JPH08165293A - 置換チアゾロ[3,2−a]アゼピン誘導体 - Google Patents

置換チアゾロ[3,2−a]アゼピン誘導体

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JPH08165293A
JPH08165293A JP6306468A JP30646894A JPH08165293A JP H08165293 A JPH08165293 A JP H08165293A JP 6306468 A JP6306468 A JP 6306468A JP 30646894 A JP30646894 A JP 30646894A JP H08165293 A JPH08165293 A JP H08165293A
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Hitoshi Oinuma
斉 生沼
Shinji Suda
眞次 須田
Naoki Yoneda
直樹 米田
Makoto Kotake
真 小竹
Tomohiro Matsushima
知広 松嶋
Mamoru Saito
守 斎藤
Toshiyuki Matsuoka
俊之 松岡
Hideyuki Adachi
秀之 足立
Masayuki Namiki
雅幸 並木
Takeshi Sudo
武 須藤
Kazutoshi Miyake
一俊 三宅
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Eisai Co Ltd
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】医薬として有用な新規置換チアゾロ[3,2-a]ア
ゼピン誘導体又はその薬理学的に許容できる塩を提供す
る。 【構成】一般式(I) 【化1】 (式中、R1は、水素原子又はチオール基の保護基を意
味する。R2は、水素原子、低級アルキル基、置換基を
有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよ
いヘテロアリール基、低級アルコキシ基、低級アルキル
チオ基を意味する。R3,R4又はR5は、水素原子、
低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ
基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有
していてもよいヘテロアリール基を意味する。また、R
3,R4又はR5のうち互いに隣り合う2つの置換基
は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、環
を形成していてもよい。R6およびR7は、同一又は相
異なる水素原子、低級アルキル基を意味する。R8は、
水素原子又はカルボキシル基の保護基を意味する。n、
mは、独立して0又は1、2を意味する。)で示される
置換チアゾロ[3,2-a]アゼピン誘導体又はその薬理学的
に許容できる塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】近年、新たな心不全治療剤として、心房
性ナトリウム利尿ペプチド分解酵素(Neutural Endpept
idase : NEPー24,11 以下,NEPと略記す
る。)阻害剤及びアンジオテンシンI変換酵素(以下,
ACEと略記する。)阻害剤が注目されてきている。
【0002】上記心房性ナトリウム利尿ペプチド(以
下、ANPと略記する。)は、生体内に存在するホルモ
ンで、強力な水・ナトリウム利尿作用及び血管拡張作用
などを示すほか、交感神経抑制によるノルエピネフリン
遊離抑制作用、腎からのレニン分泌抑制作用、副腎から
のアルドステロン分泌抑制作用、さらには、静脈におけ
る水透過性を亢進させることによる灌流低下作用なども
示す。例えば前負荷の上昇を伴ううっ血性心不全患者に
おけるANPの作用は、心不全のみならず、高血圧症の
治療のためにも好ましいと考えられるものである。
【0003】しかしながら、ANPは、ペプチドである
ため、経口投与が不可能な上に、代謝的安定性も低く、
現在のところ臨床での使用は急性期に限られているとい
う問題がある。また、長期投与による作用の減弱化も報
告されており、使用には注意を要する。そこで、ANP
の上記特徴をふまえ、経口投与型のANP関連製剤とし
て注目を集めてきたのが、先に述べたANP分解酵素阻
害剤(以下NEP阻害剤と略記する。)である。NEP
阻害剤は、心不全患者への投与により血中ANP濃度を
上昇させ、ナトリウム利尿作用を示すことが報告されて
いる。しかしながら、既存のNEP阻害剤は、心血行動
態に対する作用が軽微であり、前負荷及び後負荷軽減が
明確に現れなかった。
【0004】一方、血管拡張薬の一つであるACE阻害
剤は、心不全の増悪因子であるアンジオテンシンII
(以下、AT−IIと略記する。)の生成を抑制するこ
とにより、慢性心不全に対し、NYHA重症度の有為な
改善と運動耐容能の向上を示し、延命効果をも含めたそ
の有用性が証明されている。しかしながら、既存のAC
E阻害剤の患者に対する有効率は、必ずしも高いもので
はなく、個々の患者によって、その効果のばらつきが大
きい。また、低血圧症を起こすなどの副作用を有するた
めに、腎機能低下例では、投与が制限されるなどの問題
も指摘されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、N
EP阻害剤及びACE阻害剤が新たな心不全治療薬とし
て注目されているが、既存のNEP阻害剤及びACE阻
害剤は、いずれも有用性の点で限界がある。そこで、N
EP阻害作用及びACE阻害作用両者の長所を合わせ持
つような薬剤の研究が急がれている。
【0006】特開平6ー56790号には、NEP阻害
作用及びACE阻害作用を有する化合物群が開示されて
いるが、医薬として使用するには、なお経口有効性等の
問題を抱えている。以上のような状況に鑑み、本発明者
等は、NEP阻害作用及びACE阻害作用を有し、更に
いかなる投与経路においても優れた効果を示す薬剤の探
索研究に着手した。その結果、以下に示す化合物群が、
所期の目的を達成することを見いだし本発明を完成し
た。
【0007】
【課題を解決する手段】すなわち、本発明は以下の一般
式(I)で示される置換チアゾロ[3,2-a]アゼピン誘導
体又はその薬理学的に許容できる塩である。
【0008】
【化6】
【0009】(式中、R1は、水素原子又はチオール基
の保護基を意味する。R2は、水素原子、低級アルキル
基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有
していてもよいヘテロアリール基、低級アルコキシ基、
低級アルキルチオ基を意味する。R3,R4又はR5
は、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低
級アルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール
基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基を意味
する。また、R3,R4又はR5のうち互いに隣り合う
2つの置換基は、それらが結合している炭素原子と一緒
になって、環を形成していてもよい。
【0010】R6およびR7は、同一又は相異なる水素
原子、低級アルキル基を意味する。R8は、水素原子又
はカルボキシル基の保護基を意味する。n、mは、独立
して0又は1、2を意味する。)で示される置換チアゾ
ロ[3,2-a]アゼピン誘導体又はその薬理学的に許容でき
る塩。上記定義中、R2、R3,R4,R5,R6及び
R7の定義にみられる低級アルキル基とは、炭素数1か
ら6の直鎖状又は分枝状のアルキル基を意味するが、例
えば、メチル、エチル、nープロピル、イソプロピル、
nーブチル、イソブチル、secーブチル、tert−
ブチル、nーペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、
tert−ペンチル、1ーメチルブチル、2ーメチルブ
チル、1,2ージメチルプロピル、nーヘキシル、イソ
ヘキシル、1ーメチルペンチル、2ーメチルペンチル、
3ーメチルペンチル、1,1ージメチルブチル、1,2
ージメチルブチル、2,2ージメチルブチル、1,3ー
ジメチルブチル、2,3ージメチルブチル、3,3ージ
メチルブチル、1ーエチルブチル、2ーエチルブチル、
1,1,2ートリメチルプロピル、1,2,2ートリメ
チルプロピル基、1ーエチルー1ーメチルプロピル、1
ーエチルー2ーメチルプロピルなどを意味する。このう
ち、好ましくは、メチル基、エチル基、nープロピル
基、イソプロピル基、nーブチル基、イソブチル基、s
ecーブチル基を挙げることができる。
【0011】R2,R3,R4及びR5の定義にみられ
る低級アルコキシ基とは、炭素数1ー6のアルコキシ基
であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、nープロポ
キシ基、などを意味する。R2,R3,R4及びR5の
定義にみられる低級アルキルチオ基とは、炭素数1ー6
のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ基、エチ
ルチオ基、nープロピルチオ基、などを意味する。
【0012】R2,R3,R4及びR5の定義にみられ
る置換基を有していてもよいアリール基において、アリ
