JPH08146626A - 電子写真感光体及び製造方法 - Google Patents

電子写真感光体及び製造方法

Info

Publication number
JPH08146626A
JPH08146626A JP28993194A JP28993194A JPH08146626A JP H08146626 A JPH08146626 A JP H08146626A JP 28993194 A JP28993194 A JP 28993194A JP 28993194 A JP28993194 A JP 28993194A JP H08146626 A JPH08146626 A JP H08146626A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
group
carrier
coating
carrier transport
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28993194A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiko Itami
明彦 伊丹
Chigusa Fukumoto
知草 福本
Takeo Oshiba
武雄 大柴
Yoshihiko Eto
嘉彦 江藤
Yoshiaki Takei
良明 武居
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP28993194A priority Critical patent/JPH08146626A/ja
Publication of JPH08146626A publication Critical patent/JPH08146626A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度であり、耐摩耗性、耐刷性に優れ高耐
久かつ繰り返し使用による電位安定性の低下、残留電位
の上昇及び光感度の低下が少ない感光体を提供する。 【構成】 導電性支持体上にキャリア発生層とキャリア
輸送層とを順次積層してなる電子写真感光体において、
前記キャリア輸送層中に一次粒径が0.1μm以上10μm以
下の疎水性シリカあるいはシリコーン微粒子を含有する
ことを特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体、特に
有機電子写真感光体の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法として最も代表的なカ
ールソン法での複写機について説明すれば、感光体を一
様に帯電させた後、露光によって電荷を像様に消去せし
め、静電荷潜像を形成する。これをトナーによって現像
して可視化し、次いでそのトナーを紙などの転写体に転
写してから定着する。
【0003】一方、感光体は残存している付着トナーの
除去や除電等の表面浄化処理が施され、長期にわたって
繰り返し使用される。
【0004】従って、電子写真法としては帯電特性及び
感度が良好で、更に暗減衰が低いなど電子写真特性は勿
論のこと、繰り返し使用での耐刷性、耐摩耗性、表面に
傷がつきにくい等の物理的特性、コロナ放電によって発
生するオゾンに対する耐性、露光時に受ける紫外線など
への耐久性においても良いことが要求され、実用上はこ
れらの点が問題視される。
【0005】これまで電子写真感光体としては、セレ
ン、酸化亜鉛、硫化カドミウムなどの無機光導電性物質
を感光層の主成分とするいわゆる無機感光体が広く用い
られてきた。しかし、これらの無機感光体は有害なもの
が多く、環境対策上問題がある。
【0006】従って近年、無公害である有機物を用いた
有機感光体の開発が盛んであり、広く実用化されてきて
いる。中でもキャリア発生機能とキャリア輸送機能とを
異なる物質に分担させ、希望する特性を持つ化合物を広
い範囲から選択し得るいわゆる機能分離型の感光体が盛
んに開発されている。しかし、このような有機感光体は
無機感光体に比べ一般に機械的強度が劣っており、クリ
ーニングブレード、現像ブラシ等の機械的外力による摺
擦傷、摩耗といった問題がある。
【0007】例えば、支持体上にキャリア発生層及びキ
ャリア輸送層を順次積層した従来の感光体は、キャリア
輸送層が低分子のキャリア輸送物質を不活性の高分子樹
脂バインダーで結着することにより形成されているた
め、キャリア輸送層は一般に柔らかく、機械的特性と電
子写真的特性とを両立させることが必ずしも十分できて
いない。感度の高い組成またはある種の樹脂バインダー
では感光体の反復使用時にクリーニングブレード等の摺
擦等によって感光体表面に傷が生じたり、表面が摩耗し
たりする。また耐摩耗性の高い組成またはある種の樹脂
バインダーでは感度が低い、または残留電位上昇等の電
子写真的特性が満足できなかった。これらが、近年その
指向が強いカールソンプロセスの高速化或いは小型化の
障害となっている。
【0008】これらの問題について感光体表面の摩擦係
数の低減、表面エネルギーの低減、及び摩耗低減剤とし
てキャリア輸送層にシリコーン含有樹脂(特開昭61-219
049号、同62-205357号)、フッ素含有樹脂(特開昭50-2
3231号、同61-116362号、同61-204633号、同61-270768
号)を用いる方法等が提案されている。しかし、低感度
であったり、繰り返し使用による残留電位の上昇等の電
子写真特性や摩耗、傷による画質の低下、膜減耗による
感度低下等の機械的耐久性がなお不十分であり、これら
を満足することはできなかった。
【0009】一方キャリア輸送層の上に更に各種組成、
材料で保護層を設けることによる問題点の解決が提案さ
れているが、感度低下及び残留電位上昇が生じてしま
う。
【0010】又、バインダー樹脂の高分子量化による問
題点の解決法も特開昭60-168153号、特開平1-206348号
で提案されているが、分子量が増加するに従い塗布液の
粘度は指数的に上昇してしまう。そのためキャリア輸送
層の一般的塗布法である浸漬塗布において、キャリア輸
送層の適正膜厚に塗工するにはゆっくり引き上げなけれ
ばならず、生産性の低下を招く。
【0011】さらに、シリコーン樹脂微粒子、フッ素含
有樹脂微粒子(特開昭63-65449号)、メラミン樹脂微粒
子(特開昭60-177349号)の添加も提案されている。し
かしながら、分散性、繰り返し使用時の電位安定性、耐
久性、耐摩耗性等が不十分であり、問題の解決に至って
いない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は高感度であ
