JPH08154456A - 全稈投入型コンバインの穀稈搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 第１刈取装置で刈り取られた穀稈を第２刈取
装置がわへ搬送する際の搬送姿勢を良好な一定姿勢に維
持できる全稈投入型コンバインの穀稈搬送装置を提供す
る。 【構成】 穀稈の株元を刈り取る第１刈取装置１０と、
この第１刈取装置１０がわから挾持搬送装置１１で後方
に搬送された穀稈の穂先部下部側を刈り取る第２刈取装
置１２とを刈取前処理部５に設けるとともに、挾持搬送
装置１１を穀稈の搬送経路で対向配置した挾持レール１
８と無端回動チェーン１７とで構成してある全稈投入型
コンバインの穀稈搬送装置であって、無端回動チェーン
１７の穀稈挾持搬送経路の下方に、この穀稈挾持搬送経
路に沿う状態で穀稈の稈身を挾持方向での変位を規制し
ながら摺動案内する規制部材２２を配設してある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、穀稈の株元を刈り取る
第１刈取装置と、この第１刈取装置がわから挾持搬送装
置で後方に搬送された穀稈の穂先部下部側を刈り取る第
２刈取装置とを刈取前処理部に設けるとともに、前記挾
持搬送装置を穀稈の搬送経路で対向配置した挾持レール
と無端回動チェーンとで構成してある全稈投入型コンバ
インの穀稈搬送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の全稈投入型コンバインの
穀稈搬送装置としての前記挾持搬送装置では、例えば実
開平４‐９４９４１号公報に開示されているように、無
端回動チェーンに対してその回動の経路を規定するため
のガイド構造を設けているに止まるものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従って、上記従来構造
のものにあっては、穀稈は、無端回動チェーンと、この
無端回動チェーンに対して穀稈挾持搬送経路において対
向配置された挾持レールとで挾持されるだけの状態で後
方搬送されるので、第１刈取装置で刈り取られた穀稈が
無端回動チェーンに挾持されたときの姿勢が維持されて
搬送されることが図られているものの、穀稈姿勢が搬送
方向に対して斜めに傾いたままで搬送される虞れが高
く、特に無端回動チェーンで挾持搬送される穀稈の株元
側が該チェーンより下方がわの株元側部分が搬送途中で
チェーンガイドの下方寄りに位置するよう穀稈が傾く虞
れが高いため、そのチェーンを案内するスプロケットや
ガイド構造にその穀稈の株元側部分が巻きこまれる等の
不具合があった。又、単に無端回動チェーンと挾持レー
ルとで挾持されるに過ぎない穀稈のその挾持による支持
は比較的不安定であるため、搬送途中で穀稈姿勢が不当
に変わって第２刈取装置での刈取不良が生じる虞れがあ
るとともに、搬送終端部で無端回動チェーンが戻り経路
がわに移行する際に穀稈の係止解除が円滑になされずに
戻り経路がわに穀稈を引き込んでしまう等の不具合があ
った。本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであっ
て、第１刈取装置で刈り取られた穀稈を第２刈取装置が
わへ搬送する際の穀稈の搬送姿勢を良好な一定姿勢に維
持できる全稈投入型コンバインの穀稈搬送装置の提供を
目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明にかかる全稈投入
型コンバインの穀稈搬送装置は、上記目的を達成するた
めに、穀稈の株元を刈り取る第１刈取装置と、この第１
刈取装置がわから挾持搬送装置で後方に搬送された穀稈
の穂先部下部側を刈り取る第２刈取装置とを刈取前処理
部に設けるとともに、前記挾持搬送装置を穀稈の搬送経
路で対向配置した挾持レールと無端回動チェーンとで構
成してある全稈投入型コンバインの穀稈搬送装置であっ
て、前記無端回動チェーンの穀稈挾持搬送経路の下方
に、この穀稈挾持搬送経路に沿う状態で穀稈の稈身を挾
持方向での変位を規制しながら摺動案内する規制部材を
配設してあることを特徴構成とする。本発明の請求項２
にかかる全稈投入型コンバインの穀稈搬送装置は、穀稈
の株元を刈り取る第１刈取装置と、この第１刈取装置が
わから挾持搬送装置で後方に搬送された穀稈の穂先部下
部側を刈り取る第２刈取装置とを刈取前処理部に設ける
とともに、前記挾持搬送装置を穀稈の搬送経路で対向配
置した挾持レールと無端回動チェーンとで構成し、各条
毎に無端回動チェーンで穀稈を後方に搬送するように、
左右一対の穀稈挾持搬送経路を間に位置設定した状態で
左右一対の前記無端回動チェーンを一組みとして複数組
み配設し、かつ、前記第２刈取装置で刈り取られた後の
穀稈の穂先部を機体横幅中央箇所に集めるオーガを設
け、このオーガで刈幅中央側に寄せ集められた穀稈を後
方の脱穀装置に向けて搬送するフィードコンベアを刈取
前処理部に設け、かつ、前記各組みの左右一対の前記無
端回動チェーンのうち、前記オーガの中央箇所から遠い
がわに位置する無端回動チェーンの穀稈挾持搬送経路の
下方にのみ、この穀稈挾持搬送経路に沿う状態で穀稈の
稈身を挾持方向での変位を規制しながら摺動案内する規
制部材を配設してあることを特徴構成とする。かかる特
徴構成による作用及び効果は次の通りである。

