JPH08145428A - レンジフード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加熱調理器具より発生する油煙、蒸気、廃ガ
ス等をフード外に漏らすこと無く適確に捕集し、排気す
ることができるレンジフードを提供することにある。 【構成】 フード本体１の下面開口の一部及び前面の開
口部にフィルタ５，６を着脱可能に装着すると共に、前
板２の内側面及び下面のフィルタ５を支持する仕切り板
４の外表面に吸込み気流を乱すような突起形状を備えず
平坦とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は台所のガスレンジ、電気
レンジ等の加熱調理器具の上方に設置して調理時に発生
する油煙、廃ガス等を吸引排気するレンジフードに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】一般に台所の加熱調理器具の上方に設置
して使用される縦型タイプのレンジフードは、前面及び
下面が開口したフード本体の内部に送風機ユニットを収
容し、フード本体の背板下部から前面開口側に向けて上
向き傾斜状に仕切り板を架設固定すると共に、その仕切
り板の先端とフード本体の天板先端とに設けたフィルタ
支持枠間にフィルタが着脱自在に取り付けられ、更にフ
ード本体の前面には前板が着脱可能に取り付けられた構
造をなしている。そして、前板の内側にはレンジフード
の下方を照らす蛍光灯又は電球等が装備されたランプケ
ースがフード本体側に向け突出して取り付けられてい
る。しかも、そのランプケースは放熱等を考慮して比較
的大きな容積を確保して突出形成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかして、上記したレ
ンジフードを運転して加熱調理器具から発生する油煙、
蒸気、廃ガス等を吸引排気しようとした場合、加熱調理
器具から発生する油煙、蒸気、及び廃ガス等は加熱され
た空気に乗って上昇しながら拡散するが、その上昇した
油煙、蒸気、廃ガス等はフード本体の下面に架設された
仕切り板及び前板の内側に突出して取り付けられたラン
プケースに当たって吸込み気流が乱され、フード本体の
左右側板及び前板の左右側板を越えてレンジフードの外
に漏れ、その結果捕集排気されずに室内に残留するとい
った問題点を有する。

【０００４】本発明は上述した従来の技術が有する問題
点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、
加熱調理器具より発生する油煙、蒸気、廃ガス等をフー
ド外に漏らすこと無く適確に捕集し、排気することがで
きるレンジフードを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する為
に本発明が講じた技術的手段は、加熱調理器具から発生
する油煙、蒸気、廃ガス等が加熱空気に乗って上昇した
時、フード内に捕集されずにフード外に拡散される要因
となる仕切り板及び前板内側のランプケース等の突起形
状を取り除き、拡散に関与しない位置に取り付けると共
に、吸い込み面積を拡大する。即ち、フード本体の下面
開口の一部及び前面の開口部にフィルタを着脱可能に装
着すると共に、前板の内側面及び下面のフィルタを支持
する仕切り板の外側表面に吸込み気流を乱すような突起
形状を備えていないことを特徴とする。尚、前板には送
風機ユニットの運転・停止を操作する操作スイッチ及び
照明器具の点灯・消灯を操作するスイッチ類が取り付け
られるが、その制御部はランプケースと比較すれば偏平
状で容積も小さい為、吸込み気流を乱すまでには至ら
ず、従ってそれらのスイッチ類は前板の内側に問題なく
取り付けられる。

【０００６】上記のフード本体に収容配置される送風機
ユニットとしては、プロペラファンを備えた送風機ユニ
ット或いは多翼ファンを装備した送風機ユニットの何れ
でも良く、又、プロペラファンの送風機ユニットとして
は換気扇を収容してもよいものである。更に、フード本
体の下面の開口部に取り付ける仕切り板はランプケース
を取り付けるに必要な面積を備えれば良く、それ以外は
吸引排気に関与する通気部としフィルタを取り付けるよ
うにする。勿論、上記仕切り板にランプケースを装備す
る、しないは任意である。

【０００７】フード本体の前面の開口部を閉鎖するフィ
ルタは、フード本体に対して着脱自在に取り付けられる
前板側に装備しても、或いはフード本体側に取り付けて
もよい。そして、そのフィルタの形態は金属製の平板に
切り起しに因って通気孔を開設したスロットフィルタ、
パンチングメタルの積層体、ラス網の積層体等、今日こ
の種レンジフードのフィルタとして一般的に使用されて
いるものであれば何れでもよい。

