JPH08151715A - Pc版取付部構造 - Google Patents

Pc版取付部構造

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Publication number
JPH08151715A
JPH08151715A JP12867595A JP12867595A JPH08151715A JP H08151715 A JPH08151715 A JP H08151715A JP 12867595 A JP12867595 A JP 12867595A JP 12867595 A JP12867595 A JP 12867595A JP H08151715 A JPH08151715 A JP H08151715A
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JP
Japan
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plate
force
sliding
displacement
anchor bolt
Prior art date
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Pending
Application number
JP12867595A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Nakao
好昭 中尾
Takeshi Morihata
武 森畑
Akira Kano
明 加納
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ISHIZAKI HONTEN KK
KAWACHIYOSHINARI SEKKEI JIMUSH
KAWACHIYOSHINARI SEKKEI JIMUSHO KK
Ishizaki Honten Co Ltd
Tsuru Gakuen
Original Assignee
ISHIZAKI HONTEN KK
KAWACHIYOSHINARI SEKKEI JIMUSH
KAWACHIYOSHINARI SEKKEI JIMUSHO KK
Ishizaki Honten Co Ltd
Tsuru Gakuen
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ISHIZAKI HONTEN KK, KAWACHIYOSHINARI SEKKEI JIMUSH, KAWACHIYOSHINARI SEKKEI JIMUSHO KK, Ishizaki Honten Co Ltd, Tsuru Gakuen filed Critical ISHIZAKI HONTEN KK
Priority to JP12867595A priority Critical patent/JPH08151715A/ja
Publication of JPH08151715A publication Critical patent/JPH08151715A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 PC版の剛性を有効活用することにより骨組
部材の必要断面を低減して建物全体のコストの低減化を
図るとともに、PC版の取付けられた建物全体として必
要な耐震強度を発揮する。 【構成】 PC版1にアンカ―ボルト3を設け、これに
摺動部材4を貫通配置するとともに、鉄骨軸組のはり部
材5に設けられた継手金具6の長孔611に、アンカ―
ボルト3を挿入した。長孔611は、はり部材5の長手
方向両側に所定長さとし、この長穴611に沿って継手
金具6とアンカ―ボルト3とが相対移動可能なように構
成した。そして、継手金具6と摺動部材4とを互いに接
触させてアンカーボルト3に対してナット32を締付け
た。この際、層せん断力の所定値までは継手金具6と摺
動部材4の層せん断力の作用方向に対するPC版1とは
り部材5bとの相対変位の発生を阻止するようにナット
32を締付けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、PC版(プレキャスト
コンクリ―ト板)を鉄骨軸組に取付けてカ―テンウォ―
ルの外壁や、間仕切り壁などを構成する取付部構造に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、PC版取付部構造としては、図3
1に示すようなものが知られている(例えば実公昭54
―20806号公報参照)。この構造では、PC版10
1下部が、このPC版101に一体的に取付けられた取
付金具102と、鉄骨軸組の下側はり部材105aに固
着された取付台座115との間に重ね合せた複数枚の敷
金104aを介在させた状態で、上記取付金具102と
敷金104aと取付台座115とにボルト113を貫通
させてナット114aを螺合することにより、上記下側
はり部材105aに取付けられ、また上記PC版101
上部が、このPC版101に埋め込まれたアンカ―ボル
ト103を、上側はり部材105bに溶着された継手金
具106に貫通させて継手金具106の表裏面にネオプ
レンゴム製の滑り部材104bを介してナット114b
を締付けることにより上側はり部材105bに取付けら
れている。
【0003】この構成において、上記取付金具102お
よび継手金具106には上記ボルト103,113の挿
