JP3295035B2 - バリ取り機構付き穴明け工具 - Google Patents

バリ取り機構付き穴明け工具

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JP3295035B2
JP3295035B2 JP11966698A JP11966698A JP3295035B2 JP 3295035 B2 JP3295035 B2 JP 3295035B2 JP 11966698 A JP11966698 A JP 11966698A JP 11966698 A JP11966698 A JP 11966698A JP 3295035 B2 JP3295035 B2 JP 3295035B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば鋼板、銅
板、アルミ板等の金属板に対する穴明けの際に、加工穴
の表裏に発生するバリを除去できるバリ取り用のスロー
アウェイチップ(バリ取りチップという)を備えてい
て、穴明け加工の際にバリを除去することのできるバリ
取り機構を備えた穴明け工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼板等の金属板をドリル等の穴明け工具
で穴明け加工した場合、この金属板の加工穴の表裏にバ
リが発生することがある。このバリは、ボルトやリベッ
ト等で金属板を締め付ける際に、適正な締め付け力が得
られない等の不具合の原因となるため、従来はグライン
ダ等の研削工具を用いたりして、バリ除去のための後加
工を行っていたが、このようなバリ取り作業には多くの
労力と時間を要することになる。そこで、このような問
題を解決するために、金属板等の被加工物に穴明けを行
うと同時にその表裏面のバリを取り除くバリ取り機能を
備えた穴明け工具が提案され、その一例が特開平8−1
55716号公報に開示されている。
【0003】この公報に記載された穴明け工具につい
て、図8乃至図10により説明すると、図に示すドリル
1は、工具本体2の先端部に例えば一対の切削刃3が装
着されており、工具本体2の先端部の周面に回転軸線O
方向に沿って凹溝4が設けられ、この凹溝4内には、先
端側にスローアウェイチップ5が装着されたカートリッ
ジ6が収容されている。このカートリッジ6は該凹溝4
内の底部にねじ等で固定された基部7と、基部7の上面
付近から工具本体2の先端側に延びてその先端にチップ
取付座8が設けられた弾性変形可能なアーム部9とを有
している。チップ取付座8に固定された三角形板状のス
ローアウェイチップ5は、そのノーズ部10が外周側に
突出して配設されていて、ノーズ部10の2つの稜辺部
がバリ取り刃10a、10bとされている。
【0004】このようなドリル1を用いて穴明け加工す
ると、図9に示すように被削材12の表面に対して工具
本体2を回転切削させつつ送ると、往工程で切削刃3に
よる穴明け加工がなされる。その際、加工穴13の表面
入り口部分にバリ14が発生するが、図9に示すように
工具本体2の外周からバリ取りチップ5のノーズ部10
が突出しているから、先端側のバリ取り刃10aでバリ
取り加工や面取り加工がなされる。そして、更に穴加工
が進むと、ノーズ部10は加工穴13の内壁に押されて
アーム部9が弾性変形することで径方向内側に押され、
加工穴13の内壁に押し込まれる。切削刃3による穴加
工が終了すると、チップ5のノーズ部10がアーム部9
の弾性によって被削材12の裏面側に突出することにな
る。その後、復工程として、工具本体2を回転させつつ
基端側へ戻し加工する際、図10に示すように、バリ取
りチップ5のノーズ部10の基端側のバリ取り刃10b
で加工穴13の裏面出口部分に形成されたバリのバリ取
り加工が行われ、そして、ノーズ部10は押されてアー
ム部9が弾性変形して加工穴13の内壁に押し込まれ、
工具本体2が加工穴12から引き出されることになる。
【0005】ところで、このようなバリ取り機構を備え
た穴明け工具では、バリ取りチップ5によるバリ取り加
工に関して、往工程と復工程とでバリ取り刃10a、1
0bにそれぞれかかる切削抵抗を分力に分けて考えた場
合、アーム部9による弾性変位の支点を基部7との連結
