JPH0815065B2 - 半導体装置のイオン注入装置及びその注入方法 - Google Patents

半導体装置のイオン注入装置及びその注入方法

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JPH0815065B2
JPH0815065B2 JP62183855A JP18385587A JPH0815065B2 JP H0815065 B2 JPH0815065 B2 JP H0815065B2 JP 62183855 A JP62183855 A JP 62183855A JP 18385587 A JP18385587 A JP 18385587A JP H0815065 B2 JPH0815065 B2 JP H0815065B2
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【発明の詳細な説明】 [概要] 本発明は半導体装置のイオン注入装置及びその注入方
法、特に半導体基板にAs+やB+イオン等の正イオンを注
入する装置及びその注入方法に関し、 絶縁マスク部分のイオンによるチャージアップ現象を
取り除き、絶縁破壊を無くし、半導体基板に所定のイオ
ン注入することを目的とし、 被注入部分及び絶縁マスク部分からなる被照射対象に
イオンを注入するイオンビームを照射するイオン発生源
と、前記被照射対象の絶縁マスク部分を、その厚さ方向
全体にわたり導電化するエネルギーを有する荷電ビーム
を照射する荷電ビーム発生源と、前記被照射対象、イオ
ン発生源及び荷電ビーム発生源を格納する真空容器から
成り、 前記被照射対象にイオンビームと絶縁マスク部を通り
抜けるエネルギーの荷電ビームとを同時に照射し、絶縁
マスク部分をイオン注入時のみ導電化して、被注入部分
に所定のイオンを注入する方法を含み構成する。
[産業上の利用分野] 本発明は半導体装置のイオン注入装置及びその注入方
法に関し、更に詳しく言えば半導体基板にAs+やB+等の
正イオンを注入する装置及びその方法に関するものであ
る。
[従来技術] 第3図は従来例に係る説明図である。
同図(a)は半導体装置のイオン注入装置を説明する
図であり、図において、1は正イオンを中和するための
電子ビーム2を照射する電子銃、2は電子ビーム、2aは
二次電子、2bは反跳電子、3はビーム電流測定用のファ
ラデーカップ、4は正イオンビーム、5は半導体基板内
に正イオンを注入する正イオンビーム4を照射するイオ
ン発生源、6は被注入部分6a及び絶縁マスク部分6bから
なるシリコン基板(被照射対象)である。更にこれら全
体が真空容器(不図示)により覆われている。
同図(b)は、半導体装置のイオン注入方法に係る説
明図であり、シリコン基板6上に設けられた絶縁膜6bの
開口部を介して、正イオンビーム4によりシリコン基板
6の被注入部分6aにイオン注入する図である。
図において、絶縁マスク6bに到達した正イオン4aは、
その表面に蓄積して帯電し、チャージアップ現象により
シリコン基板6の負電荷6cを誘導し、絶縁破壊7や電流
集中による破壊8を起す。
このため従来では、電子銃1から出射した電子ビーム
2をファラデーカップ3に衝突させて生じる低エネルギ
ー(10eV程度以下)の二次電子(低速電子)2aにより、
この絶縁マスク6bに到達した正イオン4aを中和して、チ
ュージアップ現象を抑制している。
[発明が解決しようとする問題点] ところで従来例によれば、絶縁マスク6bに帯電した正
イオン4aを中和するために、電子ビーム2を調整して二
次電子2aを制御している。しかし、二次電子2aの他にフ
ァラーデーカップ3に直接反射した高エネルギー(10〜
数100eV程度以上)の反跳電子(高速電子)2bが絶縁膜6
bに到達する。このため、第3図(c)に示すようにそ
の絶縁膜6bの表面付近に負電荷6cが蓄積して帯電し、シ
リコン基板6中の正電荷6dを誘導し、絶縁マスク部分6b
に絶縁破壊7や電流集中による破壊部分8を招く。