【０００５】

【作用】即ち、請求項１の構成によれば、無端回動チェ
ーン等で挾持搬送される穀稈がその搬送時において、規
制部材によって摺動案内されることになるので、その摺
動によって正面視において規制部材の縁部と穀稈挾持箇
所とを結ぶ仮想線に沿う姿勢に穀稈が維持されて搬送さ
れることになる。又、その搬送経路の終端部において、
無端回動チェーンが穀稈搬送経路から戻り経路がわに移
行する際に、規制部材による規制で穀稈が無端回動チェ
ーンから外れるから、チェーンによって係止された穀稈
がその戻り経路がわにまで移行して詰まりが生ずる等の
不具合の発生も回避できることになる。又、請求項２の
構成によれば、相対向した状態で配設した無端回動チェ
ーンの組みにおいて、オーガから遠いがわの無端回動チ
ェーンがわにのみ規制部材を配設しているから、オーガ
の幅方向での中央箇所から離れるがわに無端回動チェー
ンが戻っていくように移動していくに連れて穀稈も移動
していかないよう規制部材で規制されて、無端回動チェ
ーンとの係合が解除されてオーガがわに確実に穀稈が移
行していくことになり、規制部材がないがわの無端回動
チェーンにおいてはその無端回動チェーンの戻り経路が
オーガの幅方向での中央箇所に向かう方向であるから特
に規制部材を設けなくても穀稈が円滑にオーガの幅方向
での中央箇所に向かうようにして無端回動チェーンから
外れる。

