JPH07304746A - 新規ベンゾアゼピンカルボン酸誘導体 - Google Patents

新規ベンゾアゼピンカルボン酸誘導体

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JPH07304746A
JPH07304746A JP6123192A JP12319294A JPH07304746A JP H07304746 A JPH07304746 A JP H07304746A JP 6123192 A JP6123192 A JP 6123192A JP 12319294 A JP12319294 A JP 12319294A JP H07304746 A JPH07304746 A JP H07304746A
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carboxylic acid
acid
acid derivative
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JP6123192A
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Masahiro Nitta
昌宏 新田
Minoru Yamamoto
実 山本
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】下式(I) 【化2】 で示される(1R,4S)−4−アミノ−3−オキソ−
2−ベンゾアゼピン−1−カルボン酸誘導体若しくはそ
のエナンチオマー又はその薬学的に許容される塩。 【効果】化合物(I)若しくはそのエナンチオマー又は
その薬学的に許容される塩は、コラゲナーゼ阻害活性を
有するのでコラゲナーゼ活性の亢進に起因すると考えら
れる各種疾患の治療薬として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコラゲナーゼ阻害作用を
有する新規な4−アミノ−3−オキソ−1,2,4,5
−テトラヒドロ−2−ベンゾアゼピン−1−カルボン酸
(以下、本願明細書においてはベンゾアゼピンカルボン
酸と表わす。)誘導体又はその薬学的に許容される塩に
関する。更に詳しくは、下式(I)
【0002】
【化2】 で示される(1R,4S)−ベンゾアゼピンカルボン酸
誘導体若しくはそのエナンチオマー又はその薬学的に許
容される塩に関する。
【0003】
【従来の技術】ベンゾアゼピンカルボン酸誘導体として
はこれまでアンジオテンシン変換酵素阻害剤〔J.Am.Che
m.Soc.,109,7915(1987)〕やレニン阻害剤〔J.Med.Che
m.,35,833(1992)〕の合成例が報告されている。又、第
20回ヨーロッパペプチドシンポジウムにおいて下式(I
I)
【0004】
【化3】 で示される部分構造を有する化合物が発表されているが
コラゲナーゼ阻害活性については述べられていない〔An
nual Reports in Medicinal Chemistry,Vol.24,247(198
9)〕。
【0005】一方、動物の結合組織コラーゲンを分解す
るコラゲナーゼに対して阻害作用を有する化合物として
は、これまでチオール誘導体(特開昭61−15265
0)、ヒドロキサム酸誘導体(特開昭62−10305
2)、ホスフィン酸誘導体(特開昭63−15679
6)等が開示されており、これらの化合物は生体内のコ
ラゲナーゼ活性亢進に起因すると考えられる疾患、例え
ば関節炎や歯周炎、角膜潰瘍等の治療に有用とされてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はコラゲ
ナーゼ阻害作用を有する新規なベンゾアゼピンカルボン
酸誘導体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは種々検討の
結果下式(I)
【0008】
【化2】 で示される(1R,4S)−ベンゾアゼピンカルボン酸
誘導体若しくはそのエナンチオマー又はその薬学的に許
容される塩にコラゲナーゼ阻害作用を確認し本発明を完
成した。下式
【0009】
【化4】 の化合物には不斉炭素a、b及びcに由来する種々の立
