JPH08143658A - ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

ポリカーボネートの製造方法

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JPH08143658A
JPH08143658A JP28353294A JP28353294A JPH08143658A JP H08143658 A JPH08143658 A JP H08143658A JP 28353294 A JP28353294 A JP 28353294A JP 28353294 A JP28353294 A JP 28353294A JP H08143658 A JPH08143658 A JP H08143658A
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JP
Japan
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bis
compound
reaction
polycarbonate
group
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JP28353294A
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English (en)
Inventor
Shigeki Kuze
茂樹 久世
Koichi Suga
浩一 菅
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐加水分解性を損なうことなく、色調等の品
質に優れたポリカーボネートを効率よく製造する方法を
開発すること。 【構成】 ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを触
媒の存在下、エステル交換反応させ、反応率が90%以
上の段階でリン化合物類を添加することを特徴とするポ
リカーボネートの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリカーボネートの製造
方法に関する。詳しくは、例えば、エステル交換反応に
よってポリカーボネートを製造するにあたり、耐加水分
解性を損なうことなく、色調等の品質に優れたポリカー
ボネートを効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリカ
ーボネートは、透明性,耐熱性あるいは耐衝撃性に優れ
たエンジニアリングプラスチックであって、現在、電気
・電子分野,自動車分野,光学部品分野,その他工業分
野で広く使用されている。一般に、ポリカーボネート
(以下、PCと記すことがある。)の製造方法として
は、ビスフェノールAなどの芳香族ジヒドロキシ化合物
とホスゲンとを直接反応させる方法(界面重縮合法)、
あるいはビスフェノールAなどの芳香族ジヒドロキシ化
合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸ジエステルと
を溶融状態でエステル交換反応させる方法(溶融重合
法)が知られている。このPCの製造方法において、界
面重縮合法は、有毒なホスゲンを用いなければならな
いこと、副生する塩化水素や塩化ナトリウムなどの含
塩素化合物によって製造装置が腐蝕すること、樹脂中
に混入する水酸化ナトリウムなどポリマーの物性に悪影
響を及ぼす不純物の分離が困難なことなどの諸問題があ
る。従って、上記のホスゲンガス等を使用しない、溶融
重合法の開発が盛んに行われるようになった。
【0003】このエステル交換法(溶融重合法)による
PCの製造では、上記界面重縮合法の有する問題点が無
いので、界面重縮合法と比較して安価にポリカーボネー
トを製造することができる。しかしながら、溶融重合法
においては、通常280℃〜310℃の高温下で長時間
反応させるため、製造されるポリカーボネートの着色を
免れないという大きな欠点があった。この欠点を解消す
べく、特公昭61−39972号公報又は特開昭63−
223036号公報等には特定の触媒を使用する方法、
特開昭61−151236号公報又は特開昭62−15
8719号公報等には反応後期に酸化防止剤を添加する
方法、特開昭61−62522号公報等には反応後期に
2軸ベント式混練押出機を使用する方法、特開平2−1
53925号公報等には反応後期に横型攪拌重合槽を使
用する方法などが開示されているが、いずれの方法も未
だ充分な解決法とはいえない。また、エステル交換反応
の触媒には、塩基性触媒が用いられることが多く、得ら
れるポリカーボネートの耐加水分解性が劣るという欠点
がある。この欠点を解消すべく、従来よりジメチル硫酸
等の酸により中和することが知られ、最近では特開平4
−175368号公報に、p−トルエンスルホン酸等の
酸により中和を行い、過剰の酸をエポキシで中和する技
術が開示されているが、中和に用いた過剰の酸性物質を
更に無害化する必要があるなど、未だ充分な解決法とは
いえない。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記状況に鑑み、従来法の欠点を解消し、エステル交換
法において、耐加水分解性を損なうことなく、色調に優
れるとともに、耐熱性(熱安定性)などの品質にも優れ
たポリカーボネートを効率よく製造する方法を開発すべ
く鋭意研究を重ねた。その結果、PCをエステル交換法
によって製造するにあたり、反応が一定以上進行した段
階でリン化合物類を添加することによって、上記の課題
を解決し得ることを見出した。また、特定の触媒を用い
てエステル交換反応を行うことによって、より効果的に
上記の課題を解決し得ることを見出した。本発明は、か
かる知見に基づいて完成したものである。すなわち、本
発明は、(A)ジヒドロキシ化合物と(B)炭酸ジエス
テルとを触媒の存在下、エステル交換反応させ、反応率
が90%以上の段階でリン化合物類を添加することを特
徴とするポリカーボネートの製造方法を提供するもので
ある。
【0005】リン化合物類は下記一般式(I)又は
