JP2004306180A - チップブレーカを備えたドリル - Google Patents

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Abstract

【課題】ドリル本体の中心軸を対称に形成された切刃を基準とするすくい面の所定位置にそれぞれ単純形状のチップを固設することで、穴加工精度の高い安価なチップブレーカを備えたドリルを提供する。
【解決手段】ドリル本体1は、チップ10をすくい面4における第1切刃5aに対する後方位置aと、第2切刃6aに対する半径方向内側位置bに、交叉する2辺10a,10bを位置決めして中心軸Oに対し対称構造で構成され、その一辺10aが第1切刃5aに対しa=0.5mm〜5mm(好適には2mm)後方に位置すると共に、他辺10bの上角部10cが、第2切刃6aの回転軌跡の半径方向内側位置に位置しているので、加工穴内周面との干渉を回避でき、第1切刃5aとチップ10の間に切屑の詰まりがなく正常な切削ができると共に第1切刃5aによって形成された繋がる切屑CPはチップ10によって分断することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドリルによる被加工物の穴加工時に連なって生ずる切屑を分断するチップブレーカを備えたドリルに関する。
【0002】
【従来の技術】
図11の従来図に示すように、ドリル、バニシングドリル等のように軸方向に送りをかけて穴加工を行なう従来の切削工具300では、一般的に刃先すくい面302には切屑を切断するチップブレーカは形成されていなかった。
【0003】
この理由は、ドリルに切刃301を形成するための溝が、その材質がハイス(高速度鋼)の場合は圧延で、超硬合金の場合は研削で形成されているが、何れの場合でもこの溝にチップブレーカを形成する際に、チップブレーカ形成用の工具が溝方向に動くため、この溝と直角方向へのチップブレーカの加工が困難となるためである。
【0004】
しかしながら、特にバニシングドリルの場合では、主たる被削材304であるアルミニウム合金においても、その用途となる自動車部品等の強度や耐久性向上の要求により各種添加元素が増加したため、従来は自然に分断されていた切屑305が繋がるようになってきた。
【0005】
周知のようにバニシングドリルでは、加工面がそのまま仕上げ面となることから、切屑が繋がるとその切屑がドリルと共に回転して加工面を損傷してしまうため、チップブレーカの装着が余儀なくされている。
【0006】
このようなことから、近年において先端にチップブレーカを形成したスローアウエイチップを装着したドリルが開発されている(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−295211号公報(段落0015、0016、及び段落0026、0027、図3)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようなスローアウエイチップは、切刃の後方にチップブレーカを一体形成したもので、このスローアウエイチップをドリル本体の先端に交換可能に装着し、スローアウエイチップで穴加工を行なう際に生じた切屑を切刃後方のチップブレーカで切断するように構成されている。
【0009】
従って、この種のスローアウエイチップは、寿命のバラツキがなく、切刃の破損や磨耗時には交換することで長期的に使用することができる利点があるが、通常、切刃形状が非対象なため、切刃への負荷が不均一となってドリルが逃げて加工精度が悪くなり、精度の高い穴明け加工を行なうには別に仕上げ工程が必要となり、作業に多くの手間と時間が掛かる問題を有していた。
【0010】
更に、小形のスローアウエイチップにチップブレーカを切刃と一体形成する加工技術が困難なだけでなく、ドリル本体の先端に装着するための取付け穴等の加工が困難なため高価となる問題を有すると共に、スローアウエイチップ取付け時におけるセッティングに手間が掛かる等の問題を有していた。
【0011】