ールとは、フェニル、1ーナフチル、2ーナフチル、ア
ントラセニルなどを意味する。R2,R3,R4及びR
5の定義にみられる置換基を有していてもよいヘテロア
リール基においてヘテロアリールとは、窒素原子、硫黄
原子又は酸素原子などのヘテロ原子が1ー4個包含され
ている3ー8員環好ましくは5ー6員環を意味する。
【0013】更に、R2,R3,R4及びR5の定義に
みられる「置換基を有していてもよいアリール基」、
「置換基を有していてもよいヘテロアリール基」におい
て、「置換基」とは、メチル、エチル、nープロピル、
t−ブチルなどの低級アルキル基、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、メトキ
シ、エトキシ、nープロポキシ、t−ブトキシなどの低
級アルキル基、ニトロ基、モノーまたはジー置換がされ
ていてもよいアミノ基などをあげることができる。これ
ら置換基は、1ー3個置換される。
【0014】R1の定義にみられるチオール基の保護基
とは、例えば、メチル、エチル、nープロピル、t−ブ
チルなどの低級アルキル基、アセチル基、プロピオニル
基、ブチリル基、ピバロイル基、パルミトイル基、ステ
アロイル基などの脂肪族飽和モノカルボン酸から誘導さ
れる基;アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリ
ロイル基、クロトノイル基、オレオイル基などの脂肪族
不飽和カルボン酸から誘導される基;ベンゾイル基、ナ
フトイル基、トルオイル基、アポトイル基、シンナモイ
ル基などの炭素環式カルボン酸から誘導される基;フロ
イル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイ
ル基などの炭素環式カルボン酸から誘導される基;グリ
コロイル基、ラクトイル基、グリセロイル基、マロイル
基、タルタロイル基、ベンジロイル基、サリチロイル
基、アニソイル基、バニロイル基、ピペロニロイル基な
どのヒドロキシカルボン酸又はアルコキシカルボン酸か
ら誘導される基を例として挙げることができるアシル
基、フェニル、ナフチルなどのアリール基、フロイル、
ピリジル、チエニルなどのヘテロアリール基、ベンジル
基などのアリールアルキル基、フロイルメチル基、チエ
ニルメチル基、ピリジルメチル基などのヘテロアリール
アルキル基などを挙げることができる。
【0015】R8の定義にみられるカルボキシル基の保
護基とは、メチル、エチル、nープロピル、t−ブチル
などの低級アルキルや、ベンジル、1ーナフチルメチ
ル、2ーナフチルエチルなどのアリールアルキル基、2
ーピリジルメチル、3ーピリジルプロピル、2ーチエニ
ルエチルなどのヘテロアリールアルキル基などを意味す
る。要するに、生体内ではずれて、カルボキシル基にな
るものであれば、いかなるものでもよい。
【0016】R3,R4およびR5の定義のうち「互い
に隣り合う2つの置換基は、それらが結合している炭素
原子と一緒になって環を形成していてもよい」におい
て、形成された環とは、5ー8員環が好ましい。また薬
理学的に許容できる塩とは、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩な
どの無機塩のほか、マレイン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩
などの有機酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアル
カリ金属との塩、さらには、アスパラギン酸塩、グルタ
ミン酸塩などのアミノ酸との塩なども包含する。
【0017】本発明化合物群は、優れたNEP阻害作用
及びACE阻害作用を有するが、以下の一般式(I’)
で示される化合物群は、バイオアベイラビリティもよ
く、経口でも優れた効果を示し、本発明化合物の中で
も、最も好ましい化合物群である。
【0018】
【化7】
【0019】(式中、R1は、水素原子又はチオール基
の保護基を意味する。R3,R4又はR5は、水素原
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキル
チオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基
を有していてもよいヘテロアリール基を意味する。ま
た、R3,R4又はR5のうち互いに隣り合う2つの置
換基は、それらが結合している炭素原子と一緒になっ
て、環を形成していてもよい。特に、R3、R4が水素
原子であり、R5が低級アルキル基であるものが好まし
い。この場合の低級アルキル基はメチル基が好ましい。
【0020】R6およびR7は、同一又は相異なる水素
原子又は低級アルキル基を意味するが、いずれも水素原
子である場合が最も好ましい。R8は、水素原子又はカ
ルボキシル基の保護基を意味する。nは、独立して0又
は1、2を意味するが、0である場合が好ましい。) 本発明化合物は、既知の方法又は既知の方法の組み合わ
せにより製造することができる。主な製造方法を以下に
示す。 製造方法1
【0021】
【化8】
【0022】
【化9】
【0023】
【化10】
【0024】(一連の式中、R3、R4、R5はそれぞれ独立
して水素原子、低級アルキル、置換されていてもよいア
リール基または置換されていてもよいヘテロアリール基
を意味する。R6、R7は、それぞれ独立して水素原子、低
級アルキル、置換されていてもよいアリール基または置
換されていてもよいアリールアルキル基を意味する。R1
aはアシル基を意味する。R8aはカルボキシル基の保護基
を意味する。R10は環内の窒素原子と一緒になってアル
デヒド等価体を形成する基を意味する。Zはアシル基、
カルバメート基を意味する。mおよびnは一般式(I)と同
様の意味を有する。) (第一工程)本工程は、ピペコリン酸誘導体(II)をアシル
化し、N-アシルピペコリン酸誘導体(III)を得る工程で
ある。通常のアシル化法によって化合物(III)を得るこ
とが出来る。例えば、化合物(II)と無水酢酸などの酸無
水物を室温~100゜Cで反応させることにより、あるい
は、化合物(II)とアセチルクロライド、ベンゾイルクロ
ライドなどの酸ハロゲン化物を、ピリジン、ジメチルア
ミノピリジンなどの塩基存在下に0゜C~室温で反応する
ことにより、更には、化合物(II)と酸ハロゲン化物を水
酸化ナトリウムあるいは炭酸水素ナトリウムなどの塩基
存在下に反応せしめる、いわゆるショッテン・ボーマン
反応により、化合物(III)を得ることができる。 (第二工程)本工程は、第一工程によって得られたN-アシ
ルピペコリン酸誘導体(III)のカルボン酸をエステル化
し、エステル体(IV)を得る工程である。エステル基とし
ては、t-ブチルエステル、メトキシ基などで置換されて
もよいベンジルエステル、アルキルシリルエチルエステ
ルなど、脱エステル化の際に通常のアルキルエステルが
加水分解されない条件で脱エステル化できる基が好まし
い。t-ブチルエステル体とする場合は、化合物(III)を
ジオキサン、テトラヒドロフランなどの有機溶媒中、硫
酸、p-トルエンスルホン酸などの酸触媒存在下にイソブ
チレンと反応させることにより、また、化合物(III)を
ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-(3-ジメチル
アミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド(DEC)などの
縮合剤存在下にt-ブタノールと反応させることにより合
成することができる。また、ベンジルエステル、メトキ
シベンジルエステル、アルキルシリルエチルエステルな
どのエステル体とする場合は、ベンジルハライド、メト
キシベンジルハライド、アルキルシリルエチルハライド
などのエステル化剤を用いて、炭酸カリウム、炭酸ナト
リウム、アルキルアミンなどの塩基存在下に、テトラヒ
ドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタンな
どの不活性有機溶媒中でエステル化し、化合物(IV)を得
ることができる。 (第三工程)本工程は、第二工程によって得られたピペコ
リン酸誘導体(IV)を電解酸化し、ヘミアセタール体(V)
を得る工程である。電解酸化は種々の条件で行うことが
出来るが、例えば、電極として白金、炭素、ステンレ
ス、酸化鉛などを用い、支持電解質としては、テトラエ
チルアンモニウムパークロレート、テトラメチルアンモ
ニウムパークロレートなどのテトラアルキルアンモニウ
ムパークロレート、ソジウムパークロレート、リチウム
パークロレートなどのアルカリ金属塩、テトラエチルア
ンモニウムp-トルエンスルホネートなどのテトラアルキ
ルアンモニウムスルホネート、テトラアルキルアンモニ
ウムテトラフルオロボレート、テトラアルキルアンモニ
ウムヘキサフルオロホスフェイトなど、水系あるいは有
機溶媒系で電気を流れやすくする電解質を用い、水-ア
セトニトリル系、水-アルコール系、水-酢酸系などの溶
媒中で化合物(IV)を電解酸化することによってヘミアセ
タール体(V)を得ることが出来る。通常、通電する電流
量は使用する化合物(IV)の 2ファラデー/モル以上用い
る。特に、白金あるいは炭素を電極として用い、テトラ
エチルアンモニウムパークロレート、テトラエチルアン
モニウムテトラフルオロボレート、テトラメチルアンモ
ニウムヘキサフルオロホスフェイトを支持電解質として
用いた場合に好ましい結果を与える。 (第四工程)本工程は、第三工程で得られたヘミアセター
ル体(V)にシステインのエステル誘導体(VI)を反応さ
