JPH08176216A - トナー組成物の製造方法 - Google Patents

トナー組成物の製造方法

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JPH08176216A
JPH08176216A JP7248010A JP24801095A JPH08176216A JP H08176216 A JPH08176216 A JP H08176216A JP 7248010 A JP7248010 A JP 7248010A JP 24801095 A JP24801095 A JP 24801095A JP H08176216 A JPH08176216 A JP H08176216A
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stabilized
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monomer
mixture
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JP7248010A
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Barkev Keoshkerian
ケオシュケリアン バーケフ
Michael K Georges
ケイ.ジョージス マイケル
Stephan V Drappel
ヴィー.ドラッペル ステファン
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Xerox Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モノマーからポリマーへの高い転化率と狭い
多分散性とを有する安定化熱可塑性樹脂を製造する重合
方法によるトナー組成物の製造方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも1つのフリーラジカル反応性
モノマーと、着色剤と、安定フリーラジカル反応性基を
含有する安定剤化合物と、液状ビヒクルと、を含む混合
物を形成する工程と、該混合物を加熱して前記モノマー
の重合を行う工程とを含み、前記着色剤を含む安定化コ
ア樹脂粒子が得られ、安定化コア樹脂粒子は、それに前
記安定フリーラジカル反応性安定剤化合物が直接結合す
ることにより安定化される、トナー組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般的に、インクジ
ェット印刷アプリケーションにおけるトナー組成物の製
造方法及び該トナー組成物の使用方法に関する。さらに
詳細には、本発明は、電子写真画像形成方法及びインク
ジェット印刷方法での使用に適した、立体(分子空間構
造)的及び/又は静電的に反応系中(in situ )で安定
化されたトナー組成物と安定化された顔料粒子を提供す
る方法に関する。本発明はまた、狭い分子量分布又は多
分散特性と狭い粒径分布とを有する安定化された樹脂粒
子生成物を製造する重合方法に関し、該重合方法は、モ
ノマーからポリマーへの高い転化率で進行する。本明細
書中で用いられる「安定化」なる用語は、周知の静電的
及び/又は立体的な固体−液体現象又はコロイド分散現
象をいう。具体例において、安定化樹脂粒子と安定化顔
料粒子はそれぞれ、反応系中でモノマー重合反応と顔料
カップリング反応により形成され、これらは、単離、精
製、及び分級等のさらなる処理工程を必要とせずに、選
択された液体ベースの画像形成アプリケーションにおい
て直接的に使用されることが可能である。本発明はま
た、具体例において、安定化樹脂粒子をモノマーから直
接的に製造すると共に、安定化顔料粒子を製造するため
に使用され得る狭い多分散性のホモポリマー及びコポリ
マーの「反応性乳化剤」の直接的な製造を可能とする疑
似リビング重合方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】興味ある特許としては;米国特許第5,
728,239号、米国特許第4,597,794号、
米国特許第4,846,893号、米国特許第4,47
6,210号、米国特許第5,281,261号、米国
特許第4,530,961号、米国特許第4,314,
931号、米国特許第4,581,429号、米国特許
第5,059,657号があげられる。
【0003】本発明の重合方法、熱可塑性樹脂生成物、
そして安定化樹脂と顔料粒子との配合物は多くの用途、
例えば、電子写真画像形成方法及び非電子写真画像形成
方法に用いられるトナー、液体浸透現像インク樹脂粒
子、及びインク噴射用のインクや性能添加物等を含む特
別な用途に有用である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、モノ
マーからポリマーへの高い転化率及び狭い分子量多分散
特性を有するジブロック及びマルチブロック樹脂と熱的
に不安定なフリーラジカル反応性乳化剤とを生成するた
めの重合方法を提供することである。
【0005】本発明の別の目的は、前述の熱的に不安定
な反応性乳化剤又は安定剤化合物をカーボンブラック等
の顔料粒子と直接反応させて、表面を変性され且つ分散
を安定化された顔料粒子を提供する、顔料安定化方法を
提供することである。
【0006】本発明のまた別の目的は、少なくとも1つ
のフリーラジカル反応性モノマーと、着色剤と、熱的に
不安定な共有結合された安定フリーラジカル反応性基を
含む安定剤化合物と、必要に応じて乳化剤と、必要に応
じて、モノマー内で溶解可能又は分散可能なポリマー樹
脂と、液状ビヒクルとを含む混合物を形成し、該混合物
を加熱してモノマーの重合を行い、着色剤を含む安定化
コア樹脂粒子を得て、この安定化コア樹脂粒子を、共有
結合された安定フリーラジカル及び安定フリーラジカル
反応性安定剤化合物残基により安定化することを含む、
安定化熱可塑性樹脂及びトナー樹脂粒子を製造するため
の重合方法を提供することである(前記反応性安定剤化
合物を形成する際には、フリーラジカル開始剤と安定フ
リーラジカル剤を別々の成分として加えると共に、それ
らが反応することを回避することが重要である)。
【0007】本発明のさらに別の目的は、立体的及び/
又は静電的に安定化された樹脂粒子を製造する方法を提
供することであり、該安定化された粒子は、後に熱的に
不安定になされたり、そうでなければ、例えば追加のモ
ノマーを添加して加熱し、表面の疎水性を変性された粒
子を提供する等、安定フリーラジカルを中間に用いた化
学反応を追加することにより、表面を変性されることが
できる。
【0008】本発明のまた別の目的は、インクジェット
(噴射)可能なトナー粒子、即ち、インクジェットの前
は熱的に安定であり、周知の手段により連続的に容易に
噴射され、次いで約25〜約150℃の温度にて熱手
段、照射手段、又は加圧手段により受け取り媒体に定着
されることのできるサーマルインクジェット用インク組
成物を生成する重合反応システムを提供することであ
る。
【0009】本発明のまた別の目的は、従来のフリーラ
ジカル重合反応を抑制するカーボンブラック等の顔料の
存在下で行われることの可能な重合反応システムを提供
することである。
【0010】本発明のまた別の目的は、望ましい潜伏度
(latency )、回復度、凝結力、中密度ラインエッジノ
イズ(MFLEN )即ちエッジのギザギザ、1インチ当り約
300〜600のスポット数の高解像度、耐色堅牢度、