り、耐摩耗性、耐刷性に優れ高耐久かつ繰り返し使用に
よる電位安定性の不足、残留電位の上昇及び光感度の低
下が少ない感光体を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記構
成のいずれかを採ることによって達成される。
【0014】(1)導電性支持体上にキャリア発生層と
キャリア輸送層とを順次積層してなる電子写真感光体に
おいて、前記キャリア輸送層中に体積平均粒径が0.1μm
以上10μm以下の疎水性シリカ又は疎水性シリコーンを
含有することを特徴とする電子写真感光体。
【0015】(2)キャリア輸送層が複数の構成層から
なり、導電性支持体から遠いキャリア輸送層に体積平均
粒径が0.1μm以上10μm以下の疎水性シリカ又は疎水性
シリコーンを含有する感光層を有することを特徴とする
(1)記載の電子写真感光体。
【0016】(3)導電性支持体から遠いキャリア輸送
層の膜厚が1μm以上20μm以下であることを特徴とする
(2)記載の電子写真感光体。
【0017】(4)前記疎水性シリカ及び疎水性シリコ
ーンかシランカップリング剤、チタンカップリング剤又
はアルミニウムカップリング剤で処理されている
(1),(2)又は(3)記載の感光体。
【0018】(5)シランカップリング剤が下記一般式
(1)または(2)で表される化合物であることを特徴とす
る(4)記載の電子写真感光体。
【0019】一般式(1) A−Si−(X)3 一般式(2) A−B−Si−(X)3 (式中、Aは各々置換、未置換のアルキル基もしくは、
アリール基、又はビニル基、エポキシ基、メタクリル
基、メルカプト基、アミノ基の少なくとも1つか置換さ
れた脂肪族炭化水素基、Bはアルキレン基、Xはメトキ
シ基、エトキシ基または塩素原子を表す。) (6)導電性支持体上にキャリア発生層とキャリア輸送
層とを順次積層してなる電子写真感光体の製造方法にお
いて、キャリア輸送層が複数の構成層からなり、導電性
支持体から遠いキャリア輸送層に、体積平均粒径が0.1
μm以上10μm以下の疎水性シリカ又は疎水性シリコーン
を含有する塗工液を円形量規制型塗布機により塗布、形
成せしめたことを特徴とする電子写真感光体の製造方
法。
【0020】本発明は、導電性支持体上にキャリア発生
層とキャリア輸送層とを順次積層してなる電子写真感光
体において、前記キャリア輸送層中に一次粒径が0.1μm
以上10μm以下の疎水性シリカあるいは疎水性シリコー
ン粒子を含有することを特徴とする電子写真感光体、望
ましくはキャリア輸送層が複数の構成層からなり、前記
キャリア輸送層の最上層に一次粒径が0.1μm以上10μm
以下の疎水性シリカあるいはシリコーン粒子を含有する
ことを特徴とする電子写真感光体に係るものであり、疎
水性シリカあるいは疎水性シリコーン粒子を含有する塗
工液を円形量規制型塗布機により塗布、製造することが
望ましい。
【0021】即ち、本発明の感光体は機械的強度、耐傷
性、耐摩耗性、耐刷性に優れ、帯電性能も良好である。
特に形成された感光層表面の強度が強く、低い動摩擦係
数を有していることが特徴である。
【0022】本発明のキャリア輸送層の構成層は、2層
又は3層以上とすることが望ましい。又、本発明に用い
られる疎水性シリカ及び疎水性シリコーン粒子は通常の
シリカ、シリコーン粒子を種々の疎水化剤で処理するこ
とによって得ることができる。疎水化剤としては通常シ
ランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニ
ウムカップリング剤などのカップリング剤が用いられる
が、シリカ、シリコーン粒子の場合シランカップリング
剤による処理が特に効果的である。
【0023】シリカとは、2酸化ケイ素で代表的にはア
モロファスの2酸化ケイ素をいい、不純物を多少含有し
ている場合もあるが、少なくとも60%以上は2酸化ケイ
素である。
【0024】本発明に用いられるシリコーン粒子は基本
的に 1.トリオルガノシルヘミオキサン [R3SiO0.5] 2.ジオルガノシロキサン [R2SiO] 3.オルガノシルセスキオキサン [RSiO1.5] 4.シリケート [RSiO2] (Rはメチル基等の、炭素数1〜8のアルキル基、パー
フルオロアルキル基等の置換アルキル基、アルキレン
基、フェニル基等のアリール基、水素原子を表す。) 上記4種の基本構成単位からなり、特に3官能性単位か
らなるオルガノシルセスキオキサンからなる粒子が望ま
しい。又、本発明に用いられる疎水性粒子はシリコーン
よりシリカの方がより好ましい特性を示す。
【0025】1.シランカップリング剤 本発明に用いられるシランカップリング剤は特に限定さ
れないが、次の一般式で示されるシランカップリング剤
が好ましく用いられる。
【0026】一般式(1) A−Si−(X)3 一般式(2) A−B−Si−(X)3 (式中、Aは置換若しくは未置換のアルキル基、パーフ
ルオロアルキル基、フェニル基、アリール基を表すか或
いはビニル基、エポキシ基、メタクリル基、メルカプト
基、アミノ基のいずれかを有する脂肪族炭化水素基を表
す。Bはアルキレン基を表し、Xはメトキシ基、エトキ
シ基又は塩素原子を表す。) 本発明に好ましく用いられるシランカップリング剤の具
体例を次に示す。
【0027】
【化1】
【0028】又、これらのシランカップリング剤のほか
にも、例えば下記一般式で示されるポリマー型シランカ
ップリング剤も用いられる。
【0029】
【化2】
【0030】(式中、Xはアルコキシシリル基、Yはエ
ポキシ基、水酸基、メタクリル基などの反応性有機官能
基、Zはポリエーテル、ポリエステル、アラルキルなど
の有機物との相溶化ユニットを表す。キャリア輸送層の
バインダ樹脂との相溶性のよいものが望ましい。) 2.チタンカップリング剤 チタンカップリング剤についても種々の構造のものが用
いられるが具体例としては次のようなものが挙げられ
る。
【0031】イソプロピルトリイソステアロイルチタネ
ート イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)
チタネート イソプロピルトリ(N-アミノエチル-アミノエチル)チ
タネート テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタ
ネート テトラ-(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス
(ジドデシル)ホスファイトチタネート ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテー
トチタネート ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネ
ート イソプロピルトリオクタノイルチタネート イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネー
ト イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネー
ト イソプロピルトリクミルフェニルチタネート テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チ
タネート 3.アルミニウムカップリング剤 アルミニウムカップリング剤についても種々の構造のも
のを用いることができるが、具体的には次の一般式で表
されるものが用いられる。
【0032】
【化3】
【0033】(式中、D、E及びFは炭素数1〜6のア
ルキル基及びGは炭素数1〜24のアルキル基またはアル
ケニル基を表す。またD、E及びFにおけるアルキル基
は側鎖を有していても良く、好ましくはD及びEがイソ
プロピル基で、Fがメチル基である。Gにおける各基も
側鎖を有していても良く、好ましくは炭素数が8〜24で
ある。) これらのカップリング剤はバインダー樹脂に配合して用
いても良いが、シリカあるいは、シリコーン粒子をあら
かじめカップリング剤で表面処理して用いるのが望まし
い。これにより本発明の粒子表面とバインダー樹脂との
親和性が増大し、分散性や接着性の向上が図れる。
【0034】カップリング剤による本発明の粒子の処理
方法としては特に限定されないが、通常適当な溶媒、例
えばブタノール、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエ
ン、メチルエチルケトンなどの存在下または不存在下に
粒子とカップリング剤を混合し、十分接触させることに
より行う。
【0035】カップリング剤の使用量は粒子100重量部
に対し0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜10重量部であ
るが、一般的には表面を十分被覆するための理論量は次
式で算出することができる。但し、理論量とは粒子表面
に単分子層を形成するのに必要な量である。
【0036】
【数1】
【0037】(Ws :シランカップリング剤添加量
(g) Wf:微粒子使用量(g) SE :微粒子比表面積(m2/g) MCA:シランカップリング剤1g当たりの最小被覆面積
(m2/g)) 実際にはこの値を基準にして、用途に応じた処理量を設
定することができる。
【0038】本発明に用いられる粒子の体積平均粒径は
0.1〜10μmであり、望ましくは0.1〜5μmである。体積
平均粒径がこの範囲より小さいと分散性が低下するとと
もに十分な表面強度が得られない。また大きい場合は表
面粗さが増大し、光の散乱による感度低下が見られると
ともに残留トナーのクリーニング性が悪くなる。
【0039】本発明の疎水性シリカ及びシリコーン粒子
のキャリア輸送層中のバインダー樹脂に対する含有量比
は1重量%以上300重量%以下、望ましくは10重量%以
上150重量%以下であり、キャリア輸送層が複数の構成
層からなる場合には含有量比は最表面層中のバインダー
樹脂に対しての含有量比である。
【0040】
【作用】次に本発明の一般的感光体構成を図1に例示す
る。
【0041】図1において、(a)の感光体は、導電性
支持体1上にキャリア発生層2を設け、キャリア発生層
2上にキャリア輸送層3を設けたものである。このキャ
リア輸送層3は均一層(単層)であってもかまわない
が、構成層3A、3Bからなる複数層からなる層である
ことがより望ましい。(b)の感光体では基体1A上に
導電層1Bを設けることにより導電性支持体1を形成し
ている。(c)の感光体では感光体上に表面保護層5を
設けている。(d)の感光体では(a)の感光体でキャ
リア発生層2と導電性支持体との間に中間層又は下引き
層6を設けている。
【0042】最上層側のキャリア輸送層構成層((a)
〜(d)の例では構成層3B)におけるキャリア輸送物
質のバインダー物質に対する含有量比は(重量比:キャ
リア輸送物質/バインダー物質)は75重量%以下、更に
は5〜75重量%とすることが望ましい。
【0043】これにより成膜強度も大きくでき、またキ
ャリア輸送性能も阻害されない。
【0044】最下層側のキャリア輸送層構成層((a)
〜(d)の例では構成層3A)におけるキャリア輸送物
質のバインダー樹脂に対する含有量比は、30重量%以
上、更には30〜300重量%とすることが望ましい。これ
によりキャリア発生層からのキャリア注入能を大きくで
きる。特筆すべきことはキャリア輸送物質の含有量比を
例えば300重量%と非常に大きくできることであり、こ
れは感光体の表面領域側のキャリア輸送層構成層の成膜
強度を大きくしたために可能となったのである。
【0045】キャリア輸送層の膜厚は5〜50μmが望ま
しい。キャリア輸送層が複数の構成層からなる場合には
下側構成層3Aの厚みは1〜50μm、上側構成層の厚み
は0.1〜30μm、望ましくは1〜20μmである。
【0046】キャリア発生層の膜厚は0.01〜10μmとす
るのが望ましく、0.1〜5μmとするのが更に望ましい。
保護層が存在する場合にはその膜厚は2μm以下が望ま
しい。
【0047】尚、本発明において感光層とは、導電性支
持体1と中間層又は下引き層6をのぞき、その上に積層
されている層および、代表的とはキャリア発生層2とキ
ャリア輸送層3である。
【0048】次に感光体を構成する材質、処方について
述べる。
【0049】キャリア輸送層に用いられるバインダー樹
脂はキャリア輸送層の形成に際して単独のバインダーで
も複数のバインダーを併用してもかまわない。バインダ
ーとして任意のものを選ぶことができるが、溶剤に可溶
でフィルム形成能を有する高分子重合体が望ましい。こ
のような重合体としては例えば次のものを挙げることが
できるがこれらに限定されるものではない。
【0050】 ポリカーボネート樹脂 ポリカーボネートZ樹脂 アクリル樹脂 メタクリル樹脂 ポリ塩化ビニル ポリ塩化ビニリデン ポリスチレン スチレンーブタジエン共
重合体 ポリ酢酸ビニル ポリビニルホルマール ポリビニルブチラール ポリビニルアセタール ポリビニルカルバゾール スチレン-アルキッド樹
脂 シリコーン樹脂 シリコーン-アルキッド