従って、本発明の目的とする所は、ドリル本体の中心軸を対称に形成された切刃を基準とするすくい面の所定位置にそれぞれ単純形状のチップを固設することで、穴加工精度の高い安価なチップブレーカを備えたドリルを提供することである。
【0012】
【課題を解決する為の手段】
上記目的を達成するために、本発明は次の技術的手段を有する。即ち、実施の形態に対応する添付図面に使用した符号を用いて説明すると、ドリルによる被加工物の穴加工時に連なって形成される切屑を分断するチップブレーカを備えたドリルであって、該チップブレーカは、所定厚みを有する四角形状に形成された板状のチップ10であり、円柱状に形成されたドリル本体1に、その先端から軸に沿って形成された凹溝2に回転中心側を向くすくい面4を形成し、該すくい面4の先端に軸方向の加工を行なう第1切刃5a,5bを形成すると共に、上記すくい面4の側端に穴の内周を加工する第2切刃6a,6bを形成し、上記チップ10を、上記すくい面4における上記第1切刃5a,5bに対する後方位置と、上記第2切刃6a,6bに対する半径方向内側位置に、交叉する2辺10a,10bを位置決めして固設し、上記チップ10の一辺10aが第1切刃5a,5bに対し0.5mm〜5mm後方に位置すると共に、その一辺に交叉する他の辺10bが少なくとも第2切刃6a,6bの回転軌跡Rの半径方向内側に位置することを特徴とするチップブレーカを備えたドリルである。
従って、チップ10の一辺10aが第1切刃5a,5bに対し0.5mm〜5mm後方に位置すると共に、その一辺10aに交叉する他の辺10bが少なくとも第2切刃6a,6bの回転軌跡Rの半径方向内側に位置するように固設することで、第1切刃5a,5bとチップ10の間に切屑の詰まりがなく正常な切削を行なうことができると共に切削穴の内周とチップ10との干渉が回避され、第1切刃5a,5bによって形成された繋がる切屑は上記チップ10によって分断することができる。
【0013】
また本発明は、ドリルによる被加工物の穴加工時に連なって形成される切屑を分断するチップブレーカを備えたドリルであって、該チップブレーカは、所定厚みを有する四角形状に形成された板状のチップ10であり、円柱状に形成されたドリル本体1に、その先端から軸に沿って形成された凹溝2に回転中心側を向くすくい面4を形成し、該すくい面4の先端に軸方向の加工を行なう第1切刃5a,5bを形成すると共に、上記すくい面4の側端に穴の内周を加工する第2切刃6a,6bを形成し、上記チップ10を、上記すくい面4における上記第1切刃5a,5bに対する後方位置と、上記第2切刃6a,6bに対する半径方向内側位置に、上記チップ10の交叉する2辺10a,10bを位置決めして固設し、上記チップ10の板厚hが切削穴径の5%〜30%で形成され、該チップ10の軸方向長さcがその板厚hの少なくとも0.8倍に形成されていることを特徴とするチップブレーカを備えたドリルである。
従って、チップ10の板厚hを切削穴径の5%〜30%に形成することで、切削穴の内周とチップ10との干渉を回避できるだけでなく、形成された切屑CPを確実に分断することができると共に分断された切屑処理に支障を与えることがない。また、チップ10の軸方向長さcをその板厚hの少なくとも0.8倍に形成することで、切屑分断時の負荷に耐え得ると共にろう付け等の接合強度が確保できる。
【0014】
また本発明は、ドリルによる被加工物の穴加工時に連なって形成される切屑を分断するチップブレーカを備えたドリルであって、該チップブレーカは、所定厚みを有する四角形状に形成された板状のチップ10であり、円柱状に形成されたドリル本体1に、その先端から軸に沿って形成された凹溝2に回転中心側を向くすくい面4を形成し、該すくい面4の先端に軸方向の加工を行なうべく傾斜面10dを設けた第1切刃5a,5bを形成すると共に、上記すくい面4の側端に穴の内周を加工する第2切刃6a,6bを形成し、上記チップ10を、上記すくい面4における上記第1切刃5a,5bに対する後方位置と、上記第2切刃6a,6bに対する半径方向内側位置に、上記チップ10の交叉する2辺10a,10bを位置決めして固設し、上記チップ10先端の傾斜面10d上面の角度θが、上記すくい面4に対し20度から90度の範囲で形成されていることを特徴とするチップブレーカを備えたドリルである。
