JPH08170712A - 揺動可能な歯車取付構造を有する差動歯車装置 - Google Patents
揺動可能な歯車取付構造を有する差動歯車装置Info
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- JPH08170712A JPH08170712A JP7212785A JP21278595A JPH08170712A JP H08170712 A JPH08170712 A JP H08170712A JP 7212785 A JP7212785 A JP 7212785A JP 21278595 A JP21278595 A JP 21278595A JP H08170712 A JPH08170712 A JP H08170712A
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H48/00—Differential gearings
- F16H48/20—Arrangements for suppressing or influencing the differential action, e.g. locking devices
- F16H48/28—Arrangements for suppressing or influencing the differential action, e.g. locking devices using self-locking gears or self-braking gears
- F16H48/285—Arrangements for suppressing or influencing the differential action, e.g. locking devices using self-locking gears or self-braking gears with self-braking intermeshing gears having parallel axes and having worms or helical teeth
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- Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ハウジングの一方向への回転時におけるバイ
アス比と他方向への回転時におけるバイアス比との差を
適宜に設定することができる平行軸差動歯車装置を提供
する。 【解決手段】 平行軸差動歯車装置(10)は、揺動可
能なトグル(56)によって分けられた遊星歯車の対
(46)を有する。各遊星歯車の対の先導要素(48)
は、各遊星歯車の対(46)の追従要素(50)に対し
て前進駆動方向へ角度的に先行している。トグル(5
6)の第1の支持面(60)は先導遊星歯車(48)を
支持し、第2の支持面(62)は追従遊星歯車(50)
を支持する。トグル(56)の揺動軸線(58)は、遊
星歯車要素(48,50)間の力の伝達を制御するため
に、他方の支持面62(60)より一方の支持面60
(62)に接近して配置する。
アス比と他方向への回転時におけるバイアス比との差を
適宜に設定することができる平行軸差動歯車装置を提供
する。 【解決手段】 平行軸差動歯車装置(10)は、揺動可
能なトグル(56)によって分けられた遊星歯車の対
(46)を有する。各遊星歯車の対の先導要素(48)
は、各遊星歯車の対(46)の追従要素(50)に対し
て前進駆動方向へ角度的に先行している。トグル(5
6)の第1の支持面(60)は先導遊星歯車(48)を
支持し、第2の支持面(62)は追従遊星歯車(50)
を支持する。トグル(56)の揺動軸線(58)は、遊
星歯車要素(48,50)間の力の伝達を制御するため
に、他方の支持面62(60)より一方の支持面60
(62)に接近して配置する。
Description
【0001】
【関連出願】この出願は、1993年5月6日に差動歯
車装置の歯車取付システムの名称で出願した継続中の米
国特許出願番号第08/05848号の一部継続出願で
ある。この継続中の出願は、この出願において参照とし
て取り入れられている。
車装置の歯車取付システムの名称で出願した継続中の米
国特許出願番号第08/05848号の一部継続出願で
ある。この継続中の出願は、この出願において参照とし
て取り入れられている。
【0002】
【発明の属する技術分野】この発明は、ハウジング内に
設けられた歯車を有し、入力軸を一対の出力軸に結合す
る自動車用差動歯車装置に関するとともに、ハウジング
内に歯車を支持する移動可能な取付構造に関する。
設けられた歯車を有し、入力軸を一対の出力軸に結合す
る自動車用差動歯車装置に関するとともに、ハウジング
内に歯車を支持する移動可能な取付構造に関する。
【0003】
【従来の技術】自動車用の差動歯車装置は、エンジンの
駆動力を二つの出力軸間に分配するために駆動列に配置
されている。フロント差動歯車装置およびリア差動歯車
装置は、エンジンの出力をフロント車軸とリア車軸との
各車軸半体に分配する。センター差動歯車装置は、エン
ジンの出力をフロント車軸とリア車軸とへ向かう駆動軸
間に分配する。
駆動力を二つの出力軸間に分配するために駆動列に配置
されている。フロント差動歯車装置およびリア差動歯車
装置は、エンジンの出力をフロント車軸とリア車軸との
各車軸半体に分配する。センター差動歯車装置は、エン
ジンの出力をフロント車軸とリア車軸とへ向かう駆動軸
間に分配する。
【0004】差動歯車装置のハウジング内に設けられた
遊星歯車機構は、二つの出力軸をハウジングに関して互
いに逆方向へ回転(すなわち、差動回転)し得るように
連結する。一つの出力軸がエンジンの出力をハウジング
に伝達し、ハウジングを対をなす出力軸の共通軸線の回
りに遊星歯車機構と共に回転させる。
遊星歯車機構は、二つの出力軸をハウジングに関して互
いに逆方向へ回転(すなわち、差動回転)し得るように
連結する。一つの出力軸がエンジンの出力をハウジング
に伝達し、ハウジングを対をなす出力軸の共通軸線の回
りに遊星歯車機構と共に回転させる。
【0005】遊星歯車機構のサイドギヤとも称される太
陽歯車要素は、各出力軸の内側の端部にそれぞれ結合さ
れる。同遊星歯車機構の遊星歯車要素は、ハウジング内
に配置され、出力を太陽歯車間に伝達する。例えば、平
行軸遊星歯車機構は、対をなす遊星歯車を含み、この対
をなす遊星歯車は出力軸およびサイドギヤの共通軸線と
平行に延びるそれぞれの軸線の回りに回転可能に設けら
れる。各遊星歯車の一部は二つの太陽歯車の一方と噛み
合い、各遊星歯車の他の部分はその遊星歯車と対をなす
遊星歯車と噛み合う。
陽歯車要素は、各出力軸の内側の端部にそれぞれ結合さ
れる。同遊星歯車機構の遊星歯車要素は、ハウジング内
に配置され、出力を太陽歯車間に伝達する。例えば、平
行軸遊星歯車機構は、対をなす遊星歯車を含み、この対
をなす遊星歯車は出力軸およびサイドギヤの共通軸線と
平行に延びるそれぞれの軸線の回りに回転可能に設けら
れる。各遊星歯車の一部は二つの太陽歯車の一方と噛み
合い、各遊星歯車の他の部分はその遊星歯車と対をなす
遊星歯車と噛み合う。
【0006】Tsengの米国特許第5122101号
には、遊星歯車がステム部によって分離された主歯車部
と移送歯車部とを有するいわゆる結合歯車として形成さ
れた平行軸差動歯車装置が開示されている。主歯車部
は、二つのサイドギヤの一方および対をなす結合歯車の
移送歯車部の両方と噛み合う。移送歯車部は、対をなす
結合歯車の主歯車部と噛み合う。対をなす結合歯車どう
しの噛み合い箇所は、対をなす結合歯車と二つのサイド
ギヤとの噛み合い箇所を跨ぐ。
には、遊星歯車がステム部によって分離された主歯車部
