JPH0817296B2 - 音声増幅回路 - Google Patents

音声増幅回路

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JPH0817296B2
JPH0817296B2 JP63003509A JP350988A JPH0817296B2 JP H0817296 B2 JPH0817296 B2 JP H0817296B2 JP 63003509 A JP63003509 A JP 63003509A JP 350988 A JP350988 A JP 350988A JP H0817296 B2 JPH0817296 B2 JP H0817296B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、電源投入時の動作開始特性を改善した音
声増幅回路に関する。
〔従来の技術〕
第3図は、従来の音声増幅回路の一例を示す。この音
声増幅回路は演算増幅器などからなる増幅器2を備えて
おり、その非反転入力端子(+)には、抵抗4、6およ
び外付端子8に接続されたキャパシタ10からなるバイア
ス回路12のキャパシタ10に保持させたバイアス電圧VB
抵抗14を通じて加えられるとともに、入力端子16にキャ
パシタ20を介して接続された信号源18から増幅すべき音
声入力信号Viが加えられる。
また、増幅器2の反転入力端子(−)と出力端子との
間には、抵抗22、24および外付端子26に接続されたキャ
パシタ28からなる帰還回路30が付加されている。すなわ
ち、増幅器2の反転入力端子(−)には、出力端子32側
から増幅器2の出力信号VOUTが抵抗22、24で分圧されて
帰還され、同時にキャパシタ28の充電電圧VNFが加えら
れている。
このような音声増幅回路では、定常増幅動作に対し
て、電源スイッチ34を閉じて電源端子36に電源38が加え
られる電源供給直後の過度動作が不用な過度音(ポップ
音と称される)の原因になるので、過度音の防止対策と
して電源投入時、キャパシタ28の充電をキャパシタ10よ
り先行させるためのプリチャージ回路が設置されてい
る。したがって、電源スイッチ34が閉じられた直後、電
源端子36の電位は、電源38の電源電圧VCCに瞬時に移行
するが、このとき、キャパシタ10は、抵抗4を通じて充
電され、一方、キャパシタ28は、トランジスタ40からな
るプリチャージ回路を通して充電が行われる。電圧源42
は、電源投入時、トランジスタ40をターン・オンさせる
に必要な電圧をそのベースに加えるためのものである。
プリチャージ回路が設置されていない場合、キャパシ
タ28の充電は、増幅器2の出力直流電圧VDCの立上りに
応じて行われ、キャパシタ10の端子電圧の立上りがキャ
パシタ28の充電より早くなると、増幅器2が異常な動作
状態となり、これが過度音の原因になる。そこで、プリ
チャージ回路は、トランジスタ40を通してキャパシタ28
を強制充電させ、その充電がキャパシタ10より先行させ
ることにより、増幅器2が異常な動作状態となること防
止するものである。
そして、この音声増幅回路では、第4図に示すよう
に、電源投入時における電源電圧VCCの立上りに対し、
キャパシタ10の充電電圧VBS、キャパシタ28の充電電圧V
NFおよび増幅器2の出力直流電圧VDCの立上り(開始時
点および立上り傾斜)となるように、抵抗4、6、22、
24の抵抗値およびキャパシタ10、28の容量など、定数の
設定が行われている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、このような音声増幅回路において、第4図
に示す理想的な動作開始特性を得るために抵抗4、6、
22、24やキャパシタ10、28の定数設定を行っても、それ
らの定数がばらつくと、過度音の発生や出力の立上りが
遅延するおそれがある。定数のばらつきのため、たとえ
ば、第5図のAに示すように、キャパシタ28の充電電圧
VNFがキャパシタ10の充電電圧VBSに一致した後、充電電
圧VBSより低下し、キャパシタ10の充電電圧VBSに従って
上昇した場合、出力直流電圧VDCは、充電電圧VNFと充電
電圧VBSとの交差点で急激に立ち上がり、充電電圧VNF
充電電圧VBSより低い区間で一定の高い電圧を維持した
後、充電電圧VNFに向かって降下する。この結果、第5
図のBに示すように、出力直流電圧VDCの急峻な立上り
部分aで不用な振動出力V1、出力直流電圧VDCの降下部
分bで電位変化V2がそれぞれ生じ、振動出力V1および電
位変化V2は、ポップ音として出力信号VOUTに現れる。
