JPH08155716A - 穴あけ工具 - Google Patents

穴あけ工具

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JPH08155716A
JPH08155716A JP6297481A JP29748194A JPH08155716A JP H08155716 A JPH08155716 A JP H08155716A JP 6297481 A JP6297481 A JP 6297481A JP 29748194 A JP29748194 A JP 29748194A JP H08155716 A JPH08155716 A JP H08155716A
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cartridge
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deburring
groove
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Isao Kadota
功 門田
Tsugio Kitamura
次男 北村
Kazumasa Miura
一政 三浦
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Yoshikawa Kogyo Co Ltd
Tungaloy Corp
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Yoshikawa Kogyo Co Ltd
Toshiba Tungaloy Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 切削液流路を確保でき、切削油とともに切屑
を円滑に排出できる穴あけ工具を提供するとともに捩れ
溝タイプの穴あけ工具にも取り付け可能なカートリッジ
を提供することにある。 【構成】 先端部2に切削刃3を設けた工具本体1の先
端部2の周面に軸方向に沿って凹溝6を設けると共に、
前記工具本体1に基端部が固定され先端部が前記凹溝6
の内部において工具本体1の径方向に弾性変形可能な直
線状あるいはU字状のカートリッジ10を設ける。そし
て、このカートリッジ10の先端部にカートリッジ10
の弾性変形によって工具本体1の周面から突没可能なバ
リ取りチップ9を設け、かつ前記カートリッジ10に前
記凹溝6内の切屑を切削油とともに外部に排出する排出
溝15を設けたことにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば穴あけ用の切
削刃を持ったドリル等の工具によって鋼板、銅板、アル
ミ板等に穴を開けるとき、その表裏に発生するバリを穴
あけと同時に除去できる穴あけ工具に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板等の穴あけ作業に用いるドリル等の
工具は、工具本体の先端部に穴あけ用の切削刃が設けら
れ、工具本体を回転させ、鋼板等に貫通する穴あけを行
っているが、この穴あけの際に鋼板の表裏にバリが発生
する。このバリは、ボルトやリベット等による鋼板の締
め付け時に適正な締め付けや摩擦力を得ることができ
ず、品質の面で問題となる。
【0003】そこで、鋼板の表裏に発生したバリを除去
するために、従来ではグラインダーを用いたり、その他
の研削工具を用いてバリを除去する後加工を行っている
が、そのバリ取り作業には多くの労力と時間を費やし、
また、研削によるバリ取り作業の場合には鋼板等の反転
作業を伴うことによる作業負担や、粉塵発生、騒音発生
等の問題となっている。
【0004】このような問題を解決するために、被加工
物に穴あけを行うと同時に、その表裏面のバリを取り除
くものとして、例えば実公平1−37853号公報が知
られている。これは、穴あけ工具の軸に直交して形成し
たバリ取り工具取付け孔に、ばねにより押されてバリ取
りチップを収納したバリ取り工具本体を取り付けたもの
で、穴あけ工具の外径より外方に突出しているバリ取り
チップが、穿設穴の開口端のバリを転圧すると共に、バ
リ取り工具が穿設穴の中に進入すると、ばねに抗してバ
リ取りチップが没入するので、穴あけ工具による穿孔作
業に引き続きバリを取り除くものである。
【0005】また、実公平1−37853号公報に記載
の技術に加えて穿孔面の面取りも行うものとして、実公
