JP2006326720A - スローアウェイチップおよび切削工具 - Google Patents

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Abstract


【課題】 切り屑による加工面の損傷を防ぎ、かつ高精度に被削材を加工することができ、小形化することができるスローアウェイチップ、および該スローアウェイチップを備える切削工具を提供する。
【解決手段】 第1切刃13aおよび第2切刃13bをチップ10本体に一体形成することで、第1切刃13aおよび第2切刃13bを被削材15に対してそれぞれ位置決めする必要がなくなるので、既存の技術のものに比べて、チップ10を容易に位置決めできるうえ、作業工数の向上を図ることができ、さらに小形化することができる。またチップ10の切刃13a,bのすくい面20a,bを主運動の方向に互いに位相差をつけて形成することで、各切刃13a,bによる切り屑をすくい面20a,bの間の部分によって分断し、溝部から切り屑を順次排出させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、切削工具を構成するスローアウェイチップに関し、特に内径加工用のスローアウェイチップに関する。
被削材を切削加工するための切削工具が種々実用に供されている。図14は、第1の従来技術の切削工具を構成するスローアウェイチップ1を示す斜視図である。スローアウェイチップ(以下、「チップ」ということがある)1は、ホルダに装着されて切削工具として用いられ、第1の従来技術の切削工具は被削材に溝入れ加工を行うための溝入れ加工用の切削工具である。
チップ1は、略直方体形状に形成される。チップ1の厚み方向一方表面となる上面2のうち2つ短辺をそれぞれ形成する2つの短辺部3には、被削材を削るための切刃4が形成される。チップ1は、ホルダ装着状態でいずれか一方の短辺部3がホルダから部分的に突出した状態となる。短辺部3の中間付近部には、外方に凸となる切刃3aが形成され、このようなチップ1によって溝入れ加工を行うと、切刃3aの凸部と残余の部分3bとによって切り屑が分断される。これによって切り屑をチップ1によって形成される溝から円滑に排出しながら溝入れ加工を行うことができる(たとえば特許文献1参照)。
図15は、第2の従来技術の切削工具5を示す斜視図である。図16は、切削工具5の一部を示す側面図である。第2の従来技術の切削工具5は、被削材6の外壁面部を加工する外径加工用の切削工具5である。切削工具5は、2つのスローアウェイチップ7を備え、これらチップ7は主運動の方向、すなわち被削材の回転方向に互いに間隔をあけて設けられる。これらのチップ7は、その切刃が加工面に互いに一様に当接するように配置され、このような配置状態で被削材6を回転させることによって、2つのチップ7によって外壁部が加工され、各チップ7によってそれぞれ切り屑が排出される。この切り屑は、2つのチップ7によって加工される溝部8の溝幅よりも小さいので、切り屑が加工の妨げになることを防いで、溝部8を形成することができる(たとえば特許文献2参照)。
実開平10−1740号公報 特開2002−355702号公報
前述した第1の従来技術では、切刃3aに凸部があるので、チップ1によって加工される溝部の底部分は凹凸状に波打ってしまい、底部分を平坦状に加工することができないという問題がある。
第2の従来技術では、2つのチップ7を用いるので次のような問題がある。(1)溝部8を高精度に加工するためには各チップ7を被削材6に対して高精度に位置決めする必要がある。(2)作業者はこれらのチップ7を個別に保守管理する必要があり、作業効率が悪い。(3)一方のチップ7aの上方に、他方のチップ7bがクランプされているので、一方の切り屑の排出が他方のチップ7bのクランプ部材によって阻害され、加工面が切り屑によって損傷するおそれがある。(4)切削工具自体が大形化する。
したがって本発明の目的は、切り屑による加工面の損傷を防ぎ、かつ高精度に被削材を加工することができ、小形化することができるスローアウェイチップ、および該スローアウェイチップを備える切削工具を提供することである。