通穴としてそのボルト径よりもかなり大きい内径の穴が
貫通形成され、しかも上記ナット114a,114bは
上記取付金具102や継手金具106が外れない程度の
比較的緩い締付け力により締められ、これによりPC版
101ははり部材105bに対して、地震発生時に作用
する層せん断力の作用方向にずれ易いように取付けられ
る。このため、上記層せん断力が鉄骨軸組に作用した場
合、鉄骨軸組の層間変位が積極的に許容され、上記鉄骨
軸組は上記取付部において上記層せん断力の作用方向に
ずれて層間変位を生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のPC版取付
部構造により形成されるPC版付き鉄骨造建物において
は、PC版101がはり部材105aの変形を積極的に
許容するように取付けられているために、地震力に対し
ては鉄骨軸組のみにより抵抗し、上記PC版101は遮
蔽、遮風、遮音および保温などのためにのみ上記鉄骨軸
組に取付けられている。
【0005】このため、鉄筋コンクリ―ト造で剛性の比
較的高いPC版101が耐震(耐振)のための構造部材
としては有効に活用されずに、鉄骨軸組の断面寸法が不
必要に大きくなり、コストの増大化の要因となってい
る。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、PC版の剛性を有効活用することにより
骨組部材の必要断面を低減することができ、建物全体の
コストの低減化を図ることができ、しかもPC版の取付
けられた建物全体として必要な耐震強度を発揮すること
ができるPC版取付部構造を提供することを目的として
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係るPC版取
付部構造は、PC版と、このPC版を取付ける骨組部材
と、両者間に配置されてこの両者を互いに接続する変位
抑制手段とを有し、上記PC版と骨組部材とは上記PC
版に作用する層せん断力の作用方向と直交する方向で互
いに相対向し、上記作用方向に摺動可能な摺動面を介し
て互いに接触し、上記変位抑制手段は、層せん断力の所
定値までは上記PC版と骨組部材との両者間で上記摺動
面に沿った相対変位の発生を阻止し、上記所定値を超え
ると上記相対変位の発生を許すように構成されてなるも
のである。
【0008】請求項2に係るPC版取付部構造は、請求
項1記載のPC版取付部構造において、上記変位抑制手
段が締付け手段により構成され、摺動面を互いに密着さ
せる方向に押圧力を加えることにより生じる摺動摩擦抵
抗力により相対変位の発生を阻止するように構成されて
なるものである。
【0009】請求項3に係るPC版取付部構造は、請求
項2記載のPC版取付部構造において、上記締付け手段
が、PC版に設けられた取付部と、骨組部材に設けられ
た取付部と、両者を貫通するボルトと、このボルトを締
付けるナットとから構成され、摺動面が上記両取付部間
の接触面により構成されるとともに、上記両取付部の一
方もしくは双方には上記ボルトの相対変位を許す長穴が
層せん断力の作用方向に貫通形成されているものであ
る。
【0010】請求項4に係るPC版取付部構造は、請求
項2記載のPC版取付部構造において、上記締付け手段
が、PC版から突出するように設けられたアンカ―ボル
トと、骨組部材に設けられ、上記アンカ―ボルトが貫通
配置された継手金具と、上記アンカ―ボルトに螺合する
ナットとから構成され、摺動面が上記継手金具とPC版
との接触面により構成され、上記継手金具には上記アン
カ―ボルトの相対変位を許す長穴が層せん断力の作用方
向に貫通形成されているものである。
【0011】
【作用】上記請求項1記載のPC版取付部構造によれ
ば、地震などにより骨組部材に層せん断力が作用した場
合、その層せん断力が所定値に達するまでは、PC版と
骨組部材の摺動摩擦抵抗力により骨組部材とPC版とが
一体化し、PC版が上記層せん断力に対して有効に抵抗
要素として機能する。一方、所定値以上の層せん断力が
作用すると、PC版と骨組部材との間に相対変位が生
じ、これによりPC版に過大な力が作用してPC版が破
壊されるとった事態の発生が防止されるとともに、この
ときのPC版と骨組部材との摺動により上記せん断力の
エネルギーが熱エネルギーに変換されて消費されるた
め、これにより地震等の振動に対する減衰作用が発揮さ
れる。
【0012】上記請求項2記載のPC版取付部構造によ
れば、締付け手段による押圧力に応じた摺動面における
摺動摩擦抵抗力でもってPC版と骨組部材の相対変位が
阻止される。そのため、この押圧力の大きさに基づいて
対層せん断力値が決定され、また振動に対する減衰率が
決定される。
【0013】上記請求項3及び4記載のPC版取付部構
造によれば、ナットボルトを用いた簡単な構成で上記締
付け手段を構成することが可能となる。
【0014】
【実施例】
第1実施例 図1および図2において、PC版1の本体部分11は従
来のものと同様の形状および大きさに形成され、このP
C版1にはその下部に取付金具2、上部にアンカ―ボル
ト3がそれぞれ後面12側(図1の右側,図2の手前
側)に突出するように一体的に取付けられている。
【0015】上記取付金具2は、横断面形状がL字状の
本体部21の前面側(図1の左側)にアンカ―プレ―ト
22、後面側(図1の右側)に2枚の補強リブ23がそ
れぞれ溶着されてなるものである。上記アンカ―プレ―
ト22がアンカ―筋13または図示しない主筋に溶着さ