部にとってaとし、バリ取り刃10a、10b上のバリ
取り切削する作用点をbとして、図11に示す往工程で
は、支点aと作用点bを結ぶ方向の切削抵抗Paに関し
て、送り方向の分力P1と支点に作用する分力P2とに
分けることができる。また図12に示す復工程では、支
点aと作用点bを結ぶ方向の切削抵抗Pbに関して、送
り方向の分力P1′と支点に作用する分力P2′とに分
けることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この場合、往工程と復
工程とで送り方向の分力P1、P1′の大きさと方向は
ほぼ同一であるが、他方の支点に作用する分力P2とP
2′とは方向が上向きと下向きで逆になる。そのため、
往工程ではバリ取り刃10aには上向き即ち加工穴入り
口のバリの方向に分力P2が作用するために、確実なバ
リ取り切削加工を助けるが、復工程ではバリ取り刃10
bに下向き即ち加工穴出口のバリから離れる方向に分力
P2′が作用するために、バリ取り刃10a、10bの
摩耗状態が同程度でも加工穴入り口のバリと比較して加
工穴出口のバリの切除能力が低下し、バリ取り刃10b
の切削加工能力が短時間で低下するという問題がある。
そのため、加工穴出口のバリ加工用のバリ取り刃10b
の寿命は加工穴入り口のバリ加工用のバリ取り刃10a
の寿命より1/5〜1/10程度に短くなるという欠点
がある。バリ取り刃10a、10bは1つのバリ取りチ
ップ5に形成されるために、バリ取りチップ5自体の寿
命が短くなるという欠点がある。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、往復工程での各バリ取り刃の寿命を均等にバ
ランスさせてバリ取りチップの寿命を長くできるように
したバリ取り機構付き穴明け工具を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るバリ取り機
構付き穴明け工具は、先端部に切削刃を有する工具本体
と、この工具本体の先端部の外周面に設けられた凹溝
と、この凹溝に収容されて上記工具本体の径方向に変位
可能とされたアームを有するカートリッジと、上記アー
ムの一端に設けられて該アームの変位により上記工具本
体の外周面から出没可能とされたバリ取り用のスローア
ウェイチップとを備えたバリ取り機構付き穴明け工具に
おいて、上記スローアウェイチップは、上記工具本体の
外周側に位置するノーズ部の2辺をなす稜辺部がバリ取
り刃とされ、該2つのバリ取り刃は上記工具本体の回転
軸線に沿う方向に配列されてなり、上記アームは、上記
工具本体の回転軸線と交差する方向に並行して延在する
ことを特徴とする。この構成において、上記カートリッ
ジは、上記アームと、上記凹溝の底部に固定されるベー
スと、該ベースに植設されたピンとを備えると共に、上
記アームの後端部に設けられた孔に上記ピンが摺動可能
に挿入されてなり、上記カートリッジの支点は、上記孔
内における上記ピンの中心にあると共に、バリ取り加工
時には上記バリ取り刃の切削部である作用点よりも回転
軸線に近接した位置にあってもよい。また、上記カート
リッジは、上記アームと、上記凹溝の底部に固定される
ベースとを備えると共に、上記アームの後端部は上記ベ
ースの後端部にピンを介して回動可能に連結され、上記
アームの先端部は上記ピンを支点として、上記凹溝内に
て上記工具本体の径方向に弾性変位可能とされており、
上記カートリッジの支点は、バリ取り加工時には上記バ
リ取り刃の切削部である作用点よりも回転軸線に近接し
た位置にあってもよい。工具本体を往復作動させて、バ
リ取り用のスローアウェイチップのバリ取り刃で加工穴
の表裏の入り口と出口にできるバリを除去する際、往復
工程でのバリ取り切削時に生じる切削抵抗を送り分力と
支点に作用する分力とに分けた場合、往復工程のいずれ
でも支点に作用する分力が同一方向に働くために、二つ
のバリ取り刃の加工能力が同程度となり、各バリ取り刃
の切削加工能力がほぼ均等となり、寿命のバランスがよ
く、チップの寿命を向上できる。しかもカートリッジは
アームが回転軸線と交差する方向に並行して延在するよ
うに位置するから、カートリッジ装着の際、工具本体の