本発明は、内径加工用のスローアウェイチップであって、
複数の切刃がスローアウェイチップ本体に一体形成され、かつ各切刃の各すくい面が前記すくい面の法線方向に互いに間隔をあけて形成されることを特徴とするスローアウェイチップである。
また本発明は、複数の切刃は、それらの各逃げ角がすくい面の法線方向の一方から他方へ向かうにつれて小さくなるように形成されることを特徴とする。
さらに本発明は、複数の切刃のすくい面は互いに隣接する中間面部を介して形成され、該中間面部は、少なくとも各すくい面に略垂直な領域を含むことを特徴とする。
さらに本発明は、前記スローアウェイチップと、
前記スローアウェイチップが着脱可能に設けられるホルダとを含むことを特徴とする切削工具である。
さらに本発明は、スローアウェイチップの各切刃は、その逃げ面が内径加工すべき被削材の周面に対向するように、ホルダに装着されることを特徴とする。
本発明によれば、複数の切刃がスローアウェイチップ本体に一体形成されるので、複数の切刃を被削材に対してそれぞれ位置決めする必要がなくなる。このように本発明に係るスローアウェイチップによれば、既存の技術のように複数のスローアウェイチップを備える切削工具のように、すべてのスローアウェイチップを被削材に対して位置決めする必要がなくなる。したがって既存の技術のものに比べて、スローアウェイチップを容易に位置決めすることができるうえ、作業効率の改善を図ることができる。また複数の切刃がスローアウェイチップ本体に一体に形成されるので、既存の技術のように複数のスローアウェイチップを備える切削工具よりも、小形化することができる。これによって被削材の内径が小さい場合であっても、被削材の内部空間に切削工具を配置することができ、内壁を高精度に加工することができる。
またスローアウェイチップの切刃のすくい面が前記すくい面の法線方向に互いに間隔をあけて形成されるので、各切刃による切り屑が、各すくい面が離間している部分によって分断される。これによってスローアウェイチップによって加工される溝の溝幅よりも切り屑を確実に小さくすることができ、溝部から切り屑を確実に排出させることができる。したがって切り屑が溝部に排出されないまま、不所望に滞ることを防ぐことができ、かつ溝部の底部を平坦状に加工することができる。
また本発明によれば、複数の切刃は、それらの逃げ角がそれらの各逃げ角がすくい面の法線方向の一方から他方へ向かうにつれて小さくなるように形成されるので、各切刃を一様に被削材に当接させることができる。したがって互いの逃げ面が被削材に対して干渉することを防ぐことができ、被削材の周面を高精度に加工することができる。
さらに本発明によれば、複数の切刃のすくい面は互いに隣接する中間面部を介して形成され、該中間面部は、少なくとも各すくい面に略垂直な領域を含む。中間面部が略垂直な領域を含むことによって、切り屑を確実に分断することができる。したがって切り屑を円滑に溝部から排出させることができるとともに、溝部壁面が切り屑によって不所望に損傷することを可及的に防ぐことができる。
さらに本発明によれば、前記スローアウェイチップと、前記スローアウェイチップが着脱可能に設けられるホルダとを含む切削工具を用いることによって、切り屑を円滑に排出することができ、かつ高精度に内径を加工することができる。また切削工具の切刃が摩耗または破損した場合には、スローアウェイチップを交換することで、切削工具全体を交換する必要が無く、切削性能を回復することができる。
さらに本発明によれば、各切刃は、その逃げ面が内径加工すべき被削材の周面に対向するようにホルダに装着されるので、被削材の周面を高精度に加工することができる。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