せ、チアゾリジン体(VII)を得る工程である。実際に
は、ヘミアセタール体(V)を単離することなく、第三工
程終了後、反応系にシステインのエステル誘導体(VI)を
加えて処理することによりチアゾリジン体(VII)が得ら
れる。なお、本反応に用いるシステインとして、光学活
性なL-システインもしくはD-システインを用いた場合、
化合物(VII)におけるチアゾリジン環の4位のカルボキシ
ル基の絶対配置は、それぞれRもしくはSとなる。 第五工程)本工程は、第四工程で得られたチアゾリジン
誘導体(VII)のR9で示されるカルボン酸の保護基を選択
的に脱保護し、カルボン酸誘導体(VIII)を得る工程であ
る。化合物(VII)がt-ブチルエステル体の場合は、トリ
フルオロ酢酸、塩酸、ヨードトリメチルシランなどの脱
t-ブチル剤で処理することによって、また、ベンジルエ
ステル、メトキシベンジルハライド、アルキルシリルエ
チルエステルなどのエステル体の場合は、接触水素添
加、塩酸、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノ
ン(DDQ)、テトラアルキルアンモニウムフロライドな
ど、通常、対応するエステル保護基のみが脱保護できる
方法によってカルボン酸誘導体(VIII)を得ることができ
る。 (第六工程)本工程は、第五工程で得られたチアゾリジン
カルボン酸誘導体(VIII)を縮合環化し、チアゾロアゼピ
ン誘導体(IX)を得る工程である。通常の縮合剤によって
環化することが出来るが、例えば、2-エトキシ-1-エト
キシ-1,2-ジヒドロキノリン(EEDQ)、DCC、DECなどをエ
タノール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタンなどの
溶媒中で化合物(VIII)と反応することにより環化体(IX)
を得ることができる。 (第七工程)本工程は、第六工程で得られたチアゾロアゼ
ピン誘導体(IX)のN-アセチル基を脱保護し、アミノ酸誘
導体(X)を得る工程である。N-アセチル基の脱アセチル
化は種々知られているが、例えば、塩酸あるいは硫酸な
どの希鉱酸のアルコール溶液中で加熱することにより、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルコール溶
液で処理することにより、あるいは、五塩化リンもしく
はシュウ酸クロライドをピリジン中で反応させ次いでア
ルコール処理することにより、目的とするアミノ酸誘導
体(X)を得ることができる。 (第八工程)本工程は、第七工程で得られたアミノ酸誘導
体(X)と、一般式(XI)で示されるカルボン酸誘導体ある
いはその酸ハロゲン化物などの活性誘導体を縮合して、
アミド誘導体(XII)を得る工程である。この縮合反応は
常法によって行われるが、例えば、アミノ酸誘導体(X)
およびカルボン酸誘導体(XI)を、1-エトキシカルボニル
-2-エトキシ-1,2-ジヒドロキノリン(以下EEDQと略す)、
1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド(以下DCCと略
す)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジ
イミド・塩酸塩(以下DECと略す)またはジエチルシアノ
ホスホネートなど、通常用いられる縮合試薬存在下にお
ける縮合反応などが例示される。また、反応溶媒は反応
に関与しないあらゆる有機溶媒を用いることが出来る
が、塩化メチレンやテトラヒドロフランなどが例示され
る。カルボン酸誘導体(XI)の酸クロライドなどの酸ハロ
ゲン化物を経由する場合は、カルボン酸誘導体(XI)を適
当な不活性溶媒中で塩化チオニル、シュウ酸クロライド
などの通常用いられるクロル化剤により酸クロライドと
し、アミノ酸誘導体(X)と反応させることにより化合物
(XII)を得ることができる。 (第九工程)本工程は、第八工程で得られたα-アシルチ
オカルボン酸アミド誘導体(XII)の加水分解により、α-
メルカプトカルボン酸アミド誘導体(XIII)を得る工程で
ある。通常の加水分解により、すなわち水酸化ナトリウ
ム、水酸化リチウム等の希アルカリ水溶液あるいは希鉱
酸水溶液中で加水分解することができる。 (第十工程)本工程は、第九工程で得られたα-メルカプ
トカルボン酸アミド誘導体(XIII)のアシル化により、α
-アシルチオカルボン酸アミド誘導体(XIV)を得る工程で
ある。反応は常法に従って行なわれるが、例えば無水酢
酸などの酸無水物、酸ハロゲン化物等のアシル化剤とα
-メルカプトカルボン酸アミド誘導体(XIII)を、アセト
ニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン等の非
水系溶媒中で反応させることにより、あるいは水系溶媒
中においても炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、
トリエチルアミン等の塩基あるいは塩化コバルトの存在
下で処理することにより、α-アシルチオカルボン酸ア
ミド誘導体(XIV)を得ることができる。
【0025】本製造方法において、一般式(X)で示さ
れる化合物は、本発明化合物群を製造するにあたって、
きわめて重要な中間体である。 製造方法2
【0026】
【化11】
【0027】
【化12】
【0028】(一連の式中、R3、R4、R5はそれぞれ独立
して水素原子、低級アルキル、置換されていてもよいア
リール基または置換されていてもよいヘテロアリール基
を意味する。R6、R7は、それぞれ独立して水素原子、低
級アルキル、置換されていてもよいアリール基または置
換されていてもよいアリールアルキル基を意味する。R1
aはアシル基を意味する。R8aはカルボキシル基の保護基
を意味する。Xはハロゲン原子、メタンスルホニルオキ
シ基、p-トルエンスルホニルオキシ基などの脱離基を意
味する。mおよびnは一般式(I)と同様の意味を有する。) (第一工程)本工程は、製造方法Aで得られたアミノ酸誘
導体(X)と、一般式(XV)で示されるカルボン酸誘導体あ
るいはその酸ハロゲン化物などの活性誘導体を縮合し
て、アミド誘導体(XVI)を得る工程である。この縮合反
応は、製造方法Aの第八工程と同様の操作により、カル
ボン酸誘導体(XI)の代わりにα-ヒドロキシカルボン酸
誘導体(XV)を用いて行われる。 (第二工程)本工程は、第一工程で得られたヒドロキシカ
ルボン酸アミド誘導体(XVI)のハロゲン化により、α-ハ
ロゲンカルボン酸アミド誘導体(XVII)を得る工程であ
る。化合物(XVI)の水酸基の立体反転を伴うハロゲン化
を行なう方法としては、例えば(i)テトラヒドロフラン
等の有機溶媒中、アゾジカルボン酸ジアルキル、トリフ
ェニルホスフィン及び臭化亜鉛あるいはヨウ化亜鉛と反
応させる方法 、(ii)アセトニトリル、ジメチルホルム
アミド、ジクロロメタン等の有機溶媒中、ピリジン等の
塩基存在下あるいは非存在下に、トリアルキルホスフィ
ン、トリフェニルホスフィン、亜リン酸トリフェニル等
の有機リン化合物およびN-ハロサクシンイミド、臭素・
ヨウ素等のハロゲン化合物を反応させる方法、(iii)ジ
クロロメタン等の不活性溶媒中、ピリジン、トリエチル
アミン等の塩基存在下に、トシル酸クロリドあるいはト
リフルオロメタンスルホン酸無水物などと反応させスル
ホン酸エステルとした後、リチウムハライド等のハロゲ
ン化試薬を反応させる方法など種々多々知られている
が、(ii)の条件で特にトリフェニルホスィン、臭素を用
いる方法が好ましい。 (第三工程)本工程は、第二工程で得られたα-ハロカル
ボン酸アミド誘導体(XVII)のアシルチオ化により、α-
アシルチオカルボン酸アミド誘導体(XVIII)を得る工程
である。反応は常法によって行なわれるが、例えばα-
ハロカルボン酸アミド誘導体(XVII)をアセトニトリル、
アセトン等の極性溶媒中、チオ酢酸カリウム、チオ酢酸
ナトリウム等のチオカルボン酸塩と反応させることによ
り、あるいは炭酸カリウム、炭酸セシウム等の塩基存在
下にチオ酢酸、チオ安息香酸などのチオカルボン酸と反
応させることにより、α-アシルチオカルボン酸アミド
誘導体(XVIII)を得ることができる。 (第四工程)本工程は、第三工程で得られたα-アシルチ
オカルボン酸アミド誘導体(XVIII)の加水分解により、
α-メルカプトカルボン酸アミド誘導体(XIX)を得る工程
である。通常の加水分解により、すなわち水酸化ナトリ
ウム、水酸化リチウム等の希アルカリ水溶液あるいは希
鉱酸水溶液中で加水分解することができる。 (第五工程)本工程は、第四工程で得られたα-メルカプ
トカルボン酸アミド誘導体(XIX)のアシル化により、α-
アシルチオカルボン酸アミド誘導体(XX)を得る工程であ
る。反応は常法に従って行なわれるが、例えば無水酢酸
などの酸無水物、酸ハロゲン化物等のアシル化剤とα-
メルカプトカルボン酸アミド誘導体(XIX)を、アセトニ
トリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン等の非水
系溶媒中で反応させることにより、あるいは水系溶媒中
においても炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、ト
リエチルアミン等の塩基あるいは塩化コバルトの存在下
で処理することにより、α-アシルチオカルボン酸アミ
ド誘導体(XX)を得ることができる。 製造方法3
【0029】
【化13】
【0030】(一連の式中、R3、R4、R5はそれぞれ独立
