JP 14948995A JP 3252658 B2 JP3252658 B2 JP 3252658B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、高温特性、特に高温
強度、高温耐酸化性および耐熱疲労特性に優れたフェラ
イト系耐熱鋳鋼に関するものである。
強度、高温耐酸化性および耐熱疲労特性に優れたフェラ
イト系耐熱鋳鋼に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、例えばディーゼルエンジンの副燃
焼室の燃焼ガス出口側に位置する口金部材などの内燃機
関の構造部材の製造に、これが高温の燃焼ガスによる加
熱の繰り返しにさらされることから、高温特性を有する
各種のフェライト系耐熱鋳鋼、例えば特開平５−３３１
０５号公報、特開平５−５９４９８号公報、および特開
平５−１７１３６５号公報に記載されるフェライト系耐
熱鋳鋼が用いられている。
焼室の燃焼ガス出口側に位置する口金部材などの内燃機
関の構造部材の製造に、これが高温の燃焼ガスによる加
熱の繰り返しにさらされることから、高温特性を有する
各種のフェライト系耐熱鋳鋼、例えば特開平５−３３１
０５号公報、特開平５−５９４９８号公報、および特開
平５−１７１３６５号公報に記載されるフェライト系耐
熱鋳鋼が用いられている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の内燃機関
の高性能化および高出力化はめざましく、これに伴な
い、これの構造部材にはより一段の高温特性が要求され
る傾向にあるが、上記の従来フェライト系耐熱鋳鋼にお
いては、高温強度、高温耐酸化性および耐熱疲労特性が
不足するために、これらの要求に満足に対応することが
できなかった。
の高性能化および高出力化はめざましく、これに伴な
い、これの構造部材にはより一段の高温特性が要求され
る傾向にあるが、上記の従来フェライト系耐熱鋳鋼にお
いては、高温強度、高温耐酸化性および耐熱疲労特性が
不足するために、これらの要求に満足に対応することが
できなかった。
【０００４】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、高温特性のすぐれたフェライト
系耐熱鋳鋼を開発すべく研究を行った結果、重量％で
（以下、％は重量％を示す）、Ｃ：０．１〜０．２％、
Ｓｉ：０．１〜２％、Ｍｎ：０．１〜２％、
Ｃｒ：１６〜２０％、Ｍｏ：１．１〜２．４
％、 Ｎｂ：０．３〜２．５％、Ｔａ：０．０１〜
２．２％、 Ｌａ：０．００１〜０．０５％、を含有
し、残りがＦｅと不可避不純物からなる組成を有するフ
ェライト系耐熱鋳鋼は、高温強度、高温耐酸化性および
耐熱疲労特性が共に優れているところから、高温特性の
優れた鋳鋼であるという研究結果が得られたのである。
この発明は、かかる研究結果に基づいてなされたもので
あって、（１） Ｃ：０．１〜０．２％、 Ｓ
ｉ：０．１〜２％、Ｍｎ：０．１〜２％、 Ｃ
ｒ：１６〜２０％、Ｍｏ：１．１〜２．４％、 Ｎ
ｂ：０．３〜２．５％、Ｔａ：０．０１〜２．２％、
Ｌａ：０．００１〜０．０５％、を含有し、残りがＦ
ｅと不可避不純物からなる組成を有する高温特性のすぐ
れたフェライト系耐熱鋳鋼に特徴を有するものである。
上述のような観点から、高温特性のすぐれたフェライト
系耐熱鋳鋼を開発すべく研究を行った結果、重量％で
（以下、％は重量％を示す）、Ｃ：０．１〜０．２％、
Ｓｉ：０．１〜２％、Ｍｎ：０．１〜２％、
Ｃｒ：１６〜２０％、Ｍｏ：１．１〜２．４
％、 Ｎｂ：０．３〜２．５％、Ｔａ：０．０１〜
２．２％、 Ｌａ：０．００１〜０．０５％、を含有
し、残りがＦｅと不可避不純物からなる組成を有するフ
ェライト系耐熱鋳鋼は、高温強度、高温耐酸化性および
耐熱疲労特性が共に優れているところから、高温特性の
優れた鋳鋼であるという研究結果が得られたのである。
この発明は、かかる研究結果に基づいてなされたもので
あって、（１） Ｃ：０．１〜０．２％、 Ｓ