れた状態でPC版1内に埋め込まれ、これによりこのP
C版1に一体的に固定されている。また上記アンカ―ボ
ルト3の突出端部31の基部には摺動部材4が貫通さ
れ、この摺動部材4はその表面41がPC版1の内面1
2からわずかに突出するように上記PC版1に埋め込み
固定されている。これにより上記表面41は上記PC版
1の後面12と互いに平行に配置される。
【0016】一方、H型鋼からなる鉄骨軸組のはり部材
(骨組部材)5には、その建物外面側に継手金具6が取
付けられている。上記継手金具6は垂下片部61と水平
片部62とから倒立したL字状に形成され、上記水平片
部62が上記はり部材5の上面に溶着されることによ
り、上記垂下片部61が上記建物外面側に垂下するよう
に設けられる。この垂下片部61には、上記アンカ―ボ
ルト3の突出端部31が貫通する長穴611(図2参
照)が貫通形成され、この長穴611は上記はり部材5
の長手方向両側に所定長さだけ延ばされ、この長穴61
1に沿って継手金具6とアンカ―ボルト3とが相対移動
可能なように構成されている。上記長穴611は後述す
る層間変位として所定値(例えば建物の階高の1/20
0の長さ)の変位を許すに十分な長さに設定される。
【0017】上記PC版1は、その上下部ではり部材5
に取付けられ、下部では取付金具2が上下に隣接するは
り部材5の下側はり部材5aの上面に溶着され、上部で
はアンカ―ボルト3が上側はり部材5bの継手金具6に
ナット32により固定され、これにより上下のはり部材
5a,5bの間を遮蔽する外壁が形成される(図4の1
点鎖線参照)。
【0018】上記PC版1の上部は、図3に示すように
垂下片部61の前面612と摺動部材4の表面41とを
互いに接触させた状態で、両者が互いに密着する方向に
ナット32によりあらかじめ所定の締付けトルクで締付
けられ、これによりはり部材5bに位置固定される。上
記ナット32による取付は、地震発生時に上記はり部材
5に作用する層せん断力Q(図2参照)の内、所定値ま
では垂下片部61の前面612と摺動部材4の表面41
との間の摺動摩擦抵抗力によって、上記層せん断力の作
用方向(図2の左右方向)に対してPC版1とはり部材
5bとが相対変位の発生を阻止する程度の軸方向圧縮力
が作用するように、その締付けトルクが設定される。つ
まり、摺動部材4の表面41に継手金具6の前面612
が押付けられて両者間に上記締付け力トルクと対応する
面圧力が作用し、この面圧力と上記両者間の摩擦係数を
乗じた接触摩擦抵抗力が後述する所定の層せん断力値Q
y(図6参照)と等しくなるようにナット32は締付け
られている。
【0019】すなわち図5に示すように上側はり部材5
bに層せん断力Qが作用した場合に、PC版1の下部が
下側はり部材5aに溶着により剛結されているために、
PC版1自体はその面方向への変形に対する抵抗力によ
り上記層せん断力Qに抵抗しようとする。ところが、上
記PC版1の上部は、垂下片部61と摺動部材4との摩
擦接合により取付けられているために、その摩擦抵抗力
を超える層せん断力が作用すると、両接触面が滑りを生
じ、上側はり部材5bは上記層せん断力の作用方向に移
動して両者の間に相対変位(層間変位)δが生じること
になる。
【0020】これを層せん断力と上記層間変位δとの関
係で表わした第6図に基づいて説明すると、層せん断力
値が零からQyまでの間では、PC版1自体が変形して
はり部材5bとともに、δ1の層間変位を生じる(図6
の線分OA参照)。ところが、上記層せん断力値Qyを
超えると、層せん断力が垂下片部61と摺動部材4との
間の摩擦抵抗力より大きくなるために、両者間で滑りが
生じることになる。この場合、はり部材5bのみがδ2
まで移動して鉄骨軸組自体の抵抗力と釣合い状態となる
(図6の線分AB参照)。そして上記層せん断力が逆方
向に作用するようになると、図6に線分BCで示すよう
に、上記層間変位の変化も逆方向となり、ついで線分D
C,DEを経て再び線分ABの過程を繰返すことにな
る。上記線分OAの傾きによってPC版1のばね定数K
0が表わされる。
【0021】本実施例では、上記ばね定数K0が図31
に示す従来の取付部構造による場合のPC版のほぼ10
倍以上程度の値となるように取付部の剛性が設定されて
いる。例えば上記従来の取付部構造による場合にはPC
版1枚当たりのばね定数がほぼ3000kg/cm以下(後
述する図28の実測例参照)であるのに対して、この実
施例では30000kg/cm以上となるように上記取付部
の剛性が設定される。
【0022】上記構成の取付部構造によりPC版1がは
り部材5に取付けられた建物において、地震動により上
側はり部材5bに層せん断力Qが作用すると、この層せ
ん断力値がQy(図6参照)に達するまでは、継手金具
6と摺動部材の摩擦抵抗力によって鉄骨軸組であるはり
部材5とPC版1とが一体化され、これによってPC版
1が上記層せん断力に対して有効に抵抗要素として機能
することになる。その結果、剛性効果、すなわち建物の
固有振動周期Tを短くして、建物の地震応答(変位)を
小さくする効果(図7)を得ることができる。
【0023】一方、上記層せん断力値が上記Qyを超え
ると継手金具6と摺動部材4との間で滑り(上側はり部
材5bとPC版1の相対変位)が発生し、これによって
りPC版1の破壊が防止される。しかも、継手金具6と
摺動部材4とが摺動することにより上記層せん断力のエ
ネルギーが熱エネルギーに変換されて消費されるため、