従って、チップ10先端の傾斜面10d上面の角度θを、上記すくい面4に対し20度から90度の範囲で形成することで、第1切刃5a,5bによって繋がって形成された切屑CPを確実に分断することができ、分断された切屑の処理に支障を与えることがない。
【0015】
また、本発明は、上記ドリルは、小径と大径から成る段付きドリルであって、段付き円柱状に形成されたドリル本体11に、小径ドリル先端から上記大径ドリルの段付き部に連なるよう軸に沿って形成された凹溝12に回転中心O側を向くすくい面14a,14bを形成し、上記小径ドリルないし大径ドリルにおけるすくい面14a,14bの先端ないし側端に、それぞれ第1切刃15a,15bないし第2切刃16a,16bを形成し、上記各第1切刃ないし第2切刃に対し、交叉する2辺をそれぞれの内側所定位置に位置決めしてチップ20,22を固設したチップブレーカを備えたドリルである。
従って、小径ドリルないし大径ドリルのすくい面14a,14bにおける先端ないし側端に形成された第1切刃15a,15bないし第2切刃16a,16bに対し、チップ20,22の交叉する2辺をそれぞれの内側所定位置に位置決めして固設することで、2段穴の加工時にそれぞれの第1切刃15a,15bから生ずる切屑を確実に分断することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係り、各すくい面にチップブレーカを固設したドリル本体先端部の半断面図、図2は各すくい面にチップブレーカを固設したドリル本体の先端を視た正面図、図3はすくい面に固設されたチップブレーカの部分拡大図であり、図4は図3のA矢視図、図5は図3のB矢視図、図6はチップブレーカの作用説明図である。
【0017】
図1及び図2において、符号1は本発明に係るドリル本体であって、このドリル本体1は、超硬合金等で円柱状に形成されてその先端から軸方向に沿って直交する2面から成る2つの凹溝2が中心軸Oを対称に形成されており、本実施形態ではバニシングドリルとして説明する。
【0018】
このバニシングドリルは、ドリル本体1に形成された凹溝2の片面が、中心軸O側を向く2つのすくい面4として中心軸Oを対称に形成されており、これらすくい面4の軸方向先端には軸方向の加工を行なう第1切刃5a,5bが形成されると共に、すくい面4の側端には被削材の穴の内周を加工する第2切刃6a,6bが形成されている。
【0019】
ドリル本体1の中心には、切刃部に冷却液を供給するための有底の油穴8が形成され、その底部ないしその上部には凹溝2に連通する2つの吐出孔8a,8bが形成されている。
【0020】
そして、上記各すくい面4の先端には、すくい面4と直交する凹溝2の他の面2aに一辺を当接させて、所定厚みを有する板状の超硬合金又は鋼材で四角形状に形成されたチップ10をろう付けまたは強力な接着剤により固設することで、ドリル本体1先端に一体的に形成された第1切刃5a,5bと、これら第1切刃5a,5bに対し所定位置後方に固設されたチップ10と共にチップブレーカを構成している。
【0021】
詳しくは、上記チップ10は、図3及び図4に示すように、先端側の一辺10aがすくい面4における第1切刃5a,5bに対しa=0.5mm〜5mm後方に位置すると共に、その一辺10aに交叉する他の辺(凹溝2の他の面2aに当接した辺と並行に形成された辺)10bが第2切刃6aの回転軌跡Rの半径方向内側に位置決めされている。特に推奨位置としては、a=2mm、b=0.5mm〜1mmが好適である。
【0022】
また、チップ10は、図1、図4及び図5に示すように、その板厚h(すくい面4からの高さ)が切削穴径の5%〜30%で形成され、チップ10の軸方向長さcがその板厚hの少なくとも0.8倍(0.8h)に形成されている。特に推奨される板厚hとしては、切削穴径の8%〜15%であり、又推奨される軸方向長さcは4mm〜8mmが好適である。
