JPH0816249B2 - 塊成鉱製造における事前処理方法 - Google Patents

塊成鉱製造における事前処理方法

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JPH0816249B2
JPH0816249B2 JP20425791A JP20425791A JPH0816249B2 JP H0816249 B2 JPH0816249 B2 JP H0816249B2 JP 20425791 A JP20425791 A JP 20425791A JP 20425791 A JP20425791 A JP 20425791A JP H0816249 B2 JPH0816249 B2 JP H0816249B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製鉄高炉原料として優
れた性状を有する塊成鉱の製造に際し、フラックスとし
て転炉スラグを石灰石(又は生石灰)の一部代替として
使用する塊成鉱製造における事前処理方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図4は通常の焼結法に用いられる工程説
明図である。溶鉱炉の主要な原料である焼結鉱などの塊
成鉱は、一般に、図4に示すような工程に従って製造さ
れる。先ず、原料として約10mm以下の粉鉱石にフラッ
クス源として、石灰石・ドロマイト・転炉スラグなどの
含CaO副原料粉、珪石・蛇紋岩などの含SiO2 副原
料および返鉱と燃料源として粉コ−クスを用い、適量の
水分を加えて一次及び二次のドラムミキサ−にて混合・
造粒する。
【0003】このように擬似粒化した原料をグレ−ト式
焼結機上に充填し、その表層部の炭材に1100〜12
00℃にて点火し、下方よりブロ−ワにより空気を吸引
しながらコ−クスを燃焼させ、その燃焼熱により原料を
焼結し、次いでクラッシャ−にて粉砕し、4mm篩にてス
クリ−ニングし、+4mmは製品として高炉に送り、−4
mmは返鉱として繰り返す。
【0004】このようにして製造した塊成鉱の性状とし
ては、冷間強度,被還元性,還元粉化性などの品質が要
求される。そして、この品質確保のため各種副原料の配
合割合やコ−クス粉の添加量の調整をしながら操業が行
われる。
【0005】塊成化用の原料鉄鉱石は、従来の良質の赤
鉄鉱(ヘマタイト)・磁鉄鉱(マグネタイト)から、次
第に製品強度を維持する上で問題の多いゲ−サイト(F
2 3 ・H2 O)を多く含む鉄鉱石の比率が増大して
おり、これに対応する技術開発が望まれている。
【0006】一方、転炉スラグは昭和55年頃までは生
産量の約40%は埋立て・廃棄されていたが、その後、
環境規制の強化に伴い、埋立廃棄量は徐々に減少し、最
近ではその量は生産量の7〜18%となっている。(永
井他:資源と素材,107(1991)No.2,P140) この転炉スラグの有効利用は、土木用を中心に以前から
行われており、またその研究も数多く行われている。
【0007】例えば、特開昭55−79837号公報に
は、溶融状態の転炉スラグ100重量部に対して、蛇紋
岩、ドロマイトなどのMgCO3 を含有する鉱物原料1
〜30重量部を添加溶融し、滓化したものを2〜2.5
mmに粒度調整を行い、塊成鉱製造用原料の一部とする方
法が開示されている。
【0008】また、特開昭55−128548号公報に
は、転炉スラグの粒度を2〜10mmに破砕・整粒し、焼
結原料に対し1〜5重量%を配合し、焼結機の下層部へ
偏析させ操業する方法が開示されている。
【0009】しかしながら、これら転炉スラグの利用に
際しては、その前提となる塊成鉱製造プロセスでは、製
品中のSiO2 含有量およびコ−クス比が比較的に高
く、かつ操業度も現状と比較し低いという条件のもとで
あった。
【0010】最近では高炉を安定かつ高効率で操業する
ため高品質の塊成鉱が要求され、その冷間強度,被還元
性,還元粉化性などの管理基準が厳しくなっている。そ
のため、従来の塊成鉱と異なり、製品中のSiO2 含有
量は5.5%以下、かつ、生産率は1.5t/m2 /H
r以上の操業が通常操業レベルになりつつある。
【0011】このため、原料の擬似粒子化の強化による