(I')
【化2】 〔式中、Rは水素原子,水酸基,炭素数1〜30のアル
コシキル基,炭素数1〜30のアルキル基又は炭素数6
〜30のアリール基、好ましくは水素原子,水酸基,炭
素数1〜15のアルコシキル基,炭素数1〜15のアル
キル基又は炭素数6〜20のアリール基であり、Xは酸
素原子,炭素数1〜30のアルキル基又は炭素数6〜3
0のアリール基、好ましくは酸素原子,炭素数1〜15
のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であり、
nは1〜20、好ましくは1〜10の整数である。〕で
表されるリン化合物単独で添加する場合と、上記一般式
(I)又は(I')で表されるリン化合物とリン系酸化防
止剤とを組み合わせて添加する場合がある。上記一般式
(I)又は(I')で表されるリン化合物単独を添加する
場合には、好ましくは0.01〜1000ppm、より好
ましくは0.1〜100ppm、特に好ましくは0.5〜5
0ppmを添加する。また、リン化合物類として、上記
一般式(I)又は(I')で表されるリン化合物とリン系
酸化防止剤とを組み合わせて添加する場合には、上記一
般式(I)又は(I')で表されるリン化合物0.01〜1
000ppm及びリン系酸化防止剤1〜10000pp
m、より好ましくはリン化合物0.1〜100ppm及び
リン系酸化防止剤5〜5000ppm、特に好ましくは
リン化合物0.5〜50ppm及びリン系酸化防止剤10
〜1000ppmを添加する。さらに、本発明のポリカ
ーボネートの製造方法では、前記触媒が2価以上の金属
触媒であることが好ましい。以下に、本発明について詳
細に説明する。
【0006】先ず、本発明に係るポリカーボネートの製
造方法に用いられる原料について説明する。本発明の製
造方法では、(A)ジヒドロキシ化合物と(B)炭酸ジ
エステルとを触媒の存在下、エステル交換反応させる
が、反応率が90%以上の段階でリン化合物類を添加す
る。この添加するリン化合物類としては、リン原子を含
有する化合物が広く用いられるが、好ましくは下記一般
式(I)又は(I')
【化3】 〔式中、Rは水素原子,水酸基,炭素数1〜30のアル
コシキル基,炭素数1〜30のアルキル基又は炭素数6
〜30のアリール基、好ましくは水素原子,水酸基,炭
素数1〜15のアルコシキル基,炭素数1〜15のアル
キル基又は炭素数6〜20のアリール基であり、Xは酸
素原子,炭素数1〜30のアルキル基又は炭素数6〜3
0のアリール基、好ましくは酸素原子,炭素数1〜15
のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であり、
nは1〜20、好ましくは1〜10の整数である。〕で
表されるリン化合物が用いられる。
【0007】上記リン化合物としては、具体的には、リ
ン酸,ピロリン酸,トリポリリン酸,テトラポリリン
酸,ペンタポリリン酸,ヘキサポリリン酸,ヘプタポリ
リン酸,ポリリン酸;ピロリン酸メチル,ピロリン酸エ
チル,ピロリン酸プロピル,ピロリン酸イソプロピル,
ピロリン酸-n-ブチル,ピロリン酸-tert-ブチル,ピロ
リン酸ペンチル,ピロリン酸ヘキシル,ピロリン酸ヘプ
チル,ピロリン酸クレジル,ピロリン酸フェニル,ピロ
リン酸ベンジル,ピロリン酸クレジル,ピロリン酸-n-
ブチルフェニル,ピロリン酸ヘキシルフェニル;ピロリ
ン酸ジメチル,ピロリン酸ジエチル,ピロリン酸ジプロ
ピル,ピロリン酸ジイソプロピル,ピロリン酸ジ-n-ブ
チル,ピロリン酸ジ-tert-ブチル,ピロリン酸ジペンチ
ル,ピロリン酸ジヘキシル,ピロリン酸ジヘプチル,ピ
ロリン酸ジクレジル,ピロリン酸ジフェニル,ピロリン
酸ジベンジル,ピロリン酸ジクレジル,ピロリン酸ジ-n
-ブチルフェニル;トリポリリン酸メチル,トリポリリ
ン酸エチル,トリポリリン酸プロピル,トリポリリン酸
イソプロピル,トリポリリン酸-n-ブチル,トリポリリ
ン酸-tert-ブチル,トリポリリン酸ペンチル,トリポリ
リン酸ヘキシル,トリポリリン酸ヘプチル,トリポリリ
ン酸フェニル,トリポリリン酸ベンジル,トリポリリン
酸クレジル,トリポリリン酸-n-ブチルフェニル,トリ
ポリリン酸ヘキシルフェニル;トリポリリン酸ジメチ
ル,トリポリリン酸ジエチル,トリポリリン酸ジプロピ
ル,トリポリリン酸ジイソプロピル,トリポリリン酸ジ
-n-ブチル,トリポリリン酸ジ-tert-ブチル,トリポリ
リン酸ジペンチル,トリポリリン酸ジヘキシル,トリポ
リリン酸ジヘプチル,トリポリリン酸ジフェニル,トリ
ポリリン酸ジベンジル,トリポリリン酸ジクレジル,ト
リポリリン酸ジ-n-ブチルフェニル;テトラポリリン酸
メチル,テトラポリリン酸プロピル,テトラポリリン酸
-n-ブチル,テトラポリリン酸ヘキシル,テトラポリリ
ン酸フェニル,テトラポリリン酸ベンジル,テトラポリ
リン酸クレジル,テトラポリリン酸-n-ブチルフェニ
ル,テトラポリリン酸ジメチル,テトラポリリン酸ジフ
ェニル;ペンタポリリン酸メチル,ペンタポリリン酸-n
-ブチル,ペンタポリリン酸フェニル,ペンタポリリン
酸ベンジル,ペンタポリリン酸ジメチル,ペンタポリリ
ン酸ジフェニル;ヘキサポリリン酸メチル,ヘキサポリ
リン酸-n-ブチル,ヘキサポリリン酸フェニル,ヘキサ
ポリリン酸ベンジル;メチルホスホン酸,エチルホスホ
ン酸,プロピルホスホン酸,n-ブチルホスホン酸,tert
-ブチルホスホン酸,ペンチルホスホン酸,ヘキシルホ
スホン酸,ヘプチルホスホン酸,オクチルホスホン酸,
ノニルホスホン酸,デシルホスホン酸,フェニルホスホ
ン酸,ピロメチルホスホン酸,ピロエチルホスホン酸,
ピロプロピルホスホン酸,ピロ-n-ブチルホスホン酸,
ピロ-tert-ブチルホスホン酸,ピロペンチルホスホン
酸,ピロヘキシルホスホン酸,ピロヘプチルホスホン
酸,ピロオクチルホスホン酸,ピロノニルホスホン酸,
ピロデシルホスホン酸,ピロフェニルホスホン酸;オク
トメチルホスホン酸,メチレンジホスホン酸,メチレン
ジホスホン酸モノメチル,メチレンジホスホン酸ジメチ
ル,メチレンジホスホン酸モノエチル,メチレンジホス
ホン酸ジエチル,メチレンジホスホン酸モノプロピル,
メチレンジホスホン酸ジプロピル,メチレンジホスホン