樹脂 シリコーン-ブチラール樹脂 ポリエステル ポリウレタン ポリアミド エポキシ樹脂 フェノール樹脂 塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体 塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体 これらの樹脂の中でもポリカーボネート樹脂またはポリ
カーボネートZ樹脂が最も好ましい。
【0051】本発明の電子写真感光体に用いられるキャ
リア発生物質としてはフタロシアニン化合物、具体的に
はA型、B型、Y型などの結晶型のチタニルフタロシア
ニン、チタニルフタロシアニンと他のフタロシアニンと
の混晶、更にはX型、τ型などの無金属フタロシアニ
ン、銅フタロシアニン等に代表される各種の金属フタロ
シアニン、ナフタロシアニン、その他ポルフィリン誘導
体、アゾ化合物、イミダゾールペリレン、ビスイミダゾ
ピリドノペリレンなどのペリレン色素、アンサンスロ
ン、アントラキノンなどの多環キノン色素、ペリノン色
素、ピリリウム化合物及びピリリウム化合物の共晶錯
体、アズレニウム化合物、スクエアリウム化合物などが
挙げられる。
【0052】本発明に用いられるアゾ化合物の具体例と
しては例えば特開平2-20877号に記載されているごとき
下記に示す化合物が挙げられる。
【0053】
【化4】
【0054】また本発明に用いられるビスイミダゾピリ
ドノペリンは、一般式(3)または一般式(4)で示され
る。
【0055】
【化5】
【0056】但し、一般式(3),(4)においてZは置
換、未置換の複素環を形成するのに必要な原子群を表
し、これらの好ましい具体例としては、ベンゼン環、ナ
フタレン環、アンスラセン環、フェナンスレン環、ピリ
ジン環、ピリミジン環、ピラゾール環、アントラキノン
環を形成するに必要な原子群が挙げられる。なかでも好
ましいのはベンゼン環、ナフタレン環と形成するに必要
な原子群であり、特に好ましいのはベンゼン環と形成す
るに必要な原子群である。これらは置換基を有していて
もいなくてもよいが、無置換のものが特に好ましい。こ
れらの置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ア
リール基、アリールオキシ基、アシル基、アシロキシ
基、アミノ基、カルバモイル基、ハロゲン原子、ニトロ
基、シアノ基などを挙げることができるが、好ましくは
アルキル基である。
【0057】下記「化6」、「化7」に一般式(3)、
(4)で表される化合物の具体例を、Zに相当する部分を
代表して示す。
【0058】
【化6】
【0059】
【化7】
【0060】次に、本発明の電子写真感光体に用いられ
るキャリア輸送物質としては種々のものが使用できる
が、代表的なものとして例えばオキサゾール、オキサジ
アゾール、チアゾール、チアジアゾール、イミダゾール
等に代表される含窒素複素環核、及びその縮合環核を有
する化合物、ポリアリールアルカン系の化合物、ピラゾ
リン系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリアリールアミ
ン系化合物、スチリル系化合物、ポリス(ビス)スチリ
ル系化合物、スチリルトリフェニルアミン系化合物、β
-フェニルスチリルトリフェニルアミン系化合物、ブタ
ジエン系化合物、ヘキサトリエン系化合物、カルバゾー
ル系化合物、縮合多環系化合物等が挙げられる。このキ
ャリア輸送物質の具体例としては例えば特開昭61-10735
6号に記載のキャリア輸送物質を挙げることができる
が、特に代表的なものの構造を以下に示す。
【0061】
【化8】
【0062】
【化9】
【0063】
【化10】
【0064】
【化11】
【0065】
【化12】
【0066】
【化13】
【0067】感光体の各層は浸漬塗布、スプレー塗布、
ブレード塗布、ロール塗布、スパイラル塗布、スライド
ホッパ塗布等の種々の塗布方法により形成できる。
【0068】また、上側構成層3Bと下側構成層3Aの
塗布形成方法を異ならせることもできる。例えば、構成
層3Aを浸漬塗布により形成し、構成層3Bをスプレー
塗布により形成すれば、下側構成層3Aの溶解、膨潤を
防止できる。
【0069】従来、有機光導電性感光体を塗布、形成す
る場合、浸漬塗布、ブレード塗布、スピン塗布、ビーム
塗布、スパイラル塗布等種々の塗布方法が用いられてい
るが、塗布方法が手軽でかつ平滑な塗膜が容易に得られ
ることから、多量の塗布液を満たしたタンクに被塗布体
を浸漬して塗布する浸漬塗布法が最も普及している。し
かしながら前記浸漬塗布法では感光体を浸漬塗布する場
合、下層が溶解される。即ち、表面層の塗布時、下層が
溶解されると塗膜が破壊されて表面層及び下層の機能が
失われ、感光体の性能が発現されない。また表面層の塗
布時、ムラ、スジ、斑点、凹凸等を発生した場合、電子
写真性能が部分的又は局所的に異なる画像ムラを生じて
画質が低下し、かつ光電的、機能的耐久性も低下し、電
子写真性能が損なわれる。
【0070】また前記浸漬塗布法は多量の塗布液を収容
したタンクに被塗布体を1本づつ浸漬して塗布を行うた
め塗布液の無駄が多く、塗布能率が悪く、塗布加工の初
期と後期ではタンク内の塗布液が変化して電子写真性能
にバラツキを生じさせる原因ともなりうる。
【0071】そこで少なくとも上記表面領域側の構成層
に円形量規制型塗布機(例えば円形スライドホッパ塗布
機など)を用いれば上記問題を解決でき、更に本発明に
おいては少なくとも上記表面領域側の構成層とそれ以外
の構成層で異なったキャリア輸送物質を使用した場合で
も上記表面領域側の構成層塗布液への下層キャリア輸送
物質の溶出による不要な混入が生じる問題点に対しても
有効な手段となる。
【0072】円形量規制型塗布機の塗布原理・特徴につ
いては特開昭60-95440号、特開平3-90250号に開示され
ている。
【0073】この塗布原理による塗布は次のようにして
行われる。即ちエンドレスに形成された連続周面を有す
る基材を移動させながら塗布液を塗布する塗布装置にお
いて、該基材周面を取り囲むように且つ塗布液が基材に
連続して接液可能な間隙を維持するようにホッパー塗布
面が形成されている。該ホッパー塗布面に塗布液分配ス
リットを通じて塗布液を直接供給する塗布液分配室が基
材周面を取り囲むように設けられており、且つ該塗布液
分配室へ塗布液を連続的に供給する塗布液供給口が設け
られている。該塗布液を該塗布液分配室外へ排出する塗
布液排出口が塗布装置に設けられており、該塗布液分配
室内にポンプ等により送られた塗布液が前記塗布液供給
口より供給される。該供給口からの塗布液は基材の円周
方向に分配され、これを取り囲むように流れ、前記塗布
液分配スリットを通ってその出口である塗布液流出口よ
り流出する。前記流出口より押し出された塗布液は、前