耐水堅牢度、減少したスパタリング(spattering)、そ
して分散の安定性を有する定着画像を生成するための画
像形成方法及びインクジェット組成物を提供することで
ある。
【0011】本発明のまた別の目的は、狭い多分散特性
を有するジブロックコポリマー又はマルチブロックポリ
マーを含む反応性乳化剤又は安定剤化合物を製造するこ
とであり、ここで、ブロックのうち少なくとも1つは水
溶性であり、後の添加ブロック又はセグメントは部分的
又は全体的に非水溶性であり、またポリマーは、共有結
合され且つ熱的に不安定な安定フリーラジカル官能基を
含み、このようなことにより、十分に限定された多分散
性とHLB特性とを有すると共にさらなるフリーラジカ
ルの付加重合反応又はカップリング反応を行うことので
きる潜在的又はマスクドフリーラジカル末端官能基を含
む界面活性剤材料を製造する手段が提供される。
【0012】本発明のさらに別の目的は、約250,0
00より高く約500,000までの重量平均分子量を
有する高分子量のポリマー樹脂を製造するための有効な
手段を提供することである。該手段は、前述の安定フリ
ーラジカル重合方法に従って、約10,000〜約5
0,000、好ましくは約30,000の重量平均分子
量を有する安定フリーラジカルを末端基とする反応性乳
化剤化合物を製造して単離し、その後、単離された反応
性乳化剤化合物を、適量の追加のモノマーと反応させ
る。得られた安定フリーラジカルを末端基とするポリマ
ーは、実質的に一層高い分子量特性を保持し、実質的に
一層純粋であり、実質的により少ない時間内で得られ
る。この時間は、所定の温度範囲に対して、対応する新
規の重合方法よりも一層短い反応時間である。前述の2
段階の反応工程に付随する利点は、例えば約10〜約5
0重量%及びそれ以上の固体を有するより高い固体レベ
ル若しくは濃度で、本発明の粒子形成及び安定化方法を
行うことができることである。
【0013】本発明の重合方法を、バッチ、半連続的、
又は連続的な方法として実施することができる。該方法
は、モノマー又はモノマー混合物にて、約5〜約99重
量%の反応混合物を提供し、該方法を約100〜約18
0℃、好ましくは約120〜約140℃で行う。該方法
は、低い、又は中間の、又は高い分子量と、樹脂及び安
定剤化合物の狭い多分散性とを有するポリマー生成物及
び安定化粒子を生成する。
【0014】具体例では、本発明は、例えばフリーラジ
カル開始剤と、安定フリーラジカル剤と、少なくとも1
つの重合性フリーラジカル反応性モノマー化合物と、必
要に応じて溶媒とを含む混合物を加熱して、モノマーか
らポリマーへの高い転化率と狭い多分散性とを有する安
定化された単数又は複数の熱可塑性樹脂を形成すること
を含む、単数又は複数の安定化熱可塑性樹脂を製造する
ための単一ポット重合方法により、例えば約1.1〜約
1.8、好ましくは約1.1〜約1.5、そして最も好
ましくは約1.1〜約1.3という狭い多分散性のポリ
マー樹脂を形成することにより、従来技術の重合方法の
問題及び欠点を克服する。得られた安定化熱可塑性樹脂
は、本発明の重合方法の手順及び条件に依存して、そし
て本明細書中に示されるように、反応性乳化剤として有
用な前記中間的ポリマー生成物であり得ると共に、前記
安定化された樹脂粒子であり得る。
【0015】具体例では、本発明は、トナーとして使用
される単数又は複数の安定化熱可塑性樹脂を製造するた
めの重合方法を提供し、該重合方法は例えば、少なくと
も1つのフリーラジカル反応性モノマーと、着色剤と、
安定フリーラジカル反応性基、必要に応じて乳化剤、及
び必要に応じてポリマー樹脂(ここで該樹脂は前記モノ
マー中に溶解可能又は分散可能である)を含む立体的及
び/又は静電的安定剤化合物と、液状ビヒクルと、を含
む混合物を形成する工程;該混合物を加熱して前記モノ
マーの重合を行う工程;を含み、前記着色剤を含む安定
化コア樹脂粒子が得られ、安定化コア粒子は、それに共
有結合する前記安定フリーラジカル反応性安定剤化合物
により安定化される。
【0016】具体例において、本発明の方法を拡張し
て、例えば米国特許第5,412,047号で示される
ように、例えば、フリーラジカル開始剤、安定フリーラ
ジカル剤、及び少なくとも1つの重合性モノマー化合物
を含む第2混合物を前記単数又は複数の熱可塑性樹脂に
添加することにより、2モード(bimodal )又はマルチ
モード(multimodal)熱可塑性樹脂を形成することがで
きる。得られた熱可塑性樹脂の混合物は、2のモード性
を有する。例えば、3〜約20の高いモード性は、望ま
れる場合には、最終冷却及び単離ステップの前に、モノ
マー、フリーラジカル開始剤、及び安定フリーラジカル
剤の追加の新しい混合物を連続的に添加することによ
り、簡便に得ることができる。具体例で得られる樹脂
は、例えば、第1モノマーから誘導されたブロックと第
2モノマー混合物から生じた第2ブロックとを含む第1
セグメントを有するジブロックコポリマーを含む第1ホ
モポリマー生成物樹脂と、実質的には第2モノマー混合
物のみから誘導されたホモポリマーを含む第2生成物樹
脂と、の2モード混合物であることができる。
【0017】液状キャリアビヒクルと、樹脂、着色剤、
及び安定剤成分を含む安定化コア粒子とを含むインクジ
ェット可能なトナー組成物を、液体噴射手段により所定
のパターンで受け取り部材に噴射して画像を形成するこ
と;耐久性があり且つ高品質の画像が得られるように、
約40℃〜約150℃にて画像及び/又は受け取り部材
を加熱又は照射することにより、画像を受け取り部材に
定着すること;を含む画像形成方法がさらに提供され
る。
【0018】本発明の具体例では、液状キャリアビヒク
ルと、単数又は複数のコア樹脂、着色剤、必要に応じて
添加剤、及び少なくとも1つの安定フリーラジカル反応
性ポリマー安定剤化合物(この安定フリーラジカル反応
性ポリマー安定剤化合物は、樹脂粒子表面に実質的に共
有結合又は樹脂粒子コア中に埋め込まれる)を含むマー
キング粒子と、を含むトナー組成物が提供され、該トナ
ー組成物は、安定フリーラジカル反応性安定剤化合物
が、コア樹脂に本質的に化学結合又は共有結合された
(例えば、安定剤化合物の疎水性の末端が、疎水性のコ
ア樹脂粒子中に本質的に埋め込まれた)組成物である。
また、安定フリーラジカル反応性安定剤化合物が、式
(A−B−)−SFR又は(I−A−B)−SFR[式
中、Aは親水性ポリマー又はコポリマーセグメントであ
り、Bは疎水性ポリマー又はコポリマーセグメントであ
り、Iはフリーラジカル開始剤反応体残基を表し、−S
FRは、Bセグメントに共有結合した末端の熱的に不安
定な潜在的安定フリーラジカル官能基である]のブロッ
クコポリマーである組成物もまた、開示される。式(A
−B)−SFR又は(I−A−B)−SFRの安定フリ
ーラジカルブロックコポリマー化合物が、コア樹脂モノ
マーの存在下で加熱されると、式(A−B)n −C[式
中、Cはコアポリマー樹脂を表し、(A−B)は疎水性
ブロックセグメントBを介してコアポリマー樹脂に直接
的に結合した安定剤アダクトを表し、nは1〜約107
の整数又はコア樹脂の総重量に対する安定化材料の約1
5重量%までの整数であり、コアポリマー樹脂に結合し
たSFR反応性安定剤化合物から誘導されたポリマー安
定剤基の数を表す]の安定化マーキング粒子を生じる組
成物及び方法もまた、開示される。以上の説明及び記述
と、以下の記述に含まれる実施例から、式(I−A−
B)−SFR中のIとして示されるフリーラジカル開始
剤反応体残基が、別式(A−B)−SFRにおいて具体
化されるということが、当業者には容易に明らかである
