JPH08148424A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JPH08148424A
JPH08148424A JP6285634A JP28563494A JPH08148424A JP H08148424 A JPH08148424 A JP H08148424A JP 6285634 A JP6285634 A JP 6285634A JP 28563494 A JP28563494 A JP 28563494A JP H08148424 A JPH08148424 A JP H08148424A
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JP
Japan
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ion
impurity
layer
ion implantation
ions
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JP6285634A
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English (en)
Inventor
Tomohiro Yuki
知弘 結城
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Original Assignee
Yamaha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、良好な電気特性を備えた接合を制
御性よく形成することを目的とする。 【構成】 接合形成に際して、導電性に寄与しないイオ
ンを基板に対しイオン注入し、基板の表面から一定の深
さまで非晶質化した後、不純物イオンを非晶質層内に留
まるようにイオン注入を行う。また、不純物イオンの注
入後、結晶性回復と不純物活性化の為の低温熱処理とド
ライブインと結晶欠陥減少の為の高温熱処理の2段階で
アニールを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン注入法を用いて
基板に所望の導電型の不純物拡散層を形成する半導体製
造装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の高集積化に伴い、横方向の
微細化に合わせて深さ方向の微細化の要請も高まってい
る。pチャンネルトランジスタ、あるいはnチャンネル
トランジスタのソース/ドレイン層についてもより浅い
接合の形成技術の開発が必要である。
【0003】トランジスタのソース/ドレイン領域は、
一般にイオン注入法により形成される。イオン注入法
は、所望の導電型の不純物を基板にイオン注入する工程
と、その後、熱アニールを行い、イオン注入で非晶質化
した層を再結晶化させ、イオン注入した不純物を電気的
に活性化させる工程を含む。
【0004】最近、浅い接合の形成の為、チャネリング
を抑制する方法が検討されている。チャネリングとは、
イオン注入の際、注入イオンが基板原子と大きな衝突を
することなく基板結晶格子の隙間を通り基板に深く進入
することである。チャネリングが起こると浅い接合を形
成することが難しくなる。
【0005】チャネリングを抑制する為には、例えば、
イオン注入を2段階で行う方法が検討されている。1回
目のイオン注入で基板表面を非晶質化した後、2回目の
イオン注入で所望の導電性に達するようにイオン注入を
行う。非晶質層にイオンを注入する場合、注入イオンの
チャネリングは起こらない。この為、2回目のイオン注
入時のチャネリングを抑制できる。
【0006】一方、浅い接合は、接合の浅さのみなら
ず、低いコンタクト抵抗、低いリーク電流といった良好
な電気特性をあわせ持つことが要求される。例えば、非
晶質層と基板の結晶層との境界(以下、a/c界面と呼
ぶ。)は、アニール後も完全には再結晶化はされず結晶
欠陥が集積し易い。特に、空乏層内の結晶欠陥は、接合
部の電気的リークを引き起こす等、電気特性に影響を及
ぼす。そこで、これらの結晶欠陥が接合近傍や低不純物
濃度領域に形成されないよう欠陥が発生する位置を高濃
度不純物拡散領域内に収める方法等が検討されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】チャネリングは、予め
基板表面層を非晶質化する方法を用いることで抑制する
ことができる。しかし、非晶質層は再結晶化させる必要
があり、再結晶化のアニール工程で別の問題が発生す
る。
【0008】従来の方法で作成した接合部の不純物分布
を解析した結果、チャネリングとは異なる「増速拡散」
という現象がアニール時に起こっていることが観察され
た。「増速拡散」とは、不純物がいわゆる拡散方程式に
従った拡散より速く拡散してしまう現象である。非晶質
層に存在する過剰空格子の結晶中への熱拡散が、不純物
の拡散を増速させるためと考えられている。結果的に不
純物分布の制御が難しくなる。また、深い不純物分布を
形成してしまい易い。接合形状を正確に制御する為に
は、増速拡散の発生を抑制する必要がある。
【0009】さらに、良好な電気特性を得る為には、a
/c界面等に発生する積層欠陥や、再結晶層に発生する
ヘアピンディスロケーション等の欠陥を減らすことが望
まれる。
【0010】本発明の目的は、良好な電気特性を備えた
接合を制御性よく形成する半導体装置の製造方法を提供
することである。本発明の他の目的は、電気的特性に優
れた浅い接合を形成する半導体装置の製造方法を提供す
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置の製
造方法は、導電性に寄与しないイオン種を第1導電型の
結晶領域に対しイオン注入し、該結晶領域の表面から一
定の深さまでの非晶質層を形成する第1の工程と、前記
第1の導電型と逆の第2の導電型の導電性を付与する不
純物を、前記非晶質層内にその不純物分布が留まるよう
にイオン注入する第2の工程と、該結晶領域を加熱して
不純物を活性化し、前記非晶質層の領域内に第2導電型