記間隙に流出し、基材周面の接液部において塗布され
る。
【0074】この塗布装置を一つの具体例にて説明すれ
ば図2(a)(b)において、10はA方向に搬送される
円筒状導電性支持体、11は円形スライドホッパー塗布機
で、12は該塗布機11の塗布液分配室、13は塗布液分配ス
リット、14は塗布液供給パイプ、15は液受け、16はホッ
パーエッジ、17は塗布液スライド面、18は塗布層であ
り、図2(a)は円筒状支持体10を含む塗布機11の断面
図、(b)はその一部破断斜視図である。
【0075】塗布時、塗布液Sは、ポンプ等により必要
量塗布液供給パイプ14を経て、塗布液分配室12へ供給さ
れ、それから円周方向へと均一に分配され、分配スリッ
ト13を通過し、スライド面17を円周方向に均一に流下す
る。しかる後、塗布液Sはホッパーエッジ16と円筒状支
持体10外周面との間にビードが形成し、このビードと支
持体10外周面とが接触した状態で支持体10が矢印A方向
へと搬送され、表面に塗布層18が形成される。かかる塗
布機によれば、塗布層18から速やかに溶剤が蒸発するの
で簡単な乾燥装置を設けることにより容易に乾燥塗膜が
得られる。又塗布液Sは必要量だけ送られるので塗布液
の無駄がなく、材料のコスト低減が計られる。又円形塗
布であるため継目のない均一塗布が可能であり、塗布膜
が液供給量、粘度、被塗布体の移動速度で決まり、塗布
厚の制御が容易であり、又塗布中ビードの作用で塗布厚
の変動が少ないため高品質、高生産性の塗布が可能であ
る。前記円形スライドホッパー塗布機では、スライド面
終端部の径と円筒状支持体の外径との間隙は0.05〜1mm
が好ましく、0.1〜0.6mmがより好ましい。スライド面の
傾斜角は水平に対して10゜〜70゜が好ましく、20゜〜45
゜が更に好ましい。
【0076】塗布液の粘度は0.5〜700Cpの範囲が良く、
1〜500Cpが更に良い。
【0077】なお、塗布液が塗布液分配スリットから円
周方向に均一に流出するようにするためには、スライド
ホッパー装置にあっては、分配室抵抗(Pc)と塗布液分
配スリットを流れるときのスリット抵抗(Ps)とがPs/
Pc≧80で、より好ましくは100〜100,000の範囲である。
【0078】次に図3は円形押し出し塗布機11′の断面
図であり、図2と同一内容には同一符号が付される。前
記円形押し出し塗布装置11′においては、ポンプ等によ
り塗布に必要な量の塗布液Sが塗布液供給パイプ14へと
供給され、塗布液分配室12によって円周方向へと均一に
分配され、分配スリット13内を押し出され、ホッパエッ
ジ16より均一かつ連続的に流出して支持体外周面との間
に塗布液ビードを形成し、これにより塗布層18が塗布さ
れる。
【0079】ホッパーエッジ16の長さは0.1〜10mm、好
ましくは0.5〜4mmが良い。ホッパーエッジの傾斜角は
鉛直下方から30゜迄の範囲内がよく、鉛直下方から20゜
迄の範囲内とするのが更によい。ホッパーエッジの傾斜
角が30゜を越えると塗布液の架橋が短くなり、良好な塗
膜を得にくくなる。
【0080】又前記押し出し塗布機11′にあっては、分
配室抵抗(Pc)と、塗布液分配スリットを流れる際のス
リット抵抗(Ps)とがPs/Pc≧40、より好ましくは40〜
100,000の範囲内の関係に保たれる事により、塗布液を
安定且つ均一に塗布することが可能である。
【0081】これら分配室抵抗(Pc)、スリット抵抗
(Ps)は、塗布液供給速度、粘度、供給圧に応じて決定
すればよい。さらに又前記押し出し塗布機11′において
は、ホッパエッジは被塗布体外径より0.05〜1mm大き
く、より好ましくは塗布膜厚をhommとすると2ho mmか
ら4ho mmまでの範囲であり、塗布方向長さ0.1〜10mm、
より好ましくは0.5〜4mmを有するものであるのが好ま
しい。
【0082】本発明に係る塗布液供給装置は単層塗布装
置のみならず、2以上の塗布液を同時塗布する重量塗布
装置にも好適に用いることができる。
【0083】また保護層、中間層または下引き層は、バ
インダー樹脂を溶媒中に溶解せしめた溶液を塗布、乾燥
して形成することができる。
【0084】感光体の形成に使用される溶剤或いは分散
媒としては広く任意のものを用いることができる。例え
ばn-ブチルアミン、エチレンジアミン、N,N-ジメチルホ
ルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン、4-メトキシ-4-メチル-2-ペンタノン、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸n-ブチ
ル、酢酸t-ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエ
ーテル、トルエン、キシレン、アセトフェノン、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ジクロ
ロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロ
ホルム、クロロベンゼンなどが挙げられる。
【0085】上記感光層には感度の向上や残留電位の減
少、或いは反復使用時の疲労の低減を目的として電子受
容性物質を含有させることができる。このような電子受
容性物質としては例えば無水コハク酸、無水マレイン
酸、ジブロモ無水コハク酸、無水フタル酸、テトラクロ
ロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、3-ニトロ
無水フタル酸、4-ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリッ
ト酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラ
シアノキノジメタン、o-ジニトロベンゼン、m-ジニトロ
ベンゼン、1,3,5-トリニトロベンゼン、p-ニトロベンゼ
ン、ピクリルクロライド、キノンクロルイミド、クロラ
ニル、ブロマニル、ジクロロジシアノ-p-ベンゾキノ
ン、アントラキノン、ジニトロアントラキノン、9-フル
オレニリデンマロノニトリル、ポリニトロ-9-フルオロ
ニリデンマロノニトリル、ピクリン酸、o-ニトロ安息香
酸、p-ニトロ安息香酸、3,5-ジニトロ安息香酸、ペンタ
フルオロ安息香酸、5-ニトロサリチル酸、3,5-ジニトロ
サリチル酸、フタル酸、メリット酸、その他の電子親和
力の大きい化合物を挙げることができる。
【0086】電子受容性物質の添加割合はキャリア発生
物質の重量100に対して0.01〜200が望ましく、更には0.