ｉ：０．１〜２％、Ｍｎ：０．１〜２％、 Ｃ
ｒ：１６〜２０％、Ｍｏ：１．１〜２．４％、 Ｎ
ｂ：０．３〜２．５％、Ｔａ：０．０１〜２．２％、
Ｌａ：０．００１〜０．０５％、を含有し、残りがＦ
ｅと不可避不純物からなる組成を有する高温特性のすぐ
れたフェライト系耐熱鋳鋼に特徴を有するものである。
【０００５】さらに、本発明者等は、上記（１）のフェ
ライト系耐熱鋼に、Ｎｉ，Ｗ，Ｃｏの内の１種または２
種以上を合計で０．２〜５．０％添加すると高温強度が
一層向上し、Ｂ，Ｚｒの内の１種または２種を合計で
０．００２〜０．１％添加すると粒界が強化して靭性が
一層向上し、さらにＡｌ，Ｃｕの内の１種または２種を
合計で０．１〜５．０％添加すると高温耐酸化性が一層
向上するという研究結果も得られたのである。この発明
は、かかる研究結果に基づいてなされたものであって、
Ｃ：０．１〜０．２％、 Ｓｉ：０．１〜２％、
Ｍｎ：０．１〜２％、 Ｃｒ：１６〜２０％、
Ｍｏ：１．１〜２．４％、 Ｎｂ：０．３〜２．５
％、Ｔａ：０．０１〜２．２％、 Ｌａ：０．００１
〜０．０５％、を含有し、さらに、（ａ） Ｎｉ，Ｗ，
Ｃｏの内の１種または２種以上を合計で０．２〜５．０
％、（ｂ） Ｂ，Ｚｒの内の１種または２種を合計で
０．００２〜０．１％、（ｃ） Ａｌ，Ｃｕの内の１種
または２種を合計で０．１〜５．０％、上記（ａ）〜
（ｃ）の内の１種または２種以上を含有し、残りがＦｅ
および不可避不純物からなる組成を有する高温特性のす
ぐれたフェライト系耐熱鋳鋼にも特徴を有するものであ
る。
ライト系耐熱鋼に、Ｎｉ，Ｗ，Ｃｏの内の１種または２
種以上を合計で０．２〜５．０％添加すると高温強度が
一層向上し、Ｂ，Ｚｒの内の１種または２種を合計で
０．００２〜０．１％添加すると粒界が強化して靭性が
一層向上し、さらにＡｌ，Ｃｕの内の１種または２種を
合計で０．１〜５．０％添加すると高温耐酸化性が一層
向上するという研究結果も得られたのである。この発明
は、かかる研究結果に基づいてなされたものであって、
Ｃ：０．１〜０．２％、 Ｓｉ：０．１〜２％、
Ｍｎ：０．１〜２％、 Ｃｒ：１６〜２０％、
Ｍｏ：１．１〜２．４％、 Ｎｂ：０．３〜２．５
％、Ｔａ：０．０１〜２．２％、 Ｌａ：０．００１
〜０．０５％、を含有し、さらに、（ａ） Ｎｉ，Ｗ，
Ｃｏの内の１種または２種以上を合計で０．２〜５．０
％、（ｂ） Ｂ，Ｚｒの内の１種または２種を合計で
０．００２〜０．１％、（ｃ） Ａｌ，Ｃｕの内の１種
または２種を合計で０．１〜５．０％、上記（ａ）〜
（ｃ）の内の１種または２種以上を含有し、残りがＦｅ
および不可避不純物からなる組成を有する高温特性のす
ぐれたフェライト系耐熱鋳鋼にも特徴を有するものであ
る。
【０００６】この発明のフェライト系耐熱鋳鋼の成分組
成を上記の如く限定した理由を説明する。 （ａ） Ｃ Ｃ成分には、鋳造性を向上させるほか、炭化物を形成し
て高温強度および耐熱疲労特性を向上させる作用がある
が、その含有量が０．１％未満では前記作用に所望の効
果が得られず、一方その含有量が０．２％を越えると炭
化物の形成が過剰となって靭性が低下するようになるこ
とから、その含有量を０．１〜０．２％と定めた。
成を上記の如く限定した理由を説明する。 （ａ） Ｃ Ｃ成分には、鋳造性を向上させるほか、炭化物を形成し
て高温強度および耐熱疲労特性を向上させる作用がある
が、その含有量が０．１％未満では前記作用に所望の効
果が得られず、一方その含有量が０．２％を越えると炭
化物の形成が過剰となって靭性が低下するようになるこ
とから、その含有量を０．１〜０．２％と定めた。
【０００７】（ｂ） Ｓｉ Ｓｉ成分には、溶湯に対して強力な脱酸作用を発揮する
ほか、鋳造性を向上させる作用があが、その含有量が
０．１％未満では前記作用に所望の効果が得られず、一
方その含有量が２％を越えると有害相の析出により耐酸
化性が低下するようになることから、その含有量を０．
１〜２％と定めた。なお、望ましくは０．４〜１．０％
の含有がよい。
ほか、鋳造性を向上させる作用があが、その含有量が
