JPH0617152A - 高ゲーサイト鉱石を原料とする高炉用焼結鉱の製造法 - Google Patents

高ゲーサイト鉱石を原料とする高炉用焼結鉱の製造法

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JPH0617152A JP14648191A JP14648191A JPH0617152A JP H0617152 A JPH0617152 A JP H0617152A JP 14648191 A JP14648191 A JP 14648191A JP 14648191 A JP14648191 A JP 14648191A JP H0617152 A JPH0617152 A JP H0617152A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、高炉の焼結鉱の製造において、ゲ
ーサイトを多量に含有する鉄鉱石を原料として使用する
際に、焼結鉱の歩留、生産率、および品質を低下させな
い焼結操業方法を提供する。 【構成】 結合水とシリカの重量比が1.2以上の高ゲ
ーサイト鉱石にシリカ系及び石灰系副原料を添加して塩
基度を0.8から1.2の低値に調整することによって
当鉄鉱石の同化を抑制する。その結果、焼結ベッドの通
気性が向上して火焔進行速度および歩留の改善が可能と
なり、また鉱物組織では、粗大気孔と粒状ヘマタイトの
生成が抑制され品質の悪化が阻止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高ゲーサイト鉱石を原料
として高炉製銑法用の焼結鉱を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高炉製銑法の主要原料である焼結鉱は、
以下のようにして製造されるのが一般的である。まず、
約10mm以下の鉄鉱石粉に石灰石、ドロマイト、転炉
スラグなどの含CaO副原料(CaO系副原料と呼
ぶ)、蛇紋岩、珪石、かんらん岩などの含SiO 2副原
料(SiO 2系副原料とよぶ)、およびコークス粉、無
煙炭などの炭材、さらに適量の水分を加えて混合、造粒
する。
【0003】こうして擬似粒化した配合原料(擬似粒
子)を火格子移動式の焼結機パレット上に500mm前
後の高さに充填し、この充填ベッド表層部の炭材に点火
し、下方に向けて空気を吸引しながら炭材を燃焼させて
そのときに発生する燃焼熱によって配合原料を焼結し、
その焼結ケーキを破砕、整粒して3から5mm以上の粒
子を成品焼結鉱として高炉に装入する。なお、高炉装入
原料として不適な粉の焼結鉱は返鉱と呼ばれ、焼結鉱の
原料として戻される。
【0004】高炉を安定かつ高効率で操業するには高品
質の焼結鉱が要求され、冷間強度、被還元性、耐還元粉
化性などの品質が厳しく管理されている。また、焼結鉱
のコストの面から、歩留(成品焼結鉱/焼結ケーキ)の
高いことが要望されている。焼結鉱の原料である鉄鉱石
は、従来、磁鉄鉱(マグネタイト:Fe 34が主成
分)と赤鉄鉱(ヘマタイト:Fe 23が主成分)を主
体としたものであったが、世界の鉄鉱石の賦存状態か
ら、今後はゲーサイト(Fe 23・H 2O)を多く含
む鉄鉱石の使用比率が増大することは間違いないと考え
られる。
【0005】ゲーサイトは結晶粒子が極めて小さく、酸
化鉄粒子間の結合力が弱い。また、上記の化学構造式に
示されるように結合水を保有している。このため、特に
SiO 2<2%で結合水/鉄の重量比が0.02以上あ
るいはSiO 2≧2%で結合水/鉄の重量比が0.04
以上のゲーサイトを多く含有する鉄鉱石(これらを通
常、高ゲーサイト鉱石と呼ぶ)は、これを焼結原料とし
て多量に使用する場合、結合水を分解、蒸発させる必要
があるために所要熱量が増加するという問題だけでな
く、以下に説明するように焼結鉱品質、歩留および生産