図1は、本発明の実施の一形態のスローアウェイチップ10を示す斜視図である。図2は、スローアウェイチップ10を示す正面図である。図3は、スローアウェイチップ10を示す平面図である。図4は、スローアウェイチップ10を拡大して示す側面図である。図5は、本実施の形態のスローアウェイチップ10がホルダ11に装着された切削工具12を示す斜視図である。図5に示すように、切削工具12は、切刃13が形成された内径加工用のスローアウェイチップ(以下、「チップ」ということがある)10と、チップ10を着脱可能に装着するホルダ11とを含んで構成される。本実施の形態では、ホルダ11は、1つのチップ10が装着可能に構成される。
ホルダ11は、略円筒状に形成され、ホルダ11の軸線方向基端部11aには旋盤に保持される被保持部が形成される。ホルダ11の軸線方向先端部11bには、チップ10の切刃13がホルダ11の半径方向外方に突出した状態でチップ10を保持するクランプ手段14を備える。ホルダ11にチップ10が装着された状態で、切削工具12が構成される。
旋盤は、クランプした被削材15と保持した切削工具12とを相対的に移動駆動させる移動駆動手段と、クランプした被削材15をホルダ11の軸線L1に略平行な回転軸線まわりに駆動させる回転駆動手段とを含む。軸線まわりに回転駆動される被削材15は、切削工具12に接触することで、チップ10に形成される切刃13によって切削される。これによって被削材15を予め定める形状に切削することができる。切削工具12を用いて、たとえば筒状の被削材15の内壁面部15aに溝入れ加工を施すことができる。切削工具12は、チップ10の切刃13が摩耗または折損した場合には、チップ10を後述するように180度角変位させて取付けたり、新しいチップ10に取替えたりすることによって、切削能力を回復することができる。
図1に示すように、チップ10は、大略的に板状に形成され、厚み方向Aに垂直な仮想平面に投影した投影形状が略長方形状に形成される。チップ10の長手方向Bおよび幅方向Cにおける中間位置であって、厚み方向Aに延びる軸線L2を基準軸線L2として、チップ10は、その基準軸線L2に関して180度回転対称形状、言い換えると2回回転対称形状に形成される。したがって任意の方向からチップ10を見たときに、基準軸線L2まわりに180度回転させた状態と、回転させる前の状態とで、同一の形状となる。
以下、基準軸線L2の延び方向を厚み方向Aと称する。チップ10の厚み方向Aに対して垂直な方向のうち、基準軸線L2に垂直な投影面に投影した場合に厚み方向A表面の長辺に沿って延びる方向を長手方向Bと称する。チップ10の厚み方向Aおよび長手方向Bに対してともに垂直な方向を幅方向Cと称する。
チップ10は、厚み方向A両端面部であって、長手方向B中間部に厚み方向A内方に凹となる凹部16が形成される。具体的には、凹部16は、幅方向C両端部から幅方向C中間部に向かうにつれて、厚み方向A内方に向かって下り傾斜状に形成され、長手方向Bに垂直な仮想平面に投影した投影形状が略V字状に形成される。この凹部16は、ホルダ11に設けられるクランプ手段14によってクランプされる部分であって、チップ10の厚み方向A両端面部を厚み方向A内方に向かって押圧されることによって、ホルダ11に固定される。ホルダ11のクランプ手段14は、チップ10の凹部16に密に勘合する凸部が形成され、このような凸部をチップ10の凹部16に嵌合させることによって、チップ10がホルダ11に対して不所望に変位することを防ぐことができる。
チップ10は、厚み方向一方A1の表面となる上面部の縁辺に複数の切刃(以下、単に「切刃群」ということがある)13が形成される。したがって切刃群13は、スローアウェイチップ10本体に一体形成される。具体的には、チップ10は、上面部のうち、互いに対向する一対の短辺部分17の縁辺に切刃群13がそれぞれ形成される。チップ10がホルダ11に装着された状態では、2つの短辺部分17のいずれかが、ホルダ11の軸線方向Xに延びる状態となる。