【０００６】

【発明の効果】従って、請求項１によれば、穀稈は搬送
途中で姿勢乱れが大きく生じることなく良好に搬送さ
れ、第２刈取装置での刈取も良好に行われることになる
とともに、無端回動チェーンにより戻り経路がわに穀稈
が引き込まれるのを規制部材で阻止できるから、不当に
穀稈が戻り経路がわに移行して穀稈の詰まり等が生じる
ことを回避できる利点もある。又、請求項２によれば、
上記請求項１における効果に加えて、対を成す無端回動
チェーンのうち、オーガの中央部から遠いがわの無端回
動チェーンにのみ規制部材を設けることで搬送穀稈のう
ち挾持搬送装置の終端部からオーガの中央部がわより離
れる方向に穀稈が移行しないようにできるので、オーガ
において他の穀稈と干渉して穀稈詰まりを生じたり穀稈
の移送の妨げとなることが解消できるに至った。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１に、全稈投入型コンバインの一例を示してい
る。この全稈投入型コンバインは、１０条刈りタイプで
あって、左右一対のクローラ走行装置１，１を備えた走
行機体２上に脱穀装置３を搭載するとともに、脱穀装置
３の前部横側部に搭乗運転部４を配置し、機体前部に刈
取前処理部５を昇降自在に連結して構成している。脱穀
装置３には、機体前後方向に沿う軸芯周りで回転駆動し
て扱処理する扱胴６と、その下方側に扱処理物を穀粒と
わら屑等に選別する選別部７とを備え、選別穀粒は脱穀
装置３の横側に配設した穀粒タンク８に回収するよう構
成している。刈取前処理部５は、図２に示すように、植
立穀稈を立ち姿勢に引き起こす引起こし装置９、植立穀
稈の株元側を切断するバリカン型の第１刈取装置１０、
株元を切断された刈取穀稈を後方に挾持搬送する挾持搬
送装置１１、挾持搬送される刈取穀稈の穂先部下部側を
切断する第２刈取装置１２等からなる刈取部と、刈取ら
れた穀稈穂先部を機体中央がわに寄せ集めて後方に送り
出すオーガ１３及びこのオーガ１３から送り出された穀
稈を脱穀装置３の入口に向けて掻き上げながら搬送する
フィードコンベア１４等から構成されている。

【０００８】図２及び図３に示すように、挾持搬送装置
１１は、各条毎に対応して１０個設けられているととも
に、左右一対で１組みとして５組みを横幅方向に並設し
ている。そして、各挾持搬送装置１１は、刈取穀稈の株
元側を挾持搬送する株元挾持搬送装置１１Ａと、穂先側
を係止搬送する穂先係止搬送装置１１Ｂとから成り、穂
先係止搬送装置１１Ｂは、駆動回転する係止爪付き無端
回動チェーンに対向する位置にガイド杆を設け、このガ
イド杆と係止爪との共働により、穂先側を係止搬送する
よう構成している。そして、ガイド杆は、前後軸芯周り
で揺動自在に枢支し、所定作用姿勢で位置保持並びに穀
稈量に応じて弾性後退自在にバネ付勢する状態で支持し
ている。一方、株元挾持搬送装置１１Ａは、図３及び図
４に示すように、駆動回転する無端回動チェーン１７に
対向する位置に挾持レール１８を配設して構成してあ
り、各挾持レール１８は、下部の前後軸芯周りで揺動自
在に取り付けられ、かつ、コイルバネ１９によりチェー
ン１７側に向けて弾性付勢状態並びに穀稈量に応じて弾
性後退可能に構成している。さらに、図５に示すよう
に、無端回動チェーン１７を所定の搬送経路に沿う状態
で回動案内するためのガイド体２０を挾持搬送装置１１
の支持フレーム２１に連結している。

【０００９】そして、図３に示すように、各挾持搬送装
置１１の左右一対の組みのうち、機体横幅方向での中央
に配設したものを除いて、その両横側にそれぞれ配設さ
れる４組みのものにおいて、それぞれの組みの挾持搬送
装置１１の対のうち前記オーガ１３の中央位置から遠い
がわに位置する挾持搬送装置１１の前記ガイド体２０の
搬送経路に沿う下方箇所、具体的には約１センチメート
ル下方には棒体を曲げ形成した規制部材２２を配設して
いる。この規制部材２２は、図４及び図５に示すよう
に、無端回動チェーン１７の搬送経路の前部がわの穀稈
受入箇所では無端回動チェーン１７の位置より奥まって
配設しており、挾持レール１８で穀稈挾持がなされる搬
送経路部分では穀稈受入箇所より奥まってはいない状態
に配設されている。さらに、この規制部材２２は、無端
回動チェーン１７の搬送経路の後端よりも後方まで延出
されその後端部では機体横方向に沿うように曲げ形成さ
れている。