【0023】
更に、チップ10は、図6に示すように、先端の一辺に傾斜面10dが形成されており、傾斜面10d上面の角度θが、すくい面4に対し20度から90度の範囲で形成されている。特に推奨される角度θは、45度が好適である。
【0024】
そこで、本発明のチップブレーカを備えたドリル(特にバニシングドリル)を使用して被削材(例えばアルミニウム合金)の穴明け加工が開始されると、ドリルが切削送りにより軸方向に移動して第1切刃5aないし第2切刃によって被削材が切削される。
【0025】
切削加工により第1切刃5aから生じた切屑CPは、図6に示すように、先端のすくい面4から第1切刃5a後方に固設されたチップ10先端の傾斜面10dにより上方に向けて急激に屈曲し、被削材に当たることで連続的に分断される。
【0026】
この切削時においては、図4に示すチップ10の他辺、特にその上角部10cが、第2切刃6aの回転軌跡Rの半径方向内側位置に位置しているので、加工される切削穴の内周とチップ10との干渉が回避される。
【0027】
従って、上記のように構成されたチップブレーカを備えたドリルによれば、図1〜図4に示すように、2つの凹溝2の片面に形成された2つのすくい面4に所定厚みを有する四角形状に形成された板状のチップ10を固設するに際し、このチップ10は、すくい面4における第1切刃5aに対する後方位置aと、第2切刃6aに対する半径方向内側位置bに、交叉する2辺10a,10bを位置決めされており、中心軸Oに対し対称構造で構成されているので、穴加工時のバランスが良く穴の加工精度が向上する。
【0028】
また、チップ10は、その一辺10aが第1切刃5aに対しa=0.5mm〜5mm(好適には2mm)後方に位置すると共に、その一辺に交叉する他辺の上角部10cが、第2切刃6aの回転軌跡の半径方向内側位置に位置しているので、加工穴内周面との干渉を回避することができ、第1切刃5aとチップ10の間に切屑の詰まりがなく正常な切削を行なうことができると共に第1切刃5aによって形成された繋がる切屑CPは上記チップ10によって分断することができる。
【0029】
また、図5に示すように、チップ10の板厚hが切削穴径の5%〜30%(好適には8%〜15%)に形成されているので、切削穴の内周とチップ10との干渉を回避するだけでなく、形成された切屑を確実に分断することができ、分断された切屑処理に支障を与えることがない。更に、チップ10の軸方向長さcがその板厚hの少なくとも0.8倍(好適には4mm〜8mm)に形成されているので、切屑分断時の負荷に耐え得ると共にろう付け等の接合強度が確保できる。
【0030】
そして、チップ10先端の傾斜面10d上面の角度θが、図6に示すように、すくい面4に対し20度〜90度(好適には45度)で形成されているので、第1切刃5aによって繋がって形成された切屑CPを確実に分断することができ、分断された切屑の処理に支障を与えることがない。
【0031】
次に、他の実施形態に係るチップブレーカを備えた段付き2段ドリルに付き図7及び図8を参照して説明する。図7は本発明の他の実施形態に係り、各すくい面にチップブレーカを固設した段付き2段ドリル本体の先端部を示す半断面図であり、図8は各すくい面にチップブレーカを固設した段付き2段ドリル本体の先端を示す正面図である。尚、上記実施形態に示す構成部分と同一構成部分については重複する説明を省略して説明する。
【0032】
図7及び図8において、符号11は段付き2段ドリル本体であって、この段付きドリル本体11は、超硬合金等により小径と大径から成る段付き円柱状に形成されており、小径ドリルの先端から大径ドリルの段付き部に連なるよう中心軸Oに沿って平行に形成された2つの凹溝12に、中心軸O側を向くすくい面14a,14bがそれぞれ上下部位に形成されている。
【0033】
そして、小径ドリルにおけるすくい面14aには、チップ20がすくい面14aの先端ないし側端に形成された第1切刃15a,15bないし第2切刃16a,16bに対し、交叉するチップ20の2辺がそれぞれの内側所定位置に位置決めして固設されている。