平1−37854号公報の記載のものがある。これは穴
あけ工具の軸に設けられた横穴より、該穴あけ工具の軸
側方にばねにより押されて突き出したバリ取りチップの
先端が球形をなし、その断面の弓形の弧に続き、穴の面
取りの幅以上かつ、その面取り面の面角度とした切削刃
を有するもので、穴あけ工具による穴あけ作業に引き続
きバリ取りおよび面取りを可能としたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記実
公平1−37853号公報および実公平1−37854
号公報に記載の技術では、穿設穴の表裏面バリの除去作
業自体は可能であるが、バリ取り工具本体は穴あけ工具
の軸に設けた取付け孔に取り付けられたものであって、
バリ取り工具が加工穴の中に進入することから、焼き嵌
め等の手段により穴あけ工具に固着したものとしなけれ
ばならない。このため、工具の製造工程は複雑になるほ
かバリ取りチップはばねを介してバリ取り工具本体の後
端に嵌められた栓で閉塞されているため、このバリ取り
チップが摩耗した際の交換は容易ではない。さらに、バ
リ取りチップは、穴あけ工具より外方に突出しているの
で、その取付け位置は穴あけ工具の軸の穴あけ刃の先端
部から離間した中間部となり、穴あけ工具を穿孔作業後
に一定距離進出させる必要があり、作業効率にも影響を
及ぼす。
【0007】そこで、鋼板等に穴あけする際に、簡単な
構造で鋼板等の表裏面に発生するバリの除去が良好に行
え、しかも通常における穴あけにほとんど変わらぬ穿孔
距離での除去および面取りを可能にした、鋼板等の穴あ
け工具を、特願平5−312292号として出願した。
【0008】前記先願のものは、先端部に切削刃を設け
た工具本体の先端部の周面に軸方向に沿って凹溝が設け
られ、この凹溝が工具本体の切削油路に連通している。
この工具本体に基端部が固定され先端部が前記凹溝の内
部において工具本体の径方向に弾性変形可能なカートリ
ッジが設けられ、このカートリッジの先端部にカートリ
ッジの弾性変形によって工具本体の周面から突没可能な
バリ取りチップが設けられている。
【0009】前記穴あけ工具によれば、切削刃による穿
孔初期に発生する表面バリは工具本体の周面より突出し
ているバリ取りチップによって除去でき、穿孔が進んで
いくと、バリ取りチップはカートリッジとともに穴の内
壁によって工具本体の軸心方向に押されて凹溝の中に収
まった状態で穿孔が進められる。
【0010】しかし、バリ取りチップがカートリッジと
ともに工具本体の軸心方向に押されて凹溝の中に収まっ
たとき、カートリッジの撓みによりカートリッジの背面
が凹溝の底面に近接もしくは接触し、切削油流路が塞が
れ、切削油および切屑の排出が妨げられ、切屑が工具本
体に巻き込まれるという問題が発生する。
【0011】さらに、バリ取りチップの刃先部で穿設さ
れた穴の内面に傷を付けたり、バリ取り後の面取り時に
二次バリが発生するという問題がある。また、バリ取り
チップを取付けたカートリッジの全長が長く、捩れ溝タ
イプの穴あけ工具においてはスペース上の問題で取付け
ることが困難であった。
【0012】この発明は、前記事情に着目してなされた
もので、その目的とするところは、孔あけの進行に伴っ
て被加工物の表裏面に発生するバリを除去することがで
き、またバリ取りチップがカートリッジとともに工具本
体の軸心方向に押されて凹溝の中に収まったときでも、
切削油路を確保でき、切削油とともに切屑を円滑に排出
できる孔あけ工具を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、前述した目
的を達成するために、先端部に切削刃を設けた工具本体
と、この工具本体の先端部の周面に軸方向に沿って設け
られた凹溝と、前記工具本体に基端部が固定され先端部
が前記凹溝の内部において工具本体の径方向に弾性変形
可能なカートリッジと、このカートリッジの先端部に設
けられカートリッジの弾性変形によって工具本体の周面
から突没可能なバリ取りチップと、前記カートリッジに
設けられ前記凹溝内の切屑を切削油とともに外部に排出
する排出溝とを具備したことを特徴とする。
【0014】前記バリ取りチップは、好ましくは、その
逃げ面を逃げ角が負の第1逃げ面と、逃げ角が正の第2
逃げ面とにより形成されていることを特徴とする。さら
に好ましくは、前記バリ取りチップの第1逃げ面と第2
逃げ面とを凸円弧状に連続してつないだことを特徴とす
る。さらに、好ましくは、前記バリ取りチップのコーナ
部のすくい面と第1逃げ面とを凸円弧状に連続してつな