と移送歯車部とを有するいわゆる結合歯車として形成さ
れた平行軸差動歯車装置が開示されている。主歯車部
は、二つのサイドギヤの一方および対をなす結合歯車の
移送歯車部の両方と噛み合う。移送歯車部は、対をなす
結合歯車の主歯車部と噛み合う。対をなす結合歯車どう
しの噛み合い箇所は、対をなす結合歯車と二つのサイド
ギヤとの噛み合い箇所を跨ぐ。
【0007】他の公知の平行軸差動歯車装置は、各対の
遊星歯車の一つの結合歯車要素を含む。この一つの結合
歯車要素の主歯車部は二つのサイドギヤの一方と噛み合
い、移送歯車部は対をなす遊星歯車と噛み合う。対をな
す遊星歯車間の単一の噛み合い箇所は、遊星歯車とサイ
ドギヤとの二つの噛み合い箇所の一方と重なり合う。
遊星歯車の一つの結合歯車要素を含む。この一つの結合
歯車要素の主歯車部は二つのサイドギヤの一方と噛み合
い、移送歯車部は対をなす遊星歯車と噛み合う。対をな
す遊星歯車間の単一の噛み合い箇所は、遊星歯車とサイ
ドギヤとの二つの噛み合い箇所の一方と重なり合う。
【0008】遊星歯車は、軸またはハウジングに形成さ
れたポケットに回転可能に支持される。軸は、ハウジン
グに形成された孔に支持される。ポケットは、遊星歯車
の歯の歯先面を含む遊星歯車の円筒外周面を支持する支
持面を提供する。Ichikiその他の米国特許第52
44440号には、そのようなポケットのほかに、歯車
をポケット内の望ましい動作位置に維持するための歯車
の関係が開示されている。
れたポケットに回転可能に支持される。軸は、ハウジン
グに形成された孔に支持される。ポケットは、遊星歯車
の歯の歯先面を含む遊星歯車の円筒外周面を支持する支
持面を提供する。Ichikiその他の米国特許第52
44440号には、そのようなポケットのほかに、歯車
をポケット内の望ましい動作位置に維持するための歯車
の関係が開示されている。
【0009】この出願の親出願である出願番号第08/
058480には、遊星歯車が台座間に対で支持された
他の歯車取付システムが開示されている。各台座は、遊
星歯車の互いに隣接する二つの対の各々の一方の歯車要
素を支持する二つの歯車取付面を有している。各対の遊
星歯車間には、台座を揺動可能に取り付けることによっ
て歯車反力を伝達させることが可能である。
058480には、遊星歯車が台座間に対で支持された
他の歯車取付システムが開示されている。各台座は、遊
星歯車の互いに隣接する二つの対の各々の一方の歯車要
素を支持する二つの歯車取付面を有している。各対の遊
星歯車間には、台座を揺動可能に取り付けることによっ
て歯車反力を伝達させることが可能である。
【0010】遊星歯車列は、それぞれの取付面と相互に
作用して、二つの出力軸間に異なる大きさの駆動トルク
を分配させる。摩擦トルクは、ハウジングに入力する駆
動トルクの大きさに比例して二つの出力軸間の相対回転
(すなわち、差動回転)に抵抗する。したがって、駆動
トルクは、相対回転する出力軸間にいわゆるバイアス比
に応じて分配される。バイアス比は、より大きなトルク
を受ける出力軸のトルクを小さいトルクを受ける出力軸
のトルクによって割った比率として表される。
作用して、二つの出力軸間に異なる大きさの駆動トルク
を分配させる。摩擦トルクは、ハウジングに入力する駆
動トルクの大きさに比例して二つの出力軸間の相対回転
(すなわち、差動回転)に抵抗する。したがって、駆動
トルクは、相対回転する出力軸間にいわゆるバイアス比
に応じて分配される。バイアス比は、より大きなトルク
を受ける出力軸のトルクを小さいトルクを受ける出力軸
のトルクによって割った比率として表される。
【0011】差動回転に対する抵抗は、一対の駆動輪に
よって得られる牽引力の大きさが不均一になるのを補償
することができる。例えば、バイアス比が2対1であれ
ば、一対の駆動輪のうちの高い牽引力を有する一方には
他方の2倍の大きさのトルクを分配することができる。
これにより、牽引力の小さい駆動輪がその路面に対して
空転するのを防止するとともに、より多くの総トルクを
伝達することができる。
よって得られる牽引力の大きさが不均一になるのを補償
することができる。例えば、バイアス比が2対1であれ
ば、一対の駆動輪のうちの高い牽引力を有する一方には
他方の2倍の大きさのトルクを分配することができる。
これにより、牽引力の小さい駆動輪がその路面に対して
空転するのを防止するとともに、より多くの総トルクを
伝達することができる。
【0012】二つの出力軸の相対回転に抵抗する摩擦ト
ルクは、差動歯車装置全体の各摩擦面で発生する一連の
摩擦トルクから構成される。しかしながら、摩擦面にお
ける荷重の各種の形態は、差動歯車装置を介して伝達さ
れるトルクの方向に応じて変化する。例えば、荷重形態
は、前進駆動荷重と後退駆動荷重とで変化する。差動回
転の方向も荷重形態を変化させる。
ルクは、差動歯車装置全体の各摩擦面で発生する一連の
摩擦トルクから構成される。しかしながら、摩擦面にお
ける荷重の各種の形態は、差動歯車装置を介して伝達さ
れるトルクの方向に応じて変化する。例えば、荷重形態
は、前進駆動荷重と後退駆動荷重とで変化する。差動回
転の方向も荷重形態を変化させる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】各種の異なるバイアス
比は、各種の荷重形態の結果として生じる。あるいくつ
かの例ではそのような各種の異なるバイアス比が望まし
く、他のいくつかの例では望ましくない。しかしなが
ら、たとえ各種の異なるバイアス比が望ましい場合であ
っても、各バイアス比にはさらに望ましい値がある。例
えば、あるバイアス比は前進駆動荷重に対して望まし
く、他のバイアス比は後退駆動荷重に対して望ましい。
各種の異なるバイアス比は、センター差動歯車装置が正
逆方向へ差動回転しているときにフロント車軸とリア車
軸とに分配されるトルクの割合を独立して制御するため
に、センター差動歯車装置においても望ましい。逆に、
フロント差動歯車装置およびリア差動歯車装置の正逆方
向への差動回転に対しては、単一のバイアス比が望まし
い。
比は、各種の荷重形態の結果として生じる。あるいくつ
かの例ではそのような各種の異なるバイアス比が望まし
く、他のいくつかの例では望ましくない。しかしなが
ら、たとえ各種の異なるバイアス比が望ましい場合であ
っても、各バイアス比にはさらに望ましい値がある。例
えば、あるバイアス比は前進駆動荷重に対して望まし
く、他のバイアス比は後退駆動荷重に対して望ましい。
各種の異なるバイアス比は、センター差動歯車装置が正
逆方向へ差動回転しているときにフロント車軸とリア車
軸とに分配されるトルクの割合を独立して制御するため
に、センター差動歯車装置においても望ましい。逆に、
フロント差動歯車装置およびリア差動歯車装置の正逆方
向への差動回転に対しては、単一のバイアス比が望まし
い。
【0014】しかしながら、大部分の差動歯車装置にお
いては、トルク伝達の方向が異なる場合であってもバイ
アス比を独立して制御するという可能性が制限されてい
る。バイアス比を制御するための大部分の企ては、トル
クが伝達される二つまたはそれ以上の方向の間で各種の
荷重がかけられる面間の摩擦係数を変化させることを含
んでいる。例えば、Pedersonの米国特許第48
90511号では、正逆両方向への差動回転時にバイア
ス比に影響を及ぼす静止ワッシャの両面に異なる摩擦係
数を用いている。また、Brewerその他の米国特許
第5232415号では、前進駆動と後退駆動との正逆
両差動回転においてバイアス比に影響を及ぼす遊星歯車
の端面に異なる摩擦係数を用いている。
いては、トルク伝達の方向が異なる場合であってもバイ
アス比を独立して制御するという可能性が制限されてい
る。バイアス比を制御するための大部分の企ては、トル