酸モノ-n-ブチル,メチレンジホスホン酸ジ-n-ブチル,
メチレンジホスホン酸モノ-tert-ブチル,メチレンジホ
スホン酸ジ-tert-ブチル,メチレンジホスホン酸モノペ
ンチル,メチレンジホスホン酸ジペンチル,メチレンジ
ホスホン酸モノヘキシル,メチレンジホスホン酸ジヘキ
シル,メチレンジホスホン酸モノヘプチル,メチレンジ
ホスホン酸ジヘプチル,メチレンジホスホン酸モノフェ
ニル,メチレンジホスホン酸ジフェニルなどが挙げられ
る。これらリン化合物の中で、リン酸,ピロリン酸,メ
チレンジホスホン酸,トリリン酸,ポリリン酸が特に好
ましく用いられる。
【0008】また、リン系酸化防止剤としては、具体的
には、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト,2−エチ
ルヘキシジフェニルホスファイトの他、トリメチルホス
ファイト,トリエチルホスファイト,トリブチルホスフ
ァイト,トリオクチルホスファイト,トリノニルホスフ
ァイト,トリデシルホスファイト,トリオクタデシルホ
スファイト,ジステアリルペンタエリスチルジホスファ
イト,トリス(2−クロロエチル)ホスファイト,トリ
ス(2,3−ジクロロプロピル)ホスファイトなどのト
リアルキルホスファイト;トリシクロヘキシルホスファ
イトなどのトリシクロアルキルホスファイト;トリフェ
ニルホスファイト,トリクレジルホスファイト,トリス
(エチルフェニル)ホスファイト,トリス(ブチルフェ
ニル)ホスファイト,トリス(ノニルフェニル)ホスフ
ァイト,トリス(ヒドロキシフェニル)ホスファイトな
どのトリアリールホスファイト;トリメチルホスフェー
ト,トリエチルホスフェート,トリブチルホスフェー
ト,トリオクチルホスフェート,トリデシルホスフェー
ト,トリオクタデシルホスフェート,ジステアリルペン
タエリスリチルジホスフェート,トリス(2−クロロエ
チル)ホスフェート,トリス(2,3−ジクロロプロピ
ル)ホスフェートなどのトリアルキルホスフェート;ト
リシクロヘキシルホスフェートなどのトリシクロアルキ
ルホスフェート;トリフェニルホスフェート,トリクレ
ジルホスフェート,トリス(ノニルフェニル)ホスフェ
ート,2−エチルフェニルジフェニルホスフェートなど
のトリアリールホスフェートなどが挙げられる。
【0009】本発明の製造方法において、原料として用
いられる(A)ジヒドロキシ化合物及び(B)炭酸ジエ
ステルは、特に制限はなく、通常のエステル交換法によ
る製造に供される各種のものが用いられる。例えば、エ
ステル交換反応において、(A)成分としてジヒドロ
キシ化合物及び(B)成分として炭酸ジエステル、
(A)成分としてジヒドロキシ化合物のジエステル及び
(B)成分として炭酸ジエステル、(A)成分として
ジヒドロキシ化合物のジ炭酸エステル及び(B)成分と
して炭酸ジエステル、ジヒドロキシ化合物のジ炭酸エ
ステル(自己縮合)、 ジヒドロキシ化合物のモノ炭
酸エステル(自己エステル交換)などが挙げられる。こ
れらの中では、の(A)成分としてジヒドロキシ化合
物及び(B)成分として炭酸ジエステルとが好ましく用
いられる。ここで、エステル交換反応に好ましく用いら
れる(A)成分のジヒドロキシ化合物は、例えば、芳香
族ジヒドロキシ化合物,脂肪族ジヒドロキシ化合物が挙
げられ、これらから選択される少なくとも一種の化合物
である。
【0010】この(A)成分の一つとして用いられる芳
香族ジヒドロキシ化合物は、一般式(II)
【化4】
【0011】〔式中、R1 は、それぞれハロゲン原子
(例えば、塩素,臭素,フッ素,沃素)又は炭素数1〜
8のアルキル基(例えば、メチル基,エチル基,プロピ
ル基,n−ブチル基,イソブチル基,アミル基,イソア
ミル基,ヘキシル基など)であり、このRが複数の場
合、それらは同一であってもよいし、異なっていてもよ
く、mは、0〜4の整数である。そして、Zは、単結
合,炭素数1〜8のアルキレン基又は炭素数2〜8のア
ルキリデン基(例えば、メチレン基,エチレン基,プロ
ピレン基,ブチレン基,ペンテリレン基,ヘキシレン
基,エチリデン基,イソプロピリデン基など),炭素数
5〜15のシクロアルキレン基又は炭素数5〜15のシ
クロアルキリデン基(例えば、シクロペンチレン基,シ
クロヘキシレン基,シクロペンチリデン基,シクロヘキ
シリデン基など),又は−S−,−SO−,−SO
2 −,−O−,−CO−結合もしくは一般式(III) ある
いは(III')
【0012】
【化5】 で表される結合を示す。〕で表される芳香族ジヒドロキ
シ化合物が挙げられる。
【0013】このような芳香族ジヒドロキシ化合物とし
ては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン;ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン;ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン;ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン;1,1−ビス(2−t−ブチル−4−ヒドロキ
シ−3−メチルフェニル)エタン;1,1−ビス(2−
t−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エ
タン;1−フェニル−1,1−ビス(3−フルオロ−4
−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン;2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフ
ェノールA:BPA);2,2−ビス(3−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(2−
メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−
ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン;1,1−ビス(2−t−ブチル−4−ヒドロキ