して水素原子、低級アルキル、置換されていてもよいア
リール基または置換されていてもよいヘテロアリール基
を意味する。R6、R7は、それぞれ独立して水素原子、低
級アルキル、置換されていてもよいアリール基または置
換されていてもよいアリールアルキル基を意味する。R1
aはアシル基を意味する。R8aはカルボキシル基の保護基
を意味する。Xはハロゲン原子、メタンスルホニルオキ
シ基、p-トルエンスルホニルオキシ基などの脱離基を意
味する。mおよびnは一般式(I)と同様の意味を有する。) (第一工程)本工程は、製造方法Bで得られたハロゲン化
物(XVII)のエステル基を加水分解しカルボン酸誘導体(X
XI)を得る工程である。通常の加水分解により、すなわ
ち水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等の希アルカリ水
溶液あるいは希鉱酸水溶液中で加水分解することができ
る。 (第二工程)本工程は、第一工程で得られたα-ハロカル
ボン酸アミド誘導体(XXI)のアシルチオ化により、α-ア
シルチオカルボン酸アミド誘導体(XX)を得る工程であ
る。反応は常法によって行なわれるが、例えば、α-ハ
ロカルボン酸アミド誘導体(XX)をアセトニトリル、ジメ
チルスルホキシド、アセトン等の極性溶媒中、チオ酢酸
カリウム、チオ酢酸ナトリウム等のチオカルボン酸塩と
反応させることにより、あるいは炭酸カリウム、炭酸セ
シウム等の塩基存在下にチオ酢酸、チオ安息香酸などの
チオカルボン酸と反応させることにより、α-アシルチ
オカルボン酸アミド誘導体(XX)を得ることができる。 製造方法4
【0031】
【化14】
【0032】(一連の式中、R2、mは前記の意味を有す
る。) 本工程は、天然型アミノ酸もしくは非天然型アミノ酸(X
XII)のアミノ基をヒドロキシ化することにより、α-ヒ
ドロキシカルボン酸(XV)を得る工程である。ヒドロキシ
化は、アミノ酸(XXII)を希硫酸中で亜硝酸ナトリウムな
どの亜硝酸剤を反応させるか、あるいは酢酸中亜硝酸ナ
トリウムと反応させアセテートとした後、加水分解する
ことにより行なわれる。次に本発明化合物の有用性を詳
述するために、薬理実験例を掲げる。 薬理実験例1 ラット腎皮質を用いた薬物のNEP阻害活性の測定 1.実験方法 ラットの腎皮質より Booth and Kennyの方法(A Rapid
Metod for the Purificaton of Microvilli from Rabbi
t Kidney., Andrew G. Booth and A.John Kenny, Bioch
em j., 1974, 142, 575-581.)に準じて調製した膜画分
を用いて、NEP活性を測定した。
【0033】NEP活性は、Orlowsky and Wilk の方法
(Purification and Specificity of a Membrane-Bound
Metalloendpeptidase from Bovine Pituitaries., Mar
ianOrlowsky and Shrwin Wilk, Biochemistry, 1981, 2
0, 4942-4950.)に準じて、以下の方法によって測定し
た。基質としてベンゾイル−グリシル−アルギニル−ア
ルギニル−2−ナフチルアミド(ベンゾイル-Gly-Arg-A
rg-2- ナフチルアミド(Nova Biochem, Switzerland
))を用い、NEP酵素標品及び過剰のロイシンアミ
ノペプチダーゼ(leucine aminopeptidase(sigma chem
ical Co., U.S.A.))存在下、遊離するナフチルアミン
(Naphthyl amine)をファーストガーネット(first ga
rnet(Sigma chemical Co., U.S.A.))で発色させて 5
40nmの波長の吸光度を測定した。NEPの阻害活性
は、上記の実験系に、被検化合物の最終濃度が1、3、
10、30、 100、 300及び1000nMになるように添加し、
阻害曲線を求め、50%阻害を示す濃度をIC50として求
めた。また、対照化合物は、[4S−[4α,7α(R
* ),12bβ]]−7−[(1−オキソ−2(S)−
チオ−3−フェニルプロピル)アミノ]−1,2,3,
4,6,7,8,12b−オクタヒドロ−6−オキソピ
リド[2,1−a][2]ベンズアゼピン−4−カルボ
ン酸(特開平6ー56790号開示の化合物)を用い
た。 2.実験結果 上記実験の結果を薬理実験例2の結果と共に以下の表1
に示す。 薬理実験例2 ラット肺を用いた薬物のACE阻害活性の測定 1.実験方法 ラットの肺より Wu-Wongらの方法(Characterization o
f Endthelin Converting Enzyme in Rat Lung., Junshy
um R.Wu-Wong, Gerald P.Budzik, Edward M.Devine and
Terry J.Opgenorth, Biochem. Biophys. Res. Commu
n., 1990, 171, 1291-1296. )に従って調製した膜画分
を用いて、ACE阻害活性を見た。ACE活性は、Cush
man and Cheung(Spectrophotometric Assay and Prope
rties of the Angiotensin-Converting Enzyme of Rabb
it Lung., Cushman D.W. and Cheung H.S., 1971, 20,
1637-1648.)の変法(ホウ酸塩バッファー(boratebuff
er )pH 8.3に改変)を用いて測定した。ACE存在
下、ヒプリル−ヒスチジル−ロイシン(Hippuryl-His-L
eu(Peptidelnstitute lnc., Japan ))から遊離する
ヒプレート(Hippurate )を酢酸エチルで抽出後 228n
mの波長の吸光度を測定した。ACEの阻害活性は、上
記実験系に、被検化合物の最終濃度が1、3、10、30、
100、 300及び1000nMになるように添加し、阻害曲線
を求め、50%阻害を示す濃度をIC50として求めた。ま
た、対照化合物は、[4S−[4α,7α(R*),1
2bβ]]−7−[(1−オキソ−2(S)−チオ−3
−フェニルプロピル)アミノ]−1,2,3,4,6,
7,8,12b−オクタヒドロ−6−オキソピリド
[2,1−a][2]ベンズアゼピン−4−カルボン酸
(特開平6ー56790号開示の化合物)を用いた。 2.実験結果 上記実験方法により行った実験結果を以下の表1に示
す。
【0034】
【表1】
【0035】以下に本発明の理解を更に容易にするため
に、実施例を掲げるが、本発明はこれに限定されないこ
とはいうまでもない。また、実施例に先立って、本発明
化合物の原料となる化合物を合成例として示した。 合成例1 エチル 5-メチルピリジン-2-カルボキシレート
【0036】
【化15】
【0037】5-メチルピリジン-2-カルボニトリル 55.5
g にエタノール 200ml、濃硫酸 100ml (1.88mol) を加
えて均一溶液とした後、2日間加熱還流した。反応液を
氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に徐々に注いで
硫酸を中和した後、ジクロロメタンで抽出した。有機層
を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。濾過後、濾液を減圧濃縮し、表題化合物の茶褐色油
状物 78.1g を粗生成物として得た。 1H-NMR (400MHz, CDCl3)δ; 8.57 (1H, m), 8.03 (1H,
dt, J = 8.0, 0.5Hz),7.63 (1H, ddd, J = 1.0, 2.5,
8.0Hz), 4.47 (2H, q, J = 7.0Hz),2.42 (3H, s), 1.44
(3H, t, J = 7.0Hz). 合成例2 2-カルボキシ-5-メチルピリジニウムクロリド
【0038】
【化16】
【0039】合成例1で得られたエチル 5-メチルピリ
ジン-2-カルボキシレートの粗生成物 78.1g を6N-塩酸
200ml に溶解させた後、16時間加熱還流した。反応溶液
を減圧濃縮後、残渣にアセトニトリルを加え、析出した
白色結晶を濾取し、アセトニトリルで洗浄し、90℃で乾
燥することにより、表題化合物 26.3g を得た。収率37
%。 1H-NMR (400MHz, CDCl3)δ; 8.51 (1H, m), 8.37 (1H,
m),8.21 (1H, d, J = 8.0Hz), 2.42 (3H, s). 合成例3 (2S*, 5S*)-2-カルボキシ-5-メチルピペリジニウムクロ
リドおよび(2S*, 5R*)-2-カルボキシ-5-メチルピペリジ
ニウムクロリド
【0040】
【化17】
【0041】合成例2で得られた 2-カルボキシ-5-メチ
ルピリジニウムクロリド 26.3g (151mmol) をエタノー
ルー水(1:1)300ml に溶解させた後、酸化白金 2g
を加え、50℃、16気圧にて一晩水素添加した。触媒を濾
過後、濾液を減圧濃縮し、得られた白色結晶を90℃にて
乾燥することにより、表題化合物 27.0g を混合物(ジ
アステレオマー比3:1)として得た。収率99%。 1H-NMR (400MHz, D2O)δ; 4.06 (3/4H, t, J = 5.0Hz),
3.71 (1/4H, m),3.24 (1/4H, ddd, J = 1.5, 4.0, 13.
