JPH081741Y2 - ミシン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は選択された模様の形象を表示するミシンに関
する。

［従来技術］ 従来のミシンにおいては、特開昭63−286182号公報に
示されるように選択された模様を作業者に認識させるた
めにその選択された模様の形象を表示装置に表示させる
ようにしている。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、従来のミシンにおいては、模様の形成
開始前には模様の形象を表示するのみなので、作業者は
その模様の形成開始位置を認識することができず、加工
布の所望の位置に模様を形成するには、作業者は、各模
様毎にその形成開始位置を記憶しておく必要があり、そ
の記憶が不充分の時には、試し縫によって模様の形成開
始位置を確認する必要がある。

本考案は、上述した問題点を解決するために為された
ものであり、その目的は、模様毎にその形成開始位置を
記憶することなく、また、試し縫を行うことなく加工布
の所望の位置に模様を形成することのできるミシンを提
供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上述の目的を達成するために本考案のミシンは、模様
選択手段による模様選択に関連して、模様表示手段が縫
目形成手段によって形成される模様の形成開始位置を示
すための表示動作を行うようにその模様表示手段を制御
するための表示制御手段を備えている。

［作用］ 上記のように構成された本考案のミシンにおいては、
表示制御手段は、模様選択手段による模様選択に関連し
て、模様表示手段が縫目形成手段によって形成される模
様の形成開始位置を示すための表示動作を行うようにそ
の模様表示手段を制御して、模様の形成開始位置が模様
形成前に確認可能にされる。

［実施例］ 本考案を具体化した一実施例を示す図面を参照して以
下に説明する。

最初に、第２図は本考案の一実施例が適用されたミシ
ンを示し、そのミシン機枠10はベッド14と、そのベッド
14から立設された脚柱部16と、その脚柱部16から水平方
向に延出した上方アーム18とから構成されている。上方
アーム18の頭部20の前面にはミシンを起動又は停止させ
るために操作可能な起動停止スイッチ22が設けられ、そ
の頭部20において上下往復運動及び横方向揺動可能な縫
針24が設けられている。

前記ベッド14の上面には開口が形成されており、この
開口が針板26によって塞がれている。この針板26には複
数のスロットが形成され、このスロットから公知の送り
歯が上方へ突出可能とされている。そして、送り歯は布
押え足28と協働して加工布を前後方向に送るようになっ
ている。

そして、上方アーム18の前面に設けられた表示部30内
にば縫製可能な多種類の模様に対応した多数の形象が模
様番号と共に表示されている。

また、脚柱部16の前面には、所望の模様を選択するた
めに操作される模様選択キー群32が設けられている。模
様選択キー群32は操作部材に相当し、０乃至９の数字か
ら成るテンキー群とプラスキーとクリアキーとから構成
されている。更に、脚柱部16の前面には、選択された模
様に対応する形象とその模様の形成開始位置を示すため
の矢印及び文字を表示するための光学表示パネルとして
の液晶表示装置（以下LCDという）34が設けられいる。

次に、第１図を参照して本実施例のミシンの電気的構
成について説明する。

模様選択装置44は、模様選択キー群32と共に模様選択
手段を構成し、模様選択キー群32の操作時に模様選択信
号SSを制御装置46に供給するように構成されている。

メモリ33は、模様選択装置44によって選択可能な模様
の形象とその模様の形成開始位置を示すための矢印及び
文字を表示するための表示データを記憶しており、制御
装置46から供給された表示信号DSに従って表示データを
LCD駆動装置36に供給するように構成されている。

LCD34は、縦横等間隔に多数の液晶材を配設したドッ
トマトリクス式の表示器であって、LCD駆動装置36はメ
モリ33から供給される表示データに従ってLCD34の各ド
ットに印加される電圧を制御することにより、選択され
た模様の形象とその模様の形成開始位置を示すための矢
印及び文字とを表示できるようになっている。

また、起動停止スイッチ22は、自動復帰型のスイッチ
から構成され、その押圧操作時に操作信号PSを発生して
制御装置46に供給するように構成されている。制御装置
46は、自動選択手段を含んで構成され、操作信号PSと模
様選択信号SSとを入力して動作し、表示信号DSとモータ
制御信号MSと模様制御信号NSとをそれぞれLCD駆動装置3
6とモータ駆動装置50と読出装置52とに供給するように
構成されている。