領域を形成する第3の工程とを有する。
【0012】さらに、結晶領域を加熱して不純物を拡散
させ、第2導電型領域の接合をa/c界面より深くして
もよい。また、600〜850℃の温度で不純物活性化
の熱処理を行い、より高い温度で積層欠陥低減の熱処理
を行うことができる。
【0013】尚、該不純物の活性化の為の熱処理前に層
間絶縁膜を形成することもできる。
【0014】
【作用】非晶質層内に不純物をイオン注入する為、不純
物のチャネリングを抑えることができる。
【0015】非晶質層を貫通して深く不純物をイオン注
入すると、活性化アニールの際、増速拡散が生じてしま
う。a/c界面を越えて結晶層中へ拡散する空格子が、
不純物の拡散速度を増速させるものと考えられる。不純
物イオン注入工程直後の不純物分布が、非晶質層内に留
まるように不純物をイオン注入すると、不純物の増速拡
散を抑制できることがわかった。
【0016】活性化後、さらに不純物を拡散させ、a/
c界面を高濃度不純物領域内に包含するようにすると、
a/c界面に欠陥が発生しても電気特性に与える影響を
抑制することができる。
【0017】まず600℃〜850℃の低温領域で熱処
理を行うと、ヘアピンディスロケーションの発生を抑制
しつつ、再結晶化を行うことができる。さらに、高い温
度の熱処理をこの後に行うと、a/c界面に発生する積
層欠陥も減らすことができる。
【0018】不純物の活性化を目的とする熱処理を施す
前に層間絶縁膜を形成しておくと、該熱処理によって層
間絶縁膜の膜質をも改善できる。
【0019】
【実施例】1)接合部のシャロー化 半導体装置の高集積化に伴い、横方向の微細化とともに
浅い接合の形成に対する要請が高まっている。例えば、
0.5μmルール以下(ゲート長が0.5μm以下)の
トランジスタを形成するには、0.1〜0.2μmの接
合深さを持つソース/ドレイン層が必要だといわれてい
る。この為、高精度の不純物添加技術が望まれている。
【0020】CMOS(complementary metal-oxide-se
miconductor )半導体装置における接合の位置について
図を用いて説明する。図2は、CMOS半導体装置のn
チャンネルトランジスタ部分のみを取り出した構造の一
例を示す断面図である。
【0021】図2に示すように、基板11の表面層には
所定の深さのp型ウェル1が形成されp型ウェル1の両
側の基板表面には、LOCOS(局部シリコン酸化:lo
caloxidation of silicon)工程により得られた厚いフ
ィールド酸化膜12a,12bが形成されている。厚い
酸化膜12aと12bの間の活性領域表面上に、薄いゲ
ート酸化膜13を挟みP(燐)を高濃度にドープした多
結晶シリコン膜14とその上のWSi膜15で形成され
るポリサイド構造のゲート電極が形成されている。ゲー
ト電極の両側面は、SiO2 のサイドスペーサ16によ
り覆われている。
【0022】ゲート電極とフィールド酸化膜12a、1
2bの間の基板表面層の浅い部分には、n型不純物が高
濃度にドープされた不純物拡散層17a、17bが形成
されている。不純物拡散層17a、17bは、それぞれ
nチャンネルトランジスタのソース/ドレイン領域とし
て機能する。このn型不純物拡散領域17a、17bと
p型ウェルの境界にpn接合が形成されている。「接合
の深さ」は、一般に表面からの不純物分布幅によって決
まる。
【0023】ゲート長の短いMOSトランジスタのソー
ス/ドレイン領域が深いと、チャンネル領域の深い部分
にもパンチスルーによってキャリアが注入され、ゲート
電圧で制御することが難しくなる。
【0024】尚、図2に示すように、以上に説明したフ
ィールド酸化膜12a、12bおよびゲート電極を覆う
ように層間絶縁膜18が形成され、層間絶縁膜18中の
開口を介してソース/ドレイン領域17a、17bに配
線層19が接続され、基板全面を覆ってパッシベーショ
ン膜20が形成されている。
【0025】2)従来の接合形成方法 イオン注入を用いて接合を形成するには、不純物イオン
を注入する工程と、注入した不純物を活性化する為のア
ニール工程とが必要である。浅い接合を形成する為に
は、イオン注入の加速電圧の低減、イオン注入角度の傾
斜化等によりイオン注入の深さを浅くする方法や、アニ
ール工程の熱処理温度の低温化によって熱拡散を抑制す
る方法がある。しかし、これらの方法には実用上限界が
あり、シャロー化の要請に十分答え得るものではなかっ
た。
【0026】そこで現在、チャネリングの抑制によるシ
ャロー化(接合深さを浅くすること)が試みられてい
る。結晶基板にイオン注入を行うと、一部の注入イオン
は基板原子と大きな衝突をすることなくチャネルとよば
れる結晶格子の隙間を通って基板に深く進入してしま
う。このような現象をチャネリングと呼ぶ。浅い接合を
形成する為には、チャネリングの発生を抑制することが
有効である。
【0027】チャネリングを抑制する方法としては、イ
オン半径の大きいイオンの選択や、表面を非晶質化する
プリイオン注入等が試みられている。注入イオンの径が
大きくなると結晶の隙間を通り抜けにくい為、イオン半
径の大きい注入イオンの選択はチャネリングを抑制す
る。また、半径の大きい(質量の大きい)粒子は、同一
加速電圧でのイオン注入深さを浅くする効果も有する。
【0028】また、プリイオン注入で、基板表面を予め
非晶質化すると、非晶質化された領域には、そもそもチ
ャネリングが発生する結晶格子の隙間が存在しなくな
る。この為、非晶質層にイオン注入された不純物はチャ
ネリングを起こしにくい。なお、プリイオン注入に用い
られるイオン種としては、導電性を付与する不純物、導
電性に寄与しない中性不純物のいずれも用いられてい
る。
【0029】接合のシャロー化は、同時に良好な電気特
性を兼ね添えるものでなければ実用に値しない。イオン
注入で接合を形成する場合、イオン注入時に形成された
非晶質層ともとの結晶状態が残っている結晶層の界面
(a/c界面)には、アニール時に結晶欠陥が発生して
しまうことが多い。良好な電気特性を得る為には、この
欠陥が電気特性に与える影響を取り除くことが好まし
い。従来は、例えば、高不純物濃度領域の深さをa/c