いだことを特徴とする。
【0015】前記排出溝は、好ましくは、バリ取りチッ
プの端縁に沿って刻設されていることを特徴とする。前
記工具本体の他の例として、先端部に切削刃を設けた捩
れ溝付きの工具本体と、この工具本体の先端部の周面に
軸方向に沿い、かつ捩れ溝と離間して設けられた凹溝
と、この凹溝にそのテーパー部が掛るように穿設した楔
ねじ用のねじ穴を設けたことを特徴とする。
【0016】前記カートリッジは、1枚の鋼板によって
形成され、その基端部に略U字状の屈曲部が設けられ、
先端部にバリ取りチップ取付け用のボルト穴が穿設され
たチップ取付け部が形成されていることを特徴とする。
【0017】
【作用】弾性変形可能なカートリッジの先端部が自由端
になっており、その先端部にバリ取りチップが取り付け
られているので、カートリッジに負荷が加わらないとき
にはバリ取りチップが工具本体の周面より突出している
ので、切削刃による穿孔初期に発生する表面バリはバリ
取りチップによって除去できる。
【0018】被加工物に穿孔が進んでいくと、バリ取り
チップはカートリッジとともに孔の内壁によって工具本
体の軸心方向に押されて凹溝の中に収まった状態で穿孔
が進められるが、カートリッジには排出溝が設けられて
いるので、前記凹溝内の切屑は切削油とともに外部に排
出される。切削刃が穴を貫通させたとき、バリ取りチッ
プが穴から出る段階になると、カートリッジの復元力に
よって工具本体の周面より外側に突出し、裏面側のバリ
を同様にして除去することができる。
【0019】穴あけ終了後に、工具本体を上昇させる
と、バリの根元部を除去しながら再びバリ取りチップが
穴の中に入り込んで上昇していき、穴から抜けると、カ
ートリッジの復元力によってバリ取りチップは復帰し、
被加工物の裏面側から表面側にかけてバリ取りチップが
倣いながら移動してバリの発生面を再度切削することが
でき、精製面取りが可能となる。
【0020】
【実施例】以下、この発明の各実施例を図面に基づいて
説明する。図1〜図5は第1の実施例を示す。図1およ
び図2は穴あけ工具を示し、図1(a)は穴あけ工具の
先端部の一部を切欠した側面図、図1(b)は穴あけ工
具の先端部の端面図である。図2(a)は穴あけ工具の
先端部の縦断側面図、図2(b)は(a)のA部を拡大
した縦断側面図、図2(c)は(b)のB−B線に沿う
断面図である。
【0021】図中1は穴あけ工具の工具本体を示し、基
端部には切削機械の回転主軸に装着されるシャンク(図
示しない)が設けられ、先端部2には穴あけ用の2枚の
切削刃3が設けられている。また、工具本体1の軸心部
には軸方向に切削油路4が穿設されており、この切削油
路4は工具本体1の先端部2付近で2本の分岐油路5に
分岐され、これら分岐油路5は先端部2の切削刃3と切
削刃3との間に貫通している。
【0022】前記切削刃3の刃先部と干渉しない位置の
工具本体1の外周面、つまり一方の分岐油路5に位置す
る部分にはその先端面から工具本体1の軸心と平行に1
本の凹溝6が設けられている。したがって、凹溝6の後
端は分岐油路5に連通している。凹溝6の後端の延長線
上には凹溝6より浅い取付け凹部7が設けられており、
この取付け凹部7の底部にはねじ穴8が設けられてい
る。
【0023】そして、前記凹溝6の内部には先端部にバ
リ取りチップ9を固定したカートリッジ10が設けられ
ている。このカートリッジ10は弾性変形可能な鋼材等
によって凹溝6の幅より僅かに狭幅の帯状体からなり、
その基端部には肉厚の取付け部11が一体に設けられて
いる。この取付け部11には前記ねじ穴8に対応して取
付け孔が設けられており、この取付け孔に取付けねじ1
2を挿通し、ねじ穴8に締め付けることによりカートリ
ッジ10は工具本体1に固定されている。
【0024】カートリッジ10の中間部は肉薄に形成さ
れ、カートリッジ10の先端部が工具本体1の径方向に
弾性変形するようになっている。カートリッジ10の先
端部には広幅に形成されたチップ取付け台13が一体に
設けられており、このチップ取付け台13に前記バリ取
りチップ9が取付けボルト14によって着脱可能に固定
されている。
【0025】カートリッジ10は、これに負荷が加わっ
ていないときには、図2(a)に示すように平坦状で、
凹溝6の底面開口を閉塞する状態にあり、バリ取りチッ
プ9は工具本体1の外周面から外側へ突出した状態にあ
るが、工具本体1の軸心方向に負荷が加わったときに
は、図2(b)に示すように弾性変形によって湾曲し、