1〜100が好ましい。
【0087】また上記感光層中には保存性、耐久性、耐
環境依存性を向上させる目的で、酸化防止剤や光安定剤
等の劣化防止剤を含有させることができる。そのような
目的に用いられる化合物としては例えばトコフェロール
等のクロマノール誘導体及びそのエーテル化化合物もし
くはエステル化化合物、ポリアリールアルカン化合物、
ハイドロキノン誘導体及びそのモノ及びジエーテル化合
物、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導
体、チオエーテル化合物、ホスホン酸エステル、亜リン
酸エステル、フェニレンジアミン誘導体、フェノール化
合物、ヒンダードフェノール化合物、直鎖アミン化合
物、環状アミン化合物、ヒンダードアミン化合物などが
有効である。特に有効な化合物の具体例としては「IRGA
NOX 1010」、「IRGNOX 565」(チバ・ガイギー社
製)、「スミライザー BHT」、「スミライザー MDP]
(住友化学工業社製)等のヒンダードフェノール化合
物、「サノール LS-2626」、「サノール LS-622LD」
(三共社製)等のヒンダードアミン化合物が挙げられ
る。
【0088】中間層、保護層等に用いられるバインダー
としては、上記のキャリア発生層、キャリア輸送層に挙
げたものを用いることができるが、そのほかにナイロン
樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビ
ニル-無水マレイン酸共重合体、エチレン-酢酸ビニル-
メタクリル酸共重合体等のエチレン系樹脂、ポリビニル
アルコール、セルロース誘導体等が有効である。またメ
ラミン、エポキシ、イソシアネート等の熱硬化或いは化
学的硬化を利用した硬化型のバインダーを用いることが
できる。
【0089】導電性支持体としては金属板、金属ドラム
が用いられる他、導電性ポリマーや酸化インジウム等の
導電性化合物、もしくはアルミニウム、パラジウム等の
金属の薄膜を塗布、蒸着、ラミネート等の手段により紙
やプラスチックフィルムなどの基体の上に設けてなるも
のを用いることができる。
【0090】本発明の感光体は、電子写真複写機、レー
ザビームプリンタ、CRTプリンタ、電子写真式製版シス
テム等に用いることができる。その際光源として、He-N
eレーザ、半導体レーザ(780nm、680nm等)、LED、ハロ
ゲンランプ等の各種光源が使用できる。
【0091】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、文中
「部」とは「重量部」を表す。
【0092】実施例1−1〜1−8 直径80mmのドラム状アルミニウム製導電性基体(アルミ
ニウムシリンダー)上に、ポリアミド樹脂からなる厚さ
0.1μの下引層を設けた。次にキャリア発生物質30部、
ブチラール樹脂エレックスB(BX-L)10部、メチルエチ
ルケトン1600部からなる塗布液を、上記下引層上に浸漬
塗布により乾燥後の膜厚が1.5μになるように塗布して
キャリア発生層を形成した。
【0093】次いでキャリア輸送物質400部、ポリカー
ボネート樹脂(Z300:三菱瓦斯化学社製)600部をジク
ロロメタン3000部に溶解した液に前記「数1」理論量の
カップリング剤処理により疎水化した平均粒径0.5μmの
シリカ480部を分散した液を用いて浸漬塗布により、乾
燥後の膜厚が30μmになるようにキャリア輸送層を形成
した。
【0094】実施例1−9 キャリア輸送層中の疎水化シリカを120部用いた他は実
施例1−1と同様に表1の条件で感光体を作製した。
【0095】実施例1−10 キャリア輸送層中の疎水化シリカを900部用いた他は実
施例1−1と同様に表1の条件で感光体を作製した。
【0096】比較例1−1 キャリア輸送層中のシリカを除いた他は実施例2と同様
にして感光体を作製した。
【0097】比較例1−2 キャリア輸送層中の疎水化シリカの代わりに未処理のシ
リカを用いた他は実施例1−2と同様にして感光体を作
製した。
【0098】比較例1−3 キャリア輸送層中の平均粒径0.5μmの疎水化シリカの代
わりに平均粒径12μmの疎水化シリカを用いた他は実施
例1−1と同様にして感光体を作製した。
【0099】比較例1−4 キャリア輸送層中の平均粒径0.5μmの疎水化シリカの代
わりに平均粒径0.01μmの疎水化シリカを用いた他は実
施例1−1と同様にして感光体を作製した。
【0100】実施例1−11〜1−16 直径80mmのドラム状アルミニウム製導電性基体(アルミ
ニウムシリンダー)上に、ポリアミド樹脂からなる厚さ
0.1μの下引層を設けた。次にキャリア発生物質30部、
ブチラール樹脂エレックスB(BX-L)10部、メチルエチ
ルケトン1600部からなる塗布液を、上記下引層上に浸漬
塗布により乾燥後の膜厚が1.5μになるように塗布して
キャリア発生層を形成した。
【0101】次いでキャリア輸送物質500部、ポリカー
ボネート樹脂(Z300:三菱瓦斯化学社製)600部をジク
ロロメタン3000部に溶解した液を浸漬塗布により、乾燥
後の膜厚が25μになるようにキャリア輸送層を形成し
た。
【0102】更にキャリア輸送物質50部とポリカーボネ
ート樹脂100部をジクロロエタン1600部に溶解した塗工
液に上記理論量で処理した平均粒径0.5μmのシリカを分
散させた後、浸漬塗布にて乾燥後の膜厚が5μのキャリ
ア輸送層の上側構成層を形成した。
【0103】実施例1−17 キャリア輸送層の上側構成層中の疎水化シリカを120部
用いた他は実施例1−11と同様に表1の条件で感光体を
作製した。
【0104】実施例1−18 キャリア輸送層の上側構成層中の疎水化シリカを900部
用いた他は実施例1−11と同様に表1の条件で感光体を
作製した。
【0105】実施例1−19 キャリア輸送層中の疎水化シリカを平均粒径0.5μmのも
のに代えて平均粒径0.2μmのものを用いた他は実施例11
と同様にして感光体を作製した。
【0106】実施例1−20 キャリア輸送層中の疎水化シリカを平均粒径0.5μmのも
のに代えて平均粒径8.5μmのものを用いた他は実施例1
−11と同様にして感光体を作製した。
【0107】実施例1−21 キャリア輸送層中のシリカをシランカップリング剤で処
理する代わりにイソプロピルジメタクリルイソステアロ
イルチタネートで処理したシリカを用いた他は実施例1
−12と同様にして感光体を作製した。
【0108】実施例1−22 キャリア輸送層中のシリカをシランカップリング剤で処
理する代わりにアルミカップリング剤(AL-M:味の素社
製)で処理したシリカを用いた他は実施例1−12と同様
にして感光体を作製した。
【0109】比較例1−5 キャリア輸送層中のシリカを除いた他は実施例1−13と
同様にして感光体を作製した。
【0110】比較例1−6 キャリア輸送層中の疎水化シリカの代わりに未処理のシ
リカを用いた他は実施例1−13と同様にして感光体を作
製した。
【0111】比較例1−7 キャリア輸送層中の平均粒径0.5μmの疎水化シリカの代
わりに平均粒径12μmの疎水化シリカを用いた他は実施
例1−11と同様の方法にて表1の条件を用いて感光体を
作製した。
【0112】比較例1−8 キャリア輸送層中の平均粒径0.5μmの疎水化シリカの代
わりに平均粒径0.01μmの疎水化シリカを用いた他は実
施例1−11と同様の方法にて表1の条件を用いて感光体
