JPH08174871A - レーザ昇華型プリンタ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像に色ずれを生じず、美しい印字が得られ
るレーザ昇華型プリンタ装置を提供する。 【構成】 ドラムの周面に受像面１ａが上向きとなるよ
うに巻付けられると共に、この受像面１ａにインク面２
ａを密着させてレーザ昇華型のインクリボン２が設けら
れ、これら受像紙１とインクリボン２をドラムの回転に
より走行させる回転ドラム３と、この回転ドラム３の回
転軸と平行なリードねじ８上を往復動しながら印字デー
タに基づいてレーザ光をインクリボン２に照射し、該イ
ンクリボン２のインクを昇華させて受像紙１に転写し記
録する記録ヘッド４を備える。そして、この記録ヘッド
４を、印字データの記録を行う際に、常に印字開始位置
よりも手前から移動を開始するように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、レーザ光を熱に交換
（以下、これを光熱交換という。）して得られた熱によ
りインクリボンのインクを昇華し、これを受像紙に転写
して印字を行うレーザ昇華型プリンタ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、レーザ光を用いた昇華型熱転写記
録方式は、次のような原理からなる。例えば、図４に示
すように、透明なベースフィルム１０１の一主面に赤外
線吸収染料及び昇華性染料からなる染料層１０２を形成
したインクリボン１０３を、該染料層１０２が印字用紙
である受像紙１０４の受像面１０４ａと対向するように
当該受像紙１０４に対して密着させる。

【０００３】そして、印字データに基づいて半導体レー
ザ１０５から出射せしめたレーザ光Ｌを、レンズ１０６
等からなる光学系で集光及び結像した後、インクリボン
１０３のベースフィルム１０１を介して染料層１０２に
照射する。

【０００４】すると、染料層１０２の赤外線吸収染料が
レーザ光Ｌを光熱交換せしめ、その熱により昇華性染料
が受像紙１０４の受像面１０４ａに転写される。その結
果、受像紙１０４に印字がなされることになる。

【０００５】インクリボン１０３には、この他、図５に
示すようにベースフィルム１０１と染料層１０２の間に
カーボン層１０７を設け、そのカーボン層１０７におい
てレーザ光Ｌを光熱変換し、得られた熱で昇華性染料を
受像紙１０４の受像面１０４ａに転写するように構成し
たものが使用できる。

【０００６】または、図６に示すように、カーボンを含
有するベースフィルム１０８の一主面に昇華性染料から
なる染料層１０２を設け、該ベースフィルム１０８にお
いてレーザ光Ｌを光熱変換し、得られた熱で昇華性染料
を受像紙１０４の受像面１０４ａに転写するように構成
したものも使用できる。

【０００７】この昇華型熱転写記録方式を採用したプリ
ンタ装置としては、例えば図７に示すように構成された
ものが提案されている。かかるプリンタ装置は、ある程
度の大きさの画像を印字するのに適するように構成され
たもので、インクリボン１０３と受像紙１０４をドラム
周面に巻き付けて主走査を行う回転ドラム１０９と、印
字データに基づいてレーザ光Ｌをインクリボン１０３に
対して照射する記録ヘッド１１０とを有してなる。

【０００８】回転ドラム１０９は、図中矢印Ａで示す方
向に回転しながら、その周面に巻付けられた受像紙１０
４とインクリボン１０３を送るようになっている。記録
ヘッド１１０は、レーザ光Ｌを出射する半導体レーザ１
０５と、この半導体レーザ１０５から出射されたレーザ
光Ｌをインクリボン１０３面上に結像する結像レンズ１
０６とを有し、これらが同一の筐体１１１内に収納され
た構成とされている。

【０００９】記録ヘッド１１０は、レーザ光Ｌをインク
リボン１０３面上に結像させるようなポジションを維持
しながらリードねじ１１２により、図中矢印Ｂで示すイ
ンクリボン１０３の幅方向に往復動するようになされて
いる。そして、この記録ヘッド１１０では、その往復動
の際に半導体レーザ１０５から出射されたレーザ光Ｌを
インクリボン１０３面上で走査させるようにしている。

