JPH08148677A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JPH08148677A
JPH08148677A JP6285635A JP28563594A JPH08148677A JP H08148677 A JPH08148677 A JP H08148677A JP 6285635 A JP6285635 A JP 6285635A JP 28563594 A JP28563594 A JP 28563594A JP H08148677 A JPH08148677 A JP H08148677A
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JP
Japan
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depth
ion
ion implantation
impurity
substrate
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JP6285635A
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English (en)
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Tomohiro Yuki
知弘 結城
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Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
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  • Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)
  • Element Separation (AREA)
  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、良好な電気特性を備えた接合を制
御性良く形成することを目的とする。 【構成】 接合形成に際して、まず導電性に寄与しない
イオンを結晶領域に対しイオン注入し、基板の表面から
一定の深さD1まで非晶質化する。次に該結晶領域の導
電型とは反対の導電性を付与する不純物イオンを、単独
に該結晶領域にイオン注入した場合に前記D1より浅い
深さD2の非晶質層を形成する条件下で、D1より深い
深さD3の実効的不純物分布を形成するようにイオン注
入する。この後、アニールを行い、非晶質層を再結晶化
するとともに、不純物を活性化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン注入法を用いて
基板に所望の特性の半導体製造装置の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の高集積化に伴い、横方向の
微細化に合わせて深さ方向の微細化の要請も高まってい
る。pチャンネルトランジスタ、あるいはnチャンネル
トランジスタのソース/ドレイン層についてもより浅い
接合の形成技術の開発が必要である。
【0003】トランジスタのソース/ドレイン領域は、
一般にイオン注入法により形成される。イオン注入法
は、所望の導電型の不純物を基板にイオン注入する工程
と、その後、熱アニールを行い、イオン注入で非晶質化
した層を再結晶化させ、注入した不純物を電気的に活性
化させる工程を含む。
【0004】最近、浅い接合の形成の為、チャネリング
を抑制する方法が検討されている。チャネリングとは、
イオン注入の際、注入イオンが基板原子と大きな衝突を
することなく基板結晶格子の隙間を通り基板に深く進入
することである。チャネリングが起こると浅い接合を形
成することは難しい。
【0005】チャネリングを抑制する為には、例えば、
イオン注入を2段階で行う方法が検討されている。1回
目のイオン注入で基板表面を非晶質化する。この後2回
目のイオン注入で所望の導電性を付与するイオンを注入
する。非晶質層に注入されたイオンはチャネリングを起
こさない。この為、2回目のイオン注入時のチャネリン
グを抑制できる。
【0006】一方、浅い接合は、接合の浅さのみなら
ず、低いコンタクト抵抗、低いリーク電流といった良好
な電気特性をあわせ持つことが要求される。例えば、非
晶質層と基板の結晶層との境界(以下、a/c界面と呼
ぶ。)は、アニール後も完全には再結晶化されず結晶欠
陥が集積し易い。特に、空乏層内の結晶欠陥は、接合部
の電気的リークを引き起こす等、電気特性に影響を及ぼ
す。そこで、これらの結晶欠陥が接合近傍や低不純物濃
度領域に形成されないよう欠陥が発生する位置を不純物
拡散領域内に収める方法等が検討されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】チャネリングは、予め
基板表面層を非晶質化する方法を用いることで抑制する
ことができる。しかし、非晶質層は再結晶化させる必要
があり、再結晶化のアニール工程で別の問題が発生する
場合がある。
【0008】従来の方法で作成した接合部の不純物分布
を解析した結果、チャネリングとは異なる「増速拡散」
という現象がアニール時に起こっていることが観察され
た。「増速拡散」とは、不純物がいわゆる拡散方程式に
従った拡散速度より速く拡散してしまう現象である。非
晶質層に存在する過剰空格子の結晶中への熱拡散が、不
純物の拡散を増速させるためと考えられている。結果的
に不純物分布の制御が難しくなる。また、深い不純物分
布を形成してしまい易い。接合形状を正確に制御する為
には、増速拡散の発生を抑制する必要がある。
【0009】また、良好な電気特性を得る為には、a/
c界面等に発生する積層欠陥や、再結晶層に発生するヘ
アピンディスロケーション等の欠陥を減らすことが望ま
れる。
【0010】本発明の目的は、良好な電気特性を備えた
接合を制御性よく形成する半導体装置の製造方法を提供
することである。本発明の他の目的は、電気的特性に優
れた浅い接合を形成する半導体装置の製造方法を提供す
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置の製
造方法は、導電性に寄与しないイオン種を基板内の第1
導電型の結晶領域に対しイオン注入し、該結晶領域の表
面から深さD1までの非晶質層を形成する第1の工程
と、前記第1導電型と逆の第2導電型の導電性を付与す
る原子量もしくは分子量が16以上の不純物を、D1よ
り深い実効的不純物分布深さの不純物分布領域を形成す
るように前記非晶質層を通してイオン注入する第2の工
程と、該基板を加熱して前記非晶質層を再結晶化し前記
不純物を活性化して、第2導電型領域を形成する第3の
工程と、を有する半導体装置の製造方法であって、前記
深さD1が、前記導電性を付与する不純物を前記第2の
工程と同一条件で前記結晶領域にイオン注入した場合に
形成される非晶質層深さD2よりも深く、前記導電性を
付与する不純物を前記第2の工程と同一条件で表面に非
晶質層が形成された基板にイオン注入した場合に形成さ
れる実効的不純物分布深さD3よりも浅いことを特徴と
する。
【0012】尚、本願明細書中でいう実効的不純物分布
深さとは、イオン注入した導電性を付与する不純物濃度
とイオン注入される領域(背景)の不純物(キャリア)
濃度が等しくなっている深さを意味する。具体的には、
nチャンネルMOSトランジスタの場合は、イオン注入
するドナー不純物濃度と例えばp型ウェル中のアクセプ
タ不純物濃度とが等しくなっている深さである。また、
pチャンネルMOSトランジスタの場合は、イオン注入
するアクセプタ不純物濃度と例えばn型ウェル中のドナ
ー不純物濃度とが等しくなっている深さである。
【0013】
【作用】非晶質層内に不純物をイオン注入すると、不純
物のチャネリングを抑えることができる。
【0014】非晶質層を貫通して深く不純物をイオン注
入すると活性化アニールの際、増速拡散が生じてしま
う。a/c界面を越えて結晶層中へ拡散する空格子が、
不純物の拡散速度を増速拡散させる為と考えられる。し
かし、不純物イオン注入工程において、a/c界面を越
え結晶層内に入る不純物量を低減すると、不純物の増速
拡散を抑制できる。
【0015】また、不純物イオン注入直後に実効的不純
物分布深さがa/c界面の深さよりも深くなるように調
整することで、アニール条件に依存することなく確実に
a/c界面をpn接合より内側の不純物分布領域に収め
ることができる。よって、a/c界面に発生する欠陥が
電気的特性に与える影響を抑制できる。
【0016】
【実施例】1)接合部のシャロー化 半導体装置の高集積化に伴い、横方向の微細化とともに
浅い接合の形成(シャロー化)に対する要請が高まって
いる。例えば、0.5μmルール以下(ゲート長が0.