また、第6図に示すように、キャパシタ10の充電電圧
VBSが緩やかに立ち上がり、これに伴ってキャパシタ28
の充電電圧VNFも緩やかに立ち上がり、そのピーク点か
ら緩やかに降下した場合には、充電電圧VNFが充電電圧V
BSに合致する時点から出力直流電圧VDCが立ち上がるた
め、電源38の投入から出力直流電圧VDCの立上り開始ま
での時間tOが長く、出力の立上りが遅延する結果とな
る。
そこで、この発明は、電源投入時の過度音を抑えると
ともに、出力の立上りを迅速化し、抵抗やキャパシタの
定数ばらつきに依存しない安定した動作特性を実現する
ことを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明の音声増幅回路は、第1図に例示するよう
に、正相入力に入力信号が加えられるとともに逆相入力
側に出力信号が帰還されて前記入力信号を増幅する増幅
器2と、この増幅器の正相入力側と基準電位点との間に
接続された第1のキャパシタ10と、前記増幅器の逆相入
力側と前記基準電位点との間に接続された第2のキャパ
シタ28と、前記増幅器に対する電源の供給に応じて前記
第1のキャパシタに対する充電を開始し、定常バイアス
電圧より僅かに低い電圧まで充電した後、定常バイアス
電圧まで緩やかに充電させる第1のプリチャージ回路50
と、前記第2のキャパシタに対し電源の供給に応じて充
電を開始し、前記第1のキャパシタより急峻かつ高い電
圧に充電させるとともに、前記第1のキャパシタが定常
のバイアス電圧より僅かに低い電圧に到達したとき、そ
の充電を停止する第2のプリチャージ回路60とを備えた
ものである。
〔作用〕
このような構成において、増幅器2の信号入力側に接
続された第1のキャパシタ10は、第1のプリチャージ回
路50によって充電され、また、増幅器2の帰還入力側に
接続された第2のキャパシタ28は、第2のプリチャージ
回路60によって充電される。
第1および第2のプリチャージ回路50、60は、電源38
の投入に応じて充電を開始するが、第1のプリチャージ
回路50に対して第2のプリチャージ回路60の充電電圧が
高く、その充電の立上りも急峻である。すなわち、電源
38の投入時から第2のキャパシタ28は、第1のキャパシ
タ10より充電電圧が高くなる。
そして、第1のプリチャージ回路50による第1のキャ
パシタ10の充電は、定常バイアス電圧VBから僅かに低い
電圧値まで移行した後、定常バイアス電圧VBまで緩やか
に移行する。一方、第2のプリチャージ回路60による第
2のキャパシタ28の充電は、第1のキャパシタ10が定常
バイヤス電圧VBより僅かに低い値に到達したことに同期
して停止され、その充電電圧VNFは帰還回路30を通して
の緩やかな放電によって第1のキャパシタ10の充電電圧
VBSに合致するのである。この時点から出力直流電圧VDC
が立ち上がることになる。
このように第1および第2のプリチャージ回路50、60
の充電特性によってキャパシタ10、28の充電電圧および
その立上りが規制されることにより、抵抗やキャパシタ
10、28の定数に依存しない立上り特性が実現されるの
で、過度音を生じることなく、出力直流電圧VDCの立上
げが可及的速やかに行われる。
〔実施例〕
第1図は、この発明の音声増幅回路の実施例を示す。
増幅器2は演算増幅器などで構成され、その正相入力
側、即ち、非反転入力端子(+)が信号入力側、その逆
相入力側、即ち、反転入力端子(−)が帰還入力側に設
定されている。すなわち、非反転入力端子(+)には、
入力端子16から信号源18によって増幅すべき音声入力信
号Viがキャパシタ20を通して加えられているとともに、
抵抗14を介して外付端子8に定常時には定常バイアス電
圧VBを設定するための第1のキャパシタ10が接続されて
いる。また、反転入力端子(−)には、出力端子32から
取り出される増幅器2の出力信号VOUTが、抵抗22、24お
よび外付端子26に接続された第2のキャパシタ28からな
る帰還回路30を通して帰還されている。キャパシタ28
は、帰還回路30を通じて増幅器2の反転入力端子(−)
に対して充電電圧VNFを設定するためのものである。
そして、電源投入直後、キャパシタ10に対してプリチ
ャージを行うために第1のプリチャージ回路50、キャパ
シタ28に対してプリチャージを行う第2のプリチャージ
回路60が設置され、各プリチャージ回路50、60には、基
準電圧設定回路70から基準電圧Vr1、Vr2、Vr3が設定さ
れている。基準電圧設定回路70は、定電流源71の定電流
Iを抵抗72およびダイオード73、74、75、76、77、78の
直列回路に流し、基準電圧Vr1はダイオード75〜78の順