と共に理解されよう。
【0019】水性液状ビヒクルと;少なくとも1つのポ
リマー又はコポリマー樹脂、着色剤、必要に応じて添加
剤、及び少なくとも1つのポリマー又はコポリマー安定
剤化合物(安定剤化合物は、親水性セグメント及び疎水
性セグメントを有するブロックコポリマーであり、ここ
で疎水性セグメントは、コアポリマー樹脂粒子に共有結
合されて、該コアポリマー樹脂粒子中に埋め込まれる)
を含む、約0.3〜約10μmの平均体積直径を有する
マーキング粒子と;を含むインク組成物が提供される。
【0020】本発明の具体例は、少なくとも1つのフリ
ーラジカル反応性顔料粒子と、共有結合された熱的に不
安定な潜在的安定フリーラジカル反応性基を含む前記式
(I−A−B)−SFRの安定剤化合物と、の混合物を
加熱して、安定化顔料粒子を生じること(安定化顔料粒
子は、これに直接結合された少なくとも1つの安定剤化
合物を有する);安定化顔料粒子と少なくとも1つのフ
リーラジカル反応性モノマーを懸濁液状ビヒクル中に分
散させてその後加熱し、安定化され且つ着色された樹脂
粒子を形成すること(安定化顔料粒子は疑似リビング
(pseudoliving)フリーラジカル種の所在場所及びソー
スを提供し、該疑似リビングフリーラジカル種は、フリ
ーラジカル反応性モノマーを重合すると共に、懸濁液状
ビヒクル中にある時に凝集又は沈殿しないように生成物
を安定化する);を含むトナー組成物の製造方法に関す
る。
【0021】使用される顔料に対する安定剤化合物の量
は、得られる安定剤顔料アダクトに望ましいレベルの安
定性を提供するように選択され、例えば顔料粒子の重量
の基づいて約10〜15重量%までの安定剤化合物であ
る。
【0022】本発明での使用に適した1つのクラスのモ
ノマーは、C3 −C6 モノエチレン系不飽和モノカルボ
ン酸と、周知のこのモノカルボン酸のアルカリ金属塩及
びアンモニウム塩である。C3 −C6 モノエチレン系不
飽和モノカルボン酸は、アクリル酸、メタクリル酸、ク
ロトン酸、ビニル酢酸、及びアクリルオキシプロピオン
酸を含む。
【0023】本発明に適した別のクラスのモノマーは、
4 −C6 モノチレン系不飽和ジカルボン酸並びに周知
のこのジカルボン酸のアルカリ金属塩及びアンモニウム
塩と、シスジカルボン酸の無水物である。適切な例は、
マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、メサコン
酸、フマル酸、及びシトラコン酸を含む。
【0024】選択される酸モノマーは、それらの酸形
態、又は酸のアルカリ金属塩若しくはアンモニウム塩の
形態で存在し得る。モノマー酸を中和するのに有用であ
る適切な塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウ
ム、及び水酸化カリウム等を含む。酸モノマーを0〜5
0%のレベル、好ましくは0〜約20%のレベルに中和
することが可能である。例えば、適切な塩基の化学量論
的な量又は過剰モル量を用いて、カルボン酸官能基(−
CO2 H)を、対応するカルボン酸塩(−CO2M)
[ここでMは、Li、Na、K、Rb、NR4 の群から
選択されたアルカリ金属塩又はアンモニウム塩であり、
Rは、0〜20の炭素原子を有する水素原子、アルキ
ル、アルケニル、アルキルアリール、アリール、及び同
様の対イオンの群から選択される]に完全に転化する
等、カルボン酸モノマーを完全に中和された形で用いる
のが、更に好ましい。
【0025】重合性モノマーは、モノエチレン系不飽和
カルボン酸のないモノマーを含む。適切なモノエチレン
系不飽和カルボン酸のないモノマーは、カルボン酸モノ
マーと共重合することができる。適切なモノエチレン系
不飽和カルボン酸のないモノマーは;アクリル酸又はメ
タクリル酸のアルキルエステル;アクリル酸又はメタク
リル酸のヒドロキシアルキルエステル;アクリルアミ
ド;アクリロニロリル;N−ビニルピロリドン;スチレ
ン;ヒドロキシル化スチレン;スチレンスルホン酸及び
その塩;ビニルスルホン酸及びその塩;2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパン−スルホン酸及びその塩;ジ
アリルジアルキル第四アンモニウム塩;であることがで
きる。
【0026】具体例において、本発明のモノマー、ポリ
マー、及びコポリマーを、互いから又は重合反応混合物
から、例えば溶媒沈殿冷却、反応媒体のpHを例えば約
7〜4に変更すること、又は他の周知の従来の分別技法
により、分別することができる。
【0027】重合反応において、前記モノマー及びコモ
ノマーを反応体の総重量の5〜95重量%の量で使用す
ることができる。
【0028】本発明の方法に選択された適切な開始剤の
例としては、例えば重合温度で少なくとも1秒の半減期
を有するあらゆる従来のフリーラジカル開始剤が含まれ
る。開始剤は、反応温度で好ましくは約10秒から約2
時間、さらに好ましくは約10秒から約10分の半減期
を有する。別の具体例において、好ましい加熱プロファ
イルは;開始剤を反応混合物に添加し、次いで約5分か
ら約5時間、好ましくは約30分から約2時間で約80
〜約90℃に加熱して、開始剤を単数又は複数のモノマ
ーと完全に反応させ、次いで約120〜140℃にて約
1〜約20時間加熱し、モノマーの重合を完了するよう
にする。かかる開始剤は、酸素、過酸化水素、ある種の
アルキルヒドロペルオキサイド、ジアルキルペルオキサ
イド、ペルエステル、ペルカーボネート、ペルオキサイ
ド、過硫酸塩及びアゾ開始剤を含む。開始剤は通常、総
重合性モノマーの重量に基づいて、約0.05〜約33
%の量で使用される。低いガラス転移温度の樹脂粒子を
製造するための好適な範囲は、総重合性モノマーの約
0.5〜約20重量%である。開始剤を約0.001〜
約0,005重量%の量で選択すると、得られるポリマ
ー粒子の約500,000より高く約700,000ま
での重量平均分子量を得ることができる。好適な具体例
では、中分子量の安定フリーラジカルを末端基とする安
定剤化合物をまず形成し、次いで追加のモノマーを含む
第2混合物に添加して、狭い多分散性を有する高分子量
のポリマーを得ることが可能である。レドックス開始剤
の使用も可能である。レドックス開始剤は、総モノマー
の重量に基づいて0.05〜16%の量で、そして好ま
しくは総モノマーの重量の約0.5〜約5重量%の量
で、添加されることが可能である。かかる開始剤が用い
られる場合、そのレベルは最小にすることが好ましい。
【0029】選択される安定フリーラジカルは、本発明
の目的を達成することのできるあらゆる周知の安定フリ
ーラジカル剤とすることが可能である。フリーラジカル
反応モノマーの重合の調整に使用するのに適した安定フ
リーラジカル化合物の例は;2,2,6,6−テトラメ
チル−1−ピペリジニルオキシフリーラジカル(TEM
PO);4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ル−1−ピペリジニルオキシフリーラジカル;2,2,
5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシ;3−
カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロ
リジニルオキシ;及びジ−t−ブチル窒素酸化物;を含
む。前記安定フリーラジカル及び関係する誘導体は、非
常に多様な異なるモノマータイプ及びコモノマーの重合
を調整する目的に対して満足できるものであるが、アク