これにより、MOSトランジスタのソースやドレイン、
バイポーラトランジスタのコレクタ等の大電流イオン注
入を絶縁マスクの破壊なしにすることができないという
問題がある。
本発明はかかる従来の問題点に鑑み創作されたもので
あり、絶縁マスク部分のイオンによるチャージアップ現
象を取り除き、絶縁破壊を無くし半導体基板に所定のイ
オン注入をすることを可能とする半導体装置のイオン注
入装置及びイオン注入方法の提供を目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明の半導体装置のイオン注入装置及びその注入方
法をその一実施例として第1、2図に示すようにその装
置は、被注入部分16aび絶縁マスク部分16bからなる被照
射対象16に所定イオンを注入するイオンビーム14を照射
するイオン発生源15と、前記被照射対象16の絶縁マスク
部分16bを、その厚さ方向全体にわたり導電化するエネ
ルギーを有する荷電ビーム12を照射する荷電ビーム発生
源11と、前記被照射対象16、イオン発生源15及び荷電ビ
ーム発生源11等を格納する真空容器(不図示)とにより
構成することを特徴とする半導体装置のイオン注入装置
を特徴とし、 その方法は被注入部分16a及び絶縁マスク部分16bから
なる被照射対象16にイオンビーム14を照射すると同時
に、前記絶縁マスク部分16bをその厚さ方向全体にわた
り導電化するエネルギーの荷電ビーム12を前記被照射対
象16全面に照射し、前記絶縁マスク部分16bを導電化し
て、前記被注入部分16aに所定イオンを注入することを
特徴とする半導体装置のイオン注入方法を特徴とし、上
記目的を達成する。
[作用] 本発明によればイオンビームの照射と同時に、荷電ビ
ームを被照射対象の全面に照射することにより絶縁マス
ク部分16bは荷電粒子が注入されて導電化する。このた
め、イオンビームが絶縁マスク部分に到達しても、ある
程度の導電性を有しているのでチャージアップ現象が発
生せず、基板にほぼ垂直に抜ける電流として、その電荷
を膜厚方向に流出させることが可能となる。
[実施例] 次に図を参照しながら本発明の実施例について説明す
る。
第1図は本発明の実施例に係る半導体装置のイオン注
入装置を説明する図である。図において、11は被照射対
象16の絶縁マスク部分を導電化する荷電ビーム12を照射
する電子銃又は軽イオンビーム発生源である。
また、12は電子ビーム又は軽イオンビームから成る荷
電ビームであり、絶縁マスク部分を透過可能のエネルギ
ーを有するとともに、シリコン基板中で不活性、ダメー
ジの少ない電子(e-)、水素イオン(H+)及びヘリウム
イオン(He+)等である。
13は、ビーム電流測定の為のファラデーカップであ
る。
また、14は半導体基板の所定の位置にイオン注入する
ためのイオンビーム、15はAs+やB+等の所定のイオンを
発生するイオン発生源である。なお、16は被注入部分16
a及び絶縁マスク部分16bからなる半導体基板(被照射対
象)である。これ等全体を真空容器中に格納することに
より構成する。
第2図は本発明の実施例に係る半導体装置のイオン注
入方法を説明する図である。
同図(a)はシリコン基板16上に正イオンビーム14と
電子ビーム又は軽イオンビーム12を照射した状態を示す
断面図である。図において、シリコン基板16上の絶縁マ
スク部分16bは正イオンビーム14と同時に電子(e-)、
水素イオン(H+)またはヘリウムイオン(He+)等の荷
電ビーム12によって照射されている。なお、荷電ビーム
12の照射エネルギーは絶縁マスク部分の厚さtに対する
注入の深さ(Rp+2ΔRp)との間にt<(Rp+2ΔRp)
の関係を有する値とする。なお、Rpはガウス分布に従う
イオンの平均注入深さ、ΔRpはその標準偏差である。
同図(b1)は縦軸に電気抵抗率R、横軸に膜厚方向の
距離lをとった抵抗率分布であり、荷電ビーム12が照射
されない場合を示している。
また同図(b2)は、絶縁マスク部分16bに荷電ビーム1