5μm以下)のトランジスタを形成するには、0.1〜
0.2μmの接合深さを持つソース/ドレイン層が必要
だといわれている。この為、高精度の不純物添加技術が
望まれる。
【0017】CMOS(complementary metal-oxide-se
miconductor )半導体装置における接合の位置について
図を用いて説明する。図2は、CMOS半導体装置のn
チャンネルトランジスタ部分のみを取り出した構造の一
例を示す断面図である。
【0018】図2に示すように、基板11の表面層には
所定の深さのp型ウェル1が形成されp型ウェル1の両
側の基板表面には、LOCOS(局部シリコン酸化:lo
caloxidation of silicon)工程により得られた厚いフ
ィールド酸化膜12a,12bが形成されている。
【0019】さらに、厚い酸化膜12aと12bの間の
活性領域表面上には、薄いゲート酸化膜13を挟みP
(燐)を高濃度にドープした多結晶Si膜14とその上
のWSi膜15で形成されるポリサイド構造のゲート電
極が形成されている。ゲート電極の両側面は、SiO2
のサイドスペーサ16により覆われている。
【0020】ゲート電極とフィールド酸化膜12a、1
2bの間の基板表面層の浅い部分には、n型不純物が高
濃度にドープされた不純物拡散層17a、17bが形成
されている。不純物拡散層17a、17bは、それぞれ
nチャンネルトランジスタのソース/ドレイン領域とし
て機能する。このn型不純物拡散領域17a、17bと
p型ウェルの境界にpn接合が形成されている。「接合
の深さ」は、一般に表面からの不純物分布幅によって決
まる。
【0021】尚、n型不純物濃度がp型ウェル濃度と一
致し、電気的に中性状態となる位置を接合部とする。勿
論p型とn型を入れ換えてもよい。ゲート長の短いMO
Sトランジスタのソース/ドレイン領域が深いと、チャ
ンネル領域の深い部分にもパンチスルーによってキャリ
アが注入され、ゲート電圧で制御することが難しくな
る。
【0022】尚、図2に示すように、以上に説明したフ
ィールド酸化膜12a、12bおよびゲート電極を覆う
ように層間絶縁膜18が形成され、層間絶縁膜18中の
開口を介してソース/ドレイン領域17a、17bに配
線層19が接続され、基板全面を覆ってパッシベーショ
ン膜20が形成されている。
【0023】2)従来の接合形成方法 イオン注入を用いて接合を形成するには、不純物イオン
を注入する工程と、注入した不純物を活性化する為のア
ニール工程とが必要である。浅い接合を形成する為に
は、イオン注入の加速電圧の低減、イオン注入角度の傾
斜化等によりイオン注入の深さを浅くする方法や、アニ
ール工程の熱処理温度の低温化によって熱拡散を抑制す
る方法がある。しかし、これらの方法には実用上限界が
あり、シャロー化の要請に十分答え得るものではなかっ
た。
【0024】そこで現在、チャネリングの抑制によるシ
ャロー化(接合深さを浅くすること)が試みられてい
る。結晶基板にイオン注入を行うと、一部の注入イオン
は基板原子と大きな衝突をすることなくチャネルとよば
れる結晶格子の隙間を通って基板に深く進入してしま
う。このような現象をチャネリングと呼ぶ。浅い接合を
形成する為には、チャネリングの発生を抑制することが
有効である。
【0025】チャネリングを抑制する方法としては、イ
オン半径の大きいイオンの選択や、表面を非晶質化する
プリイオン注入等が試みられている。注入イオンの径が
大きくなると結晶の隙間を通り抜けにくい為、イオン半
径の大きい注入イオンの選択はチャネリングを抑制す
る。また、半径の大きい(質量の大きい)粒子は、半径
の小さい粒子と較べ、同一加速電圧でイオン注入した場
合、イオン注入深さを浅くする効果も有する。
【0026】また、プリイオン注入で、基板表面を予め
非晶質化すると、非晶質化された領域には、そもそもチ
ャネリングが発生する結晶格子の隙間が存在しなくな
る。この為、非晶質層にイオン注入された不純物はチャ
ネリングを起こしにくい。なお、プリイオン注入に用い
られるイオン種としては、導電性を付与する不純物、導
電性に寄与しない中性不純物のいずれも用いられてい
る。
【0027】接合のシャロー化は、同時に良好な電気特
性を兼ね添えるものでなければ実用に値しない。イオン
注入で接合を形成する場合、イオン注入時に形成された
非晶質層ともとの結晶状態が残っている結晶層の界面
(a/c界面)には、アニール時に結晶欠陥が発生して
しまうことが多い。良好な電気特性を得る為には、この
欠陥が電気特性に与える影響を取り除くことが好まし
い。
【0028】従来は、例えば、不純物分布深さをa/c
界面より深くすること等でその影響を抑制していた。こ
のような従来技術による接合の形成方法の一例を図3を
参照して説明する。なお、接合の形成工程を理解し易い
ように、図3には、図2の不純物拡散領域17a、17
bに対応する部分のみを示した。
【0029】図3(A)で示すようにp型ウェルもしく
はn型ウェルが形成されているSi基板の結晶領域1の
表面層に導電型に寄与しないイオン種2、例えば基板構
成元素と同じSi+ イオンを注入する。このプリイオン
注入工程により、基板表面より一定の深さD1までが非
晶質層3となり、基板結晶との境界にa/c界面4が形
成される。以下、プリイオン注入により形成されたa/
c界面はa/c(1) 界面と呼ぶ。なお、非晶質層が再結
晶化された場合にもa/c(1) 界面のあった位置はa/
c(1) 界面と呼ぶこととする。
【0030】図3(B)に示すように、所望の導電性を
付与するイオン(不純物)種5をイオン注入し、イオン
注入層6を形成する。非晶質層へのイオン注入は、チャ
ネリングを生じない。基板表面より深さDx までの領域
が非晶質化される。こうして新たにa/c(1) 界面4よ
り深い位置にa/c界面7が形成される。即ち、a/c
界面7が、結晶領域であった深さDx の位置に形成さ
れ、a/c(1) 界面4は新たな非晶質層の中に含まれ判