リレートモノマーのホモ重合で使用される場合には全く
効果がない。安定フリーラジカル4−オキソ−2,2,
6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ(4−
オキソ−TEMPO)は、アクリレートホモポリマー
と、熱可塑性ポリマーを含むホモポリマーアクリレート
の形成に対して、有効である。安定フリーラジカル剤
は、総重合性モノマーの重量に基づいて約0.05〜約
35%の量で選択される。好適な範囲は、総重合性モノ
マーの約0.5〜25重量%であり、略同等のモル量
で、又は好ましくは選択されるフリーラジカル開始剤の
量を僅かに越えるモル量で、使用される。
【0030】適切なフリーラジカル化合物は、例えば米
国特許第5,264,204号及び第5,179,21
8号、そしてエル.ビー.ボロダースキー(L. B. Volo
darsky)らによる「安定ニトロキサイドの合成化学(Sy
nthetic Chemistry of Stable Nitroxides)」(CRC
出版、1993年、ISBN:0−8493−4590
−1)により、周知である。
【0031】本発明のモノマーは、多様な重合反応媒体
中で重合されることができる。反応混合物は、他の反応
体、試薬、コモノマー、着色剤、及び必要に応じて溶媒
若しくは稀釈剤とのバランスで、約95〜約98重量
%、最も好ましくは約25〜約85重量%のフリーラジ
カル反応性モノマーを含むことが可能である。
【0032】本発明の重合反応を溶媒又は共溶媒を用い
て補い、所望によりモノマー転化の間、反応混合物を均
質な単一フェーズ(相)に確実に維持することを助力す
ることができる。溶媒媒体が、全重合反応を完了した後
まで反応体若しくはポリマー生成物の沈殿又はフェーズ
分離を回避する溶媒系を可能とするのに有効であれば、
あらゆる溶媒又は共溶媒を選択することができる。反応
溶媒は、例えば蒸発速度又は揮発性、モノマーの溶解度
等の、得られる配合物における望ましい特性に依存し
て、液状ビヒクルとして選択される溶媒と同じか又は異
なることが可能である。例示的な溶媒又は共溶媒は、ポ
リマー生成物を溶解する又は容易に分散させる、ポリマ
ー生成物と相溶性の溶媒又は貧溶媒であり、例えば脂肪
族アルコール、グリコール、エーテル、ポリアルキレン
グリコール等と、これらの誘導体と、これらの混合物が
含まれる。特定の例は、エチレングリコール、グリセリ
ン、ジプロピレングリコール、テトラヒドロフラン等
と、これらの混合物を含む。水と水溶性又は水混和性の
有機液体との混合物を反応媒体として選択すると、水対
共溶媒の重量比は、典型的には約100:0〜約10:
90の範囲であり、好ましくは約97:3〜約25:7
5である。
【0033】重合温度は、約75℃〜約180℃、好ま
しくは約110℃〜約175℃、そしてさらに好ましく
は約120℃〜約140℃であることが可能である。約
100℃未満の温度では、反応速度は遅くなり、酸又は
塩基促進添加化合物の援助なしに工業的に実行不可能で
ある。180℃を越える温度では、モノマーからポリマ
ーへの転化率は低下し、不確実で望ましくない副生成物
が形成される。しばしば、かかる副生成物はポリマー混
合物を変色し、副生成物を除去するために精製ステップ
が必要となったり、副生成物が処理しにくかったりす
る。
【0034】溶媒と共溶媒との混合物を反応媒体として
使用することができるので、高温の重合は、高圧で動作
するように備えられた重合反応器を選択することが好ま
しい。
【0035】本明細書で示される数平均分子量は、特に
他に記載がなければ、例えば、水溶性ポリマーに対して
はポリエチレンオキサイド標準物を、有機溶解性ポリマ
ーに対してはポリスチレン標準物を用いて、ゲル透過ク
ロマトグラフィーにより測定される。
【0036】本発明は、具体例において以下のように幾
つかの利点を提供する。
【0037】本発明の方法を用いて、選択されるモノマ
ー/コモノマー系に依存して、そしてフリーラジカル開
始剤モル濃度に対する安定フリーラジカル剤の比率を変
えることにより、ポリマー生成物の多分散性を、約1.
0から約2.0又は所望によりより高い値の間で、そし
て好ましくは約1.0〜約1.5までの間で、変更する
ことができる。本発明の重合方法条件を安定フリーラジ
カル(SFR)添加物を用いずにモノマーにより行う
と、例えば約2より高く3までのかなり広い分子量の樹
脂が得られ、転化率及び転化範囲は、具体例における本
発明のものより小さくなる。
【0038】アクリレート又はアクリレートエステルホ
モ重合生成物が望まれると共に、バルク、溶液、水性若
しくは有機乳濁液、サスペンション、フェーズトランス
ファー、又は反応性押出を含む多様な反応媒体中で反応
を実行することができる場合には、オキソ置換窒素酸化
物の安定フリーラジカル剤を使用することが可能であ
る。
【0039】ポリマーを形成するためのモノマー又はモ
ノマーの混合物の反応の間に、反応時間を、約1〜60
時間、好ましくは約2〜10時間、そして最適には約3
〜7時間にわたって変更することができる。温度、反応
の量及び規模、選択された重合開始剤及び安定フリーラ
ジカル剤の量及びタイプ、そして相対モノマー反応性に
依存して、最適反応時間を変更することができる。経済
的な又は簡便な規模で、生成品樹脂を単に添加、混合、
反応、単離、及び配合することのできるあらゆるサイズ
に反応容量を選択することが可能である。
【0040】フリーラジカル開始剤は、不飽和性モノマ
ーのフリーラジカル重合方法を開始できるあらゆるフリ
ーラジカル重合開始剤とすることができ、過酸化ベンゾ
イル等の過酸化物開始剤、過硫酸カリウム等の過硫酸塩
開始剤、及びアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ開始
剤等を含む。使用される開始剤の濃度は、重合されるモ
ノマーの総重量の約0.001〜約20重量%であると
共に、樹脂の所望の分子量により決定される。使用され
るモノマーの重量若しくはモル当量に比例して開始剤濃
度が減少するにつれて、その分子量又は熱可塑性樹脂生
成物は一般的に増加する。
【0041】周知の水溶性のフリーラジカル開始剤を本
発明の方法において必要に応じて使用することができ、
水溶性フリーラジカル開始剤は、伝統的に水性重合に使
用されているものである。
【0042】好適な開始剤は、約60〜95℃にて1時
間の半減期を、そして50〜80℃にて10時間の半減
期を有するものである。幾分高い1時間の半減期/温度
の関係を有するペルエステル及び過酸等の他の過酸化物
も、それらが三級アミン等の促進剤化合物を伴う場合に
は、使用されることが可能である。
【0043】特に好ましいフリーラジカル開始剤は、ア
ゾビスアルキルニトリル及びジアロイルペルオキサイド
化合物である。
【0044】重合される水溶性モノマーは、水、又は極
性プロトン性若しくは非プロトン性有機溶媒の水又は水
性混合物中に溶解することができる。得られる水溶液は
通常、上に規定されたように、過酸化物若しくは過硫酸
塩等の適切な水溶性フリーラジカル発生開始剤を含む。
以下に規定されるように、フリーラジカル開始剤及び安
定フリーラジカル剤に比例して有効な量で、単数又は複
数のモノマーを使用する。
【0045】本発明の重合条件下では、安定フリーラジ
カル剤は、通常の高反応性及び見境のない生長中間フリ
ーラジカルポリマー鎖種を利用するために、禁止剤とし
てではなく調節剤として機能する。安定フリーラジカル
剤は好ましくは、1つ以上のフェーズが最初に存在する