以下、厚み方向Aのうち、切刃群13が形成される側から外方に向かう方向を厚み方向一方A1と称し、底面18が形成される側から外方に向かう方向を厚み方向他方A2と称する。長手方向Bのうち、第2短辺部分17bから第1短辺部分17aに進む方向を長手向一方B1とし、第1短辺部分17aから第2短辺部分17bに進む方向を長手方向他方B2とする。幅方向Cのうち、第2長辺部分19bから第1長辺部分19aに進む方向を幅方向一方C1とし、第1長辺部分19aから第2長辺部分19bに進む方向を幅方向一方C2とする。本実施の形態では、幅方向Cは、基準軸線L2に垂直な投影面にチップ10を投影した場合には、投影面において切刃群13が互いに平行に延びる方向と一致する。チップ10の厚み方向Aが主運動の方向と略平行となるように、チップ10はホルダ11に装着される。
各短辺部分17に形成される複数の切刃13は、これら切刃13のすくい面20が厚み方向Aに互いに位相差をつけて形成される。換言すると、各切刃13の各すくい面20が前記すくい面20の法線方向である厚み方向Aに互いに間隔をあけて形成される本実施の形態では、各短辺部分17に形成される切刃13の数は2つであり、以下、各切刃13を区別するときに第1切刃13aおよび第2切刃13bということがある。ここで一方の短辺部分17aに関して詳細に説明し、他方の短辺部分17bに関しては、構成が一方の短辺部分17aと同様であるので、説明を省略する。
第1切刃13aと第2切刃13bとの各すくい面20a,bは、厚み方向Aに互いに位相差をつけて形成され、第1切刃13aのすくい面20aである第1すくい面20aは、長手方向Bおよび幅方向Cを含む仮想平面と略平行となるように形成され、同様に、第2切刃13bのすくい面20bである第2すくい面20bは第1すくい面20aと略平行となるように形成され、第1すくい面20aは、第2すくい面20bより厚み方向一方A1寄りに設けられる。第1すくい面20aと第2すくい面20bとの厚み方向Aの寸法差は、たとえば0.1mm以上かつ0.5mm以下に設定される。第1切刃13aおよび第2切刃13bのそれぞれの刃幅は、たとえば1.5mm以上かつ4mm以下に設定される。
第1切刃13aの逃げ面21aである第1逃げ面21aは、第1すくい面20aの長手方向一方B1側端部に連なり、厚み方向他方A2に向かうにつれて幅方向他方B2に向かって傾斜するように形成される。第2切刃13bの逃げ面21bである第2逃げ面21bは、第2すくい面20bの長手方向一方B1側端部に連なり、厚み方向他方A2に向かうにつれて幅方向他方B2に向かって傾斜するように形成される。第1逃げ面21aの厚み方向A2側端部は、第2すくい面20bを含む仮想平面と連なり、さらに第2逃げ面21bの厚み方向一方A1側端部に連なる。したがってチップ10の長手方向一方B1側の端面は、厚み方向一方A1側の端部から厚み方向他方A2側の端部に向かうにつれて、2段階で長手方向他方B2に向かって傾斜する。
したがって各切刃13a,bは、ホルダ11に装着された状態では、その逃げ面21a,bが内径加工すべき被削材15の周面15aに対向するように配設され(図6参照)、2つの切刃13a,bは、それらの逃げ角が厚み方向Aに沿って小さくなるように形成される。換言すると、各切刃13a,bは、それらの各逃げ角がすくい面20の法線方向である厚み方向一方A1へ向かうにつれて小さくなるように形成される。したがって第1切刃13aの第1逃げ角θ1は、第2切刃13bの第2逃げ角θ2よりも小さくなるように形成され、本実施の形態では第1逃げ角θ1は約5度に設定され、第2逃げ角θ2は約10度に設定される。
第1切刃13aの横逃げ面22aである第1横逃げ面22aは、第1すくい面20aの幅方向一方C1側端部に連なり、厚み方向他方A2に向かうにつれて幅方向他方C2に向かうように傾斜する。第1横逃げ面22aの厚み方向他方A2側の端部は、チップ10の厚み方向A中央部付近であり、この端部は、厚み方向Aに平行に延びる平面に連なる。
また第2切刃13bの横逃げ面22bである第2横逃げ面22bは、第2すくい面20bの幅方向他方C2側端部に連なり、厚み方向他方A2に向かうにつれて幅方向一方C1に向かうように傾斜する。第2横逃げ面22bの厚み方向他方A2側の端部は、チップ10の厚み方向A中央部付近であり、この端部は、厚み方向Aに平行に延びる平面に連なる。