０．１％未満では前記作用に所望の効果が得られず、一
方その含有量が２％を越えると有害相の析出により耐酸
化性が低下するようになることから、その含有量を０．
１〜２％と定めた。なお、望ましくは０．４〜１．０％
の含有がよい。
【０００８】（ｃ） Ｍｎ Ｍｎ成分には、Ｓｉと同じく脱酸作用を発揮し、かつ鋳
造性を向上させる作用があるが、その含有量が０．１％
未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方その含
有量が２％を越えると、耐酸化性が低下するようになる
ことから、その含有量を０．１〜２％と定めた。なお、
望ましくは０．３〜０．９％の含有がよい。
造性を向上させる作用があるが、その含有量が０．１％
未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方その含
有量が２％を越えると、耐酸化性が低下するようになる
ことから、その含有量を０．１〜２％と定めた。なお、
望ましくは０．３〜０．９％の含有がよい。
【０００９】（ｄ） Ｃｒ Ｃｒ成分には、高温耐酸化性を向上させる作用がある
が、その含有量が１６％未満では所望のすぐれた高温耐
酸化性を確保することができず、一方その含有量が２０
％を越えると有害相（σ相）が析出し急激に脆化するよ
うになることから、その含有量を１６〜２０％と定め
た。
が、その含有量が１６％未満では所望のすぐれた高温耐
酸化性を確保することができず、一方その含有量が２０
％を越えると有害相（σ相）が析出し急激に脆化するよ
うになることから、その含有量を１６〜２０％と定め
た。
【００１０】（ｅ） Ｍｏ Ｍｏ成分には、素地に固溶すると共に、炭化物を形成
し、もって高温強度および耐熱疲労特性を向上させる作
用があるが、その含有量が１．１％未満では前記作用に
所望の効果が得られず、一方その含有量が２．４％を越
えると有害相の析出により急激に靭性が低下するように
なることから、その含有量を１．１〜２．４％と定め
た。なお、望ましくは１．６〜２．２％の含有がよい。
し、もって高温強度および耐熱疲労特性を向上させる作
用があるが、その含有量が１．１％未満では前記作用に
所望の効果が得られず、一方その含有量が２．４％を越
えると有害相の析出により急激に靭性が低下するように
なることから、その含有量を１．１〜２．４％と定め
た。なお、望ましくは１．６〜２．２％の含有がよい。
【００１１】（ｆ） Ｎｂ Ｎｂ成分には、Ｍｏと同様に素地に固溶すると共に、炭
化物を形成して、高温強度と耐熱疲労特性を向上させる
作用があるが、その含有量が０．３％未満では前記作用
に所望の効果が得られず、一方その含有量が２．５％を
越えると耐熱疲労特性に低下傾向が現われるようになる
ことから、その含有量を０．３〜２．５％と定めた。な
お、望ましくは１．２〜１．９％の含有がよい。
化物を形成して、高温強度と耐熱疲労特性を向上させる
作用があるが、その含有量が０．３％未満では前記作用
に所望の効果が得られず、一方その含有量が２．５％を
越えると耐熱疲労特性に低下傾向が現われるようになる
ことから、その含有量を０．３〜２．５％と定めた。な
お、望ましくは１．２〜１．９％の含有がよい。
【００１２】（ｇ） Ｔａ Ｔａ成分には、同じく素地に固溶すると共に、炭化物を
形成し、もってＭｏおよびＮｂ成分との共存下で高温強
度と耐熱疲労特性を一段と向上させる作用があるが、そ
の含有量が０．０１％未満では前記作用に所望の効果が
得られず、一方その含有量が２．２％を越えると靭性低
下が急激に発生するようになることから、その含有量を
０．０１〜２．２％と定めた。望ましくは０．２〜１％
の含有がよい。
形成し、もってＭｏおよびＮｂ成分との共存下で高温強
度と耐熱疲労特性を一段と向上させる作用があるが、そ
の含有量が０．０１％未満では前記作用に所望の効果が
得られず、一方その含有量が２．２％を越えると靭性低
下が急激に発生するようになることから、その含有量を
０．０１〜２．２％と定めた。望ましくは０．２〜１％