【００１０】また、図８に示すプリンタ装置では、半導
体レーザ１０５のみをリードねじ１１２に取付けられた
筐体１１１とは別の筐体１１３に収納し、これら結像レ
ンズ１０６と半導体レーザ１０５とを光ファイバケーブ
ル１１４で結ぶように構成してもよい。なお、半導体レ
ーザ１０５と光ファイバケーブル１１４との間には、半
導体レーザ１０５から出射されたレーザ光Ｌを光ファイ
バケーブル１１４に入射させるための集光レンズ１１５
を設ける。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な昇華型熱転写記録方式を用いたプリンタ装置によって
フルカラーの画像を得るためには、イエローＹ、マゼン
タＭ、シアンＣの各色によるインクリボンを順次交換し
て３回印字動作を行う必要がある。

【００１２】このとき、各色画像データの記録位置にず
れを生じないようにすることが重要で、もしも位置ずれ
が生じると色ずれの原因となり美しい画像が得られな
い。

【００１３】ところが、リードねじ１１２と記録ヘッド
１１０の間にはメカニズム上、必ずガタが存在する。こ
のため、画像記録に伴って記録ヘッド１１０を移動する
ためにリードねじ１１２を回転させて行き、その後記録
ヘッド１１０をもとの位置に戻すために同量だけ逆方向
に回転しても、記録ヘッド１１０はガタ分だけずれた位
置で停止し、正しくもとの位置に戻らない。その結果、
画像に色ずれが生じ、画像品位が低下する。

【００１４】そこで本発明は、かかる従来の有する課題
を解決すべく提案されたものであって、画像に色ずれが
無く、美しい印字が得られるレーザ昇華型プリンタ装置
を提供することを目的とする。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明に係るレーザ昇華
型プリンタ装置は、ドラムの周面に受像面が上向きとな
るように巻付けられると共に、この受像面にインク面を
密着させてレーザ昇華型のインクリボンが設けられ、こ
れら受像紙とインクリボンをドラムの回転により走行さ
せる回転ドラムと、この回転ドラムの回転軸と平行なリ
ードねじ上を往復動しながら印字データに基づいてレー
ザ光をインクリボンに照射し、該インクリボンのインク
を昇華させて受像紙に転写し記録するレーザ照射部とを
備えた構成である。そして、このプリンタ装置では、印
字データの記録を行う際に、レーザ照射部を常に印字開
始位置よりも手前から移動を開始するように制御する。

【００１６】

【作用】本発明に係るレーザ昇華型プリンタ装置では、
レーザ照射部が印字データの記録に際して、印字開始位
置よりも常に手前から移動を開始するように制御される
ので、リードねじは常に一方向に押し付けられた形で回
転し、該リードねじのガタによる印字位置のずれが回避
される。

【００１７】

【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて図面を参照しながら詳細に説明する。

【００１８】本実施例のレーザ昇華型プリンタ装置は、
印字データに基づいてレーザ光をインクリボンに照射
し、その照射された部分においてレーザ光を光熱変換さ
せ、該インクリボンのインクを受像紙に転写することに
より、上記印字データを受像紙に記録する昇華型熱転写
記録方式によるプリンタ装置である。

【００１９】このプリンタ装置は、図１に示すように、
印字用紙である受像紙１とインクリボン２を周面に巻付
ける回転ドラム３と、印字データに基づいてレーザ光を
インクリボン２に照射し、該インクリボン２のインクを
昇華させて受像紙１に転写して記録するレーザ照射部で
ある記録ヘッド４とからなる。

【００２０】受像紙１は、印字される受像面１ａが上向
き（表面）となるように円筒状をなす回転ドラム３の周
面にしわ等が生じないように巻付けられる。一方、イン
クリボン２は、レーザ昇華型のリボンで、前述した図４
に示すベースフィルムの一主面に赤外線吸収染料及び昇
華性染料からなる染料層を形成した構成のものである。
このインクリボン２には、この他、前述した図５及び図
６に示した構成のものがいずれも使用される。そして、
このインクリボン２は、染料層が形成されたインク面２
ａを受像紙１の受像面１ａに対して密着するようにして
回転ドラム３の周面に巻付けられるようになされてい
る。

【００２１】回転ドラム３は、受像紙１及びインクリボ
ン２の幅よりも大きな円筒体として形成され、図１中矢
印Ｙで示す方向に回転するようになされている。従っ
て、この回転ドラム３の周面に巻付けられる受像紙１と
インクリボン２は、該回転ドラム３の回転によって同図
中矢印Ｚで示す方向に送られる。