第1切刃13aと第1すくい面20aの幅方向一方C1側の端部とは、コーナ部23を介して連なり、第2切刃13bと第2すくい面20bの幅方向他方C2側の端部とは、同様に、コーナ部23を介して連なる。このコーナ部23は、予め定める曲率半径の円弧に沿って延びるコーナ切刃が形成される。
第1すくい面20aと第2すくい面20bとは、互いに隣接する中間面部24を介して形成され、該中間面部24は、少なくとも各すくい面20に略垂直な領域、換言すると厚み方向Aに沿って延びる領域を含む。中間面部24は、第1すくい面20aと略垂直に延び、かつ長手方向Bに延びる中間面24aを形成し、中間面部24の厚み方向一方A1側の端部は、第1すくい面20a部の幅方向他方B2側端部に連なり、中間面部24の厚み方向他方A2側の端部は、第2すくい面20b部の幅方向一方B1側の端部に連なる。実際には、中間面部24と各すくい面20部の連結部分は、C面取りされ、剛性が保たれる。
図6は、切削工具12の先端部分を拡大して示す側面図である。図7は、図6におけるチップ10の長手方向一方B1側の端部を拡大して示す側面図である。図6に示すように、チップ10がホルダ11に装着された状態で、筒状の被削材15の内壁面部15aを溝入れ加工するため、切刃13を被削材15の内壁面部15aに当接させる。被削材15の内部空間の内径は、たとえば20mm以上に設定される。
チップ10は、ホルダ11の軸線L1を含む仮想平面と第1逃げ面21aを含む仮想平面とが略直交し、かつ第1逃げ面21aの厚み方向Aに関して傾斜する第1傾斜方向Dの中心D1がホルダ11の軸線L1を含む仮想平面内となるように、配置される。換言すると、チップ10は、ホルダ11の軸線L1からの第1切刃13aまでの距離W1と、ホルダ11の軸線L1から第2切刃13bまでの距離W2とが等しくなるように配置される。したがって第1切刃13aのホルダ11の軸線L1まわりの移動軌跡と、第2切刃13bのホルダ11の軸線L1まわりの移動軌跡とが略同一となる。このような配置状態にすることによって、第1切刃13aと第2切刃13bとを内壁面部15aに沿うように当接させることができる。
以上説明したように、本実施の形態のスローアウェイチップ10によれば、第1切刃13aおよび第2切刃13bがスローアウェイチップ10本体に一体形成されるので、第1切刃13aおよび第2切刃13bを被削材15に対してそれぞれ位置決めする必要がなくなる。逆に言えば、第1切刃13aおよび第2切刃13bを、被削材15に対しそれぞれ位置決めする必要がない程度に一体形成することが可能となる。このようなスローアウェイチップ10によれば、既存の技術のように複数のスローアウェイチップを備える切削工具のように、すべてのスローアウェイチップを被削材15に対して位置決めする必要がなくなる。したがって既存の技術のものに比べて、スローアウェイチップ10を容易に位置決めすることができるうえ、作業工数の向上を図ることができる。また複数の切刃13a,bをスローアウェイチップ10本体に一体に形成されるので、既存の技術のように複数のスローアウェイチップを備える切削工具よりも、小形化することができる。これによって被削材15の内径が小さい場合であっても、被削材15の内部空間に切削工具12を配置することができ、内壁面部を高精度に加工することができる。
またスローアウェイチップ10の切刃13a,bのすくい面20a,bが主運動の方向に互いに位相差をつけて形成されるので、各切刃13a,bによる切り屑がすくい面20a,bの間の部分によって分断される。これによってスローアウェイチップ10によって加工される溝の溝幅よりも切り屑を確実に小さくすることができ、溝部から切り屑を順次排出させることができる。したがって切り屑が溝部に排出されず、不所望に滞ることを防ぐことができ、かつ溝部の底部を平坦状に加工することができる。
