JP3196501B2 - すぐれた高温強度および耐熱衝撃性を有するフェライト系耐熱鋳鋼 - Google Patents

すぐれた高温強度および耐熱衝撃性を有するフェライト系耐熱鋳鋼

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高温特性、特に高温
強度および耐熱衝撃性のすぐれたフェライト系耐熱鋳鋼
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばディーゼルエンジンの副燃
焼室の燃焼ガス出口側に位置する口金部材などの内燃機
関の構造部材の製造に、これが高温の燃焼ガスによる加
熱の繰り返しにさらされることから、高温特性を有する
各種のフェライト系耐熱鋳鋼、例えば特開平5−331
05号公報、特開平5−59498号公報、および特開
平5−171365号公報に記載されるフェライト系耐
熱鋳鋼が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の内燃機関
の高性能化および高出力化はめざましく、これに伴な
い、これの構造部材にはより一段の高温特性、特に高温
強度および耐熱衝撃性が要求される傾向にあるが、上記
の従来フェライト系耐熱鋳鋼においては、これらの特性
(高温強度および耐熱衝撃性)が不十分であるために、
必ずしもこれらの要求に満足に対応することができない
のが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、特に高温強度および耐熱衝撃性
のすぐれたフェライト系耐熱鋳鋼を開発すべく、研究を
行なった結果、重量%で[以下、%は重量%(質量%)
を示す]、 C:0.1〜0.2%、 Si:0.1〜2%、 Mn:0.1〜2%、 Cr:16〜20%、 Mo:1.1〜2.4%、 Nb:0.3〜2.5%、 Ta:0.01〜2.2%、 Zr:0.002〜0.1%、 B:0.005〜0.05%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成を有
するフェライト系耐熱鋳鋼は、すぐれた高温強度と耐熱
衝撃性を有するという研究結果を得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、以下にフェライト系耐熱鋳鋼の
成分組成を上記の通りに限定した理由を説明する。 (a) C C成分には、鋳造性を向上させるほか、炭化物を形成し
て高温強度および耐熱衝撃性を向上させる作用がある
が、その含有量が0.1%未満では前記作用に所望の効
果が得られず、一方その含有量が0.2%を越えると炭
化物の形成が過剰となって靭性が低下するようになるこ
とから、その含有量を0.1〜0.2%と定めた。
【0006】(b) Si Si成分には、溶湯に対して強力な脱酸作用を発揮する
ほか、鋳造性を向上させる作用があるが、その含有量が
0.1%未満では前記作用に所望の効果が得られず、一
方その含有量が2%を越えると耐酸化性が低下するよう
になることから、その含有量を0.1〜2%と定めた。
なお、望ましくは0.4〜1.0%の含有がよい。
【0007】(c) Mn Mn成分には、Siと同じく脱酸作用を発揮し、かつ鋳
造性を向上させる作用があるが、その含有量が0.1%
未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方その含
有量が2%を越えると、耐酸化性が低下するようになる
ことから、その含有量を0.1〜2%と定めた。なお、
望ましくは0.3〜0.9%の含有がよい。
【0008】(d) Cr Cr成分には、高温耐酸化性を向上させる作用がある
が、その含有量が16%未満では所望のすぐれた高温耐
酸化性を確保することができず、一方その含有量が20
%を越えると急激に脆化するようになることから、その
含有量を16〜20%と定めた。
【0009】(e) Mo Mo成分には、素地に固溶すると共に、炭化物を形成
し、もって高温強度および耐熱衝撃性を向上させる作用
があるが、その含有量が1.1%未満では前記作用に所
望の効果が得られず、一方その含有量が2.4%を越え
ると急激に靭性が低下するようになることから、その含
有量を1.1〜2.4%と定めた。なお、望ましくは
1.6〜2.2%の含有がよい。
【0010】(f) Nb Nb成分には、Moと同様に素地に固溶すると共に、炭
化物を形成して、高温強度と耐熱衝撃性を向上させる作
用があるが、その含有量が0.3%未満では前記作用に
所望の効果が得られず、一方その含有量が2.5%を越
えると耐熱衝撃性に低下傾向が現われるようになること
から、その含有量を0.3〜2.5%と定めた。なお、
望ましくは1.2〜1.9%の含有がよい。
【0011】(g) Ta Ta成分には、同じく素地に固溶すると共に、炭化物を
