JPH08176349A - ゴム組成物 - Google Patents

ゴム組成物

Info

Publication number
JPH08176349A
JPH08176349A JP31995894A JP31995894A JPH08176349A JP H08176349 A JPH08176349 A JP H08176349A JP 31995894 A JP31995894 A JP 31995894A JP 31995894 A JP31995894 A JP 31995894A JP H08176349 A JPH08176349 A JP H08176349A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
styrene
weight
butadiene
butadiene copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31995894A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Inui
直樹 乾
Hideo Nagasaki
英雄 長崎
Hironobu Iyama
浩暢 井山
Kyoko Tsuta
京子 蔦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP31995894A priority Critical patent/JPH08176349A/ja
Publication of JPH08176349A publication Critical patent/JPH08176349A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タイヤの特にトレッドとして用いられるゴム
に、特定成分を配合することにより、転動抵抗の増大を
きたさずに、ゴムの低温特性の改良をはかる。 【構成】 天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン・
ブタジエン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム、アクリロ
ニトリル・ブタジエン共重合ゴム、イソプレン・イソブ
チレン共重合ゴムおよびエチレン・プロピレン・ジエン
共重合ゴムから選ばれるゴム成分に、式(I) (式中、Rは水素またはメチルであり、mは1〜14の
整数であり、nは0〜2mの整数である)で示されるフ
ッ素置換アルキル(メタ)アクリレート化合物を配合す
る。 【効果】 このゴム組成物は、タイヤが湿潤路面や雪上
または氷結路面を走行する際のブレーキ制動性を向上さ
せる。また、走行時の転動抵抗および強度特性も損なわ
れない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タイヤ用として好適な
ゴム組成物に関するものであり、さらに詳しくは、タイ
ヤに対して優れたウェットグリップおよびアイスグリッ
プ性能を付与させるのに好適なゴム組成物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車分野においては、省資源、
省エネルギーといった観点からの低燃費化とともに、走
行安定性およびブレーキ制動性、特に湿潤路面や雪上ま
たは氷結路面でのブレーキ制動性が重要な課題となって
きている。それに伴い、タイヤ用のゴム材料に対する要
求は一段と厳しいものに変化してきている。
【0003】かかるタイヤ用ゴム材料、それもタイヤト
レッド用ゴム材料に対する基本的な要求特性としては、
次のようなものが挙げられる。
【0004】(1)大きな静的荷重を支える必要上、一
定以上の物理的強度特性(引張物性、引裂強さ、硬度、
圧縮永久歪など)を有し、屈曲や伸長などの繰り返し応
力に対する破壊特性に優れ、さらに耐磨耗性に優れるこ
と、(2)低燃費化に対応して転動抵抗が小さいこと、
具体的には、加硫ゴムの動的粘弾性試験により周波数1
0〜100Hzで測定される損失係数(tanδ)が、50〜
80℃の温度領域で小さいこと、(3)湿潤路面におけ
るブレーキ制動性(ウェットグリップ性)および、雪上
または氷結路面におけるブレーキ制動性(アイスグリッ
プ性)に優れること。
【0005】従来、トレッドゴム材料へのこうした要求
に対して、例えば特開昭 54-62248号公報や特開昭 56-1
10753号公報に示されるように、溶液重合で得られるブ
タジエン単位中の1,2−結合含有量が高いポリブタジ
エンゴムまたはスチレン・ブタジエン共重合ゴムを原料
ゴムとして用いる手法が提案されている。また、特開昭
57-73030 号公報や特開昭 58-122939号公報に示される