界面より深くすること等でその影響を抑制していた。
【0030】このような従来技術による接合の形成方法
の一例を図3を参照して説明する。なお、接合の形成工
程を理解し易いように、図3には、図2の不純物ドープ
領域17a、17bに対応する部分のみを示した。
【0031】図3(A)で示すようにSi基板1の表面
層に導電型に寄与しないイオン2、例えば基板構成元素
と同じSi+ イオンを注入するプリイオン注入を行う。
この工程により、基板表面より一定の深さまでが非晶質
層3となり、基板結晶との境界にa/c界面4が形成さ
れる。なお、非晶質層が再結晶された場合にも、a/c
界面のあった位置をa/c界面と呼ぶ。
【0032】図3(B)に示すように、所望の導電性を
付与するイオン(不純物)5をイオン注入し、イオン注
入層6を形成する。非晶質層へのイオン注入は、チャネ
リングを生じない。この工程によるイオン注入層の底面
7は、a/c界面4より深く設定し、欠陥が発生し易い
a/c界面を高不純物濃度領域内に含めてしまう。
【0033】図3(C)に示すように加熱処理により、
非晶質のイオン注入層6を再結晶化し、イオン注入され
た不純物を活性化させ不純物拡散層8を形成する。一般
的には800℃から1000℃の温度範囲で基板加熱処
理を行う。a/c界面には、欠陥が発生し易いが、これ
らの欠陥は、高不純物濃度領域中に存在している為、電
気特性に与える影響は抑制される。
【0034】3)従来方法で形成された接合部の問題点 上述の従来の接合形成方法に従って、実際にnチャンネ
ルトランジスタのソース/ドレイン領域を作成した。具
体的に使用した条件は、以下の通りである。まず、Si
+ イオンを加速電圧30KeV、ドーズ量5.0×10
14ions/cm2 、注入角度7度の条件で、Si基板
に注入し、非晶質層を形成した。次に、不純物イオンで
あるP(燐)+ イオンを加速電圧20KeV、ドーズ量
1.0×1015ions/cm2 、注入角度7度の条件
で非晶質化した基板表面に注入した。最後に、RTA
(rapid thermal annealing )装置を用い、基板をN2
雰囲気中で10秒で850℃まで昇温し、850℃で1
0秒間保持する条件でアニールを行った。
【0035】作成した接合の深さを確認する為、SIM
S(2次イオン質量分析法)を用いて深さ方向の不純物
の分布を測定した。結果を図4に示す。横軸に基板表面
からの深さ、縦軸にP(燐)濃度を示した。図4中αは
+ イオン注入直後のP分布、βはアニール後のP分布
をそれぞれ示す。Si+ のイオン注入で形成されたa/
c界面は深さは、約0.065μmである。P+ イオン
注入直後の曲線αにおいては、チャネリングが抑制さ
れ、基板表面から0.1μm程度の深さまでしかPは分
布していない。アニール後、P濃度はa/c界面を境に
結晶質領域で大きく膨らんでおり、その分布深さは、通
常の熱拡散から予想される深さを越え、基板表面から
0.2μm近くまで拡がっていた。
【0036】アニール工程での不純物の深い拡散は、通
常の熱拡散で説明されるものではなく、「増速拡散」が
起こっている為と予想される。従来、チャネリングを抑
制する為に、種々の検討が行われてきていたが、「増速
拡散」を抑制する方法は知られていない。しかし、「増
速拡散」を抑制できれば、不純物分布の制御がより容易
となると共に、より浅い接合の形成が可能となる。
【0037】図5は、従来方法で非晶質層を再結晶化し
た基板の断面のTEM写真を示す。a/c界面より表面
側にヘアピンディスロケーションと呼ばれるヘアピン状
ないしは松葉状の亀裂欠陥の発生が観察された。この写
真では、2ヵ所にヘアピンディスロケーションが観察さ
れ、a/c界面には、積層欠陥と思われる影が存在す
る。これらの欠陥は、高不純物濃度層中に存在すれば、
電気特性への影響はある程度抑制されるが、より良好な
電気特性を得る為には欠陥が存在しないことが望まし
い。
【0038】即ち、良好な電気特性の接合の形成の為に
は、従来方法で再結晶層中ないしa/c界面に発生する
各種欠陥の発生を防止し、発生した欠陥は減少させるこ
とが望まれる。
【0039】4)増速拡散を抑制する新規な形成方法 増速拡散は、イオン注入により形成した非晶質層に存在
する過剰空格子が原因で起こると考えられる。過剰空格
子の濃度勾配が存在する基板に熱処理を行うと、濃度の
高い所から低い所に向かって過剰空格子の拡散が発生す
る。非晶質層内では、結晶格子自体が乱れており空格子
は問題とならないが、a/c界面を経て過剰空格子が存
在しない結晶層に入った過剰空格子は、結晶層の深さ方
向すなわち濃度勾配方向に拡散するものと考えられる。
【0040】この時不純物原子が同じ領域に存在し、同
方向へ拡散をしていると、不純物原子は過剰空格子の拡
散の影響を受け、通常の拡散方程式により導かれる拡散
速度より速い速度で拡散するものと考えられる。このよ
うに不純物拡散が過剰空格子の拡散によって加速され、
「増速拡散」が生じると考えられる。
【0041】増速拡散を抑制する為の新規なプロセスを
以下に提案する。新規なプロセスは、図1で示す3工程
を含む。なお、図1は図3と同様、不純物添加領域のみ
を取り出して、その断面図を示したものである。
【0042】図1(A)に示すように、導電性に寄与し
ないイオン2を基板1に対しイオン注入し、基板表面よ
り一定の深さの非晶質層3を形成する。非晶質層3と基
板1との境界にa/c界面4が形成される。
【0043】図1(B)に示すように所望の導電性を付
与するイオン(不純物イオン)5を注入する。この時の
注入不純物の濃度が母体結晶の反対の導電型の不純物濃
度と同じになる位置がpn接合7の位置に対応する。表
面からこの位置までの深さを不純物の分布深さD1とす
る。この分布深さD1が、a/c界面4より浅くなるよ
うに、イオン注入条件を選択する。
【0044】図6(A)に、予想されるイオン注入直後
の不純物濃度の深さ方向分布を示す。横軸は基板表面か
らの深さ、縦軸は不純物濃度を示している。不純物濃度
は、深さ方向に均一なものではなく、山型の分布を示
す。不純物濃度が基板の不純物濃度C0 と同じレベルに
なる深さD1 は、a/c界面深さDa/c より浅く位置す
る。
