JPH08159965A

JPH08159965A - 水分計

Info

Publication number: JPH08159965A
Application number: JP32934894A
Authority: JP
Inventors: Isao Hishikari; 功菱刈; Katsuyuki Miyauchi; 克之宮内; Takao Shimizu; 孝雄清水
Original assignee: Chino Corp
Current assignee: Chino Corp
Priority date: 1994-12-02
Filing date: 1994-12-02
Publication date: 1996-06-21

Abstract

(57)【要約】【目的】測定対象等の材質等の変化によらず正しい水分
測定を行う。【構成】光源１の光は投光用レンズ２で被測定対象３に
投射され、透過光または反射光は集光レンズ４により回
転セクタ５に設けられた水分等の影響のない比較波長λ
１、λ３、測定波長λ２をもつフィルタ５１、５２を介
し検出素子６に入射され、この出力信号は増幅器７で増
幅され、信号分離・整流器８で各波長に対応した信号Ｒ
１、Ｓ、Ｒ２に同期信号発生器９で分離、取り出され、
演算手段１０で、種別判別して選択された検量線により
水分率を演算する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、赤外線を利用して被
測定対象の水分率を測定する水分計に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、赤外線を利用して水分率を測定す
るには、水分の吸収波長帯における被測定対象からの反
射光ないし透過光の測定信号と、水分の非吸収帯におけ
る反射光ないし透過光の１または２の比較信号との比率
信号から被測定対象の水分率を求める２色または３色赤
外線水分計が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、紙等の
被測定対象物の品種が異なると出力特性が変化してしま
う問題点がある。この原因の１つとして、材質等が変化
するため、分光特性が変化し、出力特性が変化するため
であると考えられ、この影響を取り除くため、出願人
は、特公昭６１−６１６２３号公報で補正方式を提案し
ているが、十分ではない面があった。

【０００４】この発明の目的は、以上の点に鑑み、被測
定対象の材質等の変化があっても、高精度の測定が可能
な水分計を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、水分の吸収
波長帯に測定波長帯を設けこの波長帯における被測定対
象からの透過光ないし反射光を第１の信号とし、前記水
分の吸収波長帯以外に少なくとも２つの波長帯を設けこ
の波長帯における被測定対象からの透過光ない反射光を
第２の信号、第３の信号とし、第１の信号と少なくとも
１つの第２の信号との比率信号から水分率を求める水分
計において、被測定対象の複数の種別について各々２つ
の基準水分率を測定したときの前記比率信号出力が２つ
の基準水分率について一致するよう検量線を作成し、少
なくとも１つの第３の信号に基いて被測定対象の種別を
判別して前記検量線を選択し水分率を演算するようにし
た水分計である。

【０００６】

【実施例】図１は、この発明を透過式の赤外線水分計に
適用した一実施例を示す構成説明図である。１は投光用
の光源で、この光源１の光は投光用レンズ２より被測定
対象３に投光され、その透過光または反射光は集光レン
ズ４により回転セクタ５に設けられたそれぞれ透過波長
λ１、λ２、λ３をもつフィルタ５１、５２、５３を介
しＰｂＳ、ＰｂＳｅ、Ｇｅ、サーミスタボロメータ、Ｓ
ｉ、ＩｎＧａＡｓ等よりなる検出素子６に入射される。
この検出素子６の検出信号は増幅器７により増幅され、
信号分離・整流器８において、回転セクタ５のフィルタ
５１、５２、５３の上記波長λ１、λ２、λ３に対する
信号Ｒ１、Ｓ、Ｒ２を回転セクタ５に設けられた同期信
号発生器９の同期信号により分離し、整流して取り出
す。この信号Ｒ１、Ｓ、Ｒ２は、マイクロコンピュータ
のような演算手段１０により、第１の信号Ｓと少なくと
も１つの第２の信号Ｒ１、Ｒ２との比率信号等から水分
率を求め、出力端子１１より水分信号を取り出すことが
できる。