通気性の改善やコ−クス添加方法の工夫による効率的な
燃焼方法の改善が行われ、製品品質の維持確保のため、
副原料の添加量・方法に制約が出てきている。このよう
な操業条件下において、転炉スラグをフラックスの代替
として使用すると冷間強度の低下が認められるので、品
質の維持を図るべく生産性を下げた操業が強いられる等
の問題がある。
【0012】また、最近10数年間での精練技術の進歩
により転炉での石灰使用量は減少し、スラグ原単位の低
下をもたらしている。これにより、転炉スラグ中のCa
O分も減少しており、転炉スラグの質的な変化も考慮す
る必要がある。
【0013】以上のように、製品中のSiO2 含有量は
5.5%以下、かつ、生産率は1.5t/m2 /Hr以
上の条件下における塊成鉱製造プロセスに、転炉スラグ
を有効利用する方法の開発が望まれている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ゲ−サイト質の鉄鉱石
を塊成鉱製造用原料として多量に使用する場合、焼結過
程におけるゲ−サイト質の鉄鉱石中の結合水の分解・脱
水に伴い発生する亀裂により気孔が多く生成し、多孔質
化することが既に知られている。この様に多孔質化した
鉱石においては、焼結過程において、融液生成時に気孔
内の気体が融液内に閉じこめられ、多量の粗大気孔とな
り、製品の強度低下を招くこととなる。
【0015】この対策として特開昭63−33525号
公報には、褐鉄鉱石に微粉砕した含MgO−SiO2 物
質を配合することでCaO−MgO−SiO2 系融液を
生成せしめ、高粘性の含MgO−SiO2 物質により褐
鉄鉱石の表面を覆うことでCOガスによる還元を抑制
し、FeO生成量を低減することで製品品質を確保する
方法が開示されている。この方法では、原料鉄鉱石に対
して配合する含MgO−SiO2 物質の配合量や含Mg
O−SiO2 物質中のMgO,SiO2 の含有率に関
し、全く規定されておらず、実際の適用上問題がある。
【0016】また、特開平3−47927号公報でも高
ゲ−サイト質の鉄鉱石に含MgO−SiO2 副原料粉と
固体炭素粉とを−1mm部の混合割合を調整することで製
品品質を確保する方法が開示されている。しかしなが
ら、この方法は各原料粉の−1mm部の混合割合を工業的
な規模において管理することの困難が伴う。
【0017】またいずれの方法にせよ、製品の組織を緻
密化するために蛇紋岩を主体とするMgO源を添加する
ことはスラグ量の増加に繋がり、後工程としての高炉操
業上好ましくないことは明白である。
【0018】本発明の目的は、従来と比較し、投棄が困
難となった転炉スラグを塊成鉱製造プロセスに積極的に
利用することで、近年漸次増加する傾向にあるゲ−サイ
ト質鉱石を、多量に使用することを可能とする塊成鉱製
造における事前処理方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の問題点
を解決し、上記の目的を達成するためになされたもので
ある。
【0020】本発明は、塊成鉱製造時にフラックスとし
ての石灰石(または生石灰)の一部を転炉スラグで代替
するものであり、代替に使用する転炉スラグの粒度は−
1mmであり、さらに−0.125mmが30%以上存在す
る粒度構成となっている。
【0021】転炉スラグの配合量は、原料全体の塩基度
CaO/SiO2 が石灰石(または生石灰)使用時の塩
基度値を維持するように設定する。
【0022】設定配合量の転炉スラグをゲ−サイト質鉱
物含有鉱石に添加・混合・擬似粒化した後、他の原料に
配合するか、または、ゲ−サイト質鉱物含有鉱石を擬似
粒化し、その表面に転炉スラグを被覆した後、他の原料
に配合することを特徴とする塊成鉱製造における事前処
理方法である。
【0023】
【作用】前述の通り、ゲ−サイト質鉱石は石灰石(また
は生石灰)との同化過程において、過溶融部と粗大気孔
部とを主体とした組織となり、製品強度の低下を始め種
々の問題を引き起こす。
【0024】本発明は、鉱石との同化反応性の著しく悪
い転炉スラグをゲ−サイト質鉱石と混合することで、前
記の問題点を解決するものである。
【0025】まず、転炉スラグを−1mmに粉砕し−0.