【0034】
また、大径ドリルにおけるすくい面14bにはチップ22が、すくい面14aの先端ないし側端に形成された第1切刃15a’,15b’ないし第2切刃17a,17bに対し、交叉する2辺がそれぞれの内側所定位置に位置決めして固設されている。
【0035】
更に、小径ドリル及び大径ドリルにおける各すくい面14a,14bの先端には、各すくい面14a,14bと直交する凹溝12の他の面に一辺を当接させて、所定厚みを有する板状の超硬合金又は鋼材で四角形状に形成されたチップ20,22をろう付け、または強力な接着剤により固設することで、段付きドリル本体11先端に形成された第1切刃15a,15b及び15a’,15b’と、これら第1切刃15a,15b及び15a’,15b’に対し所定位置後方に固設されたチップ20,22と共にチップブレーカを構成している。
【0036】
従って、本実施形態の段付き2段ドリルにおけるチップ20,22は、その形状ないしすくい面への取付け位置が、上記実施形態とほぼ同一位置であることから、同一作用並びに効果を奏することができる。
【0037】
特に、本実施形態におけるチップ20,22は、小径ドリルないし大径ドリルのすくい面14a,14bにおける先端、ないし側端に形成された第1切刃15a,15b及び15a’,15b’ないし第2切刃16a,16b及び17a,17bに対し、チップ20,22の交叉する2辺が、それぞれの内側所定位置に位置決め固設されているので、2段穴の加工時には、それぞれの第1切刃15a,15b及び15a’,15b’から生ずる切屑を確実に分断することができる。
【0038】
次に、更に他の実施形態に係るチップブレーカを備えた段付き3段ドリルに付き図9及び図10を参照して説明する。図9は本発明の他の実施形態に係り、各すくい面にチップブレーカを固設した段付き3段ドリル本体の先端部を示す半断面図であり、図10は各すくい面にチップブレーカを固設した段付き3段ドリルの先端を示す正面図である。尚、上記実施形態に示す構成部分と同一構成部分については同一符号を付し重複する説明を省略して説明する。
【0039】
本実施形態の段付き3段ドリルは、上記実施形態における2段ドリルの大径ドリル上段に更に大径ドリルを形成し、小径ドリル、中径ドリル及び大径ドリルとして構成したもので、本実施形態では、上記実施形態における大径ドリルを中径ドリルとして同一符号を用いて説明する。
【0040】
図9及び図10に示すように、符号31は3段ドリルを構成する段付き3段ドリル本体であって、この段付き3段ドリル本体31は、超硬合金等により小径と大径から成る段付き円柱状に形成されており、小径ドリルの先端から中径ドリル及び大径ドリルの段付き部に連なるよう中心軸Oに沿って平行に形成された2つの凹溝28に、中心軸O側を向くすくい面14a,14b,14cがそれぞれ上、中及び下部位に形成されている。
【0041】
大径ドリルにおけるすくい面14cには、チップ24が、上記小径ドリル、中径ドリルと同様に、すくい面14cの先端、ないし側端に形成された第1切刃15a’’,15b’’及び第2切刃26a,26bに対し、交叉する2辺がそれぞれの内側所定位置に位置決めして固設されている。
【0042】
更に、大径ドリルにおける各すくい面14cの先端には、このすくい面14cと直交する他の面に一辺を当接させて、所定厚みを有する板状の超硬合金又は鋼材で四角形状に形成されたチップ24をろう付け、または強力な接着剤により固設することで、段付き3段ドリル本体31の小径ドリルないし中径ドリルのチップ20,22と共に、第1切刃15a’’,15b’’と、これら第1切刃15a’’,15b’’に対し所定位置後方に固設されたチップ24によってチップブレーカを構成している。
【0043】
従って、本実施形態の段付き3段ドリルにおけるチップ20,22及び24は、その形状ないしすくい面への取付け位置が、上記実施形態とほぼ同一位置であることから、同一作用並びに効果を奏している。
【0044】