径方向におけるカートリッジの占有スペースが小さくて
すみ、小径の穴明け工具にも採用できる。
【0009】好ましくは、カートリッジのアームとスロ
ーアウェイチップは直交して設けられている。これによ
って、支点と2つのバリ取り刃の切削部である作用点を
結ぶ方向の各ベクトルが工具本体の送り方向と交差する
方向であるために、支点に作用する分力が往復工程で用
いる2つのバリ取り刃で同一となり、切削加工能力がほ
ぼ均等になる。またカートリッジの支点は、バリ取り加
工時にはバリ取り刃の切削部である作用点よりも回転軸
線Oに近接した位置にあってもよい。この場合、バリ取
り加工時に、作用点であるバリ取り刃のバリ切削部で生
じる切削抵抗に関する支点に作用する分力が上向き即ち
加工穴のバリを押す方向の分力となり、バリ取り刃の切
削能力が向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面により説明するが、上述の従来技術と同一又は同様
の部分には同一の符号を用いてその説明を省略する。本
発明の第一の実施の形態を図1ないし図6により説明す
る。図1は実施の形態によるドリルの先端部側面図、図
2は図1に示すドリルの先端面図、図3は実施の形態に
よるドリルの外周面とバリ取りチップの位置関係を示す
側面図、図4は図1に示すドリルのA−A線断面図、図
5は実施の形態によるドリルに装着されるカートリッジ
を示すもので、(a)は側面図、(b)は正面図、
(c)は平面図、図6は往工程及び復工程でのバリ取り
チップのバリ取り刃による切削時の切削抵抗の分力の方
向を示す図である。図1乃至図4に示す穴明け工具とし
てのドリル16において、ドリル16の工具本体17
は、その先端部が略円柱状をなし、この先端部の外周面
17Aには、工具本体17の先端面17Bから後端側に
向けて工具回転方向Tの後方側に捩れる一対の切屑排出
溝18,18が形成されるとともに、これらの切屑排出
溝18,18の工具回転方向Tの前方側を向く壁面の先
端部には、それぞれ切刃チップ14,14が接合されて
切削刃14a,14aが設けられている。
【0011】そして、工具本体17の先端面17Bの切
屑排出溝18,18の間に画成される一対のランド1
5、15のうちの例えば一方のランド15の外周面17
Aには、図1、図3及び図4に示すように、工具本体1
7の先端面17Bに近接する位置に工具本体17の回転
軸線Oに交差する方向(実施の形態では直交する方向)
並行して延びる凹溝19が形成されている。この凹溝
19内には工具本体17の回転軸線Oに交差する方向
(実施の形態では直交する方向)に並行してカートリッ
ジ20が収容されて、このカートリッジ20の工具回転
方向先端側にバリ取り用のスローアウェイチップ21が
着脱可能に装着されている。
【0012】ここで、カートリッジ20は、図5
(a)、(b)、(c)に示されており、凹溝19の底
部19aに固定される例えば板状のベース22と、ベー
ス22に植設されていて上部に抜け止め板23が固定さ
れたピン24と、一端に設けられた孔25aにピン24
が摺動可能に挿入され且つ他端にチップ取付座27が形
成されたアーム25と、ピン24に装着されてベース2
2とアーム25との間に圧縮状態で装着されていてアー
ム25をベース22から離間する方向に付勢する弾性部
材、例えばスプリング26とで構成されている。アーム
25は平面視略U字状に形成されている。カートリッジ
20のチップ取付座27は、アーム25の延在方向に略
直交する方向にバリ取りチップ21の着座面が装着され
る底面27aが形成され、外周側に対向する側壁27b
と先端側に対向する側壁27cとが設けられている。底
面27aはアーム25の下方に延在して二つの側壁27
b、27cに接続され、更にアーム25から上方に略三
角形状に突出している。
【0013】カートリッジ20のチップ取付座27に装
着されるバリ取りチップ21は、例えば略三角形板状
(図では略正三角形板状)とされ、チップ取付座27の
底面27aに装着される着座面21aに対向する上面2
8の各頂部領域がノーズ部29とされ、各ノーズ部29
の先端は面取りされていて、両側の稜辺部は先端側のバ
リ取り刃28aと後端側のバリ取り刃28bとされてい