これにより地震等の振動に対する減衰作用が発揮される
ことになる。
【0024】したがって、取付部構造がはり部材の自由
な層間変位を許容する従来構造では、層せん断力への対
向要素としてのPC版の利用性が低いため、鉄骨軸組の
必要断面を大きくしてその剛性を高めることが要求され
るが、この実施例による構造では、上述のように、PC
版1が上記抵抗要素として有効に機能するため、PC版
1の剛性に相当する分だけ上記鉄骨軸組の剛性を低減す
ることが可能となる。そのため、鉄骨軸組の必要断面を
低減することが可能となり、その結果建物全体の建築コ
ストを低減させることができる。
【0025】しかも、継手金具6と摺動部材4に相対変
位が生じると、上述のように、継手金具6と摺動部材4
の摺動により、地震等の振動に対する減衰作用が発揮さ
れるため、これによって振動を早期に抑えることができ
るという利点がある。
【0026】上記第1実施例における下部取付部である
取付金具2の他の態様を以下に説明する。
【0027】イ.上記取付金具2は補強リブ23を2枚
設けているが、これに限らず、例えば1枚でも、3枚も
しくはそれ以上であってもよい。
【0028】ロ.上記取付金具2はアングル材と板材と
を溶着することにより形成しているがこれに限らず、例
えば鋳物などにより一体に形成してもよい。
【0029】ハ.図8に示すように取付金具2aを、ア
ンカ―プレ―ト22aおよび補強リブ23aが図1に示
すものより上方に長く形成されているように構成しても
よい。これにより下側はり部材5aとPC版1aとをよ
り強固に連結することができる。またこの場合、上記補
強リブ23aに、これと互いに直交する面板24aを溶
着することにより、取付金具2aと下側はり部材5aと
の取付部におけるPC版1aの横倒れ防止を図ってもよ
い。
【0030】ニ.図9に示すようにPC版1bの本体部
分11bと、上記図8に示す補強リブ23aに相当する
部分23bとを一体的に形成し、上記補強部分23bの
下部に埋め込んだ金具2bと下側はり部材5aとを溶着
するようにしてもよい。なお上記補強部分23bの厚
み、すなわちPC版1bの幅方向の形成範囲は、そのP
C版の全幅の一部であっても全部であってもよい。
【0031】第2実施例 図10および図11には上側はり部材5bとPC版1c
との上部取付部についての第2実施例が示されている。
なお以下に説明する第2実施例から第5実施例までは、
いずれも下部取付部を第1実施例と同じに構成し、上部
取付部のみを変化させたものである。
【0032】この第2実施例におけるPC版1cには、
1つの継手金具6cに対して一対のアンカ―ボルト3c
が所定間隔を隔てて設けられ、これら一対のアンカ―ボ
ルト3cの間の中央部に摺動部材4cが埋め込まれてい
る。上記アンカ―ボルト3cは、押えはり部材7の両端
部を貫通し、ナット32によって上記押えはり部材7が
取付けられる。この押えはり部材7の中央部には、押え
部71がPC版1c側に突出形成され、この押え部71
と摺動部材4cとの間に継手金具6cの垂下片部61c
を挟み込むようにしている。すなわちナット32を締付
けることにより、押え部71が垂下片部61cを摺動部
材4c側に押圧し、これにより上記垂下片部61cと摺
動部材4cとの間に所定の面圧力が作用した状態で両者
が密着するようにしている。
【0033】このような第2実施例の構造においても、
上記第1実施例の構造と同様の作用効果を得ることがで
きる。すなわち、層せん断力が所定値に達するまでは、
摺動部材4cと垂下片部61cの摩擦抵抗力により上側
はり部材5bとPC版1cとが一体化しており、PC版
1cが層せん断力に対して抵抗要素として有効に機能
し、これにより剛性効果が得られる。一方、所定値以上
の層せん断力が作用すると、PC版1cと上側はり部材
5bとの間に相対変位が生じ、これによりPC版1cの
破壊が防止されるとともに、摺動部材4cと垂下片部6
1cの摺動により、振動に対する減衰作用が発揮され
る。
【0034】第3実施例 図12〜図14には第3実施例が示されている。この第
3実施例では、継手部がはり部材5bに溶着される継手
金具6dと、その補助金具7dとから構成され、PC版
1dには上記継手金具6d用のアンカ―ボルト30d
と、上記補助金具7d用の一対のアンカ―ボルト31d
と、これらアンカ―ボルト30d,31dの基部に摺動
部材40d,41dとが設けられている。
【0035】上記補助金具7dは、層せん断力の作用方
向 (図13および図14の左右方向)に長く形成された板
状部材で、その中間部に上記継手金具6dが上記作用方
向に移動可能に収容される凹部71d、両端部に上記ア
ンカ―ボルト31dが貫通配置される長穴72dがそれ
ぞれ形成されたものである。上記凹部71dには、上記
摺動部材40dが上記作用方向に相対移動可能に貫通配
置される長穴711dが貫通形成され、また上記凹部7
1dの上記作用方向両端面(当止面)712dが上記継
手金具6dと互いに当止するように形成されている。
【0036】つまり層せん断力がまず継手金具6dと摺
動部材40dとの間の摺動面に作用することにより上記
継手金具6dが滑って上記端面712dと当たると、つ
ぎに上記層せん断力が補助金具7dを介して伝達されて
この補助金具7dと摺動部材41dとの間の摺動面に作
用するように構成されている。そして上記アンカ―ボル
ト30dのナット32dと、アンカ―ボルト31dのナ
ット33dとは互いに異なる締付けトルクにより締付け
られ、これにより互いに異なる2種類の摩擦抵抗力が生