を作製した。
【0113】比較例1−9 キャリア輸送層の上側構成層の膜厚を25μm、下側構成
層の膜厚を5μmとした以外は実施例1と同様にして感
光体を作製した。
【0114】実施例1−23〜1−25 実施例1−11と同様の方法により、表1の条件を用いて
キャリア輸送層の上側構成層のみを円形スライドホッパ
を用いて感光体を作製した。
【0115】<電子写真感光体の評価>以上のようにし
て得た電子写真感光体をコニカ(株)社製複写機U-BIX404
5を用いて以下のような特性評価を行った。結果を表1
に示した。
【0116】電気的特性・繰り返し特性評価 上記複写機を改造し、表面電位計を備え付けて、帯電→
露光→除電のプロセスを50,000回繰り返したときの1回
目と50,000回目の黒紙電位、白紙電位及び残留電位(そ
れぞれVb、Vw、Vr)を測定して評価した。尚、ここでい
う黒紙電位とは反射濃度1.3の黒紙原稿を複写する際の
感光体の表面電位をいう。同様に白紙電位とは反射濃度
0.0の白紙原稿を複写する際の感光体の表面電位をい
う。
【0117】画像評価 50,000枚コピー後の画像サンプルを見て地カブリ、中間
調画像での白スジや黒スジ、そして濃淡ムラなどの感光
体劣化(膜厚減耗、電気的特性)による画像欠陥がでて
いないかを調べた。
【0118】耐摩耗性評価 感光体の耐摩耗性を50,000枚コピー実写試験の前後での
感光体膜厚の変化量で評価した。尚、感光体の膜厚はFi
scher社製EDDY 560Cで測定した。
【0119】表面性評価 感光体表面の表面性(平滑性)を感光体を目視により塗
布ムラ、凹凸、亀裂などの塗布欠陥の有無を判断した。
【0120】
【表1】
【0121】表1からわかるごとく、本発明内の実施例
は全ての特性が良好であるのに対し、本発明外の比較例
はいずれの特性かで実用上問題が出ることがわかる。
【0122】実施例2−1〜2−8 直径80mmのドラム状アルミニウム製導電性基体(アルミ
ニウムシリンダー)上に、ポリアミド樹脂からなる厚さ
0.1μの下引層を設けた。次に下記構造式で表されるビ
スイミダゾピリドノペリレン30部、ブチラール樹脂エレ
ックスB(BX-L)10部、メチルエチルケトン1600部から
なる塗布液を、上記下引層上に浸漬塗布により乾燥後の
膜厚が1.5μになるように塗布してキャリア発生層を形
成した。
【0123】次いでキャリア輸送物質500部、ポリカー
ボネート樹脂(Z300:三菱瓦斯化学社製)560部をジク
ロロメタン3000部に溶解した液を浸漬塗布により、乾燥
後の膜厚が25μになるようにキャリア輸送層を形成し
た。
【0124】更にキャリア輸送物質60部とポリカーボネ
ート樹脂100部をジクロロエタン1600部に溶解した塗工
液に微粒子に対して理論量の表2に示したような種々の
カップリング剤処理した平均粒径0.5μmのシリコーン樹
脂微粒子(トスパール105:東芝シリコーン社製)80部
を分散させた後、浸漬塗布にて乾燥後の膜厚が5μの表
面層を形成した。但し、理論量とは微粒子表面に単分子
層を形成するのに必要な量であり、前記の式に従って算
出した。
【0125】実施例2−9 実施例2−1において平均粒径0.5μmのシリコーン微粒
子を用いる代わりに平均粒径2μmのシリコーン微粒子
を用いた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。
【0126】実施例2−10 実施例1において、表面層のみを円形スライドホッパを
用いて感光体を作製した。
【0127】<電子写真感光体の評価>以上のようにし
て得た電子写真感光体をコニカ(株)社製複写機U-BIX404
5を用いて以下のような特性評価を行った。結果を表2
に示した。
【0128】1.電気的特性・繰り返し特性評価 上記複写機を改造し、表面電位計を備え付けて、帯電→
露光→除電のプロセスを50,000回繰り返したときの1回
目と50,000回目の黒紙電位、白紙電位及び残留電位(そ
れぞれVb、Vw、Vr)を測定して評価した。尚、ここでい
う黒紙電位とは反射濃度1.3の黒紙原稿を複写する際の
感光体の表面電位をいう。同様に白紙電位とは反射濃度
0.0の白紙原稿を複写する際の感光体の表面電位をい
う。
【0129】2.画像評価 50,000枚コピー後の画像サンプルを見て地カブリ、中間
調画像での白スジや黒スジ、そして濃淡ムラなどの感光
体劣化(膜厚減耗、電気的特性)による画像欠陥がでて
いないかを調べた。
【0130】3.耐摩耗性評価 感光体の耐摩耗性を50,000枚コピーの実写試験の前後で
の感光体膜厚の変化量で評価した。尚、感光体の膜厚は
Fischer社製EDDY 560Cで測定した。
【0131】
【表2】
【0132】表2の結果からわかるように、本発明の感
光体は良好な耐摩耗性を示すとともに繰り返し使用時の
電位安定性にも優れている。また、表面層を円形スライ
ドホッパを用いて作製した本発明の感光体は、キャリア
輸送層を浸漬塗布により作製した感光体と比較して耐久
性、塗布性とも同等以上の性質を示す。又、電気的特性
及び繰り返し特性については良好な結果を示しており、
円形スライドホッパによる塗布が有利であることがわか
る。
【0133】
【発明の効果】本発明のごとくキャリア輸送層中に疎水
性シリカあるいはシリコーン微粒子を含有させることに
より、高感度でかつ耐久性、耐摩耗性に優れた感光体を
得ることができる。特に本発明の感光体は表面強度が強
いため、繰り返し使用時において画像欠陥の発生が極力
抑えられており、かつ減耗膜厚も小さいことが特徴であ
る。また、キャリア輸送層を複数層設けることにより、
最表面層のみに疎水性シリカを含有させ、例えば下層の
キャリア輸送物質の含有量を増やすことにより一層の高
感度化を図ることができる。
【0134】更に実施例1−23〜1−25,2−10からわ
かるように、表面層を円形スライドホッパを用いて作製
した本発明の感光体は、キャリア輸送層を浸漬塗布によ
り作製した感光体と比較して耐久性、塗布性とも優れた
性質を示す。また電気的特性及び繰り返し特性について
も良好な結果を示しており、円形スライドホッパによる
塗布が有利であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる感光体の層構成図である。
【図2】円形量規制型塗布機の概要図。
【図3】円形押し出し塗布機断面図。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 キャリア発生層 3 キャリア輸送層 3A 下側構成層 3B 上側構成層 5 表面(保護)層 6 中間層 10 円筒状支持体 11 円形スライドホッパー 12 塗布液分配室 13 塗布液分配スリット 17 塗布液スライド面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江藤 嘉彦 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 (72)発明者 武居 良明 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上にキャリア発生層とキャ
    リア輸送層とを順次積層してなる電子写真感光体におい
    て、前記キャリア輸送層中に体積平均粒径が0.1μm以上
    10μm以下の疎水性シリカ又は疎水性シリコーンを含有
    することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 キャリア輸送層が複数の構成層からな
    り、導電性支持体から遠いキャリア輸送層に体積平均粒
    径が0.1μm以上10μm以下の疎水性シリカ又は疎水性シ
    リコーンを含有する感光層を有することを特徴とする請
    求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 導電性支持体から遠いキャリア輸送層の
    膜厚が1μm以上20μm以下であることを特徴とする請求
    項2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記疎水性シリカ及び疎水性シリコーン
    かシランカップリング剤、チタンカップリング剤又はア
    ルミニウムカップリング剤で処理されている請求項1,
    2又は3記載の感光体。
  5. 【請求項5】 シランカップリング剤が下記一般式(1)
    または(2)で表される化合物であることを特徴とする請
    求項4記載の電子写真感光体。 一般式(1) A−Si−(X)3 一般式(2) A−B−Si−(X)3 (式中、Aは各々置換、未置換のアルキル基もしくは、
    アリール基、又はビニル基、エポキシ基、メタクリル
    基、メルカプト基、アミノ基の少なくとも1つか置換さ
    れた脂肪族炭化水素基、Bはアルキレン基、Xはメトキ
    シ基、エトキシ基または塩素原子を表す。)
  6. 【請求項6】 導電性支持体上にキャリア発生層とキャ
    リア輸送層とを順次積層してなる電子写真感光体の製造
    方法において、キャリア輸送層が複数の構成層からな
    り、導電性支持体から遠いキャリア輸送層に、体積平均
    粒径が0.1μm以上10μm以下の疎水性シリカ又は疎水性
    シリコーンを含有する塗工液を円形量規制型塗布機によ
    り塗布、形成せしめたことを特徴とする電子写真感光体
    の製造方法。
JP28993194A 1994-11-24 1994-11-24 電子写真感光体及び製造方法 Pending JPH08146626A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28993194A JPH08146626A (ja) 1994-11-24 1994-11-24 電子写真感光体及び製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28993194A JPH08146626A (ja) 1994-11-24 1994-11-24 電子写真感光体及び製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08146626A true JPH08146626A (ja) 1996-06-07

Family

ID=17749610

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28993194A Pending JPH08146626A (ja) 1994-11-24 1994-11-24 電子写真感光体及び製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08146626A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004013068A1 (de) * 2002-08-01 2004-02-12 Albert-Ludwigs-Universität Freiburg Verfahren zur durchführung chemischer reaktionen unter beteiligung von an fluorierten trägermaterialien über fluor-fluor-wechselwirkungen adsorbierten verbindungen
JP2016138936A (ja) * 2015-01-26 2016-08-04 三菱化学株式会社 電子写真感光体、電子写真プロセスカートリッジ、及び画像形成装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004013068A1 (de) * 2002-08-01 2004-02-12 Albert-Ludwigs-Universität Freiburg Verfahren zur durchführung chemischer reaktionen unter beteiligung von an fluorierten trägermaterialien über fluor-fluor-wechselwirkungen adsorbierten verbindungen
JP2016138936A (ja) * 2015-01-26 2016-08-04 三菱化学株式会社 電子写真感光体、電子写真プロセスカートリッジ、及び画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
MXPA04003183A (es) Miembros formadores de imagenes.
JP6426490B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法
JPS6352146A (ja) 正帯電用電子写真感光体
US20150160572A1 (en) Coating solution for forming charge transport layer, electrophotographic photoreceptor prepared therewith and image forming apparatus comprising the same
JPH09258460A (ja) 感光体及びその製造方法、それを用いた電子写真画像形成方法と装置、装置ユニット
JPH08234471A (ja) 電子写真感光体及び画像形成方法
JPH0513493B2 (ja)
JPH08146626A (ja) 電子写真感光体及び製造方法
JPS6350851A (ja) 正帯電用電子写真感光体
JP2909665B2 (ja) 感光体及びその製造方法
JPH0644156B2 (ja) 正帯電用電子写真感光体
JPH06214412A (ja) 電子写真感光体
JP3240544B2 (ja) 電子写真感光体とその製造方法
JPS6396662A (ja) 正帯電用電子写真感光体
JPS6352150A (ja) 正帯電用電子写真感光体
JPH01170951A (ja) 感光体
JPH09222746A (ja) 電子写真感光体と画像形成方法及び装置
JP3273256B2 (ja) 感光体の塗膜形成用分散液の製造方法及び感光体の製造方法
JP2602448B2 (ja) 感光体
JPS6350850A (ja) 正帯電用電子写真感光体
JPS6314153A (ja) 正帯電用電子写真感光体
JPH0862863A (ja) 電子写真感光体とその製造方法
JPH02212853A (ja) 感光体
JPS63244039A (ja) 感光体
JPH01277248A (ja) 感光体