ような、分子鎖中にスズ−炭素結合を有するポリブタジ
エンゴムまたはスチレン・ブタジエン共重合ゴムを原料
ゴムとして用いる手法、そして特開昭 62-96545 号公報
に示されるような、アミノ基含有ベンゾフェノン類、ラ
クタム類またはウレア類をポリマー鎖の末端に付加した
ポリブタジエンゴムまたはスチレン・ブタジエン共重合
ゴムを原料ゴムとして用いる手法も知られている。さら
に、特開昭 59-140241号公報や特開平 1-185342 号公報
に示されるような、表面官能基量、粒径分布、表面積、
ストラクチャーなどを制御したカーボンブラックを用い
る手法、特開昭 60-215402号公報に示されるようなニト
ロソ化合物や、特開平 1-247437 号公報に示されるよう
なジニトロジアミン化合物などの改質剤を配合する手法
も提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、これらの
改質ゴムをタイヤに適用したり、あるいは特定のカーボ
ンブラックや改質剤をタイヤ用ゴムに適用することが行
われてきている。しかしこうした従来の改質ゴム、カー
ボンブラックおよび改質剤は、低燃費化に対してはある
程度の効果を示すものの、近年厳しさを増しているアイ
スグリップおよびウェットグリップといったブレーキ制
動性に対しては十分でなく、低燃費化によりブレーキ制
動性が従来よりむしろ低下することもあるという、タイ
ヤの安全性能上憂慮すべき問題点がある。そこで、転動
抵抗を増大させることなく、ウェットグリップおよびア
イスグリップ性能を改良することが望まれていた。
【0007】このような背景から本発明者らは、50〜
80℃域での tanδを維持しつつ、湿潤路面および雪上
または氷結路面におけるタイヤのブレーキ制動性(ウェ
ットグリップ性およびアイスグリップ性)を向上させる
ことができ、転動抵抗とブレーキ制動性においてバラン
スのとれたゴム配合設計を開発すべく、鋭意研究を重ね
た結果、本発明に至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、天然
ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン・ブタジエン共重
合ゴム、ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタ
ジエン共重合ゴム、イソプレン・イソブチレン共重合ゴ
ムおよびエチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴムから
選ばれるゴム成分に、下記一般式(I)
【0009】
【0010】(式中、Rは水素またはメチルであり、m
は1〜14の整数であり、nは0〜2mの整数である)
で示されるフッ素置換アルキル(メタ)アクリレート化
合物を含有してなるゴム組成物を提供するものである。
【0011】また本発明は、上記のゴム成分に、前記一
般式(I)で示されるフッ素置換アルキル(メタ)アク
リレート化合物を配合することにより、強度特性の低下
および転動抵抗の増大を引き起こすことなく、タイヤの
ウェットグリップおよびアイスグリップ性能を向上させ
る方法を提供する。
【0012】一般式(I)で示されるフッ素置換アルキ
ル(メタ)アクリレート化合物は、フッ素置換された炭
素数1〜14の飽和脂肪族アルコールとアクリル酸また
はメタクリル酸とのエステルである。式中のmおよびn
は、上に定義した範囲内で任意の値をとることができる
が、入手の容易さも考慮すると、通常はnが1以上の化
合物、それも水酸基の結合する炭素原子上に1個または
2個の水素原子が残存し、他の炭素原子上に任意の数の
フッ素原子が置換している1級または2級アルコールの
エステルが用いられる。mが3以上の場合、Cmn
2m-n+1−で表されるフッ素置換アルキルは、直鎖状であ
っても分枝状であってもよい。
【0013】この化合物は例えば、フッ素置換飽和脂肪
族アルコールを、不活性溶媒中で塩基性化合物の存在下
に、アクリル酸またはメタクリル酸の塩化物と脱塩酸反
応させることにより、製造することができる。この際の
不活性溶媒としては例えば、脂肪族炭化水素やトルエン
のような芳香族炭化水素、クロロホルムのようなハロゲ
ン化脂肪族炭化水素、エーテルなどが用いられる。また
塩基性化合物としては例えば、トリエチルアミン、ピリ
ジン、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。
【0014】一般式(I)で示されるエステル化合物の
製造に用いることができるフッ素置換脂肪族アルコール
としては、例えば次のようなものが挙げられる。
【0015】2−フルオロエタノール、2,2,2−ト
リフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフ
ルオロプロパノール、2H−ヘキサフルオロ−2−プロ
パノール、1H,1H−ヘプタフルオロブタノール、1
H,1H,3H−ヘキサフルオロブタノール、2,2−
ビス(トリフルオロメチル)プロパノール、6−(パー
フルオロエチル)ヘキサノール、2−(パーフルオロブ
チル)エタノール、6−(パーフルオロブチル)ヘキサ
ノール、2−(パーフルオロヘキシル)エタノール、6
−(パーフルオロヘキシル)ヘキサノール、2−(パー
フルオロオクチル)エタノール、6−(パーフルオロオ
クチル)ヘキサノール、2−(パーフルオロドデシル)
エタノール、6−(パーフルオロ−1−メチルエチル)
ヘキサノール、2−(パーフルオロ−3−メチルブチ
ル)エタノール、6−(パーフルオロ−3−メチルブチ
ル)ヘキサノール、2−(パーフルオロ−5−メチルヘ
キシル)エタノール、2−(パーフルオロ−7−メチル
オクチル)エタノール、2−(パーフルオロ−9−メチ
ルデシル)エタノール、1H,1H,3H−テトラフル
オロプロパノール、1H,1H,5H−オクタフルオロ
ペンタノール、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプ
タノール、1H,1H,9H−ヘキサドデカフルオロノ
ナノールなど。
【0016】一般式(I)のフッ素置換アルキル(メ
タ)アクリレート化合物をゴムに添加する場合の形態と
しては、それぞれの化合物単体であってもよいし、複数
化合物の混合物であってもよいし、あるいは、ゴム物性
に影響を与えないクレー、シリカ、カーボンブラックの
ような担体と混合したものであってもよい。これらのフ
ッ素置換アルキル(メタ)アクリレート化合物は、配合
ゴムを製造する任意の段階で添加することができる。
【0017】ゴムの配合にあたって、一般式(I)で示
されるフッ素置換アルキル(メタ)アクリレート化合物
の使用量は特に限定されないが、一般には、ゴム100
重量部あたり0.1〜10重量部程度の範囲が好ましく、
より好ましくは1〜6重量部程度の範囲である。
【0018】本発明において使用するゴム成分は、天然
ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン
・ブタジエン共重合ゴム(SBR)、 ポリブタジエン
ゴム(BR)、アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴ
ム(NBR)、イソプレン・イソブチレン共重合ゴム
(IIR)またはエチレン・プロピレン・ジエン共重合
ゴム(EPDM)である。また、これらのなかから選ば
れる複数種のゴムのブレンドであってもよい。
【0019】なかでも、スチレンとブタジエンとを共重
合させて得られるスチレン・ブタジエン共重合ゴムを主
体とするもの、すなわちゴム成分のうちの少なくとも5
0重量%がスチレン・ブタジエン共重合ゴムであるもの
が、好ましく用いられる。このスチレン・ブタジエン共
重合ゴムは、乳化重合によって製造されたものおよび溶
液重合によって製造されたもの、いずれであってもよ
い。
【0020】スチレン・ブタジエン共重合ゴムのなかで
も好ましいものとしては、スチレン単位を10〜50重
量%含有し、かつブタジエン単位中に1,2−結合を2
0〜80重量%含有するものを挙げることができる。こ
こでいう1,2−結合とは、ブタジエンの重合により、
1,2−位で結合する部分と1,4−位で結合する部分
ができるが、これらブタジエンに起因する重合体単位の
うち、1,2−位で結合している部分をいい、ビニル体
とも呼ばれるものである。一般にスチレン・ブタジエン
共重合ゴムのなかでは、スチレン単位含有量の低いも
の、特にスチレン単位が20〜30重量%であるもの
が、より好ましい。
【0021】また別の好ましいスチレン・ブタジエン共
重合ゴムとしては、共重合体の重合末端に、アミノ基を
有するベンゾフェノン化合物を導入して変性したもの、
あるいは、スズまたはけい素でカップリングされたもの
などを挙げることができる。共重合体の重合末端に導入
されるアミノ基を有するベンゾフェノン化合物は、特に
下記一般式(II)で示されるものが好ましい。
【0022】
【0023】(式中、Qはメチルまたはエチルである)
【0024】これらのベンゾフェノン変性された、ある
いは、スズまたはけい素でカップリングされたスチレン
・ブタジエン共重合ゴムは、さらに次のような特性を有
するのが好ましい。
【0025】(A) 10〜30重量%のスチレン単位およ
び90〜70重量%のブタジエン単位を有し、(B) ブタ
ジエン単位中に20〜80重量%の1,2−結合を有