る。そのため、バリ取りチップ21の二つの側面21
b,21cがチップ取付座27の2側壁27b,27c
に押しつけられて底面27aに着座面21aが装着され
た状態で、チップ21がチップ取付座27にねじ止めさ
れている。チップ取付座27に装着された状態で、バリ
取りチップ21は側面21cに対向する1つのノーズ部
29がアーム25の高さから上方に突出した構成とされ
ている。
【0014】従って、チップ21が装着されたカートリ
ッジ20は、図1に示すように工具本体17の凹溝19
に装着されて固定された状態で、アーム25は工具本体
17の回転軸線Oに交差する方向(実施の形態では直交
する方向)に並行して延在し、アーム25の先端に位置
するバリ取りチップ21は回転軸線Oに沿う方向に位置
して1つのノーズ部29が工具本体17の外周面17A
から外側に突出している。そのためカートリッジ20が
工具本体17の凹溝19内に装着された状態で、カート
リッジ20が被削材の加工穴で押圧されない状態で、バ
リ取りチップ21のノーズ部29が工具本体17の外周
面17Aから外側に突出した状態に保持されることにな
る(図3参照)。また、工具本体17の回転軸線Oとほ
ぼ同軸に油穴30が穿孔され、工具本体17の先端付近
で二股に分岐されて油穴30a、30bとされ、それぞ
れ先端面17Bのランドに開口している。しかも分岐さ
れた一方の油穴30aは凹溝19の底面と連通して断面
視略U字状に形成されている。
【0015】本実施の形態によるドリル16は上述のよ
うな構成を備えており、このドリル16を用いて被削材
の穴加工を行うと、往工程で工具本体17を回転して切
削刃14aで被削材に穴加工すると、加工穴の入り口に
バリが発生することがある。この場合、工具本体17の
外周面17Aから突出しているバリ取りチップ21のノ
ーズ部29の先端側のバリ取り刃28aが工具本体17
と一体回転することで加工穴入り口のバリ取り加工が行
われる。そして、図9に示すバリ取り刃10aと同様
に、バリ取り刃28aが工具本体17の進行方向に対し
て傾斜しているために、工具本体17の進行に連動して
アーム25がスプリング26の付勢力に抗してピン24
に沿って摺動して、チップ21が凹溝19内(ベース2
2方向)に後退する。そして、切削刃14aによる被削
材の穴あけ加工が終了して工具本体17が加工穴を貫通
し、カートリッジ20のバリ取りチップ21が加工穴外
部で工具本体17の外周面17Aから径方向外側に突出
する。その際、加工穴の裏面の出口にバリが残る。そし
て、工具本体17を加工穴から戻す際、工具本体17を
回転切削させつつ加工穴の裏面側から表面側へ送る。こ
のとき、図10示すバリ取り刃10bと同様に、バリ
取りチップ21の後端側のバリ取り刃28bが加工穴裏
面出口のバリを除去し、その後にアーム25が凹溝19
内に変位して後退し、加工穴から工具本体17が取り出
される。
【0016】ところで、このカートリッジ20のノーズ
部29の二つのバリ取り刃28a、28bによるバリ取
り加工時の切削抵抗で生じる分力について図6により説
明する。カートリッジ20において、バリ取り加工時の
支点aは孔25a内のピン24の中心にあり、作用点b
はバリ取り刃28a、28bのバリとの接触点となる。
そのため、図6に示すように工具本体17の側面方向か
らバリ取りチップ21を見た場合、往工程では、加工穴
入り口のバリを切削する場合、切削抵抗Paは送り方向
の分力P1と支点aに作用する上向きの分力P2とに分
けることができる。また、復工程では、加工穴出口のバ
リを切削する場合、切削抵抗Pbは送り方向の分力P
1′と支点aに作用する上向きの分力P2′とに分ける
ことができる。この場合、支点aと作用点bを結ぶベク
トルが工具本体17の送り方向に交差する方向に設けら
れ、しかも支点aは作用点bよりも低い(回転軸線Oに
近い)位置にあるために、往工程と復工程とで支点aと
作用点bを結ぶベクトルに作用する分力P2、P2′は
いずれも上向き(加工穴を押す方向)で大きさも近似す
る。そのため、往復工程でバリ取り時にバリ取り刃28
a、28bに作用する力がほぼ等しくなり、切削時にバ
リ取り刃28a、28bが後退しにくくなり、復工程で