形成し、もってMoおよびNb成分との共存下で高温強
度と耐熱衝撃性を一段と向上させる作用があるが、その
含有量が0.01%未満では前記作用に所望の効果が得
られず、一方その含有量が2.2%を越えると靭性低下
が急激に発生するようになることから、その含有量を
0.01〜2.2%と定めた。望ましくは0.2〜1%
の含有がよい。
【0012】(h) Zr Zr成分には、高温耐酸化性を著しく向上させる作用が
あるが、その含有量が0.002%未満では所望の高温
耐酸化性向上効果が得られず、一方その含有量が0.1
%を越えると靭性劣化が発生するようになることから、
その含有量を0.002〜0.1%と定めた。なお、望
ましくは0.008〜0.05%の含有がよい。
【0013】(i) B B成分には、結晶粒界を強化すると共に、粒界炭化物を
微細化して靭性を向上させる作用があるが、その含有量
が0.005%未満では前記作用に所望の効果が得られ
ず、一方その含有量が0.05%を越えると高温強度が
低下するようになることから、その含有量を0.005
〜0.05%と定めた。なお、望ましくは0.01〜
0.02%の含有がよい。
【0014】
【実施例】つぎに、この発明のフェライト系耐熱鋳鋼を
実施例により具体的に説明する。通常の高周波誘導溶解
炉を用い、大気中にてそれぞれ表1,2に示される成分
組成をもった本発明フェライト系耐熱鋳鋼(以下、単に
本発明鋳鋼という)1〜18および比較フェライト系耐
熱鋳鋼(以下、同様に比較鋳鋼という)1〜4を溶製
し、これをロストワックス精密鋳造鋳型を用い、直径:
14mm×長さ:200mmの寸法をもった棒状鋳物に鋳造
した。
【0015】なお、比較鋳鋼1〜4は、いずれも構成成
分のうち高温強度と耐熱衝撃性に影響を及ぼす成分含有
量(表2に※印を付す)がこの発明の範囲から低い方に
外れた組成をもつものである。ついで、この棒状鋳物か
ら、直径:6mm×平行部長さ:32mmの寸法をもった試
験片を削り出し、この試験片を用いて、高温強度を評価
する目的で、830℃で引張試験を行ない、引張強さを
測定した。
【0016】また、同じく上記棒状鋳物から、直径:8
mm×長さ:16mmの寸法をもった試験片を削り出し、こ
の試験片の両端部を固定して完全拘束し、この状態で前
記試験片に、2分間で850℃に加熱し、850℃に4
分間保持した後、6分間放冷を1サイクルとする繰り返
し加熱を施し、前記試験片が破断するまでの加熱回数を
測定し、耐熱衝撃性を評価した。これらの測定結果を表
3に示した。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【発明の効果】表1〜3に示される結果から、本発明鋳
鋼1〜18は、いずれもすぐれた高温強度と耐熱衝撃性
を有することが明らかであり、一方比較鋳鋼1〜4に見
られるように、構成成分のうち高温強度および耐熱衝撃
性に影響を及ぼすC,Mo,Nb、またはTaの含有量
がこの発明の範囲から低い方に外れると所望のすぐれた
高温強度と耐熱衝撃性を確保することができないことが
明らかである。上述のように、この発明のフェライト系
耐熱鋳鋼は、高温強度と耐熱衝撃性にすぐれているの
で、これらの特性が要求される、例えば内燃機関の構造
部材として用いた場合に、苛酷な条件下での実用に際し
てもすぐれた性能を長期に亘って発揮するのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−100990(JP,A) 特開 昭62−151548(JP,A) 特開 昭55−107761(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 302 C22C 38/28 C22C 38/38

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%(質量%)で、 C:0.1〜0.2%、 Si:0.1〜2%、 Mn:0.1〜2%、 Cr:16〜20%、 Mo:1.1〜2.4%、 Nb:0.3〜2.5%、 Ta:0.01〜2.2%、 Zr:0.002〜0.1%、 B:0.005〜0.05%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成を有
    することを特徴とする、すぐれた高温強度および耐熱衝
    撃性を有するフェライト系耐熱鋳鋼。
JP12195594A 1994-05-11 1994-05-11 すぐれた高温強度および耐熱衝撃性を有するフェライト系耐熱鋳鋼 Expired - Fee Related JP3196501B2 (ja)

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