本実施の形態では、第1すくい面20aと第2すくい面20bとの厚み方向Aの寸法差は、たとえば0.1mm以上かつ0.5mm以下に設定される。この寸法差が大きくなりすぎると、チップ10の底面18から第2すくい面20bまでの寸法が小さくなるので、第2切刃13bに関連する部分の強度が小さくなり、また寸法差が小さくなりすぎると、切り屑を分断することができない恐れがあるので、前述したように好ましくは0.1mm以上かつ0.5mm以下に設定される。このように設定されることによって、第2切刃13bに関連する部分の強度を確保することができ、切り屑を確実に分断することができ、さらにチップ10が不所望に大きくなることを防ぐことができる。
また本実施の形態では、第1切刃13aおよび第2切刃13bは、その逃げ面21a,bが内径加工すべき被削材15の周面に対向するように配設されるので、被削材15の周面を高精度に加工することができる。
また本実施の形態では、第1切刃13aおよび第2切刃13bは、それらの逃げ角が主運動の方向に沿って小さくなるように形成されるので、各切刃13を一様に被削材15に当接させることができる。したがって互いの逃げ面21が被削材15に対して干渉することを防ぐことができ、被削材15の周面を高精度に加工することができる。
具体的には、図6および図7に関連して説明したように、スローアウェイチップ10は、第1切刃13aのホルダ11の軸線L1まわりの移動軌跡と、第2切刃13bのホルダ11の軸線L1まわりの移動軌跡とが略同一となるように配置される。したがってホルダ11を軸線L1まわりに回転させて、被削材15の内壁面部15aを溝加工する場合、形成される溝の底部は、第1切刃13aと第2切刃13bとの位相差に基づいて、凹凸が生じることがない。これによって溝の底部を高精度に加工することができ、さらに切り屑を分断することができる。
さらに本実施の形態では、第1切刃13aおよび第2切刃13bの各すくい面20a,bは互いに隣接する中間面部24を介して形成され、該中間面部24は、少なくとも各すくい面20に略垂直な領域を含む。中間面部24が略垂直な領域を含むことによって、各切刃13により切り屑を、該領域によって確実に分断することができる。したがって切り屑を円滑に溝部から排出させることができ、溝部が切り屑によって不所望に損傷することを可及的に防ぐことができる。
したがって本実施の形態のスローアウェイチップ10と、前記スローアウェイチップ10が着脱可能に設けられるホルダ11とを含む切削工具12を用いることによって、切り屑を円滑に排出することができ、かつ高精度に内径を加工することができる。また切削工具12の切刃13が摩耗または破損した場合には、スローアウェイチップ10を交換することで、切削工具12全体を交換する必要が無く、切削性能を回復することができる。
また本実施の形態の切削工具12を用いて、溝の壁部を加工して溝幅を増加させる場合、チップ10の幅方向他方B2が加工方向となるように、換言すると、ホルダ11の軸線方向X先端側に進むように、ホルダ11を被削材15に対して変位させることが好ましい。このようにホルダ11を変位させることによって、厚み方向Aの寸法が大きい第2切刃13bの方を、先に溝の壁部に当接して切削させることができるので、チップ10が中間面部24と第2すくい面20bとの連結部分からクラックが生じることを防ぐことができる。したがって切り込み量および切削速度を高くすることができ、作業効率を向上することができる。また中間面部24がブレーカとして機能するので、第2切刃13bによる切り屑を分断することができ、切り屑によって溝の壁部を損傷することを防ぐことができる。
次に、本発明の他の実施の形態について説明する。図8は、本実施の形態のスローアウェイチップ110を示す斜視図である。図9は、スローアウェイチップ110を示す正面図である。図10は、スローアウェイチップ110を示す平面図である。図11は、スローアウェイチップ110を拡大して示す側面図である。図12は、切削工具112の先端部分を拡大して示す側面図である。図13は、図12におけるチップ100の長手方向一端部分を拡大して示す側面図である。図1〜図7に関連して説明した前述の実施の形態に対応する構成は、本実施の形態の参照符号に100を加算した参照符号を付する。