別できなくなる。また、この時の実効的不純物分布は、
a/c界面より深く拡がり深さDy に達する。ここで、
実効的不純物分布深さとは、該結晶領域のウェル濃度と
イオン注入された不純物濃度が等しく、電気的に中性と
なる位置を示す。
【0031】図3(C)に示すように加熱処理により、
非晶質のイオン注入層6を再結晶化し、イオン注入され
た不純物を活性化させ、表面から深さDz の不純物拡散
層8を形成する。一般的には800℃から1000℃の
温度範囲で基板加熱処理を行う。
【0032】a/c界面には、欠陥が発生し易いが、こ
れらの欠陥は、実効的不純物分布中に存在している為、
電気特性に与える影響は抑制される。
【0033】3)従来方法で形成された接合部の問題点 上述の従来の接合形成方法に従って、実際にnチャンネ
ルトランジスタのソース/ドレイン領域を作成した。具
体的に使用した条件は、以下の通りである。まず、Si
+ イオンを加速電圧30KeV、ドーズ量5.0×10
14ions/cm2 、注入角度7度の条件で、Si基板
に注入し、a/c界面が深さ約0.058μmの位置に
ある非晶質層を形成した。次に、不純物イオンであるP
+ (燐)イオンを加速電圧20KeV、ドーズ量1.0
×1015ions/cm2 、注入角度7度の条件で先に
非晶質化した基板表面に注入した。最後に、RTA(ra
pid thermal annealing )装置を用い、基板をN2 雰囲
気中で10秒で850℃まで昇温し、850℃で10秒
間保持する条件でアニールを行った。
【0034】作成した接合の深さを確認する為、SIM
S(2次イオン質量分析法)を用いて深さ方向の不純物
分布を測定した。結果を図4に示す。横軸に基板表面か
らの深さ、縦軸にP(燐)濃度を示した。
【0035】図4中αは、P+ イオン注入直後のP分
布、βは、アニール後のP分布をそれぞれ示す。P+
オン注入によりa/c界面が深さ約0.065μmの位
置に形成される。P+ イオン注入直後においては、チャ
ネリングが抑制され、基板表面から0.1μm程度の深
さまでしかPは分布していない。しかし、アニール後、
不純物であるPはa/c界面を境に結晶質領域で大きく
膨らむ濃度分布を示す。最終的な分布深さは、通常の熱
拡散から予想される深さを越え、基板表面から0.2μ
m近くまで達する。
【0036】アニール工程での不純物の深い拡散は、通
常の熱拡散で説明されるものではなく、「増速拡散」が
起こっている為と予想される。ここで用いたPのように
それ自身のイオン注入で非晶質層を形成可能な、原子量
もしくは分子量16以上の不純物を用いて接合を形成す
る場合、一般に「増速拡散」の発生が伴う。従来、チャ
ネリングを抑制する為に、種々の検討が行われてきてい
たが、「増速拡散」を抑制する方法は知られていない。
しかし、「増速拡散」を抑制できれば、原子量もしくは
分子量16以上の不純物を用いた場合にも、不純物分布
の制御がより容易となると共に、より浅い接合の形成が
可能となる。
【0037】図5は、従来方法で非晶質層を再結晶化し
た基板の断面のTEM写真を示す。a/c界面より表面
側の2か所にヘアピンディスロケーションと呼ばれるヘ
アピン状ないしは松葉状の欠陥の発生が観察された。ま
た、a/c界面には、積層欠陥と思われる影が見られ
た。これらの欠陥は、いずれもpn接合内に存在する
為、電気特性への影響はある程度抑制されるが、より良
好な電気特性を得る為には欠陥数を減ずることが望まし
い。
【0038】即ち、良好な電気特性の接合形成の為に
は、従来方法で再結晶層中ないしa/c界面に発生する
各種欠陥の発生を防止し、さらに発生した欠陥は減少さ
せることが望まれる。
【0039】4)実施例による増速拡散を抑制する接合形
成方法 増速拡散を抑制する為の接合形成工程を以下に提案す
る。このプロセスは、図1で示す3工程を含む。なお、
図1は図3と同様、不純物添加領域のみを取り出してそ
の断面図を示したものである。
【0040】図1(A)に示すように、導電性に寄与し
ないイオン種2をp型ウェルもしくはn型ウェルが形成
されている基板の結晶領域1に対しイオン注入する。こ
のプリイオン注入工程により、非晶質層3が形成され、
基板表面からD1の深さにa/c界面4ができる。
【0041】この深さD1は、後工程で導電性を付与す
るイオン種(不純物)を後工程のイオン注入条件と同一
条件で基板の結晶領域1にイオン注入した場合に形成さ
れる非晶質層深さD2(この時に形成されるa/c界面
をa/c(2) 界面と呼ぶ)よりも深く、導電性を付与す
るイオン種を後工程と同一条件で前基板の結晶領域1に
イオン注入した場合に形成される実効的不純物分布深さ
D3より浅くする。尚、プリイオン注入工程で形成され
るa/c界面は、a/c(1) 界面と呼ぶ。
【0042】図1(B)に示すように16以上の原子数
を持ち、結晶領域の導電型とは反対の導電型の導電性を
付与するイオン種5をイオン注入し、イオン注入層6を
形成する。プリイオン注入後に行う不純物イオンの注入
によってa/c界面の位置はa/c(1) 界面のまま変化
せず、不純物の分布のみがa/c界面位置を越え、深さ
y まで達する。この深さDy は、深さD3と等しくな
る。
【0043】図1(C)に示すように、基板を加熱して
熱処理により非晶質層を再結晶化するとともに、不純物
を活性化する。さらに熱拡散により深さDz の不純物拡
散層7を形成する。
【0044】以上の接合形成方法に沿った具体的なイオ
ン注入条件の選択例を図6を用いて次に説明する。例え
ば、p型の不純物濃度6×1016/cm3 の結晶領域中
に導電性付与イオンであるP+ (燐)イオンを、イオン
加速電圧20KeV、ドーズ量1×1015ions/c
2 、イオン注入角7度の条件でSi基板の結晶領域に
注入すると、深さ(D2)約0.065μmの非晶質層
が形成される。又、同一条件で表面に非晶質層が形成さ
れた領域にイオン注入すると、深さ(D3)約0.12
μmの実効的不純物分布深さを有する不純物分布領域が