特に、本実施形態におけるチップ24は、大径ドリルのすくい面14cにおける先端ないし側端に形成された第1切刃15a’’,15b’’ないし第2切刃26a,26bに対し、チップ24の交叉する2辺がそれぞれの内側所定位置に位置決め固設されているので、3段穴の加工時には、それぞれの第1切刃15a’’,15b’’から生ずる切屑を小径ドリル、中径ドリルの各チップ20及び22と共に確実に分断することができる。
【0045】
尚、ここでは詳細な説明は省略するが、段付き4段ドリルに付いても各段に形成されるすくい面に、第1切刃および第2切刃に対し上記実施形態と同様な形状のチップを同じ位置関係で位置決め固設することで、同一作用並びに効果を奏することができる。
【0046】
上記の各実施形態では、チップブレーカを備えたドリルとしてバニシングドリルを基に説明してきたが、これに限ぎらず他の回転工具にも適用することが可能である。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明によると次の様な効果を奏する。
【0048】
即ち、請求項1によると、チップの一辺が第1切刃に対し0.5mm〜5mm後方に位置すると共に、その一辺に交叉する他の辺が少なくとも第2切刃の回転軌跡の半径方向内側に位置するように固設することで、第1切刃とチップの間に切屑の詰まりがなく正常な切削を行なうことができると共に切削穴の内周とチップとの干渉が回避され、切刃によって形成された繋がる切屑は上記チップによって分断することができる。
【0049】
また、請求項2によると、チップの板厚を切削穴径の5%〜30%に形成することで、切削穴の内周とチップとの干渉を回避するだけでなく、形成された切屑を確実に分断することができると共に分断された切屑処理に支障を与えることがない。また、チップの軸方向長さをその板厚の少なくとも0.8倍に形成することで、切屑分断時の負荷に耐え得ると共にろう付け等の接合強度が確保できる。
【0050】
また、請求項3によると、チップ先端の傾斜面上面の角度を、上記すくい面に対し20度から90度の範囲で形成することで、切刃によって繋がって形成された切屑を確実に分断することができ、分断された切屑の処理に支障を与えることがない。
【0051】
また、請求項4によると、小径ドリルないし大径ドリルのすくい面における先端ないし側端に形成された第1切刃ないし第2切刃に対し、チップの交叉する2辺をそれぞれの内側所定位置に位置決めして固設することで、2段穴の加工時にそれぞれの切刃から生ずる切屑を確実に分断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係り、各すくい面にチップブレーカを固設したドリル本体先端部の半断面図である。
【図2】同じく本発明の一実施形態に係り、各すくい面にチップブレーカを固設したドリル本体の先端を視た正面図である。
【図3】すくい面に固設されたチップブレーカの部分拡大図である。
【図4】図3のA矢視図である。
【図5】図3のB矢視図である。
【図6】チップブレーカの作用説明図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る段付き2段ドリルに係り、各すくい面にチップブレーカを固設した段付き2段ドリル本体先端側の半断面図である。
【図8】同じく、段付き2段ドリルの各すくい面にチップブレーカを固設したドリル本体の先端を示す正面図である。
【図9】本発明の更に他の実施形態に係る段付き3段ドリルに係り、各すくい面にチップブレーカを固設した段付き3段ドリル本体先端側の半断面図である。
【図10】同じく、段付き3段ドリルの各すくい面にチップブレーカを固設したドリル本体の先端を示す正面図である。
【図11】従来のチップブレーカの無い切削工具により切削時に形成される切屑の説明図である。
【符号の説明】
1 ドリル本体
2 凹溝
2a 他の面
4 すくい面
5a,5b 第1切刃
6a,6b 第2切刃
8 油穴
8a,8b 吐出孔
10 チップ
10a 先端側の一辺
10b 他の辺
10c 上角部
10d 傾斜面
11 段付き2段ドリル本体(ドリル本体)
12 凹溝
14a,14b,14c すくい面