方向降下電圧VFにより、基準電圧Vr2はダイオード73〜7
8の順方向降下電圧VFにより、また、基準電圧Vr3は、基
準電圧Vr2に抵抗72の抵抗値R72の定電流Iによる電圧降
下R72・Iが加わったものであり、 Vr1=4VF ……(1) Vr2=6VF ……(2) Vr3=Vr2+R72・I =6VF+R72・I ……(3) である。
プリチャージ回路50は、電源38の供給開始に応じてキ
ャパシタ10の充電を開始し、定常バイアス電圧VBより僅
かに低い電圧(VB−Vα)まで急峻に充電し、その電圧
(VB−Vα)から定常バイアス電圧VBまで緩やかに充電
させるものであり、トランジスタ51、52、抵抗53、54、
55および定電流源56を以て構成される充電回路に、キャ
パシタ10の上限充電電圧である定常バイアス電圧VBを設
定するため、キャパシタ10の充電電圧VBSが定常バイア
ス電圧VBを越えるとき導通するトランジスタ57からなる
放電回路を付加したものである。トランジスタ51のベー
スには基準電圧Vr2、トランジスタ57のベースには基準
電圧Vr1が加えられている。
プリチャージ回路60は、キャパシタ28に対して電源38
の供給開始に応じて充電を開始し、キャパシタ10より急
峻かつ高い電圧に充電するとともに、キャパシタ10の充
電が定常バイアス電圧VBより僅かに低い電圧(VB−V
α)へ到達したことに同期して充電を停止させるもので
ある。このため、プリチャージ回路60には、トランジス
タ61、62、抵抗63、64、65を以て構成された充電回路
に、その充電を停止させるためのスイッチ回路80が付加
されている。
スイッチ回路80は、定電流源81、ダイオード82、トラ
ンジスタ83、84、85および抵抗86を以て構成され、トラ
ンジスタ83のコレクタにトランジスタ62のベースが接続
され、トランジスタ52のコレクタにトランジスタ85のベ
ースが接続されている。したがって、キャパシタ10の充
電停止がトランジスタ52の動作を通して検出され、トラ
ンジスタ52の動作が停止したことに同期してトランジス
タ85の動作が停止される。この結果、トランジスタ84が
遮断状態となり、定電流源81からの定電流I3がダイオー
ド82およびトランジスタ83からなる電流ミラー回路に流
れ、トランジスタ83は、定電流I3をトランジスタ61のエ
ミッタから抵抗63を介して引き込み、トランジスタ62を
遮断状態にさせるので、キャパシタ10の充電停止に呼応
してキャパシタ28の充電が停止される。
このように構成したことによって、電源38の供給開始
時、電圧VCCが、第2図に示すように、瞬時に立ち上が
るものとすると、基準電圧設定回路70によって設定され
る各基準電圧Vr1〜Vr3も瞬時に立ち上がる。
キャパシタ10は、プリチャージ回路50により、電流
I1、I0で充電され、キャパシタ28は、プリチャージ回路
60により、トランジスタ62を通じて電流I2で充電され
る。この結果、第2図に示すように、キャパシタ10の充
電電圧VBSおよびキャパシタ28の充電電圧VNFが立ち上が
るが、プリチャージ回路60の充電能力がプリチャージ回
路50より高いため、その分だけキャパシタ28の充電が急
峻かつ高い電圧になる。
そして、電流I1による充電によってキャパシタ10の充
電電圧VBSが定常バイアス電圧VBより僅かに低い電圧(V
B−Vα)に到達すると、トランジスタ52が遮断状態に
なるので、電流I1による充電が停止され、定電流源56か
らの微小電流I0のみによって充電が行われ、定常バイア
ス電圧VB(=5VF)に到達して充電を完了する。
トランジスタ57は、キャパシタ10が定常バイアス電圧
VB(=5VF)に到達すると導通してキャパシタ10を放電
状態とするので、その充電電圧VBSが定常バイアス電圧V
Bを越えることはない。
ここで、プリチャージ回路50の電流I1の充電電圧(VB
−Vα)について、定常バイアス電圧VBが、基準電圧V
r1(=4VF)にトランジスタ57のベース・エミッタ間電
圧VBE(=VF)を加えた電圧5VFに設定されているの
で、電圧Vαは、 Vα=VB−Vr1=5VF−4VF=VF ……(4) となる。
一方、キャパシタ28の充電は、トランジスタ62からの
電流I2によって充電されてキャパシタ10より高い電圧に
充電されるが、キャパシタ10の電流I1による充電が停止
されたとき、同時にスイッチ回路80のトランジスタ83が
導通することによってトランジスタ62の動作が強制的に
停止することにより解除される。第2図に示す充電電圧
VNFのピーク点が充電の解除を表す。この時点からキャ
パシタ28は、帰還回路30を経て放電され、キャパシタ10