場合に、主に全モノマー重合が起こるモノマーフェーズ
に溶ける。限られたモノマー溶解度を有する安定フリー
ラジカル剤も使用可能ではあるが、モノマー混和性共溶
剤が必要かもしれない;さもなければ、かかる安定フリ
ーラジカル化合物は予測外の重合方法をもたらす傾向が
ある。安定フリーラジカル剤がモノマーフェーズからか
なりの程度まで分離すると、次に安定フリラジカル剤と
フリーラジカル開始剤と生長フリーラジカルポリマー鎖
種のモル比間の所望のバランスが狂う可能性がある。
【0046】モノマーフェーズに存在する安定フリーラ
ジカル(SFR)剤対フリーラジカル開始剤(INT)
のモル比は、約0.5〜5.0、好ましくは約0.4〜
4.0の範囲である。理論により制限されることを望ま
ないが、具体例では、例えば4−オキソTEMPOの安
定フリーラジカル剤対例えばAIBNのフリーラジカル
開始剤のモル比[SFR:INIT]は、約2.0であ
り、このモル比はこの方法を成功させるために重要であ
ると思われる。[SFR:INIT]が高すぎると、反
応率(速度)は著しく抑制される。[SFR:INI
T]が低すぎると、反応生成物は望ましくなく増大した
多分散性を有する。アクリル酸又はアクリル酸エステル
化合物が本発明の方法の安定フリーラジカル剤を用いず
にポリアクリレート誘導体に重合されると、単離された
生成物ポリマーが2.0以上の多分散性を有することを
留意されたい。好適な安定フリーラジカルは、前記TE
MPOであり、またアクリル酸ホモポリマーが望ましい
場合には、オキソ−TEMPOであり、好適な開始剤と
してベンゾイル過酸化物が使用される。
【0047】具体例において、モノマー含有量対安定フ
リーラジカル剤対フリーラジカル開始剤のモル比は、約
6.0:0.2:1.0から約10,000:2.5:
1.0であり、好ましくは約125:2.0:1.0か
ら約7,000:1.3:1.0である。
【0048】本発明の方法は具体例において、選択的に
低い、中間の、及び高いモノマーからポリマーへの転化
率又は重合度を提供し、例えば90重量%以上を有する
ことが好ましい。
【0049】狭い多分散性特性を有する低い重量平均分
子量樹脂生成物を、本発明の中間及び高い分子量生成物
もまたそうであるように連鎖移動剤を用いずに得ること
が可能である。
【0050】本明細書中で規定され且つ示されるよう
に、本発明の方法は具体例において、約2,000〜約
500,000の大きさの範囲の比較的高い重量平均分
子量であると共に、狭い多分散性を提供し且つ高い転化
率を有する生成物を提供する。
【0051】具体例において、モノマーの重合反応速度
は抑制されたり加速されたりすることができ、また反応
時間は、燐酸、硫酸、塩酸、樟脳スルホン酸、及び安息
香酸等の少量のプロトン酸を添加することにより、影響
を受ける。添加される酸は、多様な反応変数及び反応条
件に依存して、重合速度に強く影響したり、殆ど影響し
なかったりする。安定フリーラジカル剤に比較して等モ
ル量を越えて無機酸及び有機酸が過剰に添加されると、
樹脂の多分散性を広げることになる。具体例では、プロ
トン酸ソースは、安定フリーラジカル剤かフリーラジカ
ル開始剤化合物かのいずれかの中に含まれる酸官能基で
あり得る。
【0052】重合反応を60℃未満から80℃までの温
度に冷却することにより、安定フリーラジカル調節重合
方法は効果的に制御又は停止される。約100℃より高
く約120℃までの温度に加熱しながら、モノマー、安
定フリーラジカル、及び開始剤を含む混合物を新たに即
ち次々と添加することにより、狭い分子量分布を有する
新しい疑似リビングポリマー種が得られ、それぞれの新
しいポリマー種は、既に確立された他のポリマー種から
独立して生長し続け、これにより、水溶性でも非水溶性
でもよい、十分に限定された狭い多分散性の2モード
(bimodal )とマルチモード(multimodal)のポリマー
の混合物を形成する能力が、提供される。
【0053】あるいは、各所望のブロックが形成された
後に、単数又は複数の新しいモノマーを添加し、更なる
開始剤若しくは安定フリーラジカル剤を添加することな
く新しいブロックを形成することにより、ブロックコポ
リマー樹脂を製造することができ、ここで各ブロック成
分は、長さが十分に限定され、狭い分子量分布を有し、
反復シーケンスと組み込みのために選択されるモノマー
とに依存する特性を有し、例えば、第2の又は続いて添
加されるブロックは、水溶性でも非水溶性でもよい。第
1形成熱可塑性樹脂の形成に続いて添加されるモノマー
は、水溶性でも非水溶性でもよい。添加されるモノマー
及び得られるポリマーセグメントの水溶度特性の賢明な
選択により、例えば、反応性乳化剤若しくは安定界面活
性剤、樹脂相溶化剤、粘度調整剤、及び高効率の乳化剤
として有用である狭い多分散性を有するブロックコポリ
マー及びマルチブロックコポリマーへの簡便な合成ルー
トが可能となる。
【0054】本発明のポリマー生成物を、例えばジビニ
ルベンゼン等のような周知の架橋剤、カップリング剤、
又は硬化剤を用いて、反応系内(in situ )で又は別の
後重合方法ステップで必要に応じて架橋することができ
る。
【0055】例えば着色剤、滑剤、剥離若しくは移動
剤、界面活性剤、安定剤、消泡剤、及び酸化防止剤等
の、重合反応及び粒子形成反応を妨げない周知の追加の
添加剤を、必要に応じて重合反応に使用することもでき
る。
【0056】単一モードの樹脂の別々の混合物(即ち十
分に限定されたマルチモードの分子量分布となってい
る)を有するインク及び乾式トナー配合樹脂は、その具
体例において、とりわけ電子写真用のインクジェット可
能タイプの可融(可溶)トナー組成物に対して幾つかの
利点、例えば、向上した流動性や弾性を含むメルトレオ
ロジー(melt rheology )特性と、粒子の摩擦帯電、混
合速度、潜伏度、回復度により測定される向上したイン
ク噴射性能、及び保存寿命安定性等の性能改良特性、と
いった利点を提供することが可能である。
【0057】図面に関しては、式(I−A−B)−SF
Rの前記反応性乳化剤化合物を混合して加熱する等多く
の周知の方法により、トナー組成物を製造することがで
き、図1を参照すると、樹脂粒子1は、その表面上にフ
リーラジカル反応性二重結合5を有すると共に、必要に
応じて着色剤を有する。フリーラジカル反応性二重結合
は例えば、水素原子、アルキル、アリール、アルキルア
リール、カルボニル、オレフィン及びハロゲン化物等の
群から選択される(但しこれらに限定されない)置換基
を有する二重結合を含む。前記二重結合5を反応性乳化
剤化合物と反応させて得られる安定化樹脂粒子2は、反
応性乳化剤残基7及び8のフリーラジカル添加により、
飽和結合6に添加される。安定化樹脂粒子2は、安定フ
リーラジカル(SFR)基を有する飽和結合における置
換基が、アリール、アルキルアリール、カルボニル、オ
レフィン及びハロゲン化物を含む群から選択される場合
には、約100℃より高く120℃までの温度に加熱す
ることにより、さらに表面を変性されることができる:
好ましくは、非溶解性懸濁液中に、追加の単数又は複数
のフリーラジカル反応性モノマーを連続的に又は混合物
として追加することにより、図1及び図2で示されるよ
うに、例えばモノマーC及びDから誘導された補足的な
付加物9を有する安定化樹脂粒子3が得られる。追加の
モノマーを連続的に添加する場合には、(C)−(D)
ブロックコポリマー付加物が得られる。追加のモノマー
を混合物として添加する場合には、(C−D)の形態の
ランダムコポリマーが生じ、そのランダム性は、それぞ