し、そして(C) ML1+4(100℃)で表されるムーニー
粘度が30〜80であるもの。
【0026】これらのベンゾフェノン変性された、また
はカップリングされたスチレン・ブタジエン共重合ゴム
は、上記一般式(I)のフッ素置換アルキル(メタ)ア
クリレート化合物を配合したとき、とりわけ優れた転動
抵抗ならびに、ウェットグリップおよびアイスグリップ
性能が付与されるので、好ましく用いられる。なお、ス
ズでカップリングされたスチレン・ブタジエン共重合ゴ
ムにおいては、スズ−ブタジエニル結合を有する分岐状
共重合体の割合が30重量%以上であることが一層好ま
しい。
【0027】これらのうち、ベンゾフェノン変性スチレ
ン・ブタジエン共重合ゴムは、例えば特開昭 59-197443
号公報、特開昭 60-8341号公報、特開昭 60-8342号公報
などに記載される公知の方法によって製造することがで
きる。すなわち、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物
を重合開始剤とする溶液重合法(いわゆるリビング重合
法)によりスチレンとブタジエンとを共重合させ、得ら
れる共重合体に前記一般式(II)で示されるベンゾフェ
ノン化合物を反応させることによって、製造することが
できる。重合温度は、目標とするミクロ構造により変化
しうるが、経済性および副反応の観点から、0〜150
℃程度が好ましい。ブタジエン単位中の1,2−結合量
は、エーテルまたは第三級アミンのごときルイス塩基を
用い、それらの種類や使用量を変化させることにより、
あるいは重合温度などを適宜選択することにより、調節
することができる。
【0028】変性反応に用いる前記一般式(II)で示さ
れるベンゾフェノン化合物の具体例は、4,4′−ビス
(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンおよび、4,4′−
ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンである。また、
このベンゾフェノン化合物の使用量は、重合末端リチウ
ム原子1当量に対し、0.2〜1.5当量程度の割合が好ま
しい。なお、破壊特性や転動抵抗性能の面から、前記一
般式(II)で示されるベンゾフェノン化合物を反応させ
る前に、重合末端の一部を、四塩化スズなどのカップリ
ング性化合物と反応させ、分岐状共重合体を含有させて
おくのも有効である。このような分岐状共重合体を形成
させる場合、四塩化スズなどのカップリング性化合物
は、ベンゾフェノン変性の効果を損なわない程度の量と
する必要があり、重合末端リチウム原子1当量に対し、
通常は0.01〜0.2当量程度の割合で用いられる。
【0029】また、スズまたはけい素でカップリングさ
れたスチレン・ブタジエン共重合ゴムは、例えば特開昭
63-308011号公報などに記載される公知の方法によっ
て、製造することができる。すなわち、炭化水素溶媒
中、有機リチウム化合物を重合開始剤として用いる溶液
重合法により、スチレンとブタジエンを共重合させて、
重合末端にブタジエニル−リチウム結合を有する共重合
体とし、次いで、ハロゲン化スズ化合物またはハロゲン
化けい素化合物にてカップリング反応させることによ
り、製造することができる。なお、共重合終了時に少量
のブタジエンを添加して、ブタジエニル−リチウム結合
を形成させるのが好ましい。
【0030】カップリング反応に用いる化合物として
は、 四塩化スズ、三塩化フェニルスズ、塩化トリブチ
ルスズなどのハロゲン化スズ化合物および、四塩化けい
素などのハロゲン化けい素化合物が挙げられ、特に四塩
化スズが好ましく用いられる。またブタジエン単位中の
1,2−結合量は、エーテルまたは第三級アミンのごと
きルイス塩基を用い、それらの種類や使用量を変化させ
ることにより、あるいは重合温度などを適宜選択するこ
とにより、調節することができる。重合温度は目標とす
るミクロ構造により変化しうるが、経済性および副反応
の観点から、0〜150℃程度が好ましい。カップリン
グ反応に用いるハロゲン化スズ化合物またはハロゲン化
けい素化合物の量は、重合末端リチウム原子1当量に対
し、0.08〜0.5当量程度の割合が好ましい。
【0031】溶液重合スチレン・ブタジエン共重合ゴム
の場合は、その他、テトラメチルウレアやテトラエチル
ウレアのようなウレア類、N−(N′,N′−ジメチル
アミノプロピル)アクリルアミドのようなアミノ基含有
不飽和化合物などの変性剤で分子修飾したものを用いる
こともできる。
【0032】本発明においては特に、上記のようなスチ
レン・ブタジエン共重合ゴム単独、あるいはスチレン・
ブタジエン共重合ゴムを主体とし、これに天然ゴム、ポ
リイソプレンゴムまたはポリブタジエンゴムをブレンド