体異性体が存在するが、本発明の化合物は、bの立体配
置がR又はSである時に、cの立体配置がそれぞれS又
はRであるもの及びこれらの混合物を包含する。
【0010】具体的には本発明化合物は下記の各立体異
性体及びこれらの2種以上の混合物を包含する。 ・(1R,4S)−4−〔2(R)−ヒドロキシカルバ
モイルメチル−4−メチルバレリル〕アミノ−3−オキ
ソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−2−ベンゾ
アゼピン−1−カルボン酸 ・(1R,4S)−4−〔2(S)−ヒドロキシカルバ
モイルメチル−4−メチルバレリル〕アミノ−3−オキ
ソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−2−ベンゾ
アゼピン−1−カルボン酸 ・(1S,4R)−4−〔2(R)−ヒドロキシカルバ
モイルメチル−4−メチルバレリル〕アミノ−3−オキ
ソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−2−ベンゾ
アゼピン−1−カルボン酸 ・(1S,4R)−4−〔2(S)−ヒドロキシカルバ
モイルメチル−4−メチルバレリル〕アミノ−3−オキ
ソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−2−ベンゾ
アゼピン−1−カルボン酸
【0011】各立体異性体の中では不斉炭素aにおける
立体配置が(R)、不斉炭素bの立体配置が(S)であ
るものがそれぞれ好ましい。特に好ましいものは(1
R,4S)−4−〔2(R)−ヒドロキシカルバモイル
メチル−4−メチルバレリル〕アミノ−3−オキソ−
1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−2−ベンゾアゼ
ピン−1−カルボン酸である。
【0012】本発明化合物にはこれら化合物の薬学的に
許容される塩も包含される。薬学的に許容される塩とし
ては、そのカルボン酸及び/又はヒドロキサム酸部分に
おけるナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等の金
属塩、アンモニウム塩又はリジン、アルギニン等の塩基
性アミノ酸塩等が挙げられる。
【0013】次に本発明化合物の製造方法について説明
する。本発明化合物のうち、(1R,4S)−ベンゾア
ゼピンカルボン酸誘導体は例えばN−フタロイル−
(L)−フェニルアラニンアミドを出発化合物として下
記の方法(スキーム1)により製造することができる。
更に、この(1R,4S)−ベンゾアゼピンカルボン酸
誘導体のエナンチオマーである(1S,4R)−ベンゾ
アゼピンカルボン酸誘導体もこれと同様の方法によりN
−フタロイル−(D)−フェニルアラニンアミドを出発
化合物として製造可能である。
【0014】
【化5】 (式中、Phth<はフタロイル基、Bzlはベンジル
基をそれぞれ表わす。)
【0015】化合物(IV)はN−フタロイル−(L)−フ
ェニルアラニンアミド(III)〔J.Chem.Soc.(C),1969,809
に記載の方法で調製できる。〕に5〜15当量のグリオ
キシル酸を加え、パラトルエンスルホン酸やメタンスル
ホン酸等の酸触媒の存在下、ベンゼン、テトラヒドロフ
ラン(以下、THFと略記する。)等の不活性溶媒中で
60℃〜溶媒の沸点温度で5〜10時間加熱することに
より得られる。得られた化合物(IV)は結晶化させること
なく、そのまま次の反応に供するのが好ましい。
【0016】化合物(V)は化合物(IV)を強酸性溶媒中
で閉環反応させることにより立体選択的に得られる。こ
こで強酸性溶媒としては濃硫酸、メタンスルホン酸、ト
リフルオロ酢酸(以下、TFAと略記する。)、トリフ
ルオロメタンスルホン酸等の強酸又はこれらの混合物等
が挙げられ、0℃〜室温で5〜24時間反応させるのが
好ましい。化合物(VI)は以下の方法により化合物(V)
を異性化して得ることができる。
【0017】
【化6】 (式中、Phth<は前記に同じ。)
【0018】化合物(V)を酢酸溶媒中、2〜5当量の
パラホルムアルデヒド、1〜3当量の無水酢酸及び0.