【００２２】記録ヘッド４は、印字データに基づいてレ
ーザ光Ｌを出射する半導体レーザ５と、この半導体レー
ザ５から出たレーザ光Ｌをインクリボン２面上に集光し
結像させる結像レンズ６とを有し、これら半導体レーザ
５と結像レンズ６を同一の筐体７内に収納した構成とさ
れている。

【００２３】半導体レーザ５は、印字データに基づいて
レーザ光Ｌを照射するように制御され、図示しないレー
ザドライブ手段により駆動されるようになっている。こ
の半導体レーザ５から出射されたレーザ光Ｌは、結像レ
ンズ６によって集光され所定のスポット径となるように
インクリボン２面上に結像される。

【００２４】筐体７は、これら半導体レーザ５と結像レ
ンズ６を収納するに足る大きさとして形成され、回転ド
ラム３の回転軸と平行に配されるリードねじ８に取付け
られている。従って、記録ヘッド４は、レーザ光Ｌをイ
ンクリボン２面上に結像させるようなポジションを維持
しながらかかるリードねじ８によって、図中矢印Ｘで示
すインクリボン２の幅方向に往復動し、その動作過程で
レーザ光Ｌをインクリボン２面上で走査する。

【００２５】そして特に、このプリンタ装置では、上記
リードねじ８の一端部に該リードねじ８の回転角及び回
転数を検出するためのロータリーエンコーダ９が取付け
られている。このロータリーエンコーダ９からのパルス
は、中央処理装置（ＣＰＵ）を経由して図示しない記憶
装置に記憶されるようになされている。そして、この中
央処理装置では、リードねじ８の回転量をロータリーエ
ンコーダ９のパルスをもとに制御している。

【００２６】以上のようにして構成されたレーザ昇華型
プリンタ装置では、回転ドラム３が回転する間に、半導
体レーザ５は画像信号に応じて変調されたレーザ光Ｌを
照射し、そのレーザ光Ｌによる溶融または昇華転写記録
の原理に基づいて受像紙１の受像面１ａ上に回転ドラム
３の１回転につき１本の線を記録する。

【００２７】１本の線の記録が終了すると、リードねじ
８の回転によって記録ヘッド４が記録線幅分だけ長手方
向に移動し、隣接する線の記録に備える。この動作を繰
り返すことによって、回転ドラム３の回転方向を主走
査、リードねじ８の長手方向を副走査として１画面を形
成する。

【００２８】フルカラーの画像を記録する場合は、１枚
の受像紙１に対してイエローＹ、マゼンタＭ、シアンＣ
の３色のインクリボン２を用意し、各色に対して順次イ
ンクリボン２を取り替えて、前述の過程を繰り返す。こ
のとき、リードねじ８の回転に伴って発生するロータリ
ーエンコーダ９からのパルスは、中央処理装置を経由し
て記憶装置に記憶される。

【００２９】一色目のイエローＹの記録に先立ち、記録
ヘッド４はリードねじ８の逆転によって一旦、画像記録
開始位置より少なくとも１記録線幅分以上手前に移動
し、その後リードねじ８の正転によって所定の記録開始
位置に導かれた後、記録動作を開始し、前述の過程に従
って画像記録を行う。イエローＹの記録を終了した時点
では、記録ヘッド４はリードねじ８上の記録終了位置に
ある。

【００３０】次に、マゼンタＭの記録に先立ってリード
ねじ８を逆転し、記録ヘッド４を画像記録開始位置まで
戻す作業を行う。このとき、記録時の回転量よりも少な
くとも１記録線幅分以上リードねじ８を逆転させ、記録
ヘッド４を記録開始位置よりも手前に戻した後、リード
ねじ８を正転させて該記録ヘッド４を所定の記録開始位
置に導く。そして、この記録開始位置から記録動作を行
う。

【００３１】そして最後に、シアンＣの記録を行う。こ
のシアンＣの記録に際しては、やはり記録ヘッド４を画
像記録開始位置よりも手前まで戻した後、リードねじ８
を正転させて該記録ヘッド４を所定の記録開始位置に導
き、この記録開始位置から記録動作を行う。