形成される。このP+ イオン注入条件では、上述した第
2の工程である不純物イオン注入を行うとすると、上述
の接合形成方法におけるプリイオン注入の条件は、次の
ように、求められる。
【0045】導電性に寄与しないSi+ イオンを各条件
でSi基板にイオン注入した際形成されるa/c界面
(a/c(1) 界面)の深さを図6中に示した。図6の横
軸はイオン加速電圧、縦軸は基板表面からの深さを示
す。ドーズ量5×1014ions/cm2 、イオン注入
角7度を固定条件とし、イオン加速電圧のみを変化させ
ている。D1はバルク側に形成されたa/c界面深さ、
D1Sは、基板表面側にできたa/c界面深さを示す。
【0046】プリイオン注入により形成するa/c(1)
界面深さD1は、不純物イオン注入のみによって形成さ
れるa/c(2) 界面深さD2(0.065μm)より深
く、実効的不純物分布深さD3(0.12μm)より浅
くなる範囲、即ち図6中の斜線で示す領域α内にある条
件を選択するとよい。例えば図6より、この条件を充た
すSi+ イオン注入のイオン加速電圧は、約40〜73
KeVの範囲であることが分かる。尚、できるだけこの
範囲で高いイオン加速電圧の設定がより効果的に増速拡
散を抑制できるだろう。
【0047】上記の場合、不純物イオン注入条件を固定
してこれに見合うプリイオン条件を選択した。同様な方
法で、固定したプリイオン注入条件に対して不純物イオ
ン注入条件を選択してもよい。
【0048】上述したイオン注入条件とは異なる条件を
用いて接合を形成した例について述べる。具体的に用い
た形成条件は次の通りである。まず、イオン加速電圧6
0KeV、およびイオンドーズ量5×1014ions/
cm2 、イオン注入角7度の条件でSi+ イオンを基板
面にイオン注入し基板の結晶領域を非晶質化した。この
条件では、a/c(1) 界面深さは約0.095μmとな
る。
【0049】続いて、イオン加速電圧が20KeV、イ
オンドーズ量が5×1015ions/cm2 、イオン注
入角7度の条件で、該非晶質領域に対し、導電性を付与
するP+ イオンをイオン注入した。尚、このP+ イオン
注入のみを行った場合に形成されるa/c(2) 界面深さ
は0.08μmとなる。この後、RTA装置を用いて、
2 雰囲気中で、10秒で850度まで昇温し、そのま
ま10秒保持する条件でアニールを行った。
【0050】図7は、形成した接合の不純物分布を示
す。この不純物分布は、SIMS(2次イオン質量分析
法)を用いて解析したものである。図7中γは、Pイオ
ン注入直後のP(燐)の分布、δは、アニール後のPの
分布をそれぞれ示す。図に示すように、アニールの前後
でa/c(2) 界面深さに相当する位置とa/c(1) 界面
との間にある不純物の分布はほとんど変わらなかった。
即ち、この形成条件ではa/c(2) 界面深さに相当する
位置とa/c(1) 界面との間で増速拡散は生じていな
い。この結果から非晶質層内にイオン注入した不純物は
増速拡散を生じないと考えることができよう。
【0051】図6に領域αとして示したように、a/c
(2) 界面深さよりも深い位置にa/c(1) 界面が位置す
るようにプリイオン注入することで、増速拡散の量を低
減できる。
【0052】なお、導電性を付与する不純物のドーズ量
の多少に関わらず、図6の領域αに相当する領域(D2
とD3との間)に、a/c(1) 界面が位置するようにプ
リイオン注入することで増速拡散の量を低減できる。
【0053】増速拡散は、イオン注入により形成した非
晶質層に存在する過剰空格子が原因で起こると考えられ
る。過剰空格子の濃度勾配が存在する基板に熱処理を行
うと、濃度の高い所から低い所に向かって過剰空格子の
拡散が発生する。非晶質層内では、結晶格子自体が乱れ
ており空格子は問題とならないが、a/c界面を経て過
剰空格子が存在しない結晶層に入った過剰空格子は、結
晶層の深さ方向すなわち濃度勾配方向に拡散するものと
考えられる。
【0054】この時不純物原子が同じ領域に存在し、同
方向へ拡散をしていると、不純物原子は過剰空格子の拡
散の影響を受け、通常の拡散方程式から導かれる拡散速
度より速い速度で「増速拡散」される。
【0055】図8は、上記実施例の各工程における不純
物濃度の深さ方向分布を概略的に示したものである。横
軸は基板表面からの深さ、縦軸は不純物濃度を示す。不
純物分布は、深さ方向に山型の分布を示す。図8(A)
に示すように、不純物イオン注入直後においては、深さ
D1の位置にある実際のa/c界面での不純物濃度はか
なり低くなっている。プリイオン注入をしない場合、a
/c界面は、深さD2に形成されるので、D2より深い
位置の不純物が増速拡散の対象となるであろう。プリイ
オン注入で深さD1にa/c(1) 界面を形成しておくこ
とにより深さD2とD1の間の不純物は増速拡散されな
くなる。
【0056】この結果、図8(B)に示すように、アニ
ールによって増速拡散される不純物は、a/c界面より
深い部分に存在したわずかな量の不純物に限定され、従
来の作成方法で形成した接合の不純物分布より浅い実効
的不純物分布深さD4を得る。
【0057】このように、プリイオン注入により形成す
るa/c(1) 界面を不純物イオン注入のみで形成される
a/c(2) 界面より深く形成すれば増速拡散の量を抑制
することができる。
【0058】上記実施例においては、イオン注入直後に
a/c界面を実効的不純物分布領域内に収めている。こ
のことにより、a/c界面に発生する欠陥が電気的特性
に与える影響を抑制することができる。勿論アニール時
の熱拡散条件を選択することで不純物層の深さをa/c
界面より深く調整することも可能であるが、上記実施例
のように、不純物イオン注入工程で、a/c界面を不純
物分布層内に含める方法は、アニール条件に依存せずよ
り確実にa/c界面をpn接合内に含めることができ
る。
【0059】5)接合部の欠陥発生を抑制するアニール条
上述の実施例に近似する接合形成方法に従い、プリイオ