したものが、好ましく用いられる。
【0033】本発明においてはまた、カーボンブラック
や、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、タルクなど、ゴ
ム工業で使用されている種々の補強材や充填材を配合す
ることもできるが、一般にはカーボンブラックが好まし
く配合される。カーボンブラックの種類は特に限定され
るものでなく、従来よりゴム工業で使用されている各種
のもの、すなわち、SAF、ISAF、HAF、FE
F、GPF、SRFなどを使用することができる。カー
ボンブラックやシリカなどの補強材や充填材を用いる場
合、その配合量は通常、ゴム100重量部あたり30〜
80重量部の範囲であり、好ましくは40〜60重量部
である。
【0034】また本発明においては、ゴム工業で通常使
用されている各種のゴム薬品、例えば、老化防止剤、イ
オウ、架橋剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、しゃっ解剤、
プロセス油、可塑剤などの1種または2種以上を、必要
に応じて従来と同様に併用してもよいことはいうまでも
ない。
【0035】かくして配合された本発明のゴム組成物
は、例えばタイヤの各種部材、特にトレッド部として好
ましく使用される。例えばこのゴム組成物をトレッド部
に適用し、タイヤ業界で通常行われている方法により成
形し、加硫工程を経て、タイヤが製造される。加硫は、
好ましくは80〜180℃程度の温度で行われる。
【0036】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらによって限定されるもので
はない。以下の例中、%および部は、特にことわりがな
いかぎり、それぞれ重量%および重量部を表す。
【0037】また、実施例で用いた供試化合物は次のと
おりであり、以下それぞれの記号で表示する。
【0038】A:1H,1H,3H−テトラフルオロプ
ロピル アクリレート B:1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル アク
リレート C:1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル メタ
クリレート D:2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル メ
タクリレート E:1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル メタ
クリレート
【0039】実施例1
【0040】
【表1】 〈配合処方〉 乳化重合スチレン・ブタジエン共重合ゴム(#1500) 100 部 N330カーボンブラック(HAF) 50 部 ステアリン酸 2 部 亜 鉛 華 5 部 芳香族系プロセス油 5 部 老化防止剤 2.5部 (N−フェニル−N′−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン) ワックス 1.5部 供試化合物 表2記載 加硫促進剤 1 部 (N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド) イ オ ウ 2 部
【0041】バンバリミキサーとして(株)東洋精機製
作所製の600mlラボプラストミルを用い、オイルバス
温度150℃で、上記配合処方に基づき、スチレン・ブ
タジエン共重合ゴム、カーボンブラック、ステアリン
酸、亜鉛華、芳香族系プロセス油、老化防止剤、ワック
スおよび供試化合物を投入し、50rpm のミキサー回転
数で5分間混練した。続いて50〜60℃の温度で、こ
の配合物に上記配合処方に示した加硫促進剤およびイオ
ウを添加し、混練した。混練後、加硫プレスにより16
0℃で25分間加硫したあと、以下の試験に供した。
【0042】ウェットグリップ性およびアイスグリップ
ポータブル・スキッド・レジスタンス・テスター(イギ
リスの D.S.I.R. ロード・リサーチ・ラボラトリー社
製)を用い、濡れた路面上および氷上を再現して評価し
た。値はブランクに対する指数として示すが、いずれも
値が大きいほどグリップ性能に優れることを意味する。
【0043】tanδの測定 (株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用
い、静的(初期)歪10%、動的歪振幅0.5%、周波数
10Hzの条件下、60℃における tanδを測定した。6
0℃における tanδは転動抵抗に対応し、値が小さいほ
ど転動抵抗の低下効果が大きいことを意味する。
【0044】引張試験 前記ゴム組成物から、 JIS K 6301 によるダンベル3号