シ−5−メチルフェニル)プロパン;2,2−ビス(3
−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2
−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン;2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス
(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン;2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ブタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)オクタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フェニルメタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
1−メチルフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン;2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン;
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェ
ニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−
クロロフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン;2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プ
ロパン;2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−
5−クロロフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−フ
ェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,2−ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン;1,
1−ビス(2−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフ
ェニル)ブタン;1,1−ビス(2−t−ブチル−4−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン;1,1−ビ
ス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェ
ニル)イソブタン;1,1−ビス(2−t−アミル−4
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン;2,2−
ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブ
タン;2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキ
シフェニル)ブタン;4,4−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ヘプタン;1,1−ビス(2−t−ブチル−4
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ヘプタン;2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン;1,1−
(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどのビス(ヒドロ
キシアリール)アルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロペンタン;1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;
1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3−フェニル
−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5,5−トリメ
チルシクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリール)
シクロアルカン類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)エ
ーテル;ビス(4,−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)エーテルなどのビス(ヒドロキシアリール)エーテ
ル類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド;ビ
ス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド
などのビス(ヒドロキシアリール)スルフィド類;ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド;ビス(3−
メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド;ビス
(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシ
ドなどのビス(ヒドロキシアリール)スルホキシド類;
ビス(4ヒドロキシフェニル)スルホン;ビス(3−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン;ビス(3−
フェニル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのビ
ス(ヒドロキシアリール)スルホン類、4,4’−ジヒ
ドロキシビフェニル;4,4’−ジヒドロキシ−2、