ン注入と不純物イオン注入を行った後、種々のアニール
条件で接合を形成した。形成した接合の電気特性、欠陥
の発生と残留状態を参考にして、より最適なアニール条
件を求めた。
【0060】使用したイオン注入工程の条件は、次の通
りである。イオン加速電圧60KeV、ドーズ量1×1
15ions/cm2 、イオン注入角度7度の条件でS
+イオンを用いてプリイオン注入を行った。次にイオ
ン加速電圧10KeV、ドーズ量1×1015ions/
cm2 、イオン注入角度7度の条件でP+ イオンのイオ
ン注入を行った。2回目のイオン注入後、基板をアニー
ルした。いずれのアニールも、RTA装置を使用し、N
2 雰囲気中、所定温度に10秒で昇温し、所定温度を1
0秒保持した。
【0061】まず、アニール温度と接合部の抵抗の関係
を図9に示す。横軸はアニール温度、縦軸は接合部のシ
ート抵抗を示す。約600℃のアニール温度を境として
高温側で接合部のシート抵抗は、大きく低下した後、9
00℃付近までは余り変化しなかった。アニール温度約
600℃の条件は、イオン注入層を再結晶化し、イオン
注入された不純物を活性化するのに必要な温度に対応し
ているものと思われる。
【0062】次に、結晶欠陥のひとつであるヘアピンデ
ィスロケーションとアニール温度の関係について調べ
た。その結果を図10に示す。横軸はアニール温度、縦
軸は1φμm(直径1μmの円形領域)当たりに発生し
たヘアピンディスロケーションの数を示す。アニール温
度が850℃を越えるあたりからヘアピンディスロケー
ションは発生し、900℃以上の温度で、急激にその数
が増大した。アニール温度が高くなると、非晶質体が再
結晶化する再結晶化速度にばらつきが生じやすく、これ
がヘアピンディスロケーションを発生させていると思わ
れる。ヘアピンディスロケーションの発生を抑制する為
には、850℃以下の温度でアニールすることが望まし
い。
【0063】上記2つの結果から、非晶質層を再結晶化
し、かつ不純物を活性化し、さらにヘアピンディスロケ
ーションの発生を抑える為には、600〜850℃の範
囲でアニールを行うことが好ましいと言える。
【0064】図11は、アニールによる再結晶化の様子
を示すTEM写真である。図11(A)は、上述する2
回のイオン注入を行った直後、即ちアニール前の接合の
断面TEM写真である。イオン注入により形成された非
晶質層ともともとの基板の結晶部分とを分けるa/c界
面がはっきりと観察される。
【0065】図11(B)は、上述の条件に従い850
℃でアニールした接合の断面TEM写真を示す。非晶質
層は再結晶化されており、ヘアピンディスロケーション
は発生していない。しかし、もともとのa/c界面付近
には、積層欠陥が発生し、写真中に細い帯状の線として
観察される。より良好な電気特性を得る為には、これら
の積層欠陥も消滅させることが望まれる。
【0066】850℃でアニールを行った接合にさらに
2回目のアニールを試みた。1050℃で2回目のアニ
ールを行った接合、および1100℃で2回目のアニー
ルを行った接合の断面TEM写真を図11(C)、図1
1(D)にそれぞれ示した。いずれもヘアピンディスロ
ケーションは、発生していない。また、図11(B)に
示す850℃の1回のアニールを行った直後の接合と比
較し、積層欠陥がかなり消滅している。1100℃の二
回目のアニールを行った接合では、欠陥数がかなり消滅
し、ほぼ均一な断面が得られた。
【0067】一方、1000℃で1回のアニールを行っ
た場合の接合の断面TEM写真を図11(E)に示し
た。ヘアピンディスロケーションが発生しているととも
に、積層欠陥は、850℃でアニールした接合に較べ
て、むしろ多く残留しているようであった。
【0068】このように、まずヘアピンディスロケーシ
ョンが発生しない温度でイオン注入層を再結晶化し、か
つ不純物を活性化し、次に再結晶化アニール温度より高
い温度でアニールを行い結晶欠陥を減少させる2段階ア
ニールを行うと、結晶層中の各種欠陥の発生を効果的に
抑制することができるとともに、一回発生した欠陥もか
なり消滅させることができる。
【0069】なお、以上の各アニール条件による接合部
の特性と結晶状態の様子は、基板種やイオン種が共通で
あれば、イオン注入条件が多少異なっても同様な傾向が
得られるだろう。
【0070】6)トランジスタ素子作成工程 上述の検討結果を参考にした、CMOS半導体装置の作
成工程を以下に説明する。
【0071】Bが3×1015atoms/cm3 ドープ
されたp型の面方位(100)のSi基板を準備する。
図12(A)に示すように、熱酸化により基板101の
表面に約30nmの厚みのSiO2 膜102を形成し、
その上に、減圧CVD(化学気相堆積法)を用いて厚さ
約140nmのSiNX 膜103を形成する。
【0072】図12(B)に示すように、SiNx 膜1
03上にレジストを塗布し、露光現像することによりレ
ジストマスク104を形成する。このレジストマスク1
04をエッチングマスクとし、SF6 とHeの混合ガス
をエッチングガスとしたドライエッチングを行い、Si
x 膜を選択的にエッチングする。
【0073】レジストマスク104とその下のSiNx
膜103をマスクとして、イオン加速電圧100Ke
V,ドーズ量1.5×1013ions/cm2 の条件で
+ イオン105のイオン注入を行う。SiO2 膜10
2の下にPのイオン注入層106を形成する。その後レ
ジストマスク104は除去する。
【0074】次に、図12(C)に示すように、酸化性
雰囲気中で1100℃で200分の熱処理を行い、イオ
ン注入層106を活性化させ、さらに不純物をドライブ
インさせ、n型ウェル107を形成する。また、この熱
処理によりSiNx 膜103が被覆されていない基板表
面は、熱酸化され、厚いLOCOS酸化膜102aが形
成される。この後、SiNx 膜103膜をエッチング除
去する。
【0075】イオン加速電圧30KeV、ドーズ量1.