の加硫ゴム試験片を作成し、これを用いて25℃で引張
試験を行い、引張強さおよび破断伸びを測定した。
【0045】これらの試験結果を、供試化合物の配合と
ともに表2に示した。
【0046】
【表2】
【0047】実施例2
【0048】(1) スズカップリングスチレン・ブタジエ
ン共重合ゴム(SBR−1)の合成
【0049】撹拌機およびジャケットの付いた反応器を
用い、窒素雰囲気下で、シクロヘキサン、1,3−ブタ
ジエン、テトラヒドロフランおよびスチレンを仕込み、
30℃に調整したあとn−ブチルリチウムを添加し、重
合を開始する。70℃まで昇温後、2時間重合を行い、
重合転化率100%に達したあと、少量の1,3−ブタ
ジエンを添加して重合末端をブタジエニルアニオンと
し、次いで四塩化スズを加え、70℃で30分間カップ
リング反応を行う。得られる共重合体溶液に2,6−ジ
−tert−ブチル−p−クレゾールを添加したあと、スチ
ームストリッピングにより脱溶媒し、さらに110℃の
熱ロールで乾燥することにより、共重合体を得る。得ら
れた共重合体のスチレン単位量および、ブタジエン単位
中の1,2−結合量は、赤外分光光度計を用いて測定す
る。また分岐状共重合体の割合は、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)によって測定された分
子量分布から、該当ピークの高さの相対比として求め
る。
【0050】以上の操作に従って、スチレン単位が24
%、ブタジエン単位中の1,2−結合量が35%、ムー
ニー粘度が55ML1+4(100℃)、分岐状共重合体の
割合が38%のスチレン・ブタジエン共重合ゴム(SB
R−1)を合成した。
【0051】(2) ゴム組成物の製造および試験
【0052】スチレン・ブタジエン共重合ゴムとして上
記で得られたSBR−1を用いるほかは、実施例1と同
様の実験を行った。供試化合物の配合および試験結果を
表3に示した。
【0053】
【表3】
【0054】実施例3
【0055】(1) ベンゾフェノン変性スチレン・ブタジ
エン共重合ゴム(SBR−2)の合成
【0056】撹拌機およびジャケットの付いた反応器を
用い、窒素雰囲気下で、シクロヘキサン、1,3−ブタ
ジエン、テトラヒドロフランおよびスチレンを仕込み、
30℃に調整したあとn−ブチルリチウムを添加し、重
合を開始する。70℃まで昇温後、2時間重合を行い、
重合転化率100%に達したあと少量の四塩化スズを加
え、70℃で15分間カップリング反応を行う。その後
4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを加
え、60℃で30分間変性反応を行う。得られる共重合
体溶液に2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを
添加したあと、スチームストリッピングにより脱溶媒
し、さらに110℃の熱ロールで乾燥することにより、
共重合体を得る。得られた共重合体のスチレン単位量お
よび、ブタジエン単位中の1,2−結合量は、赤外分光
光度計を用いて測定する。
【0057】以上の操作に従って、スチレン単位が24
%、ブタジエン単位中の1,2−結合量が34%、ムー
ニー粘度が45ML1+4(100℃)の変性スチレン・ブ
タジエン共重合ゴム(SBR−2)を合成した。
【0058】(2) ゴム組成物の製造および試験
【0059】
【表4】 〈配合処方〉 スチレン・ブタジエン共重合ゴム(SBR−2) 60 部 天然ゴム(RSS#3) 40 部 N326カーボンブラック 50 部 ステアリン酸 2 部 亜 鉛 華 2.5部 老化防止剤 2 部 (N−フェニル−N′−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン) 老化防止剤 1 部 (2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物) ワックス 1.5部 供試化合物 表5記載 加硫促進剤 1 部 (N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド) イ オ ウ 2 部
【0060】バンバリミキサーとして(株)東洋精機製
作所製の600mlラボプラストミルを用い、オイルバス
温度120℃で、上記配合処方に基づき、スチレン・ブ
タジエン共重合ゴム、天然ゴム、カーボンブラック、ス
テアリン酸、亜鉛華、老化防止剤、ワックスおよび供試
化合物を投入し、50rpm のミキサー回転数で5分間混
練した。続いて50〜60℃の温度で、この配合物に上
記配合処方に示した加硫促進剤およびイオウを添加し、
混練した。混練後、加硫プレスにより160℃で20分