の含有がよい。
【００１３】（ｈ） Ｌａ Ｌａは、Ｃｒと共存してＣｒ酸化物を主体とする表面酸
化膜の密着性を向上させ、繰り返し加熱環境における耐
酸化性を向上させる作用があるが、その含有量が０．０
０１％未満では所望の効果が得られず、一方、その含有
量が０．０５％を越えると有害相の析出により靭性が低
下するので好ましくない。したがって、Ｌａ含有量は
０．００１〜０．０５％に定めた。Ｌａ含有量の一層好
ましい範囲は０．００５〜０．０２％である。
化膜の密着性を向上させ、繰り返し加熱環境における耐
酸化性を向上させる作用があるが、その含有量が０．０
０１％未満では所望の効果が得られず、一方、その含有
量が０．０５％を越えると有害相の析出により靭性が低
下するので好ましくない。したがって、Ｌａ含有量は
０．００１〜０．０５％に定めた。Ｌａ含有量の一層好
ましい範囲は０．００５〜０．０２％である。
【００１４】（ｉ） Ｎｉ，Ｗ，Ｃｏ これら成分は、素地に固溶して高温強度を向上させる作
用があるので必要に応じて添加するが、０．２％未満で
はその効果が十分でなく、一方、５．０％を越えて含有
すると耐熱疲労特性が低下するので好ましくない。した
がって、Ｎｉ，Ｗ，Ｃｏのうちの１種または２種以上の
合計の含有量は０．２〜５．０％に定めた。Ｎｉ，Ｗ，
Ｃｏの内の１種または２種以上の合計量の一層好ましい
範囲は０．５〜２．１％である。
用があるので必要に応じて添加するが、０．２％未満で
はその効果が十分でなく、一方、５．０％を越えて含有
すると耐熱疲労特性が低下するので好ましくない。した
がって、Ｎｉ，Ｗ，Ｃｏのうちの１種または２種以上の
合計の含有量は０．２〜５．０％に定めた。Ｎｉ，Ｗ，
Ｃｏの内の１種または２種以上の合計量の一層好ましい
範囲は０．５〜２．１％である。
【００１５】（ｊ） Ｂ，Ｚｒ これら成分には、フェライト系耐熱鋳鋼の粒界を強化し
靭性を向上させる作用があるので必要に応じて添加する
が、その含有量が０．００２％未満では所望の効果が得
られず、一方、０．１％を越えて含有すると逆に靭性が
低下するので好ましくない。したがって、Ｂ，Ｚｒの内
の１種または２種の合計の含有量は０．００２〜０．１
％に定めた。
靭性を向上させる作用があるので必要に応じて添加する
が、その含有量が０．００２％未満では所望の効果が得
られず、一方、０．１％を越えて含有すると逆に靭性が
低下するので好ましくない。したがって、Ｂ，Ｚｒの内
の１種または２種の合計の含有量は０．００２〜０．１
％に定めた。
【００１６】（ｋ） Ａｌ，Ｃｕ これら成分は、高温耐酸化性を向上させる作用があるの
で必要に応じて添加するが、０．１％未満では所望の効
果が得られず、一方、５．０％を越えて含有すると靭性
が低下するので好ましくない。したがって、Ａｌ，Ｃｕ
の内の１種または２種の合計の含有量は０．１〜５．０
％に定めた。Ａｌ，Ｃｕの内の１種または２種の合計の
含有量の一層好ましい範囲は０．３〜２．２％である。
で必要に応じて添加するが、０．１％未満では所望の効
果が得られず、一方、５．０％を越えて含有すると靭性
が低下するので好ましくない。したがって、Ａｌ，Ｃｕ
の内の１種または２種の合計の含有量は０．１〜５．０
％に定めた。Ａｌ，Ｃｕの内の１種または２種の合計の
含有量の一層好ましい範囲は０．３〜２．２％である。
【００１７】
【実施例】つぎに、この発明のフェライト系耐熱鋳鋼を
実施例により具体的に説明する。通常の高周波誘導溶解
炉を用い、大気中にてそれぞれ表１〜８に示される成分
組成をもった本発明フェライト系耐熱鋳鋼（以下、単に
本発明鋳鋼という）１〜６４および比較フェライト系耐
熱鋳鋼（以下、同様に比較鋳鋼という）１〜７を溶製
し、これをロストワックス精密鋳造鋳型を用い、直径：
１４mm×長さ：２００mmの寸法をもった棒状鋳物に鋳造
した。なお、比較鋳鋼１〜７は、いずれも構成成分のう
ち高温強度、高温耐酸化性および耐熱疲労特性に影響を
及ぼす成分含有量（表８に＊印を付す）がこの発明の範
囲から外れた組成をもつものである。