性の低下を引き起こすことが知られている。
【0006】高ゲーサイト鉱石は焼結過程の最初の25
0から500℃前後の温度で結合水が分解・脱水し、亀
裂を発生して多孔質的なものに変わる。さらに、温度が
上昇して1200℃近傍になるとCaOとヘマタイトが
反応して流動性の高い融液が生成される。ここで、鉱石
が多孔質の場合には、その融液はただちに鉄鉱石中の気
孔および亀裂の中へと侵入する。その際、酸化鉄粒子同
士は急速に分断されて一部は融液に溶け込み(この現象
を同化と言う)、かつ融液の侵入が速いため、気孔およ
び亀裂内にあった気体が融液中に取り残される。
【0007】したがって、これらが冷却された後の焼結
鉱は多量の粒状(斑状とも言う)ヘマタイト粒子と非晶
質シリケートあるいはカルシウム・フェライトとが混在
した結合層、および多量の100から1000ミクロン
の粗大気孔から構成されるようになる。
【0008】多量の粒状ヘマタイト粒子と多量の粗大気
孔の存在によって耐還元粉化性が、粗大気孔の存在によ
って冷間強度、歩留が低下することになる。さらに、同
化が速いためにベッド内の融液生成帯の空隙が急速に閉
塞され、通気性が悪化して(空気の通過が阻害されて)
コークスなどの炭材の燃焼が遅れ、生産性が低下する。
以上のように、高ゲーサイト鉱石は焼結ベッド内で脱水
して多孔質化し、歩留、強度、還元性状を低下させる問
題を引き起こすため、使用量を増やせないのが現状であ
る。前述のような今後の資源の状況からみれば、高ゲー
サイト鉱石の多量焼結を可能とする技術の開発の意義は
大きい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】特開昭59ー1975
28号公報には、ゲーサイトを多量に含有したリモナイ
ト質鉱石の3mm以上の粗粒を破砕して粒度調整するこ
とにより融液生成の促進をはかり、脆弱な鉱石が残留す
るのを防止する方法が開示されているが、粗粒の破砕は
焼結原料の粒度低下に伴う生産性の低下につながるとい
う問題がある。
【0010】また、特開昭61ー113729号公報に
は、高Al 23褐鉄鉱に高FeO鉱石好ましくは高M
gO鉱石を加えて成分調整した予備混合造粒物を他の配
合原料と混合して使用することにより高Al 23成分
含有の二次ヘマタイトの形成を抑制して耐還元粉化性の
向上をはかる方法が開示されているが、予備混合造粒物
と他の配合原料との混合・造粒の際に予備混合造粒物が
崩壊して事前造粒効果が薄れるという問題がある。
【0011】さらに、発明者らは別に、高ゲーサイト鉱
石の焼結法として、粗粒の高ゲーサイト鉱石表面に同じ
高ゲーサイト鉱石粉、MgO−SiO 2系副原料粉およ
び炭材粉から成る保護層(特願平1ー194047号参
照)あるいはMgO−SiO2系副原料粉と炭材粉の保
護層(特願平2ー115730号参照)を形成して粗粒
高ゲーサイト鉱石粒子の同化を抑制し、かつ該鉱石粒子
を緻密化させる方法を発明している。しかし、本方法に
おいても他の原料と混合時に保護層が剥離・崩壊して効
果が小さくなる恐れがある。
【0012】このように、従来は高ゲーサイト鉱石から
高品質の焼結鉱を安定して高歩留で製造する事は技術的
に容易ではなかった。さらに、従来の技術では、強固な
予備造粒物を製造する特別の装置を必要とし、経済的に
も問題があった。今後の鉱石事情を考えると高ゲーサイ
ト鉱石の安価な多量焼結法の確立は極めて重要であり、
本発明はそれにかなった高ゲーサイト鉱石の焼結法を提
供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、結合水/Si
2の重量比が1.2以上の高ゲーサイト鉄鉱石に、S
iO 2系副原料を当該副原料由来のSiO 2によるSi
2/鉄鉱石の重量比が0.008以上となるように添
加し、かつ返鉱を除く配合原料中のCaO/SiO 2
重量比が0.8以上1.2以下となるようにCaO系副