2’−ジメチルビフェニル;4,4’−ジヒドロキシ−
3、3’−ジメチルビフェニル;4,4’−ジヒドロキ
シ−3、3’−ジシクロヘキシルビフェニル;3、3’
−ジフルオロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル等の
ジヒドロキシビフェニル類などが挙げられる。
【0014】上記一般式(II)以外の芳香族ジヒドロキ
シ化合物としては、ジヒドロキシベンゼン類、ハロゲン
及びアルキル置換ジヒドロキシベンゼン類などがある。
例えば、レゾルシン,3−メチルレゾルシン,3−エチ
ルレゾルシン,3−プロピルレゾルシン,3−ブチルレ
ゾルシン,3−t−ブチルレゾルシン,3−フェニルレ
ゾルシン,3−クミルレゾルシン;2,3,4,6−テ
トラフルオロレゾルシン;2,3,4,6−テトラブロ
モレゾルシン;カテコール,ハイドロキノン,3−メチ
ルハイドロキノン,3−エチルハイドロキノン,3−プ
ロピルハイドロキノン,3−ブチルハイドロキノン,3
−t−ブチルハイドロキノン,3−フェニルハイドロキ
ノン,3−クミルハイドロキノン;2,5−ジクロロハ
イドロキノン;2,3,5,6−テトラメチルハイドロ
キノン;2,3,4,6−テトラ−t−ブチルハイドロ
キノン;2,3,5,6−テトラフルオロハイドロキノ
ン;2,3,5,6−テトラブロモハイドロキノン等が
挙げられる。
【0015】また、(A)成分の一つとして用いられる
脂肪族ジヒドロキシ化合物としては、各種のものがあ
る。例えば、ブタン−1,4−ジオール;2,2−ジメ
チルプロパン−1,3−ジオール;ヘキサン−1,6−
ジオール;ジエチレングリコール;トリエチレングリコ
ール;テトラエチレングリコール;オクタエチレングリ
コール;ジプロピレングリコ−ル;N,N−メチルジエ
タノールアミン;シクロヘキサン−1,3−ジオール;
シクロヘキサン−1,4−ジオール;1,4−ジメチロ
ールシクロヘキサン;p−キシリレングリコール;2,
2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパ
ンおよび二価アルコールまたはフェノールのエトキシ化
またはプロポキシ化生成物、例えばビス−オキシエチル
−ビスフェノールA;ビス−オキシエチル−テトラクロ
ロビスフェノールA又はビス−オキシエチル−テトラク
ロロヒドロキノン等が挙げられる。本発明の好ましい製
造方法において、(A)成分のジヒドロキシ化合物とし
ては、上記の化合物を適宜選択して用いるが、これらの
中では、芳香族ジヒドロキシ化合物であるビスフェノー
ルAを用いるのが好ましい。
【0016】一方、本発明において、(B)成分として
用いられる炭酸ジエステルは、各種のものがある。例え
ば、炭酸ジアリール化合物,炭酸ジアルキル化合物又は
炭酸アルキルアリール化合物から選択される少なくとも
一種の化合物である。この(B)成分の一つとして用い
られる炭酸ジアリール化合物は、一般式(IV)
【0017】
【化6】 〔式中、Ar2はアリール基を示す。〕で表される化合物
又は一般式(V)
【0018】
【化7】 〔式中、Ar1 は、上記芳香族ジヒドロキシ化合物から
水酸基を2個除いた残基を示し、Ar2は前記と同じであ
る。〕で表される化合物である。また、炭酸ジアルキル
化合物は、一般式(VI)
【0019】
【化8】 〔式中、R2 は炭素原子1〜6個を有するシルキル基又
は炭素原子4〜7個を有するシクロアルキル基を示
す。〕で表される化合物又は一般式(VII)
【0020】
【化9】 〔式中、R2 及びAr1は前記と同じである。〕で表され
る化合物である。そして、炭酸アルキルアリール化合物
は、一般式(VIII)
【0021】
【化10】 〔式中、R2 及びAr2は前記と同じである。〕で表され
る化合物又は一般式(IX)
【0022】
【化11】 〔式中、R2 ,Ar1及びAr2は前記と同じである。〕で
表される化合物である。
【0023】ここで、炭酸ジアリール化合物としては、
例えば、ジフェニルカーボネート,ジトリルカーボネー
ト,ビス(クロロフェニル)カーボネート,m−クレジ
ルカーボネート,ジナフチルカーボネート,ビス(ジフ
ェニル)カーボネート,ビスフェノールAビスフェニル
カーボネート等が挙げられる。また、炭酸ジアルキル化
合物としては、例えば、ジエチルカーボネート,ジメチ
ルカーボネート,ジブチルカーボネート,ジシクロヘキ
シルカーボネート,ビスフェノールAビスメチルカーボ
ネート等が挙げられる。そして、炭酸アルキルアリール
化合物としては、例えば、メチルフェニルカーボネー
ト,エチルフェニルカーボネート,ブチルフェニルカー
ボネート,シクロヘキシルフェニルカーボネート,ビス
フェノールAメチルフェニルカーボネート等が挙げられ
る。本発明において、(B)成分の炭酸ジエステルとし
ては、上記の化合物を適宜選択して用いるが、これらの
中では、ジフェニルカーボネートが好ましく用いられ
る。
【0024】このような本発明に用いられる前記ジヒド
ロキシ化合物及び前記炭酸ジエステル以外のエステル交
換反応の原料としては、次のものが挙げられる。すなわ
ち、ジヒドロキシ化合物のジエステル類としては、例え
ば、ビスフェノールAのジ酢酸エステル,ビスフェノー
ルAのジプロピオン酸エステル,ビスフェノールAのジ
ブチル酸エステル,ビスフェノールAのジ安息香酸エス
テル等を挙げることができる。また、ジヒドロキシ化合
物のジ炭酸エステル類としては、例えば、ビスフェノー
ルAのビスメチル炭酸エステル,ビスフェノールAのビ
スエチル炭酸エステル,ビスフェノールAのビスフェニ
ル炭酸エステル等を挙げることができる。そして、ジヒ
ドロキシ化合物のモノ炭酸エステル類としては、例え
ば、ビスフェノールAモノメチル炭酸エステル,ビスフ
ェノールAモノエチル炭酸エステル,ビスフェノールA
モノプロピル炭酸エステル,ビスフェノールAモノフェ
ニル炭酸エステル等を挙げることができる。
【0025】また、本発明では、エステル交換反応を促
進させるため触媒が用いられるが、この触媒としては従
来公知のものを使用することができる。このような触媒
の具体例としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金