0Hz),3.10 (3/4H, dd, J = 4.5, 13.0Hz), 2.82 (3/4H,
dd, J = 10.0, 13.0Hz), 2.53 (1/4H, t, J = 13.
0Hz), 2.22~2.04 (1H, m), 1.90~1.52 (2H, m),1.22~1.
04 (1H, m), 0.82 (3x3/4H, d,J = 7.0Hz),0.81 (3x1/4
H, d, J = 7.0Hz). 合成例4 (2S*, 5S*)-N-アセチル-5-メチルピペリジン-2-カルボ
ン酸
【0042】
【化18】
【0043】合成例3で得られた(2S*, 5S*)-2-カルボ
キシ-5-メチルピペリジニウムクロリドおよび(2S*, 5R
*)-2-カルボキシ-5-メチルピペリジニウムクロリド混合
物 27.0g (150mmol) をジクロロメタン 700ml に懸濁さ
せた後、トリエチルアミン 21ml (150mmol) を加え、室
温で2時間撹拌した。白色結晶を濾取し、ジクロロメタ
ンで洗浄後、50℃で乾燥することにより、(2S*, 5S*)-5
-メチルピペリジン-2-カルボン酸 15.9g を得た。収率7
4%。
【0044】上記の(2S*, 5S*)-5-メチルピペリジン-2-
カルボン酸 15.9g (111mmol) をジクロロメタンー水
(1:1) 220ml に溶解させ、室温にて炭酸水素ナト
リウム93.3g (1.11mol)、無水酢酸 21.0ml (222mmol)
を順次加えた後、3日間撹拌した。反応溶液を氷冷下、
6N-塩酸に注ぎ、クロロホルムで抽出後、有機層を無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を減圧濃縮
し、表題化合物 20.1g を無色油状物として得た。収率9
8%。 1H-NMR (400MHz, CDCl3)δ; 10.17 (1H, br), 5.41 (1
H, d, J = 5.5Hz),4.54~4.44 (2x1/4H, m), 3.62 (1H,
dd, J = 4.5, 13.5Hz),2.90 (1H, dd, J = 12.0, 13.5H
z), 2.39~2.26 (2x3/4H, m),2.17 (3x3/4H, s), 2.13
(3x1/4H, s), 1.96~1.52 (2H, m),1.15~1.03 (1H, m),
0.92 (3x3/4H, d,J = 6.5Hz),0.90 (3x1/4H, d, J = 7.
0Hz). 合成例5 t-ブチル (2S*, 5S*)-N-アセチル-5-メチルピペリジル
-2-カルボキシレート
【0045】
【化19】
【0046】合成例4で得られた (2S*, 5S*)-N-アセチ
ル-5-メチルピペリジン-2-カルボン酸 16.3g (88mmol)
をジクロロメタン 180ml に溶解させ、濃硫酸 6.1ml
(0.11mol) を加えた後、系内にイソブチレンガスを充填
し、室温で4日間撹拌した。反応液を氷冷下、飽和炭酸
ナトリウム水溶液に注ぎ、クロロホルムで抽出した。有
機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗
浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を
減圧濃縮し、表題化合物 16.4g を無色油状物として得
た。収率77%。 1H-NMR (400MHz, CDCl3)δ; 5.26 (1H, dd, J = 1.0,
6.0Hz),4.50~4.32 (3/4H, m), 3.59 (1H, dd, J = 4.5,
13.0Hz),2.90 (1H, dd, J = 12.0, 13.0Hz), 2.30~2.1
7 (5/4H, m),2.13 (3x3/4H, s), 2.07 (3x1/4H, s), 1.
73~1.56 (2H, m),1.47 (9x1/4H, s), 1.46 (9x3/4H,
s), 1.05~0.94 (1H, m),0.91 (3x3/4H, d,J = 6.5Hz),
0.90 (3x1/4H, d, J = 7.0Hz). 合成例6 メチル (2RS, 4R)-2-[(2S, 4S)-4-アセチルアミノ-4-
(t-ブトキシカルボニル)-2-メチルブチル]チアゾリジン
-4-カルボキシレートおよびメチル (2RS, 4R)-2-[(2R,
4R)-4-アセチルアミノ-4-(t-ブトキシカルボニル)-2-
メチルブチル]チアゾリジン-4-カルボキシレート
【0047】
【化20】
【0048】合成例5で得られた t-ブチル (2S*, 5S
*)-N-アセチル-5-メチルピペリジン-2-カルボキシレー
ト 9.41g (39mmol) をメタノール 150ml に溶解し、テ
トラエチルアンモニウムp-トルエンスルホネート( Et4N
OTs , 1.5g , 1w/v% ) を加えた。炭素電極を用い、室
温で定電流 (480 mA) を11.4F / mol、電流密度 (60 mA
/ cm2) で通電した。反応溶液を減圧濃縮後、残渣を酢
酸エチルに溶解させ、飽和食塩水で洗浄し、有機層を無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を減圧濃縮
し、(2S*, 5S*)-N-アセチル-6-メトキシ-5-メチルピペ
リジン-2-カルボキシレート 11.5g を粗生成物として得
た。
【0049】上記の(2S*, 5S*)-N-アセチル-6-メトキシ
-5-メチルピペリジン-2-カルボキシレート 11.5g を酢
酸ー水(1:1) 100mlに溶解させた後、N-メチルモル
ホリン 6.0ml (55mmol)、L-システインメチルエステル
・塩酸塩 8.7g (51mmol) を加え、窒素雰囲気下に室温
で3日間攪拌した。反応液を濃縮して酢酸を除去し、ジ
クロロメタンで抽出後、有機層を水、飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、濾液を
減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(ジクロロメタン:エタノール = 98:2 で溶
出)で精製し、表題化合物 9.21g を淡黄色油状物として
得た(ジアステレオマー比1:1:1:1)。 収率63
%。 1H-NMR (400MHz, CDCl3)δ; 6.18~6.04 (1H, m), 4.56~
4.36 (2H, m),4.14~4.04 (2x1/4H, m), 3.82~3.68 (2x1
/4H, m), 3.79 (3x2/4H, s),3.77 (3x2/4H, s), 3.30~
3.25 (2x1/4H, m), 3.20~3.16 (2x1/4H, m),3.04~2.97
(2x1/4H, m), 2.80~2.70 (2x1/4H, m), 2.03 (3x2/4H,
s),2.02 (3x1/4H, s), 2.01 (3x1/4H, s), 2.00~1.50
(5H, m),1.482 (9x1/4H, s), 1.478 (9x1/4H, s), 1.47
3 (9x1/4H, s),1.470 (9x1/4H, s), 1.10 (3x1/4H, d,
J = 7.0Hz),1.04 (3x1/4H, d, J = 7.0Hz), 1.03 (3x1/
4H, d, J = 7.0Hz),0.97 (3x1/4H, d, J = 7.0Hz). 合成例7 メチル [3R-(3α, 6α, 9β, 9aβ)]-6-アセチルアミ
ノ-9-メチル-5-オキソ-オクタヒドロチアゾロ[3,2-a]ア
ゼピン-3-カルボキシレート
【0050】
【化21】
【0051】合成例6で得られたメチル (2RS, 4R)-2-
[(2S, 4S)-4-アセチルアミノ-4-(t-ブトキシカルボニ
ル)-2-メチルブチル]チアゾリジン-4-カルボキシレート
およびメチル (2RS, 4R)-2-[(2R, 4R)-4-アセチルアミ
ノ-4-(t-ブトキシカルボニル)-2-メチルブチル]チアゾ
リジン-4-カルボキシレート混合物 3.77g (10mmol) に