れのモノマーの相対反応性比に左右される。あるいは具
体例では、反応性乳化剤(I−A−B)−SFRを、図
2のように必要に応じて着色剤10の存在下で単数又は
複数のフリーラジカル反応性モノマーと直接反応させる
ことが可能であると共に、図3で示されるように必要に
応じて本発明の安定化着色剤アダクト又は粒子と反応さ
せることが可能である。ここで、具体例では、着色剤1
0はカーボンブラック等の着色剤又は顔料であり、加熱
とは、120℃〜160℃のことをいう。得られた安定
化顔料粒子及び安定化樹脂粒子は、粒子に付着する反応
性安定剤化合物の選択と構成とに依存して、水又は油に
分散可能である。
【0058】さらに具体例では、安定化を行う量の反応
性乳化剤と共に反応性顔料粒子を適切に加熱することに
より安定化顔料粒子を製造する方法が提供される。図3
で示されるように、得られた安定化顔料粒子をさらに、
フリーラジカル反応性モノマーと必要に応じて樹脂と混
合して加熱し、モノマーを顔料粒子に重合することがで
き、この顔料粒子を初期樹脂及び樹脂粒子と相溶化さ
せ、分散させることにより、樹脂粒子は均一性の高い顔
料粒子の分散とカラー品質特性を有するように着色され
る。
【0059】他の具体例では、安定フリーラジカル(S
FR)表面基を有する安定化樹脂及び顔料粒子を、モノ
マーのないままにプロトン酸の存在下で、又は光分解に
より加熱し、SFR表面基を効果的に切り離すことによ
って、SFR表面基を実質的に有さない安定化樹脂及び
顔料粒子を提供することができる。前記酸による処理
は、熱的に且つ光化学的に不安定な潜在的フリーラジカ
ル官能性を粒子表面から取り除くことにより、安定化樹
脂及び顔料粒子に強化された熱的及び化学的安定性を導
入するための単純な手段をもたらす。
【0060】インク組成物は例えば、本発明の方法によ
り得られた水溶性のスチレンスルホネート等のポリマー
懸濁液を、マグネタイト、カーボンブラック、シェブロ
ンオイル(Chevron oil )及びコンデュテックスSC
(CONDUTEX SC )からのアセチレンブラック(ACETYLEN
E BLACK )(商標名)のような表面処理されたカーボン
ブラック、及びそれらの混合物、及び他の着色顔料、又
はそれらの混合物等の、使用される総モノマー及び樹脂
の約0.5〜約15重量%の量の顔料粒子と共に、ユニ
オンプロセスから入手できる01磨砕機(Attritor)等
の磨砕デバイス中で混合して加熱し、形成されたインク
組成物を該デバイスから取り出す等、多くの周知の方法
により製造されることができる。冷却した後、例えば、
約0.10μm未満、好ましくは約0.03〜約0.0
8μmの中点の体積直径を有する顔料の分散液を得るた
めに、必要に応じてインク組成物を0.8μmのフィル
ターを介して濾過する(該直径はホリバ(HORIB
A)粒子サイザーで測定する)。トナー組成物を冷却し
た後、必要ではないが所望により、例えば、約25μm
未満、好ましくは約6〜12μmの中点の体積直径(vo
lume median diameter)[その直径はクルターカウンタ
ー(Coulter Counter )により決定される]を有するト
ナー粒子を得る目的でスタートバント(Sturtevant)超
微粉砕機を用いて、トナー組成物を粉砕する。所望によ
り、例えば乾式トナーマーキング用として使用するため
に、例えば約4μm未満の中点の体積直径を有するトナ
ー粒子であるトナー微粉(fines )を取り除く目的で、
必要に応じてドナルドソンモデルB(Donaldson Model
B )分級機を用いてトナー組成物を分級することもでき
る。
【0061】本発明のトナー及びインク現像剤組成物用
に選択される適切なトナー及びインク樹脂及び副樹脂
(co-resins )の例としては、ポリアミド、スチレンア
クリレート、スチレンメタクリレート、スチレンブタジ
エン、そして2つ以上の周知のモノマーのホモポリマー
及びコポリマーを含むビニル樹脂が含まれる。他の樹脂
との混合物中に使用される好ましいトナー樹脂は、スチ
レンブタジエンコポリマー、及びその混合物等を含む。
【0062】濃厚な液体トナー及びインク組成物におい
て、マーキング粒子は、例えば約10〜約90重量%の
十分な、しかし有効な量で存在する。従って、例えば1
重量%の帯電強化添加剤が存在する場合には、約10重
量%のカーボンブラック等の顔料若しくは着色剤が含ま
れ、約89%の樹脂が選択される。また、帯電強化添加
剤は、必要に応じて顔料又は顔料樹脂粒子にコーティン
グされる。コーティングとして使用される場合には、帯
電強化添加剤は約0.1〜約5重量%、好ましくは約
0.3〜約1重量%の量で存在する。
【0063】流動促進添加剤を含む外的添加剤粒子を本
発明のトナー組成物とブレンドすることもでき、この添
加剤粒子は、通常トナー組成物の表面に存在する。かか
る添加剤の例には、アエロジル(AEROSIL )(商標名)
等のコロイダルシリカ、金属塩、並びにステアリン酸亜
鉛、酸化アルミニウム、酸化セリウム、及びそれらの混
合物を含む脂肪酸の金属塩が含まれ、添加剤は一般に、
約0.1〜約5重量%の量、好ましくは約0.1〜約1
重量%の量で存在する。
【0064】さらに本発明に関して言えば、アエロジル
等のコロイダルシリカを、約1〜約30重量%の量、好
ましくは約10重量%の量の帯電強化添加剤により表面
処理し、そしてその後に、表面処理されたコロイダルシ
リカを0.1〜約10重量%の量、好ましくは0.1〜
約1重量%の量でトナーに添加することができる。
【0065】また、アライド・ケミカル・アンド・ペト
ロライト・コーポレイション(Allied Chemical and Pe
trolite Corporation )から商業的に入手可能なポリプ
ロピレン及びポリエチレン等の低分子量のワックスをト
ナー組成物中に含むことができる。本発明で有用なポリ
エチレン及びポリプロピレン組成物の多くは、英国特許
第1,442,835号に示されている。
【0066】低分子量のワックス材料は、必要に応じて
本発明のトナー組成物又はポリマー樹脂粒子中に種々の
量で存在するが、一般的にはこれらのワックスは、約1
〜約15重量%の量、好ましくは約2〜約10重量%の
量でトナー組成物中に存在し、具体例ではフューザーロ
ールの離型剤として機能し得る。
【0067】本発明の具体例では、インク及び得られる
現像画像が、約5秒〜約2,000秒の潜伏度(latenc
y )と、約50秒〜約2,000秒の回復度を有する、
インクジェット可能なトナー組成物とその画像形成方法
が提供される[ここで、潜伏度は、印字ヘッドが100
マイクロセカンド未満の(印字ヘッドと用紙の間の)移
動時間を維持することのできる時間と定義され、回復度
は、印字ヘッドが100マイクロセカンド未満の復帰移
動時間を維持することのできる時間であると定義され
る]。得られた現像され定着された画像は具体例におい
て、約1〜約10、好ましくは約1〜約3のMFLEN
として知られる中密度のラインエッジノイズ(ラインの
ギザギザ度とも呼ばれる)を有する。
【0068】乾式現像剤組成物の配合に関して言えば、
トナー粒子はキャリア成分と混合され、該キャリア成分
は詳細には、摩擦電気的にトナー組成物の極性と反対の
極性を帯びることのできるものである。従って、キャリ
ア粒子は、正に帯電されたトナー粒子がキャリア粒子に
付着してその回りを囲むことができるように、負の極性
を有するように選択される。キャリア粒子の例は、鉄
粉、スチール、フェライト等を含む。選択されるキャリ
ア粒子はコーティングを伴っても伴わなくても使用され