じるようにされる。例えば継手金具6dのナット32d
の締付けトルクを中小地震動と対応する摩擦抵抗力に設
定し、両側のナット33dの締付けトルクを大地震動と
対応する摩擦抵抗力に設定すればよい。
【0037】この構造によれば、継手金具6dと摺動部
材40dの間の滑りと、補助金具7dと摺動部材41d
の間の滑りがそれぞれ異なる大きさの層せん断力に応じ
て発生する。そのため、比較的小さなせん断力が作用す
る場合(中小地震動)には、継手金具6dと摺動部材4
0dの間に滑りが生じることによって小さな力に応じた
減効効果が得られ、大きなせん断力(大地震動)が作用
すると、さらに補助金具7dと摺動部材41dの間に滑
りが生じることによって大きな力に応じた減衰効果が得
られる。この場合も、各金具6d,7dと摺動部材40
d,41dの間にそれぞれ滑りが発生するまでは、はり
部材5bとPC版1dとが一体化して、PC版1dが層
せん断力に対して有効に抵抗要素として機能しており、
これによって剛性効果が得られる。
【0038】つまり、上記第1及び第2実施例の構造で
は、設定された1つの層せん断力値Qyを基準としてP
C版の滑りが発生するため、例えば、中小地震動、ある
いは大地震動のいずれかの地震動に対してしか減衰作用
を発揮させることができないが、第3実施例の構造によ
れば、上述のように複数の地震動に対して減衰作用を発
揮させることができる。そのため、この点において上記
第1あるいは第2実施例に比して有利となる。
【0039】なお上記第3実施例における他の態様を以
下に説明する。
【0040】イ.上記第3実施例では、継手部を、継手
金具6dの他に1つの補助金具7dを組合せて構成して
いるが、これに限らず、例えば図15に示すように2つ
の補助金具7d,7e、あるいは3つ、4つの補助金具
を組合せて構成してもよい。この場合には、3種類、4
種類もしくは5種類の地震動に対する減衰効果を得るこ
とができる。
【0041】ロ.上記第3実施例における継手金具6d
と補助金具7dの凹部端面712dとの間の隙間に粘弾
性物もしくは塑性物などによる振動吸収部材を充填して
もよい。また単に充填するのではなく、例えば図16に
示すように継手金具6d側に位置固定プレ―ト61dな
どにより振動吸収材部材81を継手金具6d側に取付
け、この振動吸収部材81の先端縁が凹部端面712d
と接触するように配置すればよい。この場合にはナット
32dの締付けトルクを比較的小さくするか、またはス
ラストベアリングを介して締付けることなどにより、微
小振幅の振動に対しても上記振動吸収部材81の変形抵
抗による減衰効果を得ることができ、風や機械設備可動
などによる建物の振動防止を図ることができる。
【0042】第4実施例 図17および図18には第4実施例が示されている。こ
の第4実施例のPC版1fに一対の反力部14fをこれ
がはり部材5b側に突出するように設け、この一対の反
力部14fに一対の油圧シリンダ91が互いに相対向す
るようにその基部を位置固定し、この油圧シリンダ91
のロッド先端を継手金具6の両側端と接触させている。
この継手金具6を挟んだ両側の油圧シリンダ91は、第
19図に示すように油圧ポンプ92と接続され、この油
圧ポンプ92は制御手段93によって制御されている。
この制御手段93は、層間変位センサ―94と接続さ
れ、この層間変位センサ―94からの相対変位に基づい
てこの相対変位を打消すように上記油圧ポンプ92の駆
動を制御する。
【0043】この第4実施例によれば、層間変位に抵抗
する力を能働的に加えることができ、継手金具6と摺動
部材4との摩擦抵抗力による受働的作用を補助して建物
の振動をより有効に減ずることができる。つまり、地震
等による層せん断力の所定値までは、継手金具6と摺動
部材4の摩擦抵抗力によりPC版1fとはり部材5bが
一体化されこれにより剛性効果が得られる。そして、層
せん断力が上記所定値を超えてPC版1fとはり部材5
bとの間に相対変位が生じると、当該変位を消滅させる
方向に油圧シリンダ91の加圧力が作用し、これにより
地震動に対する減衰作用が発揮される。この際、継手金
具6と摺動部材4の摺動によっても地震動に対する減衰
作用が発揮されるため、これらの減衰作用により効果的
に地震動が抑えられる。
【0044】なお上記第4実施例における他の態様を以
下に説明する。
【0045】イ.上記第4実施例では、層間センサ―9
4により検出される層間変位に基づいて油圧ポンプ92
を制御しているが、これに限らず、例えばロ―ドセルな
どのセンサ―により検出した層間せん断力に基づいてそ
の相対力を打消すように油圧ポンプを制御してもよい。
【0046】ロ.上記第4実施例では、1つの継手金具
を両側から一対の油圧シリンダにより挟んで構成してい
るが、これに限らず、例えば図20に示すように互いに
相反する方向に向くようにその基部がPC版1gの反力
部14gに固定された一対の油圧シリンダ91aを一対
の継手金具6の間に配置し、この一対の油圧シリンダ9
1aのロッド先端が継手金具6の互いに相対向する端面
に接触するように構成してもよい。
【0047】ハ.上記第4実施例において、ナットとア
ンカ―ボルトとを単に連結するだけにしてもよい。これ
によれば、一対の油圧シリンダにより層間変位もしくは
層せん断力を直接減ずるように継手金具に力が加えられ
ることによって、地震動に対する減衰効果が得られる。
つまり、第1実施例の構造が、継手金具と摺動部材の摺
動により減衰作用を発揮するのに対して、上記構造では