トリフルオロ酢酸 26ml を氷冷下に加えた後、徐々に室
温まで昇温した。6時間 攪拌した後、溶媒を留去しトル
エンで共沸した。得られた残渣 4.88g をテトラヒドロ
フラン 50ml に溶解させた後、N-メチルモルホリン 4.0
8ml (37mmol) を加えて pH 7 とした。室温で2-エトキ
シ-1-エトキシカルボニル-1,2-ジヒドロキノリン 3.71g
(EEDQ , 15mmol)を加え、窒素雰囲気下、室温で一晩攪
拌した。反応液を減圧濃縮後、残渣に2N-塩酸 100ml を
加え、pH 1 以下とし、ジクロロメタンで抽出した。有
機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗
浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、濾液
を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー (ジクロロメタン:エタノール=98:2で
溶出)で精製し、再結晶により表題化合物 0.796g を白
色結晶として得た 。収率26%。表題化合物の絶対配置
は、NOE 実験により決定された。 1H-NMR (400MHz, CDCl3)δ; 6.79 (1H, m), 5.33 (1H,
dd, J = 3.0, 7.0Hz),4.82 (1H, d, J = 9.5Hz), 4.56
(1H, m), 3.79 (3H, s),3.23 (1H, dd, J = 3.0, 11.5H
z), 3.10 (1H, dd, J = 7.0, 11.5Hz),2.01 (3H, s),
2.10~1.89 (3H, m), 1.80~1.66 (2H, m),1.00 (3H, d,
J = 6.5Hz). NOE δ; 1.00 ( 9-Me ) ↓→ 4.82 ( H9a ) 3.10 ( H2α ) ↓→ 4.82 ( H9a ) , 5.33 ( H3 ) 3.23 ( H2β ) ↓→ 1.95 ( H9 ) , 3.79 ( 3-COOMe ) 4.56 ( H6 ) ↓→ 4.82 ( H9a ) 合成例8 2-アセチル-デカヒドロ-( 4aR, 8aR )-イソキノリン-3
(S)-カルボン酸
【0052】
【化22】
【0053】4aS, 8aS異性体ならびに 4aR, 8aR異性体
およびトランス異性体からなるデカヒドロイソキノリン
-3(S)-カルボン酸の混合物を水72ml に溶解させ、室温
にて炭酸水素ナトリウム 60.9g (725mmol)、ジクロロメ
タン 72mlを加えたのち、無水酢酸 27.4ml (290mmol)
をゆっくり滴下し、22時間撹拌した。不溶物を濾別し、
6N-塩酸を注いでpH3とした後、食塩を加えて飽和させ、
クロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。濾過後、濾液を減圧濃縮し、ジクロロメタン
を加えて表題化合物の結晶 5.45g を得た。収率33.4%
(2行程)。 合成例9 t-ブチル 2-アセチル-デカヒドロ- (4aR, 8aR) - イソ
キノリン - 3 (S) -カルボキシレート
【0054】
【化23】
【0055】合成例8で得られた化合物を用い、合成例
5と同様にして、表題化合物5.21gを得た。収率77%。 合成例10 メチル ( 2RS , 4R )-2-[( 1R , 2R )-2-[(2S)-2-アセ
チルアミノ-2-(t-ブトキシカルボニル)エチル]シクロ
ヘキシル]チアゾリジン-4-カルボキシレート
【0056】
【化24】
【0057】合成例9で得られた化合物を用い、合成例
6と同様にして、表題化合物1.61gを得た。収率21%。 1H-NMR ( 400MHz , CDCl3 )δ; 7.28 and 6.15 ( tot
al 1H , each brd ) ,4.57~3.75 ( total 3H , m ) ,
3.78 and 3.76 ( total 3H , each s ) ,3.30~3.20 ( t
otal 1H , m ) , 3.04 and 2.76 ( total 1H , dd and
t ), 2.01 and 1.97 ( total 3H , each s ) ,1.50
and 1.47 ( total 9H , each s ) , 2.40~1.05 ( tota
l 12H , m ) 合成例11 メチル-( 3R,6S,7aR,11aR,11bR )-6-アセチルアミノ-5-
オキソ-2,3,5,6,7,7a,11a,11b-オクタヒドロシクロヘキ
シル[c]チアゾロ[3,2 -a]アゼピン-3-カルボキレート
【0058】
【化25】
【0059】合成例10で得られた化合物を用い、合成
例7と同様にして、表題化合物0.48gを得た。収率36%。
絶対構造はNMRスペクトルのNOEにより決定した。 1H-NMR ( 400MHz , CDCl3 )δ; 6.76 ( 1H , brd , J=
6.0Hz ) ,5.14 ( 1H , s ) , 4.91 ( 1H , t , J=7.0Hz
) ,4.56 ( 1H , ddd , J=1.8 , 6.0 , 11.4Hz ) , 3.7
9 ( 3H , s ) ,3.29 ( 1H , dd , J=7.0 , 11.6Hz ) ,
3.13 ( 1H , dd , J=7.0 , 11.6Hz ) ,2.35~2.30 ( 1H
, m ) , 2.07~1.15 ( 11H , m ) , 2.00 ( 3H , s ) NOE δ ; 3.29 ( H2β ) ↓→ 1.70 ( H11 ) 5.14 ( H11b ) ↓→ 1.85 ( H11a ) ,2.33 ( H7a ) ,
4.56 ( H6) 4.91 ( H3 ) ↓→ 3.13 ( H2α ) 4,56 ( H6 ) ↓→ 2.33 ( H7α ) 合成例12 メチル[ 3R-( 3α, 6α, 8α, 9aβ )]-6-アセチルア
ミノ-8-メチル-5-オキソ-オクタヒドロチアゾロ[ 3, 2-
a ]アゼピン-3-カルボキシレート
【0060】
【化26】
【0061】DL-t-ブチル (2R*, 4R*)-N-アセチル-4-
メチルピペリジル-2-カルボキシレートを用い、合成例
6及び7と同様にして合成した。 1H-NMR ( 400MHz , CDCL3 ) δ; 6.86 ( 1H , brd , J=
6.0Hz ) , 5.26 ( 1H , dd , J=2.8 , 6.8Hz ) , 5.06 ( 1H , d ,
J=10.4Hz ) ,4.58~4.63 (1H , m ) , 3.81 ( 3H , s )
,3.29 ( 1H , dd ,J=2.8 , 11.6Hz ) , 3.20 ( 1H , d
d , J=6.8 , 11.6Hz ), 2.01 ( 3H , s ) , 1.30~2.2
0 ( 5H , m ) , 1.00 ( 3H , d , J=6.8Hz ) 実施例1 メチル [3R-(3α, 6α, 9β, 9aβ)]-6-アミノ-9-メ
チル-5-オキソ-オクタヒドロチアゾロ[3, 2-a]アゼピン
-3-カルボキシレート
【0062】
【化27】
【0063】合成例7で得られたメチル [3R-(3α, 6
α, 9β, 9aβ)]-6-アセチルアミノ-9-メチル-5-オキ
ソ-オクタヒドロチアゾロ[3, 2-a]アゼピン-3-カルボキ
シレート 491mg ( 1.6mmol )を 10% 塩酸メタノール溶
液 20ml に溶解し 26 時間加熱還流した。減圧下に溶媒
を留去した後、2N-塩酸を加え、ジクロロメタンで洗浄
した。水層にアンモニア水を加えアルカリ性とした後、
ジクロロメタンで抽出し、有機層を無水炭酸カリウムで
乾燥した。濾過後、濾液を減圧濃縮し、得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:
メタノール:アンモニア水=99:1:0.1)で精製し、表
題化合物 287mg を無色油状物として得た。収率68%。 1H-NMR ( 400MHz , CDCl3 )δ; 5.35 (1H, dd, J = 3.