のバリ取り刃28bの切削能力及び切刃寿命が往工程で
のバリ取り刃28aと同等になる。
【0017】上述のように本実施の形態によれば、往復
工程で加工穴の表裏面に形成されたバリを除去する際、
切削抵抗を送り分力P1、P1′と支点aに作用する分
力P2、P2′とに分けた場合、支点aに作用する分力
P2、P2′が同一方向であるために両バリ取り刃28
a、28bの切削能力と寿命がほぼ同等になる。しか
も、カートリッジ20ではアーム25が工具本体17の
回転軸線Oに交差する方向に設けられていて、このアー
ム25上の一端に支点aが他端にバリ取りチップ21の
各バリ取り刃28a、28b上の作用点bが設けられて
いるから、工具本体17の径方向に占めるカートリッジ
20の専有スペースが小さく、小径のドリル16にも採
用できる。また、バリ取り加工時に支点aが作用点bよ
りも低い位置にあるために、支点aに作用する分力P
2、P2′がいずれも上向きの分力となり、切削能力が
向上して加工精度が向上する。
【0018】次に本発明によるカートリッジの第二の実
施の形態を図7により説明する。図7において、カート
リッジ40は、工具本体17の凹溝19の底部に固定さ
れる例えばL字型のベース41と、凹溝19の外周側に
収容される略々U字型の可動アーム42とが備えられて
いる。この可動アーム42は、その後端部がベース41
の後端部にピン43を介して回動可能に連結されるとと
もに、先端部にチップ取付座44が設けられ、バリ取り
チップ21がねじ等で固定されている。チップ取付座4
4は上述のチップ取付座27と同一構成とされていて、
チップ取付座44は可動アーム42の延在方向に略直交
して形成されている。しかもこのチップ取付座44に装
着されたバリ取りチップ21はノーズ部29が可動アー
ム42の上面から外側に突出している。また可動アーム
42とベース41との間には弾性部材としてバネ(コイ
ルスプリング)46が圧縮状態で介装されており、これ
により可動アーム42はベース41から離れる方向即ち
工具本体17の径方向外周側に向けて突出するよう付勢
されている。
【0019】従って、カートリッジ40を凹溝19に収
容した状態で、カートリッジ40は工具本体17の回転
軸線Oに略直交する方向に並行して延在して配設され、
バリ取りチップ21は回転軸線Oに沿う方向に、しかも
工具本体17の回転方向先端側に位置している。可動ア
ーム42の先端部は、その後端部のピン43を支点aと
して、凹溝19内にて工具本体17の径方向に弾性変位
可能とされている。
【0020】このようなカートリッジ40を採用した場
合でも、穴加工のための往復工程でバリ取りチップ21
の外周側に突出するノーズ部29の二つのバリ取り刃2
8aと28bの作用点bにバリ取り切削時にかかる支点
に作用する分力P2、P2′は同一方向であり、上述の
実施の形態と同一の作用効果を奏する。
【0021】尚、上述の説明ではドリル16について説
明したが、ボーリングバーやリーマなど、その他の各種
穴明け工具にも採用できる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るバリ
取り機構付き穴明け工具は、先端部にスローアウェイチ
ップが設けられたカートリッジのアームが、工具本体の
回転軸線に交差する方向に並行して延在するから、工具
本体を往復作動させて、バリ取り用のスローアウェイチ
ップのバリ取り刃で加工穴の表裏の入り口と出口にでき
るバリを除去する際、往復工程でのバリ取り切削時に生
じる切削抵抗を送り分力と支点に作用する分力とに分け
た場合、往復工程のいずれでも支点に作用する分力が同
一方向に働くために、二つのバリ取り刃の加工能力が同
程度となり、各バリ取り刃の切削加工能力がほぼ均等と
なり、寿命のバランスがよく、チップの寿命を向上でき
る。さらに、カートリッジ装着の際、工具本体の径方向
の占有スペースが小さくてすみ、小径の穴明け工具にも
採用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態によるドリル先端部の側面
図である。
【図2】 図1に示すドリルの先端面図である。
【図3】 図1に示すドリルの工具本体外周面とバリ取