5×1013ions/cm2 の条件で、B+ イオン10
8のイオン注入を行う。このイオン注入条件は、P拡散
層上の厚いLOCOS酸化膜102aをB+ イオンが貫
通しないように選択されている。薄い酸化膜102の下
にのみBのイオン注入層109が形成される。
【0076】図12(D)に示すように、1150℃、
240分の熱処理を行い、イオン注入層109を活性化
し、さらに不純物をドライブインし、p型ウェル110
を得る。この時n型ウェル107中のPもさらに熱拡散
し、n型ウェル111を形成する。この後、基板表面の
SiO2 膜102、102aをエッチング除去する。
【0077】図13(E)に示すように、あらためて熱
酸化により基板表面に厚み15nm程度のSiO2 膜2
01を形成し、その上に減圧CVD法で、140nm程
度の厚みのSiNx 膜202を形成する。尚、図示しな
いが、p型ウェル110とn型ウェル111との境界上
には、p型ウェル110形成時のイオン注入マスクに用
いたLOCOS酸化膜102の痕跡である段差が存在す
る。
【0078】図13(F)に示すように、SiNx 膜2
02の表面にレジストを塗布し、露光、現像により、活
性領域を覆うレジストマスク203を形成する。レジス
トマスク203をマスクにし、SiNx 膜202を選択
エッチングする。
【0079】図13(G)に示すように、レジストマス
ク203とその下のSiNx 膜202をイオン注入マス
クにして、イオン加速電圧30KeV、ドーズ量4.5
×1012ions/cm2 の条件でB+ イオン204の
イオン注入を行う。注入されたBは、露出している酸化
膜を貫通し、各ウェル層内の浅い表面領域に注入され
る。p型ウェル110に注入されたBは、イオン注入層
205を形成する。この後、イオン注入用マスクに用い
たレジストマスク203を除去する。
【0080】図13(H)に示すように、SiNx 膜2
02をマスクとして熱酸化を行い、厚さ約400nmの
フィールド酸化膜206を形成する。また、この熱酸化
工程において、イオン注入層205中のBが拡散、活性
化し、p型ウェル110より高濃度のチャンネルストッ
プ層207を形成する。この後、熱酸化工程でマスクと
して使用したSiNx 膜202および、その下のSiO
2 膜201をウェットエッチングで除去する。その後、
基板全面を再び熱酸化することにより、厚さ9.5nm
のゲート酸化膜208を形成する。
【0081】次に、図14(I)に示すように、イオン
加速電圧15KeV、ドーズ量1.5×1012ions
/cm2 の条件でBイオン301のイオン注入を行う。
このイオン注入層302は、デバイス上でMOSトラン
ジスタの閾値電圧制御として機能することとなる。
【0082】図14(J)に示すように、基板表面全域
に多結晶Si膜303を減圧CVD法で厚さ約150n
m形成し、この多結晶Si膜303中にP(燐)を高濃
度でドープする。さらに、図14(K)に示すように、
多結晶Si膜303上に厚み約150nmのWSi膜3
04をスパッタリングで形成する。このような、多結晶
Si膜上に金属シリサイド膜を連続的に重ねた構造は、
一般にポリサイド構造と呼ばれる。
【0083】WSi膜304上にレジストを塗布し、露
光、現像によりゲート電極パターンのレジストマスクを
得る。このレジストマスクをエッチングマスクとして、
ポリサイド層303、304を選択的にエッチングす
る。エッチング後レジスト膜は除去する。残ったポリサ
イド層は、図14(L)に示すように、フィールド酸化
膜で画定された活性領域上でゲート電極305となる。
【0084】ゲート電極305、フィールド酸化膜20
6をイオン注入マスクとして、基板全面に加速電圧80
KeV、ドーズ量4.0×1013ions/cm2 、注
入角度45度の条件でP+ イオン401のイオン注入を
行う。図15(M)に示すように、p型ウェル110、
n型ウェル111のそれぞれの極浅い領域にイオン注入
層402、および403が形成される。
【0085】図15(N)に示すように、基板全面にレ
ジスト膜を形成し、露光、現像によりp型ウェル110
を覆うイオン注入マスク404を形成する。このレジス
トマスク404をマスクとして、加速電圧65KeV、
ドーズ量2.5×1014ions/cm2 の条件でBF
2 + 405のイオン注入を行う。n型ウェルの極浅い領
域にBF2 + イオンの注入領域406が形成される。B
2 + の注入領域406では、B濃度の方がP濃度より
高くなり、補償の結果p型となる。次にBF2 + を活性
化する為にRTA装置を用いて、1100℃まで10秒
で昇温し、10秒間この温度に保持する。尚、各p型ウ
ェル、n型ウェルに形成したイオン注入層402、40
6は、LDD(Lightly doped drain )領域を形成す
る。レジストマスク404を除去する。
【0086】図15(O)に示すように、TEOS(テ
トラエトキシシラン)を用いた減圧CVD法にて、厚み
約200nmのSiO2 膜407を基板全面に形成す
る。その後、RIE(reactive ion etching)を用い
て、SiO2 膜407をエッチングし、図15(P)に
示すように、ゲート電極305の側壁のみにSiO2
域408を残す。このSiO2 領域408は、一般にサ
イドスペーサもしくはサイドウォールオキサイドと呼ば
れる。
【0087】次に説明するpチャンネルトランジスタ、
nチャンネルトランジスタのソース/ドレイン領域を形
成する工程が、本実施例の最大の特徴である浅い接合を
形成する工程である。
【0088】まず、図16(Q)に示すように、フィー
ルド酸化膜206とゲート電極305およびそのサイド
スペーサ411をイオン注入マスクとして、導電性に寄
与しないSi+ イオン501のイオン注入を行い、非晶
質イオン注入層502、503を得る。この工程は、不
純物イオン注入領域を非晶質化する為に行われる。例え
ば、加速電圧60KeV、ドーズ量5.0×1014io
ns/cm2 、注入角度7度のイオン注入条件を用いる
と、表面から約0.10μmの深さにa/c界面が形成
される。
【0089】次に、図16(R)に示すように、基板全
面にレジストを塗布した後、露光、現像により、p型ウ
ェル110を覆うレジストマスク504を形成する。こ