属の単体,酸化物,水酸化物,アミド化合物,アルコラ
ート,フェノラート、あるいはZnO,PbO,Sb 2
3 のような塩基性金属酸化物、有機チタン化合物、可
溶性マンガン化合物、Ca,Mg,Zn,Pb,Sn,
Mn,Cd,Coの酢酸塩又は含窒素塩基性化合物ある
いは含窒素塩基性化合物と硼素化合物、含窒素塩基性化
合物とアルカリ(土類)金属化合物、含窒素塩基性化合
物とアルカリ(土類)金属化合物と硼素化合物などの併
用系触媒などが挙げられる。
【0026】前記触媒のなかでは、2価以上の金属化合
物が好ましく、さらに、含窒素塩基性化合物と2価以上
の金属化合物とを併用することが特に好ましい。ここ
で、上記含窒素塩基性化合物としては、例えば、トリメ
チルアミン,トリエチルアミン,トリプロピルアミン,
トリブチルアミン,トリペンチルアミン,トリヘキシル
アミン,ジメチルベンジルアミン等の脂肪族第3級アミ
ン化合物、トエフェニルアミン等の芳香族第3級アミン
化合物が挙げられる。また、N,N−ジメチル−4−ア
ミノピリジン,4−ジエチルアミノピリジン,4−ピロ
リジノピリジン,4−アミノピリジン,2−アミノピリ
ジン,2−ヒドロキシピリジン,4−ヒドロキシピリジ
ン,2−メトキシピリジン,4−メトキシピリジン,イ
ミダゾール,2−メチルイミダゾール,4−メチルイミ
ダゾール,2−ジメチルアミノイミダゾール,2−メト
キシイミダゾール,2−メルカプトイミダゾール,アミ
ノキノリン,ジアザビシクロオクタン(DABCO)等
の含窒素複素環化合物が挙げられる。
【0027】そして、テトラメチルアンモニウムヒドロ
キシド(Me4 NOH),テトラエチルアンモニウムヒ
ドロキシド(Et4 NOH),テトラブチルアンモニウ
ムヒドロキシド(Bu4 NOH),トリメチルベンジル
アンモニウムヒドロキシド〔C6 5 CH2(Me)3NO
H〕等のアルキル基,アリール基,アルアリール基など
を有するアンモニウムヒドロキシド類が挙げられる。さ
らに、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド(M
4 NBH4),テトラブチルアンモニウムボロハイドラ
イド(Bu4 NBH4),テトラブチルアンモニウムフェ
ニルボレート(Bu4 NBPh4),テトラメチルアンモ
ニウムテトラフェニルボレート(Me4 NBPh4)等の
塩基性塩が挙げられる。これらの含窒素塩基性化合物の
中では、トリヘキシルアミン,テトラメチルアンモニウ
ムヒドロキシド,テトラブチルアンモニウムヒドロキシ
ド,ジメチルアミノピリジンが好ましく用いられる。前
記触媒は、それぞれ単独で用いてもよく、また、目的に
よっては二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0028】また、本発明の製造方法では、必要に応じ
て下記に示すような末端停止剤が用いられる。即ち、末
端停止剤の具体例としては、o−n−ブチルフェノー
ル;m−n−ブチルフェノール;p−n−ブチルフェノ
ール;o−イソブチルフェノール;m−イソブチルフェ
ノール;p−イソブチルフェノール;o−t−ブチルフ
ェノール;m−t−ブチルフェノール;p−t−ブチル
フェノール;o−n−ペンチルフェノール;m−n−ペ
ンチルフェノール;p−n−ペンチルフェノール;o−
n−ヘキシルフェノール;m−n−ヘキシルフェノー
ル;p−n−ヘキシルフェノール;o−シクロヘキシル
フェノール;m−シクロヘキシルフェノール;p−シク
ロヘキシルフェノール;o−フェニルフェノール;m−
フェニルフェノール;p−フェニルフェノール;o−n
−ノニルフェノール;m−n−ノニルフェノール;p−
n−ノニルフェノール;o−クミルフェノール;m−ク
ミルフェノール;p−クミルフェノール;o−ナフチル
フェノール;m−ナフチルフェノール;p−ナフチルフ
ェノール;2,6−ジ−t−ブチルフェノール;2,5
−ジ−t−ブチルフェノール;2,4−ジ−t−ブチル
フェノール;3,5−ジ−t−ブチルフェノール;2,
5−ジクミルフェノール;3,5−ジクミルフェノー
ル;式
【0029】
【化12】 で表される化合物やクロマン誘導体として、例えば、式
【0030】
【化13】 で表される化合物等の一価フェノールが挙げられる。こ
のようなフェノール類のうち、本発明では特に限定され
ないが、p−tert−ブチルフェノール;p−クミルフェ
ノール;p−フェニルフェノールなどが好ましい。ま
た、式
【0031】
【化14】 で表される化合物等が挙げられる。さらに、本発明で
は、必要に応じて、フロログルシン;トリメリット酸;
1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン;1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニ
ル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス(4”−ヒドロ
キシフェニル)エチル〕ベンゼン;α,α’,α”−ト
リス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイ
ソプロピルベンゼン;イサチンビス(o−クレゾール)
等を分岐剤として用いることもできる。
【0032】本発明の製造方法では、上記特定のリン化
合物類、ジヒドロキシ化合物、炭酸ジエステル及び触
媒、必要に応じて末端停止剤等を用いて、以下の特定の
製造方法を経ることにより、耐加水分解性を損なうこと
なく、色調等の品質にも優れたポリカーボネートを効率
よく製造できる。以下に、本発明に係るポリカーボネー
トの製造方法の手順及び条件について具体的に説明す
る。
【0033】先ず、本発明の製造方法では、前記ジヒド
ロキシ化合物と前記炭酸ジエステルとを触媒の存在下、
エステル交換反応させる。このエステル交換反応は、通
常のエステル交換法によるポリカーボネートの製造に準
じて反応を進行させればよい。即ち、(A)成分のジヒ
ドロキシ化合物と(B)成分の炭酸ジエステルとを、ジ
ヒドロキシ化合物に対して炭酸ジエステルを0.95〜1.