の充電電圧VBSに沿って定常バイアス電圧VBに移行す
る。
換言すれば、キャパシタ10の充電電圧VBSの傾きは、
キャパシタ28の充電電圧VNFの傾きに対して緩やかなも
のにするとともに、キャパシタ10のプリチャージを定常
バイアス電圧VBより僅かに低い電圧(VB−Vα)までと
し、この電圧時点でキャパシタ28の充電電圧VNFを電圧
(VB−Vα)より高い電圧(VB−Vα+Vβ)でその充
電を停止させ、その後、その充電電圧VNFを帰還回路30
を通して充電電圧VBSに沿って定常バイアス電圧VBに移
行させる。
ここで、キャパシタ28の充電電圧VNFにおける(VB
Vα+Vβ)は、充電電圧VNFの立上り部分のピーク点
となり、このピーク点電圧(VB−Vα+Vβ)における
電圧Vβは、過渡時にトランジスタ83が導通前にトラン
ジスタ61を通じて充電される最大充電電圧が基準電圧V
r3で規制されるので、式(3)から、 Vβ=I・R72 ……(5) となる。
そして、出力直流電圧VDCは、キャパシタ10の充電電
圧VBSとキャパシタ28の充電電圧VNFとが一致した時点か
ら立ち上がり、さらに、帰還回路30を通じてキャパシタ
10の充電電圧VBSに平行して増加する。充電電圧VBSの傾
斜に平行した増加分は、キャパシタ28の充電に帰還回路
30を通じてキャパシタ10の電流I0による充電の影響が加
わるために生じ、電流I0に応じた抵抗22の電圧降下(V
R22)と充電電圧VNFとが加わって、出力直流電圧VDC
なる。この出力直流電圧VDCは、キャパシタ10の充電電
圧VBSが定常バイアス電圧VBに移行した時点で減少し、
定常バイアス電圧VBと等しい電圧に移行する。
このような、キャパシタ10の充電電圧VBSおよびキャ
パシタ28の充電電圧VNFのプリチャージ動作によって、
過渡音を生じない条件を満足しながら、定常値に移行す
るので、ポップ音を伴うことがなく、また、電源投入時
から出力直流電圧VDCの立上り時点までの時間も短縮さ
れ、出力の立上りが迅速化される。
また、定常動作時や、電源スイッチ34を短時間に断続
させた場合などにおいて、キャパシタ10、28の充電電圧
が定常値から下降したときにも、プリチャージ回路50、
60が動作してキャパシタ10、28に対するプリチャージが
行われるので、同様に過渡音を抑制することができる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明によれば、電源投入時
の過渡音を抑えて出力の立上りを迅速化し、抵抗やキャ
パシタの定数ばらつきに依存しない安定した動作開始特
性を実現することができるとともに、定常動作時や電源
スイッチを断続させたときなど、キャパシタの充電電圧
が定常値より低下した場合にも、プリチャージ動作が行
えるので、過渡音の発生を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の音声増幅回路の実施例を示す回路
図、第2図は第1図に示した音声増幅回路の動作開始特
性を示す図、第3図は従来の音声増幅回路を示す回路
図、第4図は第3図に示した音声増幅回路の理想的な動
作開始特性を示す図、第5図および第6図は第3図に示
した音声増幅回路の動作開始特性の異常を示す図であ
る。 2……増幅器 10……第1のキャパシタ 28……第2のキャパシタ 30……帰還回路 38……電源 50……第1のプリチャージ回路 60……第2のプリチャージ回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正相入力に入力信号が加えられるとともに
    逆相入力側に出力信号が帰還されて前記入力信号を増幅
    する増幅器と、 この増幅器の正相入力側と基準電位点との間に接続され
    た第1のキャパシタと、 前記増幅器の逆相入力側と前記基準電位点との間に接続
    された第2のキャパシタと、 前記増幅器に対する電源の供給に応じて前記第1のキャ
    パシタに対する充電を開始し、定常バイアス電圧より僅
    かに低い電圧まで充電した後、定常バイアス電圧まで緩
    やかに充電させる第1のプリチャージ回路と、 前記第2のキャパシタに対し電源の供給に応じて充電を
    開始し、前記第1のキャパシタより急峻かつ高い電圧に
    充電させるとともに、前記第1のキャパシタが定常バイ
    アス電圧より僅かに低い電圧に到達したとき、その充電
    を停止する第2のプリチャージ回路と、 を備えた音声増幅回路。
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