0, 7.0Hz),4.76 (1H, d, J = 10.0Hz), 3.78 (3H, s),
3.55 (1H, dd, J = 2.0, 10.5Hz), 3.21 (1H, dd, J =
3.0, 12.0Hz),3.09 (1H, dd, J = 6.5, 12.0Hz), 2.12~
1.50 (7H, m),1.00 (3H, d, J = 7.0Hz). 実施例2 メチル [3R-(3α, 6α, 9β, 9aβ)]-6-[[(2S, 3S)-1
-オキソ-2-アセチルチオ-3-メチルペンチル]アミノ]-9-
メチル-5-オキソ-オクタヒドロチアゾロ[3, 2-a]アゼピ
ン-3-カルボキシレート
【0064】
【化28】
【0065】実施例1で得られたメチル [3R-(3α, 6
α, 9β, 9aβ)]-6-アミノ-9-メチル-5-オキソ-オクタ
ヒドロチアゾロ[3, 2-a]アゼピン-3-カルボキシレート
287mg (1.1mmol)に (2S,3S)-2-アセチルチオ-3-メチル
ペンタン酸 317mg (1.7mmol)のテトラヒドロフラン (10
ml) 溶液を氷冷下に加えた。この溶液に 1-エチル-3-(3
-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩 (DEC
・HCl) 320mg (1.7mmol)、N-メチルモルホリン 180ml
(1.7mmol)、1-ヒドロキシ-1H-ベンゾトリアゾール1水
和物 (HOBT) 225mg (1.7mmol) を順次加えた後、窒素雰
囲気下、室温にて18時間撹拌した。反応溶液に水を加
え、酢酸エチルで抽出した後、有機層を1N-塩酸、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、濾液を減圧濃縮
して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1で溶出)で精製し、表
題化合物 199mg を無色油状物として得た。収率42%。 1H-NMR ( 400MHz , CDCl3 )δ; 7.37 (1H, d, J = 6.0H
z),5.36 (1H, dd, J = 3.0, 7.0Hz), 4.80 (1H, d, J =
9.5Hz), 4.53 (1H, m), 3.97 (1H, d, J = 7.0H
z), 3.79 (3H, s),3.22 (1H, dd, J = 3.0, 11.5Hz),
3.10 (1H, dd, J = 7.0, 11.5Hz),2.38 (3H, s), 2.14~
1.90 (3H, m), 1.78~1.62 (3H, m), 1.57 (1H, m),1.16
(1H, m), 1.00 (3H, d, J = 6.5Hz), 0.99 (3H, d, J
= 7.0Hz),0.88 (3H, t, J = 7.5Hz). 実施例3 [3R-(3α, 6α, 9β, 9aβ)]-6-[[(2S, 3S)-1-オキソ-
2-チオ-3-メチルペンチル]アミノ]-9-メチル-5-オキソ-
オクタヒドロチアゾロ[3, 2-a]アゼピン-3-カルボン酸
【0066】
【化29】
【0067】実施例2で得られたメチル [3R-(3α, 6
α, 9β, 9aβ)]-6-[[(2S, 3S)-1-オキソ-2-アセチル
チオ-3-メチルペンチル]アミノ]-9-メチル-5-オキソ-オ
クタヒドロチアゾロ[3, 2-a]アゼピン-3-カルボキシレ
ート 167mg (0.39mmol) を脱気したエタノール 5ml に
溶解し、氷冷下で1N-水酸化リチウム水溶液 2.0ml (2.0
mmol) を加え、窒素雰囲気下、室温で1時間攪拌した。
反応溶液に氷冷下、2N-塩酸 7.5ml を加えて酸性とし、
水で希釈後、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和
食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾
過後、濾液を減圧濃縮し、得られたアモルファス再結晶
(ジクロロメタンーヘキサン)し、50℃で12時間温風乾燥
することにより、表題化合物 118mg を白色結晶として
得た。収率81%。 1H-NMR ( 400MHz , CDCl3 )δ; 7.6
6 (1H, d, J = 6.5Hz),5.39 (1H, dd, J = 3.0, 7.0H
z), 4.86 (1H, d, J = 9.5Hz),4.60 (1H, m), 3.29 (1
H, dd, J = 3.0, 12.0Hz),3.22 (1H, dd, J = 7.0, 9.0
Hz), 3.13 (1H, dd, J = 7.0, 12.0Hz),2.10~1.90 (4H,
m), 1.87 (1H, d, J = 9.0Hz), 1.81~1.64 (2H, m),1.
61 (1H, m), 1.21 (1H, m), 1.03 (3H, d, J = 7.0Hz),
1.00 (3H, d, J = 7.0Hz), 0.90 (3H, t, J = 7.0Hz). 実施例4 メチル ( 3R,6S,7aR,11aR,11bR )-6-アミノ-5-オキソ-
2,3,5,6,7,7a,11a,11b-オクタヒドロシクロヘキシル[c]
チアゾロ[3,2-a]アゼピン-3-カルボキレート
【0068】
【化30】
【0069】合成例11で得られた化合物を用い、実施
例1と同様にして、表題化合物0.23gを得た。収率57%。 1H-NMR (400MHz, CDCl3)δ; 5.08 ( 1H , s ) , 4.94
( 1H ,t , J=6.8Hz ) ,3.78 ( 3H , s ) , 3.54~3.52
( 1H , m ) ,3.27 ( 1H , dd , J=6.8 , 11.6Hz ) , 3.
11 ( 1H , dd , J=6.8 , 11.6Hz )2.23~1.18 ( 14H , m
) 実施例5 メチル ( 3R,6S,7aR,11aR,11bR )-6-[[(2S,3S)-1-オキ
ソ-2-アセチルチオ-3-メチルペンチル]アミノ]-5-オキ
ソ-2,3,5,6,7,7a,11a,11b-オクタヒドロシクロヘキシル
[c] チアゾロ[3,2-a]アゼピン-3-カルボキレート
【0070】
【化31】
【0071】実施例4で得られた化合物を用い、実施例
Aと同様にして、表題化合物0.32gを得た。収率88%。 1H-NMR ( 400MHz , CDCl3 )δ; 7.33 ( 1H , brd , J
=6.0Hz ) ,5.14 ( 1H , s ) , 4.96 ( 1H , t , J=6.6H
z ) , 4.57~4.52 ( 1H , m ) ,3.97 ( 1H , d , J=6.8H
z ) , 3.79 ( 3H , s ) ,3.30 ( 1H , dd , J=6,6 , 1
1.6Hz ), 3.14 ( 1H , dd , J=6,6 , 11.6Hz) 2.38
( 3H , s ) , 2.40~0.85 ( 15H , m ) , 0.99 ( 3H , d
, J=6.8Hz ), 0.89 ( 3H , t , J=7.4Hz ) 実施例6 ( 3R,6S,7aR,11aR,11bR )-6-[[(2S,3S)-1-オキソ-2-チ
オ-3-メチルペンチル]アミノ]-5-オキソ-2,3,5,6,7,7a,
11a,11b-オクタヒドロシクロヘキシル[c] チアゾロ[3,2
-a]アゼピン-3-カルボン酸
【0072】
【化32】
【0073】実施例5で得られた化合物を用い、実施例
3と同様にして、白色結晶の表題化合物0.18gを得た。
収率63%。 1H-NMR ( 400MHz , CDCl3 )δ ; 7.33 ( 1H , brd , J
=6.0Hz ) ,5.14 ( 1H , s ) , 4.96 ( 1H , t , J=6.6H
z ) , 4.57~4.52 ( 1H , m ) ,3.97 ( 1H , d , J=6.8H
z ) , 3.79 ( 3H , s ) ,3.30 ( 1H , dd , J=6.6 , 1
1.6Hz ) , 3.14 ( 1H , dd , J=6.6 , 11.6Hz )2.38 (
3H , s ) , 2.40~0.85 ( 15H , m ) , 0.99 ( 3H , d,
J=6.8Hz ) ,0.89 ( 3H , t , J=7.4Hz ) 実施例7 メチル[ 3R-( 3α, 6α, 8α, 9aβ )]-6-アミノ-8-メ
チル-5-オキソ-オクタヒドロチアゾロ[ 3, 2-a ]アゼピ
ン-3-カルボキシレート
【0074】
【化33】
【0075】合成例12で得られたメチル[ 3R-( 3α,
6α, 8α, 9aβ )]-6-アセチルアミノ-8-メチル-5-オ
キソ-オクタヒドロチアゾロ[ 3, 2-a ]アゼピン-3-カル
ボキシレート235mg( 0.78mmol )を10%塩酸メタノール溶
液6mlに溶解し40時間加熱還流した。減圧下に溶媒を留
去した後、水を加えジクロロメタンで洗浄した。得られ
た水層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えアルカリ
性にした後に、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。これを濃縮して得られる残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(クロロフォルム:メ
タノール:アンモニア水=98:2:0.2)で精製して表題化合
物110mg を得た。 1H-NMR ( 400MHz , CDCl3 ) δ; 5.29 ( 1H , dd , J
=2.4 , 6.4Hz ) ,5.00 ( 1H , d , J=10.4Hz ) , 3.79
( 3H , s ) ,3.55 ( 1H , dd , J=1.2 , 10.8Hz ) , 3.
26 ( 1H , dd , J=2.4 , 11.4Hz )3.17 (1H , dd , J=
6.4 , 11.4Hz ) , 1.45~2.10 ( 7H , m ) ,1.01 ( 3H ,
d , J=6.4Hz ) 実施例8 メチル[ 3R-( 3α, 6α, 8α, 9aβ )]-6-[[(2S, 3S)-
1-オキソ-2-アセチルチオ-3-メチルペンチル]アミノ]-8
-メチル-5-オキソ-オクタヒドロチアゾロ[ 3,2-a ]アゼ
ピン-3-カルボキシレート
【0076】
【化34】
【0077】実施例7で得られたメチル[ 3R-( 3α, 6
α, 8α, 9aβ )]-6-アミノ-8-メチル-5-オキソ-オク
タヒドロチアゾロ[ 3, 2-a ]アゼピン-3-カルボキシレ
ート100mg( 0.39mmol )に(2S,3S)-2-アセチルチオ-3-メ
チルペンタン酸88mg(0.46mmol)のジクロロメタン(10ml)
溶液を氷冷下に加えた。次にEEDQ115mg(0.46mmol)を加
え窒素下で室温にて終夜攪拌後、減圧下に濃縮した。こ
の残渣を酢酸エチルに再溶解後、2N-塩酸、飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液、飽和食塩水でそれぞれ洗浄し無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。これを減圧濃縮した残さ
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢
酸エチル=3:1)で精製して、表題化合物85mgを得た。
収率51%。 1H-NMR ( 400MHz , CDCl3 )δ; 7.38 ( 1H , brd , J=
6.0Hz ) ,5.27 ( 1H , dd , J=2.6 , 6.4Hz ) , 5.04
( 1H , d , J=10.0Hz ) ,4.53~4.58 ( 1H , m ) , 3.97
( 1H , d , J=6.8Hz ) , 3.80 ( 3H , s ) ,3.28 ( 1H
, dd , J=2.6 , 12.0Hz ) , 3.20 ( 1H , dd , J=6.4
, 12.0Hz) 2.38 ( 3H , s ) 1.11~2.15 ( 8H , m )
, 1.00 ( 6H , d , J=6.4Hz ) ,0.89 ( 3H , t , J=7.
