JPH08173313A

JPH08173313A - 高周波加熱炊飯器

Info

Publication number: JPH08173313A
Application number: JP32516294A
Authority: JP
Inventors: Takeshi Hatano; 剛羽田野; Norio Ikeda; 典生池田; Takashi Koshio; 隆小塩; Satoshi Nakae; 智中江; Jun Iguchi; 潤井口; Toshiyuki Nakamura; 利幸中村; Katsunori Tanie; 克典谷江
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1994-12-27
Filing date: 1994-12-27
Publication date: 1996-07-09

Abstract

(57)【要約】【目的】簡単な構成で加熱ムラの発生を抑えることが
できる高周波加熱炊飯器を提供することを目的としてい
る。【構成】金属製の蓋下２ａに鍋３に向かって突出する
ように設けている突部１２に、導波管７の開口部７ａか
ら照射されたマイクロ波が当たると、マイクロ波の方向
が変更されマイクロ波が拡散されて、加熱が均一に行わ
れるものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はマグネトロンが発生する
マイクロ波と、加熱コイルから発生する高周波磁界の両
方による加熱によって炊飯を行う高周波加熱炊飯器に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】以下図７に基づいて、従来の高周波加熱
炊飯器について説明する。鍋３は、金属製で本体１内に
着脱自在に設けている。本体１の上部開口は蓋体２によ
って開閉自在に覆っている。蓋体２の下部は、金属で構
成している蓋下２ａとなっている。鍋３の側部には、マ
イクロ波を発生するマグネトロン４を設けている。マグ
ネトロン４は、アンテナ４ａを備えている。また５は、
鍋３を支持し、蓋下２ａ・鍋３と共にキャビティを構成
する金属製の保護枠である。また保護枠５は、蓋下２ａ
と共にマグネトロン４がアンテナ４ａから発信するマイ
クロ波を前記キャビティまで案内する導波管を形成して
いるものである。保護枠５の下方には、鍋３を誘導加熱
する加熱コイル６を設けている。また本体１の底部に
は、前記加熱コイル６に高周波電流を供給し、マグネト
ロン４に高電圧を供給する焼圧トランス８を制御する駆
動回路７を設けている。

【０００３】以上の構成で、鍋３内に収容した米と水
は、マグネトロン４によるマイクロ波による加熱と、加
熱コイル６が発生する高周波磁界による鍋３の誘導加熱
による発熱とを受けて炊飯されるものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の構成の高周
波加熱炊飯器は、マイクロ波による加熱が不均一となる
という課題を有しているものである。つまりマイクロ波
は直進性が高いためにキャビティ内への入射が直線的と
なって、マイクロ波の進行方向の電界強度が非常に強く
なって、このため加熱ムラを生じているものである。

【０００５】本発明はこのような従来の構成が有してい
る課題を解決しようとするもので、簡単な構成で加熱ム
ラの発生を抑えることができる高周波加熱炊飯器を提供
することを第一の目的としている。また前記第一の目的
を達成する第二〜第四の手段を提供することを、第二〜
第四の目的としている。また、接合部の接触抵抗による
異常加熱の発生を防止できる高周波加熱炊飯器を提供す
ることを第五の目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】第一の目的を達成するた
めの本発明の第一の手段は、本体に着脱自在に収納され
る有底筒状の金属製の鍋と、本体の上面開口部を開閉自
在に覆う蓋体と、この蓋体の下面を形成し前記鍋の上部
開口を覆う金属製の蓋下と、前記鍋の側部を囲う縁部を
備えた筒状の金属製の保護枠と、この保護枠に設けた前
記鍋を誘導加熱する加熱コイルと、マイクロ波を発信し
て前記鍋内の調理物を加熱するマグネトロンと、マグネ
トロンのアンテナを内部に突出して配置した導波管とを
備え、前記蓋下は鍋に向かって突出する突部を有する高
周波加熱炊飯器とするものである。