【０００７】また、図２は反射式の赤外線水分計の一実
施例を示し光源１の光が集光レンズ２により回転セクタ
５のフィルタ５１、５２、５３を透過してミラーＭ１に
より波長λ１、λ２、λ３の光が被測定対象３に投光さ
れ、反射光が凹面鏡Ｍ２により検出素子６に入射され
る。この検出素子６の出力信号は増幅器７により増幅さ
れ、信号分離・整流器８より信号Ｒ１、Ｓ、Ｒ２が取り
出され、演算手段１０により演算を行い、出力端子１１
より水分信号を取り出すことができる。

【０００８】つまり、図３で示すように、図１、図２の
演算手段１０よりも前の構成部分を検出部Ａとし、被測
定対象３の種々の品種のサンプルについてあらかじめ測
定し、検量線を求めておく。たとえばある第１の種別に
ついて、Ｘ１（＝０％）とＸ２（＝１０％）ような２つ
の基準水分率の基準体３１、３２を測定したときの上記
比率信号出力ｙから図４（ａ）で示す検量線ａを作成す
る。次いで、他の第２、第３の複数の種別のサンプルに
ついて各々２つの基準水分率を測定したときの上記出力
から図４（ａ）を示す検量線ｂ、ｃを作成する。そし
て、これら３本の検量線ａ、ｂ、ｃの出力ｙが、２つの
基準点ｘ１、ｘ２の各々について一致させるように規格
化し、ほぼ一本の図４（ｂ）で示す検量線ｄを求める。

【０００９】このことにより、この一本の検量線ｄに基
き、上記種別の水分測定が可能となる。また、その他の
種別についても測定を実施し、検量線をほぼ一本で測定
可能とすることができる。これらの種別の数は多いほど
よく、基準点ｘ１、ｘ２（ゼロ点、スパン点）は、絶乾
１態とした０％Ｈ₂Ｏ、および所定の１０％Ｈ₂Ｏの他
に任意の２点でもよい。また、２点でなく、それ以上の
点について一致するよう補正してもよい。

【００１０】たとえば、３本の検量線ａ、ｂ、ｃが次式
で表わせたとする。

【００１１】ｙ＝ａ１ｘ＋ｂ１（１）ｙ＝ａ２ｘ＋ｂ２（２）ｙ＝ａ３ｘ＋ｂ３（３）（２）式に（１）、（３）を一致させるには、ｂ２−ｂ
１、又はｂ２−ｂ３を加算し、次いで係数ａ２／ａ１、
ａ２／ａ３を乗算する等の演算処理を行うとよい。この
ように、ゼロ点、スパン点補正を行った信号を用いるこ
とで検量線を一本化しおけば、さまざまな種別のものに
ついて、一本の検量線で十分精度よく測ところで、この
検量線ｄは近似的なもので図４（ａ）の検量線ｂに対応
するが、図４（ａ）の検量線ａ、ｃは、図４（ｂ）の検
量線ｅ、ｆに対応し、検量線ｄとは誤差をもつ。これら
検量線ｄ、ｅ、ｆの判別は次のようにする。

【００１２】つまり、図５で示すように、たとえば水分
の吸収波長帯の第１の波長λ２における被測定対象から
の透過光ないし反射光の第１の信号Ｓと、水分の吸収波
長帯の両側の水分および材質等の影響を受けない第２の
波長λ１および材質等の影響を受ける第３の波長λ３の
比較波長帯における被測定対象からの透過光ないし反射
光の第２、第３の信号Ｒ１、Ｒ２を求める。たとえば第
１の信号Ｓと第２の信号Ｒ１との比率等から水分に関す
る出力信号を求め、第３の信号Ｒ２から透過率または反
射率を求める。

【００１３】つまり、図６で示すように、ある波長につ
いてみれば、透過率または反射率は、種別により異なる
ので、反射率等の大きさにより種別を判別する。たとえ
ば、粒度が大きければ散乱されやすく反射率は低くな
り、粒度が細かく小さければ、散乱が少ないので反射率
は大きくなり、反射率から粒度が推定できる。