クが伝達される二つまたはそれ以上の方向の間で各種の
荷重がかけられる面間の摩擦係数を変化させることを含
んでいる。例えば、Pedersonの米国特許第48
90511号では、正逆両方向への差動回転時にバイア
ス比に影響を及ぼす静止ワッシャの両面に異なる摩擦係
数を用いている。また、Brewerその他の米国特許
第5232415号では、前進駆動と後退駆動との正逆
両差動回転においてバイアス比に影響を及ぼす遊星歯車
の端面に異なる摩擦係数を用いている。
【0015】
【発明の要約】この発明は、自動車用差動歯車装置を介
して伝達されるトルクの方向と関連するバイアス比のよ
りよい制御を提供する。例えば、移動可能な歯車取付面
は、前進荷重と後退荷重とでバイアス比を制御するため
に用いることができる。移動可能な取付面に関する歯車
配置の変化が差動の方向に関連するバイアス比を制御す
るために用いることができる。
して伝達されるトルクの方向と関連するバイアス比のよ
りよい制御を提供する。例えば、移動可能な歯車取付面
は、前進荷重と後退荷重とでバイアス比を制御するため
に用いることができる。移動可能な取付面に関する歯車
配置の変化が差動の方向に関連するバイアス比を制御す
るために用いることができる。
【0016】継続中である本出願人の米国特許出願番号
第08/058480号に開示された差動歯車装置の一
つと同様に、この発明の一つの実施形態は、一対の駆動
軸の共通軸線の回りに前進方向と後退方向へ回転可能で
あるハウジングを含む。第1および第2のサイドギヤ
は、ハウジング内に配置され、各駆動軸の端部をそれぞ
れ受容する。第1および第2の対の遊星歯車は、ハウジ
ング内に共通軸線と平行に延びる軸線の回りに回転可能
に配置され、サイドギヤと噛み合う。サイドギヤおよび
遊星歯車は、二つの駆動軸をハウジングに関して互いに
逆方向へ回転し得るように連結する。
第08/058480号に開示された差動歯車装置の一
つと同様に、この発明の一つの実施形態は、一対の駆動
軸の共通軸線の回りに前進方向と後退方向へ回転可能で
あるハウジングを含む。第1および第2のサイドギヤ
は、ハウジング内に配置され、各駆動軸の端部をそれぞ
れ受容する。第1および第2の対の遊星歯車は、ハウジ
ング内に共通軸線と平行に延びる軸線の回りに回転可能
に配置され、サイドギヤと噛み合う。サイドギヤおよび
遊星歯車は、二つの駆動軸をハウジングに関して互いに
逆方向へ回転し得るように連結する。
【0017】遊星歯車の各対は、先導遊星歯車要素と追
従遊星歯車要素とを含む。先導遊星歯車は、追従遊星歯
車に対し共通軸線の回りに駆動方向へ角度的に先行して
いる。
従遊星歯車要素とを含む。先導遊星歯車は、追従遊星歯
車に対し共通軸線の回りに駆動方向へ角度的に先行して
いる。
【0018】台座とも称される第1のトグルは、ハウジ
ング内において遊星歯車の第1および第2の対の間に揺
動可能に取り付けられる。第1のトグルの第1の支持面
は、遊星歯車の第1の対の先導要素を回転可能に支持
し、第1のトグルの第2の支持面は、遊星歯車の第2の
対の追従要素を回転可能に支持する。第1のトグルは、
共通軸線と平行に延びる第1の揺動軸線の回りに揺動可
能である。第1のトグルの角回動は、遊星歯車の第1お
よび第2の対の間に歯車反力を伝達し、二つの対の各要
素の一方に制動力を作用させる。
ング内において遊星歯車の第1および第2の対の間に揺
動可能に取り付けられる。第1のトグルの第1の支持面
は、遊星歯車の第1の対の先導要素を回転可能に支持
し、第1のトグルの第2の支持面は、遊星歯車の第2の
対の追従要素を回転可能に支持する。第1のトグルは、
共通軸線と平行に延びる第1の揺動軸線の回りに揺動可
能である。第1のトグルの角回動は、遊星歯車の第1お
よび第2の対の間に歯車反力を伝達し、二つの対の各要
素の一方に制動力を作用させる。
【0019】この発明の改良の一部は、トルクが正逆方
向に伝達されるときに先導遊星歯車と追従遊星歯車とに
よって示される荷重形態の新規な認識に基づいて達成可
能である。この点に関し、この発明では、第1の揺動軸
線を第1および第2の支持面の一方に他方より接近させ
て配置し、隣接する遊星歯車の対の先導遊星歯車要素と
追従遊星歯車要素との間の力の伝達の機械的な有利性を
変化させている。第1および第2のモーメントの腕は、
揺動軸線と第1および第2の支持面における接触点に立
つ法線とで決定される。揺動軸線の位置は、二つのモー
メントの腕の相対長さを制御するために選択される。
向に伝達されるときに先導遊星歯車と追従遊星歯車とに
よって示される荷重形態の新規な認識に基づいて達成可
能である。この点に関し、この発明では、第1の揺動軸
線を第1および第2の支持面の一方に他方より接近させ
て配置し、隣接する遊星歯車の対の先導遊星歯車要素と
追従遊星歯車要素との間の力の伝達の機械的な有利性を
変化させている。第1および第2のモーメントの腕は、
揺動軸線と第1および第2の支持面における接触点に立
つ法線とで決定される。揺動軸線の位置は、二つのモー
メントの腕の相対長さを制御するために選択される。
【0020】例えば、第1の揺動軸線は、第2の支持面
より第1の支持面に接近させて配置してもよい。このよ
うに配置すれば、追従遊星歯車によって加えられる反力
に有利なように第1のトグルを非平衡な状態にすること
ができる。前進駆動方向のときのように、追従遊星歯車
の反力が先導遊星歯車の反力より大きいときには、より
大きな制動力が先導遊星歯車に作用する。しかしなが
ら、後退駆動方向のときのように、追従遊星歯車の反力
が先導遊星歯車の反力より小さい時には、より小さい制
動力が追従遊星歯車に作用する。第1のトグルによって
加えられる制動力が後退駆動方向より前進駆動方向の方
が大きいので、前進駆動方向におけるバイアス比は後退
駆動方向におけるバイアス比に対して増大する。
より第1の支持面に接近させて配置してもよい。このよ
うに配置すれば、追従遊星歯車によって加えられる反力
に有利なように第1のトグルを非平衡な状態にすること
ができる。前進駆動方向のときのように、追従遊星歯車
の反力が先導遊星歯車の反力より大きいときには、より
大きな制動力が先導遊星歯車に作用する。しかしなが
ら、後退駆動方向のときのように、追従遊星歯車の反力
が先導遊星歯車の反力より小さい時には、より小さい制
動力が追従遊星歯車に作用する。第1のトグルによって
加えられる制動力が後退駆動方向より前進駆動方向の方
が大きいので、前進駆動方向におけるバイアス比は後退
駆動方向におけるバイアス比に対して増大する。
【0021】同様に、第2のトグルは、遊星歯車の第1
および第2の対の間に第2の揺動軸線の回りに回動可能
に取り付けることができる。第2のトグルの第1の支持
面は、遊星歯車の第2の対の先導要素を回転可能に支持
し、第2のトグルの第2の支持面は、遊星歯車の第1の
対の追従要素を回転可能に支持する。第2の揺動軸線
は、第2のトグルの第1および第2の支持面の一方に他
方より接近して配置される。直前の例と同様に、第2の
支持面より第1の支持面に接近して配置すると、前進駆
動方向におけるバイアス比が後退駆動方向におけるバイ
アスに対して増大する。
および第2の対の間に第2の揺動軸線の回りに回動可能
に取り付けることができる。第2のトグルの第1の支持
面は、遊星歯車の第2の対の先導要素を回転可能に支持
し、第2のトグルの第2の支持面は、遊星歯車の第1の
対の追従要素を回転可能に支持する。第2の揺動軸線
は、第2のトグルの第1および第2の支持面の一方に他
方より接近して配置される。直前の例と同様に、第2の
支持面より第1の支持面に接近して配置すると、前進駆
動方向におけるバイアス比が後退駆動方向におけるバイ
アスに対して増大する。
【0022】第1および第2の揺動軸線は、第1および