2〜0.5当量の塩化チオニルの共存下80〜120℃
で3〜10時間加熱してオキサゾリジノン体(X)に導
く。オキサゾリジノン体(X)は結晶として単離するこ
となく、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド
(以下、DMFと略記する。)等の溶媒に溶解し、好ま
しくは0.5〜2.0当量のトリエチルアミン等の塩基
の存在下、3〜6時間、室温〜50℃で反応させること
により容易に化合物(XI)へと異性化する。
【0019】次いで、酸性条件下で化合物(XI)のオキサ
ゾリジノン環を切断して化合物(VI)を得る。この反応は
アニソール等の添加剤(1〜5当量)の共存下トリフル
オロメタンスルホン酸とTFAの混合溶媒(例えば混合
比1:9)に化合物(XI)を溶解し0℃〜室温で5〜24
時間行うのが好ましい。
【0020】アミノ体(VII)は化合物(VI)のフタルイミ
ド基を脱離させることにより得られる。即ち、化合物(V
I)をメタノール又はエタノール等のアルコール性溶媒と
1〜10%の酢酸よりなる混合溶媒に溶解又は懸濁し
1.0〜5.0当量のヒドラジンを加え60℃〜溶媒の
沸点温度で2〜10時間加熱することによりアミノ体(V
II)を得ることができる。
【0021】化合物(VIII)はカルボン酸誘導体(IX)を以
下の方法で活性化した後アミノ体(VII)と縮合して得ら
れる。即ち、まずカルボン酸誘導体(IX)はジクロロメタ
ン、THF又はDMF等の溶媒に溶解し、これに対し
1.0〜1.2倍モルの縮合剤と2〜15時間、0℃〜
室温で反応させることにより容易に活性化される。縮合
剤としては例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(以
下、DCCと略記する。)、1−エチル−3−(3−ジ
メチルアミノプロピル)−カルボジイミド・塩酸塩(水
溶性カルボジイミド。以下、WSCと略記する。)等の
ペプチド合成に汎用される縮合剤を挙げることができ
る。
【0022】又、カルボン酸誘導体(IX)は混合酸無水物
法によっても活性化させることができる。即ち、THF
又はDMF等の非プロトン性溶媒にカルボン酸誘導体(I
X)を溶解し1.0〜1.2当量のトリエチルアミンやN
−メチルモルホリン等の三級アミンの存在下に、好まし
くは−20〜5℃で1.0〜1.2当量のエチルクロロ
ホルメート等のクロロ炭酸エステル又は塩化ピバロイル
等の酸クロリドと反応させることにより活性化が可能で
ある。
【0023】カルボン酸誘導体(IX)は上記方法で活性化
した後、単離することなくTHF又はDMFに溶解して
アミノ体(VII)との縮合反応に供される。この縮合反応
はアミノ体(VII)をアミノ体と当量の塩基(例えばトリ
エチルアミン等の三級アミン又は水酸化ナトリウム、炭
酸水素ナトリウム等の無機塩基)の混合水溶液として、
活性化したカルボン酸誘導体と3〜10時間、0℃〜室
温で反応させるのが好ましい。
【0024】最後に化合物(VIII)を水素化分解すること
によりベンジル基を脱離させ本発明化合物(I)を得
る。水素化分解は、通常、メタノール、エタノール等の
低級アルコール、THF又はこれらの混合溶媒中、パラ
ジウム−炭素等の触媒と要すれば水又は塩酸、酢酸等の
酸の存在下に、常圧又は加圧の水素雰囲気下で行う。
【0025】光学的に純粋な本発明化合物(I)は以下
の三つの方法により容易に得られる。第一の方法は、前
記のスキーム1において光学活性なカルボン酸誘導体(I
X)を用いる方法である。カルボン酸誘導体(ラセミ体)
(IX)及びその光学活性体は例えば以下の方法により得る
ことができる。
【0026】
【化7】 即ち、公知の酸無水物(XII)をエ−テル、THF又はこ
れらの混合溶媒中、−78〜0℃で当量のO−ベンジル
ヒドロキシルアミンと1〜5時間反応することによりカ
ルボン酸誘導体(IX)をラセミ体として得る。
【0027】カルボン酸誘導体(IX)の光学活性体は、例