5倍モルになるような比率でエステル交換反応する。な
お、状況に応じて、0.98〜1.20倍モルの比率である
ことが好ましい。そして、前記触媒の添加量としては、
(A)成分のジヒドロキシ化合物に対して、通常、10
-2〜10-8モル/モル、好ましくは10-3〜10-7モル
/モルである。この触媒の添加量が10-8モル/モル未
満では、効果が発現されない恐れがある。また、10-2
モル/モルを超えると、最終製品であるポリカーボネー
トの物性、特に、耐熱性, 耐加水分解性の低下を招く恐
れがあり、また、コストアップに繋がり、これを超えて
まで添加することはない。
【0034】本発明の製造方法に従ってエステル交換反
応を行うにあたっては、反応温度は、特に限定されない
が、通常100℃〜300℃の範囲であり、好ましくは
130℃〜280℃の温度範囲である。このエステル交
換反応の温度が、100℃未満では、反応速度が遅くな
り、一方、300℃を超えると、副反応が生じたり、あ
るいは生成するポリカーボネートが着色するなどの問題
が発生し好ましくない場合がある。また、反応圧力は、
使用するモノマーの蒸気圧や反応温度に応じて設定され
る。これは、反応が効率良く行われるように設定されれ
ばよく、限定されるものではない。通常、反応初期にお
いては、1〜50atm (760〜38,000torr)まで
の大気圧(常圧)ないし加圧状態にしておき、反応後期
においては、減圧状態、好ましくは最終的には0.01〜
100torrにする場合が多い。さらに、反応時間は、目
標の分子量となるまで行えばよく、通常、0.2〜10時
間程度である。
【0035】そして、上記のエステル交換反応は、不活
性溶剤の不存在下で行われるが、必要に応じて、得られ
るPCの1〜150重量%の不活性溶剤の存在下におい
て行ってもよい。ここで、不活性溶剤としては、例え
ば、ジフェニルエーテル,ハロゲン化ジフェニルエーテ
ル,ベンゾフェノン,ポリフェニルエーテル,ジクロロ
ベンゼン,メチルナフタレン等の芳香族化合物、二酸化
炭素,一酸化二窒素,窒素などのガス、クロロフロロ炭
化水素、エタン,プロパン等のアルカン、シクロヘキサ
ン,トリシクロ(5.2.10)デカン,シクロオクタ
ン,シクロデカン等のシクロアルカン、エテン,プロペ
ンのようなアルケン等各種のものが挙げられる。
【0036】次に、本発明の製造方法では、エステル交
換反応の反応率が90%以上、好ましくは95%以上の
段階で、前記リン化合物類を添加する。添加方法は特に
限定されないが、溶媒に溶解したポリカーボネートに、
固体状態,溶融状態あるいは溶液の状態の前記リン化合
物類を添加することが好ましい。さらに、ポリカーボネ
ートのマスターペレットを作製し、これにブレンドする
方法であってもよい。また、本発明の製造方法では、ポ
リカーボネートが溶融している間に、固体状態,溶融状
態あるいは溶液の状態で前記リン化合物類を添加しても
よい。即ち、本発明においては、エステル交換反応が進
行するにつれて、使用した炭酸ジエステルに対応するフ
ェノール類,アルコール類,またはそれらのエステル類
および不活性溶剤が反応器より脱離してゆく。本発明で
は、この反応器より脱離する上記のフェノール類,アル
コール類,またはそれらのエステル類の生成量を追跡す
ることができ、その生成量からエステル交換反応の反応
率が90%を超えた時点以降で、前記リン化合物類を添
加した後、エステル交換反応を継続して行うことによっ
て、品質に優れたポリカーボネートを得ることもでき
る。なお、反応器より脱離する上記のフェノール類,ア
ルコール類,またはそれらのエステル類あるいは不活性
溶剤の脱離物は、分離、精製しリサイクル使用も可能で
あり、これらを除去する設備があれば好ましい。
【0037】そして、本発明のエステル交換反応にあた
っては、末端停止剤を使用することができ、前記の一価
フェノール等からなる末端停止剤の存在量が、(A)成
分であるジヒドロキシ化合物1モルに対して、0.05モ
ル%〜10モル%の範囲にあると、得られるポリカーボ
ネートの水酸基末端が封止されるため、耐熱性及び耐水
性に充分優れたポリカーボネートが得られるので好まし
い。このような前記の一価フェノール等からなる末端停
止剤は、予め反応系に全量添加しておいてもよい。ま
た、予め反応系に一部添加しておき、反応の進行に伴っ
て残部を添加してもよい。さらに、場合によっては、
(A)のジヒドロキシ化合物と(B)の炭酸ジエステル
とのエステル交換反応が一部進行した後に、反応系に全
量添加してもよい。
【0038】本発明の製造方法は、バッチ式または連続
的に行うことができ、かつ任意の装置を使用することが
できる。なお、連続式で製造する場合には、少なくとも
二基以上の反応器を使用し、上記の反応条件を設定する
のが好ましい。また、本発明で用いられる反応器は、そ
の材質や構造は、特に制限はされないが、通常の攪拌機
能を有していればよい。ただし、反応後段においては粘
度が上昇するので高粘度型の攪拌機能を有するものが好
ましい。さらに、反応器の形状は槽型のみならず、押出
機型のリアクター等でもよい。また、得られたPCは、
そのまま造粒しても良く、また、押出機等を用いて成形
することもできる。このような本発明の製造方法によれ
ば、耐加水分解性を損なうことなく、色調等の品質に優
れたポリカーボネートを効率よく製造することができ
る。
【0039】なお、本発明では、必要に応じて、添加剤
として前記リン系酸化防止剤以外の酸化防止剤を配合す
ることもできる。また、本発明によって得られるPC
は、可塑剤,顔料,潤滑剤,離型剤,安定剤,無機充填
剤などのような周知の添加剤を配合して使用することも
できる。さらに、得られるPCは、ポリオレフィン,ポ
リスチレン,ポリエステル,ポリスルホネート,ポリア