【０００８】又、上記フード本体と前板とで区画される
下面開口部内には、フード本体及び前板の周壁と所定の
吸い込み間隙を区画形成する整流板を水平状態に取り付
ける。その整流板の形態は平板状、或いは平板の中央部
を下方に突出させた四角錘形状等何れでもよく、要は上
昇してきた油煙、廃ガス等を周囲の吸い込み間隙に効果
的に案内できればよい。

【０００９】

【作用】上記の手段によれば、加熱調理器具から発生す
る油煙、廃ガス、蒸気等は加熱空気と共に上昇し該調理
器具上方のレンジフードに到達するが、前板の内側面及
び仕切り板に吸込み気流を乱すような突起形状が備えら
れていない為、油煙、蒸気等はフード外に拡散されるこ
と無く捕集され、しかもフード本体の下面開口部にもフ
ィルタが取り付けられてフード本体内に収容されている
送風機ユニットの吸引作用が前面及び下面の両方に働く
為、油煙、蒸気、廃ガス等は両フィルタから吸引され、
フード外に漏れるのを防止する。又、請求項２に示す手
段によれば、比較的大きな容積をとるランプケースが仕
切り板の内側に収容装備されることで仕切り板の外側に
は上記したように吸込み気流を乱す突起形状が存在しな
くなり、照明手段を具備しながら捕集効果の向上が達成
出来る。又、請求項３に示す手段によればフード本体及
び前板の周壁との間に所定の吸い込み間隙が区画形成さ
れるため、その吸い込み間隙部分に生じる吸い込み風速
は早くなり、フードの周縁部の捕集効果が向上され、フ
ード外への漏れが更に防止される。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
ると、図中、１はフード本体、２は前記フード本体１の
前面開口部を被蓋する前板、３はフード本体１の内部に
収容設置される送風機ユニット、４は前記フード本体１
の下面開口部に取り付けられた仕切り板、５及び６はフ
ード本体１の下面と前面の開口部を被蓋する如く取り付
けられたフィルタである。

【００１１】フード本体１は金属製平板で形成された背
板1a、左右側板1b，1c、天板1dによって前面及び下面が
開口した深型の箱状に形成され、そのフード本体１の内
部に送風機ユニット３が背板1aに開設した通孔７に取り
付けられると共に、下面開口部に仕切り板４が背板1aの
下部から前方上向きに傾斜させて背板1a、左右側板1b，
1cに連結固定されている。又、フード本体１の背板1a、
左右側板1b，1cには後述する送風機ユニット３を設置す
る為の窓孔を開設するためにハーフカットの抜き取り部
が形成されており、レンジフードを取り付ける場所の状
況に応じて送風機ユニット３の取り付け位置を背板側、
或いは左側板、右側板と選択出来るようになっている。

【００１２】上記フード本体１の前面開口部を被蓋する
前板２は、矩形状の前面板2aとその前面板2aの左右側部
に直角に連結固定される略三角形の側面板2b，2cとで構
成され、そうした前板２はフード本体１の前端縁に接合
し着脱自在に取り付けられている。その前板２の取り付
け構造は、前板２の上部に前記フード本体１の天板1dの
前端に突設した係合突片８に係合する引っ掛け部９を切
欠し、且つ前板２における側面板2b，2cの後端面下部に
孔10を開設した掛止め片11を突設し、その掛止め片11の
孔10に嵌合する突起12がフード本体１の左右側板1b，1c
の前端面に形成されていると共に、その突起12に嵌合し
た掛止め片11を挟持する挟着片13が上下方向にスライド
自在に取り付けられている。尚、フード本体１に対する
前板２の着脱自在な取り付け構造は上記した構成に限ら
れるものではなく、上部を引っ掛け、下部をボルト・ナ
ットで止める構造等、適宜選択し得るものである。

【００１３】フード本体１の内部に収容設置される送風
機ユニット３は、筒状枠体14と、その枠体14の内側に固
定したモータ15と、そのモータ15の回転軸に固着される
プロペラファン16と、筒状枠体14の出口側に取り付けら
れた開閉自在なシャッタ17とで構成された換気扇タイプ
の送風機であって、前記筒状枠体14は取付壁18の表面に
当接されて室内側に突設する第１枠部19と、取付壁18に
開口した取付口20に挿入固定される第２枠部21とで構成
されている。尚、この送風機ユニット３は上記したプロ
ペラファンからなる換気扇タイプに限らず、この種のレ
ンジフードの送風機ユニットとして一般的に使用されて
いる遠心送風機（シロッコファン、ターボファン等）で
も勿論よいものである。