【００３２】以上の過程を図２のフローチャートに示
す。始めに、ステップＳＴ１でリードねじを逆転する。
次に、ステップＳＴ２で記録ヘッド４が記録開始位置よ
り手前か否かを判断する。手前であれば、ステップＳＴ
３に進み、そうでなければステップＳＴ１に戻る。ステ
ップＳＴ３では、リードねじ８を正転させ、記録ヘッド
４を記録開始位置に送る。ステップＳＴ４では、記録ヘ
ッド４が記録開始位置にあるか否かを判断し、該記録ヘ
ッド４が記録開始位置にあるときは次のステップＳＴ５
に進み、そうでない場合はステップＳＴ３に戻る。

【００３３】ステップＳＴ５では、記録ヘッド４による
記録を開始する。そして、次のステップＳＴ６で記録が
終了したか否かを判断する。このステップＳＴ６で記録
が終了したと判断した場合は、次のステップＳＴ７に進
み、終了しないと判断した場合はステップＳＴ５に戻
る。そして、記録が終了したと判断した場合は、ステッ
プＳＴ７でリードねじの回転を停止する。

【００３４】そして、次のステップＳＴ８でイエローＹ
とマゼンタＭとシアンＣの３原色の記録が終了したか否
かを判断し、これら３原色によるフルカラー印刷が終了
したと判断したときは、フローを終了し、未だであると
判断したときはステップＳＴ１に戻る。

【００３５】これらの一連の動作において、リードねじ
８の回転量はロータリーエンコーダ９のパルスをもとに
中央処理装置によって制御される。このようにすると、
記録ヘッド４は、記録開始位置から記録終了位置まで常
にリードねじ８の正転方向のみによって一方向に押され
続けられるので、リードねじ８と記録ヘッド４間に存在
するガタによって画像記録位置にずれを生じることがな
い。

【００３６】ところで、上述の例では、ロータリーエン
コーダ９のパルスをもとに中央処理装置によって、記録
ヘッドを常に印字開始位置よりも手前から移動を開始す
るように制御したが、リニアセンサーを用いるようにし
てもよい。すなわち、図３に示すように、記録ヘッド４
に連動して動くようにリニアセンサー１０を筐体７に取
付ける。リニアセンサー１０は、記録ヘッド４の移動に
伴いパルスを発生するから、前述の例におけるロータリ
ーエンコーダ９と同様に制御情報として利用することが
できる。従って、このリニアセンサー１０のパルスをも
とに中央処理装置によって記録ヘッド４を前述のように
制御すれば、リードねじ８と記録ヘッド４との間に存在
するガタによって画像記録位置のずれを回避でき、美し
い印字ができる。

【００３７】

【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明のレーザ昇華型プリンタ装置においては、記録ヘッド
を常に記録開始位置より手前から移動するように制御し
て受像紙に対して記録するようにしているので、リード
ねじと記録ヘッド間のガタによる画像の位置ずれを無く
すことができ、美しいフルカラー画像を得ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用したレーザ昇華型プリンタ装置の
一例を示す斜視図である。

【図２】記録ヘッドの移動を制御するフローチャート図
である。

【図３】本発明を適用したレーザ昇華型プリンタ装置の
他の例を示す斜視図である。

【図４】昇華型熱転写記録方式による記録の原理を示す
模式図である。

【図５】他のインクリボンの構成を示す模式図である。

【図６】さらに他のインクリボンの構成を示す模式図で
ある。

【図７】他の昇華転写方法を示す斜視図である。

【図８】さらに他の昇華転写方法を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 受像紙 ２ インクリボン ３ 回転ドラム ４ 記録ヘッド ５ 半導体レーザ ６ 結像レンズ ７ 筐体 ８ リードねじ ９ ロータリーエンコーダ １０ リニアセンサー

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドラムの周面に受像面が上向きとなるよ
   うに巻付けられると共に、この受像面にインク面を密着
   させてレーザ昇華型のインクリボンが設けられ、これら
   受像紙とインクリボンをドラムの回転により走行させる
   回転ドラムと、 この回転ドラムの回転軸と平行なリードねじ上を往復動
   しながら印字データに基づいてレーザ光をインクリボン
   に照射し、該インクリボンのインクを昇華させて受像紙
   に転写し記録するレーザ照射部とを備え、 上記レーザ照射部は、印字データの記録を行う際に、常
   に印字開始位置よりも手前から移動を開始するように制
   御されていることを特徴とするレーザ昇華型プリンタ装
   置。