【0045】図1(C)に示すように、基板を加熱して
熱処理により非晶質層を再結晶化するとともに、不純物
を活性化し、さらに熱拡散により不純物拡散層8を形成
する。尚、不純物分布深さD3をa/c界面4より深く
する。
【0046】図6(B)は、アニール後に予想される不
純物濃度の深さ方向分布を示す。アニール後、不純物濃
度が注入部周囲の基板の不純物濃度レベルC0 と同じレ
ベルになる深さD3 は、a/c界面深さDa/c より深
い。
【0047】上述の接合形成方法では、導電性付与不純
物のイオン注入工程において、不純物濃度分布深さD1
をa/c界面より浅くする点が特に重要である。この
為、不純物のイオン注入直後において、不純物は非晶質
層内にしか存在せず、その下の結晶層には実質的に存在
しない。
【0048】上記の接合形成方法においては、イオン注
入による注入深さの制御が必要となる。具体的にどのよ
うな注入条件を用いるとどの程度の深さまで非晶質層を
形成できるか、もしくはイオン注入できるか(飛程)を
知る必要がある。イオン注入条件の決定に参考となるデ
ータを次に示す。
【0049】図7は、Si+ イオンを注入する際のイオ
ンドーズ量(注入量)と非晶質層の範囲(a/c界面深
さ)の関係をイオン加速電圧をパラメータに取って示し
たグラフである。横軸はイオンドーズ量、縦軸は基板表
面からの深さを示す。
【0050】イオン加速電圧の増加、イオンドーズ量の
増加に伴ってa/c界面の位置は深くなるが、イオン加
速電圧がある一定値を越えると非晶質層は、基板表面か
らではなく、基板表面から少し入った位置から形成され
る。この時、表面層には、結晶層が残ることとなる。図
7中、実線で示されているのは、バルク側のa/c界面
の位置、破線で示したのが表面側のa/c界面の位置で
ある。
【0051】例えば、イオン加速電圧90KeVの場
合、ドーズ量が5×1014ions/cm2 の時、非晶
質化される領域は基板表面から1500Åにかけての領
域である。イオン加速エネルギーが120KeVの場
合、ドーズ量が5×1014ions/cm2 の時、基板
表面から約500Åの深さより1900Åにかけての領
域が非晶質化されることとなる。
【0052】0.15μm程度の浅い接合を形成しよう
とする場合、導電性に寄与しないイオンのイオン注入で
形成する非晶質層の深さは、最終的な接合の深さより浅
くする必要がある。図7に示すデータから、この条件を
満たすのは、例えばイオン加速電圧90KeVでは、ド
ーズ量が5×1014ions/cm2 以下でなくてはな
らない。又、イオン加速電圧が60KeVであれば、ド
ーズ量が1×1016ions/cm2 でもこの条件を満
たす。
【0053】図7に示したデータは、Si+ イオンにつ
いてのものだが、一般にSiよりも重いイオンであれ
ば、注入時の進入深さはSiより浅く、Siより軽いイ
オンであれば深いことが予想される。導電性付与不純物
のイオン注入深さは、当分野でよく知られており、測定
することも比較的容易である。不純物のイオン注入深さ
がa/c界面より浅くなるようにイオン注入条件を選
ぶ。
【0054】以上のデータを参考に、実際に接合を形成
した。具体的に用いた形成条件は次の通りである。ま
ず、イオン加速電圧90KeV、イオンドーズ量5×1
14ions/cm2 、イオン注入角7度の条件でSi
を基板面にイオン注入し基板表面層を非晶質化した。
【0055】続いて、イオン加速電圧が20KeV、イ
オンドーズ量が1×1015ions/cm2 、イオン注
入角7度の条件で、導電性を付与するするP+ イオンを
P濃度分布が非晶質層内に収まるようにイオン注入し
た。この後、RTA装置を用いて、N2 雰囲気中で、1
0秒で850度まで昇温し、そのまま10秒保持する条
件でアニールを行った。この導電性付与不純物のイオン
注入およびその後のアニールの条件は図4の場合と同様
である。
【0056】図8は、このようにして作成した接合の不
純物分布を、SIMS(2次イオン質量分析法)を用い
て解析した結果を示す。図8中γは、P+ イオン注入直
後のP(燐)の分布、δは、アニール後のPの分布をそ
れぞれ示す。図に示すように、アニールの前後で不純物
の分布はほとんど変わらなかった。即ち、増速拡散は実
質的に生じていない。
【0057】従来の方法で形成した接合の不純物イオン
分布を示す図4と比較して明らかなように、本実施例の
接合形成方法は、増速拡散を極めて効果的に抑制できる
ことがわかる。
【0058】増速拡散は、主にアニール中に結晶層で起
こる過剰空格子の拡散が、結晶層中の不純物原子の拡散
を増速させるものと考えられる。上述の実験結果から、
結晶層に不純物原子が存在しないと、過剰空格子が結晶
層に拡散しても増速拡散する対象を持たない為、増速拡
散も起こらないものと解釈される。
【0059】アニール中に不純物原子が拡散してa/c
界面を越える場合にも、不純物がa/c界面に達するま
えに非晶質層が再結晶化すれば、目立った増速拡散は起
こらないものと考えられる。
【0060】このように、導電性付与不純物の分布が非
晶質内に留まるように不純物をイオン注入すれば、増速
拡散は、実質的に抑制できる。但し、アニールによって
非晶質層を再結晶化した時発生する積層欠陥は、pn接
合の外側に位置することとなる。
【0061】積層欠陥等の格子欠陥の影響を低減する為
には、不純物イオン注入工程では、不純物イオン注入深
さをa/c界面より浅く調整し、その後のアニール工程
で、非晶質層を再結晶化するとともに、不純物を活性化
し、さらにその後の熱拡散により不純物の分布深さをa
/c界面より深くすればよい。a/c界面に結晶欠陥が
残留していても高不純物濃度層に取り込まれ電気特性に
与える影響を抑制する。なお、アニール条件について
は、後述するように、より適切な条件の検討を別に行っ
た。
【0062】5)接合部の欠陥発生を抑制するアニール条
上述の予備実験による接合形成工程における、導電性に
寄与しないイオンおよび導電性を付与する不純物のイオ
ン注入工程後、種々のアニール条件で接合を形成し、電
気特性、欠陥の発生と残留状態とを調べ、その結果より
最適なアニール条件を求めた。