第2のトグルの第1の支持面に代えて第2の支持面に接
近させて配置してもよい。そのようにすれば、後退駆動
方向におけるバイアス比を前進駆動方向におけるバイア
ス比に対して増大させることができる。二つ以上の揺動
可能なトグルと二対以上の遊星歯車とを用いてもよい。
勿論、そのときには、第2のトグルは、第1および第2
の遊星歯車の対の間に反力を伝達する代わりに、第2お
よび第3の遊星歯車の対の間に反力を伝達する。
第2のトグルの第1の支持面に代えて第2の支持面に接
近させて配置してもよい。そのようにすれば、後退駆動
方向におけるバイアス比を前進駆動方向におけるバイア
ス比に対して増大させることができる。二つ以上の揺動
可能なトグルと二対以上の遊星歯車とを用いてもよい。
勿論、そのときには、第2のトグルは、第1および第2
の遊星歯車の対の間に反力を伝達する代わりに、第2お
よび第3の遊星歯車の対の間に反力を伝達する。
【0023】遊星歯車の各対においては、先導要素と追
従要素とのうちの一方が第1のサイドギヤと噛み合い、
先導要素と追従要素とのうちの他方が第2のサイドギヤ
と噛み合う。しかしながら、遊星歯車の各対間では異な
る噛み合わせ形態を採用することも可能である。例え
ば、差動回転の正逆方向でのバイアス比の非平衡状態
は、遊星歯車の第1の対の先導要素を第1のサイドギヤ
と噛み合わせることにより、及び遊星歯車の第2の対の
先導要素を第2のサイドギヤと噛み合わせることによ
り、最小にすることができる。偶数個の遊星歯車の対を
追加して、それらを同様な形態で交互に配置することも
可能である。さらに、そのようなバイアス比の非平衡状
態は、遊星歯車の両方の対の先導要素を第1のサイドギ
ヤと噛み合わせることによって増大させることができ
る。
従要素とのうちの一方が第1のサイドギヤと噛み合い、
先導要素と追従要素とのうちの他方が第2のサイドギヤ
と噛み合う。しかしながら、遊星歯車の各対間では異な
る噛み合わせ形態を採用することも可能である。例え
ば、差動回転の正逆方向でのバイアス比の非平衡状態
は、遊星歯車の第1の対の先導要素を第1のサイドギヤ
と噛み合わせることにより、及び遊星歯車の第2の対の
先導要素を第2のサイドギヤと噛み合わせることによ
り、最小にすることができる。偶数個の遊星歯車の対を
追加して、それらを同様な形態で交互に配置することも
可能である。さらに、そのようなバイアス比の非平衡状
態は、遊星歯車の両方の対の先導要素を第1のサイドギ
ヤと噛み合わせることによって増大させることができ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】図1および図2に示す平行軸差動
歯車装置10は、柱部材18によって結合されたフラン
ジ端部14と蓋端部16を有するハウジング12を含
む。フランジ端部14は、駆動力をハウジング12に伝
達するリングギヤ(図示せず)を取り付けるための孔2
0を有している。一直線から外れたボルト22,24が
柱部材18をフランジ端部14および蓋端部16に結合
している。柱部材18のキー状突起(図3にも図示)
は、フランジ端部14に形成された溝30の側壁と係合
する平面28を有している。一直線から外れたボルト2
2,24と互いに係合する突起26および溝30との両
者は、柱部材18が回転するのを防止する。
歯車装置10は、柱部材18によって結合されたフラン
ジ端部14と蓋端部16を有するハウジング12を含
む。フランジ端部14は、駆動力をハウジング12に伝
達するリングギヤ(図示せず)を取り付けるための孔2
0を有している。一直線から外れたボルト22,24が
柱部材18をフランジ端部14および蓋端部16に結合
している。柱部材18のキー状突起(図3にも図示)
は、フランジ端部14に形成された溝30の側壁と係合
する平面28を有している。一直線から外れたボルト2
2,24と互いに係合する突起26および溝30との両
者は、柱部材18が回転するのを防止する。
【0025】ハウジング12は、一対の出力軸34,3
6の共通軸線32の回りに前進および後退駆動方向へ回
転可能である。サイドギヤ42,44が、二つの出力軸
34,36と共に共通軸線32の回りを回転するよう、
それらの内側の端部に結合されている。サイドギヤ4
2,44は、四対の遊星歯車46によって相互に連結さ
れている。遊星歯車の各対は、共通軸線32と平行に延
びるそれぞれの軸線52、54の回りを回転可能である
先導遊星歯車要素48と追従遊星歯車要素50とを有し
ている。先導遊星歯車48は、追従遊星歯車要素50に
対し共通軸線32の回りに前進駆動方向へ角度的に前方
に位置している。
6の共通軸線32の回りに前進および後退駆動方向へ回
転可能である。サイドギヤ42,44が、二つの出力軸
34,36と共に共通軸線32の回りを回転するよう、
それらの内側の端部に結合されている。サイドギヤ4
2,44は、四対の遊星歯車46によって相互に連結さ
れている。遊星歯車の各対は、共通軸線32と平行に延
びるそれぞれの軸線52、54の回りを回転可能である
先導遊星歯車要素48と追従遊星歯車要素50とを有し
ている。先導遊星歯車48は、追従遊星歯車要素50に
対し共通軸線32の回りに前進駆動方向へ角度的に前方
に位置している。
【0026】四つのトグル56が、柱部材18に共通軸
線32と平行に延びる回動軸線58の回りを揺動可能に
設けられている。各トグル56(図4にも示す。)は、
遊星歯車の二つの対の一方の対の先導要素48を回転可
能に支持する第1の支持面60と、当該一方の対に隣接
する対の追従要素50を回転可能に支持する第2の支持
面62とを有している。
線32と平行に延びる回動軸線58の回りを揺動可能に
設けられている。各トグル56(図4にも示す。)は、
遊星歯車の二つの対の一方の対の先導要素48を回転可
能に支持する第1の支持面60と、当該一方の対に隣接
する対の追従要素50を回転可能に支持する第2の支持
面62とを有している。
【0027】柱部材18のジャーナル部66は、トグル
56の第3の支持面64と係合して、トグル56をハウ
ジング12内に回動可能に据え付ける。トグル56の逃
げ面68,70は、柱部材の柱面72,74に対して角
度的に離れ、揺動軸線58の回りのある範囲の回動を許
容する。これに代えて、柱面72,74の一方は、揺動
軸線58の回りの一方向におけるトグル56の揺動を制
限する停止部を形成するように配置することも可能であ
る。
56の第3の支持面64と係合して、トグル56をハウ
ジング12内に回動可能に据え付ける。トグル56の逃
げ面68,70は、柱部材の柱面72,74に対して角
度的に離れ、揺動軸線58の回りのある範囲の回動を許
容する。これに代えて、柱面72,74の一方は、揺動
軸線58の回りの一方向におけるトグル56の揺動を制
限する停止部を形成するように配置することも可能であ
る。
【0028】この実施形態においては、追従要素50か
ら隣接する遊星歯車の対の先導要素48への遊星歯車の
反力の伝達を促進するために、揺動軸線60が第2の支
持面62より第1の支持面60に接近して配置されてい
る。しかしながら、逆の効果を得るために、揺動軸線を
第1の支持面60より第2の支持面62に接近させて配
置してもよい。
ら隣接する遊星歯車の対の先導要素48への遊星歯車の
反力の伝達を促進するために、揺動軸線60が第2の支
持面62より第1の支持面60に接近して配置されてい
る。しかしながら、逆の効果を得るために、揺動軸線を
第1の支持面60より第2の支持面62に接近させて配
置してもよい。
【0029】図5〜図8の力線図は、前進および後退の
両方の駆動荷重方向における揺動軸線の異なる配置の効
果を示している。両駆動方向においては、力が差動ハウ
ジング12から出力軸34,36に伝達される。逆に、
前進および後退コースト方向においては、力が出力軸3