間加硫したあと、実施例1と同様の試験を行った。供試
化合物の配合および試験結果を表5に示した。
【0061】
【表5】
【0062】
【発明の効果】本発明に従って、ゴムに、特定のフッ素
置換アルキル(メタ)アクリレート化合物を配合するこ
とにより、自動車が湿潤路面で走行するとき、および雪
上または氷結路面で走行するときの、タイヤのブレーキ
制動性(ウェットグリップ性およびアイスグリップ性)
を向上させることができる。またこの配合により、転動
抵抗の増大や加硫ゴムの強度物性の低下をきたすことも
ない。したがって、本発明のゴム組成物をタイヤの特に
トレッド部に適用すれば、湿潤路面や雪上、氷上での自
動車の加速性能やブレーキ性能と密接な関連をもつグリ
ップ性能に優れたタイヤとすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蔦 京子 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友化学工業株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン
    ・ブタジエン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム、アクリ
    ロニトリル・ブタジエン共重合ゴム、イソプレン・イソ
    ブチレン共重合ゴムおよびエチレン・プロピレン・ジエ
    ン共重合ゴムから選ばれるゴム成分に、下記一般式
    (I) (式中、Rは水素またはメチルであり、mは1〜14の
    整数であり、nは0〜2mの整数である)で示されるフ
    ッ素置換アルキル(メタ)アクリレート化合物を含有し
    てなることを特徴とするゴム組成物。
  2. 【請求項2】ゴム成分100重量部あたり、フッ素置換
    アルキル(メタ)アクリレート化合物を0.1〜10重量
    部含有する請求項1記載のゴム組成物。
  3. 【請求項3】ゴム成分が、スチレン・ブタジエン共重合
    ゴムを少なくとも50重量%含有する請求項1または2
    記載のゴム組成物。
  4. 【請求項4】ゴム成分が、10〜50重量%のスチレン
    単位を有し、そしてブタジエン単位中に20〜80重量
    %の1,2−結合を有するスチレン・ブタジエン共重合
    ゴムを少なくとも50重量%含有する請求項1または2
    記載のゴム組成物。
  5. 【請求項5】ゴム成分が、共重合体の重合末端に、一般
    式(II) (式中、Qはメチルまたはエチルである)で示されるベ
    ンゾフェノン化合物を導入することにより調製された変
    性スチレン・ブタジエン共重合ゴムであって、(A) 10
    〜30重量%のスチレン単位および90〜70重量%の
    ブタジエン単位を有し、(B) ブタジエン単位中に20〜
    80重量%の1,2−結合を有し、そして(C) ML
    1+4(100℃)で表されるムーニー粘度が30〜80で
    あるものを、少なくとも50重量%含有する請求項1ま
    たは2記載のゴム組成物。
  6. 【請求項6】ゴム成分が、スズまたはけい素でカップリ
    ングされたスチレン・ブタジエン共重合ゴムであって、
    (A) 10〜30重量%のスチレン単位および90〜70
    重量%のブタジエン単位を有し、(B) ブタジエン単位中
    に20〜80重量%の1,2−結合を有し、そして(C)
    ML1+4(100℃)で表されるムーニー粘度が30〜8
    0であるものを、少なくとも50重量%含有する請求項
    1または2記載のゴム組成物。
  7. 【請求項7】ゴム成分が、実質的にスチレン・ブタジエ
    ン共重合ゴムからなる請求項3〜6のいずれかに記載の
    ゴム組成物。
  8. 【請求項8】ゴム成分が、スチレン・ブタジエン共重合
    ゴムを主体とし、天然ゴム、イソプレンゴムおよびポリ
    ブタジエンゴムから選ばれる他のゴムとのブレンド系で
    ある請求項3〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
  9. 【請求項9】さらに、カーボンブラックを含有する請求
    項1〜8のいずれかに記載のゴム組成物。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組
    成物から製造されたタイヤ。
  11. 【請求項11】当該ゴム組成物をトレッド部に用いた請
    求項10記載のタイヤ。
  12. 【請求項12】天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレ
    ン・ブタジエン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム、アク
    リロニトリル・ブタジエン共重合ゴム、イソプレン・イ
    ソブチレン共重合ゴムおよびエチレン・プロピレン・ジ
    エン共重合ゴムから選ばれるゴム成分に対し、下記一般
    式(I) (式中、Rは水素またはメチルであり、mは1〜14の
    整数であり、nは0〜2mの整数である)で示されるフ
    ッ素置換アルキル(メタ)アクリレート化合物を含有せ
    しめることを特徴とするタイヤのウェットグリップおよ
    びアイスグリップ性能を向上させる方法。
JP31995894A 1994-12-22 1994-12-22 ゴム組成物 Pending JPH08176349A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31995894A JPH08176349A (ja) 1994-12-22 1994-12-22 ゴム組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31995894A JPH08176349A (ja) 1994-12-22 1994-12-22 ゴム組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08176349A true JPH08176349A (ja) 1996-07-09

Family

ID=18116153

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31995894A Pending JPH08176349A (ja) 1994-12-22 1994-12-22 ゴム組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08176349A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0693134A (ja) 優れたグリップ性能と転動抵抗を有するゴム組成物およびその製造方法
JP4921625B2 (ja) 変性ジエン系ゴム組成物
EP0916699B1 (en) Rubber composition
JP2604999B2 (ja) タイヤ
JP2009544806A (ja) 官能化ポリマー
JP4130127B2 (ja) 変性ゴム及びその製造方法と組成物
JP3711598B2 (ja) 変性ジエン系重合体ゴムの製造方法
JP2003155380A (ja) ゴム組成物
EP1221460B1 (en) End-modified diene copolymer and rubber composition for tire tread including the same
JP2001158836A (ja) ゴム組成物,油展ゴム及び空気入りタイヤ
EP3312205B1 (en) Polymer compound, method for preparing modified conjugated diene-based polymer by using same, and modified conjugated diene-based polymer
JP5066338B2 (ja) 変性共役ジエン系重合体を用いたゴム組成物及びタイヤ
JP4801827B2 (ja) 重合体、その製造方法、及びそれを用いたゴム組成物
JP2682148B2 (ja) ゴム組成物
JP2019508552A (ja) アミン化合物、これから由来された官能基を含む変性共役ジエン系重合体、及び変性共役ジエン系重合体の製造方法
JP4302547B2 (ja) 変性天然ゴムラテックス、変性天然ゴム及びそれらの製造方法
JPS6250349A (ja) 改善されたタイヤ用共役ジエン系ゴム組成物
JPH11199712A (ja) ゴム組成物
JP2002284930A (ja) 変性共役ジエン系重合体組成物
JP5116198B2 (ja) 変性ゴム及びその製造方法と組成物
JP4117136B2 (ja) ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JPH08183883A (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物およびその製造方法
JP4067391B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP4215883B2 (ja) ゴム組成物
JP2001131345A (ja) ゴム組成物,油展ゴム及び空気入りタイヤ