【0063】実験に採用したイオン注入工程の条件は、
次の通りである。非晶質化の為のイオン注入工程では、
イオン加速電圧60KeV、ドーズ量1×1015ion
s/cm2 、イオン注入角度7度の条件でSi+ イオン
注入を行った。導電性を付与する不純物のイオン注入工
程では、イオン加速電圧10KeV、ドーズ量1×10
15ions/cm2 、イオン注入角度7度の条件でP+
イオン注入を行った。イオン注入後、基板をアニールし
た。いずれのアニール工程も、N2 雰囲気中でRTA装
置を使用し、所定温度に10秒で昇温し、所定温度を1
0秒保持する条件で行った。
【0064】まず、アニール温度と接合部の抵抗の関係
を調べた。その結果を図9に示す。横軸はアニール温
度、縦軸は接合部のシート抵抗を示す。約600℃のア
ニール温度を境として高温側で接合部のシート抵抗は、
大きく低下した後、900℃付近まではあまり変化しな
かった。アニール温度約600℃の条件は、イオン注入
層を再結晶化し、イオン注入された不純物を活性化する
のに必要な温度に対応しているものと思われる。この結
果から、600℃以上のアニール温度が必要であると言
える。
【0065】次に、ヘアピンディスロケーションとアニ
ール温度の関係について調べた。その結果を図10に示
す。横軸はアニール温度、縦軸は1φμm(直径1μm
の円形領域)当たりのヘアピンディスロケーションの数
を示す。アニール温度が850℃を越えるあたりからヘ
アピンディスロケーションは発生し、900℃以上の温
度では、急激にその数が増大した。アニール温度が高く
なると、非晶質体が再結晶化する再結晶化速度にばらつ
きが生じやすく、これがヘアピンディスロケーションを
発生させていると思われる。ヘアピンディスロケーショ
ンの発生を抑制する為には、850℃以下の温度でアニ
ールすることが望ましいことがわかる。
【0066】上記2つの結果から、非晶質層を再結晶化
し、かつ不純物を活性化し、さらにヘアピンディスロケ
ーションの発生を抑えるアニール温度は、600〜85
0℃の範囲であるといえる。
【0067】図11は、アニールによる再結晶化の様子
を示すTEM写真である。図11(A)は、導電性に寄
与しないSi+ イオンの注入を行い基板表面層を非晶質
化した後、導電性を付与するP+ イオンを注入した直
後、即ちアニール前の接合の断面TEM写真である。イ
オン注入により形成された非晶質層ともともとの基板の
結晶部分とを分けるa/c界面がはっきりと観察され
る。
【0068】図11(B)に、上述の条件に従い850
℃でアニールした接合の断面TEM写真を示す。非晶質
層は再結晶化されており、ヘアピンディスロケーション
は観察されない。しかし、もともとのa/c界面付近に
は、積層欠陥が発生し、写真中に細い帯状の線として観
察される。勿論、さらに良好な電気特性を得る為には、
これらの積層欠陥も消滅させることが望まれる。
【0069】850℃でアニールを行った接合にさらに
2回目のアニールを試みた。1050℃で2回目のアニ
ールを行った接合、および1100℃で2回目のアニー
ルを行った接合の断面TEM写真を図11(C)、図1
1(D)にそれぞれ示した。ヘアピンディスロケーショ
ンは、発生していないうえに、850℃で第1回目のア
ニールを行った直後の接合と比較し、積層欠陥がかなり
消滅していることがわかる。1100℃の二回目のアニ
ールを行った接合では、欠陥数がかなり消滅し、ほぼ均
一な断面が得られた。
【0070】尚、1000℃で1回のアニールを行った
場合の接合の断面TEM写真を図11(E)に示した。
ヘアピンディスロケーションが発生しているとともに、
積層欠陥は、850℃でアニールした接合に較べて、む
しろ多く残留しているようであった。
【0071】このように、従来方法で作成した接合で
は、ヘアピンディスロケーションや、積層欠陥等が再結
晶層に残留している。上述の実施例による形成工程を用
いた場合においても、850℃10秒のアニールでは、
積層欠陥が存在している。しかし、ヘアピンディスロケ
ーションを生じさせなかった場合には、さらに熱処理を
行うことで一旦発生した積層欠陥を減少させることがで
きる。
【0072】以上の結果から、まずヘアピンディスロケ
ーションが発生しない温度でイオン注入層を再結晶化
し、かつ不純物を活性化し、次に、好ましくは再結晶化
アニール温度より高い温度でアニールを行い結晶欠陥を
減少させる二段階アニールが結晶層中の各種欠陥をなる
べく発生させず、一回発生した欠陥はなるべく消滅させ
る為に極めて効果的であるといえる。
【0073】6)トランジスタ素子作成例 上述の検討結果を参考にした、CMOS半導体装置の作
成工程を以下に説明する。
【0074】Bが3×1015atoms/cm3 ドープ
されたp型の面方位(100)のSi基板を準備する。
図12(A)に示すように、熱酸化により基板101の
表面に約30nmの厚みのSiO2 膜102を形成し、
その上に、減圧CVD(化学気相堆積法)を用いて厚さ
約140nmのSiNX 膜103を形成する。
【0075】図12(B)に示すように、SiNx 膜1
03上にレジストを塗布し、露光現像することによりレ
ジストマスク104を形成する。このレジストマスク1
04をエッチングマスクとし、SF6 とHeの混合ガス
をエッチングガスとしたドライエッチングを行い、Si
x 膜を選択的にエッチングする。
【0076】レジストマスク104とその下のSiNx
膜103をマスクとして、イオン加速電圧100Ke
V、ドーズ量1.5×1013ions/cm2 の条件で
+ イオン105のイオン注入を行う。SiO2 膜10
2の下にPのイオン注入層106が形成される。その後
レジストマスク104は除去する。
【0077】次に、図12(C)に示すように、酸化性
雰囲気中で1100℃で200分の熱処理を行い、イオ
ン注入層106を活性化させ、さらに不純物をドライブ
インさせ、n型ウェル107を形成する。また、この熱
処理によりSiNx 膜103が被覆されていない基板表
面は、熱酸化され、厚いLOCOS酸化膜102aが形
成される。この後、SiNx 膜103膜をエッチング除
去する。
【0078】イオン加速電圧30KeV、ドーズ量1.