油圧シリンダによる加圧力によって減衰作用が発揮され
る。
【0048】ニ.上記第4実施例では、加力手段として
油圧シリンダを用いているが、これに限らず、例えばエ
アシリンダや機械式ジャッキなどを用いてもよい。
【0049】第5実施例 図21および図22には第5実施例が示されている。こ
の第5実施例におけるPC版1hには、加力作用部15
hがはり部材5b側に突出するように上記PC版1hと
一体的に設けられている。そしてはり部材5bには一対
の反力部51hが所定間隔で溶着され、この反力部51
hに一対の油圧シリンダ91bが互いに相対向するよう
に固定され、上記加力作用部15hと一対の油圧シリン
ダ91bとは、この油圧シリンダ91bのロッド先端に
より上記加力作用部15hが挟まれるように配置され
る。
【0050】この第5実施例における一対の油圧シリン
ダ91bは、その油圧ポンプが第4実施例のそれと同様
に制御手段93(図19参照)により制御され、このた
め上記加力作用部15hには層間変位もしくは層せん断
力を直接減ずるような力が作用する。これにより上記油
圧シリンダ91bを変位抑制手段として建物の振動を直
接的に減少させることができる。
【0051】第6実施例 図23および図24には第6実施例が示されている。こ
の第6実施例は、PC版を外壁としてではなく、間仕切
り壁としてはり部材5c,5dに取付ける場合を示した
ものである。この場合の上側はり部材5cには、その下
端面に継手プレ―ト6iが垂下するように溶着され、ま
たPC版1iには、その上端部に2枚1組のアンカ―プ
レ―ト3iが一体的に取付けられ、これら両者は上記ア
ンカ―プレ―ト3iに貫通形成された長穴31iを貫通
するボルト32iにナット33iがねじ込まれることに
より取付けられる。このナット33iは第1実施例と同
様に、所定の締付けトルクにより締付けられている。
【0052】また下側はり部材5dとPC版1iとは、
このPC版1iに一体に埋め込まれ、下端面から突出さ
れた取付金具2iを、上記下側はり部材5dに溶着する
ことにより剛結されている。
【0053】この第6実施例において、PC版1iを間
仕切り壁としてはり部材5c,5dに取付ける場合に
も、所定の層せん断力値Qy(図6参照)までは、この層
せん断力に対して鉄骨軸組の他に上記PC版1iも有効
に抵抗し、上記層せん断力値Qyを超えると、上記継手
プレ―ト6iとアンカ―プレ―ト3iとの間で滑りを生
じることになる。
【0054】つまり、第6実施例では、間仕切り壁とし
てのPC版1iとはり部材5c,5dとの取付部におい
て、第1実施例と同様の効果、すなわち地震等の層せん
断力に対する剛性効果と、振動に対する減衰効果とが得
られるようになっている。
【0055】第7実施例 図25および図26には、間仕切り壁としてのPC版1
jと、はり部材5eとの取付部構造の他の態様例として
第7実施例が示されている。この第7実施例は、外壁と
してPC版を使用する場合における第3実施例(図13
および図14参照)に相当する場合を示したもので、複
数種類の地震動に対して減衰効果を発揮する構成が示さ
れている。
【0056】この第7実施例では、継手部がはり部材5
eに溶着された継手金具6jと、その補助金具7jとか
ら構成され、またPC版1jには上記両金具6j,7j
を取付けるアンカ―プレ―ト3jが一体的に設けられて
いる。
【0057】上記補助金具7jは、層せん断力の作用方
向(図25および図26の左右方向)に長く形成された
板状部材で、その中間部に上記継手金具6jを上記作用
方向に移動可能に収容する凹部71jが形成されたもの
である。またアンカ―プレ―ト3jには、上記継手金具
6jと補助金具7jの両端部との3箇所を連結する3本
のボルト30j,31jが貫通配置する長穴32j,3
3jが形成されている。そして上記ボルト30jにナッ
ト34j、ボルト31jにナット35jがそれぞれねじ
込まれ、これらナット34jと35jとは互いに異なる
所定の締付けトルクにより締付けられる。
【0058】この第7実施例において、所定値以上の層
せん断力がまず継手金具6jとアンカ―プレ―ト3jと
の接触面に作用することにより上記継手金具6jが滑っ
て補助金具7jの凹部71jの端面に当たると、つぎに
上記層せん断力が補助金具7jを介してこの補助金具7
jとアンカ―プレ―ト3jとの間の接触面に上記層せん
断力が伝達される。したがってこの第7実施例によれ
ば、第3実施例と同様に、2種類の地震動に対する減衰
効果を得ることができる。また、粘弾性、塑性物質など
の振動吸収部材を用いることにより微小振幅の振動に対
しても減衰効果を得ることが可能となる。
【0059】第8実施例 さらに図27には間仕切り壁としてPC版1iを用いる
場合の、外壁として用いる場合の第4実施例(図20参
照)に相当する第8実施例が示されている。すなわち、
この第8実施例では、アンカ―プレ―ト3iと継手プレ
―ト6iとにより互いに連結されるPC版1iの上部両
側の取付部の間に、一対の油圧シリンダ91cをそのロ
ッド先端が上記アンカ―プレ―ト3iと接触するように
互いに相反する方向に配置し、この一対の油圧シリンダ
91cを上側はり部材5fに設けた反力部51fに固定
している。
【0060】そして上記油圧シリンダ91cに接続した
図示しない油圧ポンプを上記アンカ―プレ―ト3iに生
じる層間変位、もしくは上記アンカ―プレ―ト3iに作
用する層せん断力を打消すように作動制御することによ