のレジストマスク504をイオン注入マスクとし、導電
性を付与するイオンであるBF2 イオン505のイオン
注入を行い、イオン注入層506を形成する。例えばイ
オン加速電圧45KeV、ドーズ量2.0×1015io
ns/cm2 、注入角度7度のイオン注入条件を用い、
表面から約0.12μmの深さの実効的不純物分布深さ
の不純物領域を得る。尚、この時a/c界面深さはSi
+ イオン注入で形成された深さ0.10μmのままであ
る。レジストマスク504は除去する。
【0090】ここでは、注入角度7度でイオン注入した
が、基板表面を非晶質化してチャネリングの発生を抑制
しているので、注入角度0度としても良い。尚、ゲート
電極下の不純物の横方向拡がりを抑制するためには注入
角度0度でイオン注入することが好ましい。
【0091】なお、図面中、重複するイオン注入領域に
ついては、図示を省略している。その後レジストマスク
504を除去する。続いて、図16(S)に示すよう
に、基板全面にレジストを塗布し、露光、現像によりn
型ウェル111を覆うレジストマスク507を形成す
る。このレジストマスク507をイオン注入マスクとし
て、導電性を付与するイオンであるP+イオン508の
イオン注入を行い、イオン注入層509を形成する。イ
オン加速電圧20KeV、ドーズ量1.0×1015io
ns/cm2 のイオン注入条件を用いると、a/c界面
深さは、Si+ イオン注入で形成した深さのまま不純物
分布深さ約0.12μmが得られる。その後レジストマ
スク507を除去する。
【0092】次に、図17(T)に示すように、基板全
面に層間絶縁膜601を形成する。常圧CVDを用い、
膜厚約100nmのPSG膜(フォスフォシリケートガ
ラス)と膜厚約600nmのBPSG膜(ボロンフォス
フォシリケートガラス)の二層膜からなる層間絶縁膜6
01を形成する。
【0093】この後、RTA装置を用いて、基板を85
0℃まで10秒で昇温し、850℃で10秒保持する。
このアニール処理により、イオン注入層506、509
は、再結晶化され、かつ不純物は活性化され、それぞれ
pチャンネル、nチャンネルのソース/ドレイン領域と
なる。このアニール工程は、層間絶縁膜形成前におこな
ってもよいが、本実施例では、層間絶縁膜を形成後にお
こなうこととする。
【0094】尚、このアニール工程の後、1050℃ま
で10秒で昇温し、1050℃で10秒保持する条件
で、接合部の2回目のアニールを行ってもよい。この2
回目のアニールは、ソース/ドレイン層をさらに拡散さ
せるとともに、a/c界面に発生した積層欠陥を消滅さ
せる。さらに、層間絶縁膜の膜質改善を行う効果も持
つ。
【0095】具体的には、層間絶縁膜を軟化流動させる
ことで層間絶縁膜表面の平坦性を改善できる。又、層間
絶縁膜中の水分を蒸発させることで、水分によるトラン
ジスタの特性劣化(しきい値電圧の変動など)を抑制で
きる。
【0096】さらに、Pイオン注入後に、層間絶縁膜を
形成し、この後に接合部の再結晶化アニールと2回目の
アニールを行うことも可能である。この場合、層間絶縁
膜は、例えば600℃以下の温度で堆積する。
【0097】この後、レジストを全面に塗布し、露光、
現像によりコンタクトホールに対応する開口を有するレ
ジストマスクを形成する。このレジストマスクをエッチ
ングマスクとして、層間絶縁膜を選択的にエッチング
し、配線形成の為のコンタクトホールを形成する。レジ
スト膜は除去する。
【0098】次に基板全面にスパッタリング法にて、W
Si等のバリアメタルを膜厚約50nm形成する。続い
てこのWSi膜上にAl−Si−Cuの3組成よりなる
Al合金膜をスパッタリング法で約800nm程度形成
する。
【0099】基板全面にレジストを塗布し、露光、現像
により電極/配線パターンを有するレジストマスクを形
成する。このレジストマスクをエッチングマスクとし、
WSi膜とAl合金膜をエッチングし、図17(U)に
示すような所望の配線602を形成する。
【0100】さらに、図17(V)に示すように、基板
全面にパッシベーション膜603を形成する。パッシベ
ーション膜は、プラズマCVD法により各500nmの
厚さのPSG膜とSiNx 膜とを連続的に堆積して形成
する。
【0101】基板全面にレジストを塗布し、露光、現像
によりボンディングパッド、スクライブライン等に対応
する開口を有するレジストマスクを形成する。このレジ
ストマスクをエッチングマスクとして、パッシベーショ
ン膜をエッチングし、配線引出しの為のボンディングパ
ッド用窓開け等を行う。
【0102】最後に、水素雰囲気で400℃30分程基
板をアニールし、各種工程でのダメージによりゲート酸
化膜中に発生した電荷を中和する。上記製造方法を用い
ることにより、最終的に接合の深さ0.15μmのpチ
ャンネルトランジスタ、nチャンネルトランジスタの浅
いソース/ドレイン接合を得ることができる。
【0103】以上、一連のCMOS半導体装置の作成工
程について説明したが、上記した以外の材料や、装置の
選択も可能である。例えば、非晶質層形成の為のイオン
注入に用いるイオン種は、上記したSi以外にも電気伝
導に寄与しないGe、C、N、F、Cl、Ne、Ar等
の非晶質層を形成可能な原子量16以上のイオンを選択
することもできる。
【0104】導電性付与のイオン注入に用いるイオン種
は、上記したBF2 + 、P+ 以外にもそれ自身のイオン
注入で非晶質層が形成可能な原子量もしくは、分子量が
16以上の不純物イオンを選択することができる。例え
ばAs+ やSb+ 等、および、B、P、As、Sb等の
化合物イオン等を用いることもできるであろう。
【0105】さらに、実施例では不純物活性化および非
晶質層の再結晶化の為のアニールは、短時間処理が可能
なRTA装置を用いているが、加熱の手段は、レーザ加
熱装置や抵抗加熱炉を用いても同じ効果を得ることがで
きるであろう。
【0106】ここでは、nチャネルMOSトランジスタ
とpチャネルMOSトランジスタを含むCMOSICへ
の応用について記載したが、nチャネルMOSトランジ
スタのみを含むNMOSIC,pチャネルMOSトラン
ジスタのみを含むPMOSICへの応用は自明であろ
う。
【0107】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0108】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