【００１０】上記構成により、第１刈取装置１０で刈り
取られた穀稈は各条毎に対応する挾持搬送装置１１で挾
持搬送されるのであり、規制部材２２を設けたがわの挾
持搬送装置１１においては、この規制部材２２によって
搬送穀稈の株元側部分が奥がわ、すなわち挾持レール１
８から遠ざかって無端回動チェーン１７に近づくがわに
いかないように規制されながらその穀稈の搬送がなされ
る。従って、その規制により、穀稈の株元側部分が無端
回動チェーン１７を案内するスプロケット２３，２４
や、駆動スプロケット２５に巻き込まれないようにでき
るとともに、第２刈取装置１２で株元がわを切断した後
の穀稈が無端回動チェーン１７から離脱した後で、その
穀稈がオーガ１３の中央箇所から離れる方向に移行しな
いようにも規制している。

【００１１】〔別実施例〕 上記実施例のように左右一対の無端回動チェーンを相
対向した状態で配設したものにおいて、全ての無端回動
チェーンに対して規制部材を設けるようにしても良い。 規制部材は上記実施例のように丸棒部材で構成したも
のの他に板金材を曲げ形成したもの等各種構造のものを
適用できる。

【００１２】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】全稈投入型コンバインを示す全体側面図

【図２】刈取前処理部を示す側面図

【図３】刈取前処理部の概略を示す平面図

【図４】挾持搬送装置を示す平面図

【図５】図４における挾持搬送装置のＡ−Ａ視断面図
（イ）と、Ｂ−Ｂ視断面図（ロ）

【符号の説明】

３ 脱穀装置 ５ 刈取前処理部 １０ 第１刈取装置 １１ 挾持搬送装置 １２ 第２刈取装置 １３ オーガ １７ 無端回動チェーン １８ 挾持レール ２２ 規制部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 穀稈の株元を刈り取る第１刈取装置（１
   ０）と、この第１刈取装置（１０）がわから挾持搬送装
   置（１１）で後方に搬送された穀稈の穂先部下部側を刈
   り取る第２刈取装置（１２）とを刈取前処理部（５）に
   設けるとともに、前記挾持搬送装置（１１）を穀稈の搬
   送経路で対向配置した挾持レール（１８）と無端回動チ
   ェーン（１７）とで構成してある全稈投入型コンバイン
   の穀稈搬送装置であって、 前記無端回動チェーン（１７）の穀稈挾持搬送経路の下
   方に、この穀稈挾持搬送経路に沿う状態で穀稈の稈身を
   挾持方向での変位を規制しながら摺動案内する規制部材
   （２２）を配設してある全稈投入型コンバインの穀稈搬
   送装置。
2. 【請求項２】 穀稈の株元を刈り取る第１刈取装置（１
   ０）と、この第１刈取装置（１０）がわから挾持搬送装
   置（１１）で後方に搬送された穀稈の穂先部下部側を刈
   り取る第２刈取装置（１２）とを刈取前処理部（５）に
   設けるとともに、前記挾持搬送装置（１１）を穀稈の搬
   送経路で対向配置した挾持レール（１８）と無端回動チ
   ェーン（１７）とで構成し、各条毎に無端回動チェーン
   （１７）で穀稈を後方に搬送するように、左右一対の穀
   稈挾持搬送経路を間に位置設定した状態で左右一対の前
   記無端回動チェーン（１７）を一組みとして複数組み配
   設し、かつ、前記第２刈取装置（１２）で刈り取られた
   後の穀稈の穂先部を機体横幅中央箇所に集めるオーガ
   （１３）を設け、このオーガ（１３）で刈幅中央側に寄
   せ集められた穀稈を後方の脱穀装置（３）に向けて搬送
   するフィードコンベア（１４）を刈取前処理部（５）に
   設け、かつ、前記各組みの左右一対の前記無端回動チェ
   ーン（１７）のうち、前記オーガ（１３）の中央箇所か
   ら遠いがわに位置する無端回動チェーン（１７）の穀稈
   挾持搬送経路の下方にのみ、この穀稈挾持搬送経路に沿
   う状態で穀稈の稈身を挾持方向での変位を規制しながら
   摺動案内する規制部材（２２）を配設してある全稈投入
   型コンバインの穀稈搬送装置。