モータ駆動装置50はモータ制御信号MSに従ってミシン
モータ54を駆動するように構成されている。タイミング
信号発生装置56は図示しない主軸の各回転に同期してタ
イミング信号TPを発生して読出装置52に供給するように
構成されている。読出装置52はタイミング信号発生装置
56からのタイミング信号TPを入力する毎に制御装置46か
らの模様制御信号NSに従う模様に対応する先頭アドレス
信号から累進するアドレス信号を順に記憶装置53に供給
するように構成されている。記憶装置58は、表示部30に
表示されている模様を縫製するための模様データを記憶
しており、読出装置52から供給されたアドレス信号に応
答して、模様データを出力してアクチュエータ駆動装置
60に供給するように構成されている。アクチュエータ駆
動装置60は記憶装置58から入力した模様データに従って
針揺動アクチュエータ62と送りアクチュエータ64とを制
御するように構成されており、この針揺動アクチュエー
タ62の駆動により縫針24の揺動位置が設定され、この送
りアクチュエータ64の駆動により送り歯28の送り運動を
調節する送り調節位置が設定される。

以上のような構成よりなる本実施例の動作について説
明する。

まず、作業者は所望の模様、例えばチューリップ模様
を模様選択キー群32を操作して選択すると、模様選択装
置44はチューリップ模様に対応する模様選択信号SSを制
御装置46に供給する。制御装置46はその模様選択信号SS
に従う表示信号DSをメモリ33に供給し、メモリ33はその
表示信号DSに従ってチューリップ模様に対応する表示デ
ータをLCD駆動装置35に供給する。

LCD駆動装置36は、供給される表示データに従ってLCD
34を駆動し、LCD34は第３図に示すようにチューリップ
模様の形象とそのチューリップ模様の形成開始位置を示
すための矢印及び「ココカラヌイマス」という文字を表
示する。作業者は、その形象と矢印及び文字とを参照し
て加工布の所望の位置にチューリップ模様を形成するた
めに加工布の位置決めを行う。

ここで、作業者が縫製を行うために起動停止スイッチ
22を押圧操作すると、操作信号PSが制御装置46に供給さ
れ、制御装置46はチューリップ模様を形成するためのモ
ータ制御信号MS及び模様制御信号NSをそれぞれモータ駆
動装置50及び読出装置52に供給する。モータ駆動装置50
はモータ制御信号MSに従ってミシンモータ54を回転させ
る。ミシンモータ54の回転に伴って図示しない主軸が回
転し、タイミング信号発生装置56はタイミング信号TPを
読出装置52に供給するため読出装置52はタイミング信号
TPが供給される毎に直線縫目の先頭アドレス信号から累
進するアドレス信号を順に記憶装置58に供給する。記憶
装置58はアドレス信号に従ってチューリップ模様の模様
データをアクチュエータ駆動装置60に供給し、アクチュ
エータ駆動装置60は模様データに従って針揺動アクチュ
エータ62及び送りアクチュエータ64を駆動して、チュー
リップ模様が矢印で示された位置から形成される。

［変形例］ 本考案は以上詳述した実施例に限定されるものではな
く、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加
えることができる。

例えば本実施例においては、表示された模様の形象の
一部を指す矢印と「ココカラヌイマス」という文字によ
ってその模様の形成開始位置を示すようにしているが、
模様の形成開始位置に対応する形象の一部を点滅させた
り、輝度を変更したりすることによって、作業者に形成
開始位置を知らせるようにしてもよい。また、カラー表
示が可能な表示装置を使用し、模様の形成開始位置に対
応する形象の一部を異なる色で表示するようにしてもよ
い。

また、本実施例においては、矢印及び文字を表示する
ための表示データは形象の表示データと対になってメモ
リ33に記憶されているが、記憶装置58の記憶する模様の
第１針目の模様データに従って模様の形成開始位置に対
応する形象の一部を上述した方法で作業者に知らせるよ
うにしてもよい。

更に、本実施例のミシンにおいては、加工布を前後に
送り、縫針24を左右に揺動させることによって模様を形
成する装置を採用しているが、公知の加工布を左右に送
る装置または刺繍枠を前後左右に駆動する装置を採用す
るミシンにおいても同様の効果を得ることができる。

［考案の効果］ 以上詳述したように、本考案においては、何ら試し縫
等の繁雑な作業を必要とすることなく、加工布の所望の
位置に模様を確実に形成することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示したもので、第１図は本考
案のミシンの電気的構成を示すブロック図、第２図は上
記ミシンの外観正面図、第３図は液晶表示状態を示す説
明図である。 図中、32は模様選択キー群、32は液晶表示装置、44は模
様選択装置、46は制御装置、62は針揺動アクチュエー
タ、64は送りアクチュエータである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の模様中から所望の模様を選択するた
   めに操作可能な操作体を含む模様選択手段と、その模様
   選択手段によって選択され、縫目形成手段によって加工
   布に形成される模様の形象を表示するための模様表示手
   段とを備えたミシンにおいて、 前記模様選択手段による模様選択に関連して、前記模様
   表示手段が前記縫目形成手段によって形成される模様の
   形成開始位置を示すための表示動作を行うようにその模
   様表示手段を制御するための表示制御手段を設けたこと
   を特徴とするミシン。