【００１４】上記の送風機ユニット３を収容するフード
本体１の下面開口部を閉鎖する仕切り板４は、フード本
体１の背板1a、左右側板1b，1cの内面に接合固着され、
その仕切り板４の背板1a寄りの中央位置にはランプケー
ス22が取り付けられ、且つそのランプケース22より前側
の部分には周囲縁を残して開口23が開設され、その開口
23にフィルタ５が着脱自在に装着されている。そのフィ
ルタ５は金属平板に切り起しで通孔を形成したものを２
枚合わせ、前後の通孔が互い違い状となるように形成す
る。尚、このフィルタは上記した形態のものに限らず、
今日使用されている各種のフィルタを選択使用すること
ができるものである。

【００１５】又、フード本体１の前面開口部を被蓋する
フィルタ６は前記した前板２における左右の側面板2b，
2cの間に位置して該側面板2b，2cの後端面と略平行に架
設固定したフィルタ取付枠24に着脱自在に装着されてい
る。そして、そのフィルタ６の形態は前記した下面開口
を被蓋するフィルタ５と同様の構成とし、所定大きさの
ものを幅方向に複数枚を並べて構成されている。尚、前
面開口部を被蓋するフィルタ６は図示した前板２側に装
備される形態に限らず、フード本体１の前面開口部にフ
ィルタ取付枠を固定し、そのフィルタ取付枠にフィルタ
を着脱自在に装着する形態としてもよいものである。

【００１６】図４は上述したレンジフードに整流板を取
り付けた構造を示し、その整流板25は耐熱性を有する金
属平板を矩形状に形成し、それをフード本体１と前板２
とで区画される下面開口部内に、フード本体１と前板２
の周壁と所定の吸い込み間隙ａを形成するように略水平
状に架設すると共に、その整流板25は着脱自在に取り付
けられている。尚、上記の整流板25は平板状に限らず中
央部を下方に突出させた四角錘状とするなど任意であ
る。整流板25によってフード本体１及び前板２の周壁と
の間に区画形成される吸い込み間隙ａに生じる吸い込み
風速は高くなり、フードの周縁部の捕集効果が向上さ
れ、フード外への漏れが更に防止される。

【００１７】

【発明の効果】本発明のレンジフードは請求項１に記載
した構成により、加熱調理器具から発生する油煙、廃ガ
ス、蒸気等は加熱空気と共に上昇し該調理器具上方のレ
ンジフードに到達するが、前板の内側面及び仕切り板の
外側面にランプケースの突出物が存在しない為、油煙、
蒸気等は障害物に当たること無く直接フィルタ側へ案内
吸引され、フード外に拡散されること無く捕集される。
しかもフード本体の下面開口部にもフィルタが取り付け
られている為、送風機ユニットの吸引作用は前面及び下
面の両方に働き、油煙、蒸気、廃ガス等を両フィルタか
ら吸引でき、フード外に漏れるのを防止することができ
る。因って、捕集効果の優れたレンジフードを提供する
ことが出来る。

【００１８】又、請求項２に記載した構成とした場合
は、フード本体と前板とで区画される下面開口部の中央
部を整流板で遮断してフード本体及び前板の周壁との間
に所定の吸い込み間隙を区画形成でき、その吸い込み間
隙部分に生じる吸い込み風速は高くなり、フードの周縁
部の捕集効果が向上され、フード外への漏れを更に防止
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るレンジフードの一実施例を示す縦
断側面図である。

【図２】前板のフィルタ取付面を示す背面図である。

【図３】前板を外したフード本体の正面図である。

【図４】整流板を取り付けた実施例を示す縦断側面図で
ある。

【符号の説明】

１…フード本体 ２…前板 ３…送風機ユニット ４…仕切り板 ５…下面側のフィルタ ６…前面側のフィルタ 22…ランプケース 25…整流板 ａ…吸い込み間隙

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前面及び下面が開口したフード本体と、
   そのフード本体の前面側を覆いフード本体に対して着脱
   自在に取り付けられる前板と、前記フード本体内に収容
   装備する送風機ユニットとから成るレンジフードにおい
   て、フード本体の下面開口の一部及び前面の開口部にフ
   ィルタを着脱可能に装着すると共に、前板の内側面及び
   下面のフィルタを支持する仕切り板の外側面に吸込み気
   流を乱すような突起形状を備えていないことを特徴とす
   るレンジフード。
2. 【請求項２】 上記仕切り板の背板側寄りの内側にラン
   プケースを収容装備したことを特徴とする請求項１記載
   のレンジフード。
3. 【請求項３】 上記フード本体と前板とで区画される下
   面開口部内に、周壁と所定の吸い込み間隙を区画形成す
   る整流板を取り付けたことを特徴とする請求項１記載の
   レンジフード。