り、間仕切り壁としてのPC版1iとはり部材5fとの
取付部において、第4実施例と同様の効果を得ることが
できる。すなわち、地震等の層せん断力により例えば、
PC版1fとはり部材5bとの間に相対変位が生じる
と、当該変位を消滅させる方向に油圧シリンダ91の加
圧力が作用し、これにより地震動に対する減衰作用が発
揮される。
【0061】なお上記第1〜第8の実施例において共通
する他の態様を以下に説明する。
【0062】イ.上記実施例では、1つの長穴に対して
1本のアンカ―ボルトを貫通配置した場合を示したが、
これに限らず、例えば1つの長穴に対して2本以上のア
ンカ―ボルトを貫通配置してもよい。
【0063】ロ.上記実施例では、1箇所の取付部に対
して長穴とアンカ―ボルトとを1組ずつ設けるように構
成しているが、これに限らず、1箇所の取付部に対して
例えば2組以上設けるようにしてもよい。
【0064】ハ.上記実施例では、アンカ―ボルトに対
してナットを所定の締付けトルクで単にねじ込んだ図例
を示したが、これに限らず、例えばスプリングワッシャ
―を介在させたり、割りピンを挿入したり、あるいはダ
ブルナットを用いたりすることによりナットの回転防止
を図ってもよい。またナットを所定の締付けトルクによ
り締付けた後に、上記ナットとアンカ―ボルトとを溶着
することにより緩み止めを図ってもよい。
【0065】ニ.上記実施例では、継手金具をL字状の
部材を用いて構成しているが、これに限らず、例えばチ
ャンネル部材を用いて構成してもよい。
【0066】ホ.上記実施例では、PC版の下部の取付
金具を下側はり部材に溶着することにより剛結している
が、これに限らず、PC版の下部をも上部と同様な取付
構造を適用してもよい。
【0067】〔計算例〕この発明による取付部構造と、
従来の取付部構造(図31参照)とを用いた2つの鉄骨
造17階建て建物について、代表的地震波(El Centro
NS波)を用いてこれに対する弾性応答計算を行った。
なお本願発明による取付構造としては図1に示す第1実
施例のものを用い、層せん断力値Qyを30000kgに
設定した。PC版としては両者共、幅1.7m,高さ
3.6m,厚さ15cmの一般的なPCカ―テンウォ―ル
部材を想定した。また上記弾性応答計算をするにあた
り、従来取付部構造による場合のPC版のばね定数を載
荷試験により求めた。この結果、従来取付部構造の場合
のばね定数が図28に示すようにPC版1枚当たり30
00kg/cmであった。また、本願取付部構造の場合のば
ね定数を計算によって求めると、PC版1枚当たりほぼ
30000kg/cmとなる。
【0068】上記弾性応答計算の結果を図29に示す。
この結果によれば、従来取付部構造では層せん断力に対
してPC版を除いた鉄骨軸組のみが抵抗するために建物
の頂部変位が図29に破線Xで示すように地震の加速度
にほぼ比例して増大する。そしてほぼ140 Galで弾性
限界(同図1点鎖線Y参照)を超える。これに対して本
願取付部構造では、同図に曲線Zで示すように大地震に
相当する300 GALでは弾性限界の頂部変位のほぼ1/
2の頂部変位で済むとともに、弾性応答のほぼ1/4と
なっている。なお従来取付部構造における頂部変位は、
図29に2点鎖線X´で示すように、上記弾性応答値
(破線X参照)とほとんど同じ応答値であり、この構造
による耐震効果は認められない。したがって本願取付部
構造は、従来取付部構造よりも建物の振動を低減するこ
とができるということができる。
【0069】なおこの結果から本願取付部構造による設
計例では、鉄骨軸組の鉄骨重量をほぼ5%低減すること
ができる。
【0070】図30は、本願取付部構造において、一定
のばね定数K0に対して設定する層せん断力値Qyを変化
させた場合の地震応答計算結果を示したものである。こ
れによれば、変位を最小にするQyの値(Qyo)が存在
することがわかる。したがってばね定数K0設定に対応
して層せん断力値Qyを上記Qyoとして設定すればよ
い。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のPC版取
付部構造では、PC版とこれを取付ける骨組部材とを摺
動面を介して互いに接触させ、変位抑制手段により、作
用する層せん断力が所定値に達するまではPC版と骨組
部材との両者間で上記摺動面に沿った相対変位の発生を
阻止する一方、上記所定値を超えると上記相対変位の発
生を許すように構成したので、層せん断力が所定値に達
するまでは、PC版と骨組部材とを一体化させてPC版
の剛性を地震などによる振動に対する抵抗要素として有
効活用することができ、その分だけ骨組部材の強度を低
減させることができる。そのため、骨組部材の必要断面
の低減化、コストの低減化を図ることができる。しか
も、所定値以上の層せん断力に対してはPC版と骨組部
材との間に滑りが生じるために、上記PC版に過大な外
力が作用することを確実に防止することができ、これに
よってPC版の損傷を防止することができるとともに、
PC版と骨組部材との間の滑りによって地震動等の振動
に対する減衰作用が発揮されるため、これにより建物に
伝達された振動を早期に抑えることができる。
【0072】また、このようなPC版取付部構造におい
て、変位抑制手段をボルトナットを用いた締付け手段に
よって構成するようにすれば、上述の作用効果を簡単な
構成で達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のA―A線における断面説明図である。