えばシンコニジン又はD−フェネチルアミン等の光学活
性アミンを分割剤として使用し、常法に従って当該ラセ
ミ体(IX)を光学分割することにより容易に得られる。光
学分割に使用する溶媒としては分割剤としてシンコニジ
ンを用いた場合は酢酸エチル、D−フェネチルアミンを
用いた場合はDMFがそれぞれ好ましい。
【0028】光学的に純粋な本発明化合物(I)を得る
第二の方法はカルボン酸誘導体(IX)のラセミ体とアミノ
体(VII)を反応させて、その結果2種の立体異性体混合
物として得られる化合物(VIII)を分離して水素化分解し
光学活性な化合物(I)を得る方法である。
【0029】第三の方法はカルボン酸誘導体(IX)のラセ
ミ体とアミノ体(VII)を反応させて、その結果得られる
化合物(VIII)を2種の立体異性体混合物のまま水素化分
解し、立体異性体混合物として得られる化合物(I)よ
り光学活性体を分離する方法である。尚、化合物(VIII)
又は化合物(I)の立体異性体混合物の分離精製には、
再結晶の他各種のクロマトグラフィーを用いることがで
きるが、逆相カラムを用いる高速液体クロマトグラフィ
ーが有用である。
【0030】
〔試験例〕
1.供試化合物 実施例1の化合物 2.試験方法 コラゲナ−ゼは特願平1−238941号記載の方法に
より精製したものを用いた。試験化合物を測定用緩衝液
(0.2M食塩,5mM塩化カルシウム,0.05容量%
Brij−35および0.02容量%アジ化ナトリウム
を含有する50mMトリス塩酸緩衝液、pH7.5)に溶解
した液と既知量のコラゲナ−ゼ溶液とを混合し、フルオ
レッセインイソチオシアネ−トで標識されたI型コラ−
ゲン(コスモバイオ社製)を基質として用い、永井らの
方法(Japanese Journal of Inflamation、4巻、12
3頁、1984年参照)に準じコラゲナ−ゼ活性を測定
することにより行った。 3.試験結果 供試化合物のIC50値は0.35(μM)であった。
【0031】
【実施例】以下に実施例及び参考例を挙げて本発明を更
に詳細に説明する。 参考例1(1S,4S)−3−オキソ−4−フタルイミド−1,
2,4,5−テトラヒドロ−3H−2−ベンゾアゼピン
−1−カルボン酸〔化合物(V)〕の製造 N−フタロイル−L−フェニルアラニンアミド(III)
9.82g、グリオキシル酸一水和物24g、メタンス
ルホン酸0.5mlをTHF120mlに溶解し、約6
時間加熱還流した。THFを減圧留去し得られた残渣を
炭酸水素ナトリウム22gを含む水300ml中に加え
て酢酸エチルで洗浄した。濃塩酸を加えて酸性とした
後、酢酸エチルで抽出し水洗して硫酸マグネシウム上で
乾燥した。酢酸エチルを減圧留去して得られる油状残渣
〔化合物(IV)〕をTFA15mlに溶解し氷冷下濃硫酸
100mlを加えて終夜撹拌した。反応溶液を氷に注
ぎ、析出した固体を濾取し水洗して乾燥した。エタノー
ルとDMFの混合溶媒(1:1)より再結晶して目的と
する化合物(V)6.7gを得た。 融点:240〜245℃ [α]D = +63°(c=0.2,DMF)
【0032】参考例2(6S,11bR)−6−フタルイミド−5,6,7,
11b−テトラヒドロ−1H,3H−オキサゾロ[4,
3−a][2]ベンゾアゼピン−1,5−ジオン〔化合
物(XI)〕の製造 化合物(V)5.25g、パラホルムアルデヒド1.3
5g、無水酢酸3.06g及び塩化チオニル0.3ml
に酢酸150mlを加え約100℃で5時間加熱した。
無水酢酸及び酢酸を減圧留去し、残渣を酢酸エチル約2
00mlに溶解して水洗後、トリエチルアミン2.0m
lを加えて室温で4時間撹拌した。反応溶液を1N塩酸
次いで水でそれぞれ洗浄し硫酸マグネシウム上で乾燥し
た。酢酸エチルを減圧留去して得られた油状残渣を少量
のメタノールより結晶化して化合物(XI)3.36gを得
た。
【0033】融点:214〜217℃ [α]D = +72°(c=0.2,THF)1 H−NMR(DMSO-d6)δ:3.11(1H,dd),3.94(1H,t),4.