実施例により具体的に説明する。通常の高周波誘導溶解
炉を用い、大気中にてそれぞれ表１〜８に示される成分
組成をもった本発明フェライト系耐熱鋳鋼（以下、単に
本発明鋳鋼という）１〜６４および比較フェライト系耐
熱鋳鋼（以下、同様に比較鋳鋼という）１〜７を溶製
し、これをロストワックス精密鋳造鋳型を用い、直径：
１４mm×長さ：２００mmの寸法をもった棒状鋳物に鋳造
した。なお、比較鋳鋼１〜７は、いずれも構成成分のう
ち高温強度、高温耐酸化性および耐熱疲労特性に影響を
及ぼす成分含有量（表８に＊印を付す）がこの発明の範
囲から外れた組成をもつものである。
【００１８】
【表１】
【００１９】
【表２】
【００２０】
【表３】
【００２１】
【表４】
【００２２】
【表５】
【００２３】
【表６】
【００２４】
【表７】
【００２５】
【表８】
【００２６】表１〜表８に示される本発明鋳鋼１〜６
４、比較鋳鋼１〜７の棒状鋳物を用い、下記の各種試験
を行った。
４、比較鋳鋼１〜７の棒状鋳物を用い、下記の各種試験
を行った。
【００２７】高温引張試験 上記棒状鋳物から、直径：６mm、平行部長さ：３２mmの
寸法をもった試験片を削り出し、この試験片を用いて、
高温強度を評価する目的で、８７０℃で引張試験を行な
い、引張強さを測定し、その結果を表９〜１３に示し
た。
寸法をもった試験片を削り出し、この試験片を用いて、
高温強度を評価する目的で、８７０℃で引張試験を行な
い、引張強さを測定し、その結果を表９〜１３に示し
た。
【００２８】高温耐酸化試験 上記棒状鋳物から、直径：１０mm、長さ：２０mmの寸法
をもった試験片を削り出し、この試験片を用い、高温耐
酸化性を評価する目的で、大気中、温度：８５０℃に２
時間保持したのち室温まで空冷の操作を１００回繰り返
し行ない、試験後、試験片の表面に付着するスケールを
ワイヤブラシで除去した後の重量減（酸化減量）を測定
し、その結果を表９〜１３に示した。
をもった試験片を削り出し、この試験片を用い、高温耐
酸化性を評価する目的で、大気中、温度：８５０℃に２
時間保持したのち室温まで空冷の操作を１００回繰り返
し行ない、試験後、試験片の表面に付着するスケールを
ワイヤブラシで除去した後の重量減（酸化減量）を測定
し、その結果を表９〜１３に示した。
【００２９】耐熱疲労特性試験 上記棒状鋳物から、直径：８mm×長さ：１６mmの寸法を
もった試験片を削り出し、この試験片の両端部を固定し
て完全拘束し、この状態で前記試験片に、２分間で８５
０℃に加熱し、８５０℃に４分間保持した後、６分間放
冷を１サイクルとする繰り返し加熱を施し、前記試験片
が破断するまでの加熱回数を測定し、耐熱疲労特性を評
価した。これらの測定結果も表９〜１３に示す。
もった試験片を削り出し、この試験片の両端部を固定し
て完全拘束し、この状態で前記試験片に、２分間で８５
０℃に加熱し、８５０℃に４分間保持した後、６分間放
冷を１サイクルとする繰り返し加熱を施し、前記試験片
が破断するまでの加熱回数を測定し、耐熱疲労特性を評
価した。これらの測定結果も表９〜１３に示す。
【００３０】
【表９】
【００３１】
【表１０】
【００３２】
【表１１】
【００３３】
【表１２】
【００３４】
【表１３】
【００３５】
【発明の効果】表１〜１３に示される結果から、本発明
鋼１〜６４は、いずれも高温強度、高温耐酸化性および
耐熱疲労特性に優れていることが明らかであり、一方、
比較鋳鋼１〜７に見られるように、構成成分の内のいず
れかの含有量がこの発明の範囲から外れると、上記特性
のうちの少なくとも１つの特性が劣ったものになること
がわかる。上述のように、この発明のフェライト系耐熱
鋳鋼は、優れた高温特性を有するので、例えば内燃機関
の構造部材として用いた場合に長期に亘って優れた性能
を発揮できるなど産業上すぐれた効果を奏するものであ
る。
鋼１〜６４は、いずれも高温強度、高温耐酸化性および
耐熱疲労特性に優れていることが明らかであり、一方、
比較鋳鋼１〜７に見られるように、構成成分の内のいず