【０００７】第二の目的を達成するための本発明の第二
の手段は、本発明の第一の手段の構成に加え、突部は導
波管の開口部の略中央部を本体の長手方向に通る直線上
に配置した高周波加熱炊飯器とするものである。

【０００８】第三の目的を達成するための本発明の第三
の手段は、本発明の第一の手段の構成に加え、突部は複
数個で形成し、一つの突部から導波管の開口部に引いた
直線上に他の突部が重ならない配置とした高周波加熱炊
飯器とするものである。

【０００９】また第四の目的を達成するための本発明の
第四の手段は、突部は、導波管の開口部より遠くに位置
するものほどその高さを高くした高周波加熱炊飯器とす
るものである。

【００１０】第五の目的を達成するための本発明の第五
の手段は、突部は蓋下と一体に形成した高周波加熱炊飯
器とするものである。

【００１１】

【作用】本発明の第一の手段は、金属製の蓋下に鍋に向
かって突出するように設けている突部に、導波管の開口
部から照射されたマイクロ波が当たると、マイクロ波の
方向が変更されマイクロ波が拡散されて、加熱が均一に
行われるものである。

【００１２】本発明の第二の手段は、突部の配置を導波
管の開口部の略中央部を本体の長手方向に通る直線上と
して、電界強度の特に強い部分に突部を配置することに
なり、マイクロ波の拡散効果をより高めた高周波加熱炊
飯器として作用するものである。

【００１３】本発明の第三の手段は、突部を、その全て
が一直線上に重ならない配置とした３カ所以上の構成と
して、マイクロ波の拡散がより幅広く行え、更に均一な
加熱を行うことができる高周波加熱炊飯器として作用す
るものである。

【００１４】本発明の第四の手段は、導波管の開口部よ
り遠くに位置する突部ほどその高さを高くしたことによ
って、マイクロ波の拡散効果を高めた高周波加熱炊飯器
として作用するものである。

【００１５】本発明の第五の手段は、突部を蓋下と一体
に形成した構成として、突部と蓋下との接触抵抗を小さ
くして、マイクロ波の照射による局部的な発熱の心配の
無い高周波加熱炊飯器として作用するものである。

【００１６】

【実施例】以下本発明の第一の実施例について、図１に
基づいて説明する。３は、本体１に着脱自在に収納した
有底筒状の金属製の鍋である。本体１の上面および鍋３
の上面は開口面となっており、蓋体２がこの開口面を開
閉自在に覆っている。蓋体２の下面は金属製の蓋下２ａ
となっており、前記金属製の鍋３と、鍋３を支持してい
る金属製の保護枠５と共にキャビティを構成している。
保護枠５は、下部に高周波磁界を発生して鍋３を誘導加
熱する加熱コイル６を備えている。また保護枠５は、鍋
３の側部を囲う縁部５ａを備えた筒状の金属体としてお
り、本実施例では導波管７を一体に形成している。本体
１には鍋３の側部に、マイクロ波を発信するマグネトロ
ン４を設けている。マグネトロン４は、上部に導波管７
内に突出するように設けたアンテナ４ａを備えている。
本体１の底部には、前記加熱コイル６に高周波電流を供
給し、マグネトロン４に高電圧を供給する昇圧トランス
１１を駆動する駆動回路１０を設けている。また本実施
例では、蓋下２ａに鍋３に向かって突出している突部１
２を設けている。

【００１７】図２は、前記蓋体２を取り除いた状態で保
護枠５を上方から見た平面図である。７はアンテナ４ａ
を覆って、鍋３の中心へ向かった開口面７ａを有する略
直方形とした導波管で、保護枠５の一部を使用して形成
している。前記開口面７ａの両側辺は導波管側壁７ｂ・
７ｃとなっている。