125mmを30%以上とすることで、原料鉱石との混合
時には擬似粒子の付着粉となる。
【0026】転炉スラグを上記のように限定した理由
は、後述する実施例の第1図に示すように、転炉スラグ
の粒度が−0.125mmが30%以上にした場合、品質
特性が好成績を収めることによるもので、これは微粒の
転炉スラグがゲ−サイト鉱石の粒子を覆うように周囲に
付着・混合するため、石灰とゲ−サイト鉱石が直接反応
する量が少なくなるためであると考えられる。
【0027】また、原料鉱石を擬似粒子化した後、その
表面に添加・被覆することは一層望ましい。
【0028】さらに、転炉スラグの添加量は、使用時の
塩基度値を維持するように、原料全体の塩基度(CaO
/SiO2 )の範囲内において、石灰の代替として添加
混合するものであり、これにより後工程の高炉に適した
品質の塊成鉱が得られるものである。
【0029】既に記したように、転炉スラグの主要構成
物は高融点の2CaO・SiO2 及び2CaO・Fe2
3 であり、フリ−のCaO源が少ないため、通常フラ
ックスとして用いられる石灰石(または生石灰)に較べ
て同化反応性は著しく悪くなる。このため、ゲ−サイト
質鉄鉱石のように焼結過程で多孔質な形態となる鉱石で
あっても転炉スラグの使用によって、1300℃近辺ま
で昇温しないと同化反応が進まない。それゆえ製品の組
織全体は、通常フラックスとして用いられる石灰石(ま
たは生石灰)の場合に生ずるCaO・Fe2 3 系の低
融点融液の生成に伴う過溶融部と粗大気孔部の組織とな
ることなく緻密化する。
【0030】即ち、ゲ−サイト質鉄鉱石の表面に融液が
発生する1300℃以上の温度では、既にゲ−サイト質
鉄鉱石の緻密化が進んでいるので気泡生成を伴う同化作
用の心配はなく、その結果として製品の強度低下および
これに伴う歩留・生産性の低下を引き起こすことなく処
理出来る。
【0031】
【実施例】図2は転炉スラグを事前にゲ−サイト鉱石に
混合添加した本発明の実施態様の工程説明図であり、図
3は転炉スラグをゲ−サイト鉱石の表面に被覆した本発
明の別の実施態様の工程説明図である。
【0032】次の第1表に示す化学成分のゲ−サイト質
鉱石並びに転炉スラグを用い、図2及び図3に示す工程
図に従って、ゲ−サイト鉱石並びに転炉スラグを事前処
理し、擬似粒子化し、焼結鉱を製造し、図4に示す工程
図に従って、転炉スラグを用いず石灰石のみを使用した
従来法並びに同様に図4に示す工程図に従って、通常の
ヘマタイト鉄鉱石を使用した通常法によるものと製品の
比較評価を行った。
【0033】
【表1】
【0034】本発明法による事前処理法は従来法に比較
し、製品品質を確保したまま、生産性を向上することが
できた。
【0035】(実施例1)先ず、図2に示すように、約
10mm以下のゲ−サイト粉鉱石と、予め−1mmに粉砕
し、平均粒径が0.2mm以下になるようにした転炉スラ
グを鉱石槽から引出し、一次ドラムミキサ−にて水分を
添加混合し、この混合鉱石を切出ホッパ−に貯留し、次
いで、フラックス源として含CaO副原料粉(石灰石
等)並びに含SiO2 副原料として珪石・蛇紋岩などを
加え、塩基度を1.95になるように調整・配合し、さ
らに燃料源としてコ−クス粉を加え適量の水分を加えて
二次ドラム型ミキサ−にて混合・擬似粒子化し、焼結機
に装入して焼成し製品とする。第2表に使用原料の粒度
(mm)分布(%)を示す。
【0036】
【表2】
【0037】また、焼結機はドワイトロイド式(400
2 )を用い、配合条件は、第3表に原料配合率として
示す。
【0038】(実施例2)次に、図3に示すように、約
10mm以下のゲ−サイト粉鉱石を一次ドラムミキサ−に
て水分を添加混合し、この予め擬似粒子化した湿潤ゲ−
サイト粉鉱石の表面に、予め−1mmに粉砕し、平均粒径
が0.2mm以下になるようにした転炉スラグを被覆し、
次いで二次ドラムミキサ−にて水分を添加・混合し、こ
の混合鉱石を実施例1と同様に切出ホッパ−に貯留し、
次いで、フラックス源として含CaO副原料粉(石灰石
等)並びに含SiO2 副原料(珪石・蛇紋岩など)を塩
基度を1.95になるように調整・配合し、さらに燃料
源としてコ−クス粉を加え適量の水分を加えて三次ドラ
ムミキサ−にて混合・擬似粒子化し、焼結機に装入して
焼成し製品とする。
【0039】なお、配合条件は第3表に示す。また焼結
条件は、いずれの試験も実施例1と同一条件で行った。
【0040】以上の結果、製品品質管理上の主要な項目
であるタンブラ−強度TI(%)、還元粉化指数RDI
(%)、被還元性JIS−RI(%)及び生産率(T/