5×1013ions/cm2 の条件で、B+ イオン10
8のイオン注入を行う。このイオン注入条件は、P拡散
層上の厚いLOCOS酸化膜102aをB+ イオンが貫
通しないように選択されている。薄い酸化膜102の下
にのみBのイオン注入層109が形成される。
【0079】図12(D)に示すように、1150℃、
240分の熱処理を行い、イオン注入層109を活性化
し、さらに不純物をドライブインし、p型ウェル110
を得る。この時n型ウェル107中のPもさらに熱拡散
し、n型ウェル111を形成する。この後、基板表面の
SiO2 膜102、102aをエッチング除去する。
【0080】図13(E)に示すように、あらためて熱
酸化により基板表面に厚み15nm程度のSiO2 膜2
01を形成し、その上に減圧CVD法で、140nm程
度の厚みのSiNx 膜202を形成する。尚、図示しな
いが、p型ウェル110とn型ウェル111との境界上
には、p型ウェル110形成時のイオン注入マスクに用
いたLOCOS酸化膜102の痕跡である段差が存在す
る。
【0081】図13(F)に示すように、SiNx 膜2
02の表面にレジストを塗布し、露光、現像により、活
性領域を覆うレジストマスク203を形成する。レジス
トマスク203をマスクにし、SiNx 膜202を選択
エッチングする。
【0082】図13(G)に示すように、レジストマス
ク203とその下のSiNx 膜202をイオン注入マス
クにして、イオン加速電圧30KeV,ドーズ量4.5
×1012ions/cm2 の条件でB+ イオン204の
イオン注入を行う。注入されたBは露出している酸化膜
膜を貫通し、各ウェル層内の浅い表面領域に注入され
る。p型ウェル110に注入されたBは、イオン注入層
205を形成する。この後、イオン注入用マスクに用い
たレジストマスク203を除去する。
【0083】図13(H)に示すように、SiNx 膜2
02をマスクとして熱酸化を行い、厚さ約400nmの
フィールド酸化膜206を形成する。また、この熱酸化
工程において、イオン注入層205中のBが拡散、活性
化し、p型ウェル110より高濃度のチャンネルストッ
プ層207を形成する。この後、熱酸化工程でマスクと
して使用したSiNx 膜202および、その下のSiO
2 膜201をウェットエッチングで除去する。その後、
基板全面を再び熱酸化することにより、厚さ9.5nm
のSiO2 膜208を形成する。
【0084】次に、図14(I)に示すように、イオン
加速電圧15KeV、ドーズ量1.5×1012ions
/cm2 の条件でB+ イオン301のイオン注入を行
う。このイオン注入層302は、デバイス上でMOSト
ランジスタの閾値電圧制御用として機能することとな
る。
【0085】図14(J)に示すように、基板表面全域
に多結晶Si膜303を減圧CVD法で厚さ約150n
m形成し、この多結晶Si膜303中にP(燐)を高濃
度でドープする。さらに、図14(K)に示すように、
多結晶Si膜303上に厚み約150nmのWSi膜3
04をスパッタリングで形成する。このような、多結晶
Si膜上に金属シリサイド膜を連続的に重ねた構造は、
一般にポリサイド構造と呼ばれる。
【0086】WSi膜上にレジストを塗布し、露光、現
像によりゲート電極パターンのレジストマスクを得る。
このレジストマスクをエッチングマスクとして、ポリサ
イド層303、304を選択的にエッチングする。エッ
チング後レジスト膜は除去する。残ったポリサイド層
は、図14(L)に示すように、フィールド酸化膜で画
定された活性領域上でゲート電極305となる。
【0087】ゲート電極305、フィールド酸化膜20
6をイオン注入マスクとして、基板全面に加速電圧80
KeV,ドーズ量4.0×1013ions/cm2 、注
入角度45度の条件でP+ イオン401のイオン注入を
行う。図15(M)に示すように、p型ウェル110、
n型ウェル111のそれぞれの極浅い領域にイオン注入
層402、および403が形成される。
【0088】図15(N)に示すように、基板全面にレ
ジスト膜を形成し、露光、現像によりp型ウェル110
を覆うイオン注入マスク404を形成する。このレジス
トマスク404をマスクとして、加速電圧65KeV、
ドーズ量2.5×1014ions/cm2 の条件でBF
2 + 405のイオン注入を行う。n型ウェルの極浅い領
域にBF2 + イオン注入層406が形成される。BF2
+ の注入領域406では、B濃度の方がP濃度より高く
なり、補償の結果p型となる。
【0089】次にBF2 を活性化する為にRTA装置を
用いて、1100℃まで10秒で昇温し、10秒間この
温度に保持する。各p型ウェル、n型ウェルに形成した
イオン注入層402、406は、LDD(Lightly dope
d drain )領域を形成する。
【0090】図15(O)に示すように、TEOS(テ
トラエトキシシラン)を用いた減圧CVD法にて、厚み
約200nmのSiO2 膜407を基板全面に形成す
る。その後、RIE(reactive ion etching)を用い
て、図15(P)に示すように、ゲート電極305の側
壁のみにSiO2 領域408を残す。このSiO2 領域
408は、一般にサイドスペーサもしくはサイドウォー
ルオキサイドと呼ばれる。
【0091】次に説明するpチャンネルトランジスタ、
nチャンネルトランジスタのソース/ドレイン領域を形
成する工程が、本実施例の最大の特徴である浅い接合を
形成する工程である。
【0092】まず、図16(Q)に示すように、フィー
ルド酸化膜206とゲート電極305およびそのサイド
スペーサ411をイオン注入マスクとして、導電性に寄
与しないSi+ イオン501のイオン注入を行う。この
工程は、不純物イオン注入領域を非晶質化する為に行わ
れる。例えば、加速電圧60KeV、ドーズ量1.0×
1015ions/cm2 、注入角度7度のイオン注入条
件を用いると、表面から0.11μmの深さの、非晶質
イオン注入層502、503を得ることができる。
【0093】次に、図16(R)に示すように、基板全
面にレジストを塗布した後、露光、現像により、p型ウ
ェル110を覆うレジストマスク504を形成する。こ
のレジストマスク504をイオン注入マスクとし、導電
性を付与するイオンであるBF2 + イオン505のイオ
ン注入を行う。
【0094】イオン加速電圧30KeV、ドーズ量2.