バリ取りチップ9とともに凹溝6の内部に没入するよう
になっている。
【0026】さらに、カートリッジ10の先端部におけ
る端面には、図2(c)に示すようにバリ取りチップ9
の端縁に沿って排出溝15が設けられており、この排出
溝15は一端が凹溝6内に、他端が工具本体1の外部と
連通している。つまり、凹溝6の底面開口がカートリッ
ジ10によって閉塞された状態であっても、切削油路4
は分岐油路5、凹溝6および排出溝15を介して工具本
体1の外部に連通し、切屑と切削油の排出経路を確保し
ている。
【0027】次に、バリ取りチップ9について説明する
と、図3および図4に示すように構成されている。図3
(a)はバリ取りチップ9の側面図で、図3(b)はバ
リ取りチップ9の正面図である。図4(a)はC部を拡
大して示す側面図で、図4(b)はD部を拡大して示す
側面図である。
【0028】図3に示すように、バリ取りチップ9のチ
ップ本体16は、正面視で、略正三角形状をなしてお
り、中央部には取付けボルト14が挿通されるボルト穴
17が設けられている。さらに、チップ本体16の3つ
のコーナ部には刃先部18a〜18cが設けられてい
る。これら刃先部18a〜18cは同一形状であるた
め、その1つについて説明すると、図4に示すように、
刃先部18aの逃げ面は、逃げ角が負の第1逃げ面19
と、逃げ角が正の第2逃げ面20とにより形成され、こ
の第1逃げ面19と第2逃げ面20とは凸円弧状に連続
してつないだ形状に形成されている。さらに、刃先部1
8aのすくい面21と前記第1逃げ面19とも凸円弧状
に連続してつないだ形状に形成されている。
【0029】次に、前述のように構成された穴あけ工具
の作用について説明する。図5は鋼板Pに穴をあける過
程を示すもので、鋼板Pに対して軸線を垂直に保持した
工具本体1の進行によって、同図(a)に示すように、
切削刃3によって鋼板Pの表面側から座ぐりされるよう
にして初期工程が行われる。もちろん、このとき切削油
路4から切削油が供給され、この切削油は分岐油路5お
よび凹溝6の順に流れて切削面に供給されている。この
段階ではバリ22aが発生するが、切削刃3の切削面よ
り若干後方にあるバリ取りチップ9がこのバリ22aに
当たると、バリ取りチップ9に生じる背分力とカートリ
ッジ10の弾性力との平衡状態が変位しながら切除して
いく。
【0030】同図(b)は表面側のバリ22aが全て除
去されて穴あけが進行していく状況であり、バリ取りチ
ップ9の先端面は開けようとする穴23と表面との間の
縁に突き当たりながらバリ22aを除去していき、この
周縁部の面取りを行う。
【0031】同図(c)は工具本体1がさらに穴あけ方
向に進んだ状況であり、工具本体1の進行にしたがって
バリ取りチップ9は鋼板Pを切除するに要する背分力に
カートリッジ10の弾性力が抗じられなくなって、カー
トリッジ10が撓んで凹溝6方向に弾性変形し、バリ取
りチップ9は凹溝6に没入する。したがって、凹溝6の
底面にカートリッジ10の背面が近接もしくは当接し、
カートリッジ10によって切削油経路が閉塞された状態
になるが、カートリッジ10には排出溝15が設けられ
ているため、切削油路4から供給されている切削油は分
岐油路5、凹溝6および排出溝15を介して工具本体1
の外部に排出され、切屑も切削油とともに排出される。
【0032】また、この段階では、カートリッジ10の
弾性復元力によってバリ取りチップ9の刃先部18aが
穴23の内周面に押し付けられ、穴23の摺動している
が、刃先部18aの逃げ面は、逃げ角が負の第1逃げ面
19と、逃げ角が正の第2逃げ面20とにより形成さ
れ、この第1逃げ面19と第2逃げ面20とは凸円弧状
に連続してつないだ形状に形成されている。さらに、刃
先部18aのすくい面21と前記第1逃げ面19とも凸
円弧状に連続してつないだ形状に形成されている。した
がって、穴23の内周面に対して刃先部18aによる切
削が行われることはなく、加工面への食い込み、傷付け
等の劣化を防止できる。
【0033】同図(d)に示すように、切削刃3が鋼板
Pを貫通した直後では、鋼板Pの裏面側にバリ22bが
生じ、この段階ではバリ取りチップ9が穴23の中に収
まっている。そして、工具本体1が進行していきバリ取
りチップ9の先端が穴23の下端開口縁を通り過ぎてし
まうと、バリ取りチップ9の上面の傾斜とカートリッジ
10の弾性復元力によって、同図(e)に示すように、
バリ取りチップ9が穴23から外に飛び出すようにな
る。これにより、バリ取りチップ9は裏面側のバリ22