ミド,ポリフェニレンオキシド等の重合体とブレンドす
ることが可能である。特に、OH基,COOH基,NH
2 基などを末端に有するポリフェニレンエーテル,ポリ
エーテルニトリル,末端変性ポリシロキサン化合物,変
性ポリプロピレン,変性ポリスチレン等と併用すると効
果的である。
【0040】
【実施例】更に、本発明を実施例及び比較例により、詳
しく説明する。なお、本発明は下記の実施例により限定
されるものではない。 製造例1 攪拌装置を備えた内容積100ミリリットルのニッケル
鋼製オートクレープに、ビスフェノールA(BPA)2
2.8g(0.1モル)、ジフェニルカーボネート23.5g
(0.11モル)、日本特殊化学(株)製高純度テトラメチ
ルアンモニウムヒドロキサイド2.5×10-4(モル/BP
A モル)及び酢酸カルシウム2.5×10 -6(モル/BPA
モル)を仕込み、窒素置換を5回行った。この混合物を
180℃に加熱し、アルゴン雰囲気下で30分間反応さ
せた。次いで、装置内温度210℃で、100mmHg
まで徐々に真空度を上げ、30分間反応を行い、さらに
温度を240℃で、10mmHgまで徐々に真空度を上
げ、30分間反応を行った。次に、温度を270℃、真
空度を2mmHgにして30分間反応させた後、真空度
0.3mmHgで30分間反応を行った。最後にオートク
レープ内に、粘調で透明な物質が残った。この物質をメ
チレンクロライドに溶解し、20℃での還元粘度〔η〕
を測定し、この値から算出される粘度平均分子量(Mv)
は17900であった。なお、上記の粘度平均分子量
は、下記の式を用いて算出した。 〔η〕=1.23×10-4×Mv0.83
【0041】製造例2 製造例1において、酢酸カルシウムを酢酸亜鉛に代えた
以外は、製造例1と同様に実施した。
【0042】製造例3 製造例1において、酢酸カルシウムを酢酸マンガンに代
えた以外は、製造例1と同様に実施した。
【0043】製造例4 製造例1において、酢酸カルシウムを水酸化カルシウム
に代えた以外は、製造例1と同様に実施した。
【0044】実施例1〜12,比較例1〜4 製造例1〜4で合成したポリカーボネート3.5gを塩化
メチレンに溶解し、第1表に示すリン化合物類のアセト
ン溶液を所定量加えた。次いで、塩化メチレンの量を半
分程度に留去した後、アセトンを加えて結晶化させ、さ
らに溶媒を留去しフレークを得た。これを60℃で真空
乾燥2時間以上行い、最終の製造物であるポリカーボネ
ートを得た。得られたポリカーボネートについて黄色度
(YI)を測定した後、窒素気流下、340℃で30分
間熱処理し、処理後の黄色度(YI)を測定した。そし
て、この熱処理前後の黄色度の変化(ΔYI)を評価し
た。結果を第1表に示す。
【0045】
【表1】 この結果から、本発明の製造方法によれば、得られるポ
リカーボネートは、黄色度の変化(ΔYI)が少なく、
熱安定性が優れていることがわかった。尚、黄色度(Y
I)は、8重量%の塩化メチレン溶液を高さ57mmの
石英セルを用いて、スガ試験機製カラーメーターSM−
3により測定した。
【0046】
【発明の効果】以上、本発明によれば、耐加水分解性あ
るいは色調等の品質に優れるとともに、耐熱性などの品
質にも優れたポリカーボネートを効率よく製造すること
ができる。したがって、本発明は、ポリカーボネートを
工業的に有利に製造する方法として、有効かつ幅広く利
用することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ジヒドロキシ化合物と(B)炭酸
    ジエステルとを触媒の存在下、エステル交換反応させ、
    反応率が90%以上の段階でリン化合物類を添加するこ
    とを特徴とするポリカーボネートの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記リン化合物類が下記一般式(I)又
    は(I') 【化1】 〔式中、Rは水素原子,水酸基,炭素数1〜30のアル
    コシキル基,炭素数1〜30のアルキル基又は炭素数6
    〜30のアリール基であり、Xは酸素原子,炭素数1〜
    30のアルキル基又は炭素数6〜30のアリール基であ
    り、nは1〜20の整数である。〕で表されるリン化合
    物であることを特徴とする請求項1記載のポリカーボネ
    ートの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記リン化合物類を0.01〜1000p
    pm添加することを特徴とする請求項2記載のポリカー
    ボネートの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記リン化合物類として、前記一般式
    (I)又は(I')で表されるリン化合物を0.01〜10
    00ppm、及びリン系酸化防止剤を1〜10000p
    pm添加することを特徴とする請求項1記載のポリカー
    ボネートの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記触媒が2価以上の金属触媒であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のポリカーボネートの製造
    方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002275368A (ja) * 2001-03-19 2002-09-25 Mitsubishi Chemicals Corp 芳香族ポリカーボネート

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