ることが可能であり、該コーティングは一般に、スチレ
ン、メチルメタクリレート、及びシランのターポリマー
を含む。コーティングの重量は様々であることが可能だ
が、約0.3〜約2重量%、好ましくは約0.5〜約
1.5重量%のコーティング重量が選択されるのが一般
的である。
【0069】本発明のトナー及びインク組成物は、安定
化トナー樹脂粒子を、従来の着色剤化合物、必要に応じ
て安定化顔料粒子又は着色剤、そして必要に応じて帯電
強化添加剤と押出溶融ブレンドして機械的に磨砕(attr
ition )する等の周知の手段により、前記系内で粒子を
直接的に単離することを含む多くの周知の方法で製造さ
れることができる。他の方法としては、スプレー乾燥、
溶融分散、エマルション凝集及び押出処理等の当該技術
でよく知られる方法が含まれる。
【0070】正又は負に帯電することのできる慣用の受
光体(例えば感光体)を含む静電写真画像形成装置にお
いて使用するためにトナー及び現像剤組成物を選択する
ことができる。
【0071】トナー組成物を製造した後、前述のような
理由のために必要ではないと思われるが、トナー粒子
が、約5〜約25μm、更に好ましくは約8〜約12μ
mの好ましい平均直径を有することができるように、ト
ナー組成物を必要に応じて噴射して分級してもよい。ま
た、トナー組成物は好ましくは、周知の帯電分光写真器
(charge spectrograph )により測定して約0.1〜約
2フェムトクーロン/μmの摩擦帯電を有する。
【0072】また、本発明の樹脂から製造されるトナー
組成物は、具体例において約0.1〜約5重量%の帯電
強化添加剤が存在することにより、望ましい狭い帯電分
布、即ちファラデーケージ(Faraday Cage)方法により
測定して約10〜約40μC/g、更に好ましくは約1
0〜約35μC/gの帯電摩擦電気値を有すると共に、
帯電分光写真器で測定して15秒未満、いくつかの具体
例では更に好ましくは約1〜14秒の速い混合帯電時間
を有する。
【0073】以下に実施例を示すが、部及び%は特に示
されていない限り、重量を表す。
【0074】
【実施例】
[実施例I] 安定フリーラジカル反応性基を含むポリスチレンスルホ
ネート/ポリスチレンブロックコポリマーの製造 エチレングリコール(97.5%)の水溶液に、スチレ
ンスルホン酸ナトリウムモノマー(100g、0.48
6モル)、TEMPO(19.6g、0.126モ
ル)、及び亜硫酸水素ナトリウム(8.1g)を添加し
た。この混合物を固体が溶解するまでアルゴン下で油浴
中で50℃にて加熱し、次いで過硫酸カリウム(16.
2g、0.6モル)を添加した。溶液を2.5時間この
温度に維持し、次いで加熱(120℃)して4.5時間
還流した。溶液を約80℃まで冷却した後、該溶液をア
セトン/メタノール(1.4リットル、7:3)の溶液
に添加し、ペースト状にした。上澄みをデカントして、
1リットルのアセトンを加えた。この混合物を10分攪
拌して、得られた沈殿物を濾過し、アセトン、ヘキサン
により洗浄し、次いで乾燥させて83.8gのポリマー
を得た。ポリ(スチレンスルホネート)−TEMPOの
中間ポリマーの分子量は、シマズ(Shimadzu)ゲル透過
クロマトグラフ(溶離液として水性ナトリウムニトレー
ト)で測定して、Mw=8,722であり、1.35の
多分散性を有していた。
【0075】エチレングリコール(40g)に約10g
の上記ナトリウムのポリ(スチレンスルホネート)とス
チレンモノマー(10g)を添加した。この溶液を13
0℃に加熱して、6時間この温度に維持した。この溶液
を冷却して、アセトン(350ml)に添加した。得られ
た沈殿物を濾過して、アセトンで二度、そしてヘキサン
で二度洗浄した。乾燥後、Mw=11,250g、P.
D.=1.19を有する13gのポリ(ナトリウム ス
チレンスルホネート−b−スチレン)−TEMPOコポ
リマーが、スチレンモノマーからコポリマーへの約65
%の重量転換率で得られた。
【0076】[実施例II] 着色された樹脂粒子エマルションの製造 PARR反応器中で実施例Iで製造された2gのブロッ
クコポリマーに、水(100ml)、スチレンモノマー
(18g)、及びブルー油溶性染料(5g、BASFLURAFI
X BLUE )を添加した。この二相系を強く攪拌し、13
0℃に加熱した。この混合物を5時間120℃〜130
℃に維持し、冷却し、次いで0.7μmのフィルターを
通して濾過すると、インクジェット可能な液体トナーと
して有用なブルーに着色された樹脂粒子エマルションを
含む濾液が得られた。
【0077】[実施例 III] インクジェット可能なトナーの評価 実施例IIの濾過されたエマルションを、ヒューレット−
パカード(Hewlett−Packard)社から入
手できるHewlett−Packard(HP)サー
マルインクジェット(TIJ)プリンタHP500C型
で使用されるインクとして評価した。トナーを噴射し、
画像を150℃にてリフューザー(refuser )で定着さ
せた。得られた画像の光学濃度(O.D)、耐水堅牢
度、及び含水汚染を、定着の前(即ち加熱前)と定着
(150℃の加熱)の後の両方で濃度計(densitomete
r)を用いて測定した。その結果を下の表1で示す。
【0078】画像を加熱して受け取り媒体に定着させた
後、その定着された画像が水及び含水汚染に対して高い
抵抗力があり、従来の乾式トナーにより定着されたゼロ
グラフィック(静電写真)画像の耐水堅牢度及び含水汚
染に匹敵するものであるということが、光学濃度の結果
により示された。
【0079】
【表1】
【0080】[実施例IV] 安定化カーボンブラック懸濁液の製造 実施例Iのポリ(スチレンスルホネート)−TEMPO
の第1形成中間ポリマー(Mw=8,722、多分散性
1.35)4gを、2kgの440Cステンレススチール
ショットと220gの97%水性エチレングリコールを
含む磨砕機に攪拌しながら添加した。磨砕機をオイル加
熱ジャケット付磨砕機を用いて100℃に加熱した。カ
ーボンブラック[20g、コロンビアケミカルズ(Colu
mbia Chemicals)のRAVEN5750]を1分間にわ
たって添加し、130℃に加熱し続けた。7時間磨砕し
続け、次いで25℃まで冷却し、得られた安定化カーボ
ンブラック顔料ペーストを上記ショットから吸い出し
た。250gの水で上記ショットを二度洗浄することに
より、ショットから残留物を回収した。結合した水性分
散液を4000回転/分で40分間遠心分離した。上澄
みを捨てた。沈殿物を水(350g)中に再分散させ、
次いで20分間超音波処理した。この分散液を再び遠心
分離(20分、4000回転/分)し、上澄みを0.7
μmのフィルターを通して濾過し、次いで約5mlの水で
すすいで、移転分離を完了した。水中に懸濁した安定化
カーボンブラック粒子を含む18.1gの固体を含有す
る354gが濾過から得られた。不活性化され、安定化
されたカーボンブラック粒子の水中分散液を、インク配
合物を製造するためのストック懸濁液として使用した。
【0081】水性インクジェットトナーの配合 75gの上記ストック懸濁液に、20gのエチレングリ
コール、3gのイソプロピルアルコール、及び2gの水
を添加した。このインク配合物により、4.5重量%の
最終のカーボンブラック添加量が得られる。このインク
配合物をインクジェット印字ヘッドシミュレーターにて
次のように検査した;光電気的計測器を用いてその噴射
される液滴の飛び方(飛行力)を観測し、相対的な液滴
サイズ、速度、及び他の液滴の特性を測定して記録し