2が照射されている間導電領域を形成する図を示してい
る。この図に示すように、荷電ビーム12を照射して絶縁
マスク部分16bの抵抗率Rを小さくすることにより、絶
縁マスク部分16bに到達した正イオンビーム14の電荷
は、電流17となって膜厚方向に流出する。
このようにして、例えばシリコン基板16上に微小開口
部を持ったレジストマスク16b(膜厚1μm)に正イオ
ンビーム(As+イオン、100keV、5×1015cm-2、10mA程
度)14を照射すると共に、荷電ビーム(電子(e-)、10
keV、20mA程度)12を照射し、レジストマスク16bを導電
化し絶縁破壊なしに所定のAs+イオンを注入することが
可能となる。また、正イオンビーム14と共に軽イオンビ
ーム(水素イオン(H+)50keV、10mA程度)12を照射
し、絶縁破壊なしに所定のAs+イオンを注入することが
可能となる。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、絶縁マスク部分
のイオンビームによるチャージアップ現象が発生しない
ので、所定のマスク機能を維持することができる。
これにより、MOSトランジスタのソースやドレイン、
バイポーラトランジスタのコレクタ等の大電流イオン注
入を絶縁破壊なしに所定のイオンを注入することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に係る半導体装置のイオン注入
装置を説明する図、 第2図は本発明の実施例に係る半導体装置のイオン注入
方法を説明する図、 第3図は従来例に係る説明図である。 (符号の説明) 1……電子銃、11……電子銃又は軽イオンビーム発生
源、2……電子ビーム、12……電子ビーム又は軽イオン
ビーム、3,13……ファラデーカップ、4,14……イオンビ
ーム、5,15……イオン発生源、6,16……Si基板(被照射
対象) 7……絶縁破壊部分、8……電流集中による破壊部分、
2a……二次電子、2b……反跳電子、6a,16a……絶縁マス
ク部分、6b,16b……被注入部分、6c……負電荷、6d……
正電荷、17……電流、t……絶縁マスクの膜厚、Rp+2
ΔRp……導電化する領域の深さ、l……膜厚さ方向の距
離。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被注入部分及び絶縁マスク部分からなる被
    照射対象に所定イオンを注入するイオンビームを照射す
    るイオン発生源と、 前記被照射対象の絶縁マスク部分を、その厚さ方向全体
    にわたり導電化するエネルギーを有する荷電ビームを照
    射する荷電ビーム発生源と、 前記被照射対象、イオン発生源及び荷電ビーム発生源を
    格納する真空容器とにより構成することを特徴とする半
    導体装置のイオン注入装置。
  2. 【請求項2】被注入部分及び絶縁マスク部分からなる被
    照射対象にイオンビームを照射すると同時に、 前記絶縁マスク部分をその厚さ方向全体にわたり導電化
    するエネルギーの荷電ビームを前記被照射対象全面に照
    射し、前記絶縁マスク部分を導電化して、 前記被注入部分に所定イオンを注入することを特徴とす
    る半導体装置のイオン注入方法。
  3. 【請求項3】前記荷電ビームが電子(e-)、水素イオン
    (H+)及びヘリウムイオン(He+)であることを特徴と
    する特許請求の範囲第2項に記載の半導体装置のイオン
    注入方法。
  4. 【請求項4】前記荷電ビームのエネルギーがイオンビー
    ムのエネルギーよりも低く、かつ導電化する領域の深さ
    (Rp+2ΔRp)と絶縁マスク部分(16b)の膜厚(t)
    との間にt<Rp+2ΔRpの関係を有する値であることを
    特徴とする特許請求の範囲第2項に記載の半導体装置の
    イオン注入方法。
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