56(1H,dd),5.53(1H,d),5.55(1H,d),6.26(1H,s),7.40〜
7.50(4H,m),7.80〜8.00(4H,m).
【0034】参考例3(1R,4S)−3−オキソ−4−フタルイミド−1,
2,4,5−テトラヒドロ−3H−2−ベンゾアゼピン
−1−カルボン酸〔化合物(VI)〕の製造 化合物(XI)1.9gにアニソール2.3ml、TFA4
5ml及びトリフルオロメタンスルホン酸5mlを加え
氷冷下で3時間次いで室温で終夜撹拌した。TFAを減
圧留去し、得られた残渣を氷に注ぎ、析出した固体を濾
取した。これを炭酸水素ナトリウム約1gを含む水60
mlに溶解し酢酸エチルで洗浄した。濃塩酸を加えて再
び析出した結晶を濾取し水次いでエーテルで順次洗浄し
て目的とする化合物(VI)1.37gを得た。
【0035】融点:254〜257℃ [α] D = −76°(c=0.2,DMF)1 H−NMR(DMSO-d6)δ:3.21(1H,dd),3.83(1H,dd),
5.11(1H,dd),5.20(1H,d),7.16〜7.30(4H,m),7.87(4H,b
s),8.17(1H,d),13.7(1H,bs).
【0036】参考例44−(N−ベンジルオキシアミノ)−2(R)−イソブ
チルコハク酸〔化合物(IX)の光学活性体〕の製造 ジヒドロ−3(RS)−(2−メチルプロピル)−2,
5−フランジオン124gをエーテル400mlに溶解
し、塩酸O−ベンジルヒドロキシルアミン128gを炭
酸カリウムで中和したエーテル溶液400mlを0℃で
滴下した。3.5時間攪拌後生じる白色固体をろ取し
た。エーテルと酢酸エチルの混合溶媒(エーテル/酢酸
エチル=2/1)300mlで洗浄することにより4−
(N−ベンジルオキシアミノ)−2(RS)−イソブチ
ルコハク酸98.6gを得た。
【0037】次いで得られた4−(N−ベンジルオキシ
アミノ)−2(RS)−イソブチルコハク酸98.6g
をDMF2000mlに溶解し、D−1−フェニルエチ
ルアミン42.8gをDMF1000mlに溶解して加
え終夜室温で放置した。得られた結晶を再びDMF20
00mlから再結晶した。得られた結晶に2N塩酸60
0mlを加え、酢酸エチル500mlで抽出し水洗後硫
酸マグネシウム上で乾燥した。溶媒を減圧下で留去する
ことにより4−(N−ベンジルオキシアミノ)−2
(R)−イソブチルコハク酸30.5gを得た。
【0038】融点:93〜95℃ [α]D = +21°(C=0.5,MeOH).1 H−NMR(DMSO-d6)δ:0.85(6H,t),1.12〜1.22(1H,
m),1.37〜1.60(2H,m),2.05(1H,dd),2.24(1H,dd),2.64〜
2.73(1H,m),4.76(2H,s),7.38(5H,s),11.0(1H,s),12.2(1
H,s).