た。測定された潜伏度は、300s.p.i.の印字ヘッド構
造シミュレーションを用いて1,000秒より大きいも
のであった。
【0082】[実施例 V] 高い重量平均分子量のポリ(スチレンスルホネート)−
TEMPOを末端基とする安定剤化合物(PSS−T)
の製造 100ml丸底フラスコに、スチレンスルホン酸ナトリウ
ム塩モノマー(10g、0.0486モル)、TEMP
O安定フリーラジカル(1.52g、0.00972モ
ル)、NaHSO3 フリーラジカル開始剤(0.65
g)、及び促進剤としての安息香酸(300mg)を入れ
た。これに31gのエチレングリコールと8gの水を加
えた。この溶液を1時間70℃に加熱し、次いで1.5
時間加熱して還流させた。次にポリ(スチレンスルホネ
ート)−TEMPOを末端基とする中間分子量の反応性
安定剤化合物を含有する6ml(約10容量%)の前記反
応溶液を、エチレングリコール/水(320g/80
g)混合物中に含まれるスチレンスルホン酸ナトリウム
塩モノマー(100g、0.486モル)溶液の第2溶
液に添加した。この混合物を2.5時間還流温度にて加
熱し、次いでメタノール/アセトンの混合物に注入し、
乾燥後に88gのポリマー生成物を87%の収率で得
た。PSS−Tポリマー生成物を分析したところ、Mw
=216,690、Mn=162,259という分子量
特性と、1,34という多分散性(Mw/Mn)を有す
ることが判明した。
【0083】[実施例VI]中間分子量のTEMPOを末
端基とする安定剤化合物を含有する1ml(2容量%未
満)の第1形成反応混合物をモノマーの第2溶液に添加
するということ以外、実施例V を繰り返すと、約50
0,000以上の評価重量平均分子量と1.5未満の多
分散性(即ち約1.4)とを有する最終のPSS−Tポ
リマー生成物を得る。
【0084】[実施例VII ]中間分子量のTEMPOを
末端基とする安定剤化合物を含有する0.1ml(0.2
容量%未満)の第1形成反応混合物をモノマーの第2溶
液に添加した以外、実施例V を繰り返すと、最終のPS
S−Tポリマー生成物が約700,000の重量平均分
子量と2.0以上の多分散性を有するという結果を得
た。
【0085】[実施例VIII] 無着色樹脂粒子のエマルションの製造 1.0gの反応性ブロックコポリマー、ポリ(スチレン
スルホネート−b−スチレン)−TEMPOに、水(1
00ml)、スチレン(12.1g)、及びドデシルベン
ジルスルホン酸(0.30g)をPARR反応器中に添
加した。得られた二相系を高剪断力ミキサーにより1分
間乳化した。PARR反応器を窒素によりパージし、密
閉し、次いで45分にわたって125℃に加熱した。高
速攪拌しながらこの温度を6時間維持した。反応器を冷
却し、エマルションを取り出した。反応の収率は、反応
剤の重量に基づいて59重量%(固体)であった。SE
Mにより測定した粒径は約10〜約100nmであった。
エマルションを室温に置いても、沈降、相分離、又は凝
集等は長時間にわたって何も見られなかった。
【0086】磁性トナーの製造及び評価 実施例Iの安定フリーラジカル重合方法により得られた
両親媒性のジブロックポリマー樹脂(全混合物の74重
量%)を、10重量%のリーガル(REGAL)330
(商標名)カーボンブラックと16重量%のマピコブラ
ック(MAPICO BLACK、商標名)マグネタイ
トと共に120℃で溶融押出し、押出物をワーリングブ
レンダー(Waring blender)内で微粉砕し、それを8μ
mの数平均サイズ粒子に噴出することができる。0.1
2gの1:1の重量比のアエロジルR972(商標名)
(デグッサ(Degussa) )とTP−302のナフタレンス
ルホネート及び四級アンモニウム塩(Nachem/Hodogaya
SI)電荷調整剤で、噴出されたトナー(2g)を表面処
理することにより、正に帯電する磁性トナーを製造する
ことができる。
【0087】次に、前記トナー組成物3.34重量部
を、ポリビニリデンフルオライドであるカイナー(KY
NAR、商標名)70重量%と、ポリメチルメタクリレ
ート30重量%とを含有するポリマー混合物を上に有す
るスチールコアを含むキャリア96.66重量部と混合
することにより、現像剤組成物を製造することができ;
コーティング重量は約0.9%である。
【図面の簡単な説明】
【図1】反応乳化剤と、表面にフリーラジカル反応サイ
トを有するように予め形成された樹脂粒子との反応を用
いて、本発明の安定化樹脂粒子を製造するための例示ス
キームを示す。
【図2】本発明の安定化樹脂着色粒子を製造するための
例示スキームを示す。
【図3】本発明の安定化顔料及び樹脂粒子を製造するた
めの例示スキームを示す。
【符号の説明】
1 樹脂粒子 2 安定化樹脂粒子 3 安定化樹脂粒子 5 フリーラジカル反応性二重結合 6 飽和結合 7、8 反応性乳化剤残基 9 付加物 10 着色剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マイケル ケイ.ジョージス カナダ国 オンタリオ州 エヌ1ジー 3 エヌ8 ゲルフ アイロンウッド ロード 384 (72)発明者 ステファン ヴィー.ドラッペル カナダ国 オンタリオ州 エム5エヌ 1 エックス4 トロント グレングローブ アヴェニュー ウェスト 451

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つのフリーラジカル反応性
    モノマーと、着色剤と、安定フリーラジカル反応基を含
    有する安定剤化合物と、液状ビヒクルとを含む混合物を
    形成する工程と、前記混合物を約75〜約200℃に加
    熱して、前記モノマーの重合を行う工程と、を含み、前
    記着色剤を含む安定化コア樹脂粒子が得られ、該安定化
    コア樹脂粒子が、該コア粒子に前記安定フリーラジカル
    反応性安定剤化合物が直接結合することにより安定化さ
    れる、ことを特徴とするトナー組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 コアポリマー樹脂粒子と、共有結合され
    る熱的に不安定な安定フリーラジカル反応性基を含む少
    なくとも1つの安定剤化合物と、必要に応じて液状ビヒ
    クルとの混合物を加熱して、安定化トナー粒子を得る工
    程を含み、前記コア粒子が必要に応じて着色剤を含むこ
    とを特徴とするトナー組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも1つのフリーラジカル反応性
    顔料粒子と、共有結合された熱的に不安定な安定フリー
    ラジカル反応性基を含む反応性安定剤化合物と、の混合
    物を加熱して、立体的に安定化され、必要に応じて静電
    的に安定化された不活性化顔料粒子を得る工程、ここで
    該安定化顔料粒子は、直接結合された少なくとも1つの
    安定剤化合物を有する、と;前記安定化された不活性化
    顔料粒子と少なくとも1つのフリーラジカル反応性モノ
    マーとを懸濁液状ビヒクル中に分散させてその後加熱
    し、安定化顔料粒子を含む安定化樹脂粒子を形成する工
    程と;を含み、前記安定化顔料粒子が、フリーラジカル
    反応性モノマーを重合する疑似リビングフリーラジカル
    種の所在場所及びソースを提供することを特徴とするト
    ナー組成物の製造方法。
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