【００１８】以下本実施例の動作について説明する。鍋
３内に適量の米と水を投入し本体１内にセットして、電
源を投入し、図示していないスタートスイッチを入れる
と駆動回路１０が動作を開始する。つまり所定のプロセ
スに従って、加熱コイル６に高周波電流を供給し、昇圧
トランス１１を駆動するものである。加熱コイル６は、
高周波磁界を発生して金属製の鍋３を誘導加熱する。ま
た昇圧トランス１１はマグネトロン４に高電圧を供給し
て、マグネトロン４はアンテナ４ａからマイクロ波を発
信する。このマイクロ波は導波管７によって、蓋下２ａ
・鍋３・保護枠５が構成しているキャビティに導かれ
る。こうして、キャビティはマイクロ波によって加熱さ
れ、鍋３内の米と水は前記誘導加熱による発熱と、マイ
クロ波による発熱とを受けることになるものである。こ
うして炊飯が進行し、短時間で美味しいご飯が炊きあが
るものである。

【００１９】このとき本実施例では、蓋体２ａには突部
１２を設けているものである。この突部１２に導波管７
から発射されたマイクロ波が照射されると、直進したマ
イクロ波の一部は突部１２の表面で反射して散乱する。
この散乱によってマイクロ波による電界の集中が緩和さ
れ、局部的に加熱が集中するような現象を避けることが
できるものである。

【００２０】以上のように本実施例によれば、金属製の
蓋下２ａに鍋３に向かって突出する突部１２を設けた構
成として、導波管７の開口面７ａから照射されたマイク
ロ波を拡散して、加熱ムラを防止できるものである。

【００２１】続いて本発明の第二の実施例について、図
３に基づいて説明する。図３は蓋下２ａを下方から見た
底面図である。本実施例では突部１７は、導波管７の開
口部７ａの略中央部を本体１の長手方向に通る直線上に
配置しているものである。以上の構成とすることによっ
て、より効果の高いマイクロ波の散乱を行うことができ
るもので、局部的な加熱の集中を避けることができるも
のである。すなわち、導波管７の開口部７ａの略中央部
を本体１の長手方向に通る直線上は特にマイクロ波によ
る電界強度が強い部分であって、この直線上に突部１７
を配置することによって前記しているように拡散効果の
高い高周波加熱炊飯器とすることができるものである。

【００２２】次に本発明の第三の実施例について説明す
る。図４は、前記図３と同様に蓋下２ａを下方から見た
底面図である。本実施例では、突部１７を導波管７の開
口部７ａから見て重ならないような配置として３カ所に
設けている。つまり、一つの突部１７ａから開口部７ａ
に対して引いた直線上に他の２つの突部１７ｂ・１７ｃ
は重なっていないものである。なお本実施例では突部の
数を３カ所としているが、２カ所以上であれば特に数に
対する制限はないものである。

【００２３】以上の構成とすることによって、マイクロ
波の拡散をより幅広く行うことができ、加熱の集中が緩
和されるものである。

【００２４】続いて本発明の第四の実施例について、図
５に基づいて説明する。本実施例では、３カ所に設けて
いる突部１７ｄ・１７ｅ・１７ｆは、導波管７の開口部
７ａより遠くに位置するものほどその高さを高くしてい
るものである。

【００２５】以上の構成とすることによって、マイクロ
波の拡散効果を高めた高周波加熱炊飯器として作用する
ものである。

【００２６】続いて本発明の第五の実施例について、図
６に基づいて説明する。本実施例では突部１７ｇは蓋下
２ａを絞り加工することによって、蓋下２ａと一体に形
成しているものである。

【００２７】以上の構成とすることによって、突部１７
ｇと蓋下２ａとの接合部の接触抵抗が無くなり、マイク
ロ波の照射を受けた場合の突部１７ｇ自体の局部的な発
熱に対する心配のない高周波加熱炊飯器を実現できるも
のである。