0×1015ions/cm2 、注入角度7度のイオン注
入条件をもちいると、約0.1μmの深さのイオン注入
層506が形成される。このイオン注入層506は先に
形成した非晶質イオン注入層502より浅く形成されて
いる。
【0095】ここでは、注入角度7度でイオン注入した
が、基板表面を非晶質化してチャネリングの発生を抑制
しているので注入角度を0度としても良い。ゲート電極
下の不純物横方向の拡がりを抑制する為には、注入角度
0度でイオン注入することが好ましい。なお、図面中、
重複するイオン注入領域については、図示を省略してい
る。その後レジストマスク504を除去する。
【0096】続いて、図16(S)に示すように、基板
全面にレジスト膜を形成し、露光、現像によりn型ウェ
ル111を覆うレジストマスク507を形成する。この
レジストマスク507をイオン注入マスクとして、導電
性を付与するイオンであるP + イオン508のイオン注
入を行う。イオン加速電圧10KeV、ドーズ量1.0
×1015ions/cm2 のイオン注入条件をもちいる
と、約0.1μmの深さのイオン注入層509が形成さ
れる。イオン注入層509は先に形成した非晶質層50
3より浅く形成されている。その後レジストマスク50
7を除去する。
【0097】次にRTA装置を用いて、基板を850℃
まで10秒で昇温し、850℃で10秒保持する。この
アニール処理により、非晶質層502、503は再結晶
化し、イオン注入層506、509の不純物は活性化さ
れ、それぞれpチャンネル、nチャンネルのソース/ド
レイン領域となる。この状態ではa/c界面はソース/
ドレイン領域の外にある。ソース/ドレイン領域をさら
にドライブインするアニール工程は、再結晶化アニール
後に別条件で連続しておこなってもよいし、再結晶化ア
ニール時間を延長することでドライブアニールとするこ
ともできるが、本実施例では、層間絶縁膜を形成後にお
こなうこととする。
【0098】図17(T)に示すように、基板全面に層
間絶縁膜601を形成する。常圧CVDを用い、膜厚約
100nmのPSG膜(フォスフォシリケートガラス)
と膜厚約600nmのBPSG膜(ボロンフォスフォシ
リケートガラス)の二層膜からなる層間絶縁膜601を
形成する。
【0099】この後、1050℃まで10秒で昇温し、
1050℃で10秒保持する熱処理を行う。ソース/ド
レイン層をさらに拡散させてその内部にa/c界面を取
り込む。層間絶縁膜を形成した後のアニールは、接合部
の積層欠陥を消滅させるとともに、層間絶縁膜の膜質改
善を行う効果も持つ。具体的には、層間絶縁膜を軟化流
動させることで層間絶縁膜表面の平坦性を改善できる。
又、層間絶縁膜中の水分を蒸散させることで、水分によ
るトランジスタの特性劣化(しきい電圧の変動等)を抑
制できる。また、P+ イオン注入後に、層間絶縁膜を形
成し、この後に再結晶化アニールとドライブインアニー
ルを行うことも可能である。この場合、層間絶縁膜は、
例えば600℃以下の温度で堆積する。
【0100】この後、レジストを全面に塗布し、露光、
現像によりコンタクトホールに対応する開口を有するレ
ジストマスクを形成する。このレジストマスクをエッチ
ングマスクとして、層間絶縁膜を選択的にエッチング
し、配線形成の為のコンタクトホールを形成する。レジ
スト膜は除去する。
【0101】次に基板全面にスパッタリング法にて、W
Si等のバリアメタルを膜厚約50nm形成する。続い
てこのWSi膜上にAl−Si−Cuの3組成よりなる
Al合金膜をスパッタリング法で約800nm程度形成
する。
【0102】基板全面にレジストを塗布し、露光、現像
により電極/配線パターンを有するレジストマスクを形
成する。このレジストマスクをエッチングマスクとし、
WSi膜とAl合金膜をエッチングし、図17(U)に
示すような所望の配線602を形成する。
【0103】さらに、図17(V)に示すように、基板
全面にパッシベーション膜603を形成する。パッシベ
ーション膜は、プラズマCVD法により各500nmの
厚さのPSG膜とSiNx 膜とを連続的に堆積して形成
する。
【0104】基板全面にレジストを塗布し、露光、現像
によりボンディングパッド、スクライブライン等に対応
する開口を有するレジストマスクを形成する。このレジ
ストマスクをエッチングマスクとして、パッシベーショ
ン膜をエッチングし、配線引出しの為のボンディングパ
ッド用窓開け等を行う。
【0105】最後に、水素雰囲気で400℃30分程基
板をアニールし、各種工程でのダメージによりゲート酸
化膜中に発生した電荷を中和する。上記製造方法を用い
ることにより、最終的に接合の深さ0.15μmのpチ
ャンネルトランジスタ、nチャンネルトランジスタの浅
いソース/ドレイン接合を得ることができる。
【0106】以上、一連のCMOS半導体装置の作成工
程について説明したが、上記した以外の材料や、装置の
選択も可能である。例えば、非晶質層形成の為のイオン
注入に用いるイオン種は、上記したSi以外にも電気伝
導に寄与しないイオンを用いることも可能である。この
場合原子数の大きなイオンを選択することが、イオン注
入時の侵入深さを抑制する意味から望ましい。Siより
大きい原子数16以上の元素を用いることができる。ま
た、例えばGe、C、N、F、Cl、Ne、Ar等のイ
オンを選択することもできる。
【0107】また、導電性付与のイオン注入に用いるイ
オン種は、上記したB+ 、BF2 +、P+ 以外にも、A
+ やSb+ 等、および、これらの化合物イオン等を用
いることもできる。
【0108】さらに、実施例では不純物活性化および非
晶質層の再結晶化の為のアニールは、短時間処理が可能
なRTA装置を用いているが、加熱の手段は、レーザ加
熱装置や抵抗加熱炉を用いても同じ効果を得ることがで
きるであろう。
【0109】ここでは、nチャネルMOSトランジスタ
とpチャネルMOSトランジスタを含むCMOSICへ
の応用について記載したが、nチャネルMOSトランジ
スタのみを含むNMOSIC,pチャネルMOSトラン
ジスタのみを含むPMOSICへの応用は自明であろ
う。
【0110】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0111】
【発明の効果】以上説明したように、中性イオンにより
非晶質化した層内に不純物をイオン注入することによ
り、不純物の増速拡散を抑制することができる。浅い接
合の形成が可能となる。
【0112】また、不純物の注入後のアニール温度を最