bの除去を行う。そして、このバリ22bの除去のとき
には、バリ22bから受ける切削反力(背反力)をカー
トリッジ10が受け、その復元力(カートリッジ10の
弾性力が背反力を上回る状態)によってバリ取りチップ
9をバリ22bに当てることができる。
【0034】穴あけ終了後に、工具本体1を上昇させる
と、バリ22bの根元部を除去しながら再びバリ取りチ
ップ9が穴23の中に入り込んで上昇していき、穴23
から抜けると、カートリッジ10の復元力によってバリ
取りチップ9は、同図(a)の状態に戻る。このため、
鋼板Pの裏面側から表面側にかけてバリ取りチップ9が
倣いながら移動してバリ22a,22bの発生面を再度
切削することができ、精製面取りが可能となる。
【0035】図6〜図9は第2の実施例を示す。図6は
カートリッジの斜視図、図7(a)はカートリッジの側
面図、図7(b)はカートリッジの端面図、図7(c)
はカートリッジの展開図である。本実施例のカートリッ
ジ24は、1枚の鋼板を折曲することにより形成され、
鋼板の帯状体25の長手方向の一端部における一側部に
は折り目線26aを介してチップ取付け部27がかぎ状
に連設され、このチップ取付け部27の前記折り目線2
6aと平行な折り目線26bを介して補強片28が連設
されている。チップ取付け部27にはボルト穴29が設
けられ、第1の実施例で示すバリ取りチップ9が取付け
られるようになっている。
【0036】なお、折り目線26aを介して連設部のチ
ップ取付け部27の端面部はバリ取りチップ9の一部外
形と縮小相似形に切断してある。前記カートリッジ24
は、チップ取付け部27に対して帯状体25を折り目線
26aに沿って直角に谷折りすると共に、補強片28を
折り目線26bに沿って直角に谷折りし、帯状体25の
長手方向の中間部から補強片28側へ折曲したU字状の
屈曲部25aが形成されている。
【0037】次に、前述のように構成されたカートリッ
ジ24を、捩れ溝付きタイプの穴あけ工具に取付ける場
合を説明すると、工具本体30の外周面には切り屑を排
出するための捩れ溝31が設けられていると共に、先端
部には穴あけ用の2つの切削刃32が設けられている。
【0038】切削刃32と干渉しないように切削刃32
の相互間に位置する工具本体30の外周にはその先端面
から工具本体30の軸心と平行に1本の凹溝33が設け
られている。凹溝33の後端の延長線上には凹溝33よ
り浅い取付け凹部34が設けられており、その後端部は
捩れ溝31と離間している。この取付け凹部34の底部
にはねじ穴35が設けられている。さらに、取付け凹部
34の一側部にはねじ案内凹部36が設けられ、このね
じ案内凹部36の延長線上にはねじ穴37が穿設され、
その軸心方向は取付け凹部34の方向へ若干傾斜させて
いる。
【0039】この工具本体30に前記カートリッジ24
を取付けるには、まずカートリッジ24の屈曲部25a
を取付け凹部34に収納すると共に、チップ取付け部2
7を凹溝33の内部で工具本体30の先端部に位置し、
チップ取付け部27に取付けられたバリ取りチップ9を
工具本体30の外周面より外側に突出させる。次に、ね
じ案内凹部36に楔ねじ38を挿入し、ねじ穴37に締
め付けると、前記のようにねじ案内凹部36とその延長
線上のねじ穴37の先端方向は若干傾斜させて設けてい
るので、楔ねじ38のテーパ頭部によってカートリッジ
24のU字状部25aの側縁部が取付け凹部34の内側
壁に押し付けられ、カートリッジ24は工具本体30に
固定される。なお、カートリッジ24は取付け凹部34
に押し付けて固定するので、カートリッジ24の屈曲部
25aから先端部側の帯状体25の幅を基端部側より細
目とすることが好ましい。
【0040】本実施例によれば、カートリッジ24が1
枚の鋼板を折曲することにより形成されるため、カート
リッジ24の全長が短くても十分な弾性力を得ることが
でき、捩り溝付きタイプのように捩り溝によって十分な
スペースがなくてもバリ取りチップ9を備えたカートリ
ッジ24を簡単に取付けることができる。もちろん、楔
ねじ38用のねじ穴37等を穿設することで、このカー
トリッジ24を第1の実施例に示す穴あけ工具の工具本
体1にも取付けることができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、孔あけの進行に伴って被加工物の表裏面に発生する
バリを除去することができ、またバリ取りチップがカー
トリッジとともに工具本体の軸心方向に押されて凹溝の
中に収まったときでも、カートリッジに切り屑を切削油
