JPH0613434U - コンバインの排藁放出位置変更装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンバインの刈取部を、畦際等の刈取ができ
るように平行移動可能に構成するとともに、排藁位置を
固定していると、刈取条と排藁位置が一致しないので、
圃場上の切り藁の散布が均一にならなくなるという事態
を解消する事を目的とする。 【構成】 刈取部Ａの左右平行移動に同調して、排藁チ
ェーン３及び排藁カッター装置４の流し樋６を、同方向
に回動するよう構成するものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、コンバインの排藁処理装置の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の殆どのコンバインにおいては、刈取部が車幅全面を刈り取る構造となっ ているが、小型コンバイン等においては刈取部が片側に偏った構造となっていた ので、畦際等では刈り残し条ができる場合があり、従来は機械を往復させる等に より対処していたのである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

そのため、刈取部を左右平行移動可能に構成する事によって、畦際等の刈取り を行う構成も公知であるが、このように刈取部が左右に平行移動しても、排藁放 出位置が固定されているので、ある条においては二重に排藁が放出されて、切り 藁が盛り上がり、また、ある条においては、排藁されないままとなるのである。 このように、刈り取り後の圃場上に切り藁を均等に散布することができず、例え ば、圃場に対する藁のすき込み量に偏りが生じたり、藁が腐敗しない等の不都合 を生じるのである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、以上の如き課題を解決するために、次のような構造となっているも のである。即ち、刈取部を左右にスライド可能とするコンバインにおいて、刈取 部の左右移動に同調して、排藁チェーン及び、機体後部に装着する排藁カッター 装置の流し樋を、同方向に回動したものである。

【０００５】

【作用】

刈取部Ａを左右いずれかに平行移動すると、該刈取部Ａと排藁チェーン及び排 藁カッター装置とを連結するベルクランク１１・１３及び連結ロッド１２を介し てワイヤ１４が移動し、排藁チェーン３及び排藁カッター装置４の流し樋６が同 方向に回動して、排藁位置が刈取部と同一方向に移動するものである。

【０００６】

【実施例】

本考案の解決すべき課題及び構成は以上の如くであり、次に添付の図面に示し た本考案の実施例を説明する。図１は刈取部Ａが標準位置Ｘにある場合のコンバ インの構成を示す平面図、図２は同じく排藁カッター装置部の後面図、図３は刈 取部Ａが左側Ｙ位置に平行移動した場合のコンバインの構成を示す平面図、図４ は同じく排藁カッター装置部の後面図、図５はコンバインの全体側面図である。

【０００７】 図５よりコンバインとその排藁装置の全体構成について説明する。コンバイン は、クローラ走行装置Ｇの上にフレームＦを装着し、その上に、左側上部を脱穀 部Ｂ、下部を選別部Ｃを構成し、その前方に刈取部Ａを配設している。また、右 側は前部を操縦部Ｄとし、後方をグレンタンクＥとしている。穀稈は、刈取部Ａ において刈り取られ、搬送されて、脱穀部Ｂのフィードチェーン１上に搬送され て、扱胴２にて脱穀され、穀粒等は選別部Ｃに落下して選別され、更にグレンタ ンクＥに搬送される。そして、脱穀された後の藁は、フィードチェーン１の後方 に接続する排藁チェーン３に搬送されるのである。排藁チェーン３の後端部の下 方には排藁カッター装置４が配設されており、排藁チェーン３より落下する藁を カッター５にて切断し、流し樋６に沿って落下させ、切り藁を圃場上に放出する のである。また、藁を切断しないままの状態で排出する時は、排藁チェーン３の 後方の脱穀部ボディの後面に設けられている排出口７を開けると、排藁チェーン ３にて搬送されてきた藁が、そのまま該排出口７より外部に放出される。

【０００８】 図１、図２にて刈取部の左右スライドに同調する左右スライド式排藁放出装置 の構成について説明する。刈取部Ａにおいて、８は分草板、９は刈刃であり、ま た、図５に示す如く、上部搬送装置１０等の穀稈搬送装置を有するものである。 Ｐは穀稈の刈取条を示す。該刈取部Ａは、畦際等においての刈り残し条を刈り取 るために左右スライド可能に構成しており、該刈取部Ａのフレーム部にベルクラ ンク１１を枢支する。そして、該ベルクランク１１の他端とベルクランク１３の 一端との間に連結ロッド１２を枢結する。該ベルクランク１３の他端はワイヤ１ ４に連結する。また、ベルクランク１１・１３は、各々回動軸１１ａ・１３ａに て枢支されている。ワイヤ１４の一端は排藁チェーン３に、他端は排藁カッター 装置４の流し樋６ａに連結し、そして、該流し樋６ａと反対側の流し樋６ｂとは リンク１５にて連結している。なお排藁チェーン３の駆動は、扱胴２よりユニバ ーサルジョイント１６を介して伝動されている。

【０００９】 以上のような構成において、図３、図４の如く、刈取部Ａを標準位置Ｘより左 側位置Ｙにスライドさせると、ベルクランク１１が回動して連結ロッド１２は後 方に押し出され、ベルクランク１３を介して、ワイヤ１４が左側に押し出される 。これにより、排藁チェーン３の後端側が左側に回動するとともに、該ワイヤ１ ４の他端により流し樋６ａが引っ張られ、下端が左側に広げられ、更にリンク１ ５を介して流し樋６ｂも左側に回動する。こうして、刈取部Ａの左側へのスライ ドに同調して、排藁チェーン３の後端が左側に移動するとともに、排藁カッター 装置の排藁位置が、標準位置Ｘ’より左側のＹ’位置に移動し、刈取直後の圃場 上に刈取幅位置に合わせて排藁を放出できるのである。なお、刈取部Ａを右側に 移動した場合は、同様にして排藁チェーン後端及び排藁カッター装置の排藁位置 が右側に移動するものである。但し、ベルクランク１３と排藁チェーン３の間は リンクにより連結されるか、或いは、スプリングにて排藁チェーン３が左側に付 勢されている。

【００１０】

【考案の効果】

本考案は、以上のように構成する事により、次のような効果を奏するものであ る。即ち、コンバインの刈取部の左右平行移動に同調して、排藁チェーン及び排 藁カッター装置の排藁放出位置が同方向に移動するので、刈取り直後の圃場上に 切り藁を刈取幅に合わせて落下させることができ、例えば、往復して刈取る場合 にも切り藁の偏りが発生せず、切り藁を圃場上に均等に放出することができるの である。

【図面の簡単な説明】

【図１】刈取部Ａが標準位置Ｘにある場合のコンバイン
の構成を示す平面図である。

【図２】同じく排藁カッター装置部の後面図である。

【図３】刈取部Ａが左側Ｙ位置に平行移動した場合のコ
ンバインの構成を示す平面図である。

【図４】同じく排藁カッター装置部の後面図である。

【図５】コンバインの全体側面図である。

【符号の説明】

Ａ 刈取部 ３ 排藁チェーン ４ 排藁カッター装置 ５ カッター ６ 流し樋 １１・１３ ベルクランク １２ 連結ロッド １４ ワイヤ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 刈取部を左右にスライド可能とするコン
   バインにおいて、刈取部の左右移動に同調して、排藁チ
   ェーン及び、機体後部に装着する排藁カッター装置の流
   し樋を、同方向に回動したことを特徴とするコンバイン
   の排藁放出位置変更装置。