本実施の形態のチップ110は、図9に示すように、第1逃げ面121aの逃げ角が0度に設定され、また図11に示すように、中間面部124が厚み方向他方A2に向かうにつれて幅方向他方C2に向かうように傾斜するように構成される点に特徴を有する。
このような本実施の形態のスローアウェイチップ110によれば、第1逃げ面121aの逃げ角を0度に設定することによって、前述の実施の形態よりも、第1切刃13aの強度を向上することがきる。したがって切り込み量および切削速度を高くすることができ、作業効率を向上することができる。
また本実施の形態では、中間面部124は、厚み方向他方A2に向かうにつれて幅方向他方C2に向かって、たとえば5度傾斜するように構成される。このように中間面部124が、厚み方向Aの全域に渡って傾斜している場合であっても、第1すくい面20aと第2すくい面20bとが厚み方向に間隔があいているので、切り屑を分断することができる。また中間面部124を傾斜させることによって、中間面部124と第2すくい面20bとの連結部分の強度を向上することができ、連結部分がクラックが生じることを防ぐことができる。
前述の実施の各形態では、複数の切刃13a,bは、2つの切刃13a,bによって実現されているが、2つに限ることはなく、3つ以上であってもよい。このように切刃13の数を増加させることによって、切り屑をより細かく分断することができ、切り屑が溝に留まることを防ぐことができる。
本発明の実施の一形態のスローアウェイチップ10を示す斜視図である。 スローアウェイチップ10を示す正面図である。 スローアウェイチップ10を示す平面図である。 スローアウェイチップ10を拡大して示す側面図である。 本実施の形態のスローアウェイチップ10がホルダ11に装着された切削工具12を示す斜視図である。 切削工具12の先端部分を拡大して示す側面図である。 図6におけるチップ10の長手方向一方B1側の端部を拡大して示す側面図である。 本実施の形態のスローアウェイチップ110を示す斜視図である。 スローアウェイチップ110を示す正面図である。 スローアウェイチップ110を示す平面図である。 スローアウェイチップ110を拡大して示す側面図である。 切削工具112の先端部分を拡大して示す側面図である。 図12におけるチップ100の長手方向一端部分を拡大して示す側面図である。 第1の従来技術の切削工具を構成するスローアウェイチップ1を示す斜視図である。 第2の従来技術の切削工具5を示す斜視図である。 切削工具5の一部を示す側面図である。
符号の説明
10,110 スローアウェイチップ
11 ホルダ
12 切削工具
13 切刃
15 被削材
20 すくい面
21 逃げ面
24 中間面部

Claims (5)

  1. 内径加工用のスローアウェイチップであって、
    複数の切刃がスローアウェイチップ本体に一体形成され、かつ各切刃の各すくい面が前記すくい面の法線方向に互いに間隔をあけて形成されることを特徴とするスローアウェイチップ。
  2. 複数の切刃は、それらの各逃げ角がすくい面の法線方向の一方から他方へ向かうにつれて小さくなるように形成されることを特徴とする請求項1に記載のスローアウェイチップ。
  3. 複数の切刃のすくい面は互いに隣接する中間面部を介して形成され、該中間面部は、少なくとも各すくい面に略垂直な領域を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のスローアウェイチップ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のスローアウェイチップと、
    前記スローアウェイチップが着脱可能に設けられるホルダとを含むことを特徴とする切削工具。
  5. スローアウェイチップの各切刃は、その逃げ面が内径加工すべき被削材の周面に対向するように、ホルダに装着されることを特徴とする請求項4に記載の切削工具。
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