2 /H)を調べ、本発明の効果を確認した。その結果
を第4表に示す。
【0041】(実施例3)実施例1と同様に塊成鉱化す
る方法において、転炉スラグの粉砕粒度を −0.125mm粒度含有率:10%,20%,30%及
び40% に変えて擬似粒子化し、焼結機にて焼結鉱とし、製品の
品質特性としてタンブラ−強度TI(%)、還元粉化指
数RDI(%)、被還元性JIS−RI(%)及び生産
率(T/m2 /H)を比較した。その結果を第1図に示
す。
【0042】第1図に示すように、転炉スラグの粒度は
−0.125mmが30%以上となるようにした場合、品
質特性及び生産率が好成績を収めることが判明した。
【0043】(比較例)次に、図4に示す工程図に従っ
て、フラックス源として転炉スラグを用いないで含Ca
O副原料粉として石灰石・生石灰と含SiO2 副原料と
して珪石・蛇紋岩などを塩基度を1.95に第3表に示
す比較例のように調整配合して、約10mm以下のゲ−サ
イト粉鉱石に、燃料源としてコ−クス粉を用い、適量の
水分を加えてドラムミキサ−にて混合添加し、擬似粒子
化し、焼結機にて製品とする。
【0044】そして、製品焼結鉱の品質特性並びに生産
率を前記実施例と同様に調べ、実施例1及び2と比較し
た。その結果を第4表に示す。
【0045】(参考例)また、図4に示す工程図に従っ
て、粉鉱石として、通常のヘマタイト鉱石を使用し、フ
ラックスとして石灰石並びに生石灰を用い、ドラムミキ
サ−にて混合添加造粒し、擬似粒子化し、焼結機にて製
品とした場合を参考例として示す。
【0046】そして、製品焼結鉱の品質特性並びに生産
率を前記実施例と同様に調べ、実施例1及び2と比較し
た。その結果を第4表に示す。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】第4表に示す如く、比較例のゲ−サイト質
鉱石にフラックスとして石灰石を使用した時は歩留・生
産性ともに大幅に悪化している。これに対して、フラッ
クスとして石灰石の代替として転炉スラグを混合使用し
た場合は歩留・生産性・品質ともに大幅に改善され、通
常用いられている平均的な性状のヘマタイト鉱石での製
品品質および生産性・歩留と同等の結果を得た。
【0050】また、ゲ−サイト質鉱石をあらかじめ擬似
粒子化し、転炉スラグ粉がその表面を被覆した実施例2
の場合には、第4表に示す如く更に好い成績を得られ
た。
【0051】なお、本発明の実施例においては、焼結機
による塊成鉱(焼結鉱)製造に適用したが、他の塊成鉱
製造方法の事前処理法にも適用できることは勿論であ
る。
【0052】
【発明の効果】本発明の塊成鉱製造における事前処理方
法により、従来と比較し投棄が困難となった転炉スラグ
を塊成鉱製造プロセスに積極的に利用することで、近年
漸次増加する傾向にあるゲ−サイト質鉱石を、多量に使
用することが可能となり、産業上多大の貢献ができるよ
うになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における、転炉スラグの粒度と
塊成鉱品質並びに生産性との説明図である。
【図2】本発明の実施例1に用いられた工程説明図であ
る。
【図3】本発明の実施例2に用いられた工程説明図であ
る。
【図4】従来例として用いられた工程説明図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶水を含有するゲ−サイト質鉱石を塊
    成鉱製造原料として使用するに際し、フラックスとして
    転炉スラグを−1mmに粉砕し、−0.125mmが30%
    以上となるように粒度を調整し、該転炉スラグを前記ゲ
    −サイト質鉱石に添加・混合し擬似粒化することを特徴
    とする塊成鉱製造における事前処理方法。
  2. 【請求項2】 結晶水を含有するゲ−サイト質鉱石を塊
    成鉱製造原料として使用するに際し、前記ゲ−サイト質
    鉱石の粉鉱石を事前に擬似粒化し、該擬似粒子の表面
    に、−1mmに粉砕し、−0.125mmが30%以上とな
    るように粒度を調整した転炉スラグを被覆したことを特
    徴とする塊成鉱製造における事前処理方法。
  3. 【請求項3】 前記転炉スラグを原料全体の塩基度(C
    aO/SiO2 )の範囲内において、石灰の代替として
    添加混合することを特徴とする特許請求の範囲第1項又
    は第2項記載の塊成鉱製造における事前処理方法。
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