と共に外部に排出する排出溝を設けることにより、切削
油経路を確保でき、切削油とともに切屑を円滑に排出で
きるという効果がある外、捩れ溝タイプの工具本体であ
っても、十分な弾性力を備えたカートリッジとし得る効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例の穴あけ工具を示し、
(a)は先端部の一部を切欠した側面図、(b)は先端
部の端面図。
【図2】同実施例の穴あけ工具を示し、(a)は先端部
の縦断側面図、(b)は(a)のA部を拡大した縦断側
面図、(c)は(b)のB−B線に沿う断面図。
【図3】同実施例のバリ取りチップを示し、(a)はバ
リ取りチップの側面図、(b)はバリ取りチップの正面
図。
【図4】同実施例のバリ取りチップを示し、(a)は図
3のC部を拡大して示す側面図、(b)は図4のD部を
拡大して示す側面図。
【図5】同実施例の鋼板に対する穴あけ過程を示す縦断
側面図。
【図6】この発明の第2の実施例を示すカートリッジの
斜視図。
【図7】同実施例のカートリッジを示し、(a)は側面
図、(b)は端面図、(c)は展開図。
【図8】この発明の第2の実施例の工具本体の先端部を
示し、(a)は一部切欠した側面図、(b)は(a)の
E−E線に沿う断面図。
【図9】同実施例の工具本体の先端部を示し、図8の矢
印F方向からの矢視図。
【符号の説明】
1…工具本体、2…先端部、3…切削刃、4…切削油
路、6…凹溝、9…バリ取りチップ、10…カートリッ
ジ、15…排出溝。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北村 次男 神奈川県川崎市幸区塚越1丁目7番地 東 芝タンガロイ株式会社内 (72)発明者 三浦 一政 福岡県北九州市小倉南区中曽根東三丁目2 −24

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部に切削刃を設けた工具本体と、こ
    の工具本体の先端部の周面に軸方向に沿って設けられた
    凹溝と、前記工具本体に基端部が固定され先端部が前記
    凹溝の内部において工具本体の径方向に弾性変形可能な
    カートリッジと、このカートリッジの先端部に設けられ
    カートリッジの弾性変形によって工具本体の周面から突
    没可能なバリ取りチップと、前記カートリッジに設けら
    れ前記凹溝内の切屑を切削油とともに外部に排出する排
    出溝とを具備したことを特徴とする穴あけ工具。
  2. 【請求項2】 先端部に切削刃を設けた捩れ溝付きの工
    具本体と、この工具本体の先端部の周面に軸方向に沿
    い、かつ捩れ溝と離間して設けられた凹溝と、この凹溝
    にそのテーパー部が掛るように穿設した楔ねじ用のねじ
    穴と、前記工具本体に基端部が固定され先端部が前記凹
    溝の内部において工具本体の径方向に弾性変形可能なカ
    ートリッジと、このカートリッジの先端部に設けられカ
    ートリッジの弾性変形によって工具本体の周面から突没
    可能なバリ取りチップと、前記カートリッジに設けられ
    前記凹溝内の切屑を切削油とともに外部に排出する排出
    溝とを具備したことを特徴とする穴あけ工具。
  3. 【請求項3】 前記バリ取りチップは、その逃げ面を逃
    げ角が負の第1逃げ面と、逃げ角が正の第2逃げ面とに
    より形成されていることを特徴とする請求項1または2
    記載の穴あけ工具。
  4. 【請求項4】 前記バリ取りチップの第1逃げ面と第2
    逃げ面とを凸円弧状に連続してつないだことを特徴とす
    る請求項1または2記載の穴あけ工具。
  5. 【請求項5】 前記バリ取りチップのコーナ部のすくい
    面と第1逃げ面とを凸円弧状に連続してつないだことを
    特徴とする請求項1または2記載の穴あけ工具。
  6. 【請求項6】 前記カートリッジは、1枚の鋼板によっ
    て形成され、その基端部に略U字状の屈曲部が設けら
    れ、先端部にバリ取りチップ取付け用のボルト穴の穿設
    されたチップ取付け部が設けられていることを特徴とす
    る請求項1または2記載の穴あけ工具。
  7. 【請求項7】 前記排出溝は、バリ取りチップの端縁に
    沿って刻設されていることを特徴とする請求項1または
    2記載の穴あけ工具。
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