JPH0654649B2 - イオン注入装置 - Google Patents

イオン注入装置

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JPH0654649B2
JPH0654649B2 JP62135677A JP13567787A JPH0654649B2 JP H0654649 B2 JPH0654649 B2 JP H0654649B2 JP 62135677 A JP62135677 A JP 62135677A JP 13567787 A JP13567787 A JP 13567787A JP H0654649 B2 JPH0654649 B2 JP H0654649B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、イオン注入装置に関する。
(従来の技術) 一般に半導体集積回路の形成の為、イオン源で発生する
不純物イオンを高電界で加速して半導体基板内に打ち込
む半導体の特性を決めるイオン注入処理が行なわれてい
る。このようなイオン注入装置では、正に帯電したイオ
ンを加速して半導体ウエハ等の目標物に衝突させ、この
目標物内に不純物をドーピングする。このため加速され
た正イオンの衝突時に目標物から電子が叩き出され、目
標物が正に帯電しイオン注入量が不均一になったり、こ
の正電荷が目標物の絶縁体部分に蓄積され静電破壊を起
こしたり、叩き出された電子の分だけイオンの注入量が
捕捉できなくなる場合がある。
そこで、従来のイオン注入装置では電子シャワー法等に
より目標物に電子を供給して目標物の帯電を防止するよ
う構成されたものがあり、また、イオン注入量を正確に
測定する装置の例として特開昭61-227357号公報に開示
されたものがある。
これによると、図示しないイオンビーム発生装置から射
出されたイオンビーム(1)は図示しない加速電極により
最終エネルギーまで加速され、図示しない質量分析器で
制御される磁界により所望の正イオンのみが選択され
て、図示しない偏向系の磁界により走査され、ファラデ
ーカップ(2)を通過し載置台(3)上に保持された半導体ウ
エハ(4)等の目標物に照射される。そして、正のイオン
ビーム(1)打ち込みにより半導体ウエハ(4)から発生した
負の2次電子(5)が電源(6)を備えた電磁石(7)の磁界の
働きにより導電材製ファラデーカップ(2)内に戻され
る。このことで、2次電子(5)はファラデーカップ(2)外
に飛び出すことがなく、半導体ウエハ(4)に戻されるか
ファラデーカップ(2)に取り込まれるので、電流計(8)で
正確にイオンの打つ込み量を測定することができ、半導
体ウエハ(4)に2次電子(5)の一部が戻されることにより
半導体ウエハ(4)の帯電が多少緩和される。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら上述の従来のイオン注入装置では、イオン
ビーム(1)が2次電子(5)抑圧用電磁石(7)の磁界の中を
通過するため、図示しない質量分析器で選択されたイオ
ンの一部が失なわれたり発散したりし、また、図示しな
い偏向系で制御される走査速度やイオン注入角度が微妙
に変化する。その結果、イオン注入量や注入深さが不均
一となったり、イオンが不足したり、イオンの質が所望
のものとならない等の問題があった。
なおかつ、2次電子(5)を導電材製ファラデーカップ(2)
内に戻すだけでは、ファラデーカップ(2)に取り込まれ
る2次電子(5)も多く、半導体ウエハ(4)に蓄積される正
電荷が十分に中和されず、半導体ウエハ(4)の帯電によ
る静電破壊が発生し、しかも、イオンビーム(1)がウエ
ハ(4)に蓄積された正電荷により偏向されるをいう問題
があった。
また、2次電子(5)を戻す為に電磁石(7)等を用いる為、
装置が大型・高価格化するという問題もあった。
本発明は、上記点に対処してなされたもので、所望のイ
オンを半導体ウエハ等目標物に均一で正確に注入し、目
標物の帯電による静電破壊を防止したイオン注入処理の
できるイオン注入装置を提供するものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、イオンビームを目標物に照射してイオンを注
入するイオン注入装置において、前期目標物の前面側に
配置され筒状体内にイオンビーム入射行路が形成された
行路管と、この行路管の内壁面に設けられた絶縁材とか
ら構成されたことを特徴とする。また、前期絶縁材はシ
リコンであることを特徴とする。また、前期行路管のイ
オン入射側には、負電圧が印加された電極が設けられた
ことを特徴とする。また、前期行路管は方形状であるこ
とを特徴とする。
(作 用) 本発明のイオン注入装置では、半導体ウエハ等目標物の
周辺が絶縁材で包まれる構成とすることにより、イオン
注入時に放出されたマイナスの2次電子が絶縁材表面に
蓄積して絶縁材表面に負電界を形成し、さらに放出され
るマイナスの2次電子を反撥して目標物にもどす。この
結果、イオンビームに影響を与えず、目標物上の蓄積正
電荷によるイオンビームの偏向を防止し、正確なイオン
打ち込み量測定ができ、目標物の帯電による静電破壊を
十分に防止可能とするものである。
(実施例) 以下本発明のイオン注入装置を図面を参照して実施例に
ついて説明する。
図示しないイオンビーム発生装置から射出された例えば
ボロンやヒ素などの不純物のイオンビーム(11)は、図示
しない加速電極により例えば80KVの電圧で最終エネルギ
ーまで加速され、図示しない質量分析器例えばアナライ
ザーマグネットの磁界を用いて所望の正イオンのみが取
り出され、図示しない偏向系例えばスキャンマグネット
やアングルコレクターマグネットにより所望の走査速度
と注入角度に設定される。