4,36からハウジング12に伝達される。かくて、
「前進」および「後退」という用語は、ハウジングの回
転の二つの方向を称する。また、「駆動」および「コー
スト」という用語は、ハウジング12と出力軸34,3
6との間の力の伝達の二つの方向を称する。このような
区別は重要である。なぜならば、前進駆動方向における
差動回転の荷重形態が後退コースト方向における荷重形
態と同様であり、後退駆動方向における荷重形態が前進
コースト方向における荷重形態と同様であるからであ
る。
両方の駆動荷重方向における揺動軸線の異なる配置の効
果を示している。両駆動方向においては、力が差動ハウ
ジング12から出力軸34,36に伝達される。逆に、
前進および後退コースト方向においては、力が出力軸3
4,36からハウジング12に伝達される。かくて、
「前進」および「後退」という用語は、ハウジングの回
転の二つの方向を称する。また、「駆動」および「コー
スト」という用語は、ハウジング12と出力軸34,3
6との間の力の伝達の二つの方向を称する。このような
区別は重要である。なぜならば、前進駆動方向における
差動回転の荷重形態が後退コースト方向における荷重形
態と同様であり、後退駆動方向における荷重形態が前進
コースト方向における荷重形態と同様であるからであ
る。
【0030】例えば、図5は前進駆動方向(または後退
コースト方向)におけるトグル80の挙動を示してお
り、図6は後退駆動方向(または前進コースト方向)に
おける同トグルの挙動を示している。トグル80は、第
1の対の先導および追従遊星歯車要素86,88を第2
の対の先導および追従遊星歯車要素90,92から分離
する。遊星歯車の両方の対の先導要素86,90はサイ
ドギヤ94と噛み合い、追従要素88,92はサイドギ
ヤ96と噛み合う。
コースト方向)におけるトグル80の挙動を示してお
り、図6は後退駆動方向(または前進コースト方向)に
おける同トグルの挙動を示している。トグル80は、第
1の対の先導および追従遊星歯車要素86,88を第2
の対の先導および追従遊星歯車要素90,92から分離
する。遊星歯車の両方の対の先導要素86,90はサイ
ドギヤ94と噛み合い、追従要素88,92はサイドギ
ヤ96と噛み合う。
【0031】トグル80は、先導遊星歯車要素86を回
転可能に支持する第1の支持面98と、追従遊星歯車要
素92を回転可能に支持する第2の支持面100を含
む。揺動軸線102が、第2の支持面100より第1の
支持面98に接近して配置されており、トグル80をハ
ウジング(図示せず)内に揺動可能に支持する。
転可能に支持する第1の支持面98と、追従遊星歯車要
素92を回転可能に支持する第2の支持面100を含
む。揺動軸線102が、第2の支持面100より第1の
支持面98に接近して配置されており、トグル80をハ
ウジング(図示せず)内に揺動可能に支持する。
【0032】前進駆動荷重方向82(図5に示す。)に
おいては、追従遊星歯車要素88,92が高歯車反力を
発揮し、先導遊星歯車要素86,90が低歯車反力を発
揮する。これは、追従遊星歯車要素88,92のサイド
ギヤ96および先導遊星歯車要素86,90との噛み合
いによって生じる反力が加算的であるのに対し、先導遊
星歯車要素86,90のサイドギヤ94および追従遊星
歯車要素88,92との噛み合いによって生じる反力が
減算的であるからである。
おいては、追従遊星歯車要素88,92が高歯車反力を
発揮し、先導遊星歯車要素86,90が低歯車反力を発
揮する。これは、追従遊星歯車要素88,92のサイド
ギヤ96および先導遊星歯車要素86,90との噛み合
いによって生じる反力が加算的であるのに対し、先導遊
星歯車要素86,90のサイドギヤ94および追従遊星
歯車要素88,92との噛み合いによって生じる反力が
減算的であるからである。
【0033】ちょうど逆の荷重形態が、後退駆動方向8
4(図6に示す。)において発生する。すなわち、先導
遊星歯車要素86,90が高歯車反力を発揮し、追従遊
星歯車要素88,92が低歯車反力を発揮する。Ich
ikiその他の米国特許第5244440号には、これ
らの歯車反力を計算するための手順が開示されている。
この特許はここに参照のために取り入れられている。
4(図6に示す。)において発生する。すなわち、先導
遊星歯車要素86,90が高歯車反力を発揮し、追従遊
星歯車要素88,92が低歯車反力を発揮する。Ich
ikiその他の米国特許第5244440号には、これ
らの歯車反力を計算するための手順が開示されている。
この特許はここに参照のために取り入れられている。
【0034】荷重が前進駆動方向84に作用する図5を
参照するに、追従遊星歯車要素92は、第2の支持面1
00に半径方向の反力Wfを作用させる。反力Wfは、
トグル80に揺動軸線102の回りのモーメントMf1
を発生させる。モーメントMf1(揺動軸線102回り
の摩擦を無視する。)は、反力Wfとモーメントの腕の
長さLf1の積として演算される。腕の長さは、回動軸
線102と、第2の支持面100の追従遊星歯車要素9
2との接触点における法線104との間で計測される。
参照するに、追従遊星歯車要素92は、第2の支持面1
00に半径方向の反力Wfを作用させる。反力Wfは、
トグル80に揺動軸線102の回りのモーメントMf1
を発生させる。モーメントMf1(揺動軸線102回り
の摩擦を無視する。)は、反力Wfとモーメントの腕の
長さLf1の積として演算される。腕の長さは、回動軸
線102と、第2の支持面100の追従遊星歯車要素9
2との接触点における法線104との間で計測される。
【0035】モーメントMf1は、反力Wfを第1の支
持面98を介して先導遊星歯車要素86に制動力Bg1
として伝達する。制動力Bg1は、モーメントMf1をモ
ーメントの腕の長さLg1で割った商として演算され
る。モーメントの腕の長さLg1は、揺動軸線102と
制動力Bg1に一致する法線106との間で計測され
る。かくて、反力Wfの大きさと制動力Bg1の大きさ
とは、それぞれのモーメントの腕の長さLf1,Lg1に
逆比例する。
持面98を介して先導遊星歯車要素86に制動力Bg1
として伝達する。制動力Bg1は、モーメントMf1をモ
ーメントの腕の長さLg1で割った商として演算され
る。モーメントの腕の長さLg1は、揺動軸線102と
制動力Bg1に一致する法線106との間で計測され
る。かくて、反力Wfの大きさと制動力Bg1の大きさ
とは、それぞれのモーメントの腕の長さLf1,Lg1に
逆比例する。
【0036】モーメントの腕の長さLf1がモーメント
の腕の長さLg1より長いので、先導遊星歯車要素86
に加えられる制動力Bg1は、前進駆動荷重方向におい
ては歯車反力Wfに対して増大させられる。増大した制
動力Bg1は、先導遊星歯車要素86の回転に抵抗する
摩擦トルクを発生させ、前進駆動(または後退コース
ト)荷重方向82におけるバイアス比を増大させる。
の腕の長さLg1より長いので、先導遊星歯車要素86
に加えられる制動力Bg1は、前進駆動荷重方向におい
ては歯車反力Wfに対して増大させられる。増大した制
動力Bg1は、先導遊星歯車要素86の回転に抵抗する
摩擦トルクを発生させ、前進駆動(または後退コース
ト)荷重方向82におけるバイアス比を増大させる。
【0037】荷重が後退方向84に作用する図6によれ
ば、先導遊星歯車要素86は第1の支持面98に半径方
向の反力Wgを作用させる。反力Wgは、トグル80に
回動軸線102回りのモーメントMg1を発生させる。
モーメントMg1は、反力Wgを第2の支持面100を
介して追従遊星歯車要素92に制動力Bf1として伝達
する。
ば、先導遊星歯車要素86は第1の支持面98に半径方
向の反力Wgを作用させる。反力Wgは、トグル80に