15a,15b 第1切刃
15a’’,15b’’ 第1切刃
16a,16b 第2切刃
17a,17b 第2切刃
18 油穴
18a,18b,18c 吐出孔
20,22,24 チップ
26a,26b 第2切刃
28 凹溝
31 段付き3段ドリル本体(ドリル本体)
CP 切屑
h,H 板厚
O 中心軸
R 回転軌跡
θ 角度

Claims (4)

  1. ドリルによる被加工物の穴加工時に連なって形成される切屑を分断するチップブレーカを備えたドリルであって、
    該チップブレーカは、所定厚みを有する四角形状に形成された板状のチップ10であり、円柱状に形成されたドリル本体1に、その先端から軸に沿って形成された凹溝2に回転中心側を向くすくい面4を形成し、該すくい面4の先端に軸方向の加工を行なう第1切刃5a,5bを形成すると共に、上記すくい面4の側端に穴の内周を加工する第2切刃6a,6bを形成し、上記チップ10を、上記すくい面4における上記第1切刃5a,5bに対する後方位置と、上記第2切刃6a,6bに対する半径方向内側位置に、交叉する2辺10a,10bを位置決めして固設し、上記チップ10の一辺10aが第1切刃5a,5bに対し0.5mm〜5mm後方に位置すると共に、その一辺に交叉する他の辺10bが少なくとも第2切刃6a,6bの回転軌跡Rの半径方向内側に位置することを特徴とするチップブレーカを備えたドリル。
  2. ドリルによる被加工物の穴加工時に連なって形成される切屑を分断するチップブレーカを備えたドリルであって、
    該チップブレーカは、所定厚みを有する四角形状に形成された板状のチップ10であり、円柱状に形成されたドリル本体1に、その先端から軸に沿って形成された凹溝2に回転中心側を向くすくい面4を形成し、該すくい面4の先端に軸方向の加工を行なう第1切刃5a,5bを形成すると共に、上記すくい面4の側端に穴の内周を加工する第2切刃6a,6bを形成し、上記チップ10を、上記すくい面4における上記第1切刃5a,5bに対する後方位置と、上記第2切刃6a,6bに対する半径方向内側位置に、上記チップ10の交叉する2辺10a,10bを位置決めして固設し、上記チップ10の板厚hが切削穴径の5%〜30%で形成され、該チップ10の軸方向長さcがその板厚hの少なくとも0.8倍に形成されていることを特徴とするチップブレーカを備えたドリル。
  3. ドリルによる被加工物の穴加工時に連なって形成される切屑を分断するチップブレーカを備えたドリルであって、
    該チップブレーカは、所定厚みを有する四角形状に形成された板状のチップ10であり、円柱状に形成されたドリル本体1に、その先端から軸に沿って形成された凹溝2に回転中心側を向くすくい面4を形成し、該すくい面4の先端に軸方向の加工を行なうべく傾斜面10dを設けた第1切刃5a,5bを形成すると共に、上記すくい面4の側端に穴の内周を加工する第2切刃6a,6bを形成し、上記チップ10を、上記すくい面4における上記第1切刃5a,5bに対する後方位置と、上記第2切刃6a,6bに対する半径方向内側位置に、上記チップ10の交叉する2辺10a,10bを位置決めして固設し、上記チップ10先端の傾斜面10d上面の角度θが、上記すくい面4に対し20度から90度の範囲で形成されていることを特徴とするチップブレーカを備えたドリル。
  4. 上記ドリルは、小径と大径から成る段付きドリルであって、段付き円柱状に形成されたドリル本体11に、小径ドリル先端から上記大径ドリルの段付き部に連なるよう軸に沿って形成された凹溝12に回転中心O側を向くすくい面14a,14bを形成し、上記小径ドリルないし大径ドリルにおけるすくい面14a,14bの先端ないし側端に、それぞれ第1切刃15a,15bないし第2切刃16a,16bを形成し、上記各第1切刃ないし第2切刃に対し、交叉する2辺をそれぞれの内側所定位置に位置決めしてチップ20,22を固設したことを特徴とする請求項1〜3に記載のチップブレーカを備えたドリル。
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