りチップとの位置関係を示す図である。
【図4】 図1に示すドリルのカートリッジ装着状態を
示すA−A線断面図である。
【図5】 実施の形態によるドリルに装着されるカート
リッジを示すもので、(a)は側面図、(b)は正面
図、(c)は平面図である。
【図6】 図5に示すカートリッジのバリ取りチップに
よる往復工程でのバリ取り加工時の各バリ取り刃にかか
る切削抵抗とその分力を示す図である。
【図7】 カートリッジの第二の実施の形態を示すもの
で、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図8】 従来のバリ取り機構付きドリルの先端部の縦
断面図である。
【図9】 図8に示すドリルによる往工程での穴加工及
びバリ取りの状態を示す図である。
【図10】 図8に示すドリルによる復工程での穴加工
及びバリ取りの状態を示す図である。
【図11】 図9に示す従来のカートリッジのバリ取り
チップによる往工程でのバリ取り加工時の切削抵抗とそ
の分力を示す説明図である。
【図12】 図10に示す従来のカートリッジのバリ取
りチップによる復工程でのバリ取り加工時の切削抵抗と
その分力を示す説明図である。
【符号の説明】
14a 切削刃 16 ドリル 17 工具本体 17A 外周面 18 切屑排出溝 19 凹溝 20,40 カートリッジ 21 スローアウェイチップ 25,42 アーム 28 上面 28a、28b バリ取り刃 29 ノーズ部 a 支点 b 作用点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 一政 福岡県北九州市小倉南区中曽根東三丁目 2−24 (56)参考文献 特開 平8−155716(JP,A) 実開 昭63−186513(JP,U) 実公 平6−32255(JP,Y2) 米国特許3940214(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23B 51/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部に切削刃を有する工具本体と、こ
    の工具本体の先端部の外周面に設けられた凹溝と、この
    凹溝に収容されて上記工具本体の径方向に変位可能とさ
    れたアームを有するカートリッジと、上記アームの先端
    に設けられて該アームの変位により上記工具本体の外
    周面から出没可能とされたバリ取り用のスローアウェイ
    チップとを備えたバリ取り機構付き穴明け工具におい
    て、上記スローアウェイチップは、上記工具本体の外周側に
    位置するノーズ部の2辺をなす稜辺部がバリ取り刃とさ
    れ、該2つのバリ取り刃は上記工具本体の回転軸線に沿
    う方向に配列されてなり、 上記アーム は、上記工具本体の回転軸線と交差する方向
    並行して延在することを特徴とする穴明け工具。
  2. 【請求項2】 上記カートリッジは、上記アームと、上
    記凹溝の底部に固定されるベースと、該ベースに植設さ
    れたピンとを備えると共に、上記アームの後端部に設け
    られた孔に上記ピンが摺動可能に挿入されてなり、 上記カートリッジの支点は、上記孔内における上記ピン
    の中心にあると共に、バリ取り加工時には上記バリ取り
    刃の切削部である作用点よりも回転軸線に近接した位置
    にある ことを特徴とする請求項1記載のバリ取り機構付
    き穴明け工具。
  3. 【請求項3】 上記カートリッジは、上記アームと、上
    記凹溝の底部に固定されるベースとを備えると共に、上
    記アームの後端部は上記ベースの後端部にピンを介して
    回動可能に連結され、上記アームの先端部は上記ピンを
    支点として、上記凹溝内にて上記工具本体の径方向に弾
    性変位可能とされており、 上記カートリッジの支点は、バリ取り加工時には上記バ
    リ取り刃の切削部である作用点よりも回転軸線に近接し
    た位置にあることを特徴とする請求項記載のバリ取り
    機構付き穴明け工具。
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