回動軸線102回りのモーメントMg1を発生させる。
モーメントMg1は、反力Wgを第2の支持面100を
介して追従遊星歯車要素92に制動力Bf1として伝達
する。
【0038】揺動軸線102が移動しないので、モーメ
ントの腕の長さLf1,Lg1は図6において変化しな
い。したがって、追従遊星歯車要素92に作用する制動
力Bf1は歯車反力Wgに対して減少する。相対的に減
少した制動力Bf1は、後退駆動荷重方向84における
バイアス比を減少させる。
ントの腕の長さLf1,Lg1は図6において変化しな
い。したがって、追従遊星歯車要素92に作用する制動
力Bf1は歯車反力Wgに対して減少する。相対的に減
少した制動力Bf1は、後退駆動荷重方向84における
バイアス比を減少させる。
【0039】かくて、回動軸線102を第2の支持面1
00より第1の支持面98に接近させた結果、前進駆動
(または後退コースト)荷重方向82におけるバイアス
比が後退駆動(または前進コースト)荷重方向84にお
けるバイアス比に対して増大する。相対増大量は、モー
メントの腕の長さLf1,Lg1を制御することによって
調節することができる。
00より第1の支持面98に接近させた結果、前進駆動
(または後退コースト)荷重方向82におけるバイアス
比が後退駆動(または前進コースト)荷重方向84にお
けるバイアス比に対して増大する。相対増大量は、モー
メントの腕の長さLf1,Lg1を制御することによって
調節することができる。
【0040】図7および図8は、前進駆動方向82と後
退駆動方向との両方向におけるトグル110の挙動を表
している。歯車列は図5および図6に示すものと同一で
あり、トグル110と回動軸線112の位置だけが変化
している。
退駆動方向との両方向におけるトグル110の挙動を表
している。歯車列は図5および図6に示すものと同一で
あり、トグル110と回動軸線112の位置だけが変化
している。
【0041】図5および図6と同様に、図7および図8
のトグル110は、先導遊星歯車要素86を回転可能に
支持する第1の支持面114と、追従遊星歯車要素92
を回転自在に支持する第2の支持面116を有してい
る。しかしながら、回動軸線112は、第1の支持面1
14より第2の支持面116に接近して配置されてい
る。
のトグル110は、先導遊星歯車要素86を回転可能に
支持する第1の支持面114と、追従遊星歯車要素92
を回転自在に支持する第2の支持面116を有してい
る。しかしながら、回動軸線112は、第1の支持面1
14より第2の支持面116に接近して配置されてい
る。
【0042】図7において、反力Wfは、モーメントM
f2によりトグル110を介して伝達され、先導遊星歯
車要素86に減少した制動力Bg2として加えられる。
制動力Bg2は、反力Wfに対してモーメントの腕の長
さLg2,Lf2と反比例の関係にある。反力Wfに対す
る制動力Bg2の減少は、前進駆動荷重方向82におけ
るバイアス比を減少させる。
f2によりトグル110を介して伝達され、先導遊星歯
車要素86に減少した制動力Bg2として加えられる。
制動力Bg2は、反力Wfに対してモーメントの腕の長
さLg2,Lf2と反比例の関係にある。反力Wfに対す
る制動力Bg2の減少は、前進駆動荷重方向82におけ
るバイアス比を減少させる。
【0043】図8において、反力Wgは、モーメントM
g2によりトグル110を介して伝達され、追従遊星歯
車要素92に増大した制動力Bf2として加えられる。
反力Wgに対する制動力Bf2の増大は、後退駆動荷重
方向84におけるバイアス比を増大させる。
g2によりトグル110を介して伝達され、追従遊星歯
車要素92に増大した制動力Bf2として加えられる。
反力Wgに対する制動力Bf2の増大は、後退駆動荷重
方向84におけるバイアス比を増大させる。
【0044】したがって、揺動軸線112を第2の支持
面116側へ移動させると、前進駆動(または後退コー
スト)荷重方向時におけるバイアス比を、後退駆動(ま
たは前進コースト)荷重方向時におけるバイアス比に対
して減少させることになる。図5〜図8に基づいて検討
したこれらのバイアス比効果は、差動歯車装置内の他の
バイアス比の非平衡を補償したり、あるいは二つの荷重
方向82,84間にそのような非平衡を生じさせるため
に用いることができる。
面116側へ移動させると、前進駆動(または後退コー
スト)荷重方向時におけるバイアス比を、後退駆動(ま
たは前進コースト)荷重方向時におけるバイアス比に対
して減少させることになる。図5〜図8に基づいて検討
したこれらのバイアス比効果は、差動歯車装置内の他の
バイアス比の非平衡を補償したり、あるいは二つの荷重
方向82,84間にそのような非平衡を生じさせるため
に用いることができる。
【0045】荷重方向82,84のうちのいずれかの荷
重方向におけるバイアス比は、二つの方向のうちの一方
の方向におけるトグル80,100の回動を阻止するこ
とによって相対的にさらに減少させることができる。例
えば、これを達成するために、28に示す柱面72また
は74は、トグル56の逃げ面68または70に接触す
るように位置させてもよい。
重方向におけるバイアス比は、二つの方向のうちの一方
の方向におけるトグル80,100の回動を阻止するこ
とによって相対的にさらに減少させることができる。例
えば、これを達成するために、28に示す柱面72また
は74は、トグル56の逃げ面68または70に接触す
るように位置させてもよい。
【0046】図9および図10は、差動回転の二つの回
転方向の間のバイアス比を平衡状態にするときと非平衡
状態にするときとの遊星歯車の配置を示している。第1
のサイドギヤ118と噛み合う遊星歯車には符号Aが付
され、第2のサイドギヤ120と噛み合う遊星歯車には
符号Bが付されている。
転方向の間のバイアス比を平衡状態にするときと非平衡
状態にするときとの遊星歯車の配置を示している。第1
のサイドギヤ118と噛み合う遊星歯車には符号Aが付
され、第2のサイドギヤ120と噛み合う遊星歯車には
符号Bが付されている。
【0047】図9において、四対の先導および追従遊星
歯車122,124は、四つの揺動可能なトグル126
によって半径方向に支持されている。各トグル126の
揺動軸線128は、追従遊星歯車124より先導遊星歯
車122に接近して配置されている。符号Bが付された
全ての先導遊星歯車122は第2のサイドギヤ120と
噛み合い、符号Aが付された全ての追従遊星歯車124
は第1のサイドギヤ118と噛み合っている。
歯車122,124は、四つの揺動可能なトグル126
によって半径方向に支持されている。各トグル126の
揺動軸線128は、追従遊星歯車124より先導遊星歯
車122に接近して配置されている。符号Bが付された
全ての先導遊星歯車122は第2のサイドギヤ120と
噛み合い、符号Aが付された全ての追従遊星歯車124
は第1のサイドギヤ118と噛み合っている。
【0048】もし、一方または他方の太陽歯車118,
120と噛み合う遊星歯車AまたはBが高反力または高
制動力を受けるのであれば、そのときには差動回転の二
つの方向の間にバイアス比の非衡状態が発生する。揺動
軸線128を図9に示すように配置すると、先導遊星歯
車122には追従遊星歯車124より大きな制動力が作
用する。全ての先導遊星歯車122が第2のサイドギヤ
120と噛み合っているので、差動回転の二つの方向の
間にバイアス比の非平衡状態が発生する。
120と噛み合う遊星歯車AまたはBが高反力または高
制動力を受けるのであれば、そのときには差動回転の二
つの方向の間にバイアス比の非衡状態が発生する。揺動
軸線128を図9に示すように配置すると、先導遊星歯
車122には追従遊星歯車124より大きな制動力が作
用する。全ての先導遊星歯車122が第2のサイドギヤ