れかの含有量がこの発明の範囲から外れると、上記特性
のうちの少なくとも１つの特性が劣ったものになること
がわかる。上述のように、この発明のフェライト系耐熱
鋳鋼は、優れた高温特性を有するので、例えば内燃機関
の構造部材として用いた場合に長期に亘って優れた性能
を発揮できるなど産業上すぐれた効果を奏するものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−41918（ＪＰ，Ａ) 特開 昭55−138058（ＪＰ，Ａ) 特開 昭55−122856（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−41352（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−310146（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−310147（ＪＰ，Ａ) 特公 昭59−15976（ＪＰ，Ｂ１) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C22C 38/00 - 38/60
Claims (8)
- 【請求項１】 重量％で、 Ｃ：０．１〜０．２％、 Ｓｉ：０．１〜２％、 Ｍｎ：０．１〜２％、 Ｃｒ：１６〜２０％、 Ｍｏ：１．１〜２．４％、 Ｎｂ：０．３〜２．５
％、 Ｔａ：０．０１〜２．２％、 Ｌａ：０．００１〜
０．０５％、 を含有し、残りがＦｅと不可避不純物からなる組成を有
することを特徴とする高温特性のすぐれたフェライト系
耐熱鋳鋼。 - 【請求項２】 重量％で、 Ｃ：０．１〜０．２％、 Ｓｉ：０．１〜２％、 Ｍｎ：０．１〜２％、 Ｃｒ：１６〜２０％、 Ｍｏ：１．１〜２．４％、 Ｎｂ：０．３〜２．５
％、 Ｔａ：０．０１〜２．２％、 Ｌａ：０．００１〜
０．０５％、 を含有し、さらに、 Ｎｉ，Ｗ，Ｃｏの内の１種または２種以上を合計で０．
２〜５．０％、を含有し、残りがＦｅと不可避不純物か
らなる組成を有することを特徴とする高温特性のすぐれ
たフェライト系耐熱鋳鋼。 - 【請求項３】 重量％で、 Ｃ：０．１〜０．２％、 Ｓｉ：０．１〜２％、 Ｍｎ：０．１〜２％、 Ｃｒ：１６〜２０％、 Ｍｏ：１．１〜２．４％、 Ｎｂ：０．３〜２．５
％、 Ｔａ：０．０１〜２．２％、 Ｌａ：０．００１〜
０．０５％、 を含有し、さらに、 Ｂ，Ｚｒの内の１種または２種を合計で０．００２〜
０．１％、を含有し、残りがＦｅと不可避不純物からな
る組成を有することを特徴とする高温特性のすぐれたフ
ェライト系耐熱鋳鋼。 - 【請求項４】 重量％で、 Ｃ：０．１〜０．２％、 Ｓｉ：０．１〜２％、 Ｍｎ：０．１〜２％、 Ｃｒ：１６〜２０％、 Ｍｏ：１．１〜２．４％、 Ｎｂ：０．３〜２．５
％、 Ｔａ：０．０１〜２．２％、 Ｌａ：０．００１〜
０．０５％、 を含有し、さらに、 Ａｌ，Ｃｕの内の１種または２種を合計で０．１〜５．
０％、を含有し、残りがＦｅと不可避不純物からなる組
成を有することを特徴とする高温特性のすぐれたフェラ
イト系耐熱鋳鋼。 - 【請求項５】 重量％で、 Ｃ：０．１〜０．２％、 Ｓｉ：０．１〜２％、 Ｍｎ：０．１〜２％、 Ｃｒ：１６〜２０％、 Ｍｏ：１．１〜２．４％、 Ｎｂ：０．３〜２．５
％、 Ｔａ：０．０１〜２．２％、 Ｌａ：０．００１〜
０．０５％、 を含有し、さらに、 Ｎｉ，Ｗ，Ｃｏの内の１種または２種以上を合計で０．
２〜５．０％、を含有し、さらに、 Ｂ，Ｚｒの内の１種または２種を合計で０．００２〜
０．１％、を含有し、残りがＦｅと不可避不純物からな
る組成を有することを特徴とする高温特性のすぐれたフ
ェライト系耐熱鋳鋼。 - 【請求項６】 重量％で、 Ｃ：０．１〜０．２％、 Ｓｉ：０．１〜２％、 Ｍｎ：０．１〜２％、 Ｃｒ：１６〜２０％、 Ｍｏ：１．１〜２．４％、 Ｎｂ：０．３〜２．５
％、 Ｔａ：０．０１〜２．２％、 Ｌａ：０．００１〜
０．０５％、 を含有し、さらに、 Ｎｉ，Ｗ，Ｃｏの内の１種または２種以上を合計で０．