不純物イオン注入時のチャネリングを防ぐとともに、ア
ニール時の不純物の増速拡散を抑制する、より制御性の
よい接合形成方法を提供することができる。この方法に
より、浅い接合形成が可能となる。
【0109】また、接合部の結晶層やa/c界面に発生
する欠陥を確実にpn接合内に取り込むことができる。
さらに、不純物の注入後のアニール温度を最適化するこ
とで、接合部の結晶層における欠陥の発生と残留を抑制
することができ、良好な電気特性を持つ接合を形成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による接合部の形成工程を示す
断面図である。
【図2】nチャンネルトランジスタ素子の構造を示す断
面図である。
【図3】従来の接合部の形成工程を示す断面図である。
【図4】従来の形成工程で作成した接合部における不純
物分布を示す図である。
【図5】従来の形成方法で作成した接合部の断面の結晶
構造を示す写真である。
【図6】実施例におけるプリイオン注入条件を示す図で
ある。
【図7】作成した接合部における不純物分布を示す図で
ある。
【図8】本発明の各形成工程における接合部の不純物分
布を示す図である。
【図9】アニール温度と接合部のシート抵抗の関係を示
すグラフである。
【図10】アニール温度とヘアピンディスロケーション
の発生数との関係を示すグラフである。
【図11】種々のアニール条件で形成した接合部の断面
の結晶構造を示す写真である。
【図12】本発明の実施例によるCMOS半導体装置の
作成工程を示す断面図である。
【図13】本発明の実施例によるCMOS半導体装置の
作成工程を示す断面図である。
【図14】本発明の実施例によるCMOS半導体装置の
作成工程を示す断面図である。
【図15】本発明の実施例によるCMOS半導体装置の
作成工程を示す断面図である。
【図16】本発明の実施例によるCMOS半導体装置の
作成工程を示す断面図である。
【図17】本発明の実施例によるCMOS半導体装置の
作成工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・結晶領域、2・・・導電性に寄与しないイオ
ン、3・・・非晶質層、4・・・a/c(1) 界面、5・
・・導電性を付与するイオン、6・・・イオン注入層、
7・・・不純物拡散層、11・・・Si基板、12a、
12b・・・フィールド酸化膜、13・・・ゲート酸化
膜、14・・・多結晶Si膜、15・・・WSi膜、1
6・・・サイドスペーサ、17a、17b・・・不純物
拡散層、18・・・層間絶縁膜、19・・・配線、20
・・・パッシベーション膜、101・・・基板、102
・・・SiO2 膜、103・・・SiNx 膜、110・
・・p型ウェル、107、111・・・n型ウェル、2
01・・・SiO2 膜、202・・・SiNx 膜、20
6・・・フィールド酸化膜、208・・・SiO2 膜、
303・・・多結晶Si膜、304・・・WSi膜、3
05・・・ゲート電極、407・・・SiO2 膜、40
8・・・サイドスペーサ、601・・・層間絶縁膜、6
02・・・配線、603・・・パッシベーション膜、1
05、108、204、301、401、405、50
1、505、508・・・イオン、104、203、4
04、504、507・・・レジストマスク、106、
109、205、302、402、403、406、5
02、503、506、509・・・イオン注入層、2
07・・・チャンネルストップ層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/265 F 21/76 R

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性に寄与しないイオン種を基板内の
    第1導電型の結晶領域に対しイオン注入し、該結晶領域
    の表面から深さD1までの非晶質層を形成する第1の工
    程と、 前記第1導電型と逆の第2導電型の導電性を付与する原
    子量もしくは分子量が16以上の不純物を、D1より深
    い実効的不純物分布深さの不純物分布領域を形成するよ
    うに前記非晶質層を通してイオン注入する第2の工程
    と、 該基板を加熱して前記非晶質層を再結晶化し前記不純物
    を活性化して、第2導電型領域を形成する第3の工程
    と、 を有する半導体装置の製造方法であって、 前記深さD1が、前記導電性を付与する不純物を前記第
    2の工程と同一条件で前記結晶領域にイオン注入した場
    合に形成される非晶質層深さD2よりも深く、前記導電
    性を付与する不純物を前記第2の工程と同一条件で表面
    に非晶質層が形成された基板にイオン注入した場合に形
    成される実効的不純物分布深さD3よりも浅いことを特
    徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第3の工程の加熱温度が、600℃
    以上である請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第3の工程の加熱温度が、600℃
    以上850℃以下の温度範囲内である請求項2に記載の
    半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第3の工程のあとで前記第3の加熱
    温度以上の温度で基板を加熱する第4の工程を有する請
    求項1から3のいずれかに記載の半導体装置の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記第3の工程と第4の工程との間に前
    記結晶領域全面に層間絶縁膜を形成する工程を有する請
    求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第2の工程と第3の工程との間に前
    記結晶領域全面に層間絶縁膜を形成する工程を有する請
    求項1から4のいずれかに記載の半導体装置の製造方
    法。
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