120と噛み合っているので、差動回転の二つの方向の
間にバイアス比の非平衡状態が発生する。
【0049】図10において、同数の先導遊星歯車13
2および追従遊星歯車134が第1のサイドギヤ118
および第2のサイドギヤ120と交互に噛み合ってい
る。例えば、二つの先導遊星歯車132および二つの追
従遊星歯車134は全て符号Aが付されているのである
が、それらは第1のサイドギヤ118と噛み合ってい
る。各トグル126は、符号Aが付された遊星歯車間、
または符号Bが付された遊星歯車間に歯車反力を伝達す
る。偶数個のトグル126が存在するから、それらの効
果は、第1および第2のサイドギヤ118,120と噛
み合う遊星歯車A,B間に等しく分配される。このこと
は、差動回転の二つの方向の間におけるバイアス比の非
平衡状態を減少させる。
2および追従遊星歯車134が第1のサイドギヤ118
および第2のサイドギヤ120と交互に噛み合ってい
る。例えば、二つの先導遊星歯車132および二つの追
従遊星歯車134は全て符号Aが付されているのである
が、それらは第1のサイドギヤ118と噛み合ってい
る。各トグル126は、符号Aが付された遊星歯車間、
または符号Bが付された遊星歯車間に歯車反力を伝達す
る。偶数個のトグル126が存在するから、それらの効
果は、第1および第2のサイドギヤ118,120と噛
み合う遊星歯車A,B間に等しく分配される。このこと
は、差動回転の二つの方向の間におけるバイアス比の非
平衡状態を減少させる。
【0050】バイアス比の非平衡状態を制御するため
に、揺動軸線の位置と遊星歯車の噛み合い順序との他の
多くの組み合わせが可能である。例えば、揺動軸線は、
先導遊星歯車と追従遊星歯車とに交互に接近して配置し
てもよい。非平衡状態を助長するために、奇数対の遊星
歯車を用いてもよい。揺動軸線を定める柱部材は、ピン
によって形成してもよい。
に、揺動軸線の位置と遊星歯車の噛み合い順序との他の
多くの組み合わせが可能である。例えば、揺動軸線は、
先導遊星歯車と追従遊星歯車とに交互に接近して配置し
てもよい。非平衡状態を助長するために、奇数対の遊星
歯車を用いてもよい。揺動軸線を定める柱部材は、ピン
によって形成してもよい。
【図1】この発明にしたがって改良された平行軸差動歯
車装置を示す図2の1ー1線に沿う断面図である。
車装置を示す図2の1ー1線に沿う断面図である。
【図2】同差動歯車装置を示す図1の2ー2線に沿う断
面図である。
面図である。
【図3】図1および図2に示す四つの支持柱部材の一つ
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
【図4】隣接する対の遊星歯車を取り付けるために支持
柱部材に揺動可能に取り付けられる四つのトグルの一つ
を示す斜視図である。
柱部材に揺動可能に取り付けられる四つのトグルの一つ
を示す斜視図である。
【図5】二つの歯車支持面の一方に接近して配置された
揺動軸線を有し、かつ前進駆動または後退コースト方向
に荷重が作用したトグルに影響を及ぼす力とモーンメン
トとを同様の差動歯車装置の一部の軸直角断面に描いた
図である。
揺動軸線を有し、かつ前進駆動または後退コースト方向
に荷重が作用したトグルに影響を及ぼす力とモーンメン
トとを同様の差動歯車装置の一部の軸直角断面に描いた
図である。
【図6】後退駆動方向または前進コースト方向に荷重が
作用したトグルの図5と同様の図である。
作用したトグルの図5と同様の図である。
【図7】二つの歯車支持面の他方に接近して配置された
揺動軸線を有し、かつ前進駆動または後退コースト方向
の荷重が作用したトグルの同様の図である。
揺動軸線を有し、かつ前進駆動または後退コースト方向
の荷重が作用したトグルの同様の図である。
【図8】後退駆動または前進コースト方向の荷重が作用
したトグルの図7と同様の図である。
したトグルの図7と同様の図である。
【図9】差動回転の二つの方向の間のバイアス比の非平
衡状態を増大させるための遊星歯車の配置を示す図であ
る。
衡状態を増大させるための遊星歯車の配置を示す図であ
る。
【図10】差動回転の二つの方向の間のバイアス比の非
平衡状態を減少させるための遊星歯車の配置を示す図9
と同様の図である。
平衡状態を減少させるための遊星歯車の配置を示す図9
と同様の図である。
12 ハウジング 32 共通軸線 34 駆動軸 36 駆動軸 42 サイドギヤ 44 サイドギヤ 46 遊星歯車の対 48 先導遊星歯車要素 50 追従遊星歯車要素 56 トグル 58 揺動軸線 60 第1の支持面 62 第2の支持面 64 第3の支持面 80 トグル 86 先導遊星歯車要素 88 追従遊星歯車要素 94 サイドギヤギヤ 96 サイドギヤ 98 第1の支持面 100 第2の支持面 102 揺動軸線 110 トグル 112 揺動軸線 114 第1の支持面 116 第2の支持面 118 サイドギヤ 120 サイドギヤ 122 先導遊星歯車要素 124 追従遊星歯車要素 126 トグル 128 揺動軸線
Claims (25)
- 【請求項1】 一対の駆動軸の共通の回転軸線の回りに
前進駆動方向および後退駆動方向へ回転可能であるハウ
ジングと、 上記ハウジング内に配置され、上記駆動軸の各端部を受
容してそれらと共に上記共通軸線の回りを回転する第1
および第2のサイドギヤと、 上記ハウジング内に上記共通軸線と平行に延びるそれぞ
れの軸線の回りを回転するように配置され、上記サイド
ギヤと噛み合う第1および第2の対の遊星歯車と、 第1および第2の支持面を有し、上記ハウジング内にお
ける上記遊星歯車の第1および第2の対間に設けられた
第1のトグルとを備え、 上記遊星歯車の各対が先導遊星歯車要素と追従遊星歯車
要素とを含み、 上記先導遊星歯車要素が上記追従遊星歯車要素に対し上
記共通軸線の回りに上記前進駆動方向へ角度的に先行
し、 上記第1のトグルの第1の支持面が上記遊星歯車の第1
の対の先導要素を回転可能に支持し、 上記第1のトグルの第2の支持面が上記遊星歯車の第2
の対の追従要素を回転可能に支持し、 上記第1のトグルが、上記遊星歯車の第1および第2の
対の先導要素と追従要素との間に歯車反力を伝達するた
めに、上記遊星歯車の軸線と平行に延びる第1の揺動軸
線の回りに揺動可能であり、 上記第1の揺動軸線が、上記遊星歯車の第1および第2
の対の先導要素と追従要素との間における力の伝達の機
械的有利性を変えるために、上記第1および第2の支持
面の一方に他方より接近して配置されている平行軸差動
歯車装置。 - 【請求項2】 上記第1のトグルが、前進駆動方向時に
はトルクの伝達に応答して遊星歯車の第1の対の先導要
素に制動力を作用させ、後退駆動方向時にはトルクの伝
達に応答して遊星歯車の第2の対の追従要素に制動力を
作用させる請求項1の差動歯車装置。 - 【請求項3】 前進駆動方向時に先導要素に作用する制
動力を後退駆動方向時に上記追従要素に作用する制動力
に対して増大させるために、上記第1のトグルの揺動軸
線が上記第2の支持面より上記第1の支持面に接近して
配置されている請求項2の差動歯車装置。 - 【請求項4】 前進駆動方向時に先導要素に作用する制
動力を後退駆動方向時に上記追従要素に作用する制動力
に対して減少させるために、上記第1のトグルの揺動軸
線が上記第1の支持面より上記第2の支持面に接近して
配置されている請求項2の差動歯車装置。 - 【請求項5】 上記遊星歯車の第1の対の先導要素と上
記遊星歯車の第2の対の追従要素との両方が上記第1の
サイドギヤと噛み合う請求項2の差動歯車装置。 - 【請求項6】 上記遊星歯車の第1および第2の対の各
先導要素が上記第1のサイドギヤと噛み合う請求項2の
差動歯車装置。 - 【請求項7】 第2のトグルと、先導要素および追従要
素を有する第3の対の遊星歯車とをさらに備えた請求項