【００２８】

【発明の効果】本発明の第一の手段は、本体に着脱自在
に収納される有底筒状の金属製の鍋と、本体の上面開口
部を開閉自在に覆う蓋体と、この蓋体の下面を形成し前
記鍋の上部開口を覆う金属製の蓋下と、前記鍋の側部を
囲う縁部を備えた筒状の金属製の保護枠と、この保護枠
に設けた前記鍋を誘導加熱する加熱コイルと、マイクロ
波を発信して前記鍋内の調理物を加熱するマグネトロン
と、マグネトロンのアンテナを内部に突出して配置した
導波管とを備え、前記蓋下は鍋に向かって突出する突部
を有する構成として、簡単な構成で加熱ムラの発生を抑
えることができる高周波加熱炊飯器を実現するものであ
る。

【００２９】本発明の第二の手段は、特に、突部は導波
管の開口部の略中央部を本体の長手方向に通る直線上に
配置した構成として、マイクロ波による電界強度の強い
方向に突部を形成してより効果的に加熱ムラの発生を抑
えることができる高周波加熱炊飯器を実現するものであ
る。

【００３０】本発明の第三の手段は、特に、突部は複数
個で形成し、一つの突部から導波管の開口部に引いた直
線上に他の突部が重ならない配置とした構成として、よ
り幅広くマイクロ波を拡散でき加熱の集中を緩和できる
高周波加熱炊飯器を実現するものである。

【００３１】本発明の第四の手段は、特に、突部は、導
波管の開口部より遠くに位置するものほどその高さを高
くした構成として、より幅広くマイクロ波を拡散でき加
熱の集中を緩和できる高周波加熱炊飯器を実現するもの
である。

【００３２】さらに本発明の第五の手段は、特に、突部
は蓋下と一体に形成した構成として、局部的な発熱の心
配のない高周波加熱炊飯器を実現するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一の実施例である高周波加熱炊飯器
を示す側断面図

【図２】同、蓋体を取り除いた状態を示す平面図

【図３】本発明の第二の実施例である高周波加熱炊飯器
の蓋下を示す平面図

【図４】本発明の第三の実施例である高周波加熱炊飯器
の蓋下を示す平面図

【図５】本発明の第四の実施例である高周波加熱炊飯器
を示す側断面図

【図６】本発明の第五の実施例である高周波加熱炊飯器
を示す側断面図

【図７】従来例である高周波加熱炊飯器を示す側断面図

【符号の説明】

１炊飯器本体２蓋体２ａ蓋下３鍋４マグネトロン４ａアンテナ部５保護枠５ａ縁部６加熱コイル７導波管７ａ開口部１２突部１７突部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者中江智大阪府門真市大字門真1006番地松下電器産業株式会社内 (72)発明者井口潤大阪府門真市大字門真1006番地松下電器産業株式会社内 (72)発明者中村利幸大阪府門真市大字門真1006番地松下電器産業株式会社内 (72)発明者谷江克典大阪府門真市大字門真1006番地松下電器産業株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】本体に着脱自在に収納される有底筒状の
金属製の鍋と、本体の上面開口部を開閉自在に覆う蓋体
と、この蓋体の下面を形成し前記鍋の上部開口を覆う金
属製の蓋下と、前記鍋の側部を囲う縁部を備えた筒状の
金属製の保護枠と、この保護枠に設けた前記鍋を誘導加
熱する加熱コイルと、マイクロ波を発信して前記鍋内の
調理物を加熱するマグネトロンと、マグネトロンのアン
テナを内部に突出して配置した導波管とを備え、前記蓋
下は鍋に向かって突出する突部を有する高周波加熱炊飯
器。
【請求項２】突部は導波管の開口部の略中央部を本体
の長手方向に通る直線上に配置した請求項１記載の高周
波加熱炊飯器。
【請求項３】突部は複数個で形成し、一つの突部から
導波管の開口部に引いた直線上に他の突部が重ならない
配置とした請求項１記載の高周波加熱炊飯器。
【請求項４】突部は、導波管の開口部より遠くに位置
するものほどその高さを高くした請求項１から３のいず
れか１項に記載した高周波加熱炊飯器。
【請求項５】突部は蓋下と一体に形成した請求項１記
載の高周波加熱炊飯器。