【図2】この発明の取付部構造の第1実施例を示す背面
説明図である。
【図3】図1の上部の取付部の拡大断面図である。
【図4】建物の鉄骨軸組の正面説明図である。
【図5】1枚のPC版に層せん断力が作用した場合の挙
動を模式的に示す正面説明図である。
【図6】PC版の復元力特性を示す説明図である。
【図7】建物の固有振動周期と地震応答との関係図であ
る。
【図8】第1実施例の下部取付部の他の態様を示す断面
説明図である。
【図9】第1実施例の下部取付部の他の態様を示す断面
説明図である。
【図10】図11のB―B線における断面説明図であ
る。
【図11】第2実施例を示す図3に相当する図である。
【図12】第3実施例を示す図3に相当する図である。
【図13】図12のC―C線における断面説明図であ
る。
【図14】図13のD―D線における断面説明図であ
る。
【図15】第3実施例の他の態様を示す図14に相当す
る図である。
【図16】第3実施例の他の態様を示す補助金具の凹部
端面の拡大断面説明図である。
【図17】第4実施例の図13に相当する図である。
【図18】図17のE―E線における断面説明図であ
る。
【図19】第4実施例の油圧シリンダの制御を示す正面
説明図である。
【図20】第4実施例の他の態様を示す図18に相当す
る図である。
【図21】第5実施例のPC版の背面説明図である。
【図22】図21のF―F線における断面説明図であ
る。
【図23】第6実施例を示す正面説明図である。
【図24】図23のG―G線における断面説明図であ
る。
【図25】第7実施例を示す正面説明図である。
【図26】図25のH―H線における断面説明図であ
る。
【図27】第8実施例を示す正面説明図である。
【図28】水平方向荷重と水平方向変位との関係図であ
る。
【図29】地震の加速度と頂部変位との関係図である。
【図30】層せん断力と頂部変位との関係図である。
【図31】従来の取付部構造を示す図1に相当する図で
ある。
【符号の説明】
1,1a〜1j PC版 2,2a〜2i 下部取付金具 3,3a〜3c アンカ―ボルト 4,4c,40d,41d 摺動部材 5,5a〜5e はり部材 6,6c,6d 継手金具 6i,6j 継手プレ―ト 7d,7e 補助金具 30d,31d アンカ―ボルト 30j,31j,32i ボルト 32,32d,33d,33i,34j,35j ナッ
ト 31i,72d,611,711d 長穴 81 衝撃吸収部材 91,91a〜91c 油圧シリンダ 93 制御手段 712 凹部の端面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森畑 武 広島市東区戸坂南1丁目7番19号 (72)発明者 加納 明 広島県呉市焼山中央5丁目14番19号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PC版と、このPC版を取付ける骨組部
    材と、両者間に配置されてこの両者を互いに接続する変
    位抑制手段とを有し、上記PC版と骨組部材とは上記P
    C版に作用する層せん断力の作用方向と直交する方向で
    互いに相対向し、上記作用方向に摺動可能な摺動面を介
    して互いに接触し、上記変位抑制手段は、層せん断力の
    所定値までは上記PC版と骨組部材との両者間で上記摺
    動面に沿った相対変位の発生を阻止し、上記所定値を超
    えると上記相対変位の発生を許すように構成されている
    ことを特徴とするPC版取付部構造。
  2. 【請求項2】 上記変位抑制手段が締付け手段により構
    成され、摺動面を互いに密着させる方向に押圧力を加え
    ることにより生じる摺動摩擦抵抗力により相対変位の発
    生を阻止するように構成されていることを特徴とする請
    求項1記載のPC版取付部構造。
  3. 【請求項3】 上記締付け手段が、PC版に設けられた
    取付部と、骨組部材に設けられた取付部と、両者を貫通
    するボルトと、このボルトを締付けるナットとから構成
    され、摺動面が上記両取付部間の接触面により構成され
    るとともに、上記両取付部の一方もしくは双方には上記
    ボルトの相対変位を許す長穴が層せん断力の作用方向に
    貫通形成されていることを特徴とする請求項2記載のP
    C版取付部構造。
  4. 【請求項4】 上記締付け手段が、PC版から突出する
    ように設けられたアンカ―ボルトと、骨組部材に設けら
    れ、上記アンカ―ボルトが貫通配置された継手金具と、
    上記アンカ―ボルトに螺合するナットとから構成され、
    摺動面が上記継手金具とPC版との接触面により構成さ
    れ、上記継手金具には上記アンカ―ボルトの相対変位を
    許す長穴が層せん断力の作用方向に貫通形成されている
    ことを特徴とする請求項2記載のPC版取付部構造。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019039244A (ja) * 2017-08-28 2019-03-14 株式会社竹中工務店 外装部材取付方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5318648U (ja) * 1976-07-28 1978-02-17

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