そして、載置台(12)例えばアルミ製ディスクには、上記
イオンビーム(11)が照射される如く目標物例えば半導体
ウエハ(13)が設けられている。
また、半導体ウエハ(13)の周辺を取り囲む様に方形筒状
で内壁面上に絶縁材(14)例えばシリコンや酸化アルミニ
ウムなどの絶縁膜が形成された行路管例えばファラデー
カップ(15)が設けられている。このファラデーカップ(1
5)のイオンビーム(11)入射端には、イオン注入時に発生
した2次電子(16)をファラデーカップ(15)内に戻す如く
電極(17)が設定されている。
尚、半導体ウエハ(13)に流れるイオン注入量をイオン電
流として計るように電流計(18)が接続設置されている。
次に、上述したイオン注入装置による半導体ウエハのイ
オン注入方法を説明する。
所望の選択設定し加速した正のイオンビーム(11)はファ
ラデーカップ(15)を通過し載置台(12)に保持された半導
体ウエハ(13)へ注入する。この工程において、イオンビ
ーム(11)が半導体ウエハ(13)に衝突することにより、半
導体ウエハ(13)から2次電子(16)を発生する。そして、
この2次電子(16)はファラデーカップ(15)内壁面上に設
けられた絶縁材(14)表面にランディングする。そして、
電荷をもたない初期状態では、上記2次電子(16)が絶縁
材(14)表面に負電荷が蓄積増加する。しかし、発生した
2次電子(16)の有すエネルギーの最大値即ちウエハ基板
表面電位同電位例えば100eV に等しい電位まで絶縁材(1
4)表面負電圧が上昇すると絶縁材(14)表面の負電界によ
って反撥し、第2図に示す如く2次電子(14)は半導体ウ
エハ(13)に帰還する。そして、イオン注入時に半導体ウ
エハ(13)上に蓄積された正イオン電荷(21)は帰還した2
次電子により中和され、半導体ウエハ(13)の電荷蓄積が
軽減する。その結果、半導体ウエハ(13)等の目標物の静
電破壊を防止することができ、ウエハ(13)上に蓄積する
正イオン電荷(21)によるイオンビーム(11)の偏向を防止
でき、正確で均一なイオン注入をすることができる。
また、ファラデーカップ(15)から飛び出そうとする2次
電子も電極(17)をファラデーカップ(15)に対して例えば
-1000V程度に加圧することにより、ファラデーカップ(1
5)内を通って半導体ウエハ(13)に帰還され、ウエハ(13)
の正イオン電荷(21)と中和する。
さらに、2次電子(16)がファラデーカップ(15)から吸収
されずに目標物である半導体ウエハ(13)に戻ることか
ら、電流計(18)によりイオンビーム(11)のイオン電流が
正確に測定できる為に、イオン打ち込み量も正確に把握
できる。
以上で、正確なイオン打ち込みができ、目標物である半
導体ウエハ(13)の静電破壊を防止し、均一なイオン注入
が終了する。
上記実施例では、ファラデーカップ(15)より飛び出す2
次電子(16)を戻す手段として高電圧をかけた電極(17)を
用いたが、他の実施例である第3図に示す如く、ファラ
デーカップ(15)内側絶縁材(31)でイオンビーム(11)入射
側端を閉じ、そこにイオンビーム(11)入射用スリット孔
(32)を設けて、絶縁材(31)表面の蓄積負電界によって2
次電子(16)を半導体ウエハ(13)に戻してもよい。
また、上記実施例の絶縁材(14)の材質をシリコン又は酸
化アルミニウムとしたが、不純物を含まない絶縁性材質
ならなんでもよく、上記実施例に限定されるものでない
ことは言うまでもない。
以上述べたようにこの実施例によれば、イオン注入時に
発生する負の2次電子を、半導体ウエハの周辺を絶縁材
で構成することにより絶縁材表面に蓄積される負電界で
半導体ウエハに帰還させ、正のイオンビームによるウエ
ハ上の正電荷を中和することにより、イオン注入量を正
確に測定でき、ウエハ上に蓄積される正電荷による静電
破壊とイオンビームの偏向を防止することができ、均一
なイオン注入を行うことができる。
〔発明の効果〕
上述のように、本発明によれば、目標物の帯電による静
電破壊とイオンビームの偏向を防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のイオン注入装置の構成図、第2図は第
1図における電荷の動きを示す図、第3図は第1図にお
ける他の実施例構成図、第4図は従来のイオン注入装置
の構成図である。 図において、 11……イオンビーム、12……載置台 13……半導体ウエハ、14,31……絶縁材 15……ファラデーカップ、16……2次電子 17……電極、18……電流計 21……正イオン電荷、32……スリット孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオンビームを目標物に照射してイオンを
    注入するイオン注入装置において、 前期目標物の前面側に配置され筒状体内にイオンビーム
    入射行路が形成された行路管と、 この行路管の内壁面に設けられた絶縁材とから構成され
    たことを特徴とするイオン注入装置。
  2. 【請求項2】前期絶縁材はシリコンであることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載のイオン注入装置。
  3. 【請求項3】前期行路管のイオン入射側に負電圧が印加
    された電極が設けられたことを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載のイオン注入装置。
  4. 【請求項4】前期行路管は方形状であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載のイオン注入装置。
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