２〜５．０％、を含有し、さらに、 Ａｌ，Ｃｕの内の１種または２種を合計で０．１〜５．
０％、を含有し、残りがＦｅおよび不可避不純物からな
る組成を有することを特徴とする高温特性のすぐれたフ
ェライト系耐熱鋳鋼。 - 【請求項７】 重量％で、 Ｃ：０．１〜０．２％、 Ｓｉ：０．１〜２％、 Ｍｎ：０．１〜２％、 Ｃｒ：１６〜２０％、 Ｍｏ：１．１〜２．４％、 Ｎｂ：０．３〜２．５
％、 Ｔａ：０．０１〜２．２％、 Ｌａ：０．００１〜
０．０５％、 を含有し、さらに、 Ｂ，Ｚｒの内の１種または２種を合計で０．００２〜
０．１％、を含有し、さらに、 Ａｌ，Ｃｕの内の１種または２種を合計で０．１〜５．
０％、を含有し、残りがＦｅと不可避不純物からなる組
成を有することを特徴とする高温特性のすぐれたフェラ
イト系耐熱鋳鋼。 - 【請求項８】 重量％で、 Ｃ：０．１〜０．２％、 Ｓｉ：０．１〜２％、 Ｍｎ：０．１〜２％、 Ｃｒ：１６〜２０％、 Ｍｏ：１．１〜２．４％、 Ｎｂ：０．３〜２．５
％、 Ｔａ：０．０１〜２．２％、 Ｌａ：０．００１〜
０．０５％、 を含有し、さらに、 Ｎｉ，Ｗ，Ｃｏの内の１種または２種以上を合計で０．
２〜５．０％、を含有し、さらに、 Ｂ，Ｚｒの内の１種または２種を合計で０．００２〜
０．１％、を含有し、さらに、 Ａｌ，Ｃｕの内の１種または２種を合計で０．１〜５．
０％、を含有し、残りがＦｅと不可避不純物からなる組
成を有することを特徴とする高温特性のすぐれたフェラ
イト系耐熱鋳鋼。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14948995A JP3252658B2 (ja) | 1995-05-24 | 1995-05-24 | 高温特性のすぐれたフェライト系耐熱鋳鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14948995A JP3252658B2 (ja) | 1995-05-24 | 1995-05-24 | 高温特性のすぐれたフェライト系耐熱鋳鋼 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08319545A JPH08319545A (ja) | 1996-12-03 |
| JP3252658B2 true JP3252658B2 (ja) | 2002-02-04 |
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ID=15476277
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|---|---|---|---|
| JP14948995A Expired - Fee Related JP3252658B2 (ja) | 1995-05-24 | 1995-05-24 | 高温特性のすぐれたフェライト系耐熱鋳鋼 |
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|---|---|
| JP (1) | JP3252658B2 (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN117305726B (zh) * | 2023-08-21 | 2024-07-12 | 北京首钢吉泰安新材料有限公司 | 一种耐热腐蚀钢合金及其制备方法与应用 |
-
1995
- 1995-05-24 JP JP14948995A patent/JP3252658B2/ja not_active Expired - Fee Related
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|---|---|
| JPH08319545A (ja) | 1996-12-03 |
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