適化することで、接合部の結晶層における欠陥の発生と
残留を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による接合部の形成工程を示す
断面図である。
【図2】nチャンネルトランジスタ素子の構造を示す断
面図である。
【図3】従来の接合部の形成工程を示す断面図である。
【図4】従来の形成工程で作成した接合部における不純
物分布を示す図である。
【図5】従来の形成方法で作成した接合部の断面の結晶
構造を示す写真である。
【図6】本発明の実施例による形成工程における接合部
の不純物分布を示す図である。
【図7】イオン注入条件と、イオン注入深さの関係を示
すグラフである。
【図8】本発明の実施例による形成工程で作成した接合
部における不純物分布を示す図である。
【図9】アニール温度と接合部のシート抵抗の関係を示
すグラフである。
【図10】アニール温度とヘアピンディスロケーション
の発生数との関係を示すグラフである。
【図11】種々のアニール条件で形成した接合部の断面
の結晶構造を示す写真である。
【図12】本発明の実施例によるCMOS半導体装置の
作成工程を示す断面図である。
【図13】本発明の実施例によるCMOS半導体装置の
作成工程を示す断面図である。
【図14】本発明の実施例によるCMOS半導体装置の
作成工程を示す断面図である。
【図15】本発明の実施例によるCMOS半導体装置の
作成工程を示す断面図である。
【図16】本発明の実施例によるCMOS半導体装置の
作成工程を示す断面図である。
【図17】本発明の実施例によるCMOS半導体装置の
作成工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・p型ウェル層、2・・・導電性に寄与しないイ
オン、3・・・非晶質層、4・・・a/c界面、5・・
・導電性を付与するイオン、6・・・イオン注入層、7
・・・イオン注入層の底面(pn接合)、8・・・不純
物拡散層、11・・・Si基板、12a,12b・・・
フィールド酸化膜、13・・・ゲート酸化膜、14・・
・多結晶Si膜、15・・・WSi膜、16・・・サイ
ドスペーサ、17a、17b・・・不純物拡散層、18
・・・層間絶縁膜、19・・・配線、20・・・パッシ
ベーション膜、101・・・基板、102・・・SiO
2膜、103・・・SiNx 膜、110・・・p型ウェ
ル、107、111・・・n型ウェル、201・・・S
iO2 膜、202・・・SiNx 膜、206・・・フィ
ールド酸化膜、208・・・SiO2 膜、303・・・
多結晶Si膜、304・・・WSi膜、305・・・ゲ
ート電極、407・・・SiO2 膜、408・・・サイ
ドスペーサ、601・・・層間絶縁膜、602・・・配
線、603・・・パッシベーション膜、105、10
8、204、301、401、405、501、50
5、508・・・イオン、104、203、404、5
04、507・・・レジストマスク、106、109、
205、302、402、403、406、502、5
03、506、509・・・イオン注入層、207・・
・チャンネルストップ層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/324 Z 21/8238 27/092 H01L 21/265 U V 27/08 321 E

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性に寄与しないイオン種を第1導電
    型の結晶領域に対しイオン注入し、該結晶領域の表面か
    ら一定の深さまでの非晶質層を形成する第1の工程と、 前記第1の導電型と逆の第2の導電型の導電性を付与す
    る不純物を、前記非晶質層内にその不純物分布が留まる
    ようにイオン注入する第2の工程と、 該結晶領域を加熱して不純物を活性化し、前記非晶質層
    の領域内に第2導電型領域を形成する第3の工程と、 を有する半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 さらに、前記結晶領域を加熱して不純物
    を拡散させ、第2導電型領域の接合を前記非晶質層の深
    さより深くする第4の工程を有する請求項1に記載の半
    導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第3の工程の加熱温度が、600℃
    以上である請求項1ないし2に記載の半導体装置の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記第3の工程の加熱温度が、600℃
    以上850℃以下の温度範囲内である請求項3に記載の
    半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第4の工程の加熱温度が、前記第3
    の工程の加熱温度以上の温度である請求項1から4のい
    ずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 さらに、第3の工程と第4の工程の間
    に、前記結晶領域全面に層間絶縁膜を形成する工程を有
    する請求項1から5のいずれかに記載の半導体装置の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 さらに、第2の工程と第3の工程の間
    に、前記結晶領域全面に層間絶縁膜を形成する工程を有
    する請求項1から5のいずれかに記載の半導体装置の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 表面から一定の深さまでの非晶質層を有
    するSi結晶体に対し少なくとも導電性を付与する不純
    物をイオン注入する工程と、 Si結晶体を600〜850℃の温度に加熱し、前記非
    晶質層の結晶体との界面に積層欠陥を残しつつ前記非晶
    質層を結晶化させ、かつ前記不純物を活性化する工程
    と、 該Si結晶体をさらに高温に加熱し、積層欠陥を減少さ
    せる工程とを有する半導体装置の製造方法。
JP6285634A 1994-11-18 1994-11-18 半導体装置の製造方法 Withdrawn JPH08148424A (ja)

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