【0039】実施例1(1R,4S)−4−[2(R)−ヒドロキシカルバモ
イル−3−メチルバレリル]アミノ−3−オキソ−1,
2,4,5−テトラヒドロ−3H−2−ベンゾアゼピン
−1−カルボン酸〔化合物(I)の光学活性体〕の製造 (1)(1R,4S)−4−[2(R)−N−ベンジル
オキシアミノカルボニル−3−メチルバレリル]アミノ
−3−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−
2−ベンゾアゼピン−1−カルボン酸〔化合物(VIII)
の光学活性体〕:抱水ヒドラジン0.51g、メタノー
ル50ml及び酢酸2.5mlの混合物に参考例3で調
製した化合物(VI)1.21gを加え5時間加熱還流し
た。生じた沈澱を濾別し、濾液を減圧下に濃縮して結晶
化させエタノール次いでジエチルエーテルで洗浄してア
ミノ体(VII)0.20gを得た。
【0040】カルボン酸誘導体(IX)の光学活性体(参考
例4参照)0.25gをジクロロメタン10mlに溶解
しWSC0.17gを加えて室温で終夜撹拌した。ジク
ロロメタンを減圧留去して得られる残渣をTHF5ml
に溶解し、活性化されたカルボン酸誘導体のTHF溶液
を調製した。このTHF溶液に上記のアミノ体(VII)
0.20g、1N水酸化ナトリウム0.91ml及び水
4mlよりなる水溶液を加えて室温で5時間撹拌した。
水20mlを加えた後、酢酸エチルで洗浄し、水層に塩
酸を加えて酸性とした。水層を酢酸エチルで抽出し、抽
出液を水洗してから硫酸マグネシウム上で乾燥した。酢
酸エチルを減圧留去し、得られた固形物をエーテルで洗
浄して化合物(VIII)の光学活性体0.2gを得た。 融点:188〜191℃ [α]D = +22°(c=0.2,THF)
【0041】(2)(1R,4S)−4−[2(R)−
ヒドキシカルバモイル−3−メチルバレリル]アミノ−
3−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−2
−ベンゾアゼピン−1−カルボン酸〔化合物(I)の光
学活性体〕:化合物(VIII)の光学活性体0.19gをメ
タノール及びTHFの混合溶媒(1:1)20mlに溶
解し、10%パラジウム−炭素触媒80mgの存在下で
水素ガスを吹き込むことにより水素化分解を行った。触
媒を濾別して溶媒を減圧留去し、得られた固形残渣を分
取用HPLC(カラム:shim-pack prep.ODS(H) kit、
溶媒:0.1%TFA水溶液/アセトニトリル=7/
3)にて精製し、化合物(I)の光学活性体63mgを
得た。
【0042】融点:188〜189℃(分解) [α]D = +23°(c=0.2,DMF)1 H−NMR(DMSO-d6)δ:0.83(3H,d),0.87(3H,d),1.0
3〜1.15(1H,m),1.38〜1.58(2H,m),2.00(1H,dd),2.16(1
H,dd),2.71〜3.04(3H,m),4.68〜4.78(1H,m),5.03(1H,
d),7.10〜7.36(4H,m),7.82(1H,d),8.33(1H,d),8.70(1H,
s),10.4(1H,s),13.3(1H,bs).
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 5/06 8318−4H // C07B 53/00 7419−4H C12N 9/99 C07M 7:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下式(I) 【化1】 で示される(1R,4S)−4−アミノ−3−オキソ−
    2−ベンゾアゼピン−1−カルボン酸誘導体若しくはそ
    のエナンチオマー又はその薬学的に許容される塩。
JP6123192A 1994-05-11 1994-05-11 新規ベンゾアゼピンカルボン酸誘導体 Pending JPH07304746A (ja)

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JP6123192A Pending JPH07304746A (ja) 1994-05-11 1994-05-11 新規ベンゾアゼピンカルボン酸誘導体

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JP (1) JPH07304746A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998012211A1 (en) * 1996-09-19 1998-03-26 Hoechst Marion Roussel, Inc. 3-mercaptoacetylamino-1,5-substituted-2-oxo-azepan derivatives useful as inhibitors of matrix metalloproteinase

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WO1998012211A1 (en) * 1996-09-19 1998-03-26 Hoechst Marion Roussel, Inc. 3-mercaptoacetylamino-1,5-substituted-2-oxo-azepan derivatives useful as inhibitors of matrix metalloproteinase

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