原料を添加して炭材と混合、造粒し、火格子移動式焼結
機のベッド全体に充填あるいは他の配合原料と混合しな
いようにベッド内に局所的に偏析させて焼結することを
特徴とする高ゲーサイト鉱石を原料とする高炉用焼結鉱
の製造法である。
【0014】
【作用】以下に作用とともに、本発明に至った経過につ
いて詳しく説明する。高ゲーサイト鉄鉱石の定義につい
ては先に述べたが、さほど明確ではない。そこでまず、
前述の好ましくない挙動を示す高ゲーサイト鉱石とは具
体的にどんな特徴を有するものか、現在入手可能な世界
各国の鉄鉱石について同化実験を実施した。実験は、3
から5mmの鉱石粒子にCaO粉末をCaO/鉄鉱石の
重量比が0.1になるように被覆し、この擬似粒子を1
100℃から最高温度1300℃まで1minの速度で
加熱したあと、その温度から1100℃まで3minの
速度で冷却し、十分冷却後、その試料の中心を切断、研
磨して鉱物組織を観察して行った。なお、この擬似粒子
のCaO/鉄鉱石の比およびヒートパターンは一般の焼
結操業の場合に近似している。
【0015】その結果、まずゲーサイトを多量に含む鉱
石は結合水が多いばかりでなく脈石の大部分は粘土鉱物
で、1ミクロン以下の微細な粒子形状でゲーサイトと混
在することがわかった。次に、鉄鉱石の同化挙動に及ぼ
す影響は、図1に示すように結合水/SiO 2の重量比
で評価できる事が判明した。これは、粘土鉱物がSiO
2を主要鉱物とし、かつ結合水を含有することと関連す
るものと推察された。
【0016】図1の同化実験結果より、結合水/SiO
2の重量比が1.2以上では斑状ヘマタイトが主要酸化
鉄粒子となり、かつ100ミクロン以上の粗大気孔が急
激に増加することが明白である。また、同化率も同様に
結合水/SiO 2の重量比が1.2以上で、急速に大き
くなっている。よって本発明では高ゲーサイトの鉱石の
中でも特に結合水/SiO 2の重量比が1.2以上のも
のを対象とすることにした。
【0017】つぎに、融液の流動性を低減できれば、図
1で認められた急速な同化を阻止することができ、粗大
気孔の発生抑制と融液生成帯の通気性の向上が可能にな
ると考えた。融液の流動性を左右する因子は、特に塩基
度(CaO/SiO 2)であると着目し、豪州産の代表
的な高ゲーサイト鉱物(表1中に記載)単銘柄で、塩基
度を変えた焼結実験を行い、該高ゲーサイト鉱石を15
から20%配合した表1に示す今日のごく一般的な配合
原料の焼結結果と比較した。
【表1】
【0018】ここで、塩基度を低下させると融液の流動
性の低下の他に融液量の減少が起こって歩留の急激な低
下が発生したため、融液量確保のために蛇紋岩あるいは
珪石を添加して実験を行った。各原料は焼結工場で現在
使用中のものを用いた。ただし、鉄鉱石については5m
m以下の粒度に統一した。CaO系副原料は石灰石で、
石灰石および蛇紋岩の粒度は3mm以下であった。炭材
としてコークス粉を使用し、その平均粒度は1.2mm
であった。また、炭材の配合量は炭材/他の原料の重量
比(乾燥基準)で0.04一定とした。水分は6から7
%の範囲に調整した。なお表1中の豪州産およびブラジ
ル産の高ゲーサイト鉱石はそれぞれ後述の鉱石Aおよび
Dと同じものである。
【0019】50kg焼結鍋実験結果を図2および図3
に示す。SiO 2系副原料由来のSiO 2によるSiO
2/鉄鉱石の重量比(以後F(SiO 2)と呼ぶ)を
0.01とした図2の高ゲーサイト鉱石単銘柄焼結試験
結果から、歩留、生産率、落下強度指数(SI)はある
塩基度(CaO/SiO 2)で最大値を示し、JIS被
還元性(RI)は高塩基度ほど、また還元粉化指数(R
DI)は低塩基度ほど改善されることがわかる。これら
の焼結評価指数の値が基準原料での焼結試験の場合(同
図中の2重丸の値)以上に優れている塩基度条件を求め
ると、図2に示しているようにCaO/SiO 2が0.
8から1.2の範囲となった。
【0020】また、前述のようにこの塩基度ではSiO
2系副原料無添加の場合十分強度が得られなかったの
で、必要添加量について調べた。その結果が図3であ
る。なお、添加量の影響は蛇紋岩、珪石などの副原料の
種類によらずF(SiO 2)で整理できた。この図よ
り、基準原料のときと同じ焼結結果を得るにはF(Si
2)をすくなくとも0.008以上にする必要がある
ことが判明した。
【0021】また、上記の配合原料に返鉱を全原料中の
10,20,30%となるように加えた試験も行った。
勿論焼結ケーキと同一組成の返鉱であれば図2および図
3の関係は容易に得られる。また、通常原料時のSiO
2:5.6%、CaO/SiO 2:1.86の返鉱でも
実験したが、返鉱は殆ど再溶解することなく、返鉱を除
く配合原料について図2および図3のごとくF(SiO
2)およびCaO/SiO 2で整理するとそれぞれ図2
および図3と同じ関係が得られることを確認した。
【0022】上記配合原料はドワイト・ロイド式焼結機
等の火格子移動式焼結機に通常と同様の方法で装入され
て焼結される。さらに本発明者等は全量を上記配合原料
とせず他の配合原料も使用する方法を開発した。次に上
記の配合原料(以後、高ゲーサイト鉱石配合原料と呼
ぶ)を焼結パレット上に他の焼結用原料とできるだけ混
合させずに局所的に偏在させて焼結することについて説
明する。
【0023】現実には、鉄鉱石の全量を結合水/SiO
2≧1.2の高ゲーサイト鉱石とすることは資源的制
約、価格の安定などから難しい。そこで更に研究を続
け、図4のように焼結ベッドの一部に高ゲーサイト鉱石
配合原料を偏在させた焼結操業法を発明した。ここで、
高ゲーサイト鉱石配合原料のCaO/SiO 2は通常の
焼結鉱のCaO/SiO 2である1.6から2.2より
低いので、高ゲーサイト鉱石配合原料以外の配合原料の
CaO/SiO 2は通常焼結鉱の値よりも大きくなり、
当該高ゲーサイト鉱石配合原料以外の原料部の歩留、生
産性、品質も向上するという2次的効果も享受できる。
【0024】図4に示す偏析状態の造り込み手段につい
ては既に本発明者らが特開平1ー316427号公報で
説明している。勿論、最近のスリットバー式、整粒分散
式などの大きな偏析度が可能な装入装置を使用し、かつ
高ゲーサイト鉱石配合原料の擬似粒子を大きく調製する
ことによっても図4(a−2)の偏析状態の造り込みは
可能である。なお図4において1が高ゲーサイト鉱石配
合原料の部分、2が高ゲーサイト鉱石配合原料以外の配
合原料の部分を示す。これらの操業結果は、後述の実施
例に示すように、いずれの偏析状態でも、すなわち高ゲ
ーサイト鉱石配合原料を局所的に偏在させてやれば、高
ゲーサイト鉱石配合原料だけで操業したときと同等以上
の成績が得られることを確認した。
【0025】具体的には、まず現在使用されている原料
の中から、結合水/SiO 2≧1.2の高ゲーサイト鉱
石、返鉱(無くてもよい)、CaO系副原料、SiO 2
系副原料、及び炭材を切り出すが、SiO 2系副原料は
返鉱を除く配合原料についてF(SiO 2)が0.00
8以上になるように、またCaO系副原料は返鉱を除く
配合原料についてCaO/SiO 2の重量比が0.8以
上1.2以下になるように調製する。水の添加、造粒は
通常の方法でよい。
【0026】この擬似粒子を特開平1ー316427号
公報に示す各種の方法、あるいはスリットバー式、整粒
分散式などの装入装置によって焼結機に装入して図4の
偏析状態を形成する。その後の焼成などは通常と同じ方
法でよい。組成の異なる2種の焼結鉱粒子が混合されて
高炉に送られることになるが、既存の焼結機が使用で
き、かつ設備増強は少なくて大きな効果が得られる利点
がある。
【0027】
【実施例】以下に実施例を示して本発明の効果を説明す
る。 実施例1 表3は表4の組成の原料で高ゲーサイト鉱石単銘柄、
(操業1,操業2)3種混合(操業3)及び返鉱配合
(操業4)の場合の焼結結果の例である。また、表2に
は、表1の基準原料でコークスのみを3.4%とし、原
料の配合比率は変えずに実機で焼結したときの結果を示
す。この結果が効果を評価するときの基準となる。表3
の結果を表2と比較すると、高ゲーサイト鉱石だけでも
通常の歩留、生産性、品質(図3参照)と同一あるいは
それ以上の良好な結果が得られたことは明瞭である。な
お、数銘柄の高ゲーサイト鉱石を混合してもよいことは
言うまでもない。
【表2】
【表3】
【表4】
【0028】また、CaO系副原料として生石灰、ドロ
マイト粉あるいは転炉スラグなども使用したが、石灰石
の場合と同じ効果が認められた。一方、SiO 2系副原
料ではNi電気炉スラグでも効果は変わらないことを確
認している。
【0029】実施例2 表5は、図4(a−2)の装入方法を2段装入装置よっ
て実現させた場合の結果である(操業5)。同表には偏
析させない従来法による通常操業の場合の結果を併記し
た(操業6)。なお表6は表5の通常の鉄鉱石原料の配
合をしめす。本発明法の効果の大きいことは明瞭であ
る。なお、上層と下層を入れ替えて、図4(a−1)の
装入方法も試験した。品質は変わらず、歩留が0.4%
低下したが、通常操業よりはるかに優れていた。
【表5】
【表6】
【0030】実施例3 図4(b−1)および図4(b−2)の装入方法を焼結
機装入ホッパー内に仕切板を入れて実現した。結果の一
例を表7に示す。原料は表2に結果を示した基準原料表
1と同一である。この基準原料から豪州産の高ゲーサイ
ト鉱石である鉄鉱石Aと蛇紋岩、石灰石、コークスを取
り出して偏析させたのが操業7であり、鉄鉱石Aだけで
なくブラジル産の高ゲーサイト鉱石である鉄鉱石Dも取
りだしたのが操業8である。焼結操業結果は表2の基準
に比較して向上している。
【表7】
【0031】実施例4 高ゲーサイト鉱石配合原料を造粒後、搬送ベルト上で他
の配合原料の擬似粒子層の上に乗せて、図4(c)の偏
析状態を実現させた。原料は実施例2の表5操業5と同
じである。結果を表8に示す。歩留、生産性、品質の改
善効果は実施例2に比較すれば劣るが、表2よりも優れ
ており、効果は明瞭に現れている。
【表8】
【0032】実施例5 平均粒度3.1mmの粗くした豪州産の高ゲーサイト鉱
石である鉄鉱石Aを使用し、整粒分散式装入装置で図4
(a−2)のように偏析させた場合の結果を表9に示
す。原料配合は前掲の表2の結果を得た基準原料(表
1)である。とくに歩留、生産性、およびRDI改善効
果が大きい。
【表9】
【0033】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、これまで
焼結鉱の歩留、生産性、品質が低下するために問題とさ
れてきた高ゲーサイト鉱石を多量に使用して、従来と同
様あるいはそれ以上の成績を得ることが可能になる。ま
た、鉄鉱石中に占める高ゲーサイト鉱石の割合が山元で
の事情、配船状況などによって変わっても十分対応で
き、その割合は数%から100%までの広い範囲で高品
質の焼結鉱が製造できる。また今後は、従来の良質なヘ
マタイト鉱石は枯渇し、高ゲーサイト鉱石に移行してい
くことは自明であり、本発明法はその資源の劣質化に低
コストで対応が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】鉄鉱石の同化実験結果で、鉄鉱石中の結合水/
SiO 2の重量比と同化率、同化部固体中の斑状ヘマタ
イト粒子の割合および同化部中の+100ミクロンの気
孔の割合の関係図
【図2】鉄鉱石単銘柄の焼結鍋実験結果で、返鉱を除く
配合原料のCaO/SiO 2の重量比と焼結鉱の歩留、
生産率、品質の関係図
【図3】鉄鉱石単銘柄の焼結鍋実験結果で、SiO 2
副原料由来のSiO 2によるSiO 2/鉄鉱石の重量比
(F(SiO 2))と焼結鉱の歩留、生産率、品質の関
係図
【図4】焼結ベッド断面における高ゲーサイト鉱石配合
原料の偏析状態模式図

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結合水/SiO 2の重量比が1.2以上
    の高ゲーサイト鉄鉱石に、SiO 2系副原料を当該副原
    料由来のSiO 2によるSiO 2/鉄鉱石の重量比が
    0.008以上となるように添加し、かつ返鉱を除く配
    合原料中のCaO/SiO 2の重量比が0.8以上1.
    2以下となるようにCaO系副原料を添加して炭材と混
    合、造粒し、火格子移動式焼結機に装入して焼結するこ
    とを特徴とする高ゲーサイト鉱石を原料とする高炉用焼
    結鉱の製造法。
  2. 【請求項2】 火格子移動式焼結機に装入するさい、請
    求項1記載の配合原料を他の配合原料と混合しないよう
    に、該焼結機のベッド内に局所的に偏析させることを特
    徴とする高ゲーサイト鉱石を原料とする高炉用焼結鉱の
    製造法。
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