1の差動歯車装置。 - 【請求項8】 上記第2のトグルが、上記遊星歯車の第
2の対の先導要素を回転可能に支持する第1の支持面
と、上記遊星歯車の第3の対の追従要素を回転可能に支
持する第2の支持面とを有し、上記第2のトグルが上記
遊星歯車の軸線と平行に延びる第2の揺動軸線の回りに
揺動可能である請求項7の差動歯車装置。 - 【請求項9】 上記第2の揺動軸線が第2のトグルの上
記第1および第2の支持面の一方に他方より接近して配
置されている請求項8の差動歯車装置。 - 【請求項10】 上記第1および第2の揺動軸線の両方
が、前進駆動方向時における差動回転に対する摩擦抵抗
を後退駆動方向時における差動回転に対する摩擦抵抗に
対して増大させるために、上記第1および第2のトグル
の第2の支持面より上記第1の支持面に接近して配置さ
れている請求項9の差動歯車装置。 - 【請求項11】 上記第1および第2の揺動軸線の両方
が、後退駆動方向時における差動回転に対する摩擦抵抗
を前進駆動方向時における差動回転に対する摩擦抵抗に
対して増大させるために、上記第1および第2のトグル
の第1の支持面より上記第2の支持面に接近して配置さ
れている請求項9の差動歯車装置。 - 【請求項12】 上記遊星歯車の対と同数のトグルが偶
数対の遊星歯車を支持する請求項9の差動歯車装置。 - 【請求項13】 先導要素および追従要素を有する第4
の対の遊星歯車をさらに備えた請求項12の差動歯車装
置。 - 【請求項14】 上記先導要素のうちの二つが上記第1
のサイドギヤと噛み合い、上記先導要素のうちの他の二
つが上記第2のサイドギヤと噛み合う請求項13の差動
歯車装置。 - 【請求項15】 一対の駆動軸の共通の回転軸線の回り
に回転可能であるハウジングと、 上記ハウジング内に配置され、上記駆動軸の各端部を受
容してそれらと共に上記共通軸線の回りを回転する第1
および第2のサイドギヤと、 上記サイドギヤと噛み合った状態でそれぞれの平行な軸
線の回りを回転するように上記ハウジング内に配置さ
れ、第1および第2の遊星歯車要素を含む少なくとも二
対の遊星歯車と、 上記遊星歯車の軸線と平行に延びる軸線の回りに揺動可
能であるトグルと、 上記遊星歯車の対のうちの一方の対の第1の要素と接触
する箇所に作用する第1の力を支持する上記トグルの第
1の支持面と、 上記遊星歯車の対のうちの他方の対の第2の要素と接触
する箇所に作用する第2の力を支持する上記トグルの第
2の支持面と、 上記第1および第2の支持面を上記揺動軸線の回りに揺
動可能に支持する上記トグルの第3の支持面と、 上記揺動軸線から上記第1の力と直交して延びる第1の
モーメントの腕と、 上記揺動軸線から上記第2の力と直交して延びる第2の
モーメントの腕とを備え、 上記第1のモーメントの腕が、上記第2の力を上記第1
の力に対して増大させるために、上記第2のモーメント
の腕より長く設定されている差動歯車装置のシステム。 - 【請求項16】 上記ハウジングが上記共通軸線の回り
に前進駆動方向および後退駆動方向へ回転可能であり、
上記サイドギヤおよび遊星歯車が上記ハウジングに出力
軸の相対回転に抵抗する摩擦力を発生させる請求項15
のシステム。 - 【請求項17】 上記第1の遊星歯車要素が上記第2の
遊星歯車要素に対し上記共通軸線の回りに上記前進駆動
方向へ角度的に先行している請求項16のシステム。 - 【請求項18】 上記出力軸の上記前進駆動方向への相
対回転に対する摩擦抵抗を上記後退駆動方向への相対回
転に対する摩擦抵抗に対して増大させるために、上記揺
動軸線が上記第2の支持面と接触する上記第2の遊星歯
車要素の軸線より上記第1の支持面と接触する上記第1
の遊星歯車要素の軸線に接近している請求項17のシス
テム。 - 【請求項19】 上記出力軸の上記前進駆動方向への相
対回転に対する摩擦抵抗を上記後退駆動方向への相対回
転に対する摩擦抵抗に対して減少させるために、上記揺
動軸線が上記第1の支持面と接触する上記第1の遊星歯
車要素の軸線より上記第2の支持面と接触する上記第2
の遊星歯車要素の軸線に接近している請求項17のシス
テム。 - 【請求項20】 上記第1の支持面と接触する上記第1
の遊星歯車要素と上記第2の支持面と接触する上記第2
の遊星歯車要素との両方が上記第1のサイドギヤと噛み
合う請求項17のシステム。 - 【請求項21】 上記第1の支持面と接触する上記第1
の遊星歯車要素が上記第1のサイドギヤと噛み合い、上
記第2の支持面と接触する上記第2の遊星歯車要素が上
記第2のサイドギヤと噛み合う請求項17のシステム。 - 【請求項22】 一対の駆動軸の共通の回転軸線の回り
に前進駆動方向および後退駆動方向へ回転可能であるハ
ウジングと、 上記ハウジング内に配置され、上記駆動軸の各端部をそ
れぞれ受容してそれら共に上記共通軸線の回りに回転す
る第1および第2のサイドギヤと、 上記ハウジング内にそれぞれの平行な軸線の回りに回転
可能に配置され、上記サイドギヤと噛み合う第1および
第2の対の遊星歯車と、 第1および第2の支持面を有し、上記ハウジング内にお
ける上記遊星歯車の第1および第2の対間に設けられた
第1のトグルと、 上記遊星歯車の各対が先導遊星歯車要素と追従遊星歯車
要素とを含み、 上記先導遊星歯車要素が各対の上記追従遊星歯車要素に
対して上記共通軸線の回りに上記前進駆動方向へ角度的
に先行し、 上記第1のトグルの第1の支持面が上記遊星歯車の第1
の対の先導要素を回転可能に支持し、 上記第2の支持面が上記遊星歯車の第2の対の追従要素
を回転可能に支持し、上記遊星歯車の第1および第2の
対の先導要素と追従要素との間に歯車反力を伝達するた
めに、上記第1のトグルが上記遊星歯車の軸線と平行に
延びる第1の揺動軸線の回りに揺動可能であり、 上記遊星歯車の第1の対の先導要素と上記遊星歯車の第
2の対の追従要素とが上記第1のサイドギヤと噛み合う
平行軸差動歯車装置。 - 【請求項23】 上記遊星歯車の第1の対の追従要素と
上記遊星歯車の第2の対の先導要素とが上記第2のサイ
ドギヤと噛み合う請求項22の差動歯車装置。 - 【請求項24】 先導要素および追従要素を有する第3
および第4の遊星歯車の対をさらに備えた請求項23の
差動歯車装置。 - 【請求項25】 上記先導要素のうちの二つが上記第1
のサイドギヤと噛み合い、上記先導要素のうちの他の二
つが上記第2のサイドギヤと噛み合う請求項24の差動
歯車装置。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US08/282,622 US5433673A (en) | 1993-05-06 | 1994-07-29 | Differential with pivotable gear mountings |
US08/282622 | 1994-07-29 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08170712A true JPH08170712A (ja) | 1996-07-02 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7212785A Pending JPH08170712A (ja) | 1994-07-29 | 1995-07-28 | 揺動可能な歯車取付構造を有する差動歯車装置 |
Country Status (3)
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---|---|
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-
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