4Hz ). 実施例9 [ 3R-( 3α, 6α, 8α, 9aβ )]-6-[[(2S, 3S)-1-オキ
ソ-2-チオ-3-メチルペンチル]アミノ]-8-メチル-オクタ
ヒドロ-5-オキソチアゾロ[ 3, 2-a ]アゼピン-3-カルボ
ン酸
【0078】
【化35】
【0079】実施例8で得られたメチル[ 3R-( 3α, 6
α, 8α, 9aβ )]-6-[[(2S, 3S)-1-オキソ-2-アセチル
チオ-3-メチルペンチル]アミノ]-8-メチル-オクタヒド
ロ-5-オキソチアゾロ[ 3, 2-a ]アゼピン-3-カルボキシ
レート85mg(0.197mmol)を脱気したEtOH3mlに溶解し
た。次に氷冷下で1N-水酸化リチウム水溶液1.4ml を加
え、窒素雰囲気下室温で1時間攪拌した。これに氷冷下
で2N-塩酸2mlを加え酸性とした後に水を加えジクロロメ
タンで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥し減圧濃縮した。得られたアモルファスを再
結晶し(ジクロロメタン-ヘキサン)、50℃で24時間温
風乾燥させ表題化合物51mgを得た。収率69%。絶対配置
は、NOE 実験により決定された。 1H-NMR ( 400MHz , CDCl3 ) δ; 7.73 ( 1H , brd ,
J=6.4Hz ) ,5.28 ( 1H , dd , J=2.4 , 6.6Hz ) , 5.09
( 1H , d , J=10.4Hz ) ,4.66 ( 1H , dd , J=6.4 , 1
1.0Hz ) , 3.35 ( 1H , dd , J=2.4 , 12.0Hz )3.18~3.
25 ( 2H , m ) , 1.89 ( 1H , d , J=8.8Hz ) ,1.18~
2.20 ( 8H , m ) , 1.01 ( 3H , d , J=6.8Hz ) ,1.00
( 3H , d , J=6.8Hz ) , 0.91 ( 3H , t , J=7.4Hz ) NOE δ ; 5.09 ( H9a ) ↓→ 4.66 ( H6α ) ,3.22
( H2α) ,1.95 ( H9α ) ,2.13 ( H8 ) 4.66 ( H6α ) ↓→ 1.95 ( H9α ) ,2.13 ( H8 )
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松嶋 知広 茨城県つくば市松代2丁目25ー9 アーク フラット205 (72)発明者 斎藤 守 茨城県つくば市松代4ー9ー16 (72)発明者 松岡 俊之 茨城県つくば市春日4ー19ー13エーザイ紫 山寮305 (72)発明者 足立 秀之 茨城県稲敷郡阿見町中央7ー7ー18 (72)発明者 並木 雅幸 茨城県つくば市稲荷前9ー7つくばね第2 寮310 (72)発明者 須藤 武 茨城県土浦市常名4016ー93 (72)発明者 三宅 一俊 茨城県牛久市栄町1ー56ー51

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 (式中、R1は、水素原子又はチオール基の保護基を意
    味する。R2は、水素原子、低級アルキル基、置換基を
    有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよ
    いヘテロアリール基、低級アルコキシ基、低級アルキル
    チオ基を意味する。R3,R4又はR5は、水素原子、
    低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ
    基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有
    していてもよいヘテロアリール基を意味する。また、R
    3,R4又はR5のうち互いに隣り合う2つの置換基
    は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、環
    を形成していてもよい。R6およびR7は、同一又は相
    異なる水素原子、低級アルキル基を意味する。R8は、
    水素原子又はカルボキシル基の保護基を意味する。n、
    mは、独立して0又は1、2を意味する。)で示される
    置換チアゾロ[3,2-a]アゼピン誘導体又はその薬理学的
    に許容できる塩。
  2. 【請求項2】一般式(I’) 【化2】 (式中、R1は、水素原子又はチオール基の保護基を意
    味する。R3,R4又はR5は、水素原子、低級アルキ
    ル基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、置換基
    を有していてもよいアリール基、置換基を有していても
    よいヘテロアリール基を意味する。また、R3,R4又
    はR5のうち互いに隣り合う2つの置換基は、それらが
    結合している炭素原子と一緒になって、環を形成してい
    てもよい。R6およびR7は、同一又は相異なる水素原
    子又は低級アルキル基を意味する。R8は、水素原子又
    はカルボキシル基の保護基を意味する。n、mは、独立
    して0又は1、2を意味する。)で示される請求項1記
    載の置換チアゾロ[3,2-a]アゼピン誘導体又はその薬理
    学的に許容できる塩。
  3. 【請求項3】式 【化3】 で示される請求項1記載の置換チアゾロ[3,2-a]アゼピ
    ン誘導体又はその薬理学的に許容できる塩。
  4. 【請求項4】一般式(I) 【化4】 (式中、R3,R4又はR5は、水素原子、低級アルキ
    ル基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、置換基
    を有していてもよいアリール基、置換基を有していても
    よいヘテロアリール基を意味する。また、R3,R4又
    はR5のうち互いに隣り合う2つの置換基は、それらが
    結合している炭素原子と一緒になって、環を形成してい
    てもよい。R6およびR7は、同一又は相異なる水素原
    子、低級アルキル基を意味する。R8は、水素原子又は
    カルボキシル基の保護基を意味する。n、mは、独立し
    て0又は1、2を意味する。)で示される置換チアゾロ
    [3,2-a]アゼピン誘導体又はその薬理学的に許容できる
    塩。
  5. 【請求項5】一般式(I) 【化5】 (式中、R3,R4は水素原子を意味する。R5は、低
    級アルキル基を意味する。また、R3,R4又はR5の
    うち互いに隣り合う2つの置換基は、それらが結合して
    いる炭素原子と一緒になって、環を形成していてもよ
    い。R6及びR7は、水素原子を意味する。R8は、水
    素原子又はカルボキシル基の保護基を意味する。n、m
    は、独立して0又は1、2を意味する。)で示される置
    換チアゾロ[3,2-a]アゼピン誘導体又はその薬理学的に
    許容できる塩。
  6. 【請求項6】請求項1記載の置換チアゾロ[3,2-a]アゼ
    ピン誘導体又はその薬理学的に許容できる塩を有効成分
    とするNEP阻害剤。
  7. 【請求項7】請求項1記載の置換チアゾロ[3,2-a]アゼ
    ピン誘導体又はその薬理学的に許容できる塩を有効成分
    とするACE阻害剤。
  8. 【請求項8】請求項1記載の置換チアゾロ[3,2-a]アゼ
    ピン誘導体又はその薬理学的に許容できる塩を有効成分
    とするNEP阻害作用が有効な疾患の予防・治療剤。
  9. 【請求項9】請求項1記載の置換チアゾロ[3,2-a]アゼ
    ピン誘導体又はその薬理学的に許容できる塩を有効成分
    とするACE阻害作用が有効な疾患の予防・治療剤。
  10. 【請求項10】請求項1記載の置換チアゾロ[3,2-a]ア
    ゼピン誘導体又はその薬理学的に許容できる塩を有効成
    分とする急性・慢性心不全予防・治療剤。
  11. 【請求項11】請求項1記載の置換チアゾロ[3,2-a]ア
    ゼピン誘導体又はその薬理学的に許容できる塩を有効成
    分とする狭心症予防・治療剤。
  12. 【請求項12】請求項1記載の置換チアゾロ[3,2-a]ア
    ゼピン誘導体又はその薬理学的に許容できる塩を有効成
    分とする利尿剤。
  13. 【請求項13】請求項1記載の置換チアゾロ[3,2-a]ア
    ゼピン誘導体又はその薬理学的に許容できる塩を有効成
    分とする高血圧症予防・治療剤。 【産業上の利用分野】本発明は、新規な置換チアゾロ
    [3,2-a]アゼピン誘導体又はその薬理学的に許容できる
    塩に関する。更に詳しくは、医薬として有用な新規置換
    チアゾロ[3,2-a]アゼピン誘導体又はその薬理学的に許
    容できる塩に関する。
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