【００１４】そして、図４で示すあらかじめ求めた種別
に対応した検量線ｄ、ｅ、ｆ、…のうちの１本を選択し
て用いることにより、出力信号から水分率が求まる。こ
の演算は、演算手段１０で実行され、出力信号、反射率
信号等も出力して利用できる。また、検量線をテーブル
化しておき、品種に対応して、出力信号から水分率を求
めるようにしてもよい。詳細は特願平６−２４４７３８
号に示されている通りである。

【００１５】ここで、水分測定は、信号ＳとＲの比率の
２色方式の他に、上記２つの信号Ｒ１、Ｒ２の両方を用
いるいわゆる３色方式の水分演算でもよい。また、第３
の信号Ｒ３として所定の性状等に関連する任意の波長帯
λｉにおける被測定対象からの少なくとも１個以上の１
つまたは複数の信号Ｒｉの反射率または透過率を用いて
種別を判別するようにしてもよい。この信号Ｒｉの波長
は赤外域に限定されるものではなく、可視域でも色判別
して種別を判定してもよく、また、バンドパスフイルタ
のような広い波長域についてのものでもよい。つまり、
第３の信号として、１つの信号、または２つの信号の比
率、または１以上の信号の所定の関数、関係等を用いて
もよい。なお、これらの演算は、演算手段１０で実施さ
れる。

【００１６】また、図６において、横軸を第１の信号Ｓ
と第２の信号Ｒ１との比率等から求めた水分に関する出
力信号の関数ｆとし、縦軸を少くとも１つの信号Ｒｉあ
るいはその比率等の関数ｇとし、この関数ｆ，ｇの同様
のグラフの交点から種別を判別し、これに対応した検量
線から水分率を求めるようにしてもよい。詳細は、特願
平６−２２２５０９号に示されている通りである。

【００１７】

【発明の効果】以上述べたように、この発明は、被測定
対象の複数の種々について各々２個の基準水分率を測定
したときの比率信号出力が２つの基準水分率について一
致する検量線を求め、品種を判別して検量線を選択し被
測定対象の水分率を測定するようにした水分計である。

【００１８】従って、紙等の被測定対象の坪量等の材質
が変化したとしても、上記補正を行うことで品種が変わ
っても、あらかじめ求めた最適な検量線により高精度の
正しい水分測定信号が常に得られ、紙等の品種の変化に
自動的に対応でき、大幅な工数低減が図れる。またこれ
を利用して、多品種少量生産工程において、完全に近い
自動化が図れ、常に高品質の製品が生産でき、実用的効
果はきわめて大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示す構成説明図である。

【図２】この発明の一実施例を示す構成説明図である。

【図３】この発明の一実施例を示す構成説明図である。

【図４】この発明の一実施例を示す動作説明図である。

【図５】この発明の一実施例を示す動作説明図である。

【図６】この発明の一実施例を示す動作説明図である。

【符号の説明】

１光源３被測定対象５回転セクタ５１、５２、５３フィルタ６検出素子７増幅器８信号・分離整流器９同期信号発生器１０演算手段

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】水分の吸収波長帯に測定波長帯を設けこの
波長帯における被測定対象からの透過光ないし反射光を
第１の信号とし、前記水分の吸収波長帯以外に少なくと
も２つの波長帯を設けこの波長帯における被測定対象か
らの透過光ない反射光を第２の信号、第３の信号とし、
第１の信号と少なくとも１つの第２の信号との比率信号
から水分率を求める水分計において、被測定対象の複数
の種別について各々２つの基準水分率を測定したときの
前記比率信号出力が２つの基準水分率について一致する
よう検量線を作成し、少なくとも１つの第３の信号に基
いて被測定対象の種別を判別して前記検量線を選択し水
分率を演算することを特徴とする水分計。
【請求項２】前記第３の信号として、１つの信号、また
は２つの信号の比率、または１以上の信号の所定